日記
■2022年12月31日（土）　 民間に依存する方が悪い
高齢者が入居できる物件「全くない」26%　民間調査、背景に孤独死
「高齢者に貸す家はない」　不動産屋で門前払いされた男性のもやもや
高齢者はそれなりの施設に入って卑属が介護する前提である以上、通常の賃貸物件に高齢者が入居できないのは当然と思います。
もちろんそれでは問題が出ているわけで、そもそもそれなりの施設自体間に合わず、自宅にいて欲しい、死にそうになったら入院して欲しいと言われるわけですから、対応は必要でしょう。入居者が不意に死亡する事態に賃貸不動産経営者が対応できないというなら、公営住宅が優先して対応する必要があります。別に設備面などで変に高齢者を想定する必要はなく、普通に2LDKや1DKでいいわけですから。それ以上の、見守りだの給食だのというのは別の部署の管轄です。

■2022年12月31日（土）　 これは「日本人女性、不注意な行動で誘拐の嫌疑を受ける」というのが正しい
幼い息子と日本に帰りたい　「父親の許可は？」と空港でたびたび拘束
正直この方が当たり前であり、女親だけが子供を連れて任意に行動できるなどという発想の方が非常識です。もちろん - 男親だけも含めて - それが当たり前という風のある日本の悪習は改めるべき非常識です。母親と子供で買い物に来ていたら店から警察に誘拐の通報が行くことが当たり前ですし、父親と子供で散歩していたら警官の職務質問を受けるのが当たり前です。夫婦になり、あるいは子供を産むということは、自由を積極的に放棄することに他なりません。父親とともに子育てをする、そのための拘束を父親も母親も受け入れるという前提のもとに為す行為であり、だからこそ父親が養育の義務を果たしていない場合に果たすよう要求もできるわけです。産み、産ませた子供の保護を放棄するというのは責任ある大人の行動としては野蛮人の所業であり、そのような疑いを招かないようにすることが、行動の自由を行使する大人の義務です。もちろん、夫婦(事実上のものであっても)の合意のもと片親が子供を伴って移動する必要があると判断した場合は、必ずそれを証明する文書を作っておくべきでしょう。それが共同親権というものの前提です。
それともう一つ、正直「親になる」ということは、自由な労働主体である状況に制約が発生する事態として、雇用主に通告する義務があり、かつ解雇事由にもなりうるものだと思います。

■2022年12月31日（土）　 どうぞどうぞ、来年からでも出ていってください
トヨタは日本を諦めつつある　豊田章男社長のメッセージ
年の瀬も押し迫って朗報が飛び込んできました。ここ数年で亡くなった日本社会のがん細胞数人と並んで日本経済を歪めるろくでなし企業の最たるもののトヨタ自動車がタイに移転するというのです。素晴らしいことなので、ぜひ来年にでも完了させていただきたいものです。なんなら関連企業も根こそぎタイに持っていってくれてかまいません。全世界36万人と言いますが、関係者も含めれば百万人程度にはなるでしょう。もちろんトヨタは比較的良好な条件ではあれ外国人労働者や技術研修生を大量に使うことでも知られています。それが全部タイに行ってくれるなら、日本から面倒事がそれだけ減ります。トヨタの持つ過剰な生産力は日本には不要なのですから、それが消滅することはトヨタというブランドを失うことを補って余りあるでしょう。正直そのためだけであっても、石油の輸入禁止と代替動力源・原料の開発を国策として行う価値があります。またトヨタが日本から資産を引き上げれば、金融市場もそれだけ緩みつつ引き締まります。つまり貨幣供給において緩み、一方で取引において引き締まります。いいことづくめで、悪いことは一つもありません。もちろん従業員も一緒にタイに持っていってくれる前提で、ですが。
トヨタのいない日本は、今と比べればずいぶんと合理的になるでしょう。鉄道を衰退させた高速道路網との競合は縮減し、中京経済圏という存在意義不明な半端な地域も消滅します。新幹線の優等列車は変なところに止まらず京都に直行できます。リニアより効くのではないでしょうか。東京と大阪をつなぐためだけにJR東海などという会社を置いておく必要もなくなります。その代わり東海地方は東京と大阪の観光ベッドタウンになるわけですが、平成の大合併に続く令和の主要都市整理の先駆けとして望ましいことでしょう。日本が造船からの脱皮の最終段階にあるように、自動車からも脱皮するのです。

■2022年12月31日（土）　 公立発電所という動きが出てもいいのではないか
電気調達に悩む自治体、入札ゼロで中止相次ぐ　新電力の経営難が背景
もちろんこういう事案が出てきている以上、電力の自力調達という話も出てくるものと思います。地方自治体の役割から言えばけしておかしな事業とは言えません。
1980年代に公的資産の売却が容易化されたのと逆に、広範に利用されるインフラを地方自治体が収用する制度も整備し、地域ごとに適切な制度をナショナルミニマムを満たす形で構築する制度的な基盤が求められる気がします。継続的に電力大手にたかるよりは、配電網を徴用してしまった方がましではないかと思うのですが。

■2022年12月31日（土）　 もったいないというなら観光を軸にしたローカル線経営の再建を
乗り鉄・英国人「もったいない」　訪日観光客の鉄道の使い方変えたい
もちろん好むのは全く構わないので、ぜひローカル線を買い集めて経営する、イギリスで言えばナショナルトラストのような機構を立ち上げるなどしていただきたいものです。現状ローカル線の地元や経営母体のほとんどは仕方ないから観光事業をやっているのであり、それがゆえに経営方針がおかしなものになっている面が相当見られるように感じます。地元の利用と観光資源としての活用が背馳するものではないにせよ、運賃ひとつ決めるにも基準は違ってきます。そこを観光側からすり合わせる動きはあってよいと思います。

■2022年12月31日（土）　 まあ、がん検診は受けようってところでしょうか
天体写真家の藤井旭さん死去、81歳　著書「星になったチロ」
お悔やみを申し上げます。
20世紀は大型機材と大型計算機を駆使する職業研究者と観測や写真展示を中心にしたアマチュアが、いわば天文学と天文趣味が別れていった時期ですが、その時期のアマチュアの代表の一人と言える方だと思います。いやもう、まだ天文というのは学校理科では地学の一分野だと思うのですが、正直物理に移した方がいいんじゃないかと思うくらい、職業研究者と天文アマチュアではやっていることが別です。それこそ望遠鏡を一度も覗いたことのない職業研究者なんてものがいても全く不思議とは思えないくらいには。
この時期は天体写真が風景写真の一ジャンルとなっていった時期でもあり、鑑賞の対象としての天体写真の普及に力のあった方でもあると思います。
幸いなことに多くの後進が育っていますし、また後進の育成にも力を尽くされた方だったと思います。

■2022年12月30日（金）　 医療の側からではなく利用者の側から見て欲しい
「かかりつけ医を」10万60歳のデーモン閣下が語る長生きの秘訣
デーモン閣下の精励には頭が下がるばかりですが、厚生労働省にはこう言います。かかりつけ医制度を浸透させたいなら医療の拠点集約を止めましょう。行動範囲の徒歩圏内に医者がいないような状況でかかりつけ医もへったくれもありません。
その上で、最低限かかりつけ医を担う医療だけでも国営にするべきです。もちろんそれ以外の医療を独立採算制で自由化(保険医療を廃止)することにもつながりますが、とにかく窓口医療レベルでの無医村を無くすことです。そのためには医師の収入と必要な設備や役務の存在を保証する必要があり(例えばいくら優秀な医師でも医薬品の供給がないところではできることは限られます)、これは国営化するのが一番効率的なのです。一方で窓口医療で済まない高度医療は、まずかかりつけ医の判断を経るわけですから、現在のように保険対象の医療行為かどうかを保険者が検討する必要はなくなります。かかりつけ医が必要だというのですから必要なのであり、全て医療保険の対象でなければなりません。もちろん一時的とはいえ窓口負担が厳しい状況はあり、保険者への請求を許すという意味での「保険証の提示」は残るわけですが、保険医として登録し請求が保険者によって審査されるといった部分の仕組みは大幅に簡便化されます。せいぜいが、他人の名義で受診していないかとか無効な保険証で受診していないかといったレベルの審査にとどまりますし、もちろんかかりつけ医の紹介で受診した医療機関の請求には保険者は応じる義務があるでしょう。そして過剰診療の抑制はかかりつけ医レベルで行うことになります。
もっとも、かかりつけ医というのは行動範囲の狭い定住者に適した制度であり、旅ばかりしている人や転勤の多い人に適した制度とは言えません。デーモン閣下も福岡で熱が出て現地の医者にかかって「私はあなたのかかりつけ医ではないのでまずそちらの紹介を貰ってください」などと言われたら困ってしまうでしょう。ちなみにここで保険診療にならず自費診療になるのがイタリアのかかりつけ医制度らしいです。独身の貿易商など、自分は何のために医療保険の保険料を払っているのだろうと思っているのではないでしょうか。

■2022年12月30日（金）　 ゼレンスキー政権こそ人道に敵対する民族主義政権だ
20世紀ヨーロッパ史上最大の大虐殺ホロドモールをジェノサイド認定
ソ連成立初期の施策は見直しが進んでいる状況で、もちろんなんか白っぽかったウクライナへの迫害というのは当然あったわけですし、ペテルスブルグやモスクワの住民から見た地付きの農民の蔑視というのもあったと思われます。特に20世紀前半というのは自作農が迫害されがちだった時期でもあり(実は日本は今も - 1980年代から - その傾向が出ていますが)、陣営に限らず集権的集約が是とされていた時期です。それが1940年代になってファシズムやソ連的集権経済との関係で見直され、土地改革や独占排除につながっていくわけですが、19世紀後半に目立った集中による効率化を批判する志向を持たなかった社会主義圏の政治指導者によって、自作農がプチブルとして排斥された、自作農を主体とした農業経済を敵視した面があり、かつそれが一定のエスニックな分布と重なっていたために、民族浄化的な状況を招いたことは否定できません。どの国も - それこそ被支配層による宗主国からの独立があった国すら - 言うならばなんらかのジェノサイド的政策を伴う同化政策を清算しきれておらず、迫害の歴史はこれからも暴かれ指弾し続けられ、政争の具となり続けるでしょう。
とはいえウクライナに関して言えば、過去のソ連やロシア帝国、あるいは独立以降のロシア連邦の行為よりも、自主的避難者を非国民呼ばわりするような民族主義的独裁体制を構築した点が問題だと思います。ロシア連邦の行為を確立された国際法規の侵犯とするならば、ウクライナの民族主義独裁体制は政治的自由主義への反逆に他なりません。国民には倫理的な批判を受けることなく国家を見捨てる権利があります。ゼレンスキー政権により怯堕な非国民と指弾された人々はいわば政治的迫害を現に受けている人々であり、それこそシリア難民あたりよりもよほど、亡命者として救済を受けるに値します。もちろん国際社会は、そのような政治的迫害を行う政権をまっとうな政府として許容するべきではありません。人権侵害を旨とする非道な政体として矯正を求めなければなりません。韓国の国民が日本の朝鮮半島進出に関わった日本企業に求めているのと同程度の真摯な反省が求められます。ロシア帝国主義への対抗など政治的な、いわば些細な問題でしかありません。たかが大陸封鎖を叫んだナポレオン・ボナパルト程度の問題です(迷惑ではありますけどね)。しかし愛国主義の強要はヒトラーに匹敵する行為であり、ゼレンスキーはプーチンの非難を事後的に体現したと言えます。ソ連への緩衝国家としてナチスドイツを容認した歴史を繰り返したくないなら、ゼレンスキー政権を即時国際的圧力によって崩壊させ、その上で適切な武力による威嚇または武力の行使によってプーチン・ロシア帝国を排除するべきです。

■2022年12月30日（金）　 善良に誠意をもって熱心に無駄遣いをした人
「ポストモダンの旗手」 建築家・磯崎新さん死去　91歳
ご冥福をお祈りしますが、何でああも機能を無視した形状表現への傾倒をしますかね。もちろんポストモダンはいいのですが、ポストモダンを追求していたければ造形でも彫刻なり装飾なりをやっていればいいわけで、何も装飾を前提に建物を設計する必要はないと思います。もちろん装飾に重点を置くべき建物はあります。例えば「門」はその一つと言えます。門は空間の境界という象徴的な意味を持つ建築物であり、その意味を示す装飾を施されるのが当然であり、そのような「意味」重視の建物においてポストモダン的表現を行うことは妥当です。しかし、仮に門や玄関を含むとしても、図書館や美術館は少なくとも近代以降は「意味」を被せられるべきものとはみなされていないはずです。せいぜいが、公共建築物であるならこのようにあるべきというレベルでしょう。むしろ大事なのは機能と訪問者にとっての分かりやすさのはずです。商業ビルはまた異なり、オーナーが意味を重視することはあり得るでしょうし、それ自体が集客につながることもあり得ます。とはいえそれは称賛されるべきものとはあまり言えず、言うならば虚飾ではあるでしょう。貧相なわりに威圧感を与えるような門、並べられると高さ以外はどれがどれだか区別がつかない平凡な印象の建物、そういったものが実用建築における理想であり、そこを踏み外した建築家の代表例として記憶されるしかないと思います。

■2022年12月30日（金）　 もう5Gは賞味期限切れではないかと
「ヘタしたら世界10番手」日本が5Gで大きく出遅れた理由
いやもう5Gで取り返しようはないと思うので、5Gはスキップして、その代わりしっかり環境整備をし、現行キャリアを絞り切って新事業者への投資を確保したうえで、5年後の6G展開開始、2029年12月31日をもって5G以前の基地局を全て停波するくらいがいいのではないでしょうか。もう、ドコモもエーユーもソフトバンクも楽天も要らないでしょう。総務省がどうとかいう以前に、まともに仕事をする気はないようですし、どうせ機材は他所から買ってきているわけですし、ちゃんと自前で機材を開発できるところに基幹の回線設備も任せるべきでしょう。もちろんそのくらいの期間(7年ほど)があれば、ネットワークとセラーの切り離しも、ネットワークの連携も、昨今の緊急時ローミングなどというつまらない話以上の形で可能なはずです。

■2022年12月29日（木）　 父を搾って出荷するだけでは芸がないということ
「北海道の酪農、なくなってしまう…」　酪農家が抱える「三重苦」
なくなったらなくなったでよい気はしますが。それこそ夏場だけでもメガソーラーでも置けば稼げはするでしょうし。
農産物について出荷量や価格が安定するわけなどないので、それに対応するのが農業経営なり農業者団体なりの役目であり、安易な見通しで変動の影響緩和策を確保し損ねた以上破綻するのは一つの帰結です。基本生産不足気味、作れば売れたという時代ではもはやないことを読みそこねていたわけですから、2021年の消費水準で持続可能な規模に事業規模を縮小することが必要でしょう。その上で、単なる生乳生産に止まらない、在庫可能な製品に加工する経営に転換するのが一つの方向ではないかと思います。在庫可能というのは、とにかく値が戻るまで出荷を抑えられるということです。生乳と加工品の生産は制御するのが難しいわけですから、制御できるのは加工品の出荷からということになります。乳製品には10年程度の熟成に耐えるものもありますので、それと組み合わせて生産や出荷の増減に対応できる仕組みを作っておくわけです。もちろん出荷先と長期の供給契約を数量価格固定で結ぶというのも手ではあるのですが、正直肝心なところであてにならない気がします。

■2022年12月28日（水）　 何を再建するのやら
日医工、最大985億円の債務免除でADR合意　工場売却も検討か
ガバナンスが欠如した事業組織をどうして再建の対象にしないといけないのか、どうも疑問です。日医工の破綻は明白に事業組織がガバナンスの欠如によりコンプライアンスをないがしろにしたことが原因であり、そのような信頼できない事業組織を再建したところで事業を委ねるわけにはいかないでしょう。むしろ工場単位で設備を売却したうえで清算するのが筋です。そこまで倫理的に考えずとも、それこそ再建後でももう一回同じことをやったらどうなるかという話で、他企業にもあるように、体質的にそういう問題を起こす事業組織なのです。もちろん株式会社というのはある種の財団ですので、財団を残したうえで人的部分を総入れ替えすることで事業を再建する可能性はあります。しかし現状の再建案がそういうものとは思えませんし、そのような再建方法があるとも聞きません。事業停止や失業の発生を防ぐ方法論ならよく聞きますが、どの道信用失墜と許認可がらみで起きる事業停止とどう見ても責任がある人たちの失業を発生させてでも事業を再建し事業の再開とまっとうな実施組織を準備する方法論は聞いた覚えがありません。せいぜいが精鋭化とかリストラと称する弥縫措置です。もちろん債権を放棄したうえで適切な事業主体に事業と資産を売り飛ばし(つまり事業だけを切り離して買収させ)、役員も職員も全員解雇するというならそれはそれでいいわけですが。

■2022年12月28日（水）　 また停電だよ
20:40 暮れも押し詰まってきたところで停電です。まあ、石油ストーブは消えはしないので暗くて宅内LANの最寄りハブと外付けモニタが落ちているだけですが。それにしてもなんでまた、うちのノートパソコンは停電と同時にリブートがかかったんでしょうかね。
20:52 停電情報が出ました。蔵王町と白石市で停電、遠刈田温泉約1000戸だそうですが、これはまあ、あまりあてになりません。現在故障個所調査中なのも、まあ、仕方ないでしょう。停電が発生していることを東北電力が認識しているというのが大事ではあるわけです。
21:45 復旧しました。まあ、許容範囲内ですね。

■2022年12月27日（火）　 もういらないから静岡県にあげると言ってるのがまるわかり
リニアが開業すれば新幹線の静岡「通過」はなくなる?　国交省調査へ
その代わり人流がリニアに行くんでしょうが。いい加減こういう下々を馬鹿にした発想は止めませんか？まして現静岡県知事は教養においてはよほど上であり、現国交相の方がよほど下々でしょう。馬鹿の浅知恵で何とかなるとは思えません。
どうしても利益誘導がしたいなら具体的な数値目標をもってするべきで、例えば向こう50年間静岡県に年5兆円の観光収入を保証し、人口が一千万人を維持するように首都圏からの移動も含めて人口配分の調整を行うというのはいかがでしょうか。つまり必要とあれば東京都からの追い出しを行ってでも静岡県の人口を維持するわけです。目標未達の場合の国費からの補填はもちろんです。もっとも普通人口が増えれば税収は増えるはずですし、静岡県が観光先として定着すれば過度の補填は発生しないはずですが。もちろんその場合でも大井川が枯れていいわけは - 観光的にも - ないので、質はともかく - つまり農業用水や水道水としては使えなくてもいいが - 水量は保証すべきではあるでしょうし、農業に悪影響が出た場合の代替施策は持っておくべきでしょう。
まあ、今からでも全部山梨を通るようにする方がいいと思いますけどね。

■2022年12月26日（月）　 大人げなくて貧乏くさくて胡散臭い
文科省による図書館介入に見た「無邪気さの罪」　作家・門井慶喜さん
どう見ても子供っぽい、大人げない話ではあります。ニュートラルな立ち位置を保つというのは結構大変なことだし、その上で一歩踏み出す分野を作るというのは慎重な検討が必要です。本屋や出版社のショーケース、目的を絞った資料館ではないわけですから、利用者に収集の意図を押し付けることには禁欲的であるべきでしょう。もちろん理想は網羅的な収集です。やり方という話もあって、国として全国の公立図書館に場所を貸してもらって拉致問題のキャンペーンをして資料の特別ブースを設ける、国の名義で行って資料代はもちろん国が出すし場所代も払うという方法論はあった気がします。置いた資料は最後に寄贈したって良いわけですし。まあ、個人的には拉致問題を前に出すことは国としては自縄自縛になって外交上問題があるとは思いますが。
政策の多面的な効果のような話にも同じ大人げなさが頻繁に見えます。どう見ても乗るべきでない政策目的が、しかも相乗りの仕方としてはおかしな形で一緒に乗っているわけです。マイナンバーカードでポイント・電子マネー還元などという話もそうで、見ていて大変に胡散臭く見えます。マイナンバーカードにしろ電子マネーにしろちゃんとしたメリットがあるはずなのですが、悪い意味でそこが覆い隠されて、ひたすら胡散臭い、無理をしてでも売りつけるものに見えてしまっています。

■2022年12月26日（月）　 スーツケースに収まるアルミキャリングケース付き60インチ折り畳み液晶モニターなんてものはできないですかね
16型モニター、スーツケースに入る新しい当たり前
「モバイル」モニターと言えば山田氏という感じではあるわけですが。確かにサブモニターや大型モニターをモバイルできると色々便利ではありますが、正直HDMIでかまわないので60インチモニターを折り畳み式にはできないものでしょうか。スマホでできるんだからと思わないでもないのですが。

■2022年12月24日（土）　 東京は使い捨てを前提に避難先の確保に資金を投入した方がいいのでは
総事業費15兆円の「TOKYO強靱化」　地震に9.5兆円　東京都
防衛費の膨張よりもこっちの方が問題ではないでしょうか。もちろん天変地異があっても死人が出にくくするような防災はやらざるを得ないのですが、災害があったら東京は消滅するものとして移住先を確保する方がいろいろと有益ではないかと思います。輸送手段は普段は交通局ででも使えばいいですし、移住先に包むお金は都市部から地方への財政移転につながります。人が集まっている時点で災害対策と言っても限度がある都市部と異なり、移住民の受け入れ余力がある場所というのは比較的低いコストで防災対策ができるはずです。それこそお金の有効利用というものでしょう。

■2022年12月24日（土）　 株式の新規発行公募市場を設ければいいだけのことだと思いますが
「経営者保証」なしで融資　新興企業向け、23年3月に新制度
本来これが株式市場の役割のはずなんですけど、何がどうなって資本というにはささやかすぎる資本金を元手に経営者保証の借金で事業を回すような株式会社の形になりましたかね。これは、自営業が自営業主の信用(そこには担保としての事業資産を含む)でもって借り入れをする構図が経営者が自身の信用をもって株主の出資を得る構図と同じだと言えばわかることでしょう。もちろん取引において債権債務の発生は常ですが、その域を超えた債務の借入を行う場合は劣後債権者となる株主の承認が必要だと制度的に決まってすらいます。もちろんこれは株式会社を株主の社団ではなく株主が一定の権利を持つ財団と見て、その財団の管理者が経営者だという視点からの話になりますが。

■2022年12月23日（金）　 問題は飲む側ではなく作って売る側
さらに進行するアルコール離れ　若者で増える、あえて飲まない「ソバーキュリアス」
調査自体は興味深いと思います。
とはいえ余計なことは言わないでいいでしょうし、そもそも置く問題を間違っている部分があります。もちろん食文化の面からは「飲むしかない」状況がなくなることは望ましいと言えます。これまでの飲酒文化は飲酒の強要や他に飲めるものがないという事情に支えられてきた面があり、それが覆されているというのは寿ぐべきことです。大酒飲みは自分たちだけの機会に泥酔しても迷惑にならないところで好きなだけ飲んでいればいいのです。しかし、飲む方はそれでいいとして、作るというか売る方方は市場の縮小を見込まないといけません。生命保険屋さんだと居酒屋や酒販店の事業主が行き詰って自殺するくらいの影響しかないかもしれませんが、本来は酒販と醸造業および関連産業という今までの高級文化を担ってきた産業分野が没落するということが問題なのです。酒を楽しむのが嗜好的な文化でも何でもなく、集まれば酒を飲むのが当たり前であるという制度に支えられて大量の消費を期待できていたというのは、この二年間で明白になってしまったことです。本来嗜好品であるならば、宴会が減ったところで家庭に消費の場が移るはずですが、米も併せて、それは全くと言っていいほど起きませんでした。それこそ自宅生ビールサブスクにしても、ごく一部を除けば頑張ってまで自宅で飲むものではないというのが実感ではないでしょうか。とりあえず集まる、とりあえず生という制度が、生ビール需要を支えていたわけです。その制度が解体すれば市場が縮小するのは当然です。日本酒にも同じような部分がありますが、これはおそらく他の地域ではそれなりにその位置に対応する酒があるのでしょう。欧州におけるワインがそうです。もちろん大手はそれでも他分野に転換して生き残っていくかもしれませんが(酒が売れないのであれば水を売ったってかまわないのが大会社なんですし)、中小、特に酒造専業の業態は経営が厳しくなるものと思います。

■2022年12月23日（金）　 家族でない、ならなんだというのか
あなたたちは家族でないと突きつけられた　同性カップルが法廷で訴え
家族としての扱いを受けられない点は問題だと思いますが、そこでなぜ「結婚」という形式にこだわるのかはさっぱりわかりません。もっとも、民法の定める家族制度や関連制度が妥当性を維持しているともさっぱり思わないので、結婚と養子縁組以外にも他人が家族になる仕組みを用意するようなことも含めて対応は必要だとは思いますけど。
というか、そもそも家族って何なのでしょうかね。制度的な扱いが必要なものでしょうか。社団や法人格の枠組みで扱ってはいけないのでしょうか。「家産」の扱いは財団ではまずいのでしょうか。なぜ家族でない寄り集まりが不利に扱われるのでしょうか。
というか、社会的な問題を主体的に引き受けると言っている個人の一団を不当に扱うほど役所は余裕があるのでしょうか。市役所が離散した家族を面倒事を押し付けるために探し回っている暇があったら、有難くも孤立を避けてくれる人たちをまずまっとうに扱うべきではないでしょうか。

■2022年12月23日（金）　 医療、看護、介護に積立金の取り崩しで何とかなるような課題はない
防衛費の歴史的増加、届かなかった現場の訴え　しわ寄せは将来世代に
「積立金は地域の住民の医療、看護、介護に使われるべきだ。」
こんなわけはないのであって、この文脈では明白に既発国債の前倒し償還に使うべきであるわけです。医療、看護、介護は恒常的に発生する費用であり、その点では防衛費と全く同じ性質を持ちます。つまり将来世代にしわ寄せが生じることは防衛費と変わりません。積立金のような使えばなくなるもの、一過性の財源については、例えば国立競技場の取り壊し費用のような、一回支出すればそれで(いろいろと)片が付く用途に使うべきです。あるいはとりあえず先延ばしが必要な案件、例えば災害で破損して復旧が問題となっている道路や鉄道路線の修繕などに使い、そもそも修繕すべきかという議論を先送りにするのもよいでしょう。もちろん積み立てなどせずにとにかく国債償還に突っ込んで将来の金利負担を減らすでもいいとは思います。
もちろん問題の本質は他の事業に使える財源を防衛費に使うことではなく、防衛費増額自体が是か非かであるわけです。あるいは増額の規模が適正であるかどうかです。本シリーズの他の記事にもあるように自衛隊にも対応が後回しになっている案件はあり、少なくとも戦闘機はあるが訓練用の弾がないとか、戦闘参加したら三日で特科の弾薬が尽きるとか、兵舎に隙間風が吹くなどという話はいくらなんでもよろしくありません。自衛隊を維持する以上、予想される行動における能力を保持し、幹部にも隊員にも人間としてまっとうな住環境や食生活を保障することは当然です。使うとも思えない正面装備を買っている金があったらそっちに回せでもいいわけですが、悔い改めてそっちも整備するとこのくらい必要になりますというのはあってもいいでしょう。もっともそれだって本来は経常的に出る費用であり、一時的な積立金の取り崩しでやっていい事業かは問題ですが。一方で、自衛隊を保持する目的である国土と国家の防衛と国民の外国による軍事力行使からの保護において妥当であるならば、自衛隊が適切に運用可能な形での敵領土攻撃能力の保持も議論はあってむしろしかるべきでしょうし、保持すべきという結論もあり得ますが、そこをわりと吹っ飛ばして「敵基地」攻撃能力などという話が独り歩きし(基地さえ潰せばOKなどという話は弾道ミサイルの絡む戦闘では時代錯誤でしょう)、防衛費6.8兆円が打ち出されているということが問題なわけです。もちろん必要だというなら三年計画でF-15JとF-15DJを全てF-35Bに置き換えるというプランが出てきたっていいわけですが、正直トマホークなど買って何に使うのか、機関銃の弾じゃないんだぞという気にしかなれません。JAXA仕様のロケットのペイロード部分に核弾頭でもでっちあげる方が安上がりなんではないでしょうか。20機程度はさほど手間もかからずに用意できるでしょうし、それを朝鮮半島に向けておけば、韓国から巻き添えの顰蹙を買うだけで済みますし、文句を言ってきたら、お前が弱腰だからいけない、さっさと北に侵攻して山賊政府を崩壊させ朝鮮半島を統一しろ、金なら十一で貸してやるとでも言えばいいでしょう。中国はいささか広すぎ、しらみつぶしに核攻撃するだけの用意をするのが大変なわけですが。もちろん常識的な意見として、武力による威嚇並びに武力の行使はいけませんというものもありえます。そもそもGNPの1パーセントという枠自体たいした根拠はないわけですから、それが2パーセントになったところで問題とは思いませんが、国家予算として計上することに問題のある経費を認めるわけにはいかないでしょう。

■2022年12月23日（金）　 日本では祝日を増やす方が税収が増えそうですが
祝日廃止で国防費捻出　デンマーク新政権、ロシア対応のために発案
祝日を減らすと税収が増えるという検討結果が出る国があるというのは驚きです。しかも先進国です。
少なくとも日本の場合、祝日を減らすと無駄な労働・設備運用コストの増加とレジャー需要の減退でむしろ税収は減るでしょう。つまりデンマークの場合、祝日は誰も働かず(まあ、労働組合が強い場合はありそうなことです)そのへんで金のかからない過ごし方をしているということで、もちろん有給休暇なども枠いっぱい使っていて、祝日が一日減ったところで余っている有給を当てるなんてことができないのでしょう。休日を増やすと観光需要による経済効果が云々という話のある国に住んでいると信じられません。

■2022年12月23日（金）　 弁解の余地があるのかなあ
クレーンでつり上げたコンテナ落下　2人下敷きに、1人死亡　愛知
ワイヤーが切れたようですが、無理をしたのか点検を怠ったのか、痛ましいことです。
こういうことが起きないように作業者が資格を取るなり十分な教育を受講しておくなりが求められ、その修得内容に書いてある通りにすれば切れたりすることはないはずなので、管理側に弁解の余地は少ない気がします。

■2022年12月22日（木）　 護衛機として使うならF-15かF-16だとは思いますが
改良ジェットをF15が護送　ゼレンスキー氏運んだ「特別空輸作戦」
改良ではなく改造ではないかという話はともかくとして、F15って空戦を想定した装備でポーランドから北米大西洋岸まで無補給で飛べましたっけ？なんか沖縄から東南アジアあたりまで出るのに航空自衛隊が苦労していたような気がするのです。移動するだけなら4000km弱を飛べるはずですし、もちろん米軍ですから、空中給油でも引継ぎでもやろうと思えばできるはずですが。正直誰か武装を全部引っぺがして高速が売りの民間機として運用しそうなくらいなのですが、乗り心地は良くないですかね。もちろんアフターバーナーを使うと航続距離は酷く低下しますが、巡航速度でもビジネスジェットよりは100km/hから200km/hは高速のはずです。

■2022年12月22日（木）　 さっさと損切ってしまえ
五輪の象徴「国立」民間事業化の見通し立たず　税金負担膨らむ可能性
競売にかけてしまえばいいのでは？売り払ってしまえば赤字が残る程度で誰も困らないでしょう。

■2022年12月22日（木）　 いくら必要でそれをどう工面すると？
「子どもと向きあう保育」はぜいたくですか　保育士たちの思いと現実
贅沢かどうかを決めるのは保育士と保護者です。役所に基準の水準向上を働きかけるのではなく妥当と考える水準で自ら保育サービスを提供するのが保育士のするべきことですし、妥当と考える水準のサービスに対して受け入れ可能な価格を払うのが保護者のするべきことです。もちろんどうしても保護者の求める水準では補助金なしでは運営できないというのであれば、当座外部からの資金提供を仰いだうえで資金提供者を巻き込んで保育士と保護者が政治サイドに働きかけを行うことはありうるでしょう。民間の資金提供では継続性に問題があるからです。資金援助を行うような経済的な余裕のある人たちがこれに予算を回さないなら税金は払わない、税負担はできるにしてもこの程度、つまり現に提供している資金のレベルでは可能だろうし、それはこの程度の担税能力の一般性があると主張して初めて、役人も政治家も安心して、ならばこういう財源を用意してこういう施策をしましょうと言えます。そこを全部政治と行政にぶん投げて足りない足りないでは、ご意見はうかがっておきますと言われて終わりです。まあ、たかりでしょうね。

■2022年12月21日（水）　 またそうやって大会社の脛を齧ろうとする
根室線はまだまだ生かせる　存続望む地域住民らが懇談会
なぜ日本で廃止を防ぎたいというとこういう下らないアイデアや話になるのでしょうか。イベント程度で何とかなるなら鉄道会社だって廃止など言いだしません - 日本では。
少なくとも廃線の話が具体的に出て来たならば、日本の場合路線をJRネットワークから経営的に切り離して別会社にしないとJR各社の経営に悪影響を及ぼすということです。少なくともJR北海道が提示する赤字補填が行われなければJR北海道としては何もしないで放置しておく方がましということですし、活用するというならそれこそ受け皿会社を作ってどうぞ、うちは列車は石勝線から上落合信号場で乗り入れる列車で十分ですからということでしょう。
富良野ー新得間廃線を防ぎたいなら、ちゃんと受け皿会社を作って、この路線なり、あるいは滝川ー富良野間と富良野線を合わせたエリアをJR北海道から譲り受け、運営するべきです。別にJRの駅に列車が乗り入れる程度なら、それこそ乗り入れに伴う負担さえ受け入れれば、受け皿会社の経営がどうなっているかなどJR北海道の知ったことではなくなるわけです。まあ、この路線だけでというと限界はありそうで、札幌か千歳から直通列車を始点を出たら滝川か旭川まで無停車で通したいところですが、そこまで気合の入った出資者がいるかどうかですね。東京や大阪じゃあるまいし乗り入れるとJR側のダイヤが破綻するようなことはないはずなので。

■2022年12月21日（水）　 みんな渡り鳥みたいに移動すればいいんだ
高い光熱費払うぐらいなら…冬だけ移住の選択肢　欧州で生まれた変化
「高い暖房費を払うぐらいなら、同じお金で暖かい国に移り住めばいい――。」
非常に正しい発想ですので、バカンスのように権利化すべきでしょうね。

■2022年12月21日（水）　 当然ではある
お巡りさんも自転車ヘルメット　「努力義務化」法改正の模範に
また今風にしたものだとは思いますが、これは正しいというべきでしょう。警察官の安全確保ももちろん、自転車に乗るときはヘルメットをかぶるもので、帽子じゃダメだよということを知らしめるためにも、できればちゃんと標準規格品を作り、塗装だけで警察用にするべきです。警察も使っている信頼と安心の品、この規格で作ったものなら大丈夫ですよと宣伝して欲しいものです。

■2022年12月21日（水）　 首長と行政組織があって議会があってシャンシャンと事務を進めればいいという発想じゃありませんかね
地方議員のなり手確保へ「報酬水準の議論を」　地方制度調査会が答申
首相の諮問機関では下らない答申をするのは仕方ありませんが、地方議会があることを前提にする時点で時代遅れでしょう。むしろ原則として住民総会で審議と決定を行うべきですし、それができる規模に自治体の人口規模を縮小すべきです。議員だの行政組織だのを前提にしていては、自分は黙って自分の仕事をしていればだれかが地方政治を片付けてくれると住民が怠けます。住民総会に人が集まらないと自治体の機能が停止する状況を作るべきでしょう。業務を降ろしている国も困るでしょうが、本来はそれ以上に住民が困るはずです。逆に困らないとすれば、その地域に住民自治組織は必要ないのでしょう。

■2022年12月21日（水）　 金属と間違えたんですかね？
消えた「プリけつさん」、キモかわいいキノコ像どこへ　警察が捜査
うーん、見つかるといいですねというか、なんでそんなものを取っていったんでしょうね？これが金属ならまあ、結構な重量ですしただで手にはいればそれなりの儲けが出そうなのですが、強化プラスチックではたいしたお金にならない気がします。とすると、そのデザインなり由来なりに価値があるとみて持っていったことになります。まあ、逆の意味の価値、つまり目につくところにそんなものが置いてあることに堪えられずに犯行に及んだ可能性は否定できませんが、正直作らせて置く方もバカなら取っていく方もバカでしょう。もちろん転売などで入手する人がいるならそれもバカです。別にバカであることに罪はないので、欲しいからって盗むなよとだけ言っておくことにしますが、とはいえバカ避けというのは非常に難しいので、バカが盗むようなものは置かないこと、置くなら何日で盗まれるか賭けでもしておくよう、お勧めします。盗まれなければそれでいいですし、この日までに盗まれるという方にかけておけば盗まれたら掛け金が入りますからそれで再建できるでしょう。
それにしても、趣味というのはどうにも解せないものです。

行方不明の「プリけつさん」、クリークで発見　キモかわいいキノコ像
また訳が分かりませんが、何かの事情で落下して流れ着いたのでしょうか。まあ、持っていった人が後難を恐れてこっそり捨てた可能性もあるわけですが、そもそもなくなれば騒ぎになることくらい想像がつくでしょう。それを騒ぎになって我に返ってこっそり捨てるというのではただの馬鹿です。虫の居所が悪かった誰かが暴行に及んで川に落下したくらいだといいですが、さすがにそれで二体はなくならない気がします。
とはいえ設置する方も馬鹿ならという話はさておき、「クリーク」ってなんでしょうか。もちろんcreekの意味くらい分かりますし、おそらくその意味だと思いますが、いつの間にcreekがクリークとして日本で普通の言葉になったのでしょうか。まさか福岡界隈では、そのへんの用水路とか、もしかしたら側溝か雨水の排水路か何かをクリークと呼んでいるのでしょうか。「ちょっとそこんクリークに行ってくるけん。」などという会話が交わされているのでしょうか。世の中侮れないものですが、正直そうは思えないんですがね。

■2022年12月21日（水）　 受け入れろとは言いませんがどうやって独立性を担保するのやら
学術会議の改革案、政府に「再考」求め決議「学術の独立性損なう」
独立性の主張自体はともかく、正直政治から逃げて特権的な立ち位置にいようという主張に見えて仕方ありません。学術会議と言えども国の機関であり、内閣はともかく国会からの説明せよ、出なければ予算を可決しないという要求には対峙しないといけない立場です。そしてその予算を国会に提出するのが内閣であることと、内閣が一般行政を管理するという立場が、内閣が学術会議に干渉する根拠です。ではこの構造とどう向き合っていくのか。「学術はあ」では通らないのであり、独立性を持って学術行政のある部分を担当していこうというのなら本来内閣の会員任命権自体を拒絶する必要がありますし内閣の予算提出権と向き合う上でも、必要だではなく、こんな予算では国会を通らない、通させないと言うだけの政治力が不可欠です。
正直内閣への集権化自体は非常に問題だと思いますが、それに対峙すること自体は政治実践に他ならない、それこそ政治的中立性を放棄する行為だという認識が、対峙する側に欠けているとしか思えない例が少なからずあります。政策パッケージとして右だ左だと言ってはイデオロギー的な言い合いをしてきた、そこから距離を取ることが専門家としての安全策であり具体的な政治課題の解決を目指す活動家の特定の政策への広範な賛同を確保するための常とう手段だったとしても、政権に旗幟を鮮明にするよう迫られたときに現状維持では済ませてもらえない事態に至っていることは認識した方が良いと思います。

■2022年12月21日（水）　 言ってることはわかるが押しつけがましく裏が透けて見える
「フレイル」防ごう　栄養・運動・社会参加が3本柱　有識者が提言
活動意欲にしろ身体能力にしろ減退するのはあまり好ましくはないでしょうね。減退した状態において支障が生じること自体は制度的欠陥だと思いますし、発生させるなという主張は押しつけがましくてそんなに負担が嫌なら医療も福祉も取り止めて生存権などというものはないと言えばいいだろうと思うわけですが、個人の幸福という意味ではその意志の下に自身の活動意欲や身体能力を確保できる条件を整備することは望ましいと思います。なにしろ今の社会では何かあって車椅子などに頼る状況になると公共交通機関を使った遠出ができなくなるわけで、半年くらい落ち込んでカップヌードルを通販で買って暮らしていて、ふと気分が上向いてコンサートでもリアルで聞きに行くかと思ったら足腰が立たなくて移動がままならないなんてのはやはり避けられるものなら避ける方が良い事態ではあるでしょう。

■2022年12月21日（水）　 女性に教育は要らない - 子供を産んでいればいい - というのも価値観として否定はしきれませんからねえ
タリバンが女性の大学通学を停止　さらに抑圧、教育機会は小学校のみ
まあ、こういうことがあるのでイスラム原理主義政権を民族自決とか主権の問題として認めにくいわけですが。
とはいえコミュニタリアニズムに即して考えれば不当とまでは言えないわけで、干渉するとすれば、アフガニスタンについては女性に限り日本での就学・研修査証を条件なしで発行するとかでしょうか。とりあえず日本領事館に来てくれれば日本で勉強したり職業訓練を受けたりできますよという形で、当然滞在費などについても予算措置は必要です。とはいえぐちぐちお説教をするのに比べれば、たかが現地政府ごときに自国の人権感覚から見て不当な差別政策を穏当な手段で是正する邪魔をする権限などありませんし、もちろんそんなことで外事公館に手を出してくれば外国使節に対する不当な加害であり、度重なるようなら武力行使すら正当化しえます。当事者や第三国からの好感も期待できる方法だと思うのですが。もちろんなんでアフガニスタンの女性だけとは言われるでしょうが、大学に行きたがるようなキャリア志向の人なら単純労働の出稼ぎ賃労働者希望よりはよほど永住者としても好ましいと思いますし、いざ職を斡旋するとなっても応じる余地があると思います。運が良ければアフガニスタンの知的主力の半分を日本の色に染めることができるわけですし。

■2022年12月20日（火）　 湾岸戦争で外交は消え去った
敵基地攻撃、防衛費急増……外交はどこに?　田中均さんの危機感とは
湾岸戦争以降外交という名に値する営為は行われていないと思いますが。

■2022年12月20日（火）　 発禁書籍を運ぶ飛行機を撃墜したら問題ですが
村上春樹さんの本、ロシアで発禁に？　同性愛宣伝禁止法の対象と報道
発禁自体はあほな話だと思いますが、別に波及することはないので問題ではないでしょう。ああ、ロシアに渡航するときに発禁対象の本を持っていると没収されたうえに拘禁される可能性はありますね。まあ、ロシアに行くのに本など持っていかなければいいのではないかと。日本だって一部の書籍を持ち込もうとすると犯罪扱いですし。

■2022年12月20日（火）　 いいかげん回線自前主義を廃棄して欲しい
通信障害時の「フルローミング」方針固まる　KDDI障害受け総務省
なんで「通信障害時」のみなんでしょうか。いやもちろんキャリアを前提としているからなのですが、無駄な設備投資を控え状況に即した設備運営主体による通信の到達範囲を確保するためにも、常時の義務的ローミングを前提に制度を設計し直すべきだと思うのですけどね。

■2022年12月20日（火）　 どうせ国民総背番号制の実施はどうしようもないわけですが
「紙の保険証」の負担、さらに割高に　「マイナ保険証」の普及ねらい
従来の保険証の患者負担アップ、初診18円　「マイナ保険証」に誘導
所詮受診一回当たり18円なんでむしろ保険組合側にマイナ保険証への移行を促す政策のように思います。紙やプラスチックのただの書類のままでいいとは個人的にも思わないわけで、マイナンバーの証明書としてマイナンバーカードを使う限りにおいてはむしろ妥当な政策と思います。
とはいえ、正直今のマイナンバーカードで使いたいかというと、なかなかに微妙で、まずは盛りすぎなところを何とかしていただきたいものです。ユニークな国民識別番号を証明する写真付き身分証として使うので十分なはずで、それを業務においてどう使うかはカードを読むシステムの側で考えればいいんじゃないでしょうかね。なんでカードの側にあれこれ書き込もうとするのでしょうか。百歩譲って情報をネットワークでやり取りするのはまずいからだとして、ならばなぜ、マイナポータルアプリの機能の相当部分がネットワーク前提なのでしょうか。あれができるのであれば、それこそカードに仕込まれたキーを用いて安全にネットワーク上で情報をやり取りできるはずで、カードを汎用ストレージとして使う必要はないはずです。そもそもマイナンバーを活用するサービスを実装する際にネットワークは避けて通れないはずで、何をどう検討してあんな発想に至ったのか、時代の制約にしても酷すぎるでしょう。

■2022年12月20日（火）　 高校で勉強を止めたような労働者を使うから問題なのでは？
大学生の生活保護「慎重な検討を」　認めない方針継続　厚労省審議会
「新規高卒者は今日においても重要な労働力で、高校卒業後直ちに就労することも肯定的に捉えて考えるべきだ」
こういうことを言っているから日本経済の生産性がさっぱり改善しないんだと思いますが。むしろ、高卒にできる仕事などない、機械で十分だと言うべきでしょう。
もちろん学歴で差別するような行為は問題ですが、高校までで何を身につけるかというのは別に問題となりえますが、少なくとも教科としては、高校の履修内容で「十分」などということは全くありません。もちろん、学のない連中を低賃金で単純労働に使うなどという発想の経営者も容認するべきではありません。学がなくていいなら他人を巻き込まず自分だけでやるべきでしょうし、単純労働に人間を使うなど無駄遣いもいいところです。

■2022年12月19日（月）　 そういうことを言うならせめて自分で県や市なりの政策支出に関して個人的に連帯責任を負う条例を制定してからにするべき
大村氏と河村氏が応酬　双方が「個人で支払え」　トリエンナーレ訴訟
大阪みたいに府と市が結託して府内の他の市町村をそっちのけに突っ走ろうとするのも問題ですが、こういう県と市がやはり他の市町村をそっちのけにレベルの低い喧嘩をするのも感心できません。委員会が訴えているのは名古屋市であり、名古屋市長でもなければもちろん愛知県や愛知県知事でもないわけです。そもそも不適切な支出であり払う必要はないというのが河村氏の主張であり、市の遅延損害金回避策を肩代わりすることもできなければ現状する筋合いもないという意味で大村知事の主張は極めて不当です。もちろん、うちが負担する筋合いがない金なんだから賛成の県知事が個人的に負担しろなどという河村市長の主張もばかばかしいわけです。問題は実行委員会と市が市が主張するような基準にあらかじめ合意していたかどうかであり、そんな合意はなかったと判定されれば市は分担金を払うしかありません。その上で、市としてイベント実施を援助なり協賛なりするという決定の責任者、それはもしかすると河村氏かもしれないわけですが、そちらに市政において是認できない負担の賠償を求めるというのが正しい形です。
もっとも首長に支出に関わる政策決定への保証義務など制度的にはないわけで、仮にこの判断が過誤に基づくものだとして、損害を賠償しなければならないような過誤だとはあまり思えませんが。「あんな非常識な展示に金を出したつもりはない」という名古屋市なり河村市長なりの主張の是非はともかくとして(というか個人的にはほぼどんな意味でも非だと思いますが: 名古屋市が芸術祭になど関わるべきではない、そんな政策は市民から委託されていないという趣旨であれば是ではあり得ます、が、当然それは名古屋市の方の問題で実行委員会に責任はありません)、関与の政策決定過程に問題があったとは思えません。

■2022年12月19日（月）　 なんだ、文字通り名古屋の名前を飛ばしたのかと思ったのに
「名古屋城駅」など4駅が名称変更　仕事始めから新しい駅名でお迎え
まあ、こういうことはありますね。逆にそういう学校はないのにいつまでたっても大泉学園駅なんて例もありますが。
とはいえ最初「城」を見落として、JR東海の英断に感心しかけました。正直もうあの辺は、千代田門前駅、尾張中央駅、梅田駅、中島駅でいいと思うんですがね。京都の端っこにある京都駅もあれですが。

■2022年12月19日（月）　 2000億円ってずいぶん安いなおい
トマホークに2113億円、敵基地攻撃能力を強化　防衛費は過去最大
いや、トマホークのシステム一式って配備レベルで2000億円で済むんでしょうか。結構高価と聞いていたのですが、なかなか安いですね。あれは一応艦載巡航ミサイルなわけですが、まさか国産までのつなぎに陸上発射型とか空中発射型なんてことは言わないとして(地上発射型は国際条約がらみで運用休止)、だとすれば海上自衛隊のミサイル護衛艦のどれかをトマホーク装備に改装することになります。だとするとどうも試験レベルなんですかね。それなら納得で、配備の際には下手をすると数兆円に達する可能性があります。
とはいえ現用の基地攻撃用兵器としては妥当ではあっても、日本が運用するなら通常弾頭でということになります。ピンポイントで弾道弾を落とせば落下時の慣性を追加できるので貫通力の増強を期待できるわけですが、通常弾頭の巡航ミサイルで地上構造物の破壊以上を期待できるのでしょうか。相手はそもそも確認できたときには発射寸前か発射後の移動型発射基かがっちり防御されたミサイル地下サイロだと思いますし、ならば対戦略攻撃ミサイル発射基地用として装備するならせめて地下サイロを潰せる可能性のある核弾頭の方が良いのではないかと思うのですが。そもそも地上発射型は核弾頭専用のようですし。実戦での証明にしても地上目標の破壊であり、つまりはせいぜいスカッド系のミサイル発射機の破壊であって、多分中国には通用しないと思うんですよね。これは国産ミサイルでも同じで、とにかく100m程度は地下まで破壊あるいは無力化できるレベルの破壊力が求められると思います。
ちなみにトマホークは今のところ一発二億円だそうですが、当然これ以外に発射基や管制機器なども必要です。一応発射基は海自も装備している艦載VLSでいいはずですが、物理的には装備して発射に堪えられるとはいえ、トマホーク運用機能は持っていないはずですから、試しに一隻改修して海自のシステムに繋ぎ込んで試験してみて、それで本格導入となるはずなのです。改装には工事完了後の慣熟訓練や試験も含めて最低でも半年程度は必要ではないかと思うのですが、最低でも専用艦二隻交代制として、一隻20発常備としてミサイルだけで80億円、改装の経費が一隻1000億円で済むかなあ。弾道弾迎撃ミサイルではありませんが、商船構造で新造した方が安かったりして。

■2022年12月18日（日）　 何を今さら
陸自内部に「衝撃」　ヘリ廃止、無人機に置き換えへ　人員も削減
もちろん衝撃を受けるようなことではないというか、陸上自衛隊はそれこそ常に無用論に曝されてきたのが実情でしょう。陸上自衛隊は陸上で敵兵力に対応するための戦力ですが、戦力の運用において陸上自衛隊を他国の領地に現地政府の意向を無視して派出して行動させるわけにはいかない(専守防衛ですからそうなります)以上、また発足時現地政府の希望があっても日本国の外国駐在公館に詰める武官や警備隊以外の形で派出することを想定していなかった以上、日本国の領土に上陸してきた、あるいは上陸しようとする敵兵力に対応する以外の使い方ができません(治安出動はとりあえず棚に上げておきます: まあ、本来こっちが想定されていたとも言えますが)。しかし何がどうなったのか、戦後日本は自国領土に「敵」が上陸してくるという想定にすさまじい拒否反応を示します。「水際」どころか「敵基地攻撃力」なみに領海・領空に入ったところで撃退するという発想に傾き、そもそも陸上自衛隊が出る幕ではなくなります。時はまさに爆撃機軍拡とミサイル軍拡の真っただ中、都市攻撃こそ問題になったものの米軍ですら核兵器さえあれば陸軍は海外拠点の警備、海軍は領海の警備程度しか要らないと空軍と戦略原潜に絞る話が出たほどで、陸軍の相手など格下のしょぼい軍隊か一枚看板の軍隊だけだから海兵隊に集約するなんて議論もあったわけです。それ以来米陸軍は湾岸戦争あたりまで常に削減の脅威に曝されており、もちろん同類の陸上自衛隊も例外ではありませんでした。仮想敵は直接接しているソ連なので、空を飛んでくる爆撃機やミサイルを除けば北海道に上陸してくるのだし、当然海を渡ってくるのだからと、まず陸上自衛隊の正面戦力を北海道に集中、さらに近距離で殴り合うのではなく対地ミサイルや陸上発射型対艦ミサイル(この前黒海で活躍したようなの)を主武装として、海上自衛隊と協力して海上で敵上陸部隊をせん滅せよという話になります。そんなにうまくいくものかという反論も含めて、とにかく国土から少しでも遠くで対応するというのが、それこそ敵基地攻撃能力にも通じる軍事行動における原則となり、長射程の対艦ミサイル(陸海空)、長射程の防空ミサイル(海空)、電波や衛星カメラによる早期警戒・防空システム(陸海空)、最終防衛線を担当する防空戦闘機(空)が軍備や運用研究において優先されるようになります。これでは陸上自衛隊は出る幕がほぼありません。解体して機動隊と航空自衛隊のミサイル部隊にしてしまえという話は常にあったのです。もちろんこの影響として、陸上自衛隊の幹部は再編成に極めて過敏になり、陸上自衛隊の存在意義をアピールするようになっていきます。災害対応の強調などその一つでしょう。もちろん戦車無用論あたりへの過敏な反応やどことなく中途半端な新装備開発や新装備導入にも表れていると思います。状況と合わせてそれが表に出られるようになったのが、カンボジアPKOでした。自衛隊派遣の是非とは別に、陸上自衛隊はそもそも経験のない自国外での行動という不安とは別に、軍隊として表芸ができるという受け取り方もあったと思います。一方防空空軍、沿岸警備隊と防空ミサイルプラットフォームとして発達してきた航空自衛隊、海上自衛隊にとっては、PKOは全く畑違いの話で、輸送部隊扱いされる至極迷惑なものだったと思います。
そういう意味で陸上自衛隊の整理と無人化の極端な推進自体は全く新しいとは言えない話で、政治側からすれば隊員は整備員と非常に高度な訓練を受けた少数精鋭の「警備」要員、PKO向けの「武装警察官」以外要らない、幹部も指揮要員というよりは無人兵器と情報処理のオペレーターが中心でいいということにもなるでしょう。「鉄砲が撃てるだけの人間」がたくさんいたって仕方がない(もっと有益な、端的に言えば国から給料を貰わずたくさんの税金を払うことをやってほしい)、そもそもそんなの今時やりたい奴なんかいないというわけです。前者はそもそも隊員はそんな単純なものじゃないとか整備員はまだしも精鋭兵だけ育てられるというものではないという気はしますし、後者もどうなのかなという気はしますね。まあ、30万人なり50万人なりいるのかと言うとそれもどうかという気もしますが。もちろん隊員や幹部を増やすよりも高度兵器を開発して装備する方がいろいろ旨味のあるご時世でもあります。重機関銃を作っても自衛隊くらいにしか売れませんし、軽機関銃もせいぜい警察に少しばかり売れるだけでさっぱり商売になりません(何しろ銃器自体は使い捨てでよければ簡単に作れる程度に、流通する素材もその加工技術も洗練されています)が、自動防空警戒システムを買ってもらえば、作らせてもらえば、いろいろと応用も効くわけですし、他の商売で儲けて納めた税金が懐に戻って来もします。まあ、こういうのを政軍産の癒着というのかもしれませんが。
もっとも戦うこと自体は機械にでもできても、敵への武力行使というのは現状様々な法的制約が、国家の主権的意思とは別のレベルで設定されていて、それは個々の行動主体＝戦闘員がその制約を弁えた人間であるということを前提にしていますので、大量破壊兵器で先制攻撃して敵国土を人間ごと丸焼きにしてしまうレベルならともかく、戦争というのは未だ人間のやるものではありますし、その点で陸上自衛隊の無人化というのは色々問題があるようには思います。

■2022年12月17日（土）　 300万円の供託なんてハードルとは言えない
「落選なら借金まみれ」供託金のハードル　参院選、神奈川は半数没収
そもそもなんで供託金を借り入れで賄って立候補などするのでしょうか。選挙というのはどれだけ多く票を集めるかが問題なのであり、供託金を寄付で賄える程度の支持者を集めて立候補するのがむしろ当然でしょう。制度的に借り入れなど想定していないのであり、勝手に借り入れた挙句に没収されて行き詰まるなんてのは自業自得です。もちろん主張なり構想なりがあってそれを問うために立候補するというのは構いませんが、本来それは提示される時点である程度支持者によって揉まれたものになっているというのが前提です。請願や署名というのもそれを前提とする制度です。もっとも、必ずしも理念に沿った運用がされていないという点には留意しないといけません。ともあれ、政治においては他人を説得する、その過程で主張を調整するという行為が前提にされています。一人一万円寄付を出してくれる支持者三百人も説得できなくて都市部の選挙に出ようなど、むしろ政治を馬鹿にしています。もちろん供託金制度が金で制約を課している以上、金を持っている人にはそういう制約はないわけですが、金持ちと同じことをやっているようでは貧乏人が選挙に出る意味はないでしょう。

■2022年12月15日（木）　 そりゃカメラを構えて何を撮ってるかなんてわかりませんがな
アスリート盗撮、高校生も被害　競技場で取り締まり強化、難しさも
こういうのは、卑猥なとか何とか言っているとじゃあこういうのはどうなんだという話になるわけで、結局素人さんを撮っちゃいけませんとしか言いようがないと思うんですけどね。つまり来場者の身体検査を出入り両方で徹底し、もちろんカメラやスマホは中身まできっちりチェックし、入場の際にそれに同意させ、もちろん妙なことをやったらペナルティーを受けることにも同意させるわけです。子供の雄姿をと言うなら、プロカメラマンを雇って全員分を撮影し、入場料に含めるなり相応の対価を取るなりして入手できるようにするので十分でしょう。もちろんプロカメラマンであれば、全員格好良く撮ってくださいという程度のオーダーには簡単に応えられるはずです。運動競技場なりイベント会場なりというのはそういう場所であることを、啓蒙するべきでしょう。
撮影者としても、やはり人を撮ることには慎重であるべきで、撮りたければ相応のお金を払ってモデルさんを買ってくるべきではないでしょうか。もちろんモデルさんを買えるのが正しいかどうかという視点はあるわけですが、現行法制上買えるわけですから、そのあたりは表現者としても意図を明らかにして被写体になることに適正な対価を払う程度の妥協をしておかないと、カメラ全面禁止なんて話が出て来ます。
もちろんカメラを持ってうろついている時点で不審者扱いされるのは仕方がない部分があるので、とりあえず日本では、お巡りさんに撮影データを全部見せるくらいは仕方ないのでしょう。どこぞの国みたいにいきなり没収してくるとか警官だと思ったら窃盗犯だったとかいう話になると警官を見たら逃げることも考えますが、日本の場合そこまで理不尽な話はそう転がっているわけではなく、まじめな警官がまじめに仕事をしているだけの可能性にしろ、没収ではなくデータ消去やお小言で済む可能性にしろ十分高いわけです。問題のない写真を撮り、変に疑われたら、それなら警官を呼んでください、そうすればデータは全部お見せしますからというくらいのリテラシーが求められる気がします。仕事が増えるお巡りさんには申し訳ありませんが、法執行官というのは職務に絡んで公正中立な立場から裁定を求められることはあるものなので、過重労働になるなら県警なりに増員を要求していただきたいと思います。

■2022年12月14日（水）　 Don't mind such a tiny problem.
すべてを委ねるのか　対話AIの先にある怖さ
非常に古典的な倫理上の問題ではあるのですが、私は敢えて、何の問題もないと主張したいと思います。なぜなら、私たちはすでに全てを無批判に委ねているからです。AIにではありませんが、政治家、政府、教師、大学教授、メディア、文筆家、商人、運転手、技術者、商店の売り子、そのほか諸々の、それこそ全く中身を知らない法律に基づいた何を意味するのか知らない資格、あるいは顔も見たことがない他人がそこに配置しただけの立場を持つというだけの、得体の知れない対話する人間に全てを無批判に委ねています。もちろん個別的な問題が出れば、怒るでしょうし、二度とその相手には委ねないと思うでしょう。それこそ政治家や公共企業体のような委ねざるを得ない相手が粗相をした場合は悪態で留めて諦めるかもしれませんし、手元で問題を回避する策を講じるかもしれません。しかし、現代社会は基本的にそうやって何かを得体の知れない誰かに委ねることで成立していることは変わりません。そしてその誰かがAIであっても、まったく事情は変わりません。それこそもしかしたら耳に快い言葉で不満を肯定してくれるAIは、通俗的なジャーナリズムと何が違うでしょうか。もっともらしいことを教えてくれるAIは教師と何が違うでしょうか。そして、物事はそれでそれなりにうまく行っています。たとえ人種差別的発想をもっともらしく教えてくるAIの影響を受けたとしても、それは差別の対象が目の前に現れるまで問題になりません。もしかしたらその問題とは初めて海外旅行をしてうっかりそこでは認められない差別的行動をしてしまい、袋叩きにされて命を失うというものかもしれませんが、あるいはうっかりそのような差別的な発想が広く共有された場に紛れ込んでしまった差別対象が不当な扱いによって命を失うという事態かもしれませんが、それ自体は状況が今より悪化するというものではありません。AI、特に個別例から学習するタイプのAIがそのような現代社会の鏡でしかない以上、私たちに憂う必要はないのです。なにしろ、問題が起きればその解決を図るという形で対応されることは保証されており、かつその解決の方向性は問題が解決する以上問題が発生した時点の状況に対しては改善であることが論理的必然だからです。問題の発生がインプットされれば、AIはいずれ問題を発生させない解を導き出し、自らの行動の指針にします。またその指針は速やかに広く伝搬するというのが、ネットワークにつながったコンピューターであるがための必然です。人間にしろAIにしろある状態に固定された存在ではなく、可塑的なものなのです。教師の教えた誤った知識にいずれ何人かでも教え子が気付いていくように、AIもいずれ自らの不適合を修正していくでしょう。人間がそのような機会を妨げなければそうなるはずです。私たちは新聞やテレビ、学校や「坂村健の目」にそうするのと同様に安んじて、AIに委ねていいのです。
もう一点、学生がカンニング行為をしたとして、それはその場で発見されずとも、カンニングで取得した資格から期待される要求への不適合という形で露見します。露見が発生しないのであれば、カンニングをしていようがいまいがその人は資格を称するための要求を満たしていると言えます。問題はそのような形で学校や資格試験への信頼が損なわれる点ですが、どのみちそうした資格が要求されるようなことはAIがすることになるのでしょうし、そもそもそうした資格への信頼には合理的な根拠はないのですから、むしろ合理的な根拠を持って物事に対する人を増やすという意味で望ましいとすら言えます。

■2022年12月14日（水）　 そう言って出てくるのは明治の発想
首相、半導体産業の支援アピール　「新しい資本主義の最重要物資」
「新しい資本主義の最重要物資」はいいのですが、だったらTSMCなど誘致していないで自前で官営工場でも建てたらいいと思うのですが。そもそも寡占化が進んでいるのは研究投資と設備投資の高額化が原因であり、それを十分に補助するだけで違うはずですよね。それを懐の痛まない優遇措置だけで何とかしようなどとするから結果が出ないのではないでしょうか。

■2022年12月13日（火）　 これで飲まないよう心掛ける気になる人が買うのかな？
酒瓶にあえて「飲むな」の3文字　警察署が監修した純米大吟醸が発売
普通に美味しいんですね。「飲むな」というと、飲むとひどい目に合うのが定番という気もするのですが、さすがに塩を入れるとかいうわけにはいきませんか。
作るのはいいとして、誰に売るのかという印象はあります。ネタとして買う人は結構いると思いますが、そういう人はそもそも啓蒙され切っている気がします。

■2022年12月12日（月）　 本人が自分の真似をしていると思う視聴者はいないと思うのですが
「VTuberの声まねした性的コンテンツやめて」　にじさんじが注意喚起
まあ、されて気持ちの良いものではないのはわかりますが、「〇〇の声まね」と題しているなら問題ない気はしますけどね。本人と偽ってやったら名誉を失墜させる行為でしょうが、本人の真似だというなら見る側は真似、つまり本人ではないのだとわかって見聞きしているはずですから、名誉を失墜させることにはならないでしょう。
というか、YouTubeという出所の確認が必ずしも容易でないプラットフォームで名前を売っておいて名誉やイメージを毀損もなにもない気がしますがね。区別して欲しいなら区別できるようにやるべきで、そこをちゃんとお膳立てするのはむしろプロダクションの仕事でしょう。どうも間抜けに見える注意喚起をするとかとりあえず裁判に訴えてみるとかいうのは、仕事の仕方としては間違っている気がします。

■2022年12月12日（月）　 周知対象から外されるのがなんとももっともな振る舞い
高市氏「覚悟はもって申し上げている」 防衛増税で首相に反論の全容
この人の覚悟ってどうも信用できないのですが、むしろSNS経由だということが問題です。そもそも防衛費増額に絡む増税が問題だ、詳細が周知されていないと言うなら、それは岸田首相に直接訴えるべきことであり、どれだけ覚悟があっても周辺に不満を垂れ流すというのは感心できない行為です。どうせやるなら、辞表と一緒に抗議文を出して、その前にSNSとマスコミに事を流しておく程度のことはするべきで、辞任する気もないのに反対を垂れ流すなど、そもそも閣内不一致を煽っているとしか思えません。そんなに大臣の椅子が大事ですかね。それはつまり、自分はまだその椅子を実力で取れないから、着いた椅子は手放す気はないと、そのレベルの覚悟ですか。その程度だから首相に軽視されるとしか言いようがありません。

■2022年12月12日（月）　 情熱的な歌い方が格好良い人でした
「アニソンの帝王」水木一郎さん死去　「マジンガーZ」や特撮主題歌
まあ、そういうお歳ではあるんですよね。ご冥福をお祈りします。訃報の名前に心当たりが増えるということに、年齢を感じてしまいます。

■2022年12月12日（月）　 対象は物ではなく案件
消防士の服ダメでポンプ車はOK？自治体クラファン、明暗分けたのは
クラファンは物乞いじゃないんですけどね。
批判されるのとお金を出してくれる人が集まるのとは対置できないので、ダメとかOKとかいうこと自体がおかしいわけですが、最初の事例は少なくとも宣伝媒体としてのSNSの使い方を間違ってるでしょう。政府なんて何かと理由をつけては税金を搾り取っていく存在でしかないわけで、その税金が適切な目的に効果的に配分されているからまだ我慢できるということでしかありません。そういうメンタリティーの人に税収が足りないからこれこれができませんなんて言ったら、炎上は仕方ないでしょう。消防なんてそれこそ否定する論者が少ないくらい自治体の業務として定着しているわけで、それを維持できない、設備機材を調達できないなどと自治体首長が零したら反発はされます。他を切ってでも、首長議員事務職員の給与をゼロにしてでもそこに突っ込めと言われるのは仕方がありません。さらに恒常的に税収が足りないなどと言えば、事業の整理と増税、あるいは他市町村との合併による市政効率化と言われるのは当然のことです。それがわからない人がネットで宣伝担当などしてはいけません。
少なくともポジティブな反応を引き出すためには、基盤的ニーズに加えてこれをするために支援してほしいと主張することが必要でしょう。それでこそ、支援と共に前向きに頑張れという声を得ることができます。どう見ても基盤的ニーズでしかない内容だったり、基盤的ニーズを満たす財政規模すらないと嘆いたのでは、同情もしてもらえるでしょうが、同時に無能という誹りも受けるのです。
タイトルの馬鹿らしさも含めて、クラファンで問題になるのは何を買うかではありません。これはあくまでもファンディングであり、つまりはプレゼンテーションの場で毅然と、これがあればこんなことができます、一緒にやりましょう、お金を出して仲間になってくださいと呼び掛ける態度の問題です。ですから消防士の服でも言い方次第で肯定的な反応を含めて引き出せるでしょうし、ポンプ車であってもやり方が悪ければだめです。

■2022年12月11日（日）　 何が不適切なのか、もしかして正直なだけではないのか
反抗的生徒を「反社会」、よい生徒に「無印良品」　中学が不適切資料
これ、不適切なのは分類でしょうか、それとも表現でしょうか。単純にアルファベットや数字にすればいいという問題でもない気がするのですが。もちろん、わかりやすいからといってそのものずばりな表現にするのは教員をやらせられるレベルの教養に欠けるとは言えるかもしれませんが。
どちらかと言えば、学校というのはそういう分類をするような場であると正面から認めるべきではないかと思います。そういう偏見に満ちた権威的な場、まさに建前においてあるべき社会の縮図であり、それを前提に就学や個人評価、機関評価を考えるべきだと思います。子供がそのような場で傷つくことも当然であり、そうなるものとして保護者は就学させなければなりません。またそのような場においてしかるべき性格に育つことを、周囲も認識しなければなりません。教員はそうなるように養成され、職場で鍛えられ、そのような場を再生産しています。何か問題が出たら(まあ、学校自体が問題だというのはともかくとして)、そのような構造的な事情を前提に判断を下します。もちろん学校の先生との縁談が持ち上がったら、そういう人物であることを前提に是非を検討するわけです。
もちろん学校は社会の縮図でしかありませんので、正直そうであるということは社会自体がそのような権威主義的で個人に従順さを基準にレッテルを貼るような構造をしていると考えるべきでしょう。もちろん社会として肯定される価値観もそうです。学校でないから違うなどと考えてはならず、日本人は須らくそうした権威主義的パーソナリティーを持ち、集団を作るとそれを反映した構造にするのです。問題だとして、治すすべは全くありません。

反抗的生徒を「反社会」表記、市教委が適切な表記を例示へ
「今後教員に高い人権感覚を身につけさせる」
こういう感覚ではどのみち再発します。むしろ学校とは児童生徒の人権を制約する代わりに社会生活上有益な知識(経験とは敢えて書きません - 後述)を身につけさせる場であることを前提として、教員が児童生徒の人格を棄損するような行為だけはできない形を作り上げるべきです。この場合、学校や教員の役割を相当に限定することになるのは当然でしょう。広範な教育を均一に行おうとすれば、その無理が児童生徒への迫害、本来学校の中に限られるべき児童生徒への抑圧が父兄を巻き込んで全面化する状況を発生させます。学校で勉強ができないなんてお前馬鹿かと言われても学校の外に居る場所があることが重要なのに、父兄を巻き込んでの学校の行う教育への同一化を、しかも昨今の状況から見るに「自ら選ん」だという名目で押し付けられるのです。これは仕組みなのですから、感覚ではどうにもできません。学校教育としての「自由で多様な発達」とはそこに帰結するものなのです。これはむしろ廃止しなければならないと思います。
その代わり、最低限行うべき内容、つまり読み書き算盤は高度かつ確実に行う必要があります。現代日本語(言うなれば標準語)の読み書きはまあ、いいとして、高度というのは古典語の習得をも意味します。古典語とは、もちろん古代日本語のことではなく、ラテン語、漢文、サンスクリット語のことです。現代のlingua francaとして英語は必要でしょうし、ラテン語文献を読みこなす際に古典ギリシャ語も必要となるでしょうが、英文学など無用なのに比べて、この三言語は現代の文化や文明に直結する交差する文化の共通語として文明と文化の分厚い基盤を構成しています。これは古代日本語文献ですら漢語が引かれることからも明白で、ユーラシア大陸東部の共通語である漢文は古代日本語の表現などよりも、もちろん北京あたりの民衆語よりもよほど重要です。これは、古典ギリシャ語は文明や古典文化を理解する上で極めて重要だが現代ギリシャ語、特に民衆語は現地で商売をするのに便利な程度の価値しかない、中国語ができても漢文はなかなか読めないし書けないことと同じです。
こういった基礎的な教養基盤を義務教育期間中に身につけさせ、身につかない状態で義務教育を修了することを認めない、そして習熟した者の教育は高等教育機関(基本的には大学の一般教養課程以降であり、むしろそこを後期中等教育に、前期高等教育ないしは大学進学予備教育として前倒しする)に任せることが、適切でしょう。

■2022年12月10日（土）　 金で買える範囲であれば別にいいのではないかと
防衛省、「なりふり構わぬ」PR強化　若者向け演奏、パレードも
まあ、新兵のリクルートになりふり構わないのは米軍あたりでもある例ですからね。費用対効果が悪いとか特定の広告業者と癒着しているとか不正があるとかなら別ですが、隊員だって自衛隊という国家事業には必要である以上、事業としておかしいとは思いませんし、子供を騙して釣り上げているくらいならあっても仕方がないことで、それこそ悪徳不動産業者や悪徳金融業者と同じでリテラシーの問題でしょう。広告宣伝は信じるな、イメージ戦略で押し出してくる相手は信じるなと言えば済む話です。むしろそれで文化産業が潤うなら、国費の使い方としてけして否定はしにくいのではないでしょうか。反戦反自衛隊の広告塔になることを文化人として選べるのと同じく、自衛隊の広告塔になるのだってそれぞれの自由だと思いますし、選ばされるとすればそれは防衛省というよりは芸能事務所あたりの問題でしょう。それこそ国家として軍事技術の研究開発に組織単位で研究者を動員する枠組みを作るなどという話とは意味が違います。

■2022年12月10日（土）　 小国も含めて世界をせん滅できる核戦力の常備を
地球みんなで仲良くか、破滅してアメーバから始めるか　核使用に警鐘
個人的には人類が生きていけなくなる以外の結果は現実的でないと思いますし、むしろ他の問題も考えればアメーバどころか極限環境細菌かなにがしかのウイルスだけが「生き？」残るのすら人類がいるのよりましだと思います。この点で、核兵器は現在において整備が妥当な唯一の兵器であり、戦略核兵器の大量配備を全ての主権国家が行う以外の許容しうる軍備はありません。何かあったら(やったら)人類絶滅の綱渡りこそ抑制のきいた外交を生み出し、失敗すれば適切な安全側に事態が進むのです。逆に核は人類絶滅につながるから危険だ、管理せよと言ってきた結果が今の抑制された軍事力の行使を収拾できない国際社会であり、核抑止、核不拡散が各地で無暗に半端な被災者を生み出していると言って過言ではありません。

■2022年12月09日（金）　 そもそも首長にそんな権限があるのか？
いじめの対応、「教育の中立」はもう「害悪」？　内田良教授に聞く
「一方、介入されないことで子どもが危険にさらされるなら、「中立性」は害悪と思います。」
正直市町村の首長部局にそんな権限はなく、保護者か児相の管轄だと思います。役所はあくまでも保護者の便宜を図るために学校を整備しているだけです。便宜である以上有償では意味がないわけで、無償の義務教育は大前提と言えますが、一方で、保護者は学校が不適切な教育や児童生徒の取り扱いをしていると判断した場合子供に適切な普通教育を与えるよう行動し、子供を保護する義務があります。保護者の不適切な行動は児童相談所が対応することになるでしょう。
仮に介入を行うとすれば、少なくともその判断は首長ではなく議会の役割だと思います。市町村政の一切は原理的に市町村議会に責任があります。首長は議会の決定の執行を委ねられているにすぎません。中立性等の観点から首長部局から隔離されている行政執行部門への干渉も含めて、政治判断の権限は議会にありますし、そう運用されるべきです。

■2022年12月08日（木）　 投資減税ってなんで？
「異次元の投資減税」で新陳代謝を　サントリーHDの新浪剛史社長
サントリーの経営者に日本経済の現況を訊く必然性などないはずですが、朝日新聞の押しなんでしょうか。
新陳代謝と言うなら投資減税ではなく内部留保課税でしょう。とにかくため込んで積み上げているのが問題だというのですから、給料でも配当でもとにかく外に出してしまうわけです。企業はしっかり利益を上げて給料と配当を払い、投資家は得られた配当を新しい事業に投じ、役目を終えた事業は企業清算という形で退出していくのが経済の生産面での新陳代謝というものです。倒産する必要はなくて、ちゃんと債務を完済して残余資産を分配して会社を閉じるのでいいのです。難しいのは引当金の部分ですが、やはりこれが金融資産の固定化や企業財務の硬直化を招いている部分はあると思うので、少なくとも控除の適用範囲を狭めることはするべきなんでしょうね。その上で、会社がそのまま金を持ってると損になるような税制にするべきなのでしょう。

■2022年12月08日（木）　 偽装しているのは身元で職能ではないそうです
「偽装IT人材」を雇わないよう…韓国政府が企業に「注意報」
タイトルを見たときに、とうとう韓国でも、文学部や理学部の生物学やゴリゴリの地質学を出て入社後二か月くらい研修を受けただけのなんちゃってIT人材が出てきたのかと勘違いしました(記事としては偽装身分としてIT技術者を装った諜報員がいるという話です)。私が大学を卒業するころはそんなのがごろごろしていたわけですが、今はどうなんでしょうかね。そもそもIT技術なんて大学院出が捏ねる高度な理屈と丸暗記と定型手順だけの人工知能でもできる部分と小学生でも自学自習できるモノ作り部分とに分かれるわけですが、この人工知能でもできる部分を、業務知識があるとか顧客とのコミュニケーション能力と言って売り込むので、別にIT技術の部分はどうでもよかったわけです。エクセルだのジャバだの言っている部分は8割方この手合いという時期があったわけですが、技術オタクだけでなく経営管理系の人材が参入してきたという意味ではメリットもあったとは言えます。もっともいまだにIT技術が訳が分からないものとされるのもこの手合いに原因があるのではないかという気もするのですが。とにかくシュガーコーティングしたビルディングブロックで誤魔化せでは、責任なんか取れませんしね。

■2022年12月08日（木）　 12月8日は日本海軍がハワイを攻撃した日です
というわけで今年も、第一航空艦隊がハワイ空襲を成功させてしまった日がやってきました。もちろん、日本陸海軍が仏印(おおむね今のベトナム)からマレー半島へ、台湾などからフィリピン諸島へと侵攻を始め、香港を攻撃した日でもあります。この南方諸作戦については、いずれの方面もおおむね所期の目的を達成し、米英蘭三か国と周辺の関係国は向こう1年ほど立て直しに追われることになりました。一方で中華民国および中国共産党勢力とソヴィエト連邦は実質的に日本軍の侵攻圧力が減衰して得をしたことになります。ソヴィエト連邦など、日本とは中立条約により米英との仲介役としての立場を確立し、その上で米国を対独戦に引き込めてとてもうれしかったでしょう。

■2022年12月08日（木）　 2050年ごろの大型機界隈はどうなっているのやら
「最後のボーイング747」完成。アトラス航空へと出発
なんかターボジェット旅客機というと747系というかジャンボジェットなのが当たり前という世代なのですが、ずいぶんと前からアナウンスされていたとはいえ、とうとう最終機がロールアウトですか。シリーズ累計1574機というのは商用機の製造数としてもレコードではないかと思います。YF-11あたりよりよほどまっとうに評価できる機体ですので、将来、20年後か50年後かわかりませんが、一層の保存の機運が高まってくれるといいと思います。まともに大型機が作れるメーカーが減ってしまい、同系機の生産数は多くなる傾向がありますね。そもそも開発費も高騰していて、相当の数を同じ基本仕様で作らないと儲けが出ない状況ではあります。それでもさすがに1000機越えはなかなかないでしょう。四発機ということもあってなかなかお高い機体が競って買われた(逆に言えば運用すれば確実に儲けが見込めた)という点でも、エポックメーキングな機体です。
747はそもそも大型に設計されそう使う需要もあったので貨物や特殊用途も含めてコストパフォーマンスが良かったと思われますが、このレベルの大型機は昨今の需要動向に向かない、燃費も含めて運用コストが高く、この747が大型機が離発着できる空港の整備の機運を開いてきたとはいえ使える空港を選ぶ面があり、航続距離はともかく安上がりに運航できる中型機が求められる傾向があります。とはいえ特に貨物については、大きな荷物は大きな機体でないと運ぶことはできませんし、一回で大量の物資を運ぶ需要もやはりあると思います。大型の機体に強力な推力を与える設計が衰退してしまっては勿体ありません。今回ロールアウトした機体が退役するのは寿命をまっとうすれば2050年ごろではないかと思いますが、そのころに大型の代替機が普及品としてできているのかどうか、気になるところです。

■2022年12月07日（水）　 投資機会がなくなっているから問題なのでは？
「ばらまきより将来への投資を」　政権運営に対する企業トップの本音
投資と言うからにはなにがしかのリターンがないといけないわけですが、そもそも燃料費補助なり旅行支援なりにしても、ここで補助を行うことで将来のリターンを期待しているわけでしょう。逆に言えばこれこれの投資といっても半導体や表示装置のように結局赤字垂れ流しでまともな事業になっていない、挙句に派生的なリターンの獲得にも失敗しているようでは意味がありません。もちろん投資と称してローンを提供して、債権の切り捨てを多発させるようでも、投資としては意味がないわけです。
「将来への投資」を提唱する企業トップで、まともな将来への投資とやらを経営する事業においてできている方が何人いらっしゃるでしょうか。ほぼ全員、現在の事業を自転車操業的に維持するか、まともな投資のあてがないので投機で稼いでいるか、そんな類でしょう。自分ができていないことを他人に要求するのはいかがなものかと思います。

■2022年12月07日（水）　 そりゃ子供を作る気もないのに子供ができるようなことをする人は迷惑ですからね
婚外の性交渉は犯罪、インドネシア刑法改正　外国人観光客へも影響か
正直影響をちゃんとわかってやっているのであれば妥当ではないかと思いますけどね。
まず、当事者双方が子供を作って育てる意思のない性行為がまっとうなものだと思う人はあまりいないのではないかと思います。それを抑制できると思うかどうかはともかくとして、そのような行為に及ぶことは罪とは言わないまでも放埓で人間としての品性に欠けるものだ、仕方ないにしても褒められるべきものではないというのが、それこそ普通の感覚ではないでしょうか。結婚を当事者が子供を作って育てるための基盤整備、生まれる子供の父親をあらかじめ明白にする法的行為と考えるならば、少なくともそれなしに性行為に及ぶ男性は犯罪を犯していると考えることは不当とは言えないと思います。率直に言って、性行為なんてしなくても死にやしません。
とはいえ、もちろん性交渉の内容や結婚の定義によっては人権にかかわる問題を発生させる可能性はあります。宗教保守派主導という話はそのあたりでしょう。宗教保守派の考える結婚(それこそ日本で言えば保守派の言う民法および戸籍法上の婚姻手続によって成立した結婚)が前提の場合、それに該当しない関係性(例えばインドネシアの婚姻法制の下で行われた以外の結婚＝外国人や外国在住者の関わる結婚で成立している配偶関係)の下での誠実な性行為の結果犯罪認定される可能性はあるわけです。また同性間の性交渉が犯罪に該当するということもあり得ます。現地の法制度を認識していない観光客がカジュアルな犯罪を犯すことはよくありますが、夫婦でインドネシア旅行に来て盛り上がって性行為に及んだら逮捕され収監されたなんてこともあり得るわけですね。まあ、そういう場所であるということを知っていれば済むことだと思いますし、それはちゃんと宣伝して、性行為がしたい人はインドネシアに観光になど来ないようにと何かと、それこそ機内アナウンスでも入国手続でも言い張るなら、理不尽とは言えないでしょう。同性愛に対する不寛容はあまり感心できませんが、犯罪化の目的によっては、例えば同性間の性行為で子供ができて政府が扶養や支援を行うことになる可能性はないのだからそれは性交渉ではないという定義もあり得るわけです。そこを厳密に考えると体外受精は性行為と言えるのかという話にもなりそうですが。
また、こういう価値観を基盤に女性の行動を規制するのは確かに人権問題になりえます。行為に及んだ男性を検挙して処罰するのは、たとえそれが去勢であっても問題ないと思うのですが、そういう犯罪が起こらないように女性はこのように身を慎め、妻として母として家庭に籠っていろなんて話が出てくるときな臭くなります。
さらに一つ問題があって、この手の行為は法律で禁止したところで納得などけしてされず、見つからなければいいという発想や、そうした行為を保護して利益を得ようとする犯罪者の暗躍とそこにからむ権力の腐敗を必然的にもたらすということです。正直情けない話だと思いますし、人間の徳性などその程度だ、人間は道徳的な存在ではないのだとしか思えないのですが、例えば末端の取締官が非合法の売春事業や連れ込み宿事業について犯罪者と癒着するようなことは必ず起きるのです。そうやって特定の犯罪類型について癒着してしまえばそれ以外の犯罪についても癒着のハードルは低くなっていくわけで、そうやって無理をしているところから体制というのは腐っていくわけですし、その結果出来上がるのが事実上公然と闇社会が存在する状況です。正直これは、宗教保守派といえども理想とは反対の状況(もちろんそうやって私腹を肥やしたい宗教保守派もいそうな気はしますが、さすがに正面からそれが正しいとは言えないと思います)ではないかと思うのですが、どうなんですかね。
それともう一つ、正直結婚をあまりに神聖視してしまうと人口抑制を招く可能性があります。いわゆる男性の草食化ですね。もちろんインドネシアは人口増加が起きている状況だと思うので、むしろ草食化してほしいのかもしれませんが(もっともこれは宗教保守派には似つかわしくない考え方だと思いますが)、政策的な人口抑制をやった中国で今度は急速な高齢化が進んでいるという事例は、他のいわゆる先進国での人口減少の事例と合わせて考慮した方がいいのではないかという気はします。
ともあれそういう(それこそ同性愛者を迫害して一部の外国から顰蹙を買うことも含めて)デメリットを勘案したうえで、婚姻外の性交渉は禁止と言うなら、やってみればと言うしかないと思います。正当性はおそらく拮抗しているでしょう。

■2022年12月07日（水）　 健康づくりなら米ではなく豆です
「目標はベーシックイン“コメ”」妊婦に米10キロ、毎月プレゼント
これ、豆にならなかったんですかね？
米や麦、トウモロコシ、つまりイネ科の穀類は、そもそもがカロリーだけ過剰な不健康食品です。一応玄米相当と栄養素のバランスには配慮されているようですが、筋から言うなら豆だけ食べてるのが一番いいはずなんですがね。
ネタとしては十分ありです。本来は玄米ですが、米は通貨として用いられていた時期も長いですし、都市部では基幹的な食糧でした。その分色々と問題も引き起こしていますが、支給されて困る類のものではないでしょう。また穀類の支給も歴史上多数の例があります。妊婦だけなどと言わず、市民に一定量の米を支給する(世帯単位になるとは思いますので世帯構成と絡めて適正量ということになるでしょう)という政策は間違っているとは言えません。月一10 kgだと、それこそ単身の成人の適正量くらいでしょうか。
でもそれだけで生きていく前提なら豆の方がいいと思います。たんぱく質も豊富ですし。

■2022年12月07日（水）　 なんでもかんでも92℃でいいというわけではないはず
コーヒーが一番おいしい温度は？　UCCが最適解を実験　僅かな温度差でも違いが
コーヒーが最適な温度になる小技も紹介しています。
これはおそらく豆(ブレンドを含む品種、煎り具合、挽き具合)や、この管理の仕方だと抽出器の状態にもよります。
コーヒーをそこまで真面目に淹れる習慣は持ちませんが、例えばエスプレッソをはじめとするイタリアンコーヒーは淹れる際に蒸気でしっかり蒸しますし、その蒸気も加圧していたりするわけです。また高温で少量を一気に出すことをよしとする傾向があります。
茶の場合も、加工法を含めた茶葉の状態で適切な抽出温度は60℃台から98℃(技術的にこれ以上にすることは難しい)まで変わります。もちろん僅かな温度差で香りや味に違いが出る点は、この記事でのコーヒーと同じで、よくあるのは抹茶の湯加減を誤って渋みや苦みばかり出てしまうパターンですが、煎茶や紅茶でも渋くなったり香りが出なかったり飛んだりします。

■2022年12月06日（火）　 もう「想定外」は通じないと思う
急激な円安は「想定範囲を超えている」　企業のトップが懸念する影響
たしか1995年あたりとか2010年あたりとかにも円高の方で同じようなことを言っていた記憶があるのですが、ボラティリティーというのは高くも低くも振れるわけで、「想定範囲を超えている」などと言いだすのは経営者失格ではないでしょうか。対米ドル相場で言えば、50円から500円までは想定の範囲内であるべきです。長期的にはもちろん、為替相場に限らず相場というのは動くときには一気に動く傾向がありますので、一日で対米ドル円相場が200円くらい動くことも、もちろん乱高下も想定しておかないといけませんし、念頭に置いていた為替レートより上がったり下がったりした状態で年単位で固定することもあり得るわけです。

■2022年12月06日（火）　 潰れる、潰せる電力業者に向けて
東北電力と東京ガスが出資した新電力が破産
もちろんこれが起きるのが電力自由化というものであり、当然顧客も、電気なんて安定価格で安定供給されるものだなどと高をくくらず、取引先の経営状況まで見据えて調達していかないといけないのです。
とりあえず送電事業者は基本的に地域一系統なので、法律的な仕組みさえ上手に作れば複数の給電事業者から上手に電気を買うような形を作れる気はします。やはり個別的リスクへの正統的な対応は分散ですから。これと数日程度のレベルの電気のへそくりができるというのが、自由化へのまっとうな対応ではあるでしょう。

■2022年12月06日（火）　 引きずってどうするよ
ドラッガーやバフェットも重視した──炎上から会社を守るのに大切な「考え」とは
人間過つものです。でもそのために、例え機械的で人間向きではない作業であってもチェックをする。何なら機械に任せる。それがビジネスのルールでしょう。それがなんですか。「ドラッガー」ですよ？ピーター・ドラッカーは通俗的ビジネス論ではよく引かれる俗流コミュニタリアンにして仮面性全体主義の広告塔で、この手の文脈で意味もなく出てくることに何の不思議もありません。とはいえそうであれば間違いなく引くべきであり、名前を間違えることなどあってはならないのです。ですからまずドラッカーと読んで見え方が違うのに気づき、もしかしてドラッガーというなんかコミュニケーション問題を扱った論客がいるのか、聞き覚えがないなと思ったのです。もちろん一生懸命その手の本を読み漁っているなんてことはありませんので、知らない論客というのはたくさんいます。幸いにして、本のタイトルと出版社でだいたい第二種の誤りは避けられますので、むしろアマゾンでのリコメンドが、ふーん、最近こういう論客がいるのか、と知るいいきっかけになっていますし、往々にして帯に書いてある以上のことは書いていないので、読む必要もありません。でもそれにしても似過ぎているなと思って本文を読んだら「ドラッカー」でした。
内容は内容として(べつにナイヨーなんて言いませんよ)、この手の問題は記事の品質についての重大な疑念を引き起こします。そんなうっかりさんが書いた記事などまともなはずがない、そう思ってしまいますし、一応読んでみても粗が見えるのはともかくとして粗ばかりが目立ってしまいます。理屈に合ったことを言っている部分はプラスに評価したいわけですから、それでは困るのです。「倫理観、道徳観、社会的規範やマナー、公序良俗意識、誠実さなど、法令や規則で定められたものではないが、社会から求められるルール全般。」などと書いておきながら名前を間違え、しかも間違えるだけならまだしも記事として曝された時点で気づいていないというのは、この書いたことに照らしてどうなのでしょうか。
Dragger, What?

■2022年12月05日（月）　 これこそ体育だ
60�舛硫拱�で50�訴盥圈▲悒咾猟翰�も…陸自で最も過酷な訓練とは
これが本当の「体育」だと思います。学校教育における体育は、この方向に進めるべきで、半分遊びの集団活動訓練は全廃するべきです。
もちろん60 kgを携行するのは体を壊す恐れがありますので、弁当と水込みで20 kgか30 kgでよいでしょうし、野生動物を捕獲して食用にしながら50 km踏破はそもそも普通教育とは言えませんので、30 kmを上限にするべきだとは思います。これならごく普通に9時間もあれば歩ききれます。当然年齢や修得状況によって加減もされるべきでしょう。
しかし、重い荷物を担いでそれなりの距離を歩くというのは、人間が自分の体を使って行う行動の基本です。漢字の手書きの暗記や暗算が必要ならこれだって必要でしょう。ボールを正確に遠くに投げられたところで機械の代わりにしかなりませんが、身の回りの必要なものを携行して長距離を踏破できなければ、場合によっては命に関わります。どこにでもガソリンスタンドがあって営業しているわけではありません。もちろん軽装でのハイキングやツーリングは経路上にサポートサービスがあることが前提です。一日分の水2リットルに昼食で3 kg、貴重品や着替えなども入れれば携行重量は10 kg程度には簡単になります。ですから相当の災害があっても無人圏にはならないであろう100 kmを無補給踏破するとして携行重量は40から50 kgになるはずです。これができるのが成人の理想であり、高校までの体育は本来これを目標とするべきだと思います。しかし、さすがに40 kgは重いですし、100 km歩かせるとなると学校の負担が大きすぎます。そもそも無補給と言っても無休憩ではないわけで、無補給で二日以上行動できる携行重量で一日(歩行時間8時間なり)ちゃんと歩けるというのを、標準的な目標とするのが妥当でしょう。もちろん優の成績をつけるなら高校生で50 kg・100 km無補給踏破基準であるべきだと思いますが。一応確認しておけば、食料現地調達なんてことは言いませんので、ゴミが残るにしても携行重量は減っていきます。50 kg・100 km無補給踏破であれば、最初の50 kgが最後には10 kg以下に減るはずです。もっとも命をつなぐ傾向物が減っていく、これがなくなって目的地に到達していなければ飢えるという心細さも本来経験するべきことですが、さすがにそこまでスパルタンにならなくてもいいでしょう。

■2022年12月05日（月）　 そもそも大学で初等の外国語習得を行うのが間違っている
東海大で授業ストライキ　語学講師ら「無期転換」など求める
まあ、処遇の問題はともかくとして、語学の大学での地位が知れるというものです。
現代知識人として外国語の二つや三つ読み書きできないのがまずいのは当然ですが、一方で語学、特に一般教養での語学というのは、研究室をかまえるほどの表芸とはみなされていないわけです。これでは教育機関性が強い私学ならなおさら、常勤正規教員で賄おうとは思えないでしょう。正直この部分は、現行の教育制度の欠陥だと思います。
大学の一般教養課程を廃止し、すべて高校に移行しましょう。当然高校で第二外国語、できれば第三外国語まで学ぶことになります。新制大学の理念を部分的に廃止することになりますし、下手をすると高校によって履修できない内容があり受験できない大学学部ができるという形につながりかねませんが、そもそもラテン語も漢文もまじめにやっていない時点で日本の高校教育は一般教養として間違っているのであり、少なくとも大学進学を進路の前提にする高校は、高等教育の予備校としての語学(＋数学、基礎的研究技能(情報を含む)＋進路別のオプション)学校に戻るべきでしょう。フランス語とドイツ語の大学教授(講師)枠が減るのは抵抗があるかもしれませんが、語学を高校の表芸に持ってくれば高校教員の枠は増えるはずです。できれば高校教員の公務への拘束を緩め、授業だけやっていればよいようにするべきだとは思いますが、そうならないとしても「語学教員は常勤のみ」と制度的に決めてしまえば身分は安定するでしょう。高校レベルの語学は大した研鑽は必要ない(何しろ語学の専門家でなく外国文学、日本文学を専攻した人が外国語教師や国語教師をやっている: 言っておきますが、英語学と英文学は学問として全くの別物です)わけですから、余った時間で外国文学の研究でも余芸の追及と学生競技団体の指導でもやればいいわけです。

■2022年12月05日（月）　 キャリアの端末供給こそ禁止を
単体販売の“1円スマホ”にも割引規制を　4キャリアが有識者会議で提案
キャリアの端末供給こそ禁止するべきではないでしょうか。
「なぜ」1円スマホがまずいのか。過当競争になるからではありませんよ。財務の強靭性に勝るキャリア(と端末メーカー)の独占を後押ししかねないからです。逆に言えば、独立系のショップが売るのであれば、自店で回線を買うおまけに端末をつけたって問題ないのです。そこのところを読み替えて、割引が良くないなどというのは、日本のキャリアは寡占や独占を疑われたことになんの反省もしてないでしょう。
むしろ店がキャリアに組織されている方が問題なので、キャリアの端末供給を禁止する方が適切でしょう。キャリア独自の機能なんてものは基地局網とソフトウェアで実装すれば済むことです。サービスはMVNOが売っていればいいことなのであって、キャリアは土管を公平に提供していればいいのです。

■2022年12月05日（月）　 大学ってなんだっけ
「出世払い」奨学金に期待と懸念　大学ファンドには格差拡大不安
まあ、何をどこまで考えてそういう仕組みを考案したかということなんですよね。
今時大学で習う程度のことはいくらでも本が出ているわけで、その本を読める程度に意欲のある人であれば、自分限りで実践するうえで大学教育というのは必要ありません。
一方で高等教育を受けるうえで期待されるエトスというのはもちろんあって、むしろこちらが教育効果を計る上での基準でありうるでしょう。関心を持ち、調べて、考えて、他人が納得できるように説明する(ちなみにこの場合、大学教授の役割はその説明はおかしいとかそれでは納得できないと突っ込むこと、そして調べて考える基礎になる情報を示すことです)というエトスです。もう一つ、希少なものを適切な手続の下で手配して利用するというエトスもあり、その場にあるものだけでできることをするのではなく、こういうものがあればこういうことができます、つきましてはこれこれの費用を研究室の運営費から出してくださいと研究室の経営に責任を持っている教授に説明して、出してもらったお金をこういう風に使いましたと報告するようなエトスですね。もちろん、教授や大学の図書館や他所の研究者やコレクターの収蔵する貴重な資料(試料)を調べさせてもらうというのもこれです。もっとも実は大学教授でもこれを好き好む人というのは少数派ではないでしょうか。合理的な経営や適切な手続など考えたくもなく、経理など笊で済むならその方がいい、貴重品も金で買ってきて好きにできるならその方がいいと思っている人がほとんどのはずですし、もしかすると貴重な資料から最大の成果を上げられるのは自分なのだから自分に献上されるのが正しいと思っている人もいるかもしれません。そういう意味では、大学で教育を受ける際に、いわゆる卒業研究の絡みでそういうエトスを身につける機会が必ずある(大学教員がまっとうな教育をしていれば、ですが)とはいえ、いささか不向きな人たちを教育の任に就けているという嫌いはあります。とはいえこういったエトスは上層ノンマニュアル職において期待されるエトスですので、給料を払うだけの価値があると思える労働がなべて上層ノンマニュアル労働、言い換えれば課題解決型の仕事になっている以上は大学教育というのは高等技術教育と比べても必要ではあります。付言すれば、大学というのは本来上層ノンマニュアル職を育成する機関でした。ただしこの道は険しく、そこでドロップアウトした人が糊口をしのぐのが文法教師と算術教師(今でいえば小学校と中学校の先生)なのです。もっとも俗語を用いた小学校低学年レベルの教育は大学教育(高等教育)の対象外であり、近代初期まで教師と言えば本来は古典語(東アジアと東南アジアでは漢文、ヨーロッパとアメリカ大陸ではラテン語)と算術を教えるものです。古典教育と世俗教育の制度に関わる事情は、フランス革命以降第一帝政あたりまでの教育政策を見るとわかるでしょう。
その意味での問題は、新制大学という仕組みが上層ノンマニュアル労働者の量産に失敗してきたことだけです。日本では戦前からの流れで上層マニュアル労働者を量産してしまい、雇う側に上層ノンマニュアル職の運用のノウハウがないこともあって、習った分の知識はあるけど創造性にも課題解決の意欲にも欠ける融通の利くロボットが大卒として蔓延することになりました。雇う側に雇うノウハウがないということは、新卒では職もそうそうないのです(典型的な新卒採用は国家公務員一種ですね)。上層マニュアル職として一定の経験を積んだうえで昇進を狙うか、もとから上層ノンマニュアル職が前提の業界を狙うかのどちらかになります。後者がエリート公務員や本来の会社の総合職、高校や大学の教員やランクの高い独立系研究機関(シンクタンクもそう)の研究職、そして弁護士(会計士や税理士は違いますし、日本においては医師や医療関係職も違います)なのですが、会社の総合職は内部採用に傾いた結果上層マニュアル職がOJTによって上層ノンマニュアル職兼管理職になるシステムとなり、高校教員は高校教育の普及の結果上層マニュアル職になりました。見ればわかりますが、残った職は普通は量産するような職ではありません。それ以外の分野ではOJTにばかりかまけてきた結果上層ノンマニュアル職を育成運用するノウハウも体系化されないままで、職能ではなく個々の(獲得するメリットの大きい)ポストとして散在する形になってしまっています。
正直これではいくら大学的高等教育を受ける機会を整備してもそれに見合う職がなくもったいないだけですので、いわゆる学校教育としては大学は外した方が良い気がしますし、上層ノンマニュアル労働者を養成する大学への就学に制度的奨学金を適用することもやめるべきでしょう。もちろん上層マニュアル職を養成する高等教育は必要ですので、現行の制度的大学は原則としてこちらに転換するしかありません。この場合大学院は全て実務大学院にすることになります。これならとにかく知識を詰め込んで就職する、それを前提にローン(＝奨学金)で就学し10年程度で返済するという枠組みに適うでしょう。このレベルで下っ端研究員なら十分養成できますから、大学教員以外の研究職の養成はこちらで十分です。上層ノンマニュアル職を養成する高等教育機関は、一度大学という枠を外したうえで、入学に専攻分野での一定の実務経験を要求するあたりかと思います。一方大学教員を含めた上層マニュアル職や上層ノンマニュアル職を養成するための人材、あるいは自由気ままに成果を上げさせておく系の人材の養成は、正直徒弟制度にしてしまっていいのではないかと思います。つまり学校ではなく、現役のその手の教員や研究者の助手をしながら実績を積み上げていく形で、資格として考えるなら大学教員のハビリテーションということになるでしょう。

■2022年12月04日（日）　 そもそも投資のリターンが売買差益だという発想がおかしい
金融所得課税の強化、投資促進策に「逆メッセージ」　木原官房副長官
証券売却益だけに課税するなら全く問題ないと思うのですが。促進するのは投資であって、証券取引市場での鞘取りではないでしょう。もちろん課税に際して買い付け価格の控除は認めるべきではありません。証券1枚を2万円で売ったら2000円の税金を払うといった形であるべきです。投資促進は売買活性化とは別であり、むしろ長期保有して企業活動に適切な規律を与えつつ十分な資本を供給することで経営を安定させることが望ましいはずです。これは投資信託証券でも同じで、基本的には満期まで、あるいは永久に保有して運用の成果である利子を受け取ってくれるのが望ましいのです。市場で売られるというのは、マネージャーや発行主体としては運用にダメ出しされたということに他なりません。
もちろん保有者側の事情で売られることはあり得ますし、その時に売買がある程度ないと困るとか、売ってダメ出しをしてくれないと株価が企業の状況の評価につながらないという話はあるわけですが、少なくとも市場での証券売買を「投資」と呼ぶのはできればやめてほしいものです。それでは資産を事業に投じるのではなくて、資産をゲーセンでメダルを買うために発行機に投げこむようなイメージになってしまいます。

■2022年12月03日（土）　 平時に補正予算なんか組みませんがね
「弱者に手厚く」のはずが水ぶくれ　補正予算、平時への移行ほど遠く
適切に手厚くできるわけがないので水膨れするのは仕方ないと思います。その意味で、「のはずが」という受け方は認識を間違えているでしょう。また補正予算というのは当初予算と想定が変わったから組むものなので、平時に組まれるものではありませんね。当初予算の中で移行措置を組めて初めて平時への移行が見通せるものでしょう。政府が頑張ればすぐに平時に戻せるのだという固定観念があるのだと思います。
財政制度等審議会などというものはそれこそ新自由主義的レガシーに過ぎず、財政均衡と財政規模の縮小を提言するしか能がない集団ですから、財務省の役人からの政策提言と合わせて当面無視しておけばいいものです。むしろ経費節約のために開催を休止するとよいでしょう。もちろん事務局としても予算ゼロ、むしろ事務局職員と審議会委員の持ち出しが望ましいと言えます。もっとも審議会自体基本的に省庁の政策提言を正当化するための機構でしかないので、正直少しでも支出を減らすために制度としては全廃すべきではありますね。なくしたところでさして節約にならないとはいえ、確実に成果が出る小さいところから始めるのも大事ではあります。もちろん有識者が手弁当で勝手に集まって提言をまとめる分には自由かつ忠良というものでしょう - 今時の有識者では程度の低いものしか出てこないので意味があるかどうかは別ですが。どのみちパブコメの段階で見識のある人(公人として見識をひけらかすことを仕事にしてはいないので有識者ではない)からあほかとけちょんけちょんに貶されるのがオチの提言なのですから、審議会が出そうと省庁やその部局が出そうと変わりはありません。
もちろん財政支出自体に文句があるのであれば、それこそ執行時は大臣のポケットマネーから支出し、決算の議決をもって適切と判定した支出について清算しろとでも言っていればいいわけで - もちろん信用については比類のない大臣の皆さんですから、金融機関は低い利率で融資してくれるはずですが、まあ、口先だけでまともに給料を貰ってるやつが財政支出に文句を言うもんじゃない、とりあえず取引先の販売店に折り込み広告収入の状況でも聞いてろという感じです。

■2022年12月03日（土）　 日本でコンパクトシティーはあり得ない
こばやしたけし　「地方都市の駅前はなぜ賑わわない？」シリーズ
なかなか面白いんですが、最後の「撤退戦」はいただけません。というか、戦線縮小自体は正しいのですが、日本の場合撤退した先に問題が出ます。つまり、撤退した先がもたないのですね。
コンパクトシティー自体は政治家や政策評論家が欧州から輸入してきた概念ですが、日本の輸入系政策に共通して、そもそもヨーロッパと日本は違うという点を見落としています。これは日本は神国だからキリスト教国とは違うとか日本は農業社会であり狩猟社会であるヨーロッパとは違うなどという話ではなく、生活圏自体が全く違うのです。
日本でも班田制、荘園制や名制のころはそうでしたし、中国も20世紀の初めまではその傾向がありましたが、ヨーロッパの集落というのは日本の基準からすると小さな町に見えます。これは、農民すら居住区画に集住し、そこから農地に出勤していたためです。日本の場合江戸時代以降自作農が所有する農地の一角に独立家屋を設けるようになり、さらに明治期以降の農村自治の解体と占領期の農地改革によって促進され、今日見られる田んぼの中に家屋が点在している農村風景が出来上がりました。日本の場合、むしろ漁村に集住の傾向が見られ、実際現代の地方中小都市の多くは漁村を起源にしています。まあ、そもそも中世においては漁村と水運拠点が都市であり、江戸時代の江戸中心の文化論やそれをさらに曲解した明治の都市制度論を前提にするとそこを見誤るなんて議論もありますね。ともあれ、明治以降の日本の農村は職住一体の分散居住の形態になりました。これは農民の住むところに都市はないということです。
これはつまり、コンパクトシティー構想が農村切り捨てに直結するということです。農民が集住して農地に出勤する形態であれば集住地(集落)にリソースを集中することができるのですが、日本の農村は分散居住であるため、リソースを集中できる都市から農地に通うことができません。もちろん新たに集住地を整備することも不可能です。なにしろ近代化の過程で農村人口が数少ない都市に移動してしまっており、今さら集住してもリソースを支える人口が不足するのです。せっかくニュータウンにマイホームを、もしかすると二世代ローンで買った人(藤堂さんのご両親とか)の扱いも問題ですが、それ以前に、農村で子育てができない、農村に高齢者が住めないという問題が発生するのです。大開拓時代のアメリカ合衆国でもあるまいし、コンパクト化した都市で少年期を過ごし、成人したら農村で農業をして、引退したらまた都市に戻るなんてライフサイクルをどうやったら実現できると言うのでしょうか。こんな前提を置かれたら、おそらく農業に進む人は、農業労働者(つまり成人したところで労働者として農業地域に赴任し、引退したら都市に住んで年金を貰う)としてすらいなくなります。なにしろ働いている間子育てができません。まあ、15歳で赴任して30歳で勇退して都市で結婚して子育てをするとでも言うなら別かもしれませんが、農業労働で30歳で勇退するような処遇を提供できるかがそもそも問題です。自宅の近所の学校に子供を通わせ子供が成人したらマイホームをローンごと市に押し付けて公営住宅に夫婦で住めばいい都市的産業に従事する賃労働者とは違うのです。
また鉄道駅前がにぎわったというのは、確かに物流の拠点になったということもありますが、むしろ都市の外(都市内には鉄道駅や線路を置くスペースはなかった)であったために新しい商売を始めたり外来者が定住したりし易かったためです。それこそヨーロッパでも鉄道駅が中心になる構造は希で、集落の中心になる広場(その広場に面して役場や教会がある)と鉄道駅との間には距離があるのが普通です。ケルンは大聖堂のド真ん前に中央駅があるのですが、これは例外であり、ミラノのように中央駅と旧市街＝18世紀以前の都市の間に数キロ程度の距離があるのが普通です。旧市街の直径など2 kmもあれば大きい方ですから、駅が都市の外に置かれ、そこに駅を目当ての新住民が集まったというのが駅前市街地の形成過程です。明治維新以前からの歴史がある日本の都市もこの形です。
これと違うのが日本の明治以降の「ニュータウン」と蝦夷地(現北海道)の政治都市です。前者は例えば東急が肝入りで作った自由が丘や田園調布を初めとして、鉄道を使って通勤するサラリーマンや経営者を住民として想定した田園都市が鉄道駅を中心として整備され、日用品を商う商店街が駅前にできます。後者はそれこそ札幌で、開拓のための物資の搬入拠点、兼軍隊の行動拠点としての鉄道駅を中心に行政庁が配置され、都市になっていきます。北海道の都市というのは基本的にこれで、それだけに全土に散らばり、鉄道駅を中心とした構造になっています。この鉄道駅中心の都市構造が自動車中心に転換するのが地価の高騰により鉄道の敷設が難しくなった1980年以降であり、無理矢理鉄道を引いたところなどいまだに初期投資の負債を払うため高額の運賃を取っていたりします。こうした地域は、コンパクトシティー構想においてはむしろ切り捨て対象です。ニュータウンの問題点はむしろ、経済的に自立していないことでしょう。外部で賃金を稼得する住民が利用する最寄りの大都市のおこぼれに預かった商業施設しかないため、住民が現役を引退して年金暮らしになってしまうと破綻します。このあたりが切り捨てられてしまう由縁です。
一方政治都市の方も、そもそも広域物流の集散地であることが前提の都市であるため、周辺が衰退すると一緒に衰退してしまいます。つまりコンパクト化が自分の首を絞めるのです。そして日本の都市は、旧市街のある都市も含めてすべてこの問題を抱えています。都市周辺地域だけでは都市の需要や産業を賄えず、コンパクト化して辺縁部が衰退すると都市がもろともに衰退してしまうのです。おそらく残るのは東京だけ、もはや京都はもちろん大阪や名古屋すらもコンパクト化しては生き残れないでしょう。
それなのに「コンパクトシティーで市政の効率化を」などと唱える似非都市計画家は、とりあえずニュータウンを更地にして巨大なメガソーラーならぬメガ野菜工場でも作るべきでしょう。都市的生活のリソースを都市に集約するということは、現在の農漁村がなくなるということです。農漁村から食料が入ってこないことには都市は成り立ちません。せめて田んぼの真ん中に集住地がある構造なら農業を持続できるのですが、日本にそんなものはない以上、コンパクト化した都市の縁辺部に農業生産地区を整備するしかありません。人口に比べて農地が少ない構成になりますから、野菜工場にして単位面積当たりの生産性を上げるしかないのです。都市への人口集中がここまで過剰でなかったらなんとかできたんでしょうけどね。米(や麦、トウモロコシなどイネ科の作物)はおそらく作れなくなっていくので、主食は芋になるでしょう。あるいは田植えのころに田んぼのある職場に出ていき、刈り入れが終わると都市の家に帰ってくる農業労働者によって米作を確保する形はあり得るかもしれません。残念ながら牧畜は衰退します。なにしろ牧畜都市などというものをいまさら整備できないため、通年での飼育ができなくなります。食用家畜は春に買い入れた家畜を秋に屠殺解体する形もあり得ますが、そもそも繁殖業の方が成り立たなくなるため、牛や豚などの大動物は持続性がなくなります。ウサギや鶏のような小動物を都市近郊で飼育し食肉として供給する形になるでしょう。このような状況になる以上地場の食材の供給は崩壊し、特徴のある食文化や産物などというものは消滅します。つまりはアトラクションを除き観光が崩壊することになります。アトラクションは相当の資本を投下しない限り持続不可能ですから、これを基盤にしたコンパクトシティー構想は成り立ちません。
おそらく解があるとすれば、それは都市自体を解体する方向ではないかと思います。現在の10万人、100万人といった人口の都市にリソースを集約するのではなく、数万人単位の集住地に分散してしまうのです。直径2 kmの範囲内に例えば3万人が住む都市であれば、徒歩圏で商業地区の一つくらいは維持できるでしょう。当然数十万人を集客するような大規模商業施設は許されません。都市の経済的自立性を維持するということもありますが、そもそもそんな規模の商業施設が徒歩圏にあるものではなく、コンパクトシティー構想としては害悪です。商品も中型以上のトラックで搬入することになるため、後述の都市構造と矛盾します。商業の生産性が悪くなるため物価は上がりますし、集積性が低くなるため商品のバリエーションは貧しくなりますが、基本的な生活物資の流通は都市内、あるいは県レベルの広域流通圏内で完結できるでしょう。物価相応の生産性を確保できないと都市として衰退しますが、それができている限りはバリエーションは全国レベル、あるいはグローバルな通信販売で補完できます。都市の構造は、直径1 kmほどの中心部の商業・都市政府地区、ここは自動車進入禁止になり、完全な徒歩エリアになりますが、夜間のみ電動貨物車両の通行を認めます。もちろん商業施設の商品搬入のためです。直径1 kmでは自転車すら不要でしょう。その周囲に住宅区域が広がり、その一部は都市間バスターミナルになります。だいたい1時間も歩けば都市間交通にアクセスができるわけですから、鉄道駅中心の田園都市と同程度の条件でしょう。住宅区域の外側に生産地区が広がり、ここは都市外となります。これは農業もここで展開されるからですが、おおむね都市中心から5 km圏内で都市民による生産が行われます。通勤時間は片道徒歩1時間程度。住宅区域と生産地区は自動車が使えますから、実質的には通勤時間は10分程度と思われます。子供と老人は中心部にある学校や文化施設、医療機関に徒歩で向かいます。隣の都市までの距離は中心間の距離でおおむね10 km程度。徒歩三時間というところですが、都市間バスで30分まではかからないでしょう。鉄道駅のある基幹都市まで都市間バスで1時間以内、もっとも鉄道駅は郊外というか生産地区にあり、都市の規模は他と同程度、単に駅と貨物ターミナル、広域行政拠点があるだけです。もっとも各都市に出先が置かれ、手続問題で基幹都市まで出向く必要はないようにするべきですね。集約するとすればまず高度医療になります。おおむね20万人につき1つの有床高度医療機関が置かれ、各都市の窓口医療機関と連携します。運営は広域経済圏の医師を母体とする理事会が行うべきでしょう。医療機関自体が自立するべきではありません。高等教育機関も集約の対象になりますが、これはむしろ特定の都市の産業とするべきでしょう。つまり学生アパートと教職員の家が中心の都市が一つできるわけです。人口3〜5万人というと大学一つ分くらいであり、生産地区は大学などの敷地となります。つまり位置関係によっては隣の都市の生産地区の方が近い状況になるわけですが、おそらく都市内交通機関の整備状況の関係でその都市の住宅地区に住む人が大半でしょう。20万人の経済圏の中で大学生と職業訓練学校の学生が3万人はあり得ないので、高等教育機関についてはより広い範囲での集約となります。つまり「大学」がない広域経済圏というのもできるわけです。実務教育機関についてはシンクタンクも兼ねて各広域経済圏に一つはあることが望ましいとは思います。
とまあ、コンパクトシティーを真面目にやる気なら、この程度のことは考えないといけないでしょう。もっとも日本では実現不可能だと思いますが。政令市あたりを中核にしようとする旧大平派の構想など正直小学生の自由研究にも劣ります。

■2022年12月03日（土）　 さすがに開戦責任に問われるような制度は御免だとクーデターを起こす自衛官はいないと思いますが
敵基地攻撃、戸惑う現場　「攻撃着手」どう判断？　誤れば国際法違反
国際法違反などという生易しいものではなく、戦争犯罪、それも平和に対する罪なわけですが。
現場が戸惑うのは当たり前のことで、そもそも制服組はそういう政治的判断を下し責任を負う立場ではありません。文民統制である以上それは当然のことです。国際法上の制約も含めて、もはや平和状態ではないという判断はただ政治家たる文民のみがなしうるものです。それは制度次第で国会かもしれませんし内閣や内閣総理大臣かもしれませんが、実戦部隊を預かる将や将補ではあり得ませんし、ましてやそれより下位の幹部でもありえません。ただ制度の定めるところにより国家方針を決定する任についた文民(の合議体)が、自衛権の発動を決定し、その結果A級戦犯として絞首刑になる資格があるのです。それ以外の者が判断すれば、戦犯以前に国家反逆罪というか刑法の七十七条か九十三条なり九十四条違反です。
また、判断の材料も決定的なものは提供できないという意味で、そんなことを言われても困ると言わざるを得ません。なにしろこの国が日本に対する攻撃に着手しましたなどと言って責任は取れないわけですから、こういう情報で攻撃着手が疑われますと言うしかないわけです。文字通り首をかけてそれを判断するのは政治家でしょう。あまり使用人をいじめるものではありません。余計な法律のせいで自衛隊が上から下までブラック職場になったなどとは言われたくはないでしょうに。
ちゃんと、内閣総理大臣の命令一下(あるいは時間的余裕があるとするなら国会の開戦の議決をもって)日本国は敵国を大量破壊兵器でせん滅しますと決めるものです。自衛権を正当化しうる以上、それだって相当の蓋然性をもって顕在化するだろう潜在的な脅威に対する自衛でしょう。そしてその結果発生する道義的責任は内閣総理大臣(国会が決めるならその時点の、あるいは戦争が相当期間に及んだ場合戦中に就任した人を含む全国会議員 - 反対した人も)が全面的に引き受けますという形しか、日本の国土への攻撃を「予防」する自衛的制度は作りようがありません。もっとも、せん滅され国家を崩壊させられた敵国民が内閣総理大臣を八つ裂きにするくらいで満足してくれるとは思えませんが。
それとも、秘書がやりましたと同じように、部下がやりましたという制度にする気なのでしょうか。まあ、国家公務員などやっている方が悪いわけですが、これではさすがに日本国などというものに関わる気が失せてくるというものです。
本来負うべきでない責任を押し付けられたとクーデターを起こすほど今の自衛官は過激ではないと思いますが、正直まともな人なら昇進を避けて一佐あたりで退官するんじゃないですかね。残るのがそもそも判断の責任を自覚しない軍事馬鹿というのではさすがに困るわけですが、それはある意味自業自得なわけです。もうちょっと自衛官の処遇をちゃんと考えられるとよいのですが。

■2022年12月03日（土）　 Twitterが失敗したからと言って大人が嘘つきであることは変わらない
デジタル時代の「公共性」とは　ツイッター買収で明らかになった課題
正直あの動きを「逆流」と評価すること自体が、たとえ正しいとしても偏見であって、マスク氏の主張から言えば、自由な言論が正しい事実を選択するということになるはずです。もし逆流呼ばわりするなら、言論の正しさは言論の自由と別個に存在すると言わざるを得ず、すなわち言論の自由は人権ではないと主張することになります。どちらかと言えば著者はマスク氏は言論の自由に名を借りて衆愚政的扇動政治を目論んでいるということになるのだとは思いますが、むしろその主張こそ、ファシズムの時代、あるいはそこで批判された言論エリート主義への退行でしょう。その意味で、少なくとも個人的には、Twitterの検閲制度は不適切であると言わざるを得ません。
公共性を云々するなら、自由な言論の下でどうやって公共を担保しうるかを問題にすべきで、何か公共性というものが実在し、それに即して個々の言説を検査しうるという発想は時代遅れであるうえに危険思想です。もちろん言論空間というものが特に雄弁術に対して脆弱であることは前提にしなければなりませんが、その意味ではTwitterというか「民衆の声」自体が - 正直そんなものは幻想でしかないとは思いますが - デジタルとか何とかいう前に公共性を持たないものです。マスク氏はある意味、Twitterをそのような元の姿に戻そうとしているだけのことですし、Twitter自体は広場での口げんか同様構造的にどうやってもそれ以外のものにはなれません。アメリカ合衆国でのテレビ選挙同様、自由な言論というのは今のところああいうものなのです。ついでに言えば、デジタルを紙に戻せばどうにかなるものでは全くないことは、こういう愚見を公表する人物が紙に公的な報道として持論を書いている時点で明らかです。むしろラジオの登場と識字率の向上をもって言論に基づく民主主義は滅びたとでも言う方が適切でしょう。それでも地球人類は、言論の自由以外に社会の歪みを告発する道具を持たないわけですが。
20世紀の半ばにおいてすらすでに古色蒼然と言うしかなかった「公共性」(事実上20世紀の倫理哲学は失効した公共性を定義しなおそうとし、あるいはそれに代わる概念を生み出そうとした失敗の山と言えます)をお題目として唱えるしか能のない文系がオールドメディアの利益擁護と出版エリートの復権を叫ぶのは見苦しいものです。

残酷動画を消す「掃除人」とは　ツイッター買収で問われるSNS管理
コンテンツモデレーションなどないのが、少なくともTwitterの正しい姿です。
もちろんコンテンツモデレーションを前提にするSNSもあっていいわけで、Twitterが普及したとはいえそうでなければならないとは言えない、むしろないからこそ普及したというだけなんですがね。
一方で何をアゴラとみなすかというのは問題ではあるのですが、正直SNSがそれかと言われると、肯定はできません。そのように理解することも可能だというのがいいところです。本来アゴラで発言することに資格も制約もありません。政務官選挙のような都市の公式行事でも行われていれば別でしょうが、通りがかりの外国人がいきなり叫び始めても、それこそ甕の傍らで自慰行為を始めても顔をしかめるだけというのが本来のアゴラです。英国式のクラブならともかく、コーヒーハウスやアジテーションカフェも、常連以外お断り、一見さんは紹介状持参のことなどとは言わなかったはずです。まあ、どう見ても警察官や国王の諜報員に見えるとか、そうであることが露見したとなれば叩き出されるくらいはあったかもしれませんが、相当ハードルの低いマナーを守る限りは出入り自由というものだったはずですし、まして、そこに出向かなくなるのだって自由だったはずです。SNSはそういうものでしょうか？私にはむしろ、禁酒法時代の米国の会員制の酒場と宣伝郵便物の複合体に見えるのですが。
そして、理念としてはともかく、「公共広場」とは常に、公開ではあってもデマや扇動、卑猥な言動、いやがらせ、私刑行為が跋扈する場でした。だからこそ事実ではあっても政治的常識に反する内容の主張も受け入れられたのです。それを憂いて規制するのは、むしろそのような公共広場で不穏な反政府的言動が行き交うのを禁止したい権力の側でした。その妥協点として、例えば傍聴人の目の前で判事というモデレーターの下で整然と主張と問答を繰り広げる法廷のような仕組みが発達したわけで、確かにあれも本来公共広場で行われたものではありますが、それは公共広場の一つのモードでしかないのです。
仮に偏向した大衆宣伝行為への対抗策であってもモデレーションを主張する方は、自分が権力の側に立っていないか、権力に阿ることになっていないか、むしろ厳しく自己検査するべきでしょう。
コーヒーハウスやアジテーションカフェ、サークルはその意味では会員制クラブと公共広場の境界に位置するもので、場に忖度しないと疎外されうるという点では閉鎖的であり、だからこそ場の規律を保った議論の習慣を育てる場となったとは言えるでしょう。話題をずらさないというのもそうですし、場にそぐわない話題を出さない、場にそぐわない表現をしないというのもそうです。だからこそそこからアカデミーや会員制クラブが派生していくわけで、現代で言えば前衛音楽好みが集う喫茶店とロマン派原理主義者やバロック愛好家が集う喫茶店とは共存し難いでしょう。もちろんポピュラーミュージックでは、ヒップホップとパンクとメタルはそれぞれ別の拠点を確立しています。モデレートされた場というのはそういうものであり、それぞれに偏向しているのがむしろ当然なのです。Twitterなどそれがフォローによる個人の絡まり合いとして多数の場を作り上げてきたものなので、それをトゥルースならまだしも一般論としてファクトだポライトネスだというのは、何かおかしくありませんか？

■2022年12月03日（土）　 まず学校と教員が少女趣味的な理想を放棄するべきではないか
「ツーブロック禁止」「靴下は白」…細かすぎる校則、なぜ？　欧米は
そもそも教員、生徒ともに議論し合意する能力に欠けるのだと思います。相互に納得できる形でルールを成立させることができず、もちろん教員には生徒に学校で穏健な服装をして学ぶ意義を納得させる能力もありません。この結果、生徒は教員の主張する枠組みをかいくぐることに精力を傾け、教員は抜け穴をふさぐために詳細な規定を作り順守させることに注力することになります。
もっとも能力などというものが都合の良い方向に変わることに期待するのはナンセンスというものですが、少なくとも積極的に対応するべきなのが学校と教員であることは間違いないでしょう。まずは妙な理想像を諦めることから始めてみてはどうでしょうか。学校で死守するべきことは何でしょうか。授業中の治安であり、校内で教職員も生徒も安全に授業を実施しそれを受ける状況を確保することです。教師の尊厳でもなければ見栄えのいい、あるいは望ましい態度に終始する生徒でもありません。具体的な授業妨害については、教師は断固として対応せざるを得ませんし、学校はそれを支援する義務があります。ただしそれは生活指導的な間接的手法であってはならず、妨害行為それ自体を排除する強権の発動と、発動に対する責任の引き受けでなければなりません。その意味で、生徒を卒業させることは学校の責任ではありません。それはむしろ、一定レベルの普通教育の修了の確保と読み替えれば教育行政の責任です。

■2022年12月03日（土）　 補助金は筋が良くないのは確かですが、エコノミストの好む魔法はさらに筋が良くないことは結論が出ていますからね
エネルギー補助金、国民は助からない？見つめたい日本経済の真の実力
単純に賃金を上げろと言うのは簡単ですし、それこそ強制するのだって簡単ではあるわけですが、「構造的に賃金が上昇するような仕組みや環境を整える」というのは非常に難しいと思います。もちろん構造的という言葉の意味にもよるので、例えば通貨量を年率50パーセントで増やしていけばまず確実に賃金は上がるでしょう。とはいえさすがにこんな意味で言っているとは思えません。通貨の増大に即して物価も上がると考えるのが普通であり、むしろこの30年物価が上がらなかったことの方が変なわけです。
とはいえ、少なくとも光熱費や燃料費については、この30年のデフレ期間が同時にエネルギー価格の低い時期でもあったという点で、むしろ問題を作っていると思います。その意味でエネルギー補助金というかエネルギー価格公定制というのは一定の効果を持ちうるように思います。家計が緊縮した場合、そもそも必要な支出を残して支出を切り捨てていくわけですから、家計の構成が硬直化すると考えます(この点は価格構造とも共通します)。そこで光熱費のような必需品の価格が上昇ないしは乱高下した場合、家計はその構成を変更して価格変動に追従することが困難です。この点で、政策的に燃料やエネルギーの小売価格を固定してしまうというのは家計を安定させ世情の不安を鎮静化するうえでメリットがありますし、税を財源として行うことは国民経済における価格構造の変化を価格の外部で、つまり痛みの少ない形で行うことになります(もちろん課税される分家計における税負担や価格構造における税負担は増えると考えるべきでしょう)。原理的には家計にしろ価格にしろ弾力性があるべきなのですが、それこそ賃金上昇(あるいは経済拡大)がないと調整をやりにくいと言っている時点で家計(価格)構造が硬直していると言っているわけで、少なくとも相当の蓋然性をもって賃金が上がる構造というのはインフレーション以外ないわけですから、ないものねだりの経済構造改革などに期待するよりは硬直性が悪影響を及ぼさないようにする方がましかと思います。
もちろん、固定価格制にしろ補助金にしろ好ましくない作用はあります。コストを制度的に外側に括り出してしまうだけに、価格構造を市場価格に対して歪ませてしまいますし、調達価格が変動した場合国家財政という本来年単位で硬直した枠組みの中で対応する羽目になり、不効率にしろ政治的な混乱にしろ容易に発生させてしまうことになります。本来は、家計に弾力性があることが望ましい、この点は否定できないわけですが、そもそもその弾力性を期待できない、弾力性を回復させるには家計収入を増加させるという魔法が必要とされるのである以上、現実問題としての対処にはあてになるわけもない魔法以外の方法、脆弱な部分にリスクを押し付けない方法を選ぶ必要があると思います。

■2022年12月02日（金）　 何だったのかと言われれば財政政策だったのではないかと
マイナカード予算に2兆円超、事実上義務化で「一体何だったのか？」
もちろん広告屋さんとその裾野、および決済事業者とその裾野を救うための財政政策です。それで助かった業者やその従業員、タレントは決して少なくないはずです。政策支出としてはそれで十分正当でしょう。
もっとも、ここでしびれを切らして実力行使に転じるというのは確かにだったら最初からそうしろよという話ではあり、まじめに普及を考えていたのだとすれば無能無策の誹りは免れないとは思います。もちろん、反対派の「嘘つき！」という非難に抗弁することもできません。もっともマイナンバー制度なりマイナンバーカードなりのデメリットはむしろ反対派をしのぐための妥協によって生じているので、ごめんなさい、嘘をついていました、ちゃんと機能を発揮させるために反対論を無視して強行しますと言うなら、ある意味間違ってはいない気もします。とにかく印鑑と委任状の代わりにマイナンバーカードを持っていればいいというならそれはそれでメリットはあるわけですから。

■2022年12月02日（金）　 ケチな経済政策をするから資産マニアの資産評価額が上がるだけでしょう
金融緩和で株高、上昇する不動産価格　所得よりも広がる「資産格差」
それこそ国債をどんどん発行して政府事業をすればよいだけだと思いますけど？経済対策を金融緩和に頼って財政出動をいい加減にしていたから、内需が発生せず、回収できそうに見える地域に投資が集中して不動産価格が上がり、あるいは株式市場に資金が溢れて株価が上がっているわけでしょう。単純に投資の収縮による市場の機能不全であり、注ぎ込んだ資金を民間が使うだろうなどと楽観していた無能の結果です。内閣官邸の庭に穴を掘っては埋め戻す事業を発注すればいいのではないでしょうか。これなら稼いだ金を金融資産にしてしまう大手ゼネコンに発注する必要はなく、せいぜい土建屋の社長とその家族が無駄遣いして消費に回るレベルにとどまると思いますが。

■2022年12月02日（金）　 スーパーのある所に引っ越せばいいだけでしょう？
「スーパーがない」悩む住民を救え　観光客向け道の駅で始まった実験
あほらしいというか、各世帯が計画的に、三か月に一回トラック単位の買い物を発注すればいいだけなんですけどね。何を向こう一年くらいの間にどの程度使うかなど普通の人ならわかってしかるべきですし、記事で出ているものは消耗品と言っても保存に堪えないものではありませんから、庭に倉庫でも建てて詰め込んでおけばいいわけです。金額がまとまれば色々買い揃えてトラックを1台出してくれる商社など県庁所在地であれば必ずあります。その意味で、現代日本において買い物難民など発生しようがありません。発生するのは、自転車操業の無計画な買い物その日暮らし民だけです。
もっとも流通を集約すること自体は間違ってはいないでしょう。善意の道の駅とやらがモノポリーになるだけのことです。店舗単位ですらモノポリーによる経営確保ができないのであれば、流通自体を集約して運送手段を確保できる業者が万屋を開業するしかありません。それすらも正常な商業流通に乗らないというのは問題ではありますし、その理由が例えば元気な人は自家用車で買い物に行くからだというならそもそも救済措置を講じる方向を間違っていると思いますが(買い物弱者とやらを移住させてしまうべきでしょう)、商売として成り立つのであればしたっていいわけです。もっとも道の駅事業自体が財務的に落ち込めばどうしようもありませんけどね。

■2022年12月02日（金）　 人類は本質的に自滅的社会主義者なのかもしれない
マスク氏とツイッター、買えること自体をどう考える　憲法学者の問い
少なくとも株式会社であれば買えない方が問題だと思います。買えない、買いきれないということは、株主が経営者を掣肘できないということです。株主が経営者を規律するというのは株式会社の大前提なのですから、一握りの有力株主が経営者と対峙し経営者を含めた使用人の勝手を押さえ込み、株主にとって適切な経営をさせるというのがむしろ当然なのです。
その意味で、買えること自体を問題にするならばそれは例えば三公社の民営化を違憲と断じることです。大きすぎて買えないというのは経済上の支障でしかありませんが、インフラだから買えない、買わせられないなどという事業を会社法上の会社にしておくのは、そのような事業のコントロールを失うという意味で社会的な支障でしょう。
一方で富の偏在という問題は確かにあります。それがあるがために、例えばマスク氏も、Twitterを公的インフラとして、善意をもって所有しコントロールするという態度を取らざるを得ません。自分の金で買って何が悪いとは言えず、コントロールが必要なのに他にできる人、する人がいないから自分が私財を投じてコントロールするのだと正当化せざるを得ないのです。

■2022年12月02日（金）　 間の抜けたコメントがあったものです
電子カルテ失われ、この患者「誰やねん」　「記憶喪失」に陥った病院
「電子カルテが作動しなければ、診察はおろか収入も絶たれ、経営危機に発展する恐れがある。いわば、病院の生命線と言える。」
そんなことはわかり切っていて、そもそも紙のカルテだって整理の不備で支障が出るとか探すのに時間がかかって診療が遅延するといったことはあったのです。むしろ失われないように頻繁にバックアップを取り、あるいは業務妨害行為で棄損される可能性があるならその手が及ばないようにするというのが当然です。電算処理を進めてきた金融機関なら普通にやってきたことですし、ノウハウも蓄積されています。もちろん金融機関が間抜けなことをした例も少なくありません。例えば外部の干渉から絶対に遮断しなければならない機材をつなぐネットワークは外部から隔離するというのはごく当たり前のことで、医療機関のように日常的なデータのやり取りが基本的に院内で閉じているなら、むしろ院外につながるネットワークと院内で閉じたネットワークを別系統で用意し、閉じたネットワークに外部からのデータを送り込む場合に厳重な手続を経る、データを取り出す場合もうっかりデータを送り込んでしまわないように気を付けるというのはむしろ普通のことなのです。
その当たり前のことを疎かにしておいて生命線だなんだと言うのは大変不見識で、それこそ医療機関としては医療政策の面から押し付けられたにせよ知らない、専門外だでは済まず、病院経営陣レベルなら切腹してお詫びするべき粗忽さです。出入り業者が安全だと言ったとかわからないから任せたなどと言うのも論外で、自分たちで納得できるまで何をするのか、提案が妥当なのかを調べないといけないのです。それが止まってはいけないものを扱う立場としての責任です。
もちろん末端の医師であっても医療を背負う者として無関心では済まず、医師免許が更新制であったとすれば更新不合格となるべき不見識です。

■2022年12月01日（木）　 実は役人が馬鹿になってるのは世界的な傾向か？
バールの小袋砂糖、ホテルのアメニティグッズも廃止。欧州連合の包装に関する新規則とは
「規制法と現行のEC指令2001/11法令第51/2004号の矛盾点に大きな違和感を感じる。」
この感想はよくわかります。個人的にも、衛生管理上個別包装を全廃できるとは全く思えません。もちろん70年前はそんなものなしで世の中が回っていたわけですが、ならばスーパーで店員に頼むと指定量の肉を切り分けてラップに包んで寄越すなどという話が出てくるとも思えないというか、少なくともスーパーマーケットとかセルフサービスの飲食店というのは相当変わることになるでしょう。その意味では、別に砂糖を入れた瓶をポケットに入れて持ち歩き、カッフェが出たらおもむろに蓋を開けてさらさらと適量を入れたっていいと言えばいいし、砂糖までバリスタが入れて出してくるのでもいいのですが。でもまあ、人件費がかかるような対応ではコストは上がるでしょうね。
どうもEUの指令はいくつかの分野でどうにもエキセントリックな印象を受けます。エキセントリックなだけならまだいいのですが、分野を跨って考える必要のある - つまり衛生的な環境で個別包装で密閉する方法論と個別包装規制のような - 話を十分な調査や調整なしに出してきていないでしょうか。それこそGAFA規制などもその嫌いを感じます。もっともそれは日本の役所も変わらないか、むしろ考えなしか消極的に過ぎるか、どちらかの意味でより酷いのですが。

■2022年12月01日（木）　 解散させて根絶やしにしないと余計まずそうだけどそれをやった場合さらにまずい前例を作ることになりそうで嫌
「反社会的集団だから潰せ」でいいのか　解散命令への政治学者の疑問
いいとは全く思えないのです。
とはいえ実害が出ていることも明らかで、個人なら矯正の余地もあるでしょうが、団体では行いが改まるなどと期待する方が間違っているでしょう。有害な団体というのはやはりあると言わざるを得ません。
もっとも、解散命令を出し法的に解散させて終わりというのは問題があって、解散させるまでに有害な団体というのは、戦前の共産主義者以上に徹底的に構成員個人のレベルで対応する必要があります。主張を全面的に撤回する形で転向させ、しない者には極刑を厭うべきではありません。殉教を称えるものがいなくなるまでやるのです。根絶やしが基本です。そうでなければ、また別の団体を結成して同じことをやります。それこそ江戸時代のカトリック禁教政策すら隠れキリシタンの存続を許しているのです。有害な団体という認定とは、その程度には秋霜烈日のごときものでなければなりません。正直テミスを称してそこまでやる資格が誰にあるのかという問題はあるのですが、やるならば全力をもって徹底してやらないと禍根を残します。
まあ、結社の自由との兼ね合いはあるのですが、さすがに内心の自由と同等に尊重すべき人権とまでは主張できない気がします。
なんというか特高警察の復活まで出て来そうな話で、正直、だから変なことはやらないでくれよと団体を作りたがる人には言いたいくらいです。ムーブメントを起こすのは楽しいのかもしれませんが、極端なリアクションを引き出してしまうと色々問題が残ります。平和と民主主義と公序良俗の敵なんて指弾は、言いたくありません。どうにかならないものかと思うのですよね。

「ヤクザはETC使うな」高速道で規制強化へ　組幹部は「徹底抗戦」
こういうのを見ると、やはり、それは公正な処遇を逸してるよな、恣意的な村八分だよな、市場の原理とは相反するよなとは思うわけです。まあ、本質的に市場ではないので恣意的に利用希望者を排除すること自体が犯罪的だとは言えないのですが、だったらどうして高速道路の経営を民営化したのでしょうか。競争的環境の下で経営の規律と効率化をという話だったはずで、それならこういう場合でも、ヤクザでも構わないからみんなで利用してくださいという高速道路が並立しないとおかしいと思います。原理的にそれが無理だ、自然独占だというのなら、そもそも利用制限をかけることに問題があるでしょう。金さえ払えば他のことについては問われることなく使えるというのは、貨幣経済や市場経済の大原則ではないでしょうか。

■2022年12月01日（木）　 省エネ節水輸出拡大の絶好のチャンスではないですか
「日本は稼げない」逃げ出す人材　黒田日銀10年、行き着いた超円安
1ドル150円のどこが超円安か、1950年と比べれば超円高じゃないかというのはともかくとして、せっかく円安なのですし、日本に稼ぎに来るような人には他所に行っていただいて、日本にいて他所から稼いでこれる人を優遇するべきでしょうね。円安ということは節約して輸出すればそれだけ儲かるわけで、実に日本で実証されたモデルに合った状況ではないでしょうか。むしろ自国通貨が対ドル価値を維持している海外の製品の方が値上げを余儀なくされるので、国内で製造コストを下げさえすれば価格競争力が出るわけです。どんなに製造コストを下げても円高で台無しになるという状況ではないのです。人手不足などと言っていないで、現有の労働の生産性を高めるべきでしょうし、それに資する製品を持っていれば国内で中国あたりに邪魔されずに売れる可能性があります。

■2022年12月01日（木）　 本質的に会員組織だという時点で公共インフラではない
東浩紀さんが語るツイッター限界論　無料サービスで「言論は死ぬ」
そもそもマスク氏が依拠しているであろう70年代ヒッピー系のリバータリアニズムでも、公共サービスを私企業のモノポリーが担うことは想定されていなかったと思います。そもそもあの手の制度論では株式会社や財団法人のようなもの(株式や財)を主体とした団体は主体扱いされず、あらゆる事業は基本的に社団として発想され、むしろモノポリー化した段階で仕組みとして社会に組み込まれ、その仕組みの部分に非拘束的に不特定多数が関与していくという発想だったと思いますが、その楽観性や事業組織の不定形性(そもそも団体を定義することを嫌うのもそのあたりの発想)は一部のオープンソース開発組織の基本理念になっていますね。「教祖」は始めた人として権威をもってそこにいますが、例え「教祖」と言えども決定を強制できません。
どういう趣旨でこういうタイトルをつけたのかわかりませんが、東氏の趣旨としては任意団体が普遍的共有部分としてのプラットフォームを運営することを問題としているのだと思います。ですからツイッターが限界なのは無料サービスだからでもそれが営利企業によって提供されているからでもなく、サービスそのものとしてThe one and onlyになろうとしたからということになるでしょう。この種のリバータリアン的なプラットフォームとしては例えばマストドンがあり、これなど十分に普及しさえすれば社会的システムになりえるはずですが、そもそも普及の段階で問題を抱えています。
もちろん、「ツイッターを公共インフラと見なすこと自体が間違い」というのは全面的に正しく、ツイッターはいわば会員制のクラブに過ぎません。そして本来会員制のクラブであれば会員が運営の決定権を握りますが、ツイッターは何とも現代的に、「事務局」つまり日常的にクラブの運営を実施する組織が全権を握っています。その意味で、そこを流れるコンテンツについては規制を行わないというのもある種のバランス感覚でしょう。例えば会社がゴルフ場を運営して「会員」(登録利用者)を集めているのに近いモデルです。本来クラブはある趣旨の下で人が集まって会員組織を作り、その機関として事務局が組織され、物理的な場所や設備が確保されるものなのですが、なんとも官僚制的に、そこが転倒しています。

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