日記

■2024年02月29日(木)  オペラと言ったってモーツァルト以降だけではない
オペラの醍醐味は声でなく人間ドラマ 阪哲朗、「ばらの騎士」を振る
まあ、ロマン主義の悪しき影響を明確に受けているリヒャルト・シュトラウスあたりならそうですね。これがクラウディオ・モンテヴェルディの場合、むしろ声と歌い方で表現される情感なり歌手の絶技なりが醍醐味で、ドラマの部分はある意味どうでもいいと思います。バッハのカンタータやオラトリオもおおむねそうでしょうし(世俗カンタータはドラマ主体のような気もします)、ヘンデルも同じでしょう。ぺルゴレジは同じ時代区分の人でも少し違うかもしれません。まあ、だからといって場面を無視した表現をする歌手が出ると作曲家と演出家が怒るわけですが(一時期常態化していたらしい)。
ただ、人間ドラマに主眼を置いたオペラを見たいかと言うと、正直ドラマには食傷してるなあという気もします。何しろ近代以降ドラマティズム全盛、およそ表現はなんでもかんでもドラマという気風があり、それこそブラームスにすらドラマを読む話が聞こえるくらいなので、聞いたらハンスリックあたりが憤慨するでしょう。まあ、食傷しているのであれば舞台上演を見に行かなければいいだけの話なので、ピリオド楽器で演奏されるターフェルムジークでも聞いていればいいことであり、そういう表現を上演すること自体は、少なくともホールでの上演であればどうこう言う筋合いではないですね。

■2024年02月29日(木)  まずはシグナルとしてETFの大口売却を
「金融緩和のギアシフト検討」 日銀・高田審議委員、正常化に前向き
まあ、ETFは株式市場の平均株価が2万円前後まで落ちるように放出するべきではあるでしょう。それで潰れるファンドや損をする投機家や投資家もいるでしょうが、「株価なんて上がったり下がったりするもの」なんですし、日銀なら目標株価あたりで裁定取引をする程度の金融技術はあるはずで、JPIFを売り逃げさせておけばせいぜいインサイダー取引事案で担当者が刑事罰を受ける程度で済むでしょう。必要な犠牲だと思いますし、それで確保できる利益の方が処罰された担当者に払う年金よりも多いと思います。どうせ現状日銀は株価操作(株価やETF価格の吊り上げ)を実施している仕手集団なわけですし、今さらインサイダー取引程度でどうこう言う筋合いはないはずです。

■2024年02月29日(木)  JRも民鉄もみんな上側にしてしまえ
ローカル線、設備費負担に国が交付金 JR長崎線と南阿蘇で、九州初
これは一歩前進と言うべきでしょうし、それこそJR各社が整理しようとしている赤字ローカル線についても、線路設備の自治体引き受けを前提に適用されるべきでしょう。そこまでして維持するべきものなのかという議論はあっていいのですが、その判断には慎重を期すべきで、まずはJRが相互乗り入れや列車運行についてすらごちゃごちゃ言う余地の方を無くすべきだと思います。その意味では原則鉄道設備は自治体所有にして借り賃というか列車の乗り入れ料金は所有側が一方的に設定できる、それで列車を走らせるかどうかは運行事業者の任意という形に整理して上下分離するべきだと思います。その上で線路設備側の安全設備については国交省が自治体を指導する形として、列車運行事業者には使用を示して適合する列車を運行させる、不適合な列車の使用は認めないという形にするのが筋でしょう。もはや鉄道事業者が独自に安全設備を開発敷設する仕組みは時代遅れなのだと思います。
もっともそこで失敗するとどこぞの欧州諸国のように設備がさっぱり改善されないようなことになったりもするのですが、本来そうしないための国交省ですしね。まあ、国会が悪いと胸を張って言えるくらいの仕事はしてくれるはずです。

■2024年02月29日(木)  普通民事だと思うんだけどなあ
海賊版の「鬼滅」販売で無罪判決 著作権法違反の「故意認められず」
仕入れ元が怪しくないように装った形だと判断したわけですね。そもそも六枚持ち込んだときの税関は何をしていたのかという気がします。
一応こういう状況を防ぐためのルールがリージョンコードだと思うのですが、あれはあれで国外でのコピーの際にリージョンコードをゼロにされてしまうと利かないんでしょうしね。一応逸失利益として売ってしまった六枚分の正規パッケージ相当額とそれなりの懲罰的損害賠償は民事で認めていいと思いますが、刑事はやり過ぎではあるでしょう。この場合刑事裁判で否定されたのは違法行為の意図であり、法に反する行為があったこと自体は否定されてはいないわけですから、版元は損害賠償の訴訟を提起すれば済むことです。

■2024年02月29日(木)  自分で広告プラットフォームを立ち上げればいいだけでしょうが
欧州のニュース企業32社、グーグルを提訴 ネット広告で「支配的」
気持ちはわかりますが感心できません。あまりにも、広範に流通するメディアが提供する広告枠に乗っかる安易な姿勢があからさまです。新聞や雑誌と同じつもりで検索エンジンプラットフォームと絡んだら、そりゃ同じコストパフォーマンスは得られないでしょうよ。むしろ広告枠を提供しているサイトオーナーを自分たちで組織する努力が求められているように思いますし、その結果広告収入のコストパフォーマンスはまだしもグーグルにお金を払っていた方がましだったと思う程度に落ち込むかもしれませんが、どこぞの賃労働者でもあるまいし、稼げなくなったからプラットフォームが悪いなどというのは、頭が悪すぎませんか?むしろSpringerあたりは自社の独占を気にするべきです。
アプリストア、コンテンツストアはたしかにプラットフォーマー優位の面があるのでまだわかりますが、少なくともネット広告については、組織行動をしておいてすることが都合の悪い相手に譲歩を強要するために国家権力を動員することだけというのは、さぼっているようにしか見えません。もちろんEUがプラットフォーマーに厳しい態度で臨む状況があって、その状況を自己の事業に有利に利用すること自体は倫理的に責められるべきことではありませんが、この場合広告掲載側まで入った組織行動に見えるだけに、まっとうな事業努力とは全く言えないと思います。

■2024年02月29日(木)  これこそ競争による合理性の貫徹の結果だと思いますが
マイナ保険証利用低迷 厚労相、職員に「朝メールで利用呼びかけて」
あほか。
そもそも使うに堪えないものだから利用が低迷してるんでしょうが。まずちゃんと医療機関側の対応を確保しなさい。どの医療機関に行ってもちゃんと受け入れられる状態になれば自発的な移行の目も出ますが、よりによって医療の窓口である小規模医療機関での受け入れ普及に問題があるのでは話になりません。その上で、あのカードに受診情報を記録するような発想は、カルテ全部を画像診断のデータ込みで入れられるのでない限り望ましくないと思います。もちろん受診者が暗証番号を入れるとアクセスできるなんてのもだめで、まず医師については受診者のマイナ保険証と保険いとしての認証があれば各健康保険組合にある受診記録が加入期間全てについて参照できるべきでしょうし、もちろんそれは健康保険加入者が自身の暗証番号なりを使った認証でも参照できてしかるべきです。窓口で暗証番号を入力すれば見られますよなんてのはだめです(マイナ保険証の名誉のために付言しておけば、マイナ保険証で受診した直近十回程度の受診記録はパソコンやスマホでも閲覧できます)。
もちろん受診情報をデジタル化しマイナンバーという一意識別子と紐付けて管理する有用性は認めますが、それなら一番手っ取り早い手段は共済組合を廃止して国民健康保険に一本化することでしょう。一部の職域国民健康保険組合を除いて国民健康保険というのは自治体運営ですから、そもそもマイナンバーと紐付いているはずです。それはしない、共済組合や職域国民健康保険組合も存続させてそれとは別に受診情報をデジタルプラットフォームの上に乗せたいのだと言うなら、それこそ健康保険組合側に手を回して、被保険者全員がマイナ保険証に移行した組合については効率改善分社保基金の負担額を軽減する程度のことはするべきです。

■2024年02月29日(木)  既成が無用だとは言わないけど無意味な、あるいは有害な規制を含んでいる気がする
アプリ市場の巨大IT規制法案、違反企業に課徴金 公取委が概要提示
アプリ市場に「事前規制」導入へ 新法案「今国会提出めざす」
これ、公取が出した新法案とやらの案文が参照できないのですが、無意味ではないにせよ、今の風潮からするとおかしなことになりかねない気がするのは気のせいでしょうか。
まず、確実に害のない規制としてはプラットフォーム間並行出品の自由化があります。つまりMacOSにもiOSにもAndroidにもWindowsにも同じアプリを出品できるということです。これは、ストア側に義務付けるべきです。
しかし、少なくとも公取から出てくる案にはそれ以外見るべき内容がありません。大手プラットフォーマーへの競合側から出てくる既存プラットフォーマーを縛る以外に意味のない規制案しか並んでいないと思います。例えば販売手数料の交渉などむしろ小規模ベンダーを不利にするものですし、競争というよりはアプリの方の独占化、大手のアプリ価格設定上の優位を制度化するものです。むしろ交渉不可能にして、大手の手数料でプラットフォームを維持する構造を堅持するべきでしょう。また複数のストアを認めるというのは、正直現状ではセキュリティー確保に問題を起こすと言わざるを終えません。サイドローディングも、もちろん実施を制約しないに越したことはないのですが、何が起こるかを考えると本来ユーザーがよほどの覚悟を持って選択することだろうと思います。個人的にはアプリのローディングに制約があるようなデバイスプラットフォームはおもちゃだと思いますが、そのおもちゃでないとまともに使えない、でもコストにだけは敏感な消費者がごまんと居るのも事実なのです。決済手段の多様化も、正直何の意味もないでしょう。少なくともアプリストアの乗っ取りを考えるレベルのガリバーを除いては、フォローアップコンテンツについてすら、ストアの公式決済手段以外での決済などかえってコスト高です。

■2024年02月29日(木)  馬鹿が出ると後始末が大変ですね
岡口判事の弾劾裁判、判決は3月27日 弁護側「罷免すべきでない」
弁護側が罷免すべきでないと主張するのは当然として、個人的には法曹の身でありながらSNSなどしていた時点で罷免されるべきだろうと思います。それとも日本の裁判官は守秘義務がないのでしょうか。

■2024年02月29日(木)  なんかそもそもはずぼらのような気がしますが
金型4200個の無償保管を要請 公取委、ハイセンス傘下企業に勧告
まあ、本来製造が終わった時点で都度引き取るべきでしょうね。また作るときに使うから預けとくというのは、さすがにもはや通らないでしょう。もっともこれ、不当な経済上の利益の提供要請というよりは現場のずぼらが慣例化していた事例のような気がしないでもありませんが。昔なら絶対、邪魔なんだけど引き取ってくんないにたいして、いや、使うかもしれんしその時そちらに持ってくの大変じゃんとか言ってたんじゃないかと思います。

■2024年02月29日(木)  これをするなら固定資産税を廃止するべき
不動産の相続登記、怠れば10万円以下の過料へ DV被害者の保護も
これ、土地にはもはや資産価値が本質的にないというのを制度的に認めたことになると思うのですが、だとすれば土地を資産課税の対象とし、かつ課税基準に土地の売却価格推定額を使うというのはどうなのでしょうか。仮に資産価値にかけるのだとすれば金融資産と同じく購入額を期毎に見直した額とするべきですし、資産価値、つまり買って使うほどの使用価値がないのだとすれば課税自体不当でしょう。
もちろん所有者不明で処理できなくなるのが困るのはわかりますが、それなら所有者の死亡を起点に十年以内に相続登記が為されていなければ所有権を失効させ国有ないし市町村有とするのが筋でしょう。それが、とにかく所有して管理し納税しなければ罰金、所有したくなければ(引き取らなくもないが)金払えときました。
なんでもかんでも罰金を含めた刑罰で済むという発想に呆れてしまいます。

■2024年02月29日(木)  こういうのは年寄りの愚痴と言います
“アホ携帯”で見直す、スマートフォンと生活の適切な距離感
何というか精神的にお歳を取られたものだと思うしかないわけですが、こういう懐旧とか情緒とかいうのは無意味だと思います。それともご自身の旧悪でも反省されたのでしょうか。
まず、機械というのは本質的に便利でないといけません。つまりセンサー満載機能たっぷりというのが正しいのです(まあ、それでバッテリーの持ちが悪くなったとか重くなったとかいうのは良し悪しですが)。あれはなくていい、これもなくていいというのは人間が不要なら使わなければ済むことであり、「機能があるからつい」などというのはせいぜいが子供の言い訳に過ぎません。そうした便利で快適な垂れ流しというなら、通俗娯楽書、放送、電話、インスタントメッセージングこそが三悪でしょう。昔のように音をアナログ信号にして通す機能しかないアホ電話しかなかったならともかく、今時のスマートフォンであれば位置情報はある程度把握できるわけですから、緊急通報すら電話は不要で、この場所でこの機関管轄の緊急事態が起こったということさえわかれば最寄りの官憲が急行すれば済みます。カメラを内蔵していれば写真添付でもいいでしょう。コミュニケートする必然性というのはたいしてないのです。まあ、官憲の巡回を極力なくして人件費を節約したいという官公署の利便性を考えれば、スマホを持った人が須らく治安機関の端末であり、音声を含めたあらゆる手段を使って異常事態を官公署に報告することが望ましいのかもしれませんが、口頭での説明というのがたいていの場合ろくなものではないことを考えれば、それこそSMSを打てる程度に落ち着いた人からの通報しか受け付けない持てではないかと思います。
それでも減らしたいというなら、まず電話機能と対話を模擬できるような広い画面は無くすべきでしょう。1行20文字程度、つまりポケベルレベルで十分です。それ以外はモニタ外付けでいいでしょう。またパケット通信も装置側で速度を下げ、20kbps程度に落とすべきですし、100パケット送受信したらその後十分間は通信を行わないようにしておくのが望ましいでしょう。こんなもの何に使うのかというと、一方的に送られてくる緊急メッセージを適度に受信するために使います。こちらからの発信はカメラで写真を撮ってそれを送ればよいですし、文章にしても適当なものに書いてそれを写真に撮って送れば済みます。もう一つは本人確認手段や決済手段などのスマートなサービスの利用です。それこそマルチなカードです。その意味では指紋リーダーなり静脈紋リーダーなり虹彩リーダーなりはデータを適切に保護しつつ本体内に記録し照合も本体で行う前提で搭載していることが望ましいわけですが、それこそアホな非接触ICではできないレベルの機能を搭載するためのものです。もちろんカード読み取り機能を内蔵して組み合わせて認証してもいいでしょう。リモートな人間同士のコミュニケーションは最低限でよいし、人間による高度な利用もオプション機器必須でよいのですが、人間が常に持ち歩く高度情報機器、相当程度ある碑と個人と結びついたデバイスという枠組みこそはスマホの社会的な便益であり、それが確保できる程度の利便性を持っているべきであるわけです。
なんなら、電話会社が個人の位置情報を常時警察と消防に連絡する義務を課してもいいでしょう。I always look youというわけです。

■2024年02月28日(水)  ブラフにしても言い様があると思うけど
米政府の閉鎖、3月1日に迫る バイデン氏「資金供給は議会の責任」
まあ、制度的にはそうなんですけどね。大統領の予算教書だって拘束力はなくて、基本的には与党に話を通して進めるものなんですから。
とはいえ、党派的な対立を除けば、共和党と民主党の対立点は基本的にバイデン大統領の政策絡みではないかと思うのですが。大統領が民主党議員団を説得して共和党に全面的に譲歩すれば予算は通ると思いますよ。

■2024年02月28日(水)  そんな認識はない!
保育士は「高度な専門職」、社会に認識あるか 汐見稔幸さんの問い
保育士が高度な専門職であるという点について、育成の理念からは疑義はありませんが、運用の面では少なくとも二つの視点から疑問があると思います。ひとつは保育がそこまで高度な人的資源を投入するべき業務なのかということです。そしてもうひとつは、現在日本には高度な専門職という概念は運用上存在しないということです。
まず保育についてですが、基本的には親がするものであり、あるいは子守を雇うというのも少なくとも五十年前まではそれなりにあったことです。つまりは集団保育は家庭での保育の代替に過ぎません。保護者から預かるという点で虐待などの問題が起きないような訓練は必要でしょうが、住み込みのお駄賃程度で済むのでなければそれこそ女性の労働力を活用しない方がましかもしれません。この場合、保育士として投入されている労働力は別の形で労働力化されるはずです。
次に高度専門職という概念についてですが、少なくとも1980年以降、日本では人材というのはお湯をかけると三分間で出来上がるものとされています。不足が喧伝されるたびに養成が問題になるというのは、そもそも養成が簡便かつ定型的にできると考えられているからにほかなりません。高度専門職というのは少なくとも養成に一年、研修に二年程度はかかり、さらに数年かけて一人前になるもの、かつその養成にも高度な教育人材が必要なはずですが、日本の感覚では二年間の学校での養成で専門職として現場を完全に任せられる人材が供給され、かつそれが一年単位で任意に供給を調整できるものと考えられています。これはむしろ少し高度な工場労働者の類であり、高度専門職ではありません。もちろん工場労働者であっても供給の調整というのは困難で、少なくとも一度増やしてしまった場合数十年に渡り自然減でしか減りません。もちろん解雇はできますし、簡便に養成可能である以上職がなければ他の稼ぎ方をする、職ができればある程度は戻ってくるという発想も可能でしょうが、そこまで柔軟なものではないことくらい、経済学者以外はわかりそうなものです。

■2024年02月27日(火)  まあ、権威主義と反権威主義の対立の方がわかりやすいのでしょうね
リベラルの逆は保守ではなくパターナル 中島岳志さんが問う「自由」
まあ、確かに捻じれてはいて、保守・革新(進歩派)の対立軸と伝統(パターナル)・リベラルの対立軸が混ざっています。もっともコンサバとトラッドというのはある程度一致しますし、日本も保守派はパターナルです。もっとも保守と対立しているからと言ってリベラルとは限らず、パターナリスティックな進歩派というのはなくもありません。また保守にも二様あり、ひとつは(政治)文化的保守派、つまりそもそもの初めに返れ、伝統から外れてはいけないという方の保守と、その一種ではある意味あるのですが、古典派の経済理論こそが正しいという方の保守です。これは別物であり、前者の保守には共産主義者の一種がいますが、後者は共産主義とは排他的です。日本で言えば、天皇制維持の保守と自由市場経済維持・私有財産制維持の保守です。天皇制自体は自由市場経済とは相いれない部分がありますので、前者はその意味での保守とは異なります。
歴史的にも、米国のトラッド(通称としてはコンサバ)とリベラルの対立軸は、第一次世界大戦後のギルディッドエイジにおける若者文化(この当時だとジャズ、ダンス、ラジオ、レコードですね)の開花に伴って、親世代のコンサバの低落と共に共和党が保守化し、南北戦争による南部の没落によって衰退していた民主党が若者層を取り込んだことで成立しているはずです。もっともこの若者文化の開花自体は日本も起こっていて、モダンボーイ、モダンガールなんてのが出たりしたわけですが、軍部独裁が成立した結果その政治的回収は戦後に持ち越されます。
一方保守と革新の対立はもっと古く、それこそ英国議会で王党派と共和派が対立したあたりから争点を変えつつ続いてきた対立軸ですが、おおむね第二次世界大戦末期の英国の政権交代から世界的にこちらの保守の衰退現象が起き、おおむね1969年のスチューデントパワーあたりをピークに革新政権(英国労働党政権、ドイツ社会民主党政権、フランス社会党政権など)が成立していきます。ただしこの革新政権はパターナリスティックであり、トラッド・リベラルの対立軸は権威主義的政治と市民運動の対立になると思います。
なおアメリカのIT長者は特に初期の世代(スティーブ・ジョブズなど)がこの時期リベラル側で、トラッドに反発してドロップアウトしかけたり自営業に走ったりしていました。昨今目立っているGoogle、Amazon、Facebookのトップはこの次の世代、つまり1960年代以降の生まれでリバータリアニズムの影響を強く受けた世代です。まあ、リバータリアニズムはどう見てもコンサバでもトラッドでもなく、保守派経済思想からの新種ですが。

■2024年02月25日(日)  盗んでいいとは思わないですが、ああいうものを飾る発想も止めて欲しくはあります
被害計2500万円相当 茨城県北茨城市、橋のブロンズ像4体が盗難
まあ、2500万円で売れるかどうかは分かったものじゃありませんが。金属素材としてはもっと安いでしょう。
正直飾る方が悪い気はします。個人宅の庭ではない公共の場所ですので、表現作品を展示して芸術観を押し付けるなど許されていいものとも思えません。ランドマークとしては都合がいいかもしれませんが、そういう趣旨でもないでしょう。

■2024年02月24日(土)  ポーランドのお百姓さんたちを困らせるのは筋違いです
ポーランド農家、抗議デモでウクライナ国境を封鎖 武器輸送に懸念も
「国境封鎖で前線への武器供給に影響が出かねないと懸念を強めている。」
あほかと言うか、そもそも穀物輸出に無策なのが悪いんでしょうが。元々ウクライナ産の農産物というのはダーダネルス・ボスポラス海峡経由で輸出されていたわけですが、その経路がロシアのオデッサ封鎖によって閉ざされ、農産物が陸側に流出しているわけです。ポーランド国内市場にウクライナ産農産物が出ることに問題があるわけですから、武器の代わりに農産物を渡すことにでもしてトップセールスでドイツやスイスにでも売ってくればいいでしょう。それもできない無能な政権が何を懸念するんでしょうか。
運送だって、それこそポーランドまで運べるようになっているならそこから鉄道を使って運べば済むことです。穀物なんて運びやすいはずで、ポーランドとの間に輸出入規制協定を結び、通過輸出だけにすればいいでしょう。ドイツやスイスの消費者は、運賃の価格転嫁には寛容だと思いますし、そもそもウクライナ産なら競争できる価格で供給できると思いますが。
むしろ戦争がさらに拡大して生産量が減る(なんというか、それこそ戦争をやってるのに隣国に輸出で迷惑をかけるほど小麦ができるというのも暢気な話です)とか、黒海ルートが復興して流通が変わるというか元に戻ろうとする過程で混乱が起きるかもしれませんね。

■2024年02月23日(金)  企業に口はない
企業献金「お金でなく口で政策を語れ」 政治制度の専門家が一刀両断
「企業」は「企業」としては政策を口で語ることはできません。何しろ口どころか頭脳もありませんから。あくまでも経営者なり担当者なりが語るものです。役所あたりで担当官に叱られているのと違って、取引以外のことをしている場合経営者にしろ担当者にしろ業務外ですので、企業を代表してすらいません。ですから企業の業務上の支出として献金したりパーティー券を買ったりすることも本来背任行為と言えます。いったんお給料なり一時金なりとして支給されたものを個人として支払うべきです。
その上で、もちろん個人は何の問題もなく政策を多くの場所で個人の資格において語ることができます。会社の公式Xアカウントで語ったら問題でしょうが、経歴欄に何年から某会社の代表取締役最高経営執行責任者と書いてある個人アカウントで語る分には、まあ個人的な発言でしょう。仮にそこに某社としてこういう政策が望ましいと書いてあっても、それは某社の経営者をしている某人の個人的な見解です。もっともその場合、会社の機微情報を曝すと色々問題になります。もちろん裁判官が事件番号や訴答の関係者の個人情報を曝すのも問題になります。オーナー社長が自分の会社なのになんで公私混同だと思っても、そもそも会社にした時点でオーナーとは別のものというのが原則なので(そうでないという判例もありはするのですが)、例え社員であろうと会社を私物化したり会社の利益を損なう行為をすれば公私混同、最悪背任です。

■2024年02月20日(火)  理屈は合うにせよあほな要請だと思いますが
「PBR1倍割れ」ひしめく日本 異例の東証要請は企業を変えるか
発行企業が株価操縦をしたというなら別ですが、このPBR1倍切りというのは企業の責任でしょうか。もちろん資産を有効活用せずに塩漬けにしているという意味では企業の責任はあるのですが、株価の方は基本的に株式売買のアクターの見込みで決まるものであり、企業や市場でどうこうできるものでもなければするべきものでもありません。アクターはこの資産でこの業績ならこの株価が相応と見てその価格を付けているわけでしょうし、割安だからといって買い占めて資産を整理させよう、あるいは直接経営に口を出して業績を向上させようというほど積極的なアクターもおらず、市場も業績低迷、配当低迷を理由に市場を追い出さずに放置しているわけですから、それはそれでいいわけです。むしろ企業資産の方が過大評価されている、実際に整理すると損が出ると、アクターは考えているのかもしれません。その場合筋から言えば資産を減価して適正な評価額にするべきですが、それが容易にできるものでもないでしょう。
むしろ問題は市場と証券アナリストにあり、文句を言うならちゃんと資産評価基準を定め、PBRのBが適正な額なのかどうかをチェックするべきです。もちろんおかしいとなれば場合によっては会計不正です(まさか法定の基準に合わない評価をしている上場企業はまずないと思いますが、より実質的と思われる評価が法定基準での評価を下回るのであれば、法定基準の方が事業の財務実態を示せない不十分な基準ということになります)。上場にあたっての経営情報の公表は部外者が十分な経営状況の判断ができる程度の適切な情報公開を確保するためのもので、証券アナリストは公開された情報を十分に分析して各企業の経営状況を市場のアクターに説明することでお金を貰う職です(お金の流れがそれに相応しいものになっているかどうかはともかく)。株価が割高だの割安だのというのは結論の一部であり、公表されている経営状況に疑義があるときにそれを追求し実態を推測して評価するのも仕事のうちです。

■2024年02月16日(金)  よく躾けられた下僕の反応ではないかと
ロボットを食べた際の知覚の変化を研究。動いている状態で食べると罪悪感
まあ、今の感覚だとそうなのかもしれません。でも世の中、踊り食いとか活け造りってありますからね。変化があるように訓練されているというべきで、どれだけ一般性があるのかは疑問だと思います。

■2024年02月13日(火)  旧有機水銀垂れ流し企業のサステナ(笑)
「モヤモヤは言い合おう」 サステナを企業価値に、化学大手の変身
昭和電工がサステナと言われると苦笑を抑えられませんが(阿賀野川流域の被害者が聞いたらなんと評するでしょうかね)、まあ、同じ問題を起こさないためにも大事なことではあるのでしょう。

■2024年02月13日(火)  社会福祉士が言ったら職務怠慢だと思いますが
自治体職員も戸惑う制度情報の分散 「1カ所にまとまっていたら…」
「どこか1カ所に全ての社会保障制度の情報がまとまっていたらいいのに。なぜそういったものがないのだろう」
これはむしろ、例えば社会福祉士の専門職団体が作成するべきものです。もちろん士業は自分の関わる分野の情報を「全て」知っているべき(本来それが資格認定の前提)ですが、数多い実施主体によって日々変わり微妙な差異もある制度について網羅的に情報を把握することは容易とは言えません。そのような困難を克服するための方法のひとつが便覧であり、年次にそれを編纂することは士業の専門職団体の大事な役割でしょう。もちろん冊子体である必要はなく、今ならデータベースだっていいわけです。
この意味で、相談者が言うならともかく社会福祉士が言ったら職務怠慢だろうと思いますが、まあ、言いたくなる気持ちはわかります。制度情報という確実に有限のものであっても二千ほどある制度運営主体(国の諸官庁、県、市区町村)で日々更新される制度を追いかけていくことは、繰り返しますが簡単なことではないのです。ですから士業は例えば全国と都道府県単位で調査を業務とする部門を持つ同職団体を作っているべきで、一部の会員は限定された任期で調査職を務めるべきでしょう。もちろん調査部門が取りまとめるのはどんな制度があるかだけではなく、各会員のレベルでの実践に基づく、こう使えばこうなるといった情報も取りまとめるべきです。もちろん取り纏めた情報は全会員に供されないといけません。ありていに言って反競争的行為ではあるのですが、この場合全国遍く適正な情報が相談者に供されることが社会の利益ですから、そのために士業職の間の競争が損なわれ、調査能力に秀でた人の有利が失われ、辛うじて資格が取れる程度の人があんちょこを見ながら安易な仕事ができることは、仕方ないのです。
もっとも調査と言いマニュアル頼みの相談受任や事務代行と言うなら、それは人工知能が代行してもいいという話はあります。ありますが、それはそもそも士業の存在意義の問題であり、いわば話が別なのです。

■2024年02月09日(金)  日弁連は弁護士の共益団体であって社会正義の実現を目指す団体ではないと思う
日弁連の新会長に初の女性 渕上玲子氏、公約に「夫婦別姓の実現」
日弁連の会長というのは要職とは言えど事務局の取り纏め役だと思うのですが、それが何で公約、それも夫婦別姓の実現などという政治課題を正面に出して選挙に臨んでいるのでしょうか。個人なり弁護士という職業人として夫婦別姓の実現を目指すというのはわかりますし、日弁連会長という職をその目的に利用することも理解できますが、日弁連が公的な義務的職業団体である以上、過度に刺激的な言動は慎むものでしょうし、増して論争的な政治課題を会長職としての課題に据えることに強く違和感を感じます。もちろん結婚によって主として女性が弁護士としてのキャリア展開に支障を来しがちな事情は明白ですし、それは夫婦別姓の制度化によって解消できる可能性が高いですが、正直そもそも男性も含めて弁護士の結婚を認めない、法的に弁護士開業者に独身義務を課すのでも構わないと思います。

■2024年02月09日(金)  やりつくしたとはあまり言えないだろう点を気の毒に思います
指揮者の小澤征爾さん死去、88歳 戦後日本のクラシック界を牽引
ようやく亡くなったかというのと、もったいない、まだまだ活躍できたはずなのにというのと、両方を感じます。前者は本人というよりは商業音楽ジャーナリズム、愛国ジャーナリズムの問題という気がしないでもありませんが、本人がそれを拒否しておらず、むしろ自身の活動に利用していたことも確かでしょう。
主としてクラシック楽曲やクラシック音楽の流儀で作曲された曲をクラシック流の演奏体でクラシック音楽風に演奏しクラシック音楽のマナーに従って聞くクラシック音楽業界というのが日本にはあるわけですが、敢えて言えば学校教育と癒着して腐敗したあの業界に発展性があるのかは疑問ではあるものの、小澤氏が演奏技術者や表現者というよりは指導者として果たしてきた成果には疑問の余地はありません。
さすがにまだ死ぬ気ではあまりなかったのではないかと思えるので冥福は祈りませんが、学校や音楽教室での退屈な修練以外にクラシック音楽というジャンルがあるのだということを演奏活動を中心に体現してみせた小澤氏の業績を称賛します。

■2024年02月06日(火)  人工知能にだって向き不向きはあると思う
体操の技、AIが識別して採点支援 審判団は補助役になっていくのか
審判団による加点方式の技術評価はおそらく人工知能ベースになっていくでしょうね。一方で芸術性の評価は人工知能ベースにしても意味がない話だと思います。これは芸術性には何の根拠も本質的にないからです。何が芸術的かについて客観的な基準などというものは設定しようがなく、大会ごと、あるいは去年の大会と今年の大会で同じ演技(などというものが可能だとすればですが)に全く異なった結果が出て何の不思議もないのが芸術性の評価です。したがって人工知能の出番もなければ公平性の出る幕もありません。まあ、人工知能は疲れませんから、もしある個人の芸術性についての感覚を迅速にコピーできるとすれば人間の審判を代替する余地があるかもしれません。しかしこれは今のところできていません。
もっとも公平性から考えれば人工知能による評価こそが適切ではあります。この種の競技というのは一定の公正な基準にてらして演技なりがどれだけその基準に即しているか、あるいは演技が基準への適合性について芸術性の評価に進む水準を満たしているかどうかを競うものであるわけですから、それこそ大学受験でいくら数学ができようと英語も国語も全くダメでは国立大学への進学をあきらめざるを得ないのと同じで、コンパルソリーはもちろんフリースタイルにしろ技術点については指定した技が規則の範囲内で演じられてかつそれが他の競技者と比較して一定以上の水準にあることを一定の公正な基準にてらして示さないといけないし、その評価は可能な限り根拠が明確で再現性の高い形で行われなければなりません。これは本質的に人間の任を超えるものです。

■2024年02月05日(月)  メディア用PCでのssh関連


SSH

  1. TeraTerm-4.0以降を使うこと。
  2. localserver.ttlをttpmacro.exeに突っ込む。



X

  1. DISPLAY環境変数は接続した端末のものになる。


■2024年02月01日(木)  余力と無駄遣いは紙一重
被災地にトイレ運んだから気づいた 「想定外」に備えた余力の大切さ
まあ、「こんなこともあろうかと」という感じですが、たいていの場合無駄であることも認識するべきではあります。
というか、もちろん運ぶに運べないという話もあるのだとは思いますが、ちゃんと日頃から県レベルで避難者相互引き受けの枠組みを作っておいて、避難所到着から三日程度で送り出していればそこまでの状況にはならないんじゃないですかね。ボリュームとしては全県民の避難を見込んでおけばいいわけですし。

■2024年02月01日(木)  長期的には保険かなあ
政府、住宅再建費用の給付検討 高齢世帯の現状踏まえ
色々問題はあるでしょうが、やらないよりはましという気がします。本来は保険の範疇ではないかと思うのですが、評価額相当の保険金しかおりないと思うので再建までは難しいでしょう。確かどこぞの国が台風保険を掛けた例があったと思いますが、災害の損害について国が保険を掛けることも考慮するべきかもしれません。

■2024年02月01日(木)  日本人≠日本国民
「日本人じゃない」って何? 日本国籍取得、アンさんからの問題提起
まあ、日本人と日本国民は違うのだというのはやはり認識しておく方がいいのじゃないかと思います。法律用語としては日本国民であり、日本人などという言葉は出てこないはずです。ですから日本国籍を持っている人というのは日本国民(二重国籍は禁止されているのでこの点紛れはありません)なのであって、それは日本人かどうかとは関係ありません。仮に日本人であっても、外国籍を持つ人は日本国民ではありません。
もっともでは何をもって日本人かというと、フランス人やイタリア人程度には曖昧ではなかろうかと思います。この場合のフランス人とかイタリア人というのはフランス共和国市民やイタリア共和国市民のことではなく、例えばユダヤ人やアラブ人、黒人、ドイツ人ではないといったある意味人種差別的な話ですが、そういう概念自体はあるわけですし、例えばフランス共和国にフランク王国主義者やガリア主義者がいるような話もあるわけです。あるいはフランス語が母語であるという範疇だってあり得ます。とはいえ、基準をどう立てようと結局定義はしきれないことも事実です。まあ、どこの社会にもそれを認められないぼんくらはそれなりにいるので、多分私がフランス国籍を取得した場合でも私はフランス共和国市民だとは言っていいでしょうが私はフランス人だというと嘘つけ!アジア人!と罵る人は出てくるのではないかと思います。そういう意味で、日本人を日本国民という意味で使うような誤用は非難されると諦めるしかないでしょう。未だに大和民族などという戯けた発想をしそれを公言することが差別行為ではないと思わない人がいるというのは大変に残念観がありますが、いまだに日本人の起源などという下らない話が生物学まで動員して普通にされているわけですし、江戸時代後期あたりでしょうか、江戸か大阪か京都あたりの馬鹿がかけた呪いはいまだに解けていません。その意味で日本というのは文明の水準として遅れていると言っていいでしょう。
その意味で、私は個人的には日本人とは名乗りたくありません。こんな恥ずかしい集団に帰属しているなど考えるだけで鳥肌が立ちます。日本国民であるというのはいささか残念ながら事実ですので、パスポートコントロールや職務質問で称するのはやむを得ないでしょう。

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