■2023年02月21日(火)
この話は三話目くらいがいいような気がします
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ひとりみです(1) AKIKO 電書としてはなかなかきれいな本ですが、同人本です。ボリュームとして納得のいかない人というのはいるようです。 テーマは大変有意義だと思います。 リアリティーとしてはちゃんと設定ができていると思うのですが、これだと少々主人公に厳しいようにも思います。おそらく主人公が感じている諦めは男性にも異性愛者にも、あるいは女性一般に共通するものでしょう。独り身であるという設定はともかく、同性愛者であるという設定を活かしきれていません。また人生の先が見えてくる同性愛者という立場を描く最初のエピソードがこれだと、同性愛者だからその立場に置かれたというイメージができてしまいそうに思います。独り身で高齢になりつつある同性愛者という設定でも明るい中での終わりの予感のような形にすることはできるはずですし、それだけに最初の話がこのようなものとなったことは作者のこの設定に対するイメージの表れと疑いたくなります(まあ、タイトルからすればお独り様に対するイメージなのだと思いますが)。できればただの一般的なイメージへの迎合であってほしい、それをひっくり返すエピソードを展開して欲しいと願います。もっとも、ある意味良くもないけど悪くもないありがちな制約の中で諦めつつも前向きになろうとする様子は共感できるのですけどね。 | | |