日記

■2023年09月30日（土）　本国送還というのは有効ではあっても安易でもあると思いますがね

イタリア初女性首相メローニ政権発足から1年、移民問題・本国送還に重点を置いた「新・移民政令」
そりゃいい加減な形で出国してきた避難者に居つかれる側としては「この法令の主な目的は本国送還を増やすこと」でよいでしょうが、いい加減な形でも逃げだしてくるような本国への送還を肯定はしにくくはありませんかね。我々は頑張ってこの国、この社会を築いてきた、あなたたちも逃げてきたりなどせず頑張って自分の国を発展させると良い、などというのは相当上から目線の鼻持ちならない言い分だと思いますが。もちろん経済的保守派(まあ、政治的保守派が亡命以外の理由で外国長期滞在や移住などしないでしょう)としてはありだと思いますけど。
もし本国送還を人道的見地から正当化するなら、まず本国を安心して住める状態にする責任が出てくるでしょう。イタリア共和国が例えばギニアに軍隊と官僚を派遣し、現地政府を倒して保護国化して再建を図るわけです。もちろん現地政府打倒の過程で混乱を引き起こしてはなりません。速やかに全土を軍事力をもって制圧し、旧権力を排除して占領軍主導の治安と物資供給を確保することになります。何よりそのための軍事力行使、平和的な手段では迅速な解決を見通せないからの強圧的手段の行使ですから、十分な規模をもって迅速に行わなければなりません。現地で抵抗運動が起きるようなことになれば正当性は失われます。そうしたいのでしょうか。そして、手を放してもちゃんとやっていける政治や経済の状態を整えるわけです。何年、いくらかかりますかね。そうではない、あくまでも現地政府、現地住民の自主性を尊重するというなら、それは無責任というものでしょう。

■2023年09月30日（土）　 (賃)労働者になりたいなら個人事業主として就業するべきではないし、個人事業主として就業するなら組合を作るにしても事業組合や協同組合であるべき

アマゾン配達員33人がボイコット、配送遅れる　報奨金未払いに不満
ボイコットは全く構わないと思います。相手方の契約不履行があるなら役務の提供の強要には一定の制約ができるでしょう。また個人事業主として役務提供・消費契約を結んでいるなら、双方共に解除の自由はあるものです。
とはいえ、正直労働者だと言うなら職くらいは選んで欲しいものです。なにもちゃんとした労働組合のない事業所で働こうとする筋合いはないと思います。そもそも労働者組織がまともになかった百年前なら別ですが、今時就労を労働組合参加や労働者協同組合参加に優先する必然性などないでしょう。本来なら小口の運送業なら運送業をやりたい人で事業組合でも設立してその単位で請け負うもので、そこを短絡的に雇用とみなして就労するから搾取されるのです。
もちろん、そういう就労の仕方しか教えてこなかった親世代や学校にも責任はあります。そこは意識を変えて欲しいものですし、それこそそういう世代が若手も含めた労働者を使い捨てる主役になっているわけですから、正直amazon.co.jpよりもよほど罪深いと思います。amazon.co.jpの配達員動員方針に問題があるとして、その問題のある方針を持続可能にしている元凶はこういう人たちです。
amazon.co.jpについては、まあ、ろくなことはやっていないわけですが、ろくでもないにしろ柔軟性はあると思っています。割に合わないと思えば割に合う方針への転換を図るでしょう。それがまたろくでもないものでないという保証は全くありませんが、労働者への思いやりなどよりもよほどまともなビジネス上の計算に基づいて、状況に適応しようとしてくるでしょう。繰り返しになりますが、その適応がロボット配達の実施や法整備へのロビー活動の類でないという保証はありません。配達員のロボット扱いを止めたと思ったらそもそも配達員がまとまって元請けごと切られたという事態は十分あり得ます。就労に基づいた健康で文化的な生活の労働者への提供などという理念は実質的に一顧だにしないと思います。都合がいいから機能として使っているだけのことで、都合が悪くなれば他に都合の良い方法を探すでしょう。それは倉庫事業についても同じです。しかし、それならそんな雇い主と労働者として付き合わなければいいだけの事でしょう。見通しを誤ったり別の都合の良い方法を探すことを怠って労働者に事業への参加を呼び掛ける事業主よりはよほどまともな事業者ですから、どんどん他所に転出して行ったらいいのです。

■2023年09月30日（土）　自分で買え

「ホタテを1人年5粒食べて」　農水相が国民に異例の呼びかけ
こういうことを言うなら自分で資金調達して買いあげたらいいと思うのですが。もちろん宮下一郎氏個人としてそういうことをする義理はないでしょうけれど、農水大臣に特定の消費を呼びかけられる筋合いは国民にはそれ以上にありません。牛乳のときもそうでしたが、生産者の無能に甘いんじゃないでしょうか。もちろん甘いこと自体は政策の選択肢としてあり得ますが、それを国民とやらにぶん投げるのは違うでしょう。

■2023年09月27日（水）　国内を混乱させたら恨まれるのは仕方ない気がしますが

閉塞的なポーランドより「もっと西へ」、難民支援を続ける男性の憂慮
あれは、閉鎖的というよりはウクライナが迷惑をかけた結果でしょう。難民保護と国内の農産物価格維持ならそれは価格維持の方が大事です。もっともそれは、ウクライナの責任というよりウクライナから農産物を買い叩いたポーランド国内の商業の問題ではあるわけですが、それにしても売りつけてこなければこんなことにはならなかったと言いたくなることは理解しないといけません。
その意味ではもっと西、もっと北に行くという方策しか今はないのでしょう。

■2023年09月27日（水）　ただの権力闘争でないだけ厄介かなあ

タリバンの行為は人種隔離、アフガニスタンの臨時大使は特別会合求む
いやまあ、性別は人種ではないとは思いますが。アパルトヘイト自体は「分離、隔離」という意味のようですので、ジェンダーアパルトヘイトという語は成立します。そのアパルトヘイトに人種隔離という訳語を短絡的に当てた人は、もう少し言葉への感覚を丁寧にして欲しいものです。せめて「同然」とつけるだけで随分ましになるという気がするのですが。
それはそれとして、まだあったんですね、アフガニスタンの旧政府。まあ、ポーランド亡命政府が共産党政権が崩壊するまで継続していた例もあるので、とりあえずこの前の独仏戦の折りのフランス亡命政府(自由フランス)に倣って五年くらいはあってもおかしくないんでしょうけど。
正直文化に根差した価値観も絡んでいる話なので、すぐに決着する問題でない気はします。もちろん短期でなんとかする方法がないわけでもないでしょうが、おそらく不満が広範に残り、不安定な状況が継続する原因になるでしょう。メリットとしては、列強として問題を当座消去できるということくらいですかね。

■2023年09月27日（水）　自浄と言われると悪を為しえないとか漂白剤とか自己批判とかいうイメージがあるのですが

「自浄作用」のある社会へ　津田大介さん、ジャニーズ問題への提言
自浄作用と言いますけど、正直それが働かないといけない基準は極めてあいまいであり、かつ広範には共有されていないと思います。個人的には浄化の前提となる善悪の価値基準を十分に共有することは不可能だと思っていますが、まあ、ここではそれが可能であると前提して、では、その自浄作用が働くのは個人や社会内の個々の団体でしょうか、それともなにがしか社会の全体でしょうか。社会というのがどこまで通用する概念化という話もあるわけですが、これも仮に日本社会というものが成立していると仮定して、前提により当然そこでは一定の価値基準が共有されていることになります。
自浄と言う場合、個人か団体か社会か知りませんが、それが社会全体で共有された価値基準に反する行為があった場合に非を認め行為を改め発生した損害について賠償を行うということになるかと思います。まあ、団体の指導部が変わったり名前が変わったりして行為を改めたことになるのかははなはだ疑問ですが、少なくとも非を認めることと損害を賠償しようとすることは必須ではあるでしょう。もちろん損害の賠償についてはしたくてもできなくなる可能性はあるわけですし、その場合当事者については破産によって賠償責任を免除するしかありません。
ともあれ、その自浄作用の主体は価値基準に反する行為を行った主体でしょう。つまり、「自浄作用のある社会」と言った場合、ひとつには社会全体を代表する社団が社会の総体として起きた価値基準に反する行為について自らの浄化を行う作用、そしてもうひとつ、ある個人や社会に内包されている団体が価値基準に反する行為を行った場合にその個人や団体について社会として浄化を行う作用、この二つを備えた社会ということになるかと思います。もちろんこの定義は屁理屈であって、おそらく記者なり、あるいは津田氏なりが想定する意味は、社会を構成する個人や団体が自身や構成員の犯した非とされるべき行為について自ら浄化を行うような社会ということだと思います。とはいえ自浄作用のある社会と言う場合、社会自体が自浄作用を備えているという意味に解釈することが適切であり、それは個人や団体が自浄作用を備える場合を含むというのが文に即した理解でしょう。
そして、個人や団体が期待される自浄作用を備えていない場合、これは社会による非を犯した個人や団体に社会の意志を体現する方法でもって是正を働きかけるということになりますし、それはつまり、社会としてそのような個人や団体が社会に存在することを拒否するということになります。それが個人や団体による是正に留まっていればまだしも、行きつくところは社会による個人や団体の排除ということになります。実際今ジャニーズ事務所に対して起こっているボイコットはそういうことでしょう。
その意味では遅まきながらとはいえ、日本はそれなりに自浄能力を備えた社会であるとは言えると思います。もちろん価値基準と真摯に向き合ったうえでの自浄作用とは言い難い部分もあって、問題にされるからとりあえず鎮静化させられるだけのことをしようというレベルに留まっているようには見えます。ジャニーズ事務所自体の創業以来の事業としての継続性を最優先にしているような対応もそうですし、ボイコットや受け入れられない場合のボイコットを前提にした是正要求についても、仕方ないからそうやっている、本当はタレントが可哀そうでも何でもジャニーズ事務所を都合の悪い部分だけ誤魔化して存続させ、便利に使いたいという意図が見え見えです。そこは確かに問題なのですが、正直社会の価値基準とされるものの内在化を強要するのは、そっちのほうが倫理的に問題がある気はします。外形上外在的な価値基準を遵守していれば良しとするしかないでしょうし、外在的な価値基準に即していない対応に終始すれば炎上させるしかないでしょう。問題視が鎮静化しなければ鎮静化するまでボイコットはエスカレートするわけですから。
もちろん、個人や団体が期待される自浄作用を備えているとは、個人や団体が外在的な価値基準を認識し、それに即した行動を外形的に取ることを意味します。そこには、何をどうしたら非を認め行為を改めたことになるのかという基準やその基準に即した実践も含まれます。ジャニーズ事務所に関して言えば、その点について成功しているとは言い難いのは間違いないと思います。個人的には色々な意味で同意し難いですが、津田氏の主張するガバナンスから見た基準と言うのはそれでありうるのでしょう。まあ、個人的に特別チームが求めた解体的出直しというのは形容矛盾ではあると思いますが、「ジャニーズ事務所は変わりませんので今後もよろしくお願いします」と訴えたところで通らないという点で、ジャニーズ事務所指導部の状況認識が極めて甘いものであり、外在的な価値基準に達していないものであることは間違いないでしょう。
とりあえず自浄作用を論じる場合、最初の前提の下でこの程度のことが言えると思います。
もっとも、ジャニーズ事務所というブランドを存続させる前提では事務所の現状の対応以上になりようがないというのが個人的な印象です。結局ジャニーズ事務所というブランドへの愛着とこの件でブランドの負った負のイメージの忌避の間のどこに落ち着けるかでしかありません。もちろんこのブランドはそれを構築してきた組織と一体でもあるでしょう。感想としては、この件はジャニーズ事務所という組織、あるいは組織一般に期待できる自浄作用、再建可能性の限度を超えており、このような団体を生み出した社会の浄化を図るにはこの組織を消滅させるしかないと思います。ジャニーズ事務所自体が存続を模索すること自体は理解できますし、そこには創業一族、古手にしろ若手にしろ所属タレントやマネージャー、それぞれに固有の思惑があると思います。また取引先が同じように考えるのも理解は可能です。事業を行ってきたのはジャニー氏を含めた組織ですから、便利に使ってきた側がその組織の温存を期待することもまあ、理解できなくはありません。組織が変わってしまうということは関係構築のやり直しということで、タレントを使う、タレントとして使われる上での状況がリセットされてしまうことを意味します。当事者にとっては、そのコストは忌避されるべき負のイメージを負うことよりも重いのだと思います。とはいえ、その感覚を外部が共有する必要もありません。もちろんタレントと事業組織は切り分けて個々に考えるべきです。ジャニーズ事務所が廃業するからタレントも廃業というのは短絡でしょう。とはいえ、デビュー前、あるいはほどほどにしか売れていないタレントは実質的に廃業することになるかもしれませんけど。

■2023年09月27日（水）　まあ、労働者がすべて共産主義に目覚めるという発想に無理がある気はしますが

日本共産党の統治システム〝民主集中制〟が機能不全に陥りつつある。志位委員長はこの危機を打開できるか。
志位さん個人はある意味どうでもよく、むしろ中央委員会にそこを何とかしようというまともなプランがあるかということだと思います。むしろ個人崇拝の排除的に志位さんだけ取り除いても、もちろん志位さん主導でこの危機を脱しても、機能不全はむしろ進行することになるでしょう。特権と警察権力によってまとめることのできる組織でないがゆえに官僚化で解決はできないわけですから、統制が取れなくなるにしろ、個人の力量に支えられるにしろ、民主集中制としては破綻します。
そもそもこの種の機能不全は、民主集中制を採用している組織に限らず、大衆組織において普遍的に見られる状態です。共産圏の事例でも、中央が打ち出したキャンペーンが末端において形骸化していた事例には事欠きません。
つまり、確かに議論を代表を通じて階層構造の組織上部に上げていく民主と組織上部が下した決定を学習を通じて体得し実践していく集中の構造が機能不全を起こしていますが、それは民主集中制や志位氏個人の問題というよりは、大衆護憲政党として拡大志向を打ち出してきた路線の誤りということです。もちろんここで共産主義前衛という位置付けを捨てて大衆政党に衣替えしたところで、これは解決しません。自民党の下部党組織が地元の寄り合いと選挙の支援団体になっているのと変わらないのです。各国で大衆政党化した左翼運動政党が崩壊したのと同じく、士気低下と路線対立によって崩壊するしかないように思います。もちろん同じ傾向は大衆動員型市民運動組織で普遍的に起きており、個人的にはもはや国レベルの市民運動という概念は破綻したと思っているくらいです。少なくとも日本共産党の場合、組織を凝集して前衛運動組織として生き残る方向があるだけ、民主集中制の徹底の方がましなくらいでしょう。この場合大規模な組織整理を行い、仮面だけの共産主義者、社会民主主義市民運動家を排除して、その結果資金源を放棄して議会政党でなくなる可能性を考えないといけません。

■2023年09月27日（水）　この記者、230mをどういう感覚で書いてるのかな

普通列車が赤信号見落とし発車　対向の特急と230メートルまで接近
乗務員の粗相は問題ですが、ATSで両方停まったのならまずは安全は確保されているわけです。JR四国は金がない、設備が更新できないなどと言っていないで踏切の廃止を含む運転台の無人化を進めるべきでしょうし(本来発車時の車掌の安全確認はあってしかるべきですが、たしかJR四国は普通列車はほとんどワンマンなんですよね)、もちろんその上で何か起きたときに安全側に倒す設備を拡充して欲しいものです。
ちなみに230mだとワンセクションくらいでしょうか。ツーセクションクリアが通常前提とされますし、そもそも単線だと対向の列車がいる状態では入ってはいけないわけですが、十分止まれる間隔があいた状態で非常停止したことになります。この点から見ても、インシデントではあっても安全策が効果的に働いた事例でしょう。ダイヤの乱れもまあ、JR四国ですのでたいしたことはなかったのではないでしょうか。大都市近郊でやったら半日てんやわんやですけどね。ともあれJR四国が発表した内容をそのまま書いたのだと思いますが、熟練した鉄道事業者の管理部門の230mの感覚(単線区間で対向する列車が無管理でそこまで接近することはあり得ない)と対向する列車が正面衝突するという意味での危険な距離感とは違うと思います。

■2023年09月27日（水）　多分米国民の皆さんはまたかと思っているのではないかと

米政府、閉鎖なら何が起きる？　軍や警察は無給で、航空便の遅延も…
米国、予算切れで政府閉鎖の恐れ　月末が期限、ウクライナ支援で対立
会計期半ばでの借入枠枯渇も含めて、ここ十年ほどは数年に一度程度のペースで起きていることですので、たいした問題とは言えません。フランスやイタリアの大規模ストライキみたいなものです。
もっともこの初夏の借り入れ上限枠枯渇未遂と同じく、どちらも政治生命と評判をかけてチキンランをしているわけですので、多分感謝祭前には決着させるんじゃないでしょうかね。
まあ、日常茶飯事と化すほど呑気に新年度予算で揉めていられるというのはさすが民主的な大国です。日本はそれに耐えられず、政府与党が強行採決をするようになってしまいました。もちろんここしばらくでまたとやかく言われるようになったゲリマンダーもそういう発想です。とにかく強硬措置に走らず議会で調整を進める、それは強硬派がごねていても同じで、スケジュール通りに決められないのは民主的な手続を守れないことに比べれば恥ずかしくもなんともないという米国の感覚が素晴らしいです。まあ、有権者や経営者団体からは顰蹙を買うんでしょうけど。

米政府の閉鎖は回避、議会が「つなぎ予算」を可決
米政府閉鎖をギリギリで回避、舞台裏は？　見送られたウクライナ支援
ほら。とりあえず回避した。
とはいえこのぎりぎりのタイミングでよく通したものです。おそらく日本の制度では無理でしょう。下院はともかく、ほぼ上下両院で並行して審議していたか、上院は討論を飛ばして本会議で採決だけ行ったのではないでしょうか。衆議院先議で議決後参議院に送るなどということをしていたら間に合わないのです。そしてそういう制度は、議運や議長が多数をかさにきて無茶な運営をしないという信頼、ギリギリのところであれ妥協に応じつつ対応を求めるという意識の共有無くしては、議会が麻痺するか意味を喪失するでしょう。官僚提出の議案をさんざん内輪で調整してから提案して、国会審議の段階では簡単に調整できないので政治過程にならないなどという仕組みでできることではありません。もっともそれだけに、成立した法律が辻褄の合わないものになる危険もありますが。

■2023年09月27日（水）　市民運動家が言うよりは警察幹部が言う方が似合ってますね

「連帯感こそ最後の砦」　機動隊の新隊員530人が合同訓練　警視庁
確かに連帯(感)という言葉には、軍隊、機動隊、突撃隊、精鋭、一糸乱れずといった言葉がふさわしいでしょう。それがナポレオン・ボナパルトやヘスやスターリンやベリヤの命令一下か覚醒した労働者の個にして全なる集合的意識の為せるところかは些細なことです。
という皮肉はともかくとして、やはり古代地中海世界の重装歩兵集団戦の頃から、隣や後ろの仲間との連帯感無くして軍事行動というのは成立しません(前の仲間もそうですが、むしろ後ろの仲間は前の仲間を支え、前の仲間が倒れたときにそれに代わる立場ですから)。統制された戦術行動をとって戦闘を進めるためにはパニックしないことが第一ですが、それには孤立していない、周りに信頼できる仲間がいるという連帯感が重要です。もちろん指揮官が戦場全体を把握し適切な指示を下してくるという信頼も大事ですけどね。逆にこれを確保した治安紊乱集団は有象無象とは思えない抵抗を示すことがありますので、指揮官としてはそれを突き崩すことが大事になります。練度の高い部隊のほころびを見せない行動などもその要素でしょう。
もっともそんなsolidarityを売りにする集団に正面からぶつかるなど愚策だと思っているのですが。そういうのは大量破壊兵器を使って殲滅してしまうのが一番です。

■2023年09月27日（水）　何だこの訴訟

トランプ氏、不動産の資産価値を不当に高く評価　NY州裁判所が認定
認定した事実自体はある意味どうでもよいのですが、原告がニューヨーク州の司法当局(司法長官名義)だというのがびっくりです。担保価値を誤魔化されて不当に高いリスクを負わされた金融機関が訴訟を起こすのならまだ理解できますが(その場合でも軽率な審査をした自業自得じゃないかという気はしますが)、ある意味別に関係ない、むしろ高く評価された分高い税金を受け取ってきた側のはずのニューヨーク州が訴えるというのは、何かおかしく思えます。まあ、ニューヨーク州には不動産課税がないか、あっても評価額に関わらず面積当たりの定額制かもしれませんので、ニューヨーク州がトランプ氏や周辺の誤魔化しに乗じて不当利得を得てきたとまでは言えないですが。
ちなみに形式が民事訴訟(civil action)であること自体は、英米法では不思議ではありません。正直英米法のcivil actionの概念を民事訴訟と訳すことの方に躊躇を覚えるほどで、刑罰法規に規定のない事案について民事訴訟手続による賠償訴訟や差し止め訴訟の形式を使って刑事罰のようなサンクションを科す例も結構あります。

■2023年09月27日（水）　そりゃウクライナ独立運動じゃナチスは絡むでしょうよ

カナダ下院議長が辞任　「ナチス部隊」で戦った男性への称賛で批判
ああ、やっちゃうのはわかりますが、さすがに不見識を恥じての辞任は仕方ないですね。ナチス関連だと議員も辞任し次回選挙の出馬も取りやめるレベルだと思います。
とはいえ、正直ウクライナ独立闘争の関係ではある程度仕方ない部分があります。トルコやエジプトなどもそういう面がありますが、民族独立運動が中央や宗主国と対立する外国勢力と結びつくことはよく見られます。正直旧英仏植民地や中南米諸国とソ連との結びつき(中南米諸国はアメリカ合衆国と対峙するうえでナチスドイツとも結びついています)も、保守的政治体制としての民主主義諸国に対峙する共産主義国家の元締めという以上に、宗主国と対峙できる(宗主国の弱体化を画策できる)のがソ連だったという面があると思います。その挙句に変な共産主義国とか社会主義国が林立しているわけですから、19世紀の共産主義者が見たら頭を抱えるのではないかと思うのですが、フィンランドやウクライナが1920-1945年あたりにソ連との対抗上ソ連と手を組んでナチスドイツに対峙していた英米仏に頼らず独ソ戦開戦以降にナチスドイツと組んだことは、パワーポリティクスへの便乗として全く不思議ではないし、独立運動の闘士という場合その便乗を見逃すこともあり得るわけです。ソ連が自力で占領された地域を取り返して勝ってしまったので現実化しませんでしたが、例えばインドシナ半島の民族運動勢力が宗主国フランスを追って進駐してきた日本に摺り寄りつつ日本の敗勢が見えたところで離反し、植民地を維持するだけの国力を欠いていたフランス(何しろ再進出の最初からアメリカ頼みでした)から独立したのと同じことが、バルト海や黒海の周辺で起きた可能性もあります。
とはいえさすがにナチスの部隊はまずいですし、ナチスドイツの外国人部隊だとSS関連の可能性もあります。これではいくら独立運動絡みと言っても表には出せません。そのあたりを見落とした点で、ロタ氏の下院議長辞任は仕方ないわけです。
トルドー政権に累が及ぶかどうかは微妙ですが、正直二期目に入って脇の甘さが目立ちますので、こける可能性はあります。とはいえバイデン政権やスナク政権、マクロン政権、ドイツキリスト教民主同盟左派政権や国際連合事務局にとってトルドー政権は都合の良いものであり、ここで政権が崩壊されると都合が悪いという話が出てくる可能性もあります。EUでイタリアのベルルスコーニ氏やスペインやギリシャの民族左派政権が嫌われたのと同じで、トルドー氏が退陣した場合に様々な外交課題、国際協調に対するカナダ政府の姿勢が変わること、前提から交渉し直しになることを歓迎できないということです。正直これはその国の内政の安定性を損なう上に非民主的な姿勢だと思うので、外交トップ同士で結託する以外の方法を考えて欲しいものですが、ともあれカナダの政治の混乱を長引かせる原因になるかもしれません。
まあ、身持ちさえちゃんとしていればという話になるんですけどね。

■2023年09月26日（火）　無知で愚昧な大衆と言ってもこの場合税務署の教育不足かなあ

インボイス反対署名50万筆超　「登録しない」洋菓子店主の思い
ここで納税者の無理解を論うことは簡単なのですが、まずは、消費税導入に安心して納税者の理解を向上させることを怠ってきた国税庁・財務省を責めるべきでしょう。言うまでもなく、消費税は適切に消費者に転嫁されるべきものであり、タックスインヴォイスはそれを確保する手段でしかありません。もちろん一手段であると言ってもそれは公正で透明性の高い消費税制度において不可欠なものではあるわけですが、それ自体が負担増を導くものではなく、また非課税事業者が課税事業者になることはむしろ適正化とすら言えるということです。それは国税庁が、それこそ自営業者の青色申告並みに普及してこないといけないことだったと言えます。安易に非課税事業者を認めたことは政治の失敗でしたし、消費税を肯定する識者にしろ国税庁にしろ、消費税制度の下で非課税事業者には制度的な問題がある点は主張してはいたものの、少なくとも制度的な取り組みへの熱意に欠けていたとは言わざるを得ません。
そしてその挙句に、雇用の流動化もあって名目的に個人サービス業を開業した「フリーランス」と取引する事業者が非課税事業者制度を悪用してきたわけです。単純化すれば、プロダクションがこうしたフリーランスに代わって払うべきだった消費税を誤魔化してきたからこそ、いざそれがあからさまになると支払いについて揉めることになります。税務署はこうしたフリーランスの所得税申告受付時にでも消費税の処理実態を聞き取り調査するべきだったでしょうし、当然怪しげな状況では取引先に調査に入るべきだったでしょう。税務署が組織的に状況の把握をさぼり、財務省がお題目としてタックスインヴォイス制度の徹底を唱え続けた結果がこれです。納税事務負担の増加や消費税の下流への転嫁の困難が消費税制度導入時の論点で、そこから非課税事業者制度が出てきたわけですから、その状況のモニタリングの必要性を思いつかないわけがないでしょうに、どういう体たらくでしょうか。しかも昨今は取引関係を連鎖として把握することは当たり前、常識になっているはずです。一定の業種の末端に非課税業者がいること、その非課税業者がタックスインヴォイス制度の徹底において問題であることなど今さら議論するまでもなく、またこの種の課税免除が不公正な取引慣行の温床であることも徴税の立場で税務を知っていればすぐわかることです。お目こぼしとはいえ制度への回収を目指してきた層を不用意な是正で激発させるとは、間の抜けた話もあったものですし、そもそも規模は小さくても数が多いのが特徴なのだって考えるまでもなくわかること(この逆が会社ですね)ですから、怒らせれば反対署名の五十万や百万は集まる、それでマスコミが騒ぐくらいは簡単に思いつくことです。
もちろん、税務署、税務署員というのは事務をこなして税金を集めるのが仕事で、税制の啓蒙など仕事じゃないということはあるかもしれませんが、正直それは無責任な官僚そのものの主張だと思います。歴史的に徴税反対運動がいい加減な徴税制度と説明不足や調査不足、一方的な説明で引き起こされてきたことは、税制史で習うものでしょう。納税者が納得して納税に応じるのが一番よいのだということだって教わるはずです。そういう教育を経て徴税機構の一員になっているはずの人が、啓蒙は仕事じゃないでは済まないと思いますし、もちろん内閣や財務省を含めて、税制を啓蒙する仕組みの構築にはしっかり取り組む必要があります。年明けくらいにアイドルを起用して、確定申告は三月十五日とテレビコマーシャルを流せばいいという問題ではないのです。

■2023年09月26日（火）　府の一世帯当たりたかが3～20万円じゃありませんか

負担は等分？大阪府市が対応に苦慮　万博の建設費2度目の上ぶれ
別に、府議会と市議会が意見書を全面撤回し、大阪府民一人当たり三万円の万博税を課せばいいだけだと思いますが。大阪府にメリットがあるから誘致したわけでしょう。あくまでもするんだ、メリットがあるんだと言うなら、世帯当たり十万円程度の負担はできるはずではありませんか。それも一回だけです。そのくらいのベネフィットはあるわけですよね。むしろないなら、府と市の要職で違約金を分担して中止したらいいでしょう。もちろんそこの選択について住民投票をするというのはありですし、その場合違約金も府民の負担で支払うことになるでしょう。失政があからさまになることで大阪維新の会が崩壊するかもしれませんが、些細な問題です。

「万博建設費、上ぶれ分は大阪府市と経済界で負担を」　立憲・岡田氏
こう言われるのが当然ですし、言われたくなければイベントエコノミーなどあてにしなければよいのです。少なくとも私は大阪で万博をすることが望ましいと思ったことは一度もありませんし、大阪での万博実施に全国的なベネフィットがあるとも思っていません(鹿児島市や宮崎市あたりならまだわかりますが)。
少なくとも普通の事業で費用が上振れすれば、なぜそのような上振れが必要なのかを決済権者に納得させることが必須です。国費負担を求めるのであれば当然国会での予算措置、その前提となる審議ということになるでしょうし、内閣提出の予算法案ということになれば、その前におそらく担当官庁やその大臣への説明が必要でしょう。もちろん大阪府内の選挙区選出の国会議員が議員立法で出してもかまいません。いずれにせよ、国会が納得できる範囲でということになります。確か大阪維新の会は地方自治体の(財務的)自立を標榜していたような気がするのですが、こういうイベントの片を主催自治体でつけることこそ自立でしょう。もちろん主催団体の増額要請を断ったって良いでしょうし、それで万博がどうなるにしろ府と市の責任です。もちろん国会には、大阪での万博などどうなってもかまわないと判断することを求めます。

万博建設の費用負担「政治マターでおもちゃにするな」　維新・藤田氏
やめられないとまらない、かっぱえびせん。
「この予算で」やるということを決めたわけですから、その予算を大幅にオーバーするとなれば前提が崩れます。前提が崩れたら判断は再検討していいし、必要ならひっくり返していいのです。それは全くの「政治マター」です。まあ、維新や内閣のズボンを引き下げる方向での政治マターでもあるのですが、ズボンのベルトが緩むような失策をしたのは維新と内閣ですからね。前提条件が崩れた過去の判断をひっくり返したら必然的に維新の面子は潰れます。
もっとも維新がそれに反対するのは当然です。万骨枯るとも一将功成れば維新の実績なのですから。まあ、コヒマで行き止まりになるようなことがないといいですねとだけ言っておきます。

■2023年09月26日（火）　イランが刺客を送ってこないといいですね

名古屋の河村市長、衆院選立候補問われ「アラーの神のおぼしめし」
この人は相変わらず言動が粗雑というか、名古屋だと結構イスラム教徒も多いと思うのですが、そういう人がふざけてそう言っているのを聞いて不愉快になるとは思わないんでしょうかね。自分の存在をかけてパロディにするとか、為政者として宗教弾圧をするとかならともかく、公的な場でカジュアルさの演出と称してそういう態度を取っておいて、名古屋城天守閣は木で作り直すというのは、一貫性に欠けます。まあ、今時の保守派なんて伝統を事上げする様子はパロディにしか見えないので、一貫性を問題にする方が野暮なのでしょうが。

■2023年09月25日（月）　ああいうフランチャイズ制度は多分独占禁止法上も問題

急に告げられた契約終了「生活は……」　ヤマトの委託配達員3万人
契約を切られて生活の継続に問題が出るというのが本来おかしいわけで、そこを確保するのが政府の役目、セーフティーネットのはずです。
もちろん実質的に指揮監督下にあり自力で経営確保策を講じることができない(明示されているにせよいないにせよ専属契約の)要員を業務委託契約で使っていいのかという問題はあるわけですが、普通は形式的にはそのあたりの問題を回避してあるはずです。つまり、業務委託契約なのだから契約を切ることはあり得る、その時の収入源は日頃から自分で確保しておけということになります。そして廃業せずに済む収入源がない場合、自分で公的なセーフティーネットを頼れということになります。1980年代ならまだしも、業務委託契約で団交だなんだという発想は法技術的に相当封じてあると思うべきでしょう。
とはいえ、こういう事例にはもう一つの視点があると思います。独占禁止法です。雇用は使用者が労働者を囲い込む制度とされますので独占禁止法の適用は及びにくいですが、業務委託契約の場合、その業務についてある地域で他の委託主がない場合独占、委託主が限られる場合寡占ということになるでしょうし、その地位を利用して受託業務の多様化を制約するような - 例えばロゴ入りトラックの貸し出しとか - 事をした場合、優越的地位の行使ということになるのではないでしょうか。もちろんこれは参入においては受託側にも初期投資を節約できるなどのメリットがあることが多いのですが、敷地内請負と同じで、実質的に委託側に管理監督権限を生じさせる行為で、少なくとも受託側が個人単位でこれを受ければ、委託側の優越的地位の行使に当たる可能性が高いと思います。もちろん資金不要の起業は、それこそ設備機材と材料の供給のような形から古典的にみられる契約形態ですが、仮に起業したい側にメリットがあっても、売り子側や店子側の行動を過剰に制約するために規制され、賃労働に取り込みが図られてきたものです。ここ三十年ほどで大手への規制が随分と緩んだ気はしますが、労働制度の監督当局が入り口で取り締まらないのなら、競争政策当局が競争制限行為として取り締まるべきものではないかと思います。

■2023年09月25日（月）　いや、シェアサイクル業者の職務怠慢でしょう

気軽なシェアサイクルの悩み　努力義務のヘルメットかぶってもらえず
「背景には、シェアサイクルと着用努力義務化の相性の悪さがある。」
これは心得違いでしょう。運転者ならともかく、レンタル業者には努力義務であるヘルメットの着用について機会を十分に確保する責任があるはずで、つまりサイズをあまり気にしないでいい構造のヘルメットを自転車一台に一個セットで配備する程度のことは当然で、窓口で貸し出し受付などというのは怠慢です。自転車返却時にヘルメットも返されていることを検知する仕組みもそう難しいものではないでしょうし、当然借りた人と結びついた管理もできるでしょう。ヘルメットが壊れているのはまあ、不可抗力かもしれませんが、どのみち自転車の状態を確認するための巡回はするわけで、その時に確認すれば済むことです。それでコストオーバーなら値上げか廃業というだけの事ですし、それでは困るという声が出るならそれこそ導入を前提にした建設的な話し合いというやつをするべきでしょう。周知期間も結構長かったはずですし、義務化されたのが四月、今は九月ですから、暫定的な対応の時間も十分にあったはずです。それで窓口貸出しかできていないというのは、さぼっていると判断するしかありません。

■2023年09月25日（月）　そりゃ運営会社が大変だ

首都高に誤って自転車進入？　車と衝突、外国籍とみられる男性死亡
いや、あーる田中一郎でもあるまいし。
そりゃまあ、自動車が80 km/hで走っているところにロードバイクに乗った熟練者とはいえ自転車が出てくれば対応は難しいでしょうけど。とはいえ高速道路なら前方の見通しは良いはず(逆に渋滞なら死亡事故にはならないと思う)で、前方不注意の可能性はあります。でもまあ、自動車専用道路に自転車が走ってるとは普通思わないでしょうけど。
問題は、どこからどうやって侵入したのかです。そう簡単に「誤って」侵入できるとも思えないのですが。整備用のアクセスランプも普通は封鎖されているはずですし、ETC専用ゲートも気付かずに抜けられるような構造ではないはずです。もし抜けられるのだとすれば、首都高速道路株式会社の安易な設計が問題になるでしょう。あーるはすごいスピードで有人ゲートを、(おそらくバーの隙間を)強行突破したわけですが、競技会に出るような人ですから40 km/hで突っ込んできたとして、意図せずゲートを通過するとも思えません。ランプを登ってしまうことは十分あり得ますが、米国人なら普通はゲートを見たらあれ？と思うのではないでしょうか。有人でも通報するくらいしかできないので、無人化の問題ではないでしょう。当分検証で大騒ぎではないでしょうか。

■2023年09月25日（月）　正しくはベースロード電力市場かベースロード電源市場じゃないのかな

大幅な見直しが行われたベースロード市場、2023年度初回オークションの結果と分析
正直電力自由化自体大失敗なので小手先で調整せず電力国有化まで戻った方が良くはありませんか？自由化してみたら問題なのは需給の安定化の方だったわけなので、市場で何とかなるという発想に拘る前に元に戻した方がいいと思いますし、いっそ占領軍の中途半端な愚策もなしにしてしまうべきでしょう。
というのはさておき。「大手電力会社と新電力のベースロード電源（BL電源）へのアクセス環境のイコールフッティングを図り、更なる小売競争の活性化を図る仕組みとして、2019年にベースロード市場（BL市場）が創設された。」もちろん説明としてはこれで間違っていません。しかしこの、なんでも略する発想はなくしませんか？いや、字数に制限があるのかもしれませんし、何か他にもっともな事情というのもあるかもしれませんが、仮名漢字変換システムが普及したこのご時世、BL市場でベースロード電力市場と登録しておけば済むはずで、なにも意味不明どころか池袋あたりにありそうな市場の名前にする必要もないはずです。どっちも腐ってるとでも言いたいのでしょうか。

■2023年09月24日（日）　 B級グルメを誇るべきと言われても

ソース焼きそばの謎
労作です。一般向けの民俗文化史研究書としては十分な内容ですし、正直このレベルの本が文庫や新書、ムックなどの比較的低に取りやすい形で出版される点で、まだしも日本の出版界は一般に開けているのだろうと思えます。まあ、一般向けすぎて品がないという批判もあるとは思いますが、そもそも高踏文芸趣味自体が品があったためしがないので、ないものねだりは止めておけというところでしょうか。三千円も五千円も出して重たい本を読んでがっかりすることは結構あるので、がっかりせずに済んだだけでも75点はつけられます。
もっとも、この種の愛に満ちた紹介書に共通する辟易する部分はこの本も持っています。そのおかげで読みやすくなっている面があるので一概に否定できないのですが、「ソース焼きそばは１００年以上の歴史を持つ、日本が誇るべき伝統的な食文化のひとつである」というのはややもすればファストフード、場末のB級グルメと評されるソース焼きそばへの著者の愛、ソース焼きそばを食べること、ソース焼きそばに愛を感じることは恥ずかしいことではないのだという信仰告白ですが、言わせてもらうならば、百年を閲したにもかかわらず、ソース焼きそば(だけの問題ではありませんがこの本はソース焼きそばの本ですので)に欠けるものがあります。それは洗練です。確かに百年を経て明治前半に江戸前寿司が到達した屋台だけではなく店舗で提供される食べ物という地位は獲得しましたが、江戸前寿司や、同程度、あるいはもう少し長い歴史を持つハンバーガーやホットドッグの、高級料理店で承認されたマナーをもって食べられる料理という地位にはまだ至っていません。これらも元は町中の、繁華街(ダウンタウン)の屋台で売られていた食べ物ですが、もはやそれだけのものではありません。寿司屋の格式は言うに及ばず、ハンバーガーもホットドッグも店によっては数万円の値付けがされるようになっています。もちろん値段だけの問題ではありません。値段だけ高くすることは難しくありませんが(それこそ高価な食材でも使えばいいわけですから)、これらの食べ物が獲得した、まず格式ある宴席の中に位置付けられ(まあ、江戸前以前の鮨はそもそもそういう部分がありましたが)、かつ格式のある場においてそれを食べることを客が納得するという部分が、まだソース焼きそばという食べ物には欠けています。五平餅やお好み焼きと同じく、宴席に出てくるにしても軽食かゲテモノでしかないのです。これで「誇るべき」かどうか、いくら食文化が通俗化していると言っても、J-POPとベートーヴェンやマーラーの交響曲を比べているような居心地の悪さを感じます。どちらが上、下と言いたいわけではないのですが、イギリスがフランス式のコース料理に対してフィッシュアンドチップスこそイギリスの伝統料理だと威張っているのを見るときのすれ違い感とでもいいましょうか。
まあ、個人的には、ソース焼きそばというのはラーメンと同じでこれからも当分食べても自慢にならない、相手によっては失笑される食べ物であり続けるのかなと思います。フランスやイタリアのコース料理に対置できるのはあくまでも会席料理や茶事であって、単体として見た寿司や天ぷらではありません。そしてそういう洗練も、またああした洗練に組み込むだけの発達も、ソース焼きそばはしていないのです。

■2023年09月23日（土）　もういっそ文科省から外しちゃえよ

大学の統合・再編は「避けられない」　文科省、中教審に促進を諮問へ
なんというか、出遅れているうえに馬鹿だなあと思います。ウニヴェルシタスとポリテクニクがごちゃ混ぜになった高等教育制度もそうですが、特に底辺部分で定員が多すぎて満足な教育ができないという話が昔から出ているのですから、それこそ定員を削減したうえで私大に基金を積み増しさせて経営安定化を図れば済むことだと思うのですが。特に資格取得を主眼とした専門職養成ところてん大学は偏っていて不足気味なはずです。統合とか再編とか言うなら少なくとも一般教養の部分は全て(医学部の基礎教育も)高校レベルに移すべきですし、その上で実用重視の所を高専や実務大学(仮称: 大卒が前提の技術や資格を身に付けさせることを主眼にする大学で、研究教育や教員の研究は重視されない - 教育学部もこちら)に移行させればいいはずです。また技術系や実務系についてはリカレント教育向けの整備もするべきですし、地方国大については地方自治体の公務員の在職長期研修も割り当てるべきでしょう。つまり在職のままゼミに参加させて二年ほどテーマを追いかけさせるわけです。
高校は減らしてもかまいませんが、大学にさせることはいくらでもあります。それをちゃんと整備できないというなら、まず大学は文部科学省の管轄から外し、総務省主体の管轄にでもするべきでしょう。現状でも厚生労働省との共同管轄にはなっているわけですし、総務省がトータルな制度を管理しつつ文部科学省が高校以下の教員の養成について厚生労働省が医学部に、法務省と法曹養成関係が法学部に関わるような関係で関われば済むことです。

■2023年09月23日（土）　表現ってなんだ

全国の若きプログラマーたちは挑戦してほしい！ JJPCの〆切迫る！
育成側がこういう発想しかしないから、富士通あたりが大規模システム構築で粗相をするのでは？「大会のコンセプトは「表現としてのプログラミング」。プログラミング技術だけでなく、「発想力」「表現力」「技術力」の3つを審査基準としています。」などと戯けたことを言っていないで、それこそ最低5名のチーム参加とし、設計、コードレビュー、動作負荷試験の三段階で評価するようなものであるべきです。それこそスクラッチからネットワークサーバーを構築させてペネトレーションテストとロードテストにかけるのでどうでしょうか。表現溢れるバグだらけの実装よりも、コピペが疑われるコードながらも堅牢で確実に動作する(という時点でもちろんただのコピペではないわけですね)実装の方が大事です。

■2023年09月23日（土）　まあ、みんな買ってねっていうスマホを自分が買えないのはフラストレーションがたまるか

iPhone「月給では買えない」仏アップルストア店員、なぜスト？
月給では買えないって、そんなのむしろ当たり前だと思うのですが、やはりスマホだからそう思うのでしょうかね。
製造販売事業の従業員が作り、売っている製品を自分では買えないというのは、少なくとも資本主義社会では当たり前ですし、社会主義体制下でもほぼそうだったようです。原子力発電の機材を作っている作業員がそれを買えないことで不満は持たないでしょう。電気機関車や電車を作っている作業員だってそうだと思います。ただ、消費財と認識されるとそうもいかないことも近代においては事実としてありました。作っていながら全部雇い主や商人、政府に取られて自分では食べられない小麦や米への反発というのは結構ありましたし、コーヒーや茶、砂糖のような商品作物もそんなものを作っていないで食うための麦や米、豆、芋を作れという反発を受けてきました。工業製品では、逆の事例として、フォードの工場作業員が自分たちが作っているＴ型フォードを買える給料をもらった例がありますね。逆に言えば、近代工業生産、工場制度が十分に発達するまで、馬車職人の徒弟は自分が作っている馬車を買うことはできなかったわけですし、労働者なんてどこかで親方職人に成り上がらないと自分が扱っているものを買えないのは当たり前なのです。そこは、店番で停滞している自分が悪いでしょう。ちゃんと店長くらいを目指すものでしょう。いくら量産品とは言っても、スマホはパンではありません。むしろチーズや肉加工品ですし、あれは本来高級品です。
もっとも、給料が安い、もっと寄越せとストライキをするのは労働者の権利です。そこで経営者の事情を忖度する必要はありません。何なら時給一万ユーロだって要求していいと思います。それが、そんな人件費を払っていたら儲からないから店を閉じるという経営者の判断に対する争議はあり得ないという理屈と一体になっているというだけのことです。

■2023年09月23日（土）　イタリア共和国政府の継続性の象徴みたいな人だったと思います

イタリアのナポリターノ前大統領が98歳で死去　政界の「キング」
ご冥福をお祈りします。
そもそも大統領退任時に、ご本人が体の衰えを訴えていたのが後継大統領が決まらなくて再任していた状態だったので、意外とは言えないのですが、正直イタリア政界は惜しい人を無くしたと思います。下院が何かと対立や膠着に陥る状態ですし、そうなるとあの国は大統領と上院の終身議員が状況を解き解し人事での打開を図る状態になるので、元大統領として上院終身議員の地位にあり、政治的には対立する立場の政治家からも人望があったこの人は得難い人材だったでしょう。
キングというのはあまり適切な評価とは思えません。まあ、オランダやデンマークのキングならそうなのだろうと思いますし、欧州諸国の現役王家のキング達は政界から一歩引いた印象があるのが普通ですが、普通政界でキングというとハプスブルグのここ数代の当主のような傍迷惑なのとかサウジアラビアの今の皇太子みたいなのを言う気がします(日本の天皇みたいに行政部と組んで悪事をやりまくったために何もできなくされているのもいますね)。ナポリターノ氏も政治畑だけにそういうところは絶対ある人のはずですが、少なくとも大統領や終身上院議員としては節度を持った振る舞いに終始していた印象があり、首相たちが灰汁が強い分いざというときに頼れる共和国政界の土台という印象がありました。

■2023年09月23日（土）　三浦市も悪くないと思うのですが

首都圏版「住み続けたい街」　3位「逗子市」、2位「鎌倉市」、1位は？
葉山町、逗子市、鎌倉市はまあ納得で、正直不動産価格が高めではあるものの、小田原や首都圏北部や東部と比べればずっといいと思います。これに勝るとすれば、それこそ利便性優先で都心部ターミナル駅近の一階にスーパーが入ったタワマンに住むくらいでしょうか。渋谷や新宿は頻繁に行くところではないので、利便性から言えば千代田区がいい感じです。それはともかく。
葉山町、鎌倉市、逗子市が挙がるなら、そのすぐ近くにある三浦市も条件はあまり変わらないと思うのですが、ランク外のようです。おしゃれなイメージがない(まあ、三崎ですからねえ)からか、交通の便が悪い(首都圏にアクセスする公共交通機関としては京急三崎線だけ: もっともこの点は鎌倉も逗子も葉山もレベルは違わない気がする)からか、その複合でまともな繁華街付き駅がない(全部横須賀市に持って行かれている)からか、自衛隊の施設があるからか。横須賀がないのはわかります。山側には結構自然もあるのですが、海側はよほど選ばないと軍隊と工場ばかりなので、独特の風情はありますが、あまり住むところとしてのイメージは良くないでしょう。でも三浦市は、京急沿線なら結構住みやすいと思うんですがね。バス網も悪くないですし、そうである以上車は使い勝手がいいわけですし。自然あふれる都市的な周辺環境に浸っていたいのであれば、京急沿線に展開する住宅団地から離れなければいいだけです。逗子市横須賀線沿線とさほど違いはないと思います。土地もこのあたりとしては安いですし、神奈川県や横須賀市と組んだイメージアップが肝でしょうか。過度な人口増はイメージを下げるでしょうが、職場によってはむしろ買い物でしか市外に出ない生活もできるわけですし、買い物をする場所がたいてい徒歩圏外にある点は三傑も同じでしょう。アピール次第な気がします。ある意味京急の努力も足りてないということなんでしょうね。

■2023年09月22日（金）　まあ、物価や金融市場の動向にせよ岸田さんの動向にせよ様子見は仕方ない部分もありそうですが

植田日銀は同じ「わな」にはまるのか　慎重さの裏にある記憶と重荷
この執筆者は低金利政策と政府債務が気になって仕方がないようですので、緩和解除への慎重さを非難するのは今さら不思議ではありません。
とはいえ、やはり金利を引き上げたり債券を処分しようと動いた結果市場が乱高下するような事態は怖いと思います。暴落ではなく、先の見通し立たたなくなることが不況を引き起こすと言っていいでしょう。物価が上昇しつつ金融市場が縮小していくことにもなりかねません。まあ、株式市場については資金過剰ですので、日経平均一万円割れまで暴落しても市場としてはかまいませんが、それがもたらす不安、不況感が問題です。その意味では国債市場は現状で安定させておかないといけないと思います。まあ、理屈で言えば株式市場が暴落した場合債券市場、特に国債に資金が逃避するはずで、むしろ国債は売って価格を安定させないけないかもしれませんが、証券業界が無理な資金呼び込みをやった結果リテラシーのない参加者が大勢いますので、公募型投資ファンドの動きと合わせてどう動くかは見えにくい気がします。つまり予想がつかないということで、動きにくい、動きを打ち出しにくい部分はあるのではないかと思います。もちろんここで物価の動向に関わらず景気が失速すれば、トリガーを引いた人の責任が問われるということもあるでしょう。
とはいえ黒田さんも含めてETFの処分は考えつつも証券取引所や証券会社、そしてETFを日銀に買ってもらった銀行の顔色をうかがっていた部分もあり、ソフトランディングは狙っていたはずです。現行の物価上昇はエコノミスト的には筋が悪そうな感じではあり、金融を緊縮に動かしたところで下がる気がしません。判断はかなり難しい気がします。

■2023年09月22日（金）　むしろ割引制度は原則廃止に

新幹線と在来線特急の「乗継割引」　来春全廃へ
まあ、これは特急を廃止して新幹線の利用を促進するための過渡的な措置でしたから、ある意味正常化でしょうね。特急と新幹線の棲み分けもできたはずですし。
ただ、他の割引があるからいいという言い方は利用者を馬鹿にしています。そもそも割引がないと需要が減るようなサービスならその減った需要相当の経営を心掛ければいいはずです。正直使う側からすれば、変な割引などない方が、買うときにお得な切符の調査を強いられなくて済みます。変更不可の前売りや周遊券のような特殊なものはともかく、悪い意味でマニアックな些末な割引制度は迷惑ですので、諸規則と表を含めて時刻表の6ページ以内に収まるようにしていただきたいものです。

■2023年09月22日（金）　もういっそ番号にしちゃえよ

糖尿病の負のイメージ、払拭へ　新呼称案は「ダイアベティス」
英和辞典にはdiabetesで糖尿病と書いてありますけどね。正直下らないことに金も時間も手間もかけてという気がしますが、変に病気を勘繰られたくないという需要があるのであれば、それこそ病名に無作為に八桁の番号でも振って、年次記号として平仮名かカタカナでも置けばよいのではないでしょうか。カテゴライズして振ると病気分類の分割や併合が生じたときに困りますし、ストレートに番号を振ってしまうと番号が変わったときに判別できないうえ使わなくなった番号の再利用のときに困りますので、あくまでも無作為とし、年次記号と組み合わせていつの番号で特定しているかわかるようにしておくわけです。まず先頭に年次番号を付けて、一回りしたら末尾に付ける(末尾で一巡したら先頭に戻る)ようにすれば、100年近く同じ記号は出てきません。医者も保険屋も専門知識や資料には通じているもののはずですから、専門診療科や一次医療で使う程度の番号を暗記しつつ年次に合わせて番号表を見る程度は問題ないでしょう。そしてこれなら、専門家以外、つまり患者や周囲の人にはなんだかわかりません。もちろん公表されている対照表を見ればわかりますが、それはdiabetesと書いても同じなので、そこまではしないでしょうということです。

■2023年09月22日（金）　むしろガソリン税は増税して小型車両の電動化の促進を

ガソリン税の一部廃止「英断すれば消費者にメリット」　石油連盟会長
別にガソリン税は売り手が負担するのでも構わないと思いますが、消費者にメリットがあるならそうしてはいかがですか。
ガソリン税とて無駄に使っているわけではないので、むしろガソリンだけにかけるなら国債償還の財源にして増税してもよいくらいでしょう。どうせガソリン車は基本的に電動に転換が可能です。電動では技術的な困難のある大型車はディーゼルで軽油です。乗用車と原付が電気に転換するならその方がいいでしょうし、そのためにはここでガソリン税を下げたり廃止したりするのは愚策です。二酸化炭素がどうこう言う以前に、ガソリンエンジンはガソリンでしか動かない機関ですが、ディーゼルはより幅広い燃料で動きますし、電気を作るガスタービンや蒸気タービンはもっと様々な燃料が使えます。蒸気タービンなど石炭や薪でも動くのです。どちらがいいかと言えば、ガソリンのような高質油を使うよりは重油のような低質油を使うものを優先するべきでしょう。つまり、小型車両は電動にして火力であっても充電して使う方がメリットが大きいのです。

■2023年09月22日（金）　縁故主義が悪いのではなく縁故主義で差がつくのが悪い

コネ重視の縁故主義でいいのか　江上剛さんが見いだす「静かな怒り」
むしろコネ重視の縁故主義で不満が出る制度の方が間違っています。人の評価などまともにできない以上、変な保証を取るよりはコネや縁故で知っている人を入れた方がましでしょう。その代わり、コネのあるなしで稼得の機会に差が出るようなことは在ってはいけません。つまり、官僚機構に頼った社会設計はいけないということです。基本的には個人の自営業の集合体として経済的な仕組みを設計しないといけませんし、それは相当な可塑性も持ち合わせていないといけません。学校を出た時点で先が見えるようではだめですし、五年から十年を単位に仕事を渡り歩いていく前提でないといけません。その上で、高等教育を受けることのメリットが見えるようにしないといけません(でないと中卒で就職し仕事をしているのが一番いいなどということになりかねませんから)。もちろん、金がないから高等教育を受けられない、稼がないといけないから教育を受けている余裕がないなどということもあってはなりません。
その上で、教育を受けてばかりでさっぱり働かない人というのはいてもいいと思います。

■2023年09月22日（金）　議論じゃすまないから困るんじゃないですか

河野デジ相、ライドシェア「積極的に議論」　観光地、過疎地など想定
制度化する必要があるんでしょうか。モグリタクシーは問題でしょうが、そもそもタクシー事業が展開していない地域での集落自助的「ライドシェア」は制度に馴染まないと思いますし、ライドシェアを制度化したところでその集落に行く運転者がいない、無理をしないとそこで乗客を拾えないというのでは本末転倒です。むしろ都市部での交通需要の吸収や交通費用の低減が目的でしょうし、事業主体の固定費用負担軽減はともかく長期的には破綻する解だと思います。少なくとも都市部では、タクシーの料金は事情があってああいうものになっているのであり、無意味なものではありません。
何でもかんでも制度と監督で解決できるなどという発想は馬鹿の発想です。制度と監督で解決しようというならドライバーを排除するものでしょう。
もちろん議論すること自体は妥当だと思いますが、この場合実現を前提に議論がなされるというのが問題です。議論の結果使えないねということになるのが妥当なことも多々あるのであり、正直ライドシェアはその類だと思います。そこを含めて結論を決めずに議論するというならともかく、実現するとしてどういう制度がいいかという議論では、多分しない方がましでしょう。こういう議論ばかり提案するから、是非をまずちゃんと話し合わないといけない憲法改正絡みの議論で護憲派が議論自体を拒否することになるのです。するかしないかも含めて話し合うのが民主主義だと聞いた気がするのですが、もしそうなら、こういう結論を前提にした案件を公費でするのは止めるべきです。個人的にそういう検討会も含めて調査を行う、そしてまともな中身の議案を提案する、そのために国会議員の政治活動費があるんじゃないんですかね。

■2023年09月22日（金）　これ、ただの懐古的発想じゃないの

アバターで学ぶ「学校」が本格始動　東京都教委が改良、3D化も
技術としてはありだと思いますが、そうまでして教育で「集まる」ことにこだわる理由の方はさっぱりわかりません。教師がそっぽを向いて他の子を見ていない、一対一で自分を注視しているという認識の方が有意義だと思うのですが。そもそも団体行動の訓練では事前協議と明確な分業と統率が必要になるような相当高度で抽象的な内容でない限り仮想空間は意味がないと思います。

■2023年09月22日（金）　そりゃなんだかポイントがもらえるらしいなんて申請者を自治体窓口に対応させる方が悪いでしょうよ

本人同意ないままマイナ保険証の利用登録、新たに27件確認
登録取り消しは当然として、これは仕方ないと思います。もちろん仕方がないのは市町村窓口の方であって、迷惑をかけられた被害者側や、そもそもそんな仕組みを作り込んだ厚労省・総務省側ではないわけですが、個人情報保護の問題があるとしても、マイナポイント利用の受付事務をそれこそスマホの代理店にでも委託した方がましだったのではないでしょうか。あんな色々オプションで条件分岐が発生するような制度、悪用や失敗がない方がおかしいと思います。もちろん申請でポイントが付くなどという制度そのものがおかしいと思いますが、まあ、普及促進の一環としてやるとして、例えばその種の制度を日常的に運用しているスマホの販売代理店は、顧客を上手にオプションの利用に勧誘する方法も含めて、接客担当の緻密なトレーニングなどを組み合わせて対応しているわけです。そんな業務をいきなり(そもそもオプションにされている内容が多様過ぎて住民票や戸籍の窓口では総合対応は難しいし他のオプションもある以上医療や健康の窓口に集約するわけにもいかない)自治体窓口の現場に下したところで、まともに動く方が奇跡でしょう。件数が多くて頻繁に発生する申請に丁寧に対応するには難があり窓口業務が細分化しがちな大都市の自治体を中心に全国で数万件レベルで済んでいるならむしろ良くできている方だと思います。せめて申請をオプションごとにたらい回しにできる仕組みにするべきだったでしょう。
もっとも発生してしまったものは仕方がないので対応していくしかありません。こうやると言ってしまった制度を、終了時期にならないのに止めるのもまずいでしょう。ただしこのポイント付与制度はこれ以上延長せず、現状のキャンペーン期間が終わり次第速やかに終了するべきだと思います。やるならデジタル難民は切り捨てるくらいの発想でやってください。

■2023年09月22日（金）　見送った理由はって損害賠償請求するのが当たり前なわけはないですよね？

プール10杯分の水が流出、職員に賠償請求はせず　見送った理由は
そもそもしないのが当たり前です。これまでのしている例の方がおかしいのです。
こういう損害の責任は、締め損ねた担当者ではなく、止水栓を確実に閉止する適切な仕組みを講じなかった川崎市にあります。つまり川崎市の自業自得なのですから、意図あって止水栓を開けた事例とは一緒にできません(さすがにいたずらや学校や市に損害を与える意図で目を盗んで開けた、あるいはその地位を利用して開けた場合は開けた人に損害賠償の責任がそれなりにあるでしょう)。使用人の失策で使用者が損害を受けるのは使用者の自業自得であり、その損害は使用者が被るべきなのです。契約と称して損害賠償責任の負担を求めるようなこともおかしいのです。使用者から不当に窃取し、あるいは使用者を害する意図がある場合でも、その意図を察知し適切な対応を講じる責任は使用者にあるでしょう。

■2023年09月22日（金）　他人の敷地に造形物を勝手に設置するのは表現の自由とは言わない

辺野古移設反対のオブジェ、米兵が破壊　米軍が補償金660円を提示
「制作者の男性（74）によると、6月26日にシュワブのフェンスと歩道の間にある空き地に設置した。米軍から「敷地内にあたる」として撤去を求められ、対応を検討すると返答。」
何かと思えば自分の土地でもないところに勝手に設置したのが悪いんじゃないですか。そういうのは表現の自由とは言わないと思います。もちろん設置場所自体が表現の一環であることは理解しますが、それならちゃんとその場所の関係者と調整して「から」設置するべきで、設置したら敷地内だと言われたなどというのは話になりません。それとも沖縄では、公園や駐車場に勝手にオブジェを設置して苦情が来ないのでしょうか。置く前に、こういうものをこういう趣旨で置きたいが構わないかと持ち主や管理者に相談するのが常識というものでしょう。むしろ部品代の補償を申し出た米軍の合理性に感心するくらいです。まあ、敷地内侵入と管理権侵害で賠償訴訟も起こされるかもしれませんが、大きな業務への支障を来したわけではないので撤去コストの負担くらいでしょうかね。
ちなみにソウル日本大使館の前に女の子の像を設置した件はこれとは違って、ちゃんと管理者であるソウル市当局の許可を得ています。その上で、ソウル日本大使館前に過去の日本の悪行や現在のそれへの対応を非難する広告物を置くのは表現の自由かどうかというのが問題になっているわけです。勝手に他人の土地に物を置くという論外な行為といっしょにはできません。

■2023年09月22日（金）　それ、裁判官の許可なしにやっていいのでしょうか

中学生をいじめ容疑で授業中に逮捕　マクロン政権のいじめ対策が波紋
いや、もちろん色々と効果を計算してやっていることだと思うのですが、見せしめにするような発想はどうかという気がします。そもそも罪刑法定主義からして問題があると思うのですが、まあ、その点では日本も他国のことは言えません。ただ、さすがに授業中の教室に警官が入ってきて生徒を逮捕するような話はなかなか出ないと思うんですけどね。大学闘争の頃にはあったのでしょうか。事実上刑の執行に当たる行為である以上、本来少なくとも裁判所の発する令状の指示に基づいて行うことで、単なる行政官の判断でやっていいこととはあまり思えません。

■2023年09月21日（木）　仕事を断って勉強して評価が上がるのならすると思いますがね

“学びたくない”日本人　2000億円の投資で「給料が上がる仕組み」は作れるか？
「研修導入しても……自発的に勉強する社員は「ほぼ見たことがない」」
いや、それはそう評された側からすれば、「んな暇あるかあ！」だと思いますが。研修はプログラムを用意して時間を - 忙しいのに研修かよなどと上司や同僚に言われないような状況を作ることも含めて - 確保して費用負担もして、それでようやく導入できたと言うのです。少なくともJAMSTECはそういう発想でした。もちろん学校でもあるまいし、時間を確保してまで予習復習などするはずもありません。それが自然になされるような状況を作ることを含めて仕組み作りと言うのです。どこかの政府や労働制度の所轄官庁のように金だけ出す、後のことは知らんというのは論外(それこそ安心していったん退職してリスキリングできる、リスキリングが報われる制度的な保証 - 例えば就業が想定されるすべての年齢層において極めて流動性が高くジョブが適切かつ精密に定義された労働市場 - を与えることが第一のはず)ですが、企業人事部門にしても、講師を呼んでポスターを貼るとかメニューとして用意されたカタログから研修を申請すると補助が出る仕組みを用意したとか、その程度では何をやったとも言えませんし、むしろ費用を無駄遣いし仕事の邪魔をしているわけで経営者と普通の従業員の反感を買うこと必須でしょう。

■2023年09月21日（木）　色々間違ってる

百科事典はもういらない？　2千年の歴史はネット時代に途絶えるか
商業百科事典の歴史と博物事典の歴史を一緒にしないように。
まあ、購読者の対価の負担に基づく百科事典、権威の私的集団が執筆製作していることで権威を獲得する百科事典というのはもう歴史的な使命を終えたのだと思います。
とはいえ、まず万学の権威などというものがいるとすれば、その私的営為としての博物事典の編纂は任意に行うことができますし、その公表はむしろネット時代になって容易になったと言えるでしょう。これは万学といかなくとも分野を絞った事典でも同じです。
また、Wikipediaのような形態の編集者の緩い集団もあり得ます。なにもWikipediaに限るわけではなく、誰かがやろうと思い立って立ち上げて人が集まっていくことがあり得ます。
これらの問題は、保障と権威がないことでしょう。言うまでもないことだと思うのですが、古代や中世の博物事典の編纂者にしろ百科全書派にしろ、自負はあったにせよ権威には欠け、保障などほぼ提供しようがありませんでした。大プリニウスにしろ百科全書にしろ、歴史的な権威が確定しているので大層なものに見えますし、実際当時のものとしてはそれなりのものなのでしょうが、現代の水準から見ればどうしようもない代物です。まだしもある程度の客観的な基準をあてにできたサミュエル・ジョンソンの英語辞典の方がよほどましでしょう。これは現代の百科事典でも同じことで、権威を集めた商業百科事典ですら、その内容はその時点の知識や認識に依存しますし、そもそも集めた権威の構成で内容は変わってしまいます。その意味ではWikipediaとブリタニカの違いなど程度問題です。Wikipediaだってそれなりに書くことについて知っている人たちが議論の上で執筆しているのですから、バイアスや誤りがあるにせよ修正されていく期待を持てますし、むしろ議論のある項目である点が明示されている分商業百科事典よりも良心的と言えます。問題は見捨てられた項目が出てくることでしょうが、検索に引っかかるのであれば誰かが気付くと期待を持てる分、商業的な事情で改版が止まってしまう商業百科事典よりましとも言えます。書物としての事典に期待できるのはその時の最善がせいぜいであって、長期的な視点から見ればすべてどこかしら間違っていること、場所や時代、人を超えて通じる事実真実だけの集録など保障しようがないことは、常識と言うべきです。
百科事典編纂の主体としては、上記の二つのある意味ボランティアベース以外に政府やそれに相当する機関があるでしょう。日本であれば予算措置を講じて学術会議あたりが主体になって仮称日本大事典でも編纂したっていいわけですし、加盟国が予算措置を講じることができるのであればUNESCO大百科だっていいでしょう。ただしこういうものを作る場合、問題はむしろ権威が高すぎることにあります。日本大事典やUNESCO大百科に書いてあるから正しいなどという言説が当然視されたらむしろ百科事典編纂の現代的な意義に反するでしょう。百科事典は専門的な研究書に入って行く際の入り口でしかないのです。もちろん編纂主体がある以上、その主体に応じたバイアスもあります。そうした前提の上で、公的機関が提供可能な権威と補償をもって百科事典を提供することに意義があると考えるならば、そのようにすればよいというだけのことです。アクセスは、それこそスマホでいいわけですから。

■2023年09月20日（水）　ファンドが短期志向というのはそう見えているに過ぎない

上場廃止へ…東芝どうなる　専門家「いまは10年に1度のチャンス」
「――東芝が非上場化することをどう見ますか。　　　私は避けて欲しかったです。」
「懸念の一つは、投資ファンドの視点が製造業に比べて基本的に短期的だということです。例えば、投資ファンドにとって5年は「長期」ですが、東芝のような技術を生み出す製造業にとってはごく短い期間にすぎません。」
チャンスなのはそうだと思いますが、少なくとも上場廃止や投資ファンドの見方についてはおかしいと思います。
まず投資ファンドの視点が短期であるという点ですが、これはファンド次第です。長期の投資を前提としたファンドというのもあり得ます。むしろ株主側の意思統一が為された状態で会社に伝わってくる分、長期の見通しについてもファンドと会社の間で共有しやすいはずです。
むしろ、市場の視点がビジョンにおいて数か月、アクションにおいて数日という短期であることの方が悪影響になるでしょう。これはある意味、証券取引市場が長期視点のアクターと短期視点のアクターを引き合わせる場であることから言って当然です。長期視点のアクターは資産構成上問題のない量の株式を持ったところでそれを保有してしまうわけですから、日常的に証券取引市場で見えるのは短期志向のアクターの行動だけになります(その結果東芝のような会社の場合株価や社債価格がリスクの頻繁な見直しを理由として乱高下することになります)。この意味で、一度証券取引市場から切り離すというのは大変望ましいことでしょう。
まあ、今回東芝を買い取った投資ファンドの視点が短期だというなら、そのせいで東芝の再建に失敗するかもしれないし、むしろ解体して事業ごとに他社に売り飛ばして投資資金を回収する話になるかもしれませんが、それは買い取った以上投資ファンドの問題ではあります。日本産業パートナーズについてはさほど短期志向のイメージはないのですが、さすがに20年と言ったら呆れるかもは知れません。とはいえ10年で配当優先株式に切り替えて一般株式を再上場くらいの話はできそうな気がします。また東芝という事業は別に東芝ブランドである必要はなく、事業部門を適切な買い手に嵌め込むこともまた事業部分の生き残り方ではあるでしょう。その事業に今の組織が必要なら組織も生き残るでしょうし、今の組織ではだめなら組織は切り捨てるだけのことです。ファンド事業としては短期視点であっても、長期の可能性を見極めて事業の整理処分を図ることはあり得るでしょう。

■2023年09月20日（水）　 EXPEED7はどうでもいいから重さを減らして！

ニコン、ヘリテージデザインのフルサイズミラーレス「Z f」。現行機種から最新機能を継承
いや、だからなんで710g？まあ、イメージセンサーがでかくて重いのはわかりますが、500gもあるものなのでしょうか。せっかく重たいプリズム・ミラー機構がなくなったわけですから、35mmセンサーでZ fcを完全に置き換えて欲しかったところです。
ZがAPS-Cだろうとまあ知ったことじゃないわけですが、Nikkorの35mmセンサー用レンズを付けるのにAPS-Cはないですし、FMへのリスペクトと言うなら当時のNikkorがマニュアル操作、絞り優先測光のみでも使えないといけません。使えるというのは、光束の真ん中だけ使うのではないということです。レンズの特性が周辺部の画像までちゃんと見えてこそのリスペクトです。そしてFMの良さは操作感もさることながら軽さです。F一桁シリーズじゃないのです。そしてFEでない以上手軽さでもありません。
つまり、ニコンはZの先進機能とやらを諦め、変な補正処理を行うEXPEED7とやらをただのバスコントローラーにして補正機能のほとんどをパソコンの現像ソフトに追い出してでも、部品を簡素化、軽量化し、400gを目指さなければなりません。もちろんセンサーが35mmなのは言うまでもありません。ZマウントはFマウントとは設計基準が違うので、より大型、大重量のレンズに耐えられるようにボディーの剛性などの基準が厳しくなっているかもは知れません。Z f*であれば余計なダイヤルやボタンの重量もかさむでしょう。ファインダーなしというのもまあ、まずいのだと思います。もちろん背面液晶を省略するわけにはなかなかいかないでしょう(ファインダーに統合してしまえという気はするのですが)。しかし、FM、FEはファインダー光学系込みで400gです。ミラー部がなくなって、センサーを含む電子系と背面液晶が増えて、構造強化分とバッテリーの重量増加として、どうして710gになるのか。30万円でエントリー機種ということはないですし、普通の人はZ 5/6/7/9に行くわけですから、もっと思い切って機能を削り、手振れ補正無し(FEやFMにはそんなものはついていなかったわけです)、バッテリーを小型化して長時間動作はバッテリー交換か往年のモータードライブ風のグリップ兼バッテリーパックで対応といったあたりまではできるでしょう。バッテリーの規格を小型機向けに変えるだけで数十グラムの減量を期待できるはずです(値段は上がるかもしれませんが)。Z 5/6/7/9ではないのですから、メモリーカード一杯撮るまで電池がもたないとだめなどと言いだすユーザーは少ないでしょう。バッテリーパックなしでは10枚撮るとバッテリーが尽きるのだっていいわけです(一応40枚を目標にしておくあたりでしょうか)。正直オートフォーカスやボディー側での絞り設定も要らないのですが、今時のデジカメと操作感が非常に変わってしまうのはこのコンセプトの場合構わないとして、現行Nikkorレンズが使えなくなるのはまずいかもしれません。
Zシリーズを全てDfの操作系に合わせるなどと言いだすのでなければ、Z fは懐かしの操作感を楽しむカメラです。それをF4リスペクトでなくFMリスペクトにしたのであれば、機能は削ってもよいし、バッテリーもフィルム程度の枚数分もてばいいので、軽くてちゃんとFMの絵が撮れるカメラでないといけません。値段はまあ、趣味人は後十万円くらい上がっても買うでしょう。拘りの変なカメラを出すならしっかり拘るべきだと思います。

■2023年09月20日（水）　教員増加策で事情が好転すればいいんですけどね

「子どもの学習に影響も」　教員採用のハードル低下、専門家の危機感
そもそも専門的賃労働者を用いた学校教育という近代の制度が効果の面だけでなく要員確保の面でも破綻しているというだけでは？日本以外でも、教員不足は結構深刻なようですし。もちろん専門的賃労働者を用いた保育とか老人介護とかも破綻していると思いますが。だからといって家庭には戻れませんから、近親者による養育・介護などの前提を完全に外すことから考え、とにかく保護が必要な人は全部金持ちに押し付けてしまうというのもありな気がします。今だって貧乏な親や直系卑属、近親者、政府に押し付けているわけですから、押し付け先が変わる程度は何でもないでしょう。

■2023年09月20日（水）　少年ホスト会社だからこそ商売になったのだとは思います

少年ホスト会社を育てたジャニー喜多川
相変わらず表現がきついところがありますが、「これを機に、日本の大衆文化が少しでも小児性を脱却することを期待したいが、それは無理だろう。」というのは、大衆文化に関わらず日本文化というのはそういうもの(それこそ古典とされる源氏物語すらその類 - もっとも古典文学が小児性を脱するのは客観的な哲学散文が成立した文化においてのみで、地中海北岸以北ですら古典期のそれに戻るのは10世紀以降修道院においてで、世俗文学は高踏文学でも18世紀くらいまでは小児性に溢れています)なので、「それは無理だろう」というのは慨嘆以前に当然の結論ではあります。もっともこれを日本の高踏文化との対比で言うなら論外であり、そもそも日本の文化は全体として子供っぽいのです。アカデミックな部分では1930年代の哲学などそうですし、加納治五郎のようなミリタリストも、福沢諭吉のような政論家も、三島由紀夫や川端康成も大変に子供っぽい。純粋さと言い換えることはできるのかもしれませんが、子供が背伸びをしているようなところがあり、陰影と言ってもガキが煙草を吸って酒を飲んでいきがっているようにしか見えないのです。大江や坂本あたりなど子供としか言いようがありません。まだしも大人の目で子供っぽい文化を見つめる宮本常一あたりの方がましでしょう。何がどうしても、マイケル・ファラデーやヴォルテールのようにはならないのです。そんな文化に小児性を抜け出すことを期待するのは無理でしょう。もっとも現代欧米文化の子供っぽさ(ショースポーツなどまさにその例でしょう)を見る限り、それこそ文化というのはなべてそういうものなのだという気がしますが。
それはさておき、ジャニーズ事務所が解体清算されるべきというのは個人的にも同感なのですが、少なくとも日本では、当事者がそういとしない限り会社を清算解体することは難しい制度になっています。当事者の意図なくしてできたのはそれこそ財閥解体のときだけでしょう。
この場合の盛田氏の意図に該当するのは、会社法824条1項3号の「業務執行取締役、執行役又は業務を執行する社員が、法令若しくは定款で定める会社の権限を逸脱し若しくは濫用する行為又は刑罰法令に触れる行為をした場合」ですが、これは常習反復性の手続的確認が要求されており、過去において常習的に反復されていたとしても現時点においては法務大臣から所属タレントへの性加害について警告を受けたところで再発防止策を講じれば済んでしまいます。つまり会社と相当の関係を持つ関係者が行うのでない限り、ジャニーズ事務所を解散させることはできません。正確には、株主が全員判明していますので、株主を行動不能にして、取締役を全員欠格の状態にしてしまえば、会社としての体を失い崩壊するはずではあります(取締役がいなくなった状態で株主が(おそらく一人でも)行動不能であれば会社は取締役を新たに選任できず、業務執行が不可能になります)。この場合株主が死んでしまうと相続が発生し、相続人が新たな株主になりますから、死んではいないが株主としての権利行使が一切不可能な状況にすることになります。会社の関係者による行動としては、(1) 支配的株主と経営者による会社の解散決定、(2) 取引先による破産申し立ての二つがあります。この場合(1)はキーパーソンになる支配的株主が事業継続の意向ですから当面ありえないでしょう。それこそ普通は(それこそ資本関係すら擬装して無関係の体を装うなどして)別会社を作って事業の実態をそちらに移し、汚れの付いた看板は清算してしまう(盛田氏の例示する「会社は賠償金を支払った後に清算されるだろう。」はこちらに近い例でしょう)わけですが、その意思もないようです。(2)は、会社が債務超過であること、そして裁判所が破産を決定し職権で精算を命じることという二つのハードルがあります。もちろんタレントからの賠償請求(ともしかしてクライアント企業からの派生的なイメージダウンについての損害賠償請求)によって債務超過になることはあり得ますし、その場合清算に至る可能性はそれなりにありますが、おそらくこれが盛田氏の指摘するところの一部ですが、日本の場合債務の保障を重視し、清算するよりは生きながらえさせて(つまり残余債務を廃止せずに)リスケジュールしてでも完済させようとする傾向があります。もちろん破産処理自体は会社や幹部従業員の刑事犯罪や倫理的非行を問題にする話ではありませんので、原則論として債務完済の可能性について債権者の同意が得られるならおかしな話ではありません。それこそ欧州でも、フォルクスワーゲンやフィアットのような戦犯会社やルノーやプジョーのようなナチ協力会社がその倫理的非違にも関わらず経済再建と称してクレンジングなりローンダリングなりされて生き残っています。
なお、残余資産を社会福祉事業に充てれば償えるなどというのは妄言でしかなく、汚れた金として軍事費にでも消費してしまうべきです。それでローンダリングできますから。もちろん賠償の一環として性的被害者の救済支援事業や未成年養育事業(これらも社会福祉事業の一種ではあります)に投じるなら別ですが、保育所や老人ホーム、炊き出しに投じたところで何の意味もありません。償いというのは意味的な関連の中で評価されるべきであり、この場合年少者への性的加害とその商品化が問題なのですから、教育や養護に名を借りた無責任成人の経済的支援事業や老人福祉事業では文脈が通らず、したがってクレンジング＝償いにはならないのです。そこを「社会福祉事業」などとまとめて表現するのは不見識です。まあ、いくらクレンジングしたところでペルジールシャインという話もありますが。

■2023年09月19日（火）　でもなんで歩行者が車両を慮って安全対策なんかしないといけないの？

自転車と歩行者の死傷事故、秋は夏の3倍　日没後、反射材着用なし
まあ、理屈はわかるのですが、それだと夏以外は歩行者は反射ベストを着ていないといけないという話になりますよね。まあ、夏だって夜は着た方がいいわけです。車両と歩行者が交錯する交通環境において、それが合理的なのかもしれません。
でも、なんかおかしい気がします。歩くというのはいつの間にそんな危険な行為になったのでしょうか。歩行者と車両が交錯する交通環境がそのように危険なものだとすれば、歩行者と車両が交錯しないようにすることが対策なのではないでしょうか。
そもそも自転車と歩行者が同じレーンを移動すること自体問題でしょう。もちろん歩行者用レーンを乗車走行する自転車は珍しくないので、防止は難しいかもしれません。そもそも自転車だって車道から自動車やバイクに押し出されている面があります。本来速度にしろ重量にしろ、自動車やバイクが自転車に譲り、自転車を巻き込まないように走行するべきです。仮に自動車やバイクの走行を優先しないと効率に支障が出るなら、それは軽車両や歩行者を排除するべきということです。大事なのは歩行者に安全確保を呼びかけることではなく、歩行者最優先や仕組みとしての歩行者の安全確保の発想を徹底することではないでしょうか。

■2023年09月19日（火）　ええと、そうやってヴァイタルを監視してよくなるように環境を整えると乳牛がいい牛乳を出すようになるんでしたっけ？

集中度や感情、脈拍や血流データで「見える化」　学校にじわり浸透
まあ、近代学校制度なんて昔からこういう傾向があるんですが、正直生徒を何だと思ってるのかという気がします。見える化と言うならまず教員の一挙手一投足を保護者に見える化するべきですし、もちろん校長と教頭も勤務時間中は基本的に行動を録画録音して永久保存するべきでしょう。ヴァイタルも同じです。正直これに慣れると生徒をこう扱うことにも抵抗がなくなる可能性があるのですが、もうやっているならどのみち生徒を管理するべき家畜扱いしているわけですから、問題ないでしょうね。
もっとも学校を近代工場労働制度のミニチュアと見るのであれば、この発想は全くおかしくないわけです。ただしその場合、ちゃんと適切な時間をもって拘束から解放しないといけません。もちろん、ヘンリー・フォードみたいに退勤した労働者を監視するようなこともしてはいけませんし、校外での行動を拘束するようなことは一切禁止しなければなりません。

■2023年09月19日（火）　無理なのなんか明白だったのに

国連、SDGs達成は「危機」　取り組みの加速求めて政治宣言を採択
「達成は危機に直面している」
達成不可能な机上の空論をこねくり回していたというだけのことです。当然の結果ですし、危機なのは空疎な計画だけです。加速は不可能ですしするべきでもありません。やり始めると止めようがなくなるから、この手の無責任な企画は嫌いです。

■2023年09月18日（月）　問題は国会にはない、内閣と大臣にこそある

税金の無駄遣いだけでは済まされない　霞が関と永田町の働き方改革を
まあ、官庁職員の皆さんが日が変わっても調べ物をしていることが良いとは全く思わないですが、「こんな異常な働き方の原因となっているのが、国会における、議員の質問通告の遅さ。」という発想は、日本の国会の歴史的な経緯を無視しているのが残念です。そもそも大臣が答弁の下調べを官僚に流すのがおかしいのであり(最も歴史的には大臣は官僚の長なのでその意味ではおかしくないのですが、現行憲法の構造としては大臣が参加する内閣が法執行の主体なので、実施担当の官僚ではなく指示を降す大臣が答弁を作れないとおかしいのです)、質問する議員にしても本来は役所ではなく大臣の回答を要求しているはずなのです。当然詳細にわたる質問通告などなくとも、突然投げかけられた質問にその場で答えられるのが当たり前です。それとも、大臣の記者会見では質問を事前通告するのが慣習なのでしょうか。
日程闘争自体一つの政治であることは、それこそ安倍元首相が適正になされた臨時国会召集要求にまともに応じなかったことで裁判まで起きたことでもわかることです。それである意味無関係のはずの行政職員まで悲惨な労働条件を強いられていることは筋違いではありますが、だからといって政治の形式的な構造だけを問題にし、行政職員の残業費用の問題に貶めることは、問題設定を誤っています。行政職員のメンタルヘルスなどにしても、確かに問題ではありますが、それを確保する責任は一義的には人事院と大臣にあり、国会は法律で決める枠組みについて責任を負っているにすぎません。つまり大臣が自分で仕事をすれば - まあ、大臣が過労死したり答弁が支離滅裂になったりするかもしれませんが - それで済むことです。大臣は官庁の用意した文案に沿って答弁しなければならないなんて決まりはどの法律を見てもないと思います。まあ、行政職員は今度はめちゃくちゃな答弁をする大臣に振り回されるかもしれませんが(それに近いことは過去にあったはずです)、その場合残業してまで尻拭いをする職務上の義務はないので、終わらない仕事は積んでおくだけの事でしょう。もちろん答弁書の作成にしても無理な締め切りを守らせる権限自体が大臣にないはずです。この点については、まっとうな労働者としての意識のない行政職員本人の自己責任です。労働とは可能な職務上の目標を達成することなのであり、それこそ領主が農奴に一エーカーあたりの小麦の収穫を百トンにしろと命じても、神はそれを聞き届けません。そんな目標を達成する義理はなく、領主が罵ったところで目標未達成の農奴が地獄行きになることはないでしょう。それを言うなら大臣だって訊かれたことを知らなければ答えられない、後で答えるでいいのですが、正直恥曝しですしその場で答えられないと後日審議を再開することになって議事が混乱するので答えられるようにするというのが質問通告の趣旨です。むしろ議員がした質問に質問された大臣が答え終えるまでは質問時間は終わらない、採決は行わない、国会は閉会しないというのが適切な制度かもしれません。議事妨害し放題ですが。
また民間への影響にしても、正直業務時間外の問い合わせに取り合わない、無茶な締め切りには取り合わない、予算が成立する前の話には取り合わないで済むことだと思います。それで事業が年度内に終わらないのは段取りの悪い内閣の問題です。カエサルのものはカエサルに、内閣の責任は内閣に帰すべきです。もちろん国会審議がなかなか進まないのも、少なくとも予算案と内閣提出法案については内閣の責任です。十分な数の国会議員が納得できる形で提出し、根回しをすることを怠っているのですから、そうとしか言いようがありません。日程関連の制度の問題とは言えないのです。

■2023年09月17日（日）　業界ではなくドライバーを支援するものではないかと思いますが

路線バス・タクシー確保へ、免許取得に補助金　配車アプリの導入費も
どうして事業者、会社なんでしょうかね。それこそ個人や組合が届け出て運行できるようにして、個人に対して二種免許取得費用＋αを支給したらいいと思うのですが。要はトラブルから逃げたいけち臭い話じゃないですか。もちろん会社ならトラブルは起こさない、起こしにくいなどというのは妄信でしかないわけですが。

■2023年09月17日（日）　国にマネロンしてもらった金を貰ってイノセントに自由を唱えるとはこれいかに

総長カレー発案の元総長に聞く京大の自由　「面影だけだが妙に定着」
「交付金の削減　文化の破壊行為」
制度的に金をたかっておいて自由もへったくれもないものです。この感覚だけは改めるべきでしょう。
もちろん大学やその自由が無用なものとは思いませんが、そのお金を出す政府や納税者の気分を逆撫でするようなことをすれば制度的な補助金というのは簡単に揺らぎます。教授会自治を唱えるなら教授会が大学の運営財源の確保に意識的であるべきです。当然それに伴う搾取や不正の問題とも直面することになりますが、それを直視してこそのアカデミズムの誠実さというものでしょう。税金を財源とする政府の文化補助という形でクレンジングされた資金をのほほんと受け取っているようでは文化はまだしも自由の名には値しません。そういうのは、大臣にこき使われて委ねられた権力を行使するのに陶然としている官僚を養成する専門学校が似合いです。
もちろんこの財源は授業料とか研究開発成果のマネタイズとかではなく(これでは自由ではなくなってしまいます)、自由な研究と教育の場という理念に賛同してくれる金持ちの寄付を集積した基金からの利子収入ということです。自由な大学というのは金貸しと不即不離です。生産性を論じていては自由などおぼつきませんし、そもそも金にならないことまで真面目に(ふざけるにしても真面目にふざけながら)研究教育するのが大学なのですから、運営費は誰かからたかるしかありません。そしてそのような大学の公共性については、もはや広範な合意はありません。仮に過去に(19世紀後半から1980年くらいまでか？)あったとしても、既に失われました。ある意味ウニヴェルシタス・ポリテク論争はポリテクが勝利したと言えます。つまり大学は公共の合意に基づいて支持されるべき立場ではなく、金利生活者として財源から金を契約に基づいて搾り取るべき立場なのであり、例えば出資した株式会社の株主総会で配当を少しでも高く、内部留保や労働分配にはなるべく少なく回すように要求する側なのです。つまり事業から不正に搾取し祝祭的に浪費する側です。自由を前提としないテクノクラートを生産しその対価を社会から受けるポリテクとは違います。法曹養成を旨とする法学部の教授がアナキズムを肯定的に講じたらおかしいでしょう。しかし、法学という学問分野のためにはアナキズムの肯定的研究も必須です(哲学や法形成論でしょうけどね)。そのために、大学はアントワーヌ・ラヴォワジェであるべきなのです。

京大のいま　「不自由が増えた」「形式的」と変容を感じる教員、学生
京大が今どうかはともかく、「教職員と学生、市民という枠組みを超えて議論できる空間」というのはご自分で設ければいいことでしょう。大学などに頼らないといけないほど貧乏な時代は終わっています。
また少なくとも市民は大学にはもはや入ってこられません。そういう建前になっていますし、教員も入ってくる機会を無くし、市民を排除してきたのが実情でしょう。それこそ市民と議論する場と言うなら少なくとも教員主体のイベントは問題なく企画できるはずで、ゲリラ的に学生が秩序への反抗を見せるから問題になるだけのことです。確かに息苦しく感じるかもしれませんが、逆に学生主体であっても大学で討論、意見交換のイベントでの施設使用を申請して拒否したら、大学に似合わない公的議論の圧殺、言論の自由の侵害として裁判に訴える事すら可能なはずです(その前に借り賃を用意する必要はありますが)。
してしかるべきことすらせずに秩序維持のためのしかるべき権力執行を嘆くというのは、むしろ嘆かわしく感じます。公権力をすり抜ける自由な場というのは、作ってもらうのではなく自分で用意するものでしょう。それが自由で民主的な社会というものではありませんか。

■2023年09月16日（土）　マイノリティのくせに自力で主張を通す金もないのか

原告は｢カンムリワシ｣　リゾート開発は｢自然壊し違法｣と提訴
実体的な判断についてはそれはそれでやって欲しいものですが、まずカンムリワシについては原告適格を否定して欲しいものです。正直自然保護団体とか野生動植物保護団体の行動は目に余ります。主義主張や危機感で過激な行動を繰り返すのではテロリストと同じです。1930年代の青年将校が方法論や熱意でさぞかし共感してくれるでしょう。あるいは今時アフリカや東南アジアあたりでクーデターを起こしている人たちもかもしれません。どうせ切れるなら、せめてちゃんとお金を集めて問題になっている地域を買い取って自力で保存する方向で切れていただきたい。もちろん市としてはこの地域の観光開発に期待しているはずなので、そういう市とそれを支える住民もちゃんと説得するべきです。裁判を起こして判決が出たから守れでは悪徳不動産業者と変わりません。

■2023年09月15日（金）　明治神宮が文化だあ？

神宮外苑再開発は「文化遺産の不可逆的破壊」　イコモス幹部が会見
明治神宮が文化と言われると非常に奇異に聞こえます。寄付や献木にしても、森を作るという意味での文化的行為を念頭に置いたものではあまりないと思うのですが。もちろん神宮も潰して土地緑地帯として公園化するというなら全く依存はありませんし、森だけでなく神宮も全部潰して一大総合リゾート施設を作るというならそれもよいことだとは思いますが、神宮外苑を文化遺産だから保存せよと言われると、かえって保存に反対したくなります。
まあ、広範な議論の場はあるべきだと思いますので、都で住民投票をやってはいかがでしょうか。やはり東京都ですから、都民がそう望むのであれば地元民は犠牲になるべきでしょう。

「文化という認識」「存在を忘れるくらい」鈴木前総務相が裏金明かす
もちろんこういうのだって文化です。何かと問えば文化、生活文化としか言いようがありません。明治神宮なんぞよりよほど自生的な文化です。
ですから、文化庁は保護策を講じるべきなのじゃないでしょうかね。

■2023年09月15日（金）　もうこういうのは自己責任、溺死者が出たらごみ扱いでいいのではないかと

相次ぐ飛び込み、橋も封鎖…　阪神優勝の夜、厳戒態勢の道頓堀は
そうか。やっぱり馬鹿が出ましたか。阪神が優勝と聞いて出るかとは思いましたが。渋谷のハロウィンもそうですが、馬鹿が乗りに乗ってやることというのはだいたい迷惑ですからねえ。それが道頓堀川への飛び込みという形で定着してしまったのはなぜだろうとは思いますが、まあ、大阪城に忍び込んで天守閣から降下するよりは安全に見える気がします。というか、十八年ぶりとはいえその前から数十年に渡って止めろと言われ続けてきたことで、人間というのはやはり馬鹿なことほど止められないもののようです。
なんというか、この手の馬鹿の生命に責任を負う必然性を感じられないというか、自己責任でいいんじゃないですかねえ。それこそ大阪市は大阪お祭り特区でも申請して、お祭りを宣言した人や団体のする自身が行う行為については規制もしない代わり保護もしない、怪我をしても大阪市内での健康保険適用はなし、遺体もごみとして処分することにしてはいかがでしょうか。まあ、自由を謳うわりに統制を重視するのも橋本氏や松井氏の特徴だったと思いますので、大阪市警備隊を組織して、ボランティアか出来高払いで駐禁のように馬鹿な行為を取り締まって回る方が似合いかもしれませんけど。

■2023年09月15日（金）　退職者が情報を持ち出せるという時点で恥ずかしい事業組織です

増える転職者、情報持ち出しで摘発事例も　企業の営業秘密・個人情報
これだから、抱え込めもしないくせに人なんか雇うべきではないと思うのですが。転職するにはいろいろと事情があるものですが、そこで拗れるという時点で雇った側に問題があります。拗れる前提で持ち出しを規制し解雇時には即隔離するような英米外資のやり方をするならともかく、むしろ労働者側が抱え込めるノウハウを会社として機密という形で保持し、会社が運用責任のある個人情報を管理せざるを得ないなら、どんな犠牲を払っても辞められないようにするのが雇い主の義務でしょう。正直この意味で、従業員の機密情報の持ち出しや個人情報の持ち出しは(元)労働者を処罰するべきではないと思うほどです。持ち出せないようにするのが雇い主の責任であり、刑事罰でどうこうするべき内容ではありません。

■2023年09月15日（金）　こう言ったから何が解決するわけでもないわけですが

行き場探す使用済み核燃料　政策のひずみ押しつけられる自治体
ここまで来ると押し付けるしかないですけど。
もちろん発電各社の本社に溜め込むのが正しいとは思いますが、それとて立地する自治体に押し付けることには変わりありません。増殖炉やプルサーマルが回っていたとしても捨てる分は出るわけですから、どこかに核廃棄物の墓場を作らないといけないは変わりません。それを政策のひずみと言うなら、そうなるでしょう。そしてその分を札びらで頬をはたいて補うことも、仕方がないわけです。もちろん、その押し付けを何かと先延ばしにし、客観的な調査結果とやらに押し付けようとしてきたことも、その結果調査が入ろうとすること自体大騒ぎになっていることも、ひずみと言うことはできます。もっともそれは国政や原子力行政の上でのひずみだけでなく、そういうものだということを受け止められない電力の消費者にして有権者である日本国民が、多分国や電力会社が何とかしてくれるだろう、うちの裏に来なければいいや、と棚上げにしてきた結果です。もっとも、納得してもらえないと諦めて真面目に説得をしていなかったことも事実ですが。

■2023年09月15日（金）　歪んでいない世論など今のところない

歪む「ネット世論」　一部の声が強調されるリスク、メディアは認識を
ネットをソースにする(ex. ネットでアンケート、SNSで見た)際のバイアスについてはその通りですが、そもそも世論というのは歪んでいるものでしょう。それはメディアが扱う場合も同じで、メディアがフィルターなりディストーションフィールドなりとして働きます。それこそ学術会議絡みの報道などそのいい例で、問題にしているのはアカデミズム界隈のアクティヴィスト層とメディアと政権批判層だけです。元々マスメディアや報道メディア自体、拡声器に近いものとして発達してきました。世論調査にしても調査の設計の段階で様々な要素が影響することは、少し齧った人なら知っていることですし、それは標本集団を選ぶだけではなくならないわけです。
そして、ネットでの発言というのは、マスメディアに自分の声が乗りにくいと自覚している先鋭的な層、そしてコンピューターなりスマホなりに向かっているのが心地いい人たちがしている傾向があるので、結局のところ、そういう人たちの声なのだということを念頭に置いて扱えばいいだけの事ではあります。その上でどう使って自分の意図に適合するように歪めるかというのが、マスメディアの本領でしょう。

■2023年09月15日（金）　別に不思議でも何でもないわけですが

「褒めたつもりで炎上、致命的」　岸田首相「女性ならでは」に失望
十年後も首相をやってたら日本の恥だなという意味では致命的かもしれませんが、国会議員はほぼこういう感覚の人ばかりでしょう。SNSで意識の高い人たちが炎上していても仕方ありません。その意味では致命的だの失望だのという評は、ネットの声の大きい人だけのことです。岸田首相は、正しく日本の有権者の感覚を代表していると思います。
とはいえ、女性閣僚の数が問題になるような状況では結局こうなるんだなあと、残念ではあります。その意味ではここで致命的とか失望とか言った人たちの方が頑張らないといけないわけですし、各有権者も投票のときに既存の議員や経験者、既成政党の立てた候補者に投票していいのかということを、ちゃんと考えないといけないと思います。

岸田内閣の改造人事、副大臣・政務官は女性ゼロ　前回11人から一転
むしろこちらの方が問題ではあるわけですが、crusus honorumである以上、順番待ちを処理していくという発想も必要ではあります。そして国会議員には男性の方が圧倒的に多いわけですから、こうなるのは仕方がない面があります。
まあ、開き直って閣議に出席するだけで形式的な担当しかない大臣をたくさん作る(もちろん閣議出席を含めて手当は出ない)という解もあるとは思います。戦時内閣みたいな一部の中心閣僚だけが出席する合議体も前例がありますし、そこで揉んだことを全閣僚に根回しして閣議で通すことは問題はないはずです。もっともその合議体に相当の権威がないと反対する人が出かねないので、戦前はそれを防ぐために御前会議みたいなことをしていたのでしょうね。天皇臨席で中枢閣僚が決めたこととなれば反対しにくいですから。ただ、国会と違って最終的な重要な決定をするわけではないわけですから、閣議の前に関係閣僚を含む小規模な合議体を置いて実質的な決定権を付与する仕組み自体は可能です。

「ジェンダーの数うんぬん、日本だけ」　女性ゼロで国民民主・榛葉氏
維新・藤田幹事長「『女性を何人入れよう』ではなく適性で」
訊かれてこう答える国会議員は、例え正論であっても馬鹿です。もしこの正論を通すならば本人はそもそも政権すら取れない無能なわけですから、直ちに国会議員を辞職し今後の立候補も取りやめ、後任に有能な女性を推すべきです。男性の既得権保護に聞こえるようなことを言った(せめて女性の議員が言ったならともかく、男性国会議員が言った時点でそもそもアファーマティブアクション的発想が間違っていると言ったことになります)点で岸田首相よりさらに悪質なわけですから、国民民主党と日本維新の会は現職は全員即刻辞任し、以後議員・自治体首長候補者を女性のみとするべきでしょう。優秀な女性なんていくらでもいますよね？

首相が見解「個性と能力発揮して、の趣旨」　「女性ならでは」発言で
「個性と能力を発揮して職務に取り組んでほしいとの趣旨」
あ、理解できるけど馬鹿やった。
この文脈で個性とか能力と評することは、女性であることを個性であるとか能力であると言っているということでしょう。ならば男性であることも個性であり能力であるはずなのですが、そういう対照はないように思います。つまり男性をhomme(人)とし、女性をfemme((homme＝人)でないもの)として示す感覚ということになります。もちろん悪意なくこういう発想が出てくること自体は価値観の歴史的な流れから見て理解はできるのですが、その過去の価値観の何が問題にされ、自分の発言の何が問題視されたのかを理解できていればこういう発想にはならないはずなのです。そもそも男だ女だというのは(少なくともビジネスの面で)非本質的なカテゴライズに過ぎず、そういった曖昧な部分でなく、より表面に個別的に表れた個人としての個性を評価するべきというのが、能力主義的男女平等思想でしょう。男性ならでは、女性ならではという発想自体が問題視され、仮にそう思ったとしても別の理屈付けをすることが求められるのです。能力主義的男女平等思想の枠内で女性だからと言っていいのは、それこそ出産能力と母乳の授乳だけでしょう。それ以外はそれこそ育児も含めて性別に関係ないというのがこの思想です。
まあ、「この社会で女性として生きてきた経験に基づいた」とでもいえばましだったかもしれません。それは、女性であるということを基盤にしていますが、日本が性差別的な価値観が支配的な社会であることは確かですし、それを改めることを公式論として求められている以上、女性という立場でその社会を生き抜いて実績を上げてきたことは立派に個人の経験に基づく個性だからです。言われて不愉快な人はいるかもしれませんが、とはいえ日本社会にいるだけで女性が女性として見られる以上、こればかりは男性として見られてきた男性にはピンとこないことであり、女性として見られる状況で生きていくのはこういうことだ、ここを改めろという主張を自身の生に即してできるのは現状は個性と評価するべきでしょう。

ジョセーナラデワ　カビ生えた思考の首相とこの国の政治に抱く絶望
予想がつくのもカビが生えていると見るのも妥当ですし、意図と結果が乖離してしまう様子が想像を絶するのも納得できますが、正直この程度で改めて絶望するものではない気がします。まあ、指導者層がどうというよりは、そもそも指導者層は公選なのですから、トータルに見て有権者がそれでいいと思っているわけです(この点でそもそも組合以外は公選が馴染まない企業経営者と同列に見ることはできません)。そこは絶望していいかもしれませんし、その場合こんな国に住む筋合いはないでしょう。カナダでもオランダでも移住すればいいと思います。この国は多分、そんなことは気にせず政府など時々うるさい他人事であってres pubblicaではないと看做す人と、国家とは優秀な者が運営するべきで、優秀な者の集まる場にはまだ女性が少ないのだから女性が少ないのは仕方がないと思う人たちが住むところなのです。

■2023年09月14日（木）　平安時代がタイパ志向だったかというとそこはわかりませんが

五七五七五七…とつづられる長歌　タイパ時代に見落とせない豊かさ
まあ、タイパ時代かなあ。
いやつまり、長歌というのは8世紀後半から9世紀に廃れて、短歌(和歌)中心になっていくわけです。それ以後、和歌を半分づつ作ってつなげる連歌の流行はあったものの、そこから俳諧が生まれ、以後日本の韻文は短詩一辺倒で、現在まで長歌は復権していません。タイパというよりは詰込みの美という感じではありますが、リズム感覚に訴える美や、敢えて長くする表現というのを、大衆文化としてはともかく公式文化としては失っているというか切り捨てている感じがしています。長詩が出てきたと思ったら定型詩ではなく自由詩だったりしますし。
五七調自体はおそらく歴史時代以前から好まれ続けていますし、この調を基盤にした定型詩の発達の方向としては、一人が長歌を練り上げるという方向は短歌や俳句より発達余裕があるように思えます。もっともうっかりするとミニマルミュージックみたいなのをだらだらと続けるようなことになりかねませんが、リズムに乗りながら方向性をひっくり返すような趣向に走らず上演において時間を追った展開を表現できるという点で、長歌というのは見直されてもいいものだと思います。

■2023年09月14日（木）　地球と地表と人類を一緒にするな

人新世は地球の終わりの始まりか　今こそ共感と認知を　山極寿一さん
誰のセンスですかね、このタイトル。
人類の終わりの始まりかもしれないというならもっともな話で、脊椎動物をあらかた巻き込むかもしれませんが、適応力が行き詰まった人類が気候の変化で絶滅するのはあり得る話です。
一方、地球は、ご近所で超新星爆発が起こるようなことがない限り、向こう五十億年は無事のはずです。人類が地球を粉々にするような兵器か何かを開発したとは聞いていません(そういえば空飛ぶ車と同時期にはできているという話だった気がしますね)。今のところ、地球の表面、水のないところを荒らすのが精一杯です。もちろん地球を沸騰させるには3000℃くらいには温度を上げないといけないわけで、どこかの文系がそんなことを言いましたが、正直科学というものを理解していないとしか思えません。地球と海を一緒にするなど馬鹿げています。
とはいえ、地球との関わり方を再考しないと人類は滅びる羽目になりかねないというのは、ある意味現実の一面を指摘しています。一万年前は、人類は海進や海退に応じて居住する場所を柔軟に調整していました。それが一万年経ってみれば、海水準が上がると済むところがなくなる、食べ物がなくなるなどと言っています。アルプスやヒマラヤの頂上まで立錐の余地がないならともかく、思考の硬直と言うしかないでしょう。この硬直はどうにかしないと、危機感を煽られた挙句のやけくそで滅びかねないようには思います。サンマが獲れないと漁業が成り立たないとか、クジラが獲れないと文化が滅ぶとか、牛乳が売れないと畜産が成り立たないとか、間抜けな話がやたらと聞こえてくるとそう思えます。鰊が回遊経路を変えたことでなすすべもなく滅んだ勢力もあるくらいですので、ここ千年の人類は思考が硬直化していると評しても間違いとは言えないでしょう。グローバル化で人類が相互に、地球表面全体に渡ってグルーされているのも否定するのは難しいでしょう。玉突きでパニックが起きて滅ぶ可能性はあるのです。
ちなみに人新世などと言ったところで所詮ただのラベル貼りですので、貼った人がどう思ったという以上の意味はありません。便利なので便宜的に使っていますれども、ジオクロノロジカルスケールというのは実体的な意味はないのです。世紀末思想を煽っている暇があったら学術論文の一本も書いてはいかがかと思います。

■2023年09月14日（木）　議論するようなことか？

出産費用なぜ高い？「見える化」で根拠明確　保険適用の議論本格化へ
いや、まず妊娠管理、分娩管理、産後および新生児管理の内容を産科学会で決めて保険適用対象にすればいいと思うのですが。それでオプションを分離できるでしょうに。

■2023年09月13日（水）　墓は無くすべき

全国に荒れ放題の無縁墓、管理料滞納も　総務省が初の実態調査
「無縁墓を減らせ」各地で墓じまいの特例制度　東京は利用が過去最多
基本的に墓地、墓標という制度は無くすべきだと思いますが。もちろん何が何でも絶対ダメとは言いませんが、設けるなら年一千万円くらいは墓を設け維持する税金を取るべきですし、遺体は原則清掃局が強制的に引き取っていくべきです。もちろん公共墓地などという土地の無駄遣いか環境破壊はやってはいけないことです。通夜だの葬儀だの供養だのという制度も時代遅れでしょう。もちろん時代遅れだからといってやっていけないというものではないでしょうが、遺体の処理は迅速を旨とするべきで、そういった儀式の場に遺体なり遺骨なりがあることは前提にするべきではありません。

■2023年09月13日（水）　昇給よりも授業一コマ二万円にする方が良いような

日本の教員給与、OECD平均下回る「待遇面への投資で魅力向上を」
これ、そもそも高くはなかったのでしょうけど、円安の影響じゃないんでしょうかね。
正直昇給よりは勤務時間制限の方が必要だと思います。課外活動や行事を含めて休日出勤を全面禁止するだけで相当負担感は減るはずですし、学校に午後四時以降教員に仕事などないのが本来あるべき姿です。図書館司書なら別でしょけど。もっとも中学と高校の国語、数学、英語の教員は基本的に持ち時間が多いので、授業の準備の時間を考えると増員が必要でしょう。高校で一日あたりニクラスが基準かと思います。もっとも実数としての増員が厳しい感じだとすれば、社会、理科、そのほかの科目の教員の国、数、英教員資格の取得が望ましいでしょう。どのみち語学と算数の教育など専門性は低いですし、国語や英語には社会や理科、芸術や家庭科、体育の視点が入ることも望ましく(少なくとも現代国語は国語科教員よりも他の教科の教員の方が適切に教えられる気がします)、理科でも物理の教員なら高校数学は教えられるはずです。また学級担任制も中学以降は基本的に廃止するべきでしょう。
それから、学校は始業の時間が基本的に早いですから、日が沈む前に全員敷地から退去させ、帰宅させるべきです。誘い合わせて飲みに行くのは止めませんが、イベント的な職場飲みはハラスメント扱いとするべきでしょう。つまり忘年会も新年会も歓送迎会も禁止です。
そうやってきっちり授業に集中させたうえで、それでも処遇が悪いという評価になるなら昇給を考えるしかないでしょう。もっとも日本の中学や高校の教員が他の国の中等教育課程の教員と同じ給料を貰っていいようにはあまり思えません。週一で課すレポート(エッセイ)の採点を勤務時間内に済ますというのが基本だと思います。豆テストではだめです。
ちなみに一日二コマ担当とした場合、一コマ二万円だと月給が名目で80万円前後になります。

■2023年09月12日（火）　大型トラックの電動化よりはモーダルシフトを

ヤマト運輸、小型EVトラック900台導入　大型の電動化には壁も
配達用の小型トラックの電動化は目途がついてきた感じでしょうか。もっとも、音がしないと配達に来たのがわかりにくいという気はします。
大型については、トラックの電動化よりは鉄道輸送の活用に進んで欲しいところです。各駅で受け取って貨車に積み込んでいたチッキの昔ならともかく、今なら運送業者が宛先物流基地ごとにコンテナにまとめて持ち込めるわけですから、長距離輸送としては使えるはずです。鉄道設備と直結した基盤整備からになるので大変だとは思いますし、JRFや旅客各社とのダイヤの調整も必要になってきますが、貨物輸送だって高速高頻度運行は望ましいわけですし、実現できれば相乗りする顧客は増えていくはずです。いい加減旅客偏重は止めて、高速道路を使った定期的な輸送についてはモーダルシフトを検討するべき時期だと思います。その上で必要と判断すれば、広域在来線の標準軌転換も進めるべきでしょう。ミニ新幹線で前例はあるわけですし、いまさら変更できない路線と変更するメリットが十分ある路線の判別もできるはずです。貨物なら東京駅や大阪駅、名古屋駅まで入る必要は全くないわけですから、旅客中心の大都市近郊路線への影響は最小限で済むでしょう。

■2023年09月12日（火）　区長ごときが僭越だと思うのですが

「渋谷はハロウィーンの会場ではない」　区長が方針転換「来ないで」
公共空間の管理を誰が担当するか、どこまで許されるかというのは結構難しい問題ではあります。正直治安維持にある程度の責任を負う立場とは言え、区長ごときが勝手に方針を決めていいのかという気はします。少なくとも区議会で審議すべきでしょうし、本来はこれまで会場になってきた地域の人たちで構成された審議会で検討したうえで、区としての利害を議会で判断するようなことのはずで、前触れなく九月になって方針を一方的に通達というのは解せません。
もっとも渋谷のハロウィーンの場合、色々と問題はあって、そもそも地元のイベントでもなければ実施主体もないため、管理が難しいことは事実でしょう。一方で原宿や渋谷はそういう変な人たちが集まって騒ぐのに便乗して発展してきた面があるので、地元が今さら一方的に排除しよう、イベントスペースではないと言い出すのはアンフェアな気もしますが、とはいえ地元や行政当局としては、調整しようにも話し合う相手が確定しないというのは非常に困るわけです。
こういう、誰が言い出すわけでもない自然発生的なイベントは、若者文化や労働者文化としては典型的なものですが、野放図に拡大すると迷惑という点は、それこそ道徳あたりの授業でのディスカッションのネタとしてありな気がします。駅前だと迷惑だろうとは言っても、都市における解放空間というのは本来人が集まってしかるべき場所ではあるわけです。それで儲からないというのはやはり一面的な見方で、地元経済へのメリットよりも集まることの方を重視すべきではあります。いや、個人的には集まる意義というのはさっぱり理解できないのですが、一応既存の政治的な理屈の中では、人が集まるのは自然なことだ、人には集まる権利があるということになっているわけです。その場所における私権の侵害だろうが治安や衛生の確保の都合だろうが、集まるなと言うには相当の裏付けが必要です。行政部門の長だけで決めていいことではなく、せめて地元として一丸となって、排除するという態度を表明するべきだと思います。

■2023年09月12日（火）　対話が有効かどうかはともかく敵基地攻撃能力では抑止にならない

「早撃ち競争の危険性」、敵基地攻撃より対話主導　遠藤誠治氏に聞く
もちろん敵基地攻撃による抑止などというのは馬鹿げているわけで、抑止が効果を発揮するとすれば(1) 敵国が攻撃から軍の統制機能を守る能力と自国を打倒攻略するだけの戦力を持っている場合、(2) 敵国が自国の遠距離攻撃手段を無効化する手段を持っている場合(十分以上の防空対応能力など)、(3) 敵国が攻略しないまでも自国を亡ぼす手段を持っている場合、のいずれかのみです。これは、自分が攻撃を考えた場合どうするかを少し考えてみればわかることです。基地を点として潰す程度の攻撃能力しか持たないのであればまずそれを潰してしまえばいいと思うのが当たり前ですし、移動型発射機などの対応方法もあります。
ですから、まじめに抑止を考えるのであれば、米国の統制も外れての全面的核武装しかありえません。自衛隊30万人が百万人になったところで、北朝鮮はまだしも中国の制圧は不可能です。北朝鮮にしても制圧しきれるようには思えません。つまり、中国全土を満遍なく灰にできるだけの核ミサイルを持つしかないのです。もっとも、そんなものを持てば、核軍拡のエスカレーションの引き金を引くことになりますが、その場合エスカレーションさえ成立すれば偶発事態を除く核抑止は完璧に機能すると思われます。核軍拡に参入したいずれかの国を自暴自棄にすれば、自分たちも含めて人類が滅ぶからです。まあ、その前に経済的に破綻するという話はありますし、迎撃手段がある程度発達した状況にあるため、とにかく数を確保する必要が生じます。小威力のミサイル1000発を完全に処理するのは大威力のミサイル10発を処理するよりずっと困難で、かつ防衛は広い領域ほど難しくなり、早期対応は監視対象地域が広いほど難しくなるからです。HVTを狙ってくるなら別ですが、満遍なく潰そうと降らせてくるとなると、防空手段の網で全土をカバーしなければなりませんし、早期対応手段は敵のミサイル発射サイトの分布に応じて充実させなければなりません。いくら日本列島が狭いと言っても、北海道から沖縄、小笠原まで広がった発射機網を潰し切ることは難しいでしょう。この場合日本も中国の全土、そして潜水艦に分布するミサイル発射基を潰し切ることは不可能になりますが、自国の発射を検知した時点で即敵国も反撃してくると確信できる場合、お互い先手を打つことは理性的には不可能になります。もちろん、ミサイルは対応時間の短い固体燃料タイプを即発射可能な状態で維持することになります。
とはいえ、こんなことをやっている余力などないのは、米ソが核抑止を軸に大量の核ミサイルを展開している間は中印他がまともに核軍拡に参入できなかった、ある程度まとまった核戦力を持てないのでは意味がなかったことからも明白でしょう。今中印他の核戦力がクローズアップされているのは、逆説的に米ロが核軍縮を行ったからです。核実験やミサイルの発射実験をすることは、今やたいていの国が実力の問題としてはできますが、核抑止論が働くほど十分な数を配備することはあまり現実的ではないのです。一発二発使われたところで、迷惑ではありますが想定しておけば対応可能であり、それこそミサイルを撃った後生き残った通常戦力に叩きのめされることすらあり得ます。あくまでも相互確実破壊を実現することが核抑止の前提です。

■2023年09月12日（火）　無理して倒産、運行中止よりはよほどまし

大阪の金剛自動車、路線バス全路線を12月で廃止　運転士不足などで
いささか予告期間が短い気はしますが、突然死するよりはよほど真っ当でしょう。もちろん処遇が悪いのに大型二種まで取って運転手をする理由も労働者にはないわけです。それで住めないなら転居すればいいわけですし。
その上で、「路線がある自治体は12日、地域の公共交通網を維持しようと、他の路線バス事業者に協力を依頼する文書を出した。」というのはなんなのでしょうか。もちろんそれはそれで打てる手ではあるでしょうが、そもそも需要減と要員不足が原因では、他社が入ったところで運賃が高騰するのが関の山、最悪運転手不足を理由にゼロ回答か形だけの公共交通になると思うのですが。公共交通が完全になくなればそれは住むに堪えない人が出てくるでしょうが、それはバスが朝七時と夜七時に一往復づつだけになっても同じでしょう。いくら大阪府で市と言っても通勤通学需要くらいはあるはずですから、公共交通機関のサービス劣化によって自動車利用が中心になっているわけでしょう。つまりごく一部の交通弱者以外はなくなってすぐ困るということではないはずです。通学需要以外はおそらく軽バンを二種で運行しても間に合うのではないでしょうか。もちろんコストパフォーマンスは悪化しますが、大型を空荷で回す方がよほどコストパフォーマンスが悪いでしょう。単に「協力を要請する」だけでなくて、独占事業者が撤退したという事実の重み相当の覚悟を持って欲しいものです。

乗務員不足、減便、老朽化…路線バス廃止決断の社長「見通し立たず」
「6月に補助の申し出があった」
もしかしてこれが減収分の運賃相当額の補助とかだったら、関係自治体の不見識を問わざるを得ませんね。少なくとも関係自治体共同で企業を設立して事業部分の譲渡を受けるくらいは提案するべきだったでしょう。当然当面は設備投資も含めて赤字なわけですから、十年程度の長期的な計画を立てることになったでしょう。どうみても2020年くらいから路線の維持が難しいという話をしていたように見えますし、そこで目を塞いで責任回避を図ってきたとしか見えない以上、関係自治体に同情の余地はありません。

■2023年09月12日（火）　とにかく変えたいことしかわからないですね

国民民主・玉木代表「国会召集のルール、憲法に書き込むべきだ」
あほですか、この人は。憲法改正を発議できるならそもそも国会法に書き込めば済みます。確かに憲法に書き込む方が拘束性は高くなりますが、法律の改正で済むことをわざわざ憲法改正などと言いだすことの方が訳が分かりません。要は憲法を改正した前例を作りたいだけでしょう。そういうところが、「一字一句変えてはいけないという、より高い、よくわからない目標」を持つ人たちから反対される理由です。イデオロギーでないというなら、まず内閣の勝手な解散権の根拠になっている天皇の国事行為をきっちり整理するべきでしょう。天皇の権限が形式的なものであるという点にはどの党も異論ないはずですから、それこそイデオロギーの関わらない、内閣総理大臣に衆議院を解散する権限があるのかどうかという問題になります。あるとするならそう書くべきですし、内閣が不信任された場合に限るというならそれも正当でしょう。どちらの解釈を取るのか、天皇の国事行為についての助言と承認の範囲についての内閣の解釈などというあいまいな根拠ではなく、ちゃんと憲法に書き込んだらよいではないですか。

■2023年09月12日（火）　そもそも今コシヒカリと言って売っているコメがコシヒカリならササニシキだってコシヒカリのはず

還暦のササニシキ　復活の日をめざして　かつての「横綱」はいま
確かに名前はさっぱり聞かなくなってしまいましたが、今の銘柄米でササニシキから品種改良されたものも結構あると思いますし、そもそもコシヒカリなんか今流通してるのはコシヒカリではないでしょう。さんざん品種改良された別物のはずです。
それにしても、品種として成立して六十年になるのですね。

■2023年09月12日（火）　単に女性を増やしたいだけなら公明党の人もカウントすればいい気がする

「適任者が…」内閣改造前に苦悩する首相　女性閣僚増の方針に厚い壁
まあ、人数もそうでしょうが、そもそもろくなのがいない感じですもんね。
公明党は結構女性議員がいた印象がありますが、思い違いだったでしょうか。この場合大臣が女性ならいいのでしょうし、大臣ポストは公明党に大きく譲って副大臣クラスを自民党の若手で押さえるという策もある気がします。

■2023年09月12日（火）　市として政策決定の責任者の皆さんに付け替えを求めたらいいでしょう

土地整備の借金768億円、返済資金不足の恐れ　兵庫県、対応検討へ
そんなもの、政策の失敗でしかないんだから、実施時期の市長と議員全員で債務引き取りでしょう。たった800億円ですから、返済までの金利を含めても多分一人頭10億円くらいで済むはずです。年五千万円の二十年払いくらい、市長や議員をする人ならできて当たり前です。もっとも十年債あたりの返済期間を破綻せずに二十年払いにするのは法的な工夫が必要ですが、誰かが立替払いして、返済の責任者がその誰かに債務を持つ形にすれば可能なはずです。ローンごと敷地を押し付けるのもありかもしれませんが、それでも即時払いとはいかないでしょう。市の資金需要は早い段階での対処が必要でしょうから、当座誰かが引き受けないといけないわけです。問題はその誰かをどうするかで、誰もいない場合総務省か日銀になるんでしょうかね。できるだけ取り立てが上手なことが望ましいわけですが。

■2023年09月11日（月）　詐欺師の妄言

ガバナンスコード大改訂を　株主資本主義からの転換、関経連など提言
「短期で株主に報いる経営ではなく、中長期を見据えた経営を促すことを重視。」
これはなかなか深刻ですねえ。本来株式投資は長期的な見通しのもとでするものでしょう。まあ、二次市場の発達によって違う側面が出てきていますし、安易な株式発行による資金調達でいろいろとおかしなことになってはいますけどね。
でも本来、経営者という立場で株主様を云々してはいけないと思いますよ。なんと言っても事業のお金を出してさらに雇ってくれているご主人様です。労働者としての権利が保障され、その分会社組織から隔離された下っ端従業員と違って、株主様が今年は二百億円配当を出せと言ったら、法律上やってはいけない場合以外は異論なく、はい、かしこまりました、と言わないといけない立場でしょう。短期の株主がだめだのと論評するようでは僭越もいいところです。
まあ、ガバナンスだコンプライアンスだ長期の経営だと経営者主導で言いたいなら、まずは株式上場を廃止することでしょうね。その上で、発行株式数を千株くらいまで統合するべきでしょう。そうやって株主とちゃんと長期の経営方針を話し合う体制を作って、株主に資本金が吹っ飛ぶリスクを納得してもらったうえで金融機関からの借り入れなり社債の発行なりで資金調達をする、そして金利を払い債券を償還することで短期的な関係者との関係を清算していくというのが、まっとうな在りようでしょう。
はっきり言って、証券投資家をだまして資金を巻き上げ、他のステークホルダーも適当にあしらって好き勝手遊ぼうとする経営者の妄言にしか見えません。

■2023年09月11日（月）　なんというかほかの議員の方がクレイジーだったらしい

「スーパークレイジー君」に辞職勧告決議　宮崎市議会、全員が賛成
待ち構えていたように辞職「勧告」決議を出しましたね。こうやって有権者の票を踏みにじるのなら、それこそ宮崎市議会の議員定数は10人くらいまで減らした方がいいのではないでしょうか。
もちろん市議が暴行の容疑というのはあまり印象が良くないわけですが、なんか結構よくありそうな気がするという印象論を除いても、令状で逮捕されたとはいえまだ基礎もされいない、当然判決も一審すら出ていない、しかも本人は否認している状況でしょう。それでもまあ、懲戒処分として除名決議なら決然とした意志を示すことにもなるのでしょうが、「勧告」です。確定していない罪状に対して「悪いこと言わないからここで辞めとけや」って、何を考えているのでしょうか。有罪だと思っているなら優柔不断ですし、そうでないなら誣告でしょう。

「スーパークレイジー君」を起訴　不同意性交等致傷の罪「深く反省」
これは誤解を招くタイトル、有罪を前提にした表現ではないでしょうか。弁護人がどういう形で「事実関係をおおむね認め」たのかは読めませんが、そもそも罪状の認否を保留した状態で「不同意性交等致傷の罪「深く反省」」はないでしょう。「不同意わいせつ罪「深く反省」」というのが妥当なはずです。
もっとも弁護人を通した反省の弁にしたところでいささか曖昧に見え、公判で、あるいは落ち着いたところで否認する可能性がありそうに思います。まかり間違えば報道が冤罪を容認擁護することになるわけですから、書き方には慎重を期した方が良いと思いますがね。
もちろん検察が認定した事実については検察が説明するわけでしょうし、事実について争いがあれば双方が立証を行ったうえで裁判官が判断を下すことになります。正直現状外野が安易な事実認定や有罪の予断をする状況ではないように思います。

■2023年09月10日（日）　包括的な施策など不可能でしょう

外国人労働者の場当たり的受け入れは限界　求められる包括的な政策
「場当たり的に労働者性をごまかしながら受け入れるのでは持たない」
これはその通りだと思います。とはいえ、共通認識というものがあるかどうかは疑問です。日本では特に都市以外で雇用が非常に安易になされる風潮があり、雇用というのをお隣から人手を借りてくるように考えている雇用主は少なくないと思います。それを、労働者性の処遇の安定性のと言ったところで理解は得られない気がします。都市部でも、わざわざ外国から人を「買って」くるような雇用主はそのあたりの理解が浅いことが多いでしょう。ちゃんと制度を理解したうえで買い叩いてきて合法に扱い合法に送り返すような雇用主は1980年代には導入を終えていますし、研修生などという制度は使わないでしょう。逆に外国人の技能こそが必要で雇う雇用主は、それこそ対応も含めていい加減なことはしないはずです。
日本の雇用政策は国内的な面も含めて支離滅裂なので、「外国人も日本人も、きちんと働ける体制を地域で作っていくしかない。」というのはないものねだりだと思います。最低賃金制度や労働力の面で日干しにすることで、潰れるのも含めて雇う側の水準を労働生産性を含めて上げていくしかありません。その意味では、外国人労働者の導入というのは底辺の雇用主にとって麻薬のようなものでしょう。ブラック企業と同じで、日本で働きたいと言っているのだから雇って何が悪いという話になってしまいます。もちろん当の外国人労働者も、それこそ国内で大都市に出て転職しながら定住に向けて環境を整えていくような発想をします。ここのすり合わせが不可能である以上、人手不足の職場を外国人労働者で充当するような発想は禁止した方がいいと思います。正直国内も含めて雇用を労働基準監督署の事前審査を伴う許可制にした方がいいようにすら思うのですが。

■2023年09月10日（日）　わかるけどSNSの井戸端会議を必要以上にネットに結びつけるのはちょっと

リアルの場の力を　宇野常寛さんが考える「遅いインターネット」の次
「僕はSNS以前の初期のインターネットが好きなんですよ。」
この感覚はわかります。一応インスタントメッセージングはその時期からあったのですが、基本的に職場のコミュニケーション止まりで、インターネットのサービスとして大規模に展開してはいませんでした。そういう意味では常時接続と公衆移動体通信でのデータ通信が普及して基盤ができたことで、ある意味ポケベルやケータイの世界がインターネットにはみ出してきた感があります。もっとも人によっては職場でインスタントメッセージングで常時つながっているのは普通のことで、それが望ましいと思っているので、Twitterみたいなひたすらメッセージが流れてくるようなサービスを作るわけですが。最初に大々的に展開したその手のサービスはSkypeだと思うのですが、あれは発想が電話に近いので、もっと緩いサービスとしてTwitterが出てきます。Facebookも交流サービスとして結構早くからあるのですが、ひたすらメッセージの時間密度を上げる方向に、サービス側もユーザー側も動きました。その意味で問題はイーロン・マスク氏だけではなく、SNSを歓迎した人たち全員に起因すると思います。
その意味で、「実空間の力を相対的に強くすることによって、今のプラットフォームの支配に一石を投じることができるんじゃないか」というのは、とにかく流れてしまいがちな状況に重石を付ける一つの方法論だと思います。もっとも、実空間の力に頼るというのはいささか情けなく見えます。ネットが速いと言ったところで所詮二束三文の情報の流れでしかないのですから、それこそクロールしたうえで人工知能でバッサリ概要にまとめて自分はじっくり考える、引きずり回そうとする呼びかけに反応しないというコンピューターを活用する戦略もあり得ると思います。吉本隆明は、別にネットやSNSがなくても、日頃の人付き合いや新聞やテレビから流し込まれてくるスピーディーな大衆社会への反感を表明した人ではないかと思いますが、メッセージベースのSNS(SNS自体は本来同窓会報や年賀状や暑中見舞いのような近況報告の面もあると思うので、その近況報告ばかり頻繁に配信されてしかも反応を強要されるものとそうでないものとを区別することは必要でしょう)に目を奪われず、それが世間の自然なネット化であるという理解の下で、世間に引きずり回されない方法論を立案するという視点であるべきではないかと思います(政治的な立ち位置としてはそもそも遅いことを目指す点で難しい気はしますが)。ちなみに、世間的には考えずに反射するコンビニエンスなコミュニケーションはむしろ好都合なものでしょう。
「だからリベラルはだめなんだ」というのは、正直バイデンさんやペロシさんを見れば明白だと思います。リベラルの理念自体はともかく、政治的立場としてのリベラルは現状破綻しています。ただ、理念から政治的立場の基盤になる枠組みを再構築することは可能ではあるでしょう。それは、自由主義やマルクスの資本主義分析、社会分析のようないったん実践が行き詰まった理念が近年再構築される傾向があるのと同じことと思います。まあ、自由主義とマルクス主義はここ百年くらい思想的に行き詰まっては再構築するのを繰り返している気がしますが。

進むファスト化、「もっと」と求めるのではなく　リロン編集部から
「社会のファスト化が加速度的に進む中で、「ゆっくり」はまだ意味を持つのか？」
個人の立ち位置としては絶対に意味を持ちます。ただ、公共的な価値はないかもしれません。経緯はともかく適切な状況に適切な成果物を投げ込むことが公共的な価値の源泉だからです。世の中がファスト化しようと丁寧に構築した枠組みは最終的にそれを先回りすると信じるからこそスローでいられるのであり、つまりスローな部分は個人の営為に他なりません。敢えて言えば、ファストにでっち上げたものを後追いしているだけのスローには価値はありません。落ち着いた執拗な対象との対峙の成果を公空間に投げ込んで評価されたときに、それまでのスローに公共的な価値が生じます。スローを実践する人に必要なのは、ファストな回転を横に見ながら、あいつ愚鈍だ、口も開けない無能だという評を等閑に付しつつ、執念を持って対象と対峙する地力でしょう。もちろん他人の評価に振り回されるようなスローでは実践しない方がましというものです。ですからスローであること自体に社会的な承認を求める発想はナンセンスですし、誰でもそうあるべきだなどという論は成り立ちません。

■2023年09月09日（土）　運動、特に学校や家庭の中でできるような運動はだいたい悪影響がありそう

運動する子ほど「失敗恐れず挑戦」　識者「運動習慣作り、家庭でも」
こういう、変な理想を子供や子育てに押し付け、ソリューションまで押し付ける識者って感心できません。ましてや「習慣」などという発想、とにかく型に嵌めて考えずにするように調教してしまおうという発想は、とにかく問題があると見るや人種に原因があると短絡するように教え込む発想にもつながりかねません。理非善悪を本人の外で判断して押し付ける発想です。まあ、言う人にすれば、方法が何であれいいものはいいんだということなんでしょうけど。
運動に関して言えば、この種の発想で是認できるとすればとにかく階段を使うくらいでしょうか。五階建てくらいの戸建てを建てて、上層階と下層階で機能を分け、バリアーすることによって昇降の運動をさせてしまうわけです。公共の場でやると大問題ですが、40歳前後の夫婦を頭に子供がいるような家では多くの場合適切でしょう。階段の昇降が当たり前のものになると、他の建築物でも階段というのは目立つことが少なくないので、目に入ると階段に直行することでしょう。商業建築物は例外で、エスカレーターやエレベーターが目立ちますけどね。その代わり階段を使えない人への視線が生暖かくなるか冷たくなるかするかもしれませんが。
そして、「失敗を恐れず挑戦する」は要は「何も考えず突撃自爆する」「挙句に他人を巻き込む」ですね。特に学校でするような運動は他人を巻き込むことが多いので、この種の悪癖を蔓延させかねません。事前にしっかり準備する、影響範囲を局限し安全を確保するように考え計画するといった美徳を養うには、運動なら狙撃、長距離踏破といった種目が望ましいでしょうし、準備、考察、計画となれば今時自ずからスクリーンタイムが増えます。同じ場所、しかも運動に向いた場所をとにかく走るような、つまりジョギングとかウォーキングというのはあまりよろしくないでしょう。惰性的に物事をする性格につながりかねません。まあ、反射的に解を見出して実施するような勘と行動力を養うには球技や格闘技のようなコントロールし難い要素ばかりで擾乱性の高い競技が望ましいのでしょうが、とにかく動かないとどうにもならないという発想を身につけることはむしろ望ましくないでしょう。パニックして動き回るようなことになりかねません。もちろん遊具に取り付いて体を動かすような運動もだめです。無理に「挑戦」(ブランコを思いっきり漕いでみるとか、平均台の上を走るとか)する誘惑を与えかねません。相手をしたくないので子供を一人で遊ばせておくというならともかく、運動場とか遊具というのは教育上悪影響があるでしょう。

■2023年09月09日（土）　司法や裁判の独立を理解できていないのであれば小学校からやり直してこい

「手術要件、違憲なら混乱」　最高裁の判断前に、自民議連が声明
「声明をまとめたのは、「全ての女性の安心・安全と女子スポーツの公平性を守る議員連盟」（共同代表=片山さつき参院議員ら）」
またこのおばちゃんですか。相変わらず馬鹿丸出しですね。混乱しようがすまいが法律論上憲法違反なものはそうなのであり、本来は、不都合だから合憲などという判断はしてはいけないのです。そのために、これまで例えば選挙区議員定数の不均衡を問題にした裁判で違憲有効という前例を作ってきたわけでもあり、現在の法感覚に照らして違憲だが今すぐ法律を無効とはしないという判断で済むことでしょう。
この議連とて、論点をしっかり出して、判断のバランスを取っていこうという趣旨のもののはずで、現状を前提に手術要件を外すことに絶対反対というものではないのではないかと思うのですが、まさか男女七歳にして席を同じうせずとでも言いたいのでしょうか。だとすれば、単に反対だと言えばいいだけであり、混乱するなどと脅迫まがいの声明を出すのは結局馬鹿の証でしょう。性別の法的認定の基準についてはそれぞれに主張があるとは思いますが、特定の事件について裁判所に圧力をかけるような行動はそれ以前に政治家としての資質を疑わせるものです。もしかして尊敬する人物は先日亡くなったシルヴィオ・ベルルスコーニ氏あたりでしょうか。自分に都合が良ければ裁判官の判断の独立はどうでもいいという考えなのでしょうか。それこそこんなこと、中学校を出るまでに習うことであり、それを理解できていないとすれば義務教育を修了したという資格に値しないことになります。何を言うにしても、政治家だと言いたいなら、まずは司法の独立に配慮した物言いや行動をするべきです。その上で、偏向裁判官ですら納得する法律を作るのが、立法府の構成員としての責務でしょう。司法が独立している、三権が分立しているとはそういう役割の分担の自覚から始まるはずです。これなど小学校の高学年で習うことではないでしょうか。いくら大学を出ていようと、義務教育の内容を知識としてすら習得できていないのでは、劣等生扱いされて当然でしょうね。

■2023年09月08日（金）　そう言う動機は何なのかが疑わしい

「国公立大学の無償化を」　大阪・兵庫の両知事、近く政府に要望へ
無償化自体は賛成ですが、正直この人たちが言うと、じゃあ財源はどうするんだと言いたくなります。そもそも「どんな家庭環境だったとしても、国公立大学に無償で頑張ったら行けるんだという道をつくるべきだ」って、何の立身出世志向の発想、国公立大学を設置する意義をすっぱり切り落とした発想ですか。
国立大学の授業料なんて大学全体の収入の中でさほど重いものではないので、無償化できないものだとは思いません。無償化したからと言って国立大学の教育水準が落ちるものでもないでしょう。まあ、授業料がなくなるとお金を払って勉強しているという動機がなくなる、学生がまじめに勉強しなくなるなんて意見は出てきそうな気はしますが、正直こんな意見はどうでもいいのです。授業料を払おうが払うまいが大学というのはなにがしか学ぶために行くところですから。むしろお金がなくても学べるのであれば国立大学に行こうと思う人も出てくるでしょう。そこの回路は私も間違ってはいないと思います。とはいえ、「国公立大学に無償で頑張ったら行けるんだ」という言い方は、何のために、何を、国公立大学で学ぶのかという動機を落としています。ペットの手入れをする職人になるために国立大学で学ぶ必要は、例え無償であってもありません。国立大学に行ったところで大型二種自動車運転免許は取れません。吉村氏の場合、大卒でいい職に就くのが立身出世、それが無償になるならみんな頑張るでしょうと言っているように聞こえます。もちろんこれは私の聞こえ方なので、吉村氏の本意とは全く違っていることがあり得ます。少なくとも、例え選抜制であれ、無償の高等教育には十分な意義があります。個人的には、私が大学生だったころに受けた国立大学の大学教育における高等教育を受けたものが身に着けるべき考え方は国民全員が身につけるべき、あるいは身につける機会を与えられるべきだと思います。もちろんそれを高校以下の教育段階に落としてもいいし、むしろそれが望ましいだろうと思いますが、高等教育という形で普通教育の制約を外れたところで身につけることのメリットもある以上、それが可能というまでの確信はありません。もしかしたら高専なり大学なりでしか教育のしようがないのかもしれません。とはいえ、例え全員でないにせよ、そうした教育を受ける機会へのハードルが低くなるならよいこととは思います。というか、多分吉村氏の論の方向性を敷衍すれば、国立大学生は給費制、つまり返済不要の奨学金を全員に支給する形が望ましいのではないかと思います。また家計を学生が背負うような事態も好ましくありません。授業だけ受けていればいいわけではない以上、アルバイトをしている時間があったら勉強するべきです。アルバイトはインターンシップではありません。金を稼ぐ経験よりも重要なものはいくらでもあります。とはいえそこは本題ではないですね。
結局大学を卒業したということに吉村氏がどんな意味を見出しているのかということになると思います。これは設置者側と進学する側とでそれぞれ考えることができます。設置者側としては、大学で学んだ人がどう役に立つのかという発想になるかと思います。もちろん大学で学んだ知識を利用して儲けさせてもらうのもありですし、大学で学ぶこと、大学で学ぼうとすることで身につく作業の要領や発想が設置者にとって、あるいはそれに限らず社会的に意義があるという考え方もできるでしょう。進学者側としては、正直大学には知的関心からものを学びに来て欲しいとは思うのですが、まあ、国立大学で学ぶといい仕事に就けるという動機は否定しようがありません。それこそ多くの国立大学において、進学しそこで学ぶ過程で身につく要領や発想は管理者や指導者という「いい仕事」向きです。少なからぬ公立大学や多くの私立大学で身につく底辺資格職向けのものとは違います。同じ資格を取る人でも、資格なりのルーチンワークをこなす人とその資格が関わる仕事全体を管理しよう、する立場になろうとする人とは違いますし、旧制高校からの成り上がりでも国立大学というのは管理者、指導者、そしてその分野を発展させる研究者を育成する場でしょうし、そのような教育がなされます。公立大学やいわゆるFランク大学の卒業生が全員そうでないというわけではなく、傾向の問題で、国立大学の方が俯瞰的なものの見方を何かと教え込もうとする傾向があると思いますし、それはエリート志向の公立大学や私立大学でも同じでしょう。もちろん、そういう考え方に馴染みやすい人は、どういうコースを経ようとそういう方向に行くようには思います。とはいえ、おそらく早い時期からそういう考え方に馴染んだ人は、いわゆる偏差値が高い人が多いとは思いますし、それは進路を選ぶときに効いてくるわけです。設置者、進学者ともにそういう期待をすることは、否定できません。正直そんな動機で進学するなら防衛大学校にでも行けばと思ってしまうのですが、客観的に社会的メリットも個人的メリットもあることは事実だと思います。
この場合、じゃあ大学に行く人が知的好奇心ばかりに溢れた無駄飯喰らい - 多くの場合成果は上がるので見過ごされていますが研究者には少なからずこういう傾向の人がいます - ばかりになったら大学の意義がない、無償化以前の問題だということになりはしないでしょうか。大学はマッドサイエンティストや知的犯罪者を養成するところではないということです。多分そんなのは当然だろうと言う人が多いと思いますが、個人的には大学がマッドサイエンティストや知的犯罪者の候補を受け入れないようではそもそも大学は機能を果たせないと思います。悪魔的な成果や思想の一つも生み出せない、そういうものを発想し実現しようとしてしまう人を排除するような大学は、他のものも生み出せず、進取の気性をスポイルしてしまうでしょう。そういうコントロールから外れていくような機構が大学だという認識を、吉村氏にしろ斎藤氏にしろ持っているのでしょうか。なんとなく、やれるものならヒトクローニングや受精卵の遺伝子調整をやりたいなどと口にする教授や学生がいたら、驚いて解雇や除籍にしそうに見えるのです。そういう発想で大学無償化を唱えているように受け取ると、大学の自主財源を奪ってコントロールしようとする謀略じゃないのかと思ってしまうわけです。正直個人的な偏見とか両氏の日頃の行いが理由の勘違いの類だろうとは思うのですが、大学が善良な価値観に満ちた平和と発展を目指す文化の砦などという話がおかしいのと同じで、大学をコントロールされた卵肉兼用鶏だと思うのもどうかと思います。

■2023年09月08日（金）　どうみても駅の階段あたりに仕掛ける機材に見えます

三脚代わりになってローアングル撮影でも便利
ローアングル撮影に真っ当な需要があること自体は認めますが、こうも変な隠し撮りが非難されている状況でローアングルから女性を撮影するトラップ機材みたいなものを紹介するのはある種の勇者なんでしょうか。せめてプレートから警報音が鳴るとでも言うなら別ですが(この場合動物の撮影には向かないわけですね)、「三脚が使えない、三脚の携行が面倒、地面すれすれのローアングルから撮りたい」などとリモートシャッターとオートフォーカスと組み合わせると何が起こるか、想像できないわけがないと思うのですが。

■2023年09月08日（金）　寄生虫がおためごかしに毒を仕込んでいるようにしか読めない

志位委員長は古臭い「革命政党」のシンボル、退場しないと共産党はこのまま消えていく
こういう論になるのは最初から見えていたわけですが、この人は共産党を何だと思っているのでしょうか。民主・護憲・軍縮・共生を掲げる市民的社会政党かなんかでしょうか。もちろんそういう市民的社会政党が(少なくとも他の政党に比べて)馬鹿げているとか無用だとかは思いませんが、共産党、Communist Partyはそういうものではないです。むしろ反共右翼の方がその本質を言い当てているでしょう。つまり今の資本主義(派生)社会を否定して共産主義社会を目指す革命政党です。
もちろん共産党がそうでなくなった例はたくさんあり、そしてその場合共産党という看板自体を降ろします。Communismに根拠を置かない、Communistの団体ではなくなる、だから(たいていにおいて受けが悪くなっている)共産党の看板を下ろします。たいていはコミュニタリアン系左派の政党になりますが、ロシアや旧共産圏諸国のようにある種のウルトラ保守になったケースもあります。この人が言うのは、日本の共産党も共産主義は古臭いから捨てよ、別の政党になれということです。
もちろん共産主義が時代遅れだということ自体は相当の根拠のあることでしょうし、正直現状民主・護憲・軍縮・共生を掲げる市民的社会政党で組織的な基盤がしっかりしているところはないので、そういう政党が成立する余地は十分あるでしょう(逆にそれが1947年の段階で成立し損ねたことが社会党、共産党というマルクス主義に基盤を置いていた政党が - 全然似合わないのに - このロールを担う一因になっています)。しかしそれなら自分たちで作ればいいのであり、革命政党の組織基盤を乗っ取るなどという発想をする、それも「共産党がなくなる」から共産党を民主・護憲・軍縮・共生を掲げる市民的社会政党に衣替えして「救え」と言っているわけです。共産党がCommunist Partyである以上は、護憲なりを掲げたとしてもそれは共産主義革命(もちろんそれは、理念としてソ連や旧共産圏諸国にあったようなノメンクラトゥーラが指導権争いをしつつ支配する国家組織を作るための革命とは異なりますし、武力革命とも限らないわけですが)に至る過渡的政治戦略であり、市民的社会政党のつもりで活動する人たちの方が寄生虫だと思うのですが。あそこは入党に際してマルクス主義を受け入れることを義務付けているはずであり、「民主・護憲・軍縮・共生を掲げる市民的社会政党」ではそこから逸脱してしまいます。党首公選制などという、現状に不満があるにしてもそれはないだろうという発想を含めて、社会党に飽き足らなかった市民運動左派がシンパシーを感じたにしても共産党にどうもいるらしいということの方が、宮本、不破、志位三代の現代日本共産党の運動方針の誤りを意味していると感じるくらいです。
正直こういう方針転換は、共産党に相応しいものでしょうか。市民運動家から見て共産主義革命思想が古臭いのはまあ良いとして、それを受け入れて方針を(共産主義革命の遠望から)転換することが共産党としてふさわしいことでしょうか。市民運動の左派と共闘することで構築してきた政治基盤、政党組織基盤がもったいないということなのかもしれませんが、これでは特高警察あたりの穏健派が主張していた、アカだってちゃんと扱えば正道に戻るという発想そのものです。
この論でいけばどのみち共産党は消えます。組織規模が縮小し自壊するか反体制過激派に変わるか、それとも共産主義を捨てて左派政党に変わるか、どちらにしても共産党ではなくなります。それをさも善意か何かであるかのように説くおかしさを、この人は自覚しているのか、大変不思議です。まあ、どうせ死ぬんだから毒を入れてでも遺体を腐敗防止してしまえというのは逆に社会主義っぽいかもしれませんが。

■2023年09月08日（金）　あまりに脇が甘いと保守政治家の名が泣きますよ

「もう離党した」「改造で影響残らず」風力汚職、向き合わぬ政府自民
まあ、司法に任せるというならそれでいいわけですが、気になるのは飛び火してきたらどうするのかということと、そもそも犯罪の疑惑を招く人物を自党の議員として抱え込んでいたことに問題は感じないのかということですね。もちろんまだ疑惑の段階ですので、確定判決が出るまで棚上げしておくのはだめとは言えません。また野党のいちゃもんにも私人の問い合わせにも答える義務はないでしょう。ただし、さすがに遵法精神に欠ける議員が何人も出るというのでは議会民主主義体制を転覆しようとたくらむ団体と同程度に反社会的団体ということになります。議会制民主主義を信奉していればただでさえ疑われがちな経理をいい加減にしていいとか直接利益を受ける人から頼まれて都合の良い質問をしていいということにはなりません。

■2023年09月08日（金）　多分雑貨屋でチャージできるんでしょうね

キャッシュレスが急速に広がるインド　PayPayも最初の進出先に
決済の利便性が悪いところほどキャッシュレス決済が流行りやすい例がまた一つ加わったようです。もっともPayPayが好まれるかどうかは未知数です。日本と同じなら銀行口座かクレカからチャージでしょうが、どっちもインドでは無理でしょう。Paytmはおそらくプリペイドチャージ式ですが、プリペイ、つまり残高チャージの部分は小店舗などでの現金決済になっているはずです。与信などのハードル無しに契約できること、そして零細小売店がチャージを仲介できることがおそらく展開の柱になっているはずです。当然チャージは切りの良い少額のお札単位と思われます。つまり日本に例えればコンビニで千円単位でのチャージができ、円単位で決済できるというものでしょう。現金だと両替が発生しますし(多分インドだと手数料を取られるんじゃないでしょうか)、重くかさばるわけで、それがないサービスが受け入れられるというのはもっともな話です。
ちなみに欧州諸国のプリペイド携帯も同じで、スタンド形式の雑貨屋などでチャージ用のカードが売られています。多分始めればどこかで流行るんじゃないかと思うのですが、政府の方はそういう活用ではなく少額預金口座の普及に躍起になってる感じです。

■2023年09月08日（金）　世の中に馬鹿はいるもんだ

「ジュリー氏宅のインターホン押したら…」　BBC記者が語る問題点
BBC記者がジャニーズ事務所で見た巨大壁画　「全て変えるべきだ」
問題がどうとかいう以前に、「また、藤島氏の社長辞任は当然として、彼女は100%株主のままです。それは、タレントたちの成功の主な経済的な受益者が、喜多川氏の家族の一員であり続けることを意味します。」とか「(社名を)絶対に変えるべきです。考えてみてください。もしあなたが虐待のサバイバー（被害を受けた生存者）で、タレントたちが「ジャニーズ」として成功する姿をテレビで見たとしたら、どう思いますか。極めて侮辱的です。会社の名前とロゴを変えるというのは、常識的なことであり、出発点でしょう。」というのは大変頓珍漢な考えだと思います。
世界のどこかににそういう常識があるのかもしれませんし、それは結構身近にある気もしますが、そもそも会社は株主の社団です。受益がどうこうではなく、経営者にしろ従業員にしろ取引先にしろ周辺的なステークホルダーでしかありません。また株主としての受益は出資に対するものです。経営者として会社に与えた損害を賠償しろというならともかく、儲けが出たら貰えて当たり前の配当を貰うのが倫理に反するとか、会社に対して株主を変えろという発想は馬鹿げています。確かに株式配当を含む利子所得を倫理的に問題視する思想はありますが、「常識的には」それは金を出しただけで事業を締め上げて配当を搾り取ってはいけないという話であり、かつ単純に無理矢理配当を搾り取るような(まあ、あまりに度が過ぎると蛸配禁止に触れるのですが)株主の下では事業はできないんだから経営を請け負ったり賃労働者として勤務すると酷い目にあうよとか、もっと広い視点で、他人にお金を任せて儲けさせてもらってるような資産家がそもそも事業から利益が上がらなくなって儲からなくなるのは当たり前だよねとか、そういう話です。また「常識的には」株主を事業から排除するのであれば会社自体を解体するものです。つまり清算、解散です。それが、株主を会社の都合で変え(株主が都合で会社から去るのではないのです)、名前とロゴを変えれば会社の何かが改まったと考えるというのですから、奇妙な考え方としか言いようがありません。「所属」タレントは会社に不満があるなら別の事務所に移る(退社する、マネジメント契約を打ち切って他社と契約する)べきですし、マネジメントサイドの従業員はむしろ加害側なのですから、やはりそれではまずいのだと思うのならまず退職し芸能マネジメント業から手を引くべきです。むしろ株主こそが経営者や従業員の問題を正す権力を持っているのですが、株主以外のステークホルダーがその株主が権力を振るわないことを問題にするなら会社から去り、会社との取引を閉じるしかありません。会社でまとまった仕事をしてきたというなら未成年だろうとそれができるはずです。それで事業を継続できなくなり、資産に損失が出るのが株主へのサンクションです。もちろん株主に、経営者の一人としてであれ違法行為があるなら刑事的な処罰の対象にもなります。しかし、経営者や従業員が株主を会社から追い出すというのは、ナンセンスです。まあ、やるのならテークオーバーでしょうが、それでも絶対的なマジョリティーを握った株主が株は売らない、第三者への増資にも賛成しないと言うならそれまでです。イギリスならそれは常識のはずです(いや、サッチャーからブレアの間に取締役が株主を排除できるような制度になってるのか？)。それともBBCというのは、思想信条とは別に、その程度の常識もない人物を記者にしているのでしょうか。もちろんジャニーズ事務所を再建するならという前提を付けることは可能でしょうが、全く常識でないことを言い連ねている時点で論が成り立ちませんし、そういう株主が押さえた会社を外部から再建しようという発想の方が変です。むしろステークホルダーに取引停止を呼びかけるべきでしょう。
また、ジャニーズ名義で活動するのは被害者への侮辱だというのもどうなんでしょうかね。もしかしてこの人は、過去の不幸な関係に鑑みてUnited Kingdoms of Great Britain and Northern IrelandやKingdom of Englandという名称を変え、Britainという名前を無くし、WindsorやLondonも別の名前にするべきだという主張なのでしょうか。まあ、過去の不幸な関係に鑑みて日本という国名、地名を廃止するというのは個人的には構わないと思いますが、正直変えて納得するのかという気はします。確かに原住民などとして粗略に扱われた人からすれば植民地主義や侵略主義を実践した国家が名前だけでも存続しているのは侮辱的だと思いますし(それこそアルゼンチンあたりからすればイギリスなんて国家が存続しそこから金を借りないといけないこと自体薪に寝て肝を嘗めて他日を期す類でしょう)、それは道徳的に非難されてしかるべきことをした団体や個人でもそうだと思いますが(なんで我々を虐待した三菱なんて会社が今でもあるのかという気持ちはよくわかります)、「常識的には」そういうのは僻み根性と言うのであって、気持ちを前向きに切り替えなさいというものでしょう(それができれば苦労しないとかなんでこっちが切り替えなんかしなきゃならないという気持ちもよくわかりますけどね)。
まったく、こういう思想信条の人物が独特の正義感で横行しているのは嘆かわしいことです。しかもそれが職業的ジャーナリストとして、対象は後ろめたいことがないなら取材に応じるべきだなどと放言し、取材と称して迷惑行為に及ぶわけです。せめてもの救いは、BBCがどちらかといえば組合に近い事業体だということでしょうか。こういうのもいればいろいろな意味で全く違うのもいるわけです。

ちなみに9月12日現在で広告出稿側から次々とジャニーズ事務所タレントを使わないという話が出てきているわけですが、これはこれで真っ当ではあるにせよ、正直コンプライアンスに欠ける話だとは思います。「今まで知りませんでした、この前知りました、知ったからには契約しません」、まあ、不真面目で無責任なことです。タレントをイラストか何かだと思ってるんじゃないでしょうか。サプライチェーンについてもCSRとかトランスペアレンシーという概念がありますが、タレントの起用も同じことで、間に挟まっている仲介業者も含めて、diligenceとして経歴や事業内容の精査が求められます。どう見ても今回は、それをさっぱりしてこなかった事例でしょう。ああいうところと付き合いがあるんじゃ、あの会社、裏で何やってるかわからないよねという世評が立つことは避けようがないと思います。実際に損害が発生していれば、そういったタレントやその周辺と組み合わさった企業イメージを構築してきた担当者たちに、会社として損害の賠償を請求することもあり得るでしょうね。

性加害「真摯な反省、疑わしい」　同友会・新浪氏、感度の鈍さ自省も
まあ、ジャニーズ事務所がいじめられているという判官贔屓への対応なんでしょうかね。ジャニーズ事務所の経営陣や幹部従業員が反省したかどうかというのは、べつに同友会がどうこう言うべき事柄ではないと思いますが、やはり契約の解除、打ち切りでジャニーズ事務所所属タレントの活動の場が制約されていくことについては「タレントのみなさんには心苦しいが、断固、毅然（きぜん）とした態度をとらねばならない」と言っておくことは悪いことではありません。もちろんタレントが(もしかすると担当マネージャー込みで)事務所を移るような状況が出てくれば、タレント自身は被害者だ、事務所の排除が優先するが、事務所と関係がなくなったなら普通に起用していいということになるのだと思います。少なくとも事業体の扱いとして、反省したから取引再開というよりはよほど納得ができます。
「これを契機にして、感度（が低かったこと）を反省しなければならない」というのはその通りなのですが、それは会社として、人権に絡むCSRのようなものとしてではなく、株主から事業の負託を受けた経営者、その経営者から実務を委ねられた幹部従業員として、事業にリスクを与える情報を認知できず、今頃会社の暖簾を毀損しかねないような状況になっているということについてでなければなりません。つまり新浪氏自身を含めて、自身の無能について、会社に損害を与えかけているということについてです。これはおそらく前職についても同じでしょう。下級従業員ならまだしも、幹部従業員は会社に損害を与えうる事情について敏感であるべきですし、そこでやらかしたら責任を問われ職から追われ損害賠償を求められるものだと思います。

ジャニーズ起用の民放が恐れるスポンサー撤退　幹部が語る「可能性」
「ビジネスの世界で人権重視の流れが強まる中、企業がジャニーズ事務所に変革を迫っている。」
この発想はさっぱりわかりません。
もちろん広告出稿者がイメージを損ねる恐れのあるスポンサーシップから降りることはごく当たり前の選択ですが、それはジャニーズ事務所に変革を迫るという意味ではありません。もし変革を迫るのであれば、変革の結果状況が改善されたらスポンサーシップを復活するということになるわけですが、まずその変革とは何なのか。変革の結果ジャニーズ事務所が再び肯定できる事業になるとはどういうことなのか。これは結局本質論であり、おそらく改革をしたらジャニーズ事務所の実質というのは残りません。まあ、所属タレントくらいは残るわけですが、タレントの集まりが事務所ではないわけです。そのタレントを効率的に作り出し売り出す仕組みがジャニーズ事務所だったはずです。これはある程度の所から、ジャニーズ事務所というブランドも効果を発揮していますし、そうである以上「あのジャニーズ事務所だから」という評価もあったわけです。もし今回の問題が深刻なものだとするなら、これはつまりジャニーズ事務所のブランドを深刻に傷つけたことになります。ジャニーズのものですがと言えばお引き取り下さいと言われ、当社はこの年にジャニーズ事務所として創設されと言えばああ、あそこの。申し訳ないがお取引はできませんと言われるわけです。性加害とタレント養成のセンスとは一体のものであり、切り離せるものではなく、またジャニーズ事務所については癒着してなおさら切り離しがたくなっています。この意味で、ジャニーズ事務所を変革するならそれはその事業体をジャニーズ事務所でなくすることでなければなりません。事業や事業体というものに実態を見るなら、こんな馬鹿な話はないでしょう。

経団連会長「ジャニーズタレントはモノではない。機会奪うのも問題」
商品としてのタレントはモノであり、そう扱われることを自ら求めていると言ってしまうことは簡単なのですが、それ以前の問題でしょう。
十倉氏は、正直当事者意識が欠けているのではないでしょうか。まあ、意図的にジャニー喜多川という個人の問題に矮小化しようとしているのかもしれませんが、いずれにしても、経団連という団体の代表としても、経営者として企業を指導管理する立場としても、論評する前にすることはいくらでもありますし、その際にこういう発想では話になりません。
この問題がジャニーズ事務所という事業組織の体質に根差した問題だという共通理解は得られていると思うのですが、だとすれば事務所をクレンジングすることはまず不可能でしょう。クレンジングして再生という発想では十分な再発防止を講じられない可能性が極めて高いと思います。また会社側が株主構成の変更を議論し始めたようですが、正直これも株式会社として別の倫理的非違、つまり株主に対する背信行為ではないかという気がします。まあ、最近は会社が株主を選別することを当然視する風潮になってきているようなので、じゃあ会社について責任があるのは誰なんだ、それこそ物を主体に祀り上げて人だけ替えて誤魔化す無責任じゃないのかという問題以外は倫理的な問題にならないのかもしれませんが、それなら資本金は借り方であるだけでなく借り入れにするべきでしょうね。ともあれ株主構成を変えたとして、ジャニーズ事務所の体質が変わるのかというと、結局そういう体質の中でタレントを管理してきた人たちがマネージャーをやっているわけですから、組織自体を解体しない限り再発するというのが常識的な発想だと思います。
そして、十倉氏にはできることがいくつもあります。現在の株主に株の買い取りを働きかけることもできますし、新しい芸能事務所事業を起こしてタレントと真っ当と判断したマネージャーを引き抜いてくることだってできます。間抜けな論評をして取引継続の弁解をしている必要はないのです。少なくとも、問題をタレントの活動を継続する点に置く限りは。タレントに罪はないと言うなら、タレントだけ買ってくればいいわけです。タレントがジャニーズ事務所というブランドに愛着を示すなら、それこそ活動機会が失われることも含めて事務所と運命を共にするのも自己責任です。起用も含めて新しい活動の場を示すことこそ、社会的機能としての経営者(つまりある会社の社長なりであるという意味の経営者ではなく経営という職能を担う者としての経営者 - そんな職能が成り立つものなのかどうかは知りませんが)の役割でしょう。面倒くさそうに本人は死んでるんだからいいじゃんなどと弁解している時点で、職能としての経営者としては失格ではないでしょうかね。

■2023年09月08日（金）　これで言論による説得が民主主義の原則とか言われても

議会の「賛成討論」原稿の市作成が慣習化　そのまま読み上げた議員も
こういう仕事は部局側にしろ議員側にしろ生成型人工知能に投げてしまえという発想はよくわかります。それはさすがにと言うなら、議員本人が作るべきなわけで、市の部局という機材に作らせるのは筋が違うということになるわけですね。
まず討論でカンペがないと演説ができない事例がたくさんあるというのは、おそらくそれだけ議員に根回しのできていない、つまり議会の誰もなんでその議案が出てきて何を目的にしているのかを分かっていない議案を執行部が大量に出しているということでしょう。もちろんこういうのはよくあることで、フランクリン・ルーズベルトも議会で訳が分からず混乱する議員の尻を叩いて改革法案を大量に迅速に可決させているわけですが、その後しばらくルーズベルトと議会の関係が悪化し、最高裁判所からはわりと迅速に違憲判決が確定したりしているように、例え意図してのものであっても執行部の暴走は問題を引き起こします。少なくともルーチンの議案については議会に根回しするところまで含めて、首長やその任命職の仕事でしょう。それをさぼっていきなり議案を出すとか、振り付けを一般職員やキャリア管理職に押し付けるというのはおかしいですし、もちろん各部局には首長を飛び越して議案を議会に出す権限はないわけです。つまり各部局は首長に書類を上げておけばいいのであり、仕事として議員とやり取りをする権限も責任もありません。
次に、そういう事例は議員が官僚組織から出てきたカンペを読むこと、場合によっては官僚組織にカンペの作成を頼むことに抵抗がないことを意味します。英国の法廷弁護士じゃあるまいし、他人の用意した台本を即興で演じるのが議員だとは、いくらイギリス庶民院の議員でも言わないのではないでしょうか。その法廷弁護士だって、事務弁護士が回してきた台本をどう演じるかは自分で決めるものでしょう。まあ、仕事が多くてなかなか真面目に処理できないという話も聞きますけどね。

■2023年09月08日（金）　こういうのを社会への同化と言うわけですが

朝の準備や計画だて、思春期からの自立をスムーズにする「しくみ」
そして幼児虐待事案を起こす、と。「これらの土台がしっかりできないと、その後の「共感性」「社会性」「自我同一性」などは積み重ねることができません。」という主張ですでに正体を暴露しています。こういった「徳」を「修養」によって獲得することを「成長」と決めつける全体主義者につける薬はおそらくないでしょう。近づかないのが一番です。

■2023年09月07日（木）　むしろ原付メーカーが電動に移行すべきでは

原付き免許で「小型バイク」可能に、警察庁が検討　排ガス規制に対応
本気かというか正気かというか、原付免許が無用化するなら廃止でいいでしょうし、それこそ電動キックボードみたいなものは原付免許で対応するわけでしょう。何も小型バイクにしなくとも、電動二輪車、電動軽車両専用免許でいいと思うのですが。
もちろん排気量がいくつであろうと出力や最高速度が原付相当なら構わないとは言えますが、おそらく違法改造、出力向上のための改造を流行させることになると思いますよ。
とはいえ、原付自体は日本国内での軽運送において大きな地位を占めており、つまり原付免許で運送業務を行っている人は多いはずです。小型バイクが適当かどうかはともかく、救済措置は必要でしょう。さすがに電動キックボードにスーパーカブの代替ができるとは思えません。これは小型バイクにしても同じで、どのみち現用機の置き換えが必要になるわけです。2025年11月だとほぼ二年後ということになりますが、それまでに今使われている、あるいは向こう二年間で使われる原付を全て廃車にして新しい小型バイクなり小出力電動バイクなりに置き換えると考えるのか、特例として製造後一定期間までの原付にコストや技術として妥当な範囲の改造を施して使用を認めるような形を取るのか、むしろそこを検討しないといけないのではないでしょうか。いや、だって今、原付売ってるわけですよね。二年後に使えなくなるからって原付が廃番になって適合した車種しか買えなくなってるわけじゃないでしょう。それができているならこんな話は出てこないわけです。仮に原付免許の排気量制限を撤廃したとして、128ccのバイクが、今の原付と同じ値段で買えるのでしょうか。買えないなら、免許の取り直しの手間が省けるだけで、コスト増という意味では原付の電動化と変わらない気がします。

■2023年09月07日（木）　少なくとも人工知能に責任は取れない

AI時代の働き方　オックスフォード大教授「失業増は避けられる」
まさかこの文脈で、求職しなければ失業統計にはカウントされない、だから失業を増えることは避けられるという話ではないと思いますが。
もちろん失業増を避ける方法は色々とあると思います。それこそ規制をかけて人工知能の導入を阻んだっていいわけです。一方で、当分は人工知能にできない、人工知能に完全に任せきれない仕事というのも多いわけで、特に人工知能自体を丁寧に調整しないと現状の品質が得られないような場合に、その調整ができる技術者の需要は激増するでしょうし、それには人工知能についての技術的な知識と合わせて、させる作業についての知識や経験も必要でしょう。天下りのトレーナーが現場仕事の指導に向かないのと同じことです。校正や査閲のような作業は、当分は人間が人工知能を使いながらこなしていくことになると思います。この場合、依頼者が校正や査閲だけだから、成果物の生成は人工知能がするからと作業賃を買い叩いてくることがあり得ますので、そこはだったら校正無し、あるいは人工知能とやらの校正で出してみろと業界単位で突き返して相応の報酬を要求するべきです(連帯ですねえ)。また、人工知能がやったことに責任を取る仕事というのは人間にしかできません。校正や査閲もこれに近いですが、今の人工知能というのは下っ端作業者を代替するものでしかないので、責任を取らないといけない事態というのは必ず出てきます。その時に責任を取って事を収められるのは人間だけです。どういう状況があり得てその時に事を収めるのにどのくらいのコストがかかるかは人工知能が助言してくれるかもしれませんし、実務の部分はほぼ人工知能がこなせるかもしれませんが、多分人工知能を被告に損害賠償の裁判を起こすことはできません。保険にしても、人工知能が保険に入ることはできないはずで、人工知能に作業をさせる人が入るわけです。
そういう意味で、人工知能だけでは担えない仕事、業務というのはまだ当分ありますし、人工知能が作業を担っていくことで析出してくると思います。そういう意味では単純に悲観するわけではないのですが、さすがにルーチンでブラックボックスの保証をするのは嬉しくない気がします。失業が増えないからと言ってバラ色とはあまり思えません。

■2023年09月07日（木）　その強みが弱みに転化するところが知的作業の自動化の特徴だと思うのですが

AIに仕事は奪われない　雇用の専門家が認める日本の労働者の強み
「実際には職人の仕事はなくなったかも知れないが、工場ができて働く人が必要になった。生産性が高まって経済が成長し、新たな雇用も生まれた。技術革新の雇用を作り出す効果が大きいことは、経済学の共通認識になっています。」
これは確かにそういう認識が普通なのですが、職人の仕事がなくなって工場労働者になった結果職人の処遇は低下していますし、工場生産品の品質の劣悪さは1930年代まで常識でした。この点では、技術革新が水準の高い雇用から奪って労働者を水準の低い雇用に追い落としていくことを認めざるを得ませんし、またその結果、ある意味過渡的なものにせよ、生産性が高まる分野において量的な生産性の代わりに品質が下落します。これは今の生成型人工知能を見ても明らかでしょう。もっとも現代社会は低品質品に慣れているので、労働条件が悪化すること以外は問題にならないかもしれませんが。
それと、「様々な作業ができる人の仕事が奪われることはない」という発想もおかしいと思います。多能工という意味では確かに潰しは効きやすいでしょうが、その作業のうちコストをかけて自動化するメリットがあるものからどんどん人工知能やセンサーが取り入れられていくわけです。一度自動化してしまえば限界生産費用は労働よりも安くなるのですから、人間は自動化するに値しない安い仕事に追い込まれていきます。それが嫌なら、それこそ人工知能をプログラムする側に回るしかないでしょう。
また、日本はそこに失敗し続けていますが、本来仕事を機械に任せるというのは、仕事を整理し手順を詳細に決めてその通り機械に作業させることであるわけです。それができる事業者が生産性を高めていき、それができない事業者、とりもなおさず労働者を抱え込んで柔軟な仕事をさせている事業者、日本の労働者が有効な職場は淘汰されていきます。はいはいと色々仕事を受けていると知らないうちに雇い主やお得意さんが倒産して仕事がなくなるかもしれません。そこを先回りして生産性を自分で管理できるようになるしかないでしょう。つまり、労働者ではだめ、自分が経営者にならないとだめということです。もちろんこれ自体は組織論、人的資本論としては当たり前の話なので、経済というか経営学の専門家だと前提にしてしまっているのかもしれませんが、労働を論じるうえでは全く前提でも当たり前でもありません。おそらく現実の労働者の意識としては、自営が当然の業種でもなければ職長、チームリーダーになるところまでではないかと思います。仕事を奪われても自分が至らないと自責する失業者がたくさん出る結果に終わるという意味で、こういう変な議論は罪作りです。

■2023年09月07日（木）　そもそもお乳を赤ちゃんにあげてる母親が勤務って何ですか

安心して搾乳できる部屋、学校にも　授乳期の教員支援　東京・八王子
そもそも授乳が必要な子供のいる親を勤務させるなどどこの人権侵害話ですか。支援の前にちゃんと育児休業させるべきです。これが議員や自治体首長だとでも言うなら話は別ですが、選挙で選ばれている以上代わりがいないというのでもない限り、基本的に授乳期の女性とその夫は勤務につけるべきではありません。どうしても就きたいというなら、出勤中の子供の世話役からそれこそ搾乳とやらの場所の確保も含めて夫婦の責任で整備したうえで、十分に手当てされているので児童虐待に当たらないという児童相談所の許可を貰ってからにするべきです。

■2023年09月07日（木）　タレント側から出してきましたか

「ジャニーズ事務所」新社長に東山紀之氏　前社長は「当面の間」代表取締役で残留
「東山氏は1966年9月30日生まれの56歳。神奈川県川崎市出身で、79年にジャニーズ事務所に入所。82年「少年隊」のメンバーとなり、85年に『仮面舞踏会』でレコードデビューした。これまでは事務所の最年長タレントとして、俳優や司会業などで活動していた。」
他紙でお名前を見たとき、あれ？とは思ったんですよね。ご本人でしたか。
まあ、経営能力が未知数なことを除けば悪くない人事ではないかと思います。所詮株式会社なので袋に収まっているのが誰でもいいわけですが、売られる側から売る側に回るというのは結構ストレスフルだったり変に感覚が変わったりするのではないかと思いますので、俳優の経験を活かして切り替えていけるとよいですね。まあ、舞台俳優、舞台の上での演技とテレビや映画の俳優はだいぶ違うと思うのですが。

■2023年09月07日（木）　少なくとも拠点の仕分けではパレットの混載はもう古い

物流の「2024年問題」　解決の大前提になる「パレット」とは
少なくとも仕分け作業ではパレットなどとしみったれたことを言わず、合計重量3.5トン以上の貨物についてはコンテナ輸送を原則にするべきだと思います。末端物流拠点内で取り扱いが完結する貨物以外は原則コンテナ詰めして集約物流拠点に送り、運転手はコンテナを降ろした段階で荷扱いから解放し、後は拠点側で貨物の整理を行います。仕訳けられた貨物は次の目的地向けのコンテナに積み込まれ、配送するトラックが入ってきたらコンテナごと積んで、そのまま運び出されます。コンテナの積み込みはおそらく固縛の点検も含めて五分もかからないでしょう。
末端の物流拠点と配達先ではコンテナはなかなか使えず、可能であればパレットを活用することになるでしょうが、この場合パレットはレンタルではなくリース加治前ということになると思います。レンタルパレットは配送先でそのまま卸して配送先が返却するもののはずで、そんなことをされても困る配達先がほとんどでしょうし、小型貨物の宅配の場合降ろす時にはそもそもパレットにまとまる数にならないこともあるでしょう。もちろん商業ビルや集合住宅への配達、駐車場にトラックを停めてブロック全体を回るようなまとめていくつも荷物を降ろす場合は、リフターも積んで行ってリフターを転がして配達して回るか、建物の管理者が建物内の仕分け配送サービスを提供している場合は受付窓口にパレットごと、あるいはパレットから降ろしてパレットと固縛材を引き取って帰る形はあり得ます。まあ、集合住宅などへの配達で効果的なのは、管理部門の担当者が荷物を受け取って仕分けることだとは思いますね。荷物を直接配達させずに一度管理人室かレセプションの宅配ボックスで引き取る点については、集合住宅でも入居時の契約として処理できますから。もちろんオフィスビルの場合も郵便物も含めてビル管理者の受付窓口を通して各店子に配達される場合はあります。そういう郵便物は職場で貰ったことがありませんが、配達先限定の郵便物だと本人が窓口まで呼び出されるんでしょうね。

■2023年09月07日（木）　そろそろお時間ですので採決に進みたいと思いますはやるべきでない

都議会「午後9時終了」ルールに　代表質問、午後10時過ぎたことも
もちろん議員はともかく職員の負担から言ってこの時間には業務を止めるというルールはあった方が良いとは思いますが、その場合に問題になるのは、審議を打ち切ることにならないかということです。時間切れで止められた審議が翌日朝から継続して再開となるならあまり反対は出ないと思うのですが、時間切れだからこの審議はこれまでという原則だとすれば、議会戦術に制約は出るでしょう。議会というのは現状話し合いではなく対立の場であり、それこそ審議未了廃案も目標とされるからです。この時間までしか審議ができないのでこの時間で討論を終えて採決などという発想がまかり通るとすれば、議会での審議は単なる反対派のガス抜きになります。今さら誰も議場の討論で説得などされてくれないわけですから、終業時間や議事の運用には相当の注意を要するでしょう。
ひとつは、議会の終業時間が午後九時なら午後七時までに審議を終了できた議案のみ、翌日朝に採決を行うことかもしれません。午後七時に引けば、とにかく朝九時まで徹夜になっても審議経過を検討して採決に臨むことができますし、議会外での交渉の時間も取れます。逆に(議場でとは限りませんが)採決を合意できない議案は翌日以降も審議継続か棚上げ、場合によっては審議未了廃案になります。
とにかくあらゆる議案は積極的に過半数ないし絶対多数の賛同を得られない限り廃案になるべきものだという前提で制度を設計しなければなりません。予算も含めて、行政執行の立場から通過しないと困るなどというのは言語道断でしょう。困るならちゃんと根回しでもして通るようにするのが提案者の責任ですし、色々な意味で特権的な地位にいる首長部局(この場合知事部局)が議会に議案の「処理」を回してくるような発想はあってはなりません。敢えて言えば、政府なんて何もしないで済むのが一番いいのです。

■2023年09月07日（木）　それは帝国主義なんだろうか

ロシアで起きる「神話化」、史実を無視　プロヒー氏が見た帝国主義
これ、ウクライナでもナショナリズムの成立過程で似たような神話化が起きている前提での分析なんですよね。そこを踏まえて写真を引用しているならたいしたものですが。
もちろんウクライナが逆に宗主国としてロシアを飲み込むような帝国主義を目指しているとは思いませんが、日本のいわゆる固有の領土論も含めて、ナショナリズムにはこういう神話を作り出しては繰り込んでいく方向性があって、そこに領土紛争が絡むと頻繁にエスノセントリックな侵略主義に転化します。これ自体はウクライナにもあり、それこそロシア領であるかどうかはともかくとしてクリミア半島の位置付けなどは歴史的背景に基づくウクライナナショナリズムからは導き出しにくいと思います。
正直このエスノセントリックな拡大の様態を帝国主義と呼んでいいのか気になるわけで、帝国主義という言葉が成立した19世紀にはまだエスノセントリックな側面は強くなかったのではないかと思います。ある意味成功したエスノセントリックな帝国主義としては、プロイセンドイツ帝国や対外進出に向いた大日本帝国に始まりスターリン以降のソ連からナチスドイツを経て中華人民共和国に至るように思います。それこそ革命の輸出と指導的民族による統率とは異なるでしょう。大英帝国はイングランド中心ではあってもアングロサクソン民族優越主義とは一定の距離を保ち輸出するのは資本主義、自由主義、諸国をまとめる英王室を基盤とする英国文明ですし、フランスもフランス王国やフランス革命の理念は輸出してもガリア系フランス人の優越を輸出するようになったのはナポレオン三世あたりからでしょう。またレーニンやトロツキーも革命理念の優位を主張し世界革命を唱えはしてもロシア民族優越主義は唱えていないと思います。こうしたものにこびりついている土着性はともかくとして、古代からの帝国の発想というのはこういうもので、民族の優越性の主張というのは人種ではなく文化のレベルに留まります。中華帝国でも土着農耕化し中華思想を奉じれば異民族も中華帝国の一員ですし、ローマ帝国(principatusのことではなくてimperium romanumの方)でも大事なのはローマの文化を受け入れてローマの市民になることであって、出自ではないわけです。帝国主義という場合、そこは意識した方が良いと思います。
その意味では、アメリカ帝国主義やソ連帝国主義は民族主義的なものではあまりなさそうですが、中共帝国主義やロシア帝国主義は民族主義的な色彩が強いものと言えると思います。

■2023年09月07日（木）　こういう子育てのできる社会を作っていこうという発想は危険思想な気もします

「産めば母性本能、は幻想」　長谷川眞理子さんが考える子育ての前提
この通り、子育てに絡む家族の機能はこういう前提に基づいて再検討される必要があると思います。
とはいえ、それで社団としての家族の制度を弄った挙句個人の自立性が損なわれるようなことも懸念されます。特に、女性が子供を産む(むしろ女性に子供を産ませる)ことを優先するとそういった歪みが出る可能性は相当に高いと言わなければなりません。狭い視野で見た機能主義的分析から核家族を子供を育てる制度の絶対的な基盤にする発想は破綻していると思いますが、制度を考える際に子供のために家族や周囲を制度的に動員し、その子供を生産するために個人を動員するような発想は避けるべきだと思います。まだしも出生時点で全員去勢する方がましでしょう。

■2023年09月07日（木）　そのうち株も転売不可になったりして

どうもイベントチケットの転売が相当全面的に「不正」と認定されつつあるようです。鞘取り行為などごく普通に生じるもので、無暗に需要を煽っておいてその分のチケットを出せない興業側に問題があると思うのですが、鞘取り業が悪いというキャンペーンが重ねられています。十分な量のチケットが当日まで流通していれば、鞘取り業者の出る幕なんかないんですけどね。工夫が足りないんじゃないでしょうか。二次市場なんか必要ない、不正だ、今の会場規模の設定は正しいと言うなら、それこそ席数の百倍くらい発行しても当日来るのは会場規模相応の客だけということになると思います。そしてこの場合チケットを買ったけれど来れなくなった人は払ったお金を諦めるか、いまだに正規のチケット販売業者から正価で手に入るチケットと同額で二次市場に流すしかありません。
ところで、同じように転売されて二次市場での価格が日々変動している者に株式や債券などの証券、そして証券化された商品があります。本来ファンダメンタルな価格は決まっているものですが、組織された転売ヤーが日々売買を繰り返して、あまつさえそれによって妥当な価格が決まるなどという言説が一般的になっています。この場合、市場にそれを持ち込んだ人がつけた価格(昔の株式の額面価額や債券の償還価格とクーポン、持ち込まれた商品派生証券の売り出し価格)は参考値でしかないということです。なお商品派生証券とは、それこそ機能としては先物が便利なのでそれを引くと、商品派生証券には一定の期間その商品をいくらで売り渡す(あるいは引き渡す: 要は約束だけして出荷は後回しにしている状態なので、指定時期に集荷に行けば出荷してもらえる)という権利が付けられていて(むしろこの権利を表彰する証券＝契約書を売買すると言うべきでしょうが)、買い手は集荷するべき時期にはこの値段なら十分利益を取って他人に売れる(もしかしたら自分が使うという人もいるかもしれません)という価格での買取を提案し、それが売りと付き合わされて、契約が成立した売り買いによって価格が決まります。この時点で売り手には先物商品の決済指定期日にこの額を貰えるという金額が確定し、その代わり証券に記された出荷時に出荷に応じる(先物の場合商品代金は支払い済みになりますが、オプション取引の場合出荷時に記載の代金を払って買い取る権利のこともあります)義務が生じます。買い手は逆に決済指定日に約束した額を払う義務と出荷時期に商品を引き取る権利が生じます。証券の市場取引というのはこういうものであり、つまり転売ヤー(投機家)を介して妥当な価格が決まっているわけです。
イベントチケットの転売が不正だとすると証券の二次売買も不正であり、つまり株式市場は全面廃止し、新規発行株式のオークションだけにするべきということになると思うのですが。

■2023年09月06日（水）　まあ、民間企業ですから潰れるときは潰れます

給食提供を突如停止の業者、自己破産の申請を準備　社長が明らかに
まあ、よくあることです。それだけに発注側が、発注時にきちんと対応策を講じ、契約上も突然死しにくい(というか経営が悪化した場合余裕を持って対策を講じられる)ように配慮しておくべきなのです。教員が出勤途中に給食代わりの弁当を買いに行くなどという泥縄のやり方になるのは、調達担当部局が無能だからです。

■2023年09月06日（水）　なんでそんな指針を作らないといけないのか

泥酔、土下座の要求……「迷惑客」の宿泊拒否　国が指針たたき台
宿泊拒否以前に、迷惑だと思ったら警察を呼ぶ筋だと思うのですが。
それにしても、そこまで迷惑な客が嫌なら廃業したらいいんじゃないですかね。客をあしらうのも商売の技能の一つでしょう。指針がどうこう言う以前に裁判になったら勝てる類だと思いますし、迷惑客に断固とした対応をして警察を呼ぶのに法規制がいるというのでは、一般客相手の宿泊業なんかやらない方がましだと思います。会員制にでもして入会審査をきっちりして、入会時に迷惑行為はしないと誓約でも取ってはいかがですか。

■2023年09月06日（水）　そりゃ映画で見る限り格好いいもんな

「地下鉄サーフィン」、NYで若者の死亡相次ぐ　動画拡散の影響も
世の中どこにでも馬鹿はいるものですが、この場合被害が出るというよりは鉄道会社と普通の客が迷惑なんですよね。この手の馬鹿は処罰されても懲りないところがありますし、そもそも死んでしまえば罰しようがありません。
鉄道車両の上に乗って移動するというのは非常に伝統のある無賃乗車や隠密逃走の手段ですが、やはりここは、これまでそういうシーンを描いてきた作家や映画、テレビ番組の制作者を全員、危険行為を煽った罪で厳罰に処してはどうでしょうか。具体的には懲役刑として、25年間無償無給で地下鉄の清掃・洗浄なんてどうでしょう。かけた迷惑からすれば、深く反省して電車様を真摯におきれいにさせていただくべきではないかと思います。だからとりあえず日本からも、成田良悟氏と三田誠氏は服役してくるべきですね。

■2023年09月06日（水）　トラック専用道路を合計100mくらい連結して走ったらいいじゃないですか

2倍運べる「ダブル連結トラック」　ドライバー不足の救世主になるか
むしろ16両分の貨物列車を頻繁に走らせることにして積み替えを迅速にできるようにした方がいいと思うんですがね。大型トラックを運用するのなんて物流拠点間の輸送でしょうし、それなら4時から22時まで一時間に二本走らせれば十分な輸送容量になると思うのですが。
どうしてもトラックを使いたいなら、高速自動車道をトラック・トレーラー・バス専用にして自動運転を原則にし、インターチェンジを廃止して減らして物流基地にし、そこで中型に積み替えるなり、あるいは最初から10ftコンテナにして、高速道路上は10ftコンテナ二個なり四個なりを積んで走る方がいい気がします。周りをちょこまか小型車が走らなければ長かろうが重かろうがあまり関係ないでしょう。
ともあれ、運転手一人あたり、トラック一台あたりの輸送能力を増そうとする場合、どうしても小回りが利きにくくなります。大型トラックを前提にした道路だけ走ることにした方がやりやすいと思いますし、行きつくのが鉄道輸送でしょう。

■2023年09月06日（水）　大学はセキュリティーをきつくしにくいでしょうからね

高知工科大で不正アクセス　教職員や学生らの個人情報閲覧の可能性も
香美キャンパスなら工科大だけのはずですが、高知県立大学法人としては高知県立大学もあるので、踏み台にそちらにも侵入されてましたなどということがないといいのですが。

■2023年09月06日（水）　 eならともかくxはなしでしょう

アミーゴはアミーゲ？スペイン語の「男性」「女性」に生じた変化
趣旨は分かりますが、母音を子音に替えたら発音できませんよ。ロマンス諸語に共通する特徴として、名詞語尾が性と数で母音交替するというものがあり、o-i-a-eというのはそれです。
そもそも性や数で曲用させる発想のない言語の話者からするとじゃあ男女混じっているときはどうするんだなどと言いたくなるわけですが(ドイツ語やロマンス諸語の先祖に当たるラテン語あたりにある中性は若干意味合いが違います: まあ、ものとか概念ですね)、おそらくあえてやるならラテン語の中性名詞にならってuないしumなのではないかと思うのですが、ひと感ではなくもの感が出てくるのを除いても、複数形がaだったりするので、いささか問題かもは知れません。気合でuとyなり(唇をしっかりすぼめるウと緩めたウ)を発音し分けるという解も多分ありますが、どこかで単数と複数の区別がつかなくなる可能性は少なくないでしょう。まあ、区別できないからと言って不便はないという話もあるわけですが。
とはいえ、言ってしまえば用語の問題でしかないわけで、確かに男と女がそれぞれ男性名詞と女性名詞になっているとは言うものの、第一変化型、第二変化型と言ってしまえば済む話ではないのでしょうかね。

■2023年09月06日（水）　いくらもらった？

「食べるだけでエコ」　炭を使った農作物　沸騰する地球を救うのか
記事と称して宣伝を入れるのはどうなんですかね。エコな話も含めて、ただの生産者の宣伝じゃないですか。宣伝料をいくらもらったのかが気になります。
保水力は上がるはずなので土質改良剤としては悪くないと思いますが、むしろ燃料としてちゃんと燃やしてその分石油を使わないようにする方がいいと思いますがね。内燃機関ならともかく、発電みたいな外燃式の動力機関の場合燃料がバイオマスでもいいはずですし、そちらの方がよほど技術の積み重ねも分厚いはずです。その上で、ハウスを暖房するような発想をせず、土質改良や施肥、灌漑などやらずに露地で作れるものを粗放栽培する方がエコだと思います。

■2023年09月06日（水）　門限に間に合わなかったからじゃなくて北九州空港の受け入れ態勢が整ってなかったからじゃないですか

マニラ発旅客機、福岡空港「門限」に間に合わず　乗客11時間機内に
「ただ、国際線の場合、乗客を降ろすと検疫や入国手続きが必要になる場合がある。北九州空港では現在、国際線の定期便運航はソウル線1往復のみで、福岡出入国在留管理局によると、4日は午前8～11時に入管職員が常駐。それ以外の時間帯は、要請があれば税関や入管、検疫所が協議することになっているが、今回はセブ・パシフィック航空から乗客を降ろしたいとの連絡はなかったという。」
そういう話ですか。
まあ、そもそも福岡空港を到着地にしなければいい話なので、関空でもセントレアでも使えばいいと思いますし、例えば空港使用料の関係などで福岡空港を使っているのならリスクは織り込み済みのはずで、乗客にも当然そう説明しているはずです。四時間ほどの予定が十一時間になったのでは色々大変だったでしょうが、間に合わない可能性があるならその場合の対策を講じておくのが航空会社というもので、少なくとも飲み物すらないような事態にはなっていないと思います。欧州便や米国便なら十二時間程度は普通にあるので、不便という以上の大問題ではないでしょう。
もちろん福岡空港での国際便取り扱いを廃止して北九州空港を整備すべきだという議論はあっていいと思いますが、正直それは航空会社がどの空港を使うかというレベル、そして使われない空港を設置主体や後援する地方自治体がどう扱うかというレベルですればいいことで、こういう話題には世間話以上の価値はないでしょう。

■2023年09月05日（火）　債務整理のためのテクニカルなやつかな？

バーミンガム市、事実上の財政破綻　英国第2の都市
なんかオラクルとパートナーに貢いだ挙句に破綻したという報道も出ているのですが、そんな役人が見通しを間違えたような話は酷すぎるとして、こちらの理由ならまあ、いきなり出ることもありそうです。
ただ、これはこれで、裁判に負けるようなことをやっていると後で祟るよという話にも見えますね。
英米では政府はよく破産をテクニカルに使うので、特にお金を借りる動機のない政府は破産で嬉しくない債務、普通の方法では止められない手に負えないプロジェクトをバッサリ整理することがあります。その意味では日本の財政再生団体よりは深刻ではないように思います。少なくとも法定基準の支出は確保するわけですし、バッサリやった債務以外の資金需要が現状の税収で賄えているなら債務負担が減る分財政が改善するはずですし、普通はこの手の自主再建はそういう目途がった時点で企むはずです。もっとも、基本的なサービスすら税収で手当てできなくなり、手の打ちようがなくなって破綻ということもあるのですが。

■2023年09月05日（火）　なんでこんな下らない言い合いになるんでしょうかね

フランス、「アバヤ」を公立学校で禁止　マクロン氏の教育への危機感
「在仏イスラム教評議会（CFCM）は「アバヤは宗教的なシンボルではなく、ファッションの一種だ」などと抗議している。」
だったらむしろ着ることに拘る筋合いはないと思いますが。もちろん経緯として宗教的な表現だとして問題になっているというのはわかりますが、仮にファッションだとして、イスラム原理主義への賛同を示す表現だ、フランス共和国への反抗とテロリストへのシンパシーを表すものだなどと言われたらどうするんでしょうか。
文化を差別する意図はないのですが、正直服装を統制するような生活規則を持つ宗教というのは、少なくとも先進国では分が悪いと思います。フランス在住のイスラム教徒の皆さんは、フランスに住むに至った経緯は一度棚に上げて、フランス共和国がカトリック教会と対峙した経緯から宗教に敏感な面を持っていることを考えてみて欲しいと思います。公的な場で自身の信仰を公に表現することは、非常識な行為なのです。
もっとも、目立つとはいえイスラム教徒を標的にしたような政策は、稚拙で拙速だと言わざるを得ないでしょう。マクロン氏は何をするにしろ正面突破に拘り過ぎです。

■2023年09月05日（火）　潜在生産力は需要に対して過剰な気がしますが

日本経済の「需要不足」が解消　3年9カ月ぶり、デフレ脱却に一歩
おそらく経済統計からの計算としては間違ってはいないのだと思いますが、GDPからの推計だと既存の生産設備の状況を反映していない嫌いはあるかもしれません。つまり、需給ギャップの解消は需要の増加ではなく供給の縮小によるものであって、遊休設備の再稼働により容易に供給を増やせてしまうためにすぐデフレに戻ることになりかねない気がします。

■2023年09月05日（火）　正直比較にならないのではないかという気がします

PTA活動どう違うジェンダーギャップ指数上位フィンランドと日本
同調圧力というか、そもそも日本のPTAは学校が保護者を動員する仕組みになっていると思います。歴史的には日本の学校、特に小学校(と新制中学校)は、学制施行における地元負担や労働力の略奪に反対した時期を経て僻地住民が学校を誘致する時期に移行し、戦後になって高度成長期の公立学校を市町村の面積なり人口分布なりと人口密度に応じて建てていく時期になるわけですが、日本のPTAは教育行政が設置や運営の財源や教員の処遇を地元集落に押し付けてきた、その一方で学校が地域のコミュニティーセンターとして機能した経緯を引き継ぎ、アメリカ起源の独善的な普及思想に基づく政策的な振興策の中で設立されていった経緯があって、戦後の地元組織によくある戦中の官製組織や戦前の有力者中心の自治組織が看板をかけ替えたような動員機構として発足し、その性格を高度成長期以降も引き継いでいると思います。この普及思想によって、教育行政・住民行政側が学校とPTAと自治会や子供会をセットで考えるようになっていたことも背景にあるでしょう。役場、学校、公民館、図書館をセットとして整備する箱もの行政発想(もちろんあって困るというものではないのでしょうが、役所主導で勝手にできていると活用という発想には欠けるでしょうし、役所側も都合の良いように整備運営することになります)と同じで、仕組みとして主に行政機構や末端の学校管理者の都合の良いようにお膳立てされ、保護者はそれになんだかわからないままに、そういうもの、あるとメリットのあるものとして関わることになります。それこそ熱心党主体の市民団体よりも、受け入れられやすい代わりに自治活動としては形がい化しやすく、その結果動員組織としての性格が強まるのではないでしょうか。もう一つ、高度成長期以降、教員が学区内に住むことが少なくなってはいないでしょうか。日本の教員は都道府県主体の人事ローテーションと福利厚生の上で生活しており、任地から車で三十分ほどかかる公務員住宅に住んでいる、あるいは首都圏や大阪、名古屋あたりなら隣接県から通勤しているといった状況は珍しくありません。教員としても何も考えずにジョブローテーションに乗っていれば教育委員会事務局が適切と考えたクルススホノールムを歩んでいける、官舎なら住むところにも困らないという意味で楽なわけですが、一方でPTAに関しては教員と保護者の接点は学校だけになり、教員と保護者が互いに個人として親しく問題を話し合い、共同で解決を提案するといった形にはなりにくくなります。話し合いが起こるとするなら、活動的な保護者が教員を捕まえて談判する形になるのではないでしょうか。決して近いとは言えない自宅に帰宅しようとしたところを捕まえられるわけですから、教員としては迷惑な話でしょう。ご近所の保護者が訪ねてくるのとはレベルが違います。そしてその関係も、任地が変わる時点で終わりです。これではPTAにならないように思います。「親たちの組織」というのはその意味で妥当な在りようではありますが、一方でPTAが教員を内部の主体として取り込んでいるメリットは考慮するべきでもあります。
連合組織も県単位までは官製に近い部分もあるわけですし、全国組織となれば時間的金銭的な余裕がある首都圏の有力者が運営するしかないでしょう。利益代表団体と言っても末端とかけ離れた感覚になるのは全く不思議ではありません。さすがにソ連の一般党員とノメンクラトゥーラほどかけ離れてはいないでしょうが、一般組合員と組合貴族、生協の組合員と専従や生協連幹部くらいには分離するものだと思います。

■2023年09月04日（月）　アメリカの商業主義を引き合いに出して国家主義の上に乗った日本の商業主義と単純に比較するのは違う気がします

大学体育会の何が問題なのか－スポーツと権力を考える
少なくとも日本の大学スポーツ、ことにいわゆる体育会系競技団体絡みの話というのは全くこの通り(ついでに言えば高校、中学も同じ)で、正直付け加えるとすれば、学校教育法の大学の規定に学内団体の禁止を盛り込むことくらいでしょう。教職員組合や学生自治会も含めて、現行の学内団体は学外に移して学外の関係者加入団体として交渉しても十分成り立ちます。この場合学内施設の利用は部外者による大学設備利用申請の手続として行うことになりますし、もちろん大学がこの手の団体について過度の便宜を図ることは禁止されるわけです。いわゆるサークル活動、学生団体の類は、その都度手続を行っての施設利用や利益代表としての交渉以外の活動は学外で行うことになりますし、当然に設備や資金の供与は受けられません。もちろん大学も、一時的な外部利用者に対する以上にその種の団体を管理することはできなくなります。大学運営権力(理事会-事務局や理事会を支配する人・団体)の大学運営の独占を招く点や教職員、学生の自主的な大学に関与する活動が制約される点では問題があるのですが、この手の団体が癒着するよりはましと思いますし、日本ではそういった癒着は今のところ原罪の如くであり、制度的に排除するべきです。もちろん、相当の利害関係を持つ大学運営権力の統制に服さない団体との交渉を全面的に、あるいは均衡を失う形で拒否するようなことをすれば、大学運営権力の側が大学の公共性に絡んで責任を問われるでしょう。
ところで、盛田氏はアメリカの大学スポーツの例を挙げていますが、正直日本の学校スポーツおよび競技活動の実態と比較するなら旧共産圏の国家統制された競技団体の方が適切だと思います。アメリカでは連邦レベルの競技管理団体は興行団体に留まりますが、日本では国威発揚を目的とした競技者育成団体になっており、それを管理統制するのがスポーツ庁(設置以前は文部省)という構造です。これは旧共産圏でアマチュア競技者と言いながら育成を意図した国家機関が競技者を組織的に統制する構造と同じであり、近年もそうした統制された競技団体にいかにして将来の競技者を取り込むかが話題になっています(柔道あたりですね)。決して褒めたいとは思わないのですが、プロサッカーあたりの興行団体として競技者の育成を図る発想の方がまだましと思えるくらいで、しかもこれすらも、いわゆる日本代表チームメンバーの選抜という形で国家統制を受けています。水泳、陸上競技、体操あたりの黒歴史も大正くらいから連綿と続いています。今の大学運動競技団体の腐敗はこうした構造と一体になっているのであって、それは旧共産圏のエリート競技者育成・優遇と全く違いがありません。盛田氏は大学の広告のための商業主義と言いますが、それが国家主義の上に乗っている点で、かなり純粋な商業主義とビジネスライクな関係の上で展開されているアメリカの大学スポーツとは異なると思います。もっともアメリカの大学スポーツも、競技者として大学の評価を受けるレベルになるまでの所や、大学が競技チームを経営するところで、いろいろ腐ってはいる感じですけど。ドーピング問題もなかなか改善の兆しを見せませんが、日本の育成団体も、学校も含めてばれないと確信し、資金があればやるだろうことを、個人的には全く疑いません。

■2023年09月04日（月）　何故その仕事を続けるのか

「もうギブアップ」　増える荷物、増えぬ日当　アマゾン配達員の現実
ポチっとすることを問題視するような認識は悪しきコミュニタリアン志向だと思いますが。
労働制度としては、こういう場合にさっさと退出して次の仕事を考えられることが望ましいわけです。他の仕事はないなどと思い込んでドツボに嵌っていくことを促すような発想は問題です。むしろこういう使い方をする運送業者が配達員不足で廃業していくことで、通信販売業者が運送業者を手当てできなくなり、廃業するなり事業のやり方を変えるなりしていくわけです。そこにはロボットによる配達の実施やある程度稠密かつ広範な分布をするチェーン店なり小売業組合組織なりと提携しての店頭受け取りのような形もあるでしょうし、そもそも商店が成り立たないような状況なら住民がどうにかしなければ地域が流通から切り離されるだけです(これはそうなるのが当然で、住民自身が決めることだという意味です: 自分だけ便利な場所に引っ越すことも含めて)。

■2023年09月04日（月）　個人的にはウクライナにはICEの導入を強くお勧めします

ウクライナ復興に「新幹線」が浮上「電気、水道…復旧のその先に」
いやあ、ICEあたりの方がいいんじゃないですかね。日本政府は変なものを売り込んでないで、とりあえずAn-124を10機くらい、前金の即時払いで発注した方がいいんじゃないでしょうか。買って損になることはないでしょうし、それでルーマニアなりポーランドなりを通してウクライナとドイツの交通のつながりが強まればその方が日本が輸出できるものを継続的に買ってもらえる状態につながると思います。インドネシアのようにどのみち島の中で閉じるのであればどこのシステムを使ってもよいでしょうし、アメリカ大陸諸国のようにそもそも高速鉄道の導入がこれからという地位であれば全部乗っ取ることを前提に売り込んでもいいでしょうが、ウクライナの場合は欧州の高速鉄道網とちゃんとつなぎ、何ならパリ・キエフ間直通列車を通すような話が望ましいはずです。ICEとTGVは相互乗り入れができるわけですし、TGVはフレッチャとも相互乗り入れの実績があります。日本の新幹線のようなガラパゴスシステムよりも欧州に限っては都合がいいでしょう。
それよりも、ウクライナにセールスに行っている余力があるなら、DBと手を組んでハンガリー、ルーマニア経由ウクライナのICE導入とドイツの高速鉄道の延伸の道筋を付けた上で、DBにも資金や売り込みを援助してもらいながらワシントンとシアトルやサンフランシスコをつなぐ高速鉄道をアムトラックあたりと合弁で展開するべきでしょう。なんならモントリオールやバンクーバーまで延ばしてもかまいません。さすがにサンディエゴやサンアントニオから南に延ばすのはリスクが高いですが、メキシコ政府が運行に責任を持つ列車でティファナを出たら無停車でシアトルまで走るんだったらありなんでしょうかね。一応時速300kmで走れば6時間か7時間で済むはずですが。個人的にはぜひ日本政府に外交を頑張ってもらって、アンカレジ発プエルトモント行の列車を二時間間隔で運行してもらいたいところです。キトで分岐して大西洋側をリオガレゴスまで直通も夢があります。技術的には可能でしょう。

■2023年09月03日（日）　お得なおまけのあるイベント切符を発行すると都市民が新幹線料金を払って乗りに来るってことは、ないかな？

JR赤字ローカル線「地元が金出せば存続、おかしい」鳥塚亮氏は語る
まあ、JR本州三社が殿様商売に見えるのは仕方がないでしょうね。実際殿様商売ではありますし、そもそもローカル線なんかやりたくない人たちが経営の中心になっているわけですから、ローカル線の経営を専門に手掛けてきた人から見れば甘いのは事実だと思います。とはいえ、ではそう批判する側が新幹線や大都市近郊路線の経営ができるのかという気もします。少なくとも慢性的に乗客不足、ラッシュを捌いた経験などないのと、混雑時間帯と閑散時間帯に極端に差が出る路線を注視しているのとでは、視点は相当違うと思います。
東電の原発ではありませんけれども、少なくともJR本州三社からこれらの会社の言う赤字ローカル線を切り離し、別経営とするべきでしょう。そうすることで、例えばJR本州三社の路線に課税するような策も政策的に可能になります。今の状態ではJR本州三社がまじめに切り分けをしない限り深刻な出費が設備投資の路線とJR本州三社の基準では走らせるだけで赤字が出る路線とが一緒に扱われてしまいます。副作用としては、弄ると色々とメリットのある幹線に国政や経済界の注目が集まり、切り離した「赤字ローカル線」が無視され切り捨てられるという事態があり得ますが、どのみち国鉄時代の新幹線拡充計画以降の時期から延々と続く話であり、もはやここまで来ると「赤字ローカル線」をどうするかは沿線自治体の問題であり、JRは沿線自治体の運用計画に補助を出す財源(いわば外形的担税力の主体)とでも見た方が良いと思います。鉄道事業社内の儲かる路線と儲からない路線の間の移転ではなく、都市と過疎地の間の移転、都市間高速交通とそれを補足する地域交通ネットワークの間の移転として政治課題化してしまうわけです。その結果おそらく都市部から、我々の負担を田舎に回すなという声が出てくると思いますが、少なくとも地方にはそれにちゃんと反駁し、負担を納得させる義務があるでしょう。
なんというか、都市の愚民は上手に乗せると乗ってくるのは、ふるさと納税で証明済みに思えますので、新幹線特急料金に百円乗せる(多分ビジネス客を中心に大きなブーイングが出ます)ような発想をするくらいなら、買い叩いて引き取って上手に使って稼ぐ発想をした方がいいような気がします。

■2023年09月03日（日）　ビジネスモデル破綻してるんじゃないですかね

物価高の影響？　フードバンク、おかず足りず　NPOが寄贈呼びかけ
まあ、余裕がないのに寄贈は考えにくいと思いますが。余剰の再分配というビジネスモデルにはこういう問題点が根本的にあるわけです。そもそも余剰が発生しなければ分配するものがありません。貨幣ベースの交換経済的には、ある程度高い買取価格を設定すれば転売ヤーが買い占めてから売ってくれるはず、それで需要が喚起されてメーカーが増産するはずですが、そういう、意図して余剰を作り出すようなやり方はフードバンクの類のすることではありませんね。どちらかと言えば古代市民社会で政務官になりたい人がやるようなことです。
とはいえ、フードバンク事業者に補助金を投入するくらいならそのお金で公的機関が食料を仕入れて一律配布した方がましでしょう。当然いらない人にも配られるわけですが、そういう人は余った食料をフードバンクに寄付するはずですし、フードバンク事業者は配布品収集の負荷が減ったうえで余剰を集めて配布するという流通回路を発揮できます。

■2023年09月02日（土）　お膳立てをちゃんとするかというのは問題になる気がします

空き家が「起業の場」に　増える活用の選択肢　古民家ブームも後押し
まあ、あくまでも建築基準の上で問題がないこと、都市計画上の用途と矛盾せず周辺住民の同意が取れていることを前提にしますが、こういうリサイクルは良い策だと思います。周辺住民の同意というのは、特に戸建て主体の新興住宅地の団地において、宅地に店や集合住宅を建てて周辺住民と軋轢を生じる事態もあるからです。本来こういう判断(例えば空き家である住宅の商店や工房への転換の容認)はそこに住んでいる人たちの総意としてされるべきでしょう。いくら住宅と大型総合小売店から構成される住宅団地(に住んで最寄りの工業団地や商業団地に通勤する発想)が時代遅れの代物とは言え、そこに住んでいる人たちはそういうものとして入居し、居住してきたわけです。それを一方的に擾乱して反発されれば対応コストの面からも嬉しくないわけで(知らんぷりして買い手や店子に押し付けた不動産屋は気にしないかもしれませんが)、不動産屋や自治体の都市計画部門というのは、この種のトラブルを未然に防ぐことも仕事なわけです。かつては用途ごとの団地を作って分離することがその解決策でしたが、その発想では立ちいかないことが判明しているわけですから、ちゃんと足を使って汗をかくものでしょう。もちろん必要なら人員や経費の手当ては要求するべきですし、不動産屋ならそのコストは価格に反映させることが望ましいですし、自治体ならその活動を担保する計画が議会の決定に基づく制度として存在するべきです。
価格を上げてしまうと起業には使いにくくなりますが、不動産屋ならともかく、都市計画担当部署なら将来の税収をあてにして不動産屋に補助金を出すといったことも可能でしょう。もっとも昨今の役人役所がやると、些末なことを気にしすぎて使いにくい制度になるかもしれませんが。そこは、自分たちには活用するアイデアがない、アイデアがある人に資源を渡して活用を求めるという立場をしっかり認識するべきです。使いたいのなら応分の負担を、失敗は許されないなどという発想では、なかなか物事は進まないでしょう。
また、少なくともこれを、空き家活用策ではなく地方活性化策として用いることは不適切な場合があることは認識しておくべきです。記事の例は所沢市で、カフェの需要はそれなりに見込めるでしょうからこれでいいわけですが、空虚な需要見込みを基に無暗に利用者を募るような施策は好ましくないと思います。あくまでも入居して使う側が採算性を判断するべきですし、それに変なバイアスをかけるような振興策はむしろ後年の空き家増加によって報われることになるでしょう。一方で現地での利用を想定しない業態であればインフラストラクチャー次第なわけで、もちろんそこの判断、ここで自分のやりたい事業をやっていけるかという判断は、入居者が下さないといけません。それこそ変に補助金を渡して事業を誘致するような策は、補助金が切れると倒産するか撤退するような話を頻発させることになるでしょう。定着のような話は事業が成功して初めて論じられることであり、受け入れ側としては短期で撤退するような事態も踏まえておくべきですし、定着をリスクとみなすような事業感も想定しておくべきです。

■2023年09月02日（土）　そりゃまあ、今の携帯電話回線の回線容量で月百ギガバイト以上も使ったら何かしら問題は出るでしょうよ

ahamoおかわり、失敗の巻
まあ、なにをどうしても月百ギガバイト以上は使って欲しくないんでしょうね。月末を契約数を数える単位にするとか、内規があるのでしょうし。
もちろん相応の回線料金(何しろ山田氏の場合五回線分をちゃんと払っていますし、追加の回線の分も払う用意はあったわけです)を払っている限りデータ通信量上限とかがあるのはおかしいというのも、現実として制約のある設備やホールセールのローミング料金を無暗に使い切られないようにしたいというのも、まっとうな発想です。絶対的な基準があるとすれば、せいぜい、お互いフェアにやりましょうという程度でしょう。山田氏の場合約款の裏をかくようなことをやっているわけですが、約款から読み取れる枠組みとしては違反というわけではないでしょう。約款の趣旨くらい読み取ってくださいよという回線事業者の言い分はナンセンスです。とはいえドコモだって世界のいたるところで回線容量が出てくる打ち出の小槌を持っているわけではないですから、約款の抜け穴を利用してでも制約なく使いたいというのは困るし、そんなサービスを提供しているつもりもないわけです。その意味では、約款上できるように読めるからと言って個人的に姑息なことをするユーザーの存在は嬉しくないでしょう。あくまでも定額料金の容量上限制で、かつ一人一契約といった前提でトータルの使用料を見積もって設備の整備や海外現地キャリアとのローミング料金やローミング容量の相談をしているわけです。山田氏のは愚痴としては真っ当な類ではありますが、だからと言ってローミングの月間利用者数で管理して、今月は枠がいっぱいになったのでご利用を承れませんなんて言われたら、納得できるのでしょうか。石川温氏ではありませんが、裏の仕組みもちゃんと考えて使えよという感じではあります。

■2023年09月02日（土）　殺すことの重みを正義で誤魔化すのは良くないですね

外来種は殺していい？アメザリ踏みつぶす子ども　命の尊さどう伝える
まあ、食うんじゃないですかね。アメリカザリガニもウシガエルもそもそも食うためのものなんですし、殺す以上は食う。命が尊いと言っても日常的に食料にしている以上そうは思いにくいわけです。尊いから殺してはいけないという言い方にはそういう限界があります。殺してしまう以上食う、そこで責任を取るというのは、殺してはだめというよりはましな発想でしょう。多分すさまじく泥臭いと思いますが、我慢するなり、そこを食えるように工夫することも含めて、イノセントに殺すのはだめ、イノセントに肉の由来を無視するのもだめ、食うことと殺すことを責任として結び付けるというのは、倫理としてあっていい形ではないかと思います。まあ、どちらかというと権利として殺して食う形なのですが、そう言ってしまうと権利だから行使しなくていいでしょという、どこかの誰かみたいな話になりますのでね。
とはいえ、「命は尊い」という発想は、現代的感覚とは相性が悪いと思います。ザリガニやカエルくらいならまだしもですが、昆虫や微生物など対応のしようがありません。そもそもたとえ生物であれ被害の原因であれば排除するというのが現代的発想であり、そういう考え方で害虫や害獣の駆除や伝染病の根絶などの実績が上がってきて、それを基盤に現代的な生活が成立しているわけです。

■2023年09月02日（土）　対日戦勝記念日

日本時間で九月二日は連合国の対日戦勝記念日、つまり昭和天皇の名代として重光葵と梅津美治郎が降伏文書に署名し、太平洋方面の連合軍総司令官ダグラス・マッカーサーが対日戦の終結を宣言した日です。色々メモリアルな日ではあるわけですが、やはり昭和天皇が日本における最高の権威でなくなったというのがもっとも重要でしょう。その上に、当分は連合軍総司令官が来るわけです。
この後、空気を読めない外務大臣が噛みついたばかりに連合軍が大日本帝国政府を解体し損なうという失態もありましたが、軍人と軍と癒着した財界人を国政の中枢から排除する点については、連合軍総司令部はそれなりに成果を上げたと言えるでしょう。その空気読めない外務大臣も、パージされたうえで東京裁判で被告席に立ち、A級戦犯として有期刑の判決を受けました。天皇と皇族など、イギリス王室のように自制することすら許されず、内閣の助言と承認無くして何を言うことも許されなくなりました。追放解除になった後も軍人は中枢への復帰を阻まれ、国の武装組織は内務官僚、つまり警察に分捕られ、源田実が参議院議員になったくらいでしょうか。もっとも軍人の相当部分が教員と会社経営者になっているため(例えば戦時中大本営陸軍部で出版統制をやった人物が九州で教員になっています)、弊風が拡散したとも言えるのですが、どのみち1945年時点の日本人は九割方ファシストですので、ペルジールシャインを前提にする限りたいした差はなかったでしょう。ちなみに不沈空母とか妄言した人には軍歴がありますが、あの人は東京帝国大学法学部に進んである意味徴兵逃れに予備士官として主計将校になっていますので、むしろ官僚系です。一方で躍進したのがまず件の戦争犯罪人を始めとした外務官僚、そしてその後を受けてやはり戦争犯罪人とされた岸信介を始めとする統制経済官僚です。これは連合軍総司令部側もメンタリティーにおいてたいした差はなく、ソ連が嫌がらせをしたくらいで、赤黒く汚れた手に真っ白の手袋をして前面に出てきたのは、まあ、仕方のないことです。そして、こういう人たちは、負けたと言いたくなかったんでしょうね。ワイマール共和国の中心となった社会民主党系政治家のように、負けたのは軍部と帝国主義者だ、自分たちではない、と、八月十五日を天皇がポツダム宣言受諾の勅語を出したことを由縁に終戦記念日としました。これはむしろ、ともかく戦争が終わってあほな軍人を排除して自分たちが前面に出られて良かった日という発想でしょう。ついでに主権と国体も護持できて、面目はいささかも失われていないと思ったのも無理はないとは言えます。まあ、ソ連の庇護のもと亡命していた共産党の活動家が乗り込んでくる(例えば東ドイツ)のとどっちがましだったかは難しいところですね。イタリア共和国のように保守派すら巻き込んだ王政廃止運動が起こることもなかった以上、たいした差はないと言っていいと思います。
ともあれ軍部主導のファシズム政権の流れが断ち切られた日ということで、アメリカ合衆国のアジア侵略が鼻っ柱を叩き折られた日本時間十二月八日と合わせて祝うべきでしょう。

■2023年09月01日（金）　信頼して預けられる知り合いもいない人が良く議員になれたなあと

議会の質問順抽選、子連れの女性市議の参加不可　質問機会失うことに
そもそもなんで発熱した子供を預ける先もない人が市議会議員などやっているのでしょうか。保育園に預けられないというのはまあ、仕方ありません。とはいえそれなら個人的に預けられる伝手くらい議員になるならあって当然だと思うのですが。
一応好意的にパフォーマンスの一環と解釈することはできますが、そうだとすれば品はないと思います。つまりは子供を連れて活動できないような市議会は市民の負託に応えられない硬直した老害と特権階級ばかりの機関だと言いたいわけですよね。もっともそれで熱を出した子供を慌てて連れて出てくるパニック体質の非常識な母親議員という体を曝したわけですが。

質問できなかった市議、その時何が？娘が発熱、議長「時間なかった」
子育て中の政治参加、いまだに高い壁　豊橋市議会の問題めぐり識者
規則を踏まえて自分で何とかできない人が議員になるのが悪いと思いますが。「日々の活動や住民の声をもとに行政側の政策をチェックして問いただし、新たな問題提起をするのは議員の果たすべき役割だ。その機会が失われたのは大きな損失だった」と言うならまず議員本人が支障を生じないように行動するべきでしょう。議場のある建物に男性用トイレしかないとか女性の体形では支障の出る施設や儀礼や慣習があるとかいうのとは違います。預ける先を家族しか思いつかないのもだめなら「とにかく参加しなくてはと、他の選択肢を思いつかなかった」では全くだめです。
市議会議長の「議運で協議する時間的ゆとりもなかった」というのは逆にもっともで、議会というのはそういう時間をかけた調整を進めるものです。事が規則に関わるなら下手をすると本会議案件です。何はなくともまず手続を踏むというのが民主的な審議のありようでしょう。案件を持ち込んですぐ決めて欲しいというのでは、全額予備費の予算案を提出して、予定通りに可決してもらわないと次年度の執行に差し支えますというのと同じことです。

■2023年09月01日（金）　近代的合理主義官僚組織にブラックボックスとしての個人は似合わない

公共劇場の芸術監督は「ブラックボックス」　佐藤信さんの問題意識
ブラックボックスはいいんですが、それならお金も自分で取ってくるものだと思いますよ。別に独立採算などとは言いません。そもそも今時劇場や上演施設が儲かることの方がおかしいわけですし。そうではなく、数億円、規模によっては数百億円の寄付を引っ張ってこれる人(自分でではなく、それができる腹心がいるのでもいい)が芸術家としての見識を持って政府組織から離れた公共性のある組織機関を運営するべきですし、それにコンプライアンスが厳しく適用される傾向のある国公立は不適切だとは思うわけです。理念としての住民の総意に基づく「公共」施設ならともかく、公的機関を金蔓として役所にぶら下がるような芸術は、広告代理店が事業として成立したことで無用化したはずです。もちろん今時の(いや、昔からそうか)公的施設が住民の総意に基づくものでは全くないことは言うまでもないでしょう。いい加減、文化と称して税金から真剣に遊ぶお金を盗んでいくのは止めて、せめて、需要とか見識とは言いませんから、住民の個別の理解の上で遊ぶ金を門付けしていただきたいものです。確かにそれで経営が不安定化するリスクはありますが、それを安定させるのも主宰者に不可欠な能力です。

■2023年09月01日（金）　東大や京大にこれ以上金を突っ込んでも仕方がないって気もしますね

10兆円ファンド、東大京大なぜ「落選」？　「もうやめよう」の声も
研究機関としての人的能力で東大や京大が東北大の上とはあまり思えないので、別に落選してもおかしくないと思いますが。東大が特に文系理系教養学部でばらばらとか、京大の教職員組織がガバナンスに欠けるというのも、ここ数年の印象からはおかしくないでしょう。また分野によっては北大や九大、名大、阪大、東京工大あたりが卓越していることも十分あります。
とはいえ、大学について殊更に研究能力だけ重視するのもどうかという気はします。もちろん研究能力に優れることは高等教育機関としての大学の大事な要素ですが、単に研究ができていればいいならそもそも大学は要りません。大規模コンピューターシステムや人工知能の勉強がしたいならGoogleにインターンにでも入ればいいというものです。そういう意味ではこの十兆円ファンドとやらがどうも胡散臭いことも否定できません。もちろん十兆円という額にはそれなりに意味があると思います。おおむね国家予算の5～10パーセントに当たりますが、今時総合大学をちゃんと運営しようとすれば、研究開発基盤に一兆円程度の投資は普通に必要でしょう。研究開発がそんなに大飯喰らいで元が取れるのかという視点はあるでしょうが、積み上げた所蔵資料だけが頼りのつましい研究基盤で大きな成果を上げるなどという発想は効率的な研究開発とテクノクラート育成が主目的の現代の大学には似合いません。なにしろ四年間で実務において周辺的な事務を担当できるだけの基礎的体系的な知識を習得させ、その後二年なり五年なりで中核的な研究開発(いわゆる理工系のほか、経済運営のみならず法務技術や宣伝技術、組織運営技術においても)を担当できる能力を身に着けさせるのですから、貧乏くさい環境で地道にやっていては間に合わないというものです。

■2023年09月01日（金）　性犯罪歴のある職員がいるかどうかなど自分で調べればいいでしょうが

性犯罪歴の確認「学習塾も義務化を」　8万筆超の署名を担当相に提出
心配なら塾や学校など行かせず自分で教えればいいと思いますがねえ。皆さん、おおむね高卒以上でしょうに。まさか高校の学習内容すら教えられないんでしょうか。
学校や保育所は多くが自治体設置なので公的規制が不可欠ですが、私立学校や塾、競技団体、趣味的団体などはそれには馴染みません。御大層なNPO法人がいくつかはあるわけですから、そこが取りまとめるでもいいので、利用者が自分で調べて自衛するべき筋合いだと思います。むしろ、調査対象が調査を妨害しない保障の方が必要な気はします。

■2023年09月01日（金）　航空自衛隊の基地にすればいいでしょうに

築地市場跡地の再開発「複数事業者が応募」　小池都知事が明かす
下らない再開発などせず、PAC3も含めパトリオットの集中配備基地にしたらいいと思いますが。その代わりに朝霞や用賀、市ヶ谷あたりを貰えばいいでしょう。防衛省本庁舎も築地移転で。さすがに20haでは原発は無理ですが、東京都は都民の生活と安全を支える設備を六県やその周りに押し付け過ぎだと思います。水と電気は都内での自給を目指すべきですし、緊急時の防衛と治安維持も陸海空取り揃えての近衛部隊を置くべきです。もっとも、野戦訓練は無理でしょうけど。その代わり戦車や自走砲は不要で装甲戦闘車で十分ですね。もちろん都市である以上普通科(歩兵)は戦力の要です。野戦のようにひたすら火力で押すというわけにはいきません。

■2023年09月01日（金）　九州に置くならぜひ福岡県沿岸部にして欲しい

長射程ミサイル、大分に配備検討へ　防衛省が来年度に部隊新編
これ、春日駐屯地とか、あるいは小倉の製鉄所の遊休地でも買い取って配備するというわけには行かないのでしょうか。原発もそうですが、何でもかんでも人口過疎地に置こうという発想は問題だと思います。むしろNIMBYこそ人口密集地の近隣に置くべきでしょう。この場合朝鮮半島から中国大陸までをカバーする話だと思うので九州から琉球列島にかけて配備するのはおかしくないですし、対馬ではさすがに朝鮮半島に近すぎるわけですが、大分県由布に配備しようと福岡県春日や小倉に配備しようと実用上たいして変わらず、むしろ小倉など交通の便がいいはずです。もちろん、配備する駐屯地は明らかなわけですから、状況次第で先制攻撃を受けかねない点はどこであっても変わらず、由布ならミサイルが落ちていいなんてことは全くない、むしろ小倉に落ちる方が避難が楽という話すらあり得ると思います(製鉄所は全壊するわけですが)。
ちなみに、おそらく射程距離の関係で、過疎地でも鹿児島県北部や宮崎県に置くのはなしなんでしょうね。
それともうひとつ、管轄は陸上自衛隊なんですね。確かに陸から撃って陸に落ちる兵器なわけですが、あそこまで射程が長いと空自の管轄じゃないかという気もしてきます。もっとも陸上発射型対艦巡航ミサイルも陸上自衛隊の管轄だったはずなので、今さら変えられないのでしょうね。

■2023年09月01日（金）　実際技術的にはもはや電話番号は不要

X（旧Twitter）、音声通話に対応へ　マスク氏が「電話番号は必要ない」と予告
そりゃXユーザー間で専用端末ソフトを使って通話する分には電話番号は必要ないでしょうね。そこは、LINE通話あたりでもSkypeなんかでも同じだったわけです。そういう今さら感のあるアナウンスなのですが、もし仮にこれが電話番号なしに「普通の」電話にかけられる(普通の電話からかけられるともっと良いですが、スマホ以外では無理でしょう)と大きなユーザーベースを持ったサービスとしては革新的になるのですが、正直マスク氏は技術的には真っ当、経営的にはクローズドサービス志向に見えるので、どちらを目指してこう言っているのかはわかりません。ちなみにXユーザーから、電話番号なしに知っている(でもXの、あるいは他のネット音声通話サービスは使っていない)人に電話をかけること自体は、Xの通話機能から普通の電話網に電話をかけることさえできれば十分可能です。ひとつはかけたいユーザー個人が相手をアドレス帳に登録している場合。これは携帯電話やスマホのアドレス帳機能や着信履歴機能からの通話開始と同じです。もうひとつはXが電話番号込みのユーザーの公開住所録を用意する場合。これも技術的には同じですが、住所録がX社提供であることが違います。つまり、X社がネット上の公開サイトから連絡先電話番号をトロールするなどして電話番号込みの住所録を構築、サービスとしてユーザーに提供するわけです。公に配布されているパンフレットや名刺から電話番号を拾って住所録や名簿を構築すること自体は普通にあることですね。登録される人の許可がいるかどうかは地域固有の法制度次第でしょう。
とはいえ、正直電話番号という制度はもはや限界だと思います。電話網自体はすでに電話番号なしでもやっていける構造になっているわけで、ただの端末識別番号として残っているにすぎません。この端末識別番号が、例えば日本ならマイナンバーカードになったところで、何の問題もないのです。そういう問題をピックアップしてハックする(させる)意欲があり、かつ実用化できるだけの基盤を持っているところが、マスク氏の強みでしょう。

■2023年09月01日（金）　正直一車線仕切って専用軌道化した方が手っ取り早い気がしますが

バス運転手、足りません　自動運転で代替へ企業切実「1路線でも」
これ、どうにか専用軌道のBRTにできませんかね。その方が自動運転は楽でしょう。宅配貨物はどうやっても無理ですが、旅客路線はどうにかなるような気がします。自家用車と軽トラが一通になるだけですから。

■2023年09月01日（金）　こういう災害対応は交戦国でもお互いさまはありかなと

ロシア極東で連日の洪水　降水量3倍、数千人孤立し太平洋艦隊が出動
そりゃ、ユーラシア大陸北部の極東は本来降らなかったでしょうね。最寄りとして、ロシア連邦大使館に、もし救援が必要なら気兼ねなく声をかけて欲しいくらい言った方がいいかもしれません。それなりに輸送力自慢の船が何隻かあるわけですし。DLHを出すのはどうかと思いますけどね。でも医療設備はDLHが一番整ってるらしいです。
もっとも、温暖化だからと言って雨が降らないと思い込んでいた間抜けを免責する理由にはなりません。想定外は仕方ないかもしれませんが、それはここまでにして、モスクワは本腰を入れて対応するべきでしょう。なんなら中華人民共和国に助けてもらうのもいいかもしれませんね。多分喜んで人民軍数個師団を派遣してくれるのではないでしょうか。

■2023年09月01日（金）　拷問ではないかもしれないけれど容疑者や被告人の扱いとしてはちょっと違う気もする

世間話を理由に8時間正座など強いる罰　高裁は「拷問でない」と判断
これはいったい何が争点なのでしょうか。(1) 拘置所(そういえば刑務所ではないですね)内で世間話をすることは閉居罰に相当するか、(2) 閉居罰(単純に考えれば独房入り)は拘置所で実施されてしかるべき処分か、(3) 閉居罰において日中八時間一定の姿勢を取らせる(まあ、普通に考えれば姿勢を崩すと注意かさらなる処罰があるんでしょうね)ことは妥当か、つまり拷問と言えないのかどうか、あたりが問題なのだと思いますが、記事に書いてあるのは(3)について拷問とは言えないという判断です。
受刑者については、(3)が拷問とは言えない、また(1)と(2)についても妥当であるという判断はありな気がします。しかし、どうも原告は拘置中にこの処分を受けたようです。刑事手続関係者には常識だと思うのですが、拘置中の被告人は無罪と推定されるはずです。つまり、無罪推定の対象者に対して、拘置所は世間話をしたという理由でおそらく受刑者と同じ処罰を課した、と、そういうことになるように思います。もしこれが正しい理解だとすれば、正直拘置所内の秩序維持の観点から見てすら無用に過酷な処分と見えます。まあ、拘置所の房の隣同士がぺちゃくちゃお喋りをしているのが問題ないのかと言うと、微妙なところがあるかもしれませんが、拘置所の収容者がお喋り禁止という方がむしろ無暗に厳しい話でしょう。拘置されているからと言って秩序維持と称して暴行を加えていいのかという感じです。まあ、お喋りはともかくとして、例えば房内で大声で歌って構わないという方がまっとうな扱いだろうと思います。容疑者、被告人とはいえ捜査当局なり検察なりの勝手な都合で拘置所に入って拘束に甘んじてもらっている状況なわけで、逃げないで捜査や公判に応じさせる、証拠隠滅につながる行動を制約する以外は、人道的な処遇をもって扱われるべきな気がします。

■2023年09月01日（金）　そもそも担当者の机が乱雑になるような状況を作る管理職と総務が悪い

机の上の書類に埋もれて検診助成金が未交付に…女性職員を減給処分
「女性は反省し、机の上を整理しているそうで、町総務課の担当者「多少面影は残っているが、だいぶきれいになった」と話した。」
これ、違うでしょう。片付けるかどうかではなく、机の上に書類が氾濫するほど仕事を積み上げるのが悪いのです。つまり、片付けない本人ではなく上司や事務処理の管理をする部署の問題です。
係長などの管理職級なら別ですが、机の上には今処理するべき書類以外の書類はあるべきではありませんし、未処理、処理待ちの書類は担当者の机の上ではなく共用の処理待ち書類の置き場に、案件ごとにまとめられて置いてあるべきです。それが担当者の机の上に積まれるような状況を作った(数人いる担当者のそれぞれにまとめて書類を渡して処理させた)時点で、課長級の無能ということになります。46歳でペーペーかどうかはわかりませんし、ペーペーでないなら書類くらい整理しておいてしかるべきですが、最近は昇任しないでずっとペーペーのままでいるとか、年齢に関わらず非正規の事務職員といったこともあるので、やはり「きれいになった」などと言っている総務課担当者の方が責任を追及されてしかるべきでしょう。何もアナログでする必要はありませんが、ストックから一件持ってきて処理して、処理を終えたら処理済みの置き場所に置くなり、決済権者の机の書類箱に入れるなりして、それから新しい案件の書類を持ってくるというのが正しい在り方です。総務課がただの整頓状況管理者でない限りは、事務処理規定を立案策定する権限があると思いますので、このような適切な処理手順になっていないということは総務課が仕事を怠っていることになりますし、その結果として処理が滞ったわけです。単に管轄案件を滞らせたどころの話ではなく、事務局全体に関わる業務を怠ったわけですから、懲戒相当の事案でしょう。総務課長ないしは総務部長以下全員訓戒処分、人事考課記録に記載あたりではないかと思います。

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