日記

■2021年12月30日(木)  現代組織論に被れた三百代言人
「お友達内閣」は役立たず 久保利英明弁護士が訴える真のガバナンス
正確には、株主を始めとした利害関係者の代表として取締役会なり監査役会なりが社長をはじめとした事業実施部門をコントロールすることです。だれの利益を代表しているのかというのは、どのようにコントロールをするのかということに関わってくるので、重要です。
コーポ―レートガバナンスの場合、株主が他人である経営者や被用者に事業の運営を委託します。株主集団自身が事業を経営する場合は、ガバナンスは被用者をどう規制するかという問題に限定されます。会社法に言う人的会社、持ち分会社です。実態としては、株式会社の相当部分もそうでしょう。問題は、株式が分散して所有と経営が分離した大規模株式会社、つまり物的会社です。ここで、久保利氏の言う「ガバナンス」、つまり執行機関と監督機関の分離と後者による前者のコントロールが問題になります。もちろん現代においては会社の利害関係者はより多様化していると考えられていますが、その多様化の反映は取締役会の編成理念に留まり、制度としては取締役を指名するのは株主総会です。ですからコーポレートガバナンスとは、指名選任を通して株主集団にコントロールされた取締役会による経営執行職員のコントロールということに、人的にはなります。本来コントロールする対象は経営執行職員ではなく事業の運営そのものですけどね。こうした仕組みは相互の監査が可能な形になっていますが、久保利氏の言う「真のガバナンス」、つまり善管注意義務に即した取締役会による経営執行職員のコントロールを実現しなければならない、とは、制度的にはどこにも書かれていません。それで取締役に勝手をされて損をするのは株主だからです。経営執行職員の上位者が取締役候補を提案しようが、取締役会がお友達同士だろうが、組織としては株式会社は健全です。逆にガバナンスが適切に実施された状態であっても、適切な経営方針の策定に失敗すれば、会社は経営はもちろん組織としても不健全な状態になりえます。ガバナンスの実現は、債権者や株主、その他利害関係者から責任を問われた場合に取締役や経営執行職員がある程度免責される条件に過ぎません。法律屋は往々にして制度の実現と制度の理念の実現を混同しますが、コンプライアンスはまだしもコーポレートガバナンスなどこのいい例に堕していると思います。
そして、お友達内閣も、仕組みとしては全く問題ありません。むしろお友達同士で物事が進めやすい、お互い何をしたいか、どういうときにどういうことをするか分かった間柄でチームを組んでいる方が良いとすら言えます。その上で、粗相をやったときにそれ以上内閣が勝手をすることを防ぐために、議員として個人を選出し、衆議院が内閣の承認の権限を持ち、衆議院議員を最長4年に一回総選挙するという仕組みになっています。その意味では、国政のガバナンスの肝は国会にあるのです。国務大臣など、内閣総理大臣の子分で一向に問題ありません。国会が拒否しない限り、閣僚を選任する権限は内閣総理大臣にあります。そして官僚組織を含めてとにかくやれで済むかどうかは、ガバナンスというよりはコンプライアンスの問題になります。内閣総理大臣を含めて責任というのは取れないわけですから、国会の制定した法律を誠実に執行する、責任は有権者自身が負い、衆議院議員を落選させるかどうかという形で補償するというのが、国政におけるコンプライアンスとガバナンスです。それをチェックアンドバランスこそがガバナンスだなどと言い出したら、議院内閣制自体が不適切な制度と言わなければなりません。内閣は国会議員以外から国会が指名し、採決や議事運営には加われないような形にでもしないと、チェックアンドバランスは機能しません。

■2021年12月30日(木)  猿の専門家に人間を問う発想はいい加減にしてはどうか
「人間は越境する動物」 ゴリラ先生が語る自然環境の「境界」
野外や大動物飼育設備での生物観察を旨としてこられた方がこういうことを言うのはわかるのですが、考える存在としての人間にとって境界が極めて制度的なものであるという認識も必要だと思います。英雄の帰属についての観念にしても、日本人は日本人という観念的な制度に基づきます。米国を中心に活動しているのだから米国の英雄だという観念と、出自が日本だから日本の英雄だという観念は、両立しますし、それを一意に決めるとすれば本人の位置付け程度でしょうし、英雄として扱われる分にはメリットが多いわけですから、どちらにもいい顔をして帰属するという面を見せておいた方が個人としては得で、社会評論家風情がどうこう言う筋合いではありません。英雄崇拝も含めてみっともないとは思いますけどね。またボーダーレスにすればよいと言ったところで、競技へのエントランスの部分が極めてテリトリアルです。地域的な、あるいはナショナルな競技団体、競技者団体という仕組みがあって、国家の保護を受けて、その上でショースポーツが成り立っている状況があるのですから、ボーダーレスと唱えるだけではすまないと思います。学問にしろ運動競技にしろ、個人のそれこそ趣味的なものとしてやっている限りはボーダーレスでもいいのですが、事業とか公益と言い始めると、現在の制度の中ではテリトリアルでナショナルなものにならざるを得ません。おらが国の英雄だろうとおらが町の英雄であろうと、メンタリティとしては変わりません。
また保護に関しては、自然保護思想、自然共感思想の浸透の中で失ってきた状況のコントロールという発想を、再度持ち込むべきでしょう。境界を設定して尊重を求めるのではなく、あえて人間中心主義的にコントロールし、その上で物として保護を図るということです。この人間中心主義的コントロールは、天然ボケではなく、あくまでも意図的、意識的なものでないといけません。共感や同情ではなく、もちろん万物の霊長などという架空なる信念に基づくものでもなく、人間が生存圏を確保する上での便宜として人間の利益を最大限重視する、自覚のある傲慢としての人間中心主義的コントロールです。利益衡量の結果意図的な絶滅すら認める、それが自分の利益のために可能性を断つことを認識する、人間中心主義的コントロールです。

■2021年12月29日(水)  そもそもTSMC案件は誘致であって支援とは言えない
再びの半導体支援「うまくいかない」 元エルピーダ社長坂本さん
他にも指摘している評論家がいますけれども、こういうことではないでしょうか。もちろんTSMCとしては失敗させるつもりはないし、それなりにうまく経営を進める見通しを持っていると思いますが、それが「日の丸半導体」には全くつながらない点は、明らかです。
その上で、資金額も少なければ出資の筋も悪く、需要規模も小さく、せいぜいが日本政府が出資分を損金処理して地元も思ったより高賃金雇用が増えず、サプライヤーもユーザーも軽く扱われ、TSMCの独り勝ちで終わるのでしょう。

かつては世界をリードした日本の半導体 復活に「10兆円は必要」
何をもって復活とするのかにもよりますが、10兆円で足りますかね?「復活に10年かける覚悟で取り組み、10兆円は必要だ。TSMCを中心に技術的な基盤をつくり、日本が遅れている(演算処理する)ロジック半導体に本腰を入れる必要がある。」という見方自体は納得できますが、そもそも売れるものを売れる値段で作れるのでしょうか。東京エレクトロンなら商社ですから、何がいくらなら売れるのかということには敏感ではないかと思いますが、製造技術がないと始まらないにせよ、製造コストが高いとそもそも需要を開拓できません。後半5年で軌道に乗せるどころか、最先端のものを作れはするが、ロケットと同じでいつまでたっても輸血が必要ということになりそうな気がします。

■2021年12月28日(火)  仕事をさせない方が犯罪的だ
「高卒」と偽り採用された市職員4人を停職処分 「安定した職に…」
下らない話ですね。1995年と言えば30年近く前です。経歴詐称にしても時効もいいところですし、気にするならちゃんと調べなかったことの方に問題があります。もちろん、おそらく高卒・短大卒の枠を確保するための善意でしょうけど、そういう馬鹿げた枠をはめたことが一番の問題で、採用試験で高卒・短大卒と大卒で大卒が有利になるなら、そういう採用試験で決める仕事は大卒にやらせた方がいい仕事だということでしょう。逆に大卒の受験を禁止するくらいなら、大卒との間に差がつかないような試験にすればよいことです。絞り込むために差を付けたいなら、他の成績が同等の場合卒業年次が最近の方を採用するとでもあらかじめ公表しておけばいいことです。職業選択の自由が裸足で逃げ出します。それを通報を受け付けるなど、規則を利用したハラスメントではないでしょうか。そんな下らない昔の規則違反で勤務態度の悪くない職員を停職一か月など人的資源運用上の無駄です。

■2021年12月27日(月)  堕ちてますね
JR東海「落ち度なかった」 リニア工事、2人死傷事故で
なにかと発注者責任が取りざたされているご時世にこういうことを言われても困惑してしまいます。そもそも安全基準を達成できない業者に発注してしまった時点で落ち度があるのです。それが孫請けだろうとひ孫請けだろうと同じことで、そんな相手に請け負わせるような、チェーンを管理できない相手に発注した責任は問われるものです。スーパーマーケットや家電量販店で売り切りの商品を特売で買った消費者みたいに、売っているから買った、買い手に責任はないなどと主張するのは恥ずかしいと思います。

■2021年12月27日(月)  趣味性の高い玄人志向に暴走してどうするんだか
ガソリン最期の日まで走り続けるのはロードスターかジムニーか
それまでにメーカーごと消滅するに一票。
というか、ロードスターとジムニーを買ってどうするんでしょうか、この人は。そんな余裕があるなら特大でも買ったらいいでしょうに。

■2021年12月27日(月)  経営再建の肝は採用抑制にある気がしますが
ANA、23年度入社の新卒採用を再開 「客室乗務職」は見送り
いや、それこそ期末債務ゼロ経営に達するまでは新卒だけでなく採用は禁止した方がいいと思うんですけど。人を余らせた挙句にファミレスがホールスタッフのアルバイトを扱うような行為に及んだことは、忘れようにも忘れられません。

■2021年12月26日(日)  為替リスクが高いのに外国債を買う馬鹿などいない
国家の信用にあぐらをかく日本 統計のウソに市場はいつか牙をむく
それはそうだと思いますが、そもそもその「市場」の方がよほど嘘つきです。昨今の株式市場など、官製市場以前に仕手市場でしょう。国債金利や償還計画を偽ったとでもいうならともかく、経済統計ですから、「市場」の反応は日本経済の先行きを懸念して海外資本市場に逃避するか国債に逃避することになるはずです。ギリシャのように、代替投資対象があるために国債が暴落した例と比較することは難しいと思います。暴落するのは株式市場と外国為替市場です。また国民経済が政府によって信用を失った場合、おそらく国レベルの市場制度からの逃避が発生します。その方向性は地域への逃避と貨幣からの逃避、そして外国への逃避です。市場が牙をむくというよりは、市場が崩壊すると思います。経済屋ならともかく、政治学者であるなら安易に「市場」などと括るべきではありませんし、ギリシャのようなユーロで強国とカップリングされた従属経済と独自通貨によって他の経済圏とデカップリングされた日本経済を一緒にするのもおかしいと思います。まして同じ現象が起きるなどとは言えません。せいぜいが輸入品価格の高騰程度でしょう。円安によってエネルギー価格や資源価格は高騰するわけですし、それによって経済も収縮しますが、いわゆる国家財政破綻は仕組みとして起こらないと思います。貨幣を用いた取引におけるインフレーションと物々交換への縮退は、もちろん国家経済としては破滅的ではあるのですが。

■2021年12月25日(土)  侮蔑すべき相手を侮蔑しても問題とは言えない
岸田文雄とは何者か
「「究極の機会主義者(オポチュニスト)」だ」
この評価は肯定しますが、機会主義者が問題を起こすとすれば、その原因の半分はそのような機会を作った状況にもあると思います。
むしろ思想だ学術だといった、これまでほとんど成果を上げてこなかった側に依拠することの方が問題でしょう。あえて言えば、社会科学はケインズをもって発達を止めています。自然科学は官学複合体を形成し、それによってどうにでもなると政官からの侮蔑を招いています。人文科学に至っては評価すべき点がありません。なにがしかの成果を上げたとすれば工学と医学だけで、これらが学問の範疇から外れた存在であることは言うまでもありません。人文教養をベースに社会思想とやらが練り上げたユートピアベースの理想論をどうこう言われても、説得力のかけらもありません。

■2021年12月25日(土)  定年ではなくエイジズムや一元的評価観の問題
日本の定年は「若者の進出阻害」 年齢差別ない米国 中内教授の忠告
もちろん定年などないに越したことはありません。アメリカのように、業績を上げられる人は死ぬまで現役、そして早期引退やその後の再参入の道もあることが望ましいでしょう。また年齢が関係ないという広範な合意が成り立っている仕事であれば、何歳だろうと実績を上げれば就けることも望ましいと思います。ついでに言えば、どこの大学も金太郎飴のように似たような選抜基準で一定の年齢層をスライスするような制度もろくでもありません。それだけの学力を身に着けているのであれば、大学入学資格試験を受けて認定された希望者は年齢に関わらず受け入れ、高卒までの資格は通信制で取るような形であってしかるべきです。大学と学校を一緒にしないで欲しいものです。新卒一斉採用もそうで、労働組合や公共職業案内所の登録ならまだしも、採用されたら卒業など待たずできるだけ早く赴任するべきですし、鬼が笑うような時期に採用予約をした挙句に破約するのも論外です。履修も完了していないのに卒業見込みなどという制度は全面禁止してしかるべきです。
ただし、アメリカにしてもエイジズムが皆無なわけではありません。例えば連邦議員になるには、下院は25歳以上、上院は30歳以上でないといけません。また連邦軍への志願も、年齢制限があります。農業以外の肉体労働については少年労働が規制されています。
定年がどうこうというよりも、日本の制度は、労働と知的専門職とそれ以外の職をごちゃまぜにしてしまったことに問題があると思います。未成年を公務員にすることには問題がありますし、少年の労働には規制があってしかるべきです。また定年はともかく、しかるべき任期を定めることが適切な職もあります。公務員や公開株式会社の経営管理職のような体も頭も大して使わない職は任期を定め、一定以上の重任を規制するべきでしょう。オーナー経営者でもなく更新時の評価も厳しくないのですから、借りた椅子に座っている人は適当なところで降ろすべきです。一方で、弁護士や公認会計士、医師、大学教授、研究職、教師、報道を含む調査業のような知的専門職は、任期はまだしも任用年齢制限や定年や重任禁止は似合いません。これらは極めて属人性が高く、一方で能力と他の要素が相関しないものです。年齢的には子供でも、むしろ迅速にその任に堪える学識を備えることで、将来におけるさらに高度な達成が見込まれ、また高齢であっても能力が衰えるとは限らない、年齢を積み重ねて洗練を極める例もあるものです。もちろん、子供だから適性があるとは限らないのと同様に一定の年齢だからといって適性があるわけでもありません。そのあたりをごちゃごちゃにして、みんな勤労の義務を果たすサラリーマンになっているから、定年制は良くないなどという程度のことしか気づけず、居座り防止のために定年を小さくすることくらいしか提言できない無能者が幅を利かせているのです。工場労働者や下級事務職員を個別的に解雇するなど恥ずべきことですし、一方で下級事務員を社内教育で管理職に昇進させるのも間違っています。誰でもできて差のつけようがない職について無理に差を見つけようなどというのは馬鹿げていますし、一方で管理職をすると言うならポストの応募にアプライする、ポストに任用される条件として設定された資格を自ら取得して将来の応募に備える程度の積極性は持っていてしかるべきです。大学院に進学しようという者が今時統計学くらい知らないでは済まないのと同じことです。

■2021年12月25日(土)  外国人だって税金は払っている
外国人投票権、NYで可決のワケ 推進市議「代表なくして課税なし」
結局こういう話で、租税を取る以上代表選出に与ることは当然という論理を否定することは困難だと思います。もちろん、課税はしない、その代わり参政権も与えないというのも手ではあるでしょうが、それは日本人の稼得コストが在日外国人に比べて増大することと同義です。
法人課税は、個人課税の漏れを源泉で回収するという形で正当化されているので、会社だって選挙権がないのに課税されているじゃないかなどと言ったら、見識を問われます。逆に、課税とは自然人にするものだから、抽象的な事業である法人に課税するのはおかしい、事業からの収入が個人に達したところで課税するのが筋だという意見だってあるのです。
原理的にはメンバーでない住民はいないということが前提されているわけですから、制度的にメンバーシップを与えられていない居住者が出てくると矛盾が生じます。外国人参政権というのは、ラディカルな短絡ではありますが、合理的な制度でもあります。逆にこれを否定するなら、課税や人権を含めて全体的かつ原理的な制度調整をするか、外国人の入国、あるいは無視できる程度の短期間を除く滞在を禁止することになると思います。まあ、法的な対応としては、査証発給時に権利の放棄を宣誓させるという方法もあるでしょうけどね。

■2021年12月24日(金)  現状警察力を行使した場合周囲に被害が出ることは止むを得ない
ロスの衣料店で警官発砲 壁の後ろの試着室で14歳少女が死亡
まあ、銃弾は家の壁くらいぶち抜くでしょうね。痛ましい話ですが、そのくらいの威力はないとむしろ刃物や打撃武器、時には銃器を持った危険人物を制圧できなくて危険なわけで、壁の向こうなど見通せない以上、お気の毒ですとしか言いようがありません。試着室の中が外から見えたらその方が問題でしょう。
もちろん警察には、このようなことが起きないよう非殺傷性の制圧手段の開発を進めて欲しいものです。もちろん、死にはしなかったが後遺症が残ったなどというのはそれこそ非人道的なので止めて欲しいですが、警官に被害を出すことなく現場を制圧する手段は、警察力において必要なものですし、その際に周囲の被害を極力小さくすることも、望ましいことです。

■2021年12月23日(木)  弘法を称するなら筆を選ぶな
macOSプライバシー保護のドット表示、「ライブパフォーマンスの邪魔」とアーティストらが抗議
単にライブパフォーマンスにMacを使わなければいいのでは?何がどうインタラクティブなのかわかりませんが、汎用OSなど使わず、マイクロコントローラーの上でゴリゴリッとハードウェアを叩けばいいだけのことでしょう。あくまでもMacにこだわるなら、制限を逆手に取って表現に変えることこそが、アーティストなるものの存在意義だと思います。

■2021年12月23日(木)  使い勝手の面では便利ではあるでしょうけどね - 特に呼び出し側からは
開始相次ぐ「キャリアメール持ち運び」は本当に必要なのか
メールの発想からすると全くおかしいのですが、必要と言われれば必要なのでしょう。携帯電話を乗り換えたからって連絡先変更の挨拶なんか出していられないわけですし。それでも、一定期間のリダイレクションで十分だろうとは思いますけどね。
むしろ、政府の都合ではないかという気もします。連絡先が届け出られていてかつ安定していることが望ましい以上、回線会社の乗り換えによって連絡先が変わってしまう事態は望ましくありません。デジタル化の一環としてのメールの活用を考えると、本人の意図しない状況でメールアドレスが無効にならないというのはありがたいのではないでしょうか。そもそもそれを言うならMNPだって筋が通らないわけで、電話番号というのは回線契約と回線に便宜的に付いた番号です。それを個人についた番号であるかのように持ち運べるというのは、連絡を取りたいのは回線や端末ではなく個人だからという理由でしかありません。

■2021年12月22日(水)  「返済」じゃないよね?
SBI北尾社長、新生銀の非上場化検討 TOB後初会見
これはむしろ当たり前の話で、注入資金を借り方という以上の返済が必要な負債として扱う以上、その「担保」として渡した株式は出資時の額面で買い取って償却なりするのが筋です。資金注入のスキームとして注入した資金を株式売却収入で償却するという形だったにせよ、こだわる必要はないと思います。
ただし、単純に金融のスキームの問題とはいえ、株式の交付を受ける(担保として差し出されたものを預かるのではなく)代わりに振り込んだ資金について「返済」と言うなら、それはおかしいと思います。いつぞの総理大臣が株は上がったり下がったりするものだと言っていましたが、本来株式に元本保証や返済義務はありません。債券としては最低の劣後債です。そもそも資本金にしても返済するのではなく買取や残余財産の分配と言います。株式と交換に出資した国から見れば「回収」となりますが、出資を受けた側には返済義務は本来なく、そもそもそういった意味での債権債務でもありません(精算時に残余財産の分配を受けるとか決算で利益が出た場合利益分配を請求できるという意味での債権ではありますが)。だからこそ、資金注入時点でリスクが高すぎて通常の資金供給の対象にならない場合や借り入れにしてしまうと財務が悪化して再建に支障が出る場合に可能な柔軟性のある資金供給として、かつ経営への実効のある介入手段として、増資が有効なのです(正直資本金の使い方としてはどうなのかとは思いますけど)。増資に応じた資金の回収を出資を受け入れた側の「返済」と称するのは、会社制度の理屈から見ておかしいと思います。

■2021年12月22日(水)  できるわけがないことを言った責任はありますからね
公的価格検討委、お寒い結論 看板政策の賃上げ、抜本策示されず
これは言われても仕方ないでしょうね。言われるのが嫌なら、あんなことを言わなければよかったわけで。法改正が絡む以上位置付けの怪しい会議とやらでは大きなことは言いにくいでしょうし、財務省あたりを根城にした財政再建派(=医療・介護労働買い叩き派)への対応があり、国会対策が必要な抜本的な改正というのは、特にどう動くかわからないところのある維新がいるだけに、内閣としても言い出しにくいのではないでしょうか。その意味では微温策に留まった事情というのはわかります。衆議院議員総選挙もあった第4四半期だけ、年末で終わりの臨時国会だけで進められる課題ではないでしょう。とはいえ、そんなことはわかっていたことだ、という点は疑い在りません。仮に現時点の政策が落としどころであったとしても、羊頭狗肉の謗りだけは免れないと思います。消費者がそう望めば価格が上がりうる分だけ、政府の介入しない新自由主義の方がましだったという話にだってなりえます。もっとも新自由主義とて消費者になりえるのはお金が払える人だけで、その割合に対して現在の医療・介護労働者の数は過大だと思いますが。つまりお金を払えない人はこの手のサービスから落ちこぼれ、ボリュームが減る分価格競争が働き、労働供給が減って労働価格が上がったとしてもそれはごく一部の富裕層のためのサービスになるでしょう。それでいいかどうかは、また別の話です。正直、とりあえず財源論なしで現場の負担の一部でも緩和する策はあると思います。「時短」の徹底です。就労時間の基準を一労働日当たり6時間にして週休三日を義務化し、それを厳守させるだけで、少なくとも保育と介護の事業負担は相当減るはずです。また現状中心になりがちな施設集中型介護について基準を高め、基準額を上げることで、在宅での訪問介護への転換を図ることもできるでしょう。もちろん、こうした政策のツケは独居老人と家族に回ることにはなります。作り出された余裕時間は育児と介護に回り、労働時間が減る分収入も減るからです。病院や介護施設では、夜勤シフト後の就業禁止時間を24時間としても、かえって穴が開けられなくなり、中途半端な出勤時間が増え、実質的に待遇が低下するかもしれません。それでも、給料に見合わない長時間勤務やさっぱり普及しない交代制、12時間預かりのサービス競争あたりよりはましではないでしょうか。
ところでこっちの記事で、「官邸のトップダウンで先に「3%の賃上げありき」が示された一方で、その方法については政府に事実上、丸投げされた。」と書いてありますが、本来内閣総理大臣(官邸)やその諮問機関の方が「政府」で、木っ端役人やその組織は政府とは言いません。

■2021年12月21日(火)  「価値がない」そりゃそうだ
ブライアン・イーノ氏、NFT販売に対し「価値あるものとは思えない」と持論語る
「NFTは、アーティストがグローバル資本主義から少しばかり恩恵を受けるための手段であり、金融化(financialization)のミニチュア版に過ぎないと思う。」
まさにたかがそれだけです。まあ、金融化というか証券化かもしれません。とはいえ、それが、非常に容易にコピーできるためにグローバル資本主義への関与を躊躇してきた、あるいはそこから疎外されてきた人を包摂し、割引されているかもしれないにせよなにがしかの利益分配に預かる機会を与えていることも否定できません。ピカソの絵をオークションにかけるのと同じじゃないか、いまさら一兆ドルの値が付いたところで、ピカソにとって何の得があるんだ、それで何らかの福利の向上があるのかと言われてしまうと、それまでなんですけどね。

■2021年12月21日(火)  このご時世に店に人なんぞ呼ぶな
マツキヨ、ポケモンGOから撤退 元旦にすべてのポケストップ消去
こうやって行きやすいところが撤退していくのは良いことだと思います。ポケモンGOは運動不足のゲーマーのためのエクササイズソフトウェアなのですから、ストップやジムは須らく人跡未踏というか到達至難の地にあるべきです。車で入れないどころか徒歩すら危険で、バランス感覚を磨いて体幹をしっかり保って歩かないと着けない崖っぷちとか、冬場は遭難必須の雪崩多発地帯の山頂とか、漁船をチャーターできない人は遭難覚悟で手漕ぎボートで行かないといけない孤島とかがいいでしょう。もちろん、国会議事堂の参議院貴賓席とか、内閣総理大臣官邸の総理大臣執務室とか、迂闊に忍び込むと逮捕されるのでコネかタイミングが物を言うところもよいと思います。皇居の庭などもよいでしょう。一般参賀でもなければ、功績を上げて受勲でも受けないと入れないからです。米軍横須賀基地や米軍厚木基地の武器庫などもいいかもしれません。もっとも、水深1000mの海底などは、さすがに人間が行くところではないのでやめておくべきです。あくまでも、頑張れば行けるところでないといけません。せいぜいISSとかくらいが限界だと思います。もちろん危険に過ぎるので、桜島の火口とかもなしでしょう。南極点や北極点は微妙ですね。
コラボが必要というなら、発電事業者や湾内クルーズ船との提携などいかがでしょうか。発電所巡りなど良い観光需要の喚起になるでしょうし、同じところに何度も行くとよいことが起きるような仕様にすれば、乗船一回1500円とかのクルーズに何度も乗るユーザーが出るでしょう。もちろん乗船一回1万円近くする太平洋沿海フェリーや日本海沿海フェリーと提携したってよいと思います。また公衆移動体通信事業者と組んでアンテナ巡りなどもよいでしょう。これなど確実に徒歩圏内に一つくらいはあるわけで、ユーザーの導入にもよくはないでしょうか。アンテナを使っている業者の回線でないと有効にならないなどというギミックもよいかもしれません。目指せ全事業者のアンテナ制覇、MVNOを駆使すれば月1万円もかからずにチャレンジできます。端末複数持ちやSIMフリー端末の普及にもよいでしょう。それで観光業で稼げれば、電気代や回線使用料だって安くなるかもしれません。どこぞの電気鉄道事業者のように観光とグッズ販売で稼ぐ発電事業者というのもいいのではないでしょうか。それで、さしたる観光資源もない、風光すら明媚でなく、まあ、観光客が殺到して景観を破壊してもかまわないようなところに観光産業ができるのであれば、それはそれでよいことだと思います。

■2021年12月21日(火)  違うものは違う
趣味と実用の狭間に揺れるニコン Z fc
「上方からの角度でみると、New FM2とZ fcは兄弟機と錯覚してしまうほどよく似ています。」
そんなわけないでしょう。ファインダー部分のデザインとボディのサイズ感が似ているからそう見えるのかもしれませんが、軍艦部のダイヤルを見れば、右端とか左端とか、違うことが歴然としています。似せるというなら、EVダイヤルはアイピースから向かって左側のダイヤルの基部にないといけません。ISOダイヤルが左側なのはまあいいとして、モードダイヤルが左側基部というのもありえず、シャッタースピードダイヤルと一緒にするか、せめて右端の、フィルムカメラなら巻き上げノブのある場所にして欲しいものです。巻き取りノブじゃないですよ?また絞りのFナンバーは軍艦部に表示するのではなく、アイピースを覗いたときに見えるのが常識です。なんでレンズに書いてないんだという苦情はまあ、わかります。レンズの名前なんぞ前玉の周りに書いてあればいいんで、胴体にそんなものを書く場所があるならFナンバーなり距離指標なりを書けというのであれば大変もっともです。それにしてもEVFです。一眼レフみたいなローテクノロジーハイテクニックな光学ファインダーではないわけです。シャッタースピードだろうがF値だろうが、距離だろうが好きに重ねられるでしょう。なんで軍艦部に取ってつけたような、これ、夜は見えないだろうと思えるような小窓をつけてF値を表示しないといけないのか。だいたい写真を撮るなら被写体を見ているかファインダーを覗いているもので(背面液晶でもかまいませんが)、だからこそボディ背面にボタンやダイヤルがあると邪魔なわけですし、タッチパネルも言語道断なのです。ボディ背面には顔が密着しているか、せいぜい5cmくらいのところにあるわけですから、右手で操作するならフロントか軍艦部右側に操作系がないといけないのです。モードも同じことで、とっさの時にAとSを切り替えるには、この操作は右手の指でできるべきでしょう。左手はレンズを支えているのですから。デジタルカメラでの撮影で頻繁にいじるようになったEV調整が軍艦部右にあるのは、その意味では妥当と言えなくもないのですが、レンズに絞りリングさえあればボディ前面のダイヤルに割り当てたってよいのです。
サイズ感は、目標を持ってよく頑張ったと思います。まあ、Zマウントは35mmセンサーが前提なのにAPS-Cってのは何だとは思いますけど、DシリーズやZ9のような、これオークだろうとしか言いようがない図体よりは、Z fcはずいぶんスマートです。ただ、Z7だってDに比べればスマートだと思いますけど。それと、モードラが付くわけでもないのにグリップなんて邪道です。欲しいならストロボブラケットでも着ければいいでしょう。バッテリーとストレージの蓋が開けばいいってもんじゃないのです。それとデジタルでセンサーサイズにこだわる必要などないというのは、センサーサイズだけなら同感ですが、画角と被写界深度の関係を崩してほしくありません。どうしても設計の限界やコストの都合でAPS-Cにするというのなら、F0.5くらい出していただきたいものです。画角が近いからと35mmF1.8で撮ったらパンフォーカスになったとか、止めて欲しいです。

■2021年12月21日(火)  安パイな賃労働者を取り込んで当面の収支を改善すればどうですかね
失業給付の料率アップ、来秋に先送り 月収30万円なら月600円増
そもそも雇用が収縮している状況で雇用コストは上げにくいでしょうよ。コストを上回る雇用需要が生じているというならともかく、ここで一律にコストを増やすというのは悪手だと思います。公務員も、もちろんそれを雇う官公庁も保険料を払うことにする方がましではないでしょうか。母数が増えて保険事故の発生確率が下がるなら財務体質は改善するはずです。もちろん多数の賃労働者を雇う事業者の料率を増やせばもっと良いわけですが、現状そうもいかない気がします。保険というシステムで保険事故の発生確率が上がったら仕組み自体が破綻するわけですから、確率が上がったらその分料率を上げるなどと馬鹿なことを言っていないで、まず確率を下げるようにするべきです。特に所得の高い層での確率を下げれば、それだけ財源が安定化します。
その上で、少なくとも雇用保険というシステムについては、長期的に保険事故の発生確率は増えざるを得ないでしょう。制度自体を変えるか、料率を上げるかということにはなると思います。ただし料率の引き上げは、保険のカバレッジを広げてからだと思いますけどね。少なくともいわゆるアルバイトも含めたすべての賃労働を保険の対象として、雇用保険の負担を雇用の当然のコストにするべきです。

■2021年12月20日(月)  つまり背景のバウムクーヘンみたいなのはトイレットペーパーと月をかけていると?
裏世界ピクニック 7
やはり小桜さんが霞ちゃんを引き取ることになったようです。結構母親役なりに馴染みそうな気はするのですが、振り回されてストレスが溜まりそうなので、そこは上手に発散させてあげて欲しいですね。いくら怖い話系だからと言って、最近流行のドメスティックバイオレンス系真正児童虐待は、さすがに楽しめません。
このシリーズはあえてエピソードに終止符を明確に打たない、あえて未解決感を残す方向性のようなので、そのうち祓ったはずのモノがまた現れてもおかしくありません。もちろん、別の形になってもいいわけです。あえてここで物語としてはシャットダウンするというのもありでしょうが、さすがに現在形で終わってしまうと半端な印象なので、最低もう一冊はあるのでしょう。
ところで章タイトルにもなっている「トイレットペーパームーン」、後書きに解題されているわけですが、しばらく何がどうしてそうなるのかわからなかったのです。ひょっとして、表紙絵の上部、閏間冴月らしき人物の背景にある白の芯にバウムクーヘンみたいなハローだかコロナだかが付いているところがトイレットペーパームーンなのでしょうか。モチーフとしては、冴月の前、空魚の背後にある字と一体化した同心円と合わせて、仏像の二重円光光背とか聖母子像のハローとかなんだと思いますが。
ちなみに、「牛の首」のはずが「牛鬼」になってしまったわけですが、件に続く牛モチーフですけれども、「牛ガエル」じゃまずかったんですかね?いきなり棺の中からヴモー!などと大きな鳴き声がしたら、それはそれで怖いんじゃないかと思うのですが…方向が違うか。

■2021年12月20日(月)  全国民がITベンチャーを立ち上げてIT長者になれとでも言うんでしょうか、この記者は
2千兆円目前、個人マネー急増 60代以上が6割、氷河期世代と格差
本質的には、そのマネーが金融を通じて、例えば住宅ローンや子育てローン、教育ローンなどとして現役世代に回っていれば問題ないわけで、特定階層で金融資産持ち高が増加しているというだけなら問題はない、はずです。そもそも30代で家を建てたり子供を大学に行かせたりする個人資産はないのが普通で、そこを何とかするのが金融というものです。また高齢者層が資産形成に成功しているというのなら、そのような資産形成を促した1990年代以降の政策の成果と言ってよいでしょう。一生かけてゆっくり貯めるというのが基本的な仕組みで、その上でリスクマネーにも手を出しましょうという話だったのですから、高齢者の資産が増えるのは当然です。一方で、同一年齢層内での格差が拡大している場合は問題です。この場合、少なくともセーフティーネットを整備し、できれば個人を取りこぼすことのない安定した資産形成の仕組みを整備することが望ましいということになると思います。もちろん、十分な資産形成の機会を与えられたうえでの格差なんて自業自得だというのもありえる立場ではあります。

■2021年12月20日(月)  名前と目的を書かされるくらいで予防になるとも思えない
ガソリン規制、強化しても続く事件 販売店「用途までは分からない」
これって予防効果を期待した規制制度ではなく、事件が起こったときに、捜査機関が容疑者のあたりをつけやすくするための記録制度だと思うんですけど。
予防効果を期待するなら、最低限、向こう10年くらいは、一日一回警察官が全てのガソリンスタンドを回って、ガソリンを携行缶で買った人の住所氏名を確認して、数日以内に直接訪ねて聞き取りをするくらいしないとだめだと思います。もちろん全数検査です。疑うに足る十分な理由があるとか、申告した住所に住んでいないとか、住んでいる人に訊いたら心当たりがないと言われたとかいう場合は、犯罪を疑って捜査することになるでしょうし、その際任意同行を伴う事情聴取や、場合によっては逮捕もあり得るでしょう。
まあ、そこまでしてまで携行缶でガソリンを買うかという話も出てくるでしょうが、それで代替手段に移行するならそれはそれでいいわけです。どうしても正当な目的で必要な人がいるというのが現状なのですから、バランスを取るとしたら、犯罪目的で購入したのではないことを治安機関が直接確認するしかないでしょう。もっとも、燃料を買ったくらいで警察が訪ねてくるような制度がうれしいかどうかは別の話です。

■2021年12月20日(月)  善意はわかるけど対抗策になっているかどうかは疑問
本物そっくり仏像を3Dプリント 相次ぐ罰当たりな行為に学生ら対抗
いやこれ、もちろん学生側の厚意はわかるのですが、思い入れという点では置き換えられる仏像と変わらないのではないでしょうか。おそらく仏像を盗むというのは、愉快犯でなければ売却かコレクションが目的だと思うのですが、手をかけた一品ものを奉納して有名になった場合、置き換えたもの自体に価値が出てしまいます。こういった品の貨幣価値は履歴や由来によって決まるのであって、それを与えるのは制作時期が古いこと、基本的な造形が手作りであることだけではないのです。造形はともかく装飾は、例えば置き換えたものが盗まれたとしてすぐにできるものなのでしょうか。また住民の気持ちとしても、学生が厚意で、自分たちが大事に扱う対象として奉納したレプリカを、もし盗まれでもしたら、「住民の精神的な被害」は小さくないでしょう。博物館に本物があるからという問題ではないはずです。拝んできたという過去だけではなく、そこにあるものを拝み続けているという事実が、拝む対象としての仏像を拝む人の主観として本物にする、いわば本物から分け御霊を受け取った状態になると思うのですけどね。

■2021年12月20日(月)  給付金のせいじゃないじゃないか
家計の金融資産、過去最高1999兆8千億円 コロナ給付金など影響
こういうのを偏向報道と言うのではないでしょうか。いわゆる定額給付金は10万円でしたから、Maxで10兆円かそこらです。家計金融資産の増分は100兆円程度ですから、効いても1割かそこらです。むしろ金融緩和による金融市場の金余りや消費抑制が効いたのでしょうし、そうであればむしろ国債発行の不足を証明する事例でしょう。その意味で、記事本文にある「コロナ禍で外出が抑制され、消費を手控える傾向があることも現預金などの資産残高を伸ばす一因になっている。」という分析の方が実態に合っており、その前段の「新型コロナウイルス対策のために政府が配った給付金や株価上昇などにより、個人マネーが急速に膨らんでいる。」は、大きく効いているのは株価上昇の方でしょう。
それと、あえて言うならば、共働き世帯が優遇されるからこうなるのではなく、もちろんばらまくからこうなるのでもなく、制度的に証券市場の中でも株式市場ばかり優遇されていること、つまり間接的なものも含めて株式以外の投資対象が目に入らないようになっていること、次いでその株式市場から資金が実体経済に流れていかないことが、原因です。いい加減日本証券取引所あたりの提灯持ちは止めるべきでしょう。

■2021年12月18日(土)  人道主義者は人類を滅ぼす覚悟があるのか
「ここで生きたい」ポーランド兵に訴えたが…娘の前で水浴びせられ
「ここで生きたい」なら最低限EU加盟国にまっとうに入国するものだと思います。ベラルーシはEU加盟国ではないはずで、そこから入国許可もなく国境を越えようとするなら、少なくとも制裁措置によって事実上国境が閉鎖されている状況では、拘束や追い返しは当然です。人道がどうこう言うなら、自国に正当に入国した避難民を保護しないベラルーシ政府にこそ責任があります。避難の斡旋であれ、斡旋主体と目的国との事前の合意が前提であり、避難民が正当にポーランドなりに入国できるよう、外交交渉で合意に達することが、最低限の前提です。亡命でも、第三国での目的国の外交代表部への駆け込みは拒否も可能なはずです。現に保護下にない外国人に積極的に実質的な保護を提供する義務など、政府にはありません(したければしたっていいですし、それを理由にして開戦してもかまわないと思いますけど)。

■2021年12月18日(土)  二つ折りのフィーチャーフォンならガラケーなんじゃないかな
auが発売した最強ガラケー「G'zOne TYPE-XX」が大バズり――改めて問いたい「ガラケー」という言葉の意味
いやまあ、AndroidでもiOSでもないという点ではガラケーなんじゃないですかね。タッチパネルでもなさそうですし。
ただし、登場当初のスマートフォンと対照された機能がほぼ搭載されていないという点は、あの当時のガラケーとは別物という主張に納得はできます。もちろん、その機能が現在どの程度有効性を持っているかという問題はあるわけで、赤外線通信機能などもはや積んであっても使えないでしょう。いやまあ、G'zOneユーザーが旧機種からデータを移行する時くらいは使えるのかもしれませんが、それはいくらでも代替手段を用意することが可能です。「タフネス」は費用対効果を除けば普遍的な要求であるためよいとして、ワンセグとおサイフケータイはどうか。ワンセグについては記事にもある通り新規の端末にはほぼ搭載されなくなっています。むしろカーナビやカーコンポあたりに搭載されているのではないでしょうか。結局「ケータイ」で地上波テレビ放送を見る需要があるかどうかで、メーカーとしては搭載は無意味だと判断したか、コストをかけてまで搭載する意味を見出せなかったということでしょう。おサイフケータイはと言うと、今やスマートフォン側に代替的なサービスが数多く出現しており、おサイフケータイ対応サービスのメジャーなものもほぼスマートフォン対応がなされています。つまり、サブ回線やワイヤレステザリングなどでスマートフォンとの2台持ちにすれば済んでしまうわけです。実際利便性ではおそらく交通系ICカードに及ばないわけで、ユーザーの大半はPASMOあたりを持っているのではないでしょうか。年齢層から言えばクレカとPayとMobile SUICAで十分と思っている可能性すらあります。これではFelicaチップの搭載コストとソフトウェアの対応のコストをかけてまで搭載しようと思わなかったとしても、理解はできます。そうなると、ガラケーはもはや復活のしようがありません。
この点で、マーケティング戦略としての「ガラケー」というもはやあいまいになってしまったクライテリアの活用を是とするか、あるいはあくまでも「フィーチャーフォン」と呼ぶかは、趣味の問題になってしまうと思います。「ガラケー」、「ガラパゴスケータイ」自体が「スマートフォン」から見た標準OS、世界標準仕様に準拠していない製品というレッテルでしかないからです。定義がない以上、どのような意味を付加しようとも問題はありません。

■2021年12月17日(金)  マニアをコア顧客にした市場であることは変わらないみたいですけど
ゲーセンが相次ぎ閉店の秋葉原 増えたトレカ店と人気の特注イヤホン
まあ、その時々の主流購買者に合わせて店の層を拡大・転換してきた場所ですから、電気街とかオタク街と規定することの方が無理があるのかもしれません。一方で、ある程度志向を特定可能な層が購買者として集まる地域ということで、アンテナショップの立地に利用されてきたことが、そうした転換の動力源にもなっていると思います。店の入れ替わりは結構激しい地域ですし、一方で周辺地域の特性が安定している限り老舗は一定の顧客をつかんでいます。端的に言って秋葉に文化財は似合いません。風俗に関しての同時的な分析はまだしも、風俗の水準を超えた人文地理的分析や通時的な分析には、複数のタイムスパンや客層からの、店も客も入れ替わっていく市場(いちば)という視点が欠かせないと思います。まあ、野菜市場まで敷衍してしまうとこじつけでしょうけど。

■2021年12月17日(金)  寄付や増税によってでも教育のサービスレベルを維持したいかどうかではあります
学校運営はPTAの会費頼み? 机・チョーク・アクリル板…年1億円
まあ、学校の運営が地域の寄付頼みというのは昔からではないでしょうか。敷地や校舎だって、一時期は地域の負担ということがありましたし、公立学校にも関わらず改築に際して同窓会の寄付を仰ぐこともあったはずです。運営経費も同じで、全ての費用を公費で賄えていた時期の方が少ないでしょう。「充実した教育環境のためにと、PTA側が自発的に望むものであれば(寄付は)問題ない」という見解にはそうした歴史的な背景があります。もちろん、その実態がそもそも時代にそぐわなくなった、寄付金に頼ってまっとうな経費請求をしてこなかった状況が破綻した、ということはあると思います。とはいえそこは是か非かというレベルの問題ではないと思います。そもそも自治体財政自体、税金の無駄遣いや公務執行上の規律に対する過剰な留意の下で、手続や監査が煩瑣になり、事務職員の削減策もあって現場も含めて適切な対応ができなくなってきた面があるわけで、それが管理職に取ってまでもやりがい搾取のブラックな職場を生み出していること自体はともかく、因果応報の必然ではあると思います。
対応策としてはひとつ、教員があくまでも住民としての保護者からの受託に基づく都道府県市町村事業における使用人という立場を全面的に認め、予算のない業務を学校単位で廃止し、あるいは教員単位で拒否することです。無暗に理想の教育など追及するから、そのためにはあれが足りない、これが足りない、でもしないといけないとなって無理をする羽目になるわけで、保護者の求めるこれだけの教育を行うためにはこの程度の予算が必要だ、それがないなら事業を整理する、あるいは仕事を辞めるといわないと、現場がまた理想論で無理を言っていると思われ、あるいは給料を貰っているのに十分な仕事をしないのは何事かと言われるだけです。教育の実施者、聖職などと誇るのであればまず必要な費用をまっとうに確保してくるべきで、それができないなら職業人としての資格などありません。予算の範囲内で仕事をすると言うなら、無理をして辻褄を合わせるのではなく、サービスレベルを低下させるべきです。

■2021年12月17日(金)  なぜ撃たれたのかって、飼い主がちゃんと保護していないからでしょう
ポニーはなぜ撃たれたのか ヒグマと見間違え? シカ駆除猟中に何が
いや、ハンターがうろつくような場所にポニーを放牧すること自体が非常識だと思うのですが。まさか私有地以外のところで放牧していたのではないと思いますが、私有地内だとしても出入りが自由になっている場所は狩猟ができてしまうので、そこに飼育している動物を放牧していれば誤射の危険は十分にあります。誤射があり得ないなどということは絶対にないのですから、地主には、放し飼いを行う際に十分な注意が求められます。具体的には、遠距離からも視認できる、家畜であることを示す標識の取り付け、あるいは放牧場所の柵などによる管理です。資格を持っている狩猟者は鉄ちゃんと違ってちゃんと法律を弁えていますから、策で囲ってあれば、野生動物が逃げ込んでも勝手に追ってくるようなことはありません。別に所有地全てではなく、放し飼いされた家畜が行動する範囲だけでよいのです。もっとも、それでシカなどが敷地内に逃げ込んできて定着した場合、処理は地主の責任になるでしょう。

■2021年12月17日(金)  どこの誰が訊いたのやら
アスリートに「結婚は」質問NGか 識者「背景に伝統的結婚観?」
アスリートに限らず、NGだと思いますが。皇族のように結婚が極めて重大な社会的影響を持つ場合ならともかく、誰が誰といつ結婚するかなど、下世話なゴシップに過ぎず、報道の価値なしと考える以外ないでしょう。もちろん、例外はあります。下世話なゴシップとして報道したい場合と、差別的結婚観を喧伝するための素材である場合、取材された当人の名誉を損ないたい場合です。この場合、主観的報道価値はあると思います。もっとも、プライバシーに関わる事柄を訊くなと言われたら引き下がるべきでしょうけどね。また、取材対象者の公人としての品性を問うて名誉を損ないたい場合は、それなりに報道価値はあると思います。まあ、品性で仕事をするんじゃないだろうという気はしますけど、生活面で品性に欠ける場合仕事に関しても問題を起こしている場合がままありますから、一概に、仕事ができていればいいじゃないかとは言えません。とはいえ、罪のない者のみが石を投げよ的な話はあると思います。

■2021年12月17日(金)  ただいっぱい飲めってバカか?
牛乳5000トン廃棄の恐れ、複合的要因 農水相「いっぱい飲んで」
生産者はともかく、政府のこの反応はバカじゃないでしょうか。カイワレ大根を食べて見せるのとは意味が違います。2020年の生産量422万トンに比べてのたった5000トンです。買い上げて、職員食堂でも学生食堂でも配ればいいだけのことでしょう。逆に、資本主義では過剰生産が過剰在庫に結びつくことなど想定内です。廃棄だって、それこそ在庫処分すらできず、今後数年間豊作が見込まれるためにコーヒー豆が廃棄された例だってあります。飼料不足のため家畜がと殺され、処理能力不足のために廃棄されたドイツの事例にしてもそうです。日本でも、豊作時に野菜が廃棄された例があります。資本主義において、捨てることは当たり前なのです。多分社会主義でも当たり前です。まあ、出来過ぎた分を消費地に運ぼうとして、運送能力の不足から腐って捨てないといけなくなる程度の経過はあるかもしれませんけどね。
たくさん飲むにしても、価格がそのままでは牛乳を倍買おうなどと思う人は多くないでしょう。せめてアドベント特売牛乳1リットルパック88円、ホワイトクリスマスをホワイトシチューとプリンで迎えようくらいのセールを手配して欲しいものです。生産者だって、捨てるのがもったいないというなら赤字は覚悟していますよね?

■2021年12月16日(木)  文化人の戯言
「オンライン」では難しい意思統一(笑ってる場合かヒゲ 水曜どうでしょう的思考)
会議なんて集団の個性が出るもので、それによって結果は相当変わるので、オンラインだと、いや、オフラインの会議ですら、誰も空気を読まず、ひたすらツッコミが続いて会議が終わらないなんてことだってあるものですが、正直オンライン会議で意思統一もできない状態で会議をする方が、方法論としては間違っています。会議だって準備がなんぼ、決める会議であれば、参加者の間で基本的な方向性をすり合わせ、議案をしっかり検討してもらい、会議において整理された意見を出してもらうように事前に計らうことは当然です。根回し上等です。時間制限がない状態でひたすらコンセンサスを作り上げるための会議ならともかく、決める会議であれば決められた時間でシャンシャンと終わることこそ正しいのです。大事なのは、会議で決めるという前提の下で、事前にこの方向でシャンシャンと終えるという統一された意思を作り上げることなのです。
そう考えれば、この「オンラインでは難しい意思統一」というのは転倒していることがわかるでしょう。会議の場で談論風発、でも決められた時間までに意思決定をして終わるなどというユートピア幻想がこの転倒を招きます。少なくとも日本では論壇に蔓延しているこの種のユートピア幻想ですが、逆に言えば互いに空気を読ませて主催者や声の大きい人の意思を押し通すという全体主義です。民主集中制あたりと何も変わりません。その場で議論をすると言うなら、フィリバスターくらいはある方が当然なのです。同意できないものには同意のしようなどないのですから。

■2021年12月15日(水)  昔はカメラ付きのインターホンなんて便利なものはなかったからねえ
玄関のドアスコープ、のぞき対策は 単眼鏡で外から簡単に盗撮も
いやまあ、これこそ時代遅れの機材を使っているのが悪い類だと思いますけど。カメラ付きのインターホンにして、無くしてしまえばいいわけですから。
構造的な対策としては、ドアの正面に壁が来るようになっていればいいのです。ワンルームでも、ドアから部屋に入ったところに衝立を置けば済むでしょう。
もっとも、そんな工夫をする余地のない、狭い安普請というのもあるわけで、そのためにドアスコープには内側に蓋がついていることが多いと思いますし、他のものをぶら下げて目隠ししてしまうという対処はこのレベルです。
正直外と中の非対称性が前提とされるこの時代に、ドアスコープもないものだと思いますけど、どうせ窓がついていないといけないなどという正気を疑う法規制が建築基準に書かれているので、外から覗かれるのは仕方ないと開き直ってしまうのも一つの考え方ではあります。とはいえ、そういう危険があることを知らせないというのは問題でしょう。

■2021年12月15日(水)  フリーソフトウェア運動は遠くになりにけりでは済まない
AIの民主化、サーバレスからローコード開発まで、AWS re:Invent 2021におけるデータ、機械学習、開発関連の発表12個
サーバーレスはまだしもローコード開発が民主化って正気ですか?民主化というならその気になった人が徹底的に中身を触れることを言うものであって、ローコード開発のようなシュガーコーティングはその対極でしょう。ここしばらく発覚が続く日本の行政機関の統計不正もそうですけど、とにかく何が起こっているかを生の状態で見られる、そこに手を入れられるというのが、制度としての民主化の基礎です。賃労働者に仕事を振り分けるんじゃないんですから、馬鹿でも触れるように取り繕いましたなんて60年は昔の思想をリバイバルさせないで欲しいものです。

■2021年12月15日(水)  店で買えちゃうから捨てるのです
「洋服は買わない」がおしゃれの時代に 2022年、私の目標は
自作とオーダーメイドに先祖返りすればいいだけだと思いますけど。大量生産して安く売る以上は作った分がはけないとどうしようもありません。食品と同じで、使ったら消えてなくなることが望ましいのです。それを否定するのだとすれば、単価を上げるか、半製品として広い用途で使える形で出すしかありません。身近な作り手が集権的な製造業者と売り手に駆逐されるようになって久しいですが、使い続ける、直すというなら、自分で作れる程度の素養を持つことが望ましいですし、ファッションを再び特権化して、庶民は定番を作って長く着る、その上でコーディネートで個性化を図るというのが、サステイナブルの前提になると思います。
まあ、手縫いは洗濯に弱いという問題もあるんですけど。生地だけの問題じゃないんですよね。

■2021年12月15日(水)  さすがにこれはリテラシーの問題だと思います
旅行代稼げるはずが200万円損 トルコリラ下落、個人投資家に打撃
いやまあ、外貨建て外債なんか買う方が悪いと思いますが。売る方に問題があることはもちろんですが、ちょっと考えれば為替変動リスクがあることなどわかるわけで、売り手に惑わされずにリスクを評価できることが投資家の最低条件です。もちろんトルコリラ建ての価格は変わっていないわけですから、トルコリラ建て口座に入れて現地で使えば、価格相応の購買力があります。リスク商品を売りつけられたなどと不満を言う方が間違っているでしょう。例えリスク商品は嫌だと主張していようと、どう見てもリスクがあるものを購入するリテラシーのなさが原因で損をするのは自業自得と言うものです。何とかするとすれば、金融商品の保有や売買について資格制度でも設け、資格のない人に金融商品を売れないようにするくらいでしょう。

■2021年12月15日(水)  いやまあ、教養系の生活知識番組なんてそんなものだとは思うのですが
「生活笑百科」「ガッテン!」終了を検討 NHK、来春の改編で
記事の紹介だと教養系の生活知識番組に見えますが、どちらも偏った発想で偏っているどころか証明されていない、あるいは勘違いしたミスリーディングな知識をばらまく俗悪バラエティ番組であり、来春などと言わず年内にも終了するのが良いと思います。最終回は、「生活笑百科」が政府のコロナ対策で海外勤務から帰国できなくなりました、どうしたらよいでしょうか、「ガッテン!」は突然おかしくなるスマホ、その理由と直し方に迫る!なんていかがでしょうか。

■2021年12月15日(水)  建材よりも建てては壊す発想の方が問題だと思う
国内最高層の木造15階住宅、着工へ 「前例がない」自社ビルで実現
「国産材の需要拡大を目指す」
増やしてどうするんでしょうかね。そもそも木材需要は過大なほどあって、輸入材に押されて国産材市場が縮小したわけで、輸入材の用途である低層木造住宅を国産材で置き換えるというのが順当な話で、輸入材と別の市場に国産材の用途を拡大したら全体として木材需要が増え、価格高騰ならまだしも禿山を作ることになりかねません。植樹にしても、育つ前に切っていったら追いつかなくなるのは自明の理です。輸入材を使うような用途の縮小と一緒になっていないと、木材市場の拡大は愚策もよいところです。
また少なくとも建築物で建材の製造時の二酸化炭素排出量を単体で云々することは危険でしょう。断熱効果が高く、長期の運用が見込めるのであれば、暖房用エネルギーの軽減と建て替えコストの縮小でバランスが取れるのではないでしょうか。むしろ木材のようなメンテナンスコストの大きそうな建材で作るとか、それ以外にしても20年程度で建て替えるのを前提に作るような発想がおかしいと思います。今後の建築基準の強化を見通して仕切りや配管の変更程度で100年や200年使える建築物を目指すのが筋ではないでしょうか。

■2021年12月15日(水)  むしろあなたが維新に似ていると思います
ゼロコロナ信仰が生む人権侵害
権力による強制力の発動は法的に大変難しい問題です。理念でいえば人権を侵害するような発動は絶対にしてはいけませんし、理屈でいえば人権を侵害するような発動も緊急避難として認められ、そのような状況でこそ権力の行使が求められるものです。もちろん安易にやってよいことではないでしょうが、安易かどうかを決めるのは民意としか言いようがありません。それ以上を理念や道徳に結び付けて議論しても不毛です。
言うまでもなく、他人を重大な不注意によって感染症に感染させる行為は、過失傷害罪を構成しえます。過失傷害になりうるような行為をその場において止めることは人権侵害とは言えません。抜き身の包丁を手に持ってうろつくような行為はたいてい止められるでしょうし、重い器具を体に十分固定することなく、もちろん体の安全確保もなく、高所に上るような行為もそうです。何が重大な不注意であるかは、一般的な合意によって決まります。正直現時点において新型コロナウイルス感染の疑いを晴らせない人の移動は、重大な不注意を構成しうると思います。感染による死者数は日本はハンガリーの半分。18000人。人口比を考えると相当少ないわけですが、それにもかかわらず医療現場が混乱しています。向こう一年程度の移動の自由の制約は、社会と医療現場の混乱を鎮静化させることに比べれば軽微な問題というのが、現時点での民心です。むしろ、当面日本に来れないというだけのいくらでも代替措置の確保が可能な軽微な問題を人権と騒ぎ立てる方がおかしいという認識でしょう。生活圏内の移動とは話が異なります。
「政府の強硬政策に反対する意見表明は、国賊的犯罪ではない。」というのはその通りで、反対の意見表明をすること自体はあって当然だと思います。ただしその反対に反対する意見表明だってあるわけです。国会が法案として否決した処置を内閣が緊急行政措置とでも称して実施したというならそれ自体が形式的に憲法を踏みにじる越権行為だと言えるでしょうが、「国民のほとんどが人権侵害で憲法違反とも言える措置に賛同を示」しているのであれば、事後の補償で足りる問題です。日本の裁判所の扉は、日本と全く関係ない案件についての日本と全く関係ない外国人同士の問題を除けば、全ての人に開かれていますので、今回のように、そもそも入国の資格はある人が入国を拒否された、あるいは断念させられた、それは移動の自由と居住の自由の侵害だという事例であれば、原告適格はあります。どうぞちゃんと行政訴訟を提起してください。マスメディアはともかく、日本には少数者が民意では納得できないことについて公論を提起する手段がそれなりにあるのです。憲法上は、民意がどんなものであるべきだとか、ある立場の人が何をどう主張すべきだという点には、公務員が憲法を擁護するべきという以外の制約はありません。
そして、不満があるとすぐ自分の意見と違う民意や政府の政策の方がおかしい、そう言わない言論人がおかしいと「だけ」主張するのはネトウヨを含めた言論系右翼や経団連や同友会の論客と同じです。むしろようやく親近感を抱いてくれたらしいと思えます。

■2021年12月14日(火)  頼るべからざるものを頼るな
総務省、ブロードバンド網維持へ負担金導入 利用料に転嫁も
こうやって、公的機関は実施能力を失っていくのでしょうか。
制度的に維持を図らなければならなくなった時点をもって、リスク事業としては破綻しています。それを民間企業にやらせること自体が間違っているでしょう。本来ネットワークがどうこうという商売は、網羅していること自体が価値を生んでいるはずです。それが、この地域は切り捨てるという判断になるなら、網羅的なネットワークという発想自体が事業として成り立たないものになっているのですから、それを変な分配策による投資誘因という小手先でごまかすのは本質を外しています。倒産しても需要があれば代わりの事業者が現れるからサービスとしては継続できるというのが民間の事業なら、そもそも倒産しないから必要な設備をコスト度外視で整備してサービスを供給できるというのが地方自治体を含む政府の事業です。地域によって採算性に差があり、一方で網羅性がその上に乗るサービスの前提になるのなら、採算性の悪い地域については政府事業による整備とし、その上でそれが適切なら民間事業による利用について使用料を徴収することが適切ではないでしょうか。本来IP網やローミングなどは、それに適した制度のはずでしょう。その上で、状況が変わって採算性が改善してくれば、代替サービスが事業としてその地域に進出してくるはずで、利用の条件が良いものなら利用者はそちらに移行していくはずです。残った公的設備は、陳腐化したとして撤去するなり、余った容量を別に活用するなりすればよいことです。インフラというのは、余っている分には本来活用のしようがあるものです。
別に総務省にケーブルを敷設しろとは言いませんが(というか規制サイドである総務省が事業部門を持ったら問題ですが)、市町村単位での汎用回線網の敷設について行政効率改善策と抱き合わせた財源補助制度を設けるなり、事業者間の相互接続について地域の公的事業や住民団体による事業を含む零細事業者に有利な仕組みを整えるなりはできると思うのですが。おバカで簡素な電話ならともかく、IPが前提のブロードバンド回線なら、機密性はエンドツーエンドで確保できるのですし、都府県程度の面積の中で、集落程度を島としてまとめて、その島を繋いでいく形なら、交換設備や中継設備のコストは人件費を含めて相当低くできるのではないかと思います。
もちろん、市町村単位のネットワークを、特に離島などでどうつなぐかという問題はあります。これも、電子行政なり防災通信なり警察通信なり防衛通信なりと相乗りする形でミニマムを整備していくことになるでしょうし、それこそ維持には公的負担が必要です。とはいえ一定レベルの用途を設定できればそれなりに元は取れるので、民間のネットワークを安上がりに利用させていただくとか公用回線の民間利用は許さないなどというけち臭いことを言わずに、公用優先で帯域制限をかけてもいいので(ゲートウェイでかければいいのですから簡単ですね?)とにかく回線を引き、最低限の通信を安定してできるようにしてしまうべきです。フォールトトレラントなシステムなど、公的機関の方が本来ノウハウがあるはずです。

■2021年12月14日(火)  解消策が見えないだけであれば議論などしていないで損切処分をすればよいでしょうが
アベノマスク含む大量在庫、見えぬ解消策 岸田首相「反省点あった」
なんならローンで内閣総理大臣が買い取って、メルカリにでも出品すればよいのでは?最低価格を0円にしておけば、たぶん値段くらいはつくと思いますよ?
もっとも問題は、そういった大量在庫を無造作に生み出してしまう構造ではあります。失敗は理屈としてありうるにしても、いい加減な予測で現実を無視した政策を強行して見事に失敗しやがったという批判はあり得ます。ただし在庫を抱え込んでいるとそれをどうするんだという形で議論がずれていきますので、失敗は失敗として、色々あったけれど結局役に立ったでしょうなどという誤魔化しの方策を模索せずに、せっかくなのでちゃんと因果を含めて(ここが重要: 形式的に汚名を背負っただけであれば、岸田政権が安定すればいくらでも復権の手はある)、安倍さんと菅さんのせいにして損失を計上してしまったほうがよいと思います。放置しておくと岸田さんの傷にもなりますのでね。

「アベノマスク」ほしい人へ 希望する自治体に配布 官房長官
そうやって自治体の事務を増やすのはいい加減止めませんか?いるかどうか決めるのにかかるコストだってバカにならないのです。民間に放出したらいいでしょう。個人なら、転売ヤーでも決定コストは無視できますから、ネットオークションにかければいいだけのことです。まあ、8000万枚となると空前絶後の出品量になるでしょうけど、一株3000円のNTT株だって40億株はけるわけですから、在庫処分ならできると思います。ともかく元を取ろうなんて思わない、将来の支出の発生を防ぐことです。

改ざん指示による赤木さん自死「国の責任は明らか」 財務相が謝罪
いやもう、こんな感じで、悪かったで済ましてしまえばいいのです。どうせ他人事ですから。ただ、それで安倍さんとの仲がこじれるのはまずいわけで、そこをちゃんと手当てしておけばいいわけです。どうせ黒幕と言ったって、あんな辞め方をするとあと数年は表に出られないわけですから、形式的に後始末をするならさっさとしてしまった方がいいという話はあるでしょうし、そこが理解できないような人でもないでしょう。形式的には今は一衆議院議員ですから、実質的な責任は高級官僚に押し付けてしまえばいいわけです。だいたい、処理するなら年内くらいで始末をつけて、年次予算審議でほとぼりを冷ましたところで参議院通常選挙に臨むあたりだと思うんですけどね。

■2021年12月14日(火)  スルーされないために嘘を書くので良いのか
読者にスルーされない見出しのコツ ありきたりな表現を避ける工夫を
こういう発想でつけているのだとしたら、過度に煽情的で、そこを追求するあまり記事の内容すら無視しているタイトルがあるのはまあ、当たり前なのでしょうね。表現というのはどうもそれぞれ独立しているとお考えのようですし、内容に即した見出しを付けるなどということは考慮の外なのでしょう。

■2021年12月13日(月)  いつ止めてもよく、それが死をきっかけにしただけ
漫画家の古谷三敏さん死去 「ダメおやじ」「BARレモン・ハート」
お悔やみを申し上げます。まあ、ある意味ゴルゴと同じで、レモンハートは終わらせる必要がない系統の作品だと思います。あの作品は基本的に一話完結であり、あるエピソードで切っても途絶えた感じがなく、以後も日常的なエピソードが続いていくと思えます。その点は、ストーリーが途絶えてしまったベルセルクあたりとは異なります。

■2021年12月13日(月)  XSelectInput() should be called before you call operation to an window like XMapWindow().
Xlibの勉強をしていて、サンプル通りに作ったはずなのに、開いたウインドウがいつまでたっても閉じず、プログラムで後続する処理に入っている様子もありません。確認してみると、XSelectInput()呼出し後XNextEvent()でExposeが来ていないようです。試しにウインドウを一度最小化してから元に戻してみると、Exposeが発生、処理が進みました。ということは、XSelectInput()を呼び出した時点ですでにExposeが発生しており、取りこぼしてしまっていることが考えられます。プログラム側でウインドウができていれば、つまりXCreateWimpleWindow()が正常終了していれば、イベントマスクを設定することはできるはずですから、XSelectInput()をXMapWindow()の前で呼んでみたところ、見事正常に処理が進みました。XMapWindow()の後にすると取りこぼすようです。
ということで、意外にイベントが早く発生することがあるので、Exposeはウインドウをマップする前にイベントマスクを設定しておく、つまりイベントのトリガーとなりうる操作を行う前にイベントマスクを設定するべきということになります。

■2021年12月13日(月)  鎖国自体は適切な政策
出張で日本に帰ろうと思っても・・・
感染症の脅威から守られるのだって立派な基本的人権です。家もあり生活に苦労もしていない人が、入国ができないと基本的人権が云々と言うのは、あまり感心しません。確かに移動の自由は基本的人権として列挙されているというのが一般的な解釈ですが、その移動の自由がどんなものであるかには解釈上の争いがありますし(まあ、他人事としてはなかなか愉快な論争ですが、おおむね差し迫った事情から自由を制限する立場に立つ傾向がある判例は牽強付会だろうという気はしますね)、そもそも国家は国内に適正に在住する住民を保護することが目的のひとつです。その手段として、外国から移動してくることを一時的に拒否することも、事業を一時的に停止させることも可能ではあります。ただし、どちらもまっとうに国家の強制権を発動し、その責任と補償を引き受けるべきだとは思いますが。人事が発動できないとか、知り合いと会えないとかいうのはそれこそ当座我慢するべき事柄でしょうし、ビジネスなどオンラインで進め、それができないものは諦めれば済むことです。感染症対策よりビジネスが重いと迷走するよりは、責任ある引き籠りの強制の方がましでしょう。もちろん、強制とそれに対する責任が明確にされていることが前提ですけど。その意味で「自粛」はおかしいわけです。権利を無神経かつ無責任に侵害しているとすればそこで、移動できないことではないのです。つまりこの場合国から迷惑を被ったのは航空旅客輸送会社とビジネスの突き上げで腰が砕けた行政トップのせいで妙な弥縫策を取る羽目になった経済産業省で、それ以外は適切な金銭的補償があれば合理的な受忍限度内だと思います。

■2021年12月13日(月)  どうせ穴だらけで実効性がないわりに恣意的に運用されるだけだと思うけど
GPS悪用のつきまとい、東京都条例で規制検討 改正案まとまる
いやもう、いっそ他人の周囲1km以内に近寄る行為を理由や事情によらず禁じた方が効果的だと思うんですけど。条例案の場合、私的なつきまといには抑制効果があるでしょうけど、契約行為に乗じた過剰なつきまといや個人情報の濫用の抑制にはならないでしょう。だいたい、「つきまとい行為をする恐れがある人」ってどう判断するんでしょうか。警察官や役人、学校教員、職場の同僚や上司なんかのことでしょうか。つきまといをしかねないと判断される要素がある人でも、そんな話の回状を回すようなのは人権侵害になりかねないでしょう。例えば都内で職質を受けて、警察官に個人情報を漏らすと個人的につきまとわれかねないので教えられませんと言ったら、それを認めるのでしょうか。

■2021年12月13日(月)  ただ単に、関係国の政治的な意図にオリンピック大会が左右されてはならないという話ではない
IOC「五輪の政治化に断固反対」 相次ぐ外交ボイコット受けて宣言
オリンピックの政治化というなら、大会の場に国家元首や政治家が集まることこそ政治化の最たるものです。高官出入り禁止、政治家出入り禁止、オリンピック外交などありえないとしてこそ、政治とは別の場としてのオリンピックであり得るでしょう。その意味で、外交ボイコットはむしろ良いことではあるでしょう。
もっとも、近代オリンピックはスポーツを通じた相互理解や国際平和の醸成という政治に即した面を持つことは周知の話です。「政治化に断固反対」という言葉の含蓄や実質には、言葉そのものとは異なる意味がある点には注意するべきです。
正直いろいろうざいので、関わらない、無くしてしまうのが一番だとは思いますが。

■2021年12月12日(日)  どう見ても勢力圏の設定要求だなあ
ロシア、米やNATOに安全の「法的保証」要求 ウクライナ情勢巡り
これ、反対に欧米側が、核および海軍、空軍を含むロシアの全面的な武装解除を求めたらどうなるんでしょうかね。その上で、周辺諸国がロシアの承認された領土の不可侵を保障するという考え方もあると思うのですが。もっとも、国の存立を周辺国の承認に依存することになるので、非常に受け入れがたいとは思いますけど。それでも他の主権国家を勢力圏だの緩衝地帯だのとして扱うよりは、現代風ではあると思います。

■2021年12月12日(日)  競馬法と官公庁の関係当局は廃止したほうがよいのでは
競馬法
「第一条 この法律は、馬の改良増殖その他畜産の振興に寄与するとともに、地方財政の改善を図るために行う競馬に関し規定するものとする。」
前世紀からなんでまた競馬とか馬の品種改良などというもはや経済的な意味のないものが維持されているのか、どうにも不思議です。もちろんやりたい人がやるのは勝手というものですが、だとしてもどうして、競争に懸賞金を設定してみたり、勝ち馬投票券などというものを売りさばいてみたり、それを法律で正当化してみたり、官庁が監督したり活性化を行ったりしないといけないのでしょうか。牛や豚、鶏の品評会というならまだわかりますが、馬など今時何の使い道もないでしょう。税金の有効利用を言うならば、馬関連産業に関わる公費支出等無駄の最たるものだと思います。もちろん馬の所有経費を必要経費と認める意義もないわけで、ただのペットです。食肉用、卵生動物の食用採卵用、繊維その他原料採取用、盲導犬や捜索犬などおよびその育成、および研究目的を除き、動物の飼育は愛玩目的と見做し、その費用は会計上および税法上必要経費としては計上できないようにするべきです。
その上で、好事家が馬を繁殖飼育し、競争させて順位を競ってみるくらいはかまわないと思います。懸賞金や勝ち馬投票券は刑法に触れると思いますけど、血統の研究くらいはかまいませんし、競争イベントで出場資格を決めることだって問題ないでしょう。

■2021年12月12日(日)  学校に行かないのはともかく教育を受ける権利は放棄は不可能だと思う
「国民3大義務「教育の義務」は誰に対しての義務?」
「子ども自身が本当に学校に行きたくないというのであれば、教育を受ける権利を放棄することができます。」
これは、いささか問題のある見解です。もちろん子供本人は、学校教育を受ける権利は放棄することはできます。ただし、その子供を養育する保護者は、普通教育を受けさせる義務を拒否することはできないはずです。つまり、学校に行かせずとも、中学校までで教わるような教育はちゃんと与えないといけない、与えなかった場合は罰金刑のみならず、子供の保護を全うしていないとして、公的機関が子供を保護するなどして職権で就学させることもあり得ると解釈するのが相当でしょう。保護者には、直接的には市区町村教育委員会と連携して、子供に義務教育レベルの普通教育の機会を実質的に保障する義務があると思います。
その上で、中学卒業程度の学力を完全に身に着けていると認定されるのであれば、就学というか通学を強要される意味はないとは言えるでしょう。保護者としても義務はまっとうしたと言えると思います。その意味では、習得水準を問わず普通教育を15歳をもって打ち切るとする学校教育法の規定にも問題はあるわけですが、そこは、15歳までに相当の学力をつけるよう、保護者と就学先の学校が努めないといけないと解釈するべきです。
ついでに、中学校を修了したということは、中学校までの課程は全て身に着けたと判断されることになります。個人的には、自分は頭が悪いから自分の子供に中学の勉強など教えられないなどということは許されるとは思えません。さすがに20人30人の子供をまとめて管理しつつ教授を行うのは専門的な技能だと思いますが、自分の子供程度は教えられて当然だと思います。

■2021年12月12日(日)  そりゃ一定の視点で均質な集団の方が他の視点からの最適化はしやすいでしょうよ
昭和女子・山脇・女子美… 伝統女子校、高まる人気の背景は?
アファーマティブアクションの実施については、男女別学の方が実施しやすいと思います。内部で平等や公平、区別や分担を考慮せずに済むからです。制度的に実務管理者の育成を伝統男子校が分担してきた経緯はありますが、各校が教育水準において高度実務管理者育成教育を志向でき、かつ高校卒業後高校での達成水準に基づいた高等教育への受け入れができるならば、特に中高一貫の女子校では言うならば東大理三を女子で占有することすら不可能ではないでしょう。理系教育と言っても、工場の職長を養成する目的と開発技術者や工場長を養成する目的とでは内容が異なります。女子の理系教育という点では、専門知識とリーダーシップを兼ね備えた開発技術者や工場長を養成する視点が不可欠でしょう。工業デザイナーやSEを育てている場合ではないのです。
もっとも、戦後の日本の教育制度が下っ端エンジニアの育成にほぼ完ぺきに失敗した点は、4年制総合大学以外を含めて高等教育機関が技術管理職の育成に偏った点と合わせて、技術実務の習得を担当したと自称する企業の功罪、特に人事制度におけるそれとともに別途検討するべきだと思います。

■2021年12月11日(土)  ノイキャンが必要なところでテレカンなんかできるわけがない
新生活様式が求めるTWSとANC対応イヤフォン
いや、ニューノーマルに追われて情報セキュリティを忘れていませんかね、これ。かつてのノマドワーキングもそうですが、音や画像として周辺に発散される情報は数多くの機密情報を含んでいます。ノイキャンヘッドホンで環境音を消したからそれでいいというわけにはいきません。むしろノイキャンヘッドホンがいるようなところでは仕事はできないと考えるべきです。
仕事だけではありません。昨今の個人情報保護の傾向も考えると、そのような場所で知り合いに連絡を取ることも控えるべきでしょう。自宅の防音の書斎やそのあたりにある防音ブースに入り、周りに誰もいないことを確認してから、やっとできることだと思います。逆に、公然と電話をしている人の様子を録音するのは、あまり趣味の良いこととは言えないにせよ、禁止は難しいと思います。録音されていると想定して余計なことをしない、言わないように行動することが、求められます。また完全に自分の管理下にある場所、あるいは契約上知りえた秘密を守ることが想定される環境でない限り、常に自分の行動は監視カメラで録画され、かつ任意に追跡されうるものと考えるべきです。
そのあたりを前提にしたうえで、イヤフォンが必須というのでしょうか。もちろん常に装着すること自体はニューノーマルへの対応の一類型でありうるかもしれませんが、ビジネスに使えるものではさらさらなく、ビジネスの基本は機密保持と弁えて行動することが必要です。イヤホンで聞いていいのは音楽とニュース、音声型の学習教材くらいだと思うべきでしょう。

■2021年12月10日(金)  買ってどうするんでしょうかね
迷走続く新生銀 TOB終了で3度目の節目 公的資金の行方は
いや、迷走しない理由の方が思いつかないのですが。TOBなんかやって再建などできるのだろうか、まさか事業を全面譲渡したうえで公的資金込みで倒産させる気じゃなかろうなとも思ったのですが、破産管財人が絶対譲渡した事業分の金を請求して倒産詐欺を追及してきますね。

■2021年12月10日(金)  おまとめ割引でも実装するのかな?
Epic Games Store、ついにショッピングカート機能を獲得
都度購入というか、クレカを登録しておいてダウンロードを選択したら即決済という前提であれば、ショッピングカートはいらないと思いますが。Amazon Kindleだって基本的に都度購入です。有形物を出荷配送する必要があるならともかく、ネット上で完結するやり取りでショッピングカートを使うとすれば、まとめ買いで何かベネフィットがあるというのが前提じゃないんですかね?

■2021年12月10日(金)  ひょっとして台湾語でそう言うのでしょうか - 固形資産
Intel、1.25億ドルでVIA傘下Centaurの人材を取得
「固形資産ならびに無形資産の譲渡はない」
何をどう訳したのか知りませんが、「固形資産」はないと思いますが。税法用語上は有形資産と無形資産ですし、これは本来有形固定資産と無形固定資産、つまり固定資産として計上される財のうち有形のものと無形のものということになります。一般に固定資産というと土地と建物ですが、それ以外にも様々な生産手段を計上できて、その一種としてソフトウェアやおそらく商標権のような無形のものがあります。つまりこの文脈では、工場設備やブランド、知財の譲渡はないということです。
速報はまあ良いとして、用語や誤字などのプリミティブなミスが、ネット媒体と紙の出版物とを問わず最近目立ちます。個人の趣味的なブログならともかく、事業として行うならチェックはして欲しいものです。別に自動でもいいですから。

■2021年12月10日(金)  利益にはならないですねえ
「いっぱい働く→利益になる」は古い 安川電機社長のテレワーク論
これは妥当な話だと思いますが、その前に、人ではなく無駄な仕事を減らすことが大事だと思います。一杯働かないとこなせないような仕事を持ち込んでおいて、一杯働くのは古いなどと言われても困ります。もちろん、仕事が減ると一杯働けなくなるといった考え方は変えていく必要はありますけどね。まあ、仕事を減らすというのは結構大変だとは思いますけど。人を減らす方がまだしも楽かもしれません。もっとも通勤にかかる時間自体は「生産」に結びついていないわけですから、テレワークにすることで負担を減らせる、あるいはより生産性の高い形にできるという考え方はあり得るのです。
その上で、ブルーマンデーみたいな話を無くす、必要とあれば、あるいはそのほうがよいと判断すれば、躊躇なく出社できる、あるいは逆に必要があればテレワークを行える状況にするという点は、そうあって欲しいと思います。

■2021年12月10日(金)  結局税金で処理するのは変わらないと思いますけどね
使用済み紙おむつ、下水道使い処理できる? 介護負担軽減へ社会実験
施設での運用なら芽はあると思いますが、コストや導入補助次第ではないでしょうか。排出コストが減るにせよ、処理の手間は増えます。運用次第では施設はともかく職員が疲弊することになりかねません。まだしも介護施設に限って未処理の紙おむつの処理を公的処理機関が低額で受け入れる方がましということになりかねません。経費を処理する部署が違うにせよ、どのみち自己負担分以上は税金なのですから、こういう話こそ一体としての視野が必要ではないでしょうか。

■2021年12月10日(金)  米国は外交交渉を舐め過ぎではないでしょうか
米大統領、核協議決裂に「準備を」 イスラエルにも焦り
こういう成果主義はあまり感心できません。イランには、核開発を中止する義務など一切ありません。もちろんイランに限らず核武装自体が問題だとする主張はあるでしょうが、少なくとも米英仏中露に対して相応の対価なしに核開発の中止に同意する筋合いはありません。米国に取りうる対応は、お願いするか、物理的に叩き潰すかです。それを妙な成果主義や有権者へのアピールにこだわって中途半端な威圧と協議中断に走るなら、イランと有権者、そして有識者の全てから反発を買うだけでしょう。反対にこっそりと話し合いの窓口を開けておくだけなら、それをイランが閉じれば相手のせいにできます。その意味では、なにがしかアピールできる成果を示すためにこの協議を始めたのだとしたら、失敗は必然ではあったでしょう。

■2021年12月10日(金)  ブリンクのクリスマス商品
パネットーネとシュトレン
近所のパティオに入っているブリンクが、アドベント、つまり待降節絡みの商品として、先週からシュトレンを、おそらく今週からパネットーネを売り出しています。シュトレンがドイツ、パネットーネがイタリアの待降節に絡んでいて、どちらも時期になると地元では大量に出回るらしいです。ただ、同様の待降節で食べるものというのは各地に独自のものがあり、ヴェローナのパンドーロあたりもそうですし、ローマやジェノヴァにもそれぞれあるようです。
どうやら共通する特徴として、日持ちがすること、そしてドライフルーツを使っていることが多いようです。もちろん日持ちがするからこそ4週間の待降節の間食べつなげるわけですが、本来待降節がクリスマス前の断食期間であることを考えると、謂わばおせち料理みたいなものではないかという気もしてきます。おせち料理はもちろん断食とは関係ありませんが、調理作業をしない代わりに日持ちのするおせち料理を作り置きするとされています。キリスト教やイスラム教の制度的な断食というのは、基本的には日常の活動を慎んで祈りをささげる期間なので、本来は食料品店も休み、日中は調理もできません。このため、日持ちがして食べでのあるものをあらかじめ用意して、飲食が許される朝晩の軽食として食べつなぐ習慣が、待降節特有の食品を食べる習慣につながったように、感じないでもありません。なお、シュトレンにしろパネットーネにしろ現代日本人の感覚だとお菓子ですが、どうやら西洋料理には普通の料理とお菓子の区別はありません。ですから、イタリアなど甘いブリオシュを朝食に食べたりします。というか、ホテルでは朝食にどう見てもケーキやパイにしか見えないものが出てきます。ですから、パウンドケーキとコーヒーのような朝食や夕食はあり得るのです。子供のころに母親から「お菓子ばっかり食べるとご飯が入らなくなるよ」と叱られた経験のある人は多いと思いますが、ヨーロッパでは、巨大なケーキにコーヒーのお昼ごはんが通用しますし、おやつにポテトサラダを食べてもよいのです。アメリカだって、菓子パンみたいなマーガリンとジャムを塗りたくったサンドイッチがランチボックスだったりしますし、イギリスのお茶の時間は食事の一種とされます。その代わり、カロリー量や栄養バランスは自分で考えないといけません。そう考えれば、断食期間に重めのパン - キリスト教ではパンと水は断食の場合でも許されるというか、むしろパンと水、後は塩漬けの魚のスープだけで過ごすのが断食だったりする - を食べる習慣というのは、あり得ると思います。

■2021年12月10日(金)  子供が集められる場所であれば本を読んでいてもかまわないはず
現地校と補習校
持って帰らないと用をなさない物以外は支給品で学校に置きっぱなしというのがまっとうですね。もっとも日本の場合、少なくとも高校や大学は、学校以外で予習復習をすることが前提になっています。カナダでも、特に大学進学を前提にした学校ではそうだと思います。
「日本とは違って、休み時間はひどい雨の日以外はどんな天気でも全員強制的に外に出されます。小雨なんてお構いなし。マイナス10度でも元気に外遊び、がモットーです。教室内で本を読んで...という選択肢は与えられません。」
検索に引っかかって気になったのですが、これ、多分「外遊び」は強要されません。というより日本のようにとにかく体育の授業以外は校舎内に閉じ込めておくというのがおかしいので、教室も含めて授業用の設備を使えるのは授業の際だけで、それ以外は管理可能なところにまとめておくのです。ですから外に出されて何をしていようと構わないので、晴れた日に校庭の日陰で本を読んでいるシーンが結構あります。もちろん学校としては学校にいる間の子供の安全に責任を負っているわけで、豪雨や吹雪となれば安全確保が優先され、屋内運動場などに集められて、場合によっては下校の手続が取られます。ただまあ、安全基準が日本と異なるようで、どう見ても暑すぎるだろうとか寒すぎるだろうとか小雨降ってるじゃないかとかいう状況でも安全と見做される傾向はあります。そのあたりは安全基準も含めて全て、就学時に渡されるであろうパンフレットに記載されていると思いますし、それに同意することが学校に子供を通わせる条件です。日本のように、なにも提示されずに誓約書だけ提出させられるようなことは、ないはずです。

■2021年12月09日(木)  社員じゃないやい
ウーバー配達員も社員同等に、EUが法案 最低賃金の保障・有給休暇
いやこの、「社員」という用語はいい加減止めませんか?社員とは、組合員に近い、当事者として企業の運営に関わる立場の人のことで、特に法律上は持ち分会社の出資者のことを指します。管理監督者の指揮の下で労働契約に定められた業務に従事する賃労働の従業員のことではありません。もちろん株式会社で株主の総意に基づく委任に従って事業運営を担当する雇われ取締役のことでもありません。ドイツの共同決定法すら、経営実務合議体における労働側の指名は合議体における投票数の半数未満であることを要求しています。社員というのは資本側なのです。
むしろ、欧州委員会におけるこの方向性の趣旨は、ギグワーカーの実質的な労働者性を追求するものと考えないといけません。請負契約と称して契約自由の原則の下に置くのではなく、労働契約として労働監督当局と労働組合の監督下に置くこと、雇用主による(請負契約と称するものとプラットフォームとやらによって実質的に確保されている)制度的拘束と引き換えに労働者としての諸権利を実現するべく一定の枠組みの下に置くことになります。例えば一定期間の雇用、一定時間の就労、そういった形の拘束を前提にしなければ、有給休暇という概念は意味を成しません。賃労働者の諸権利は、メンバーシップに伴う特権ではなく、雇用契約による拘束の対価なのです。

■2021年12月09日(木)  別の意味でコレジャナイ
天然木ワークブース「WOOBO」がオンライン販売。49万5,000円
正直言ってまだネタに走るには早いだろうと思います。機能的な向上で付加価値を付けられないから天然木などというネタでの価値の付加に走ったとしか思えませんが、ワークブースという商品には機能向上の余地は十分にあるでしょう。よしんば居住性の面で木製が望まれるのだとしても、強度面では制約が大きくはないのですから、接着剤なしの集成材や圧縮成型材でも作れるはずで、こんな一枚板を組み合わせたっぽい贅沢な逸品である必要はないはずです。こんなものを買う人なら、そもそもブース以前に執務用の個室を用意できるでしょう。

■2021年12月08日(水)  シカトくらいは覚悟するものでしょう
政権批判への北風 「他人の自由はリスク、自分の自由は負担」の心理
汚れたお重を洗わないといけないという感覚の方がおかしいと思います。汚れたら焼却炉にくべて新しいお重を買えばいい、手間をかけて洗って再利用するよりは売れる新メニューの喧伝に努めるのが良いというのが、現代のメンタリティです。
また、「森友・加計学園問題とか桜を見る会とか日本学術会議の任命拒否とか、汚れたお重が積み上がっている。洗おうとしたり洗わせようとしたりするのは当然で、それを無視して「これからの季節はフグだね」なんて新メニューの開発に邁進(まいしん)している方がどうかしてる。批判するだろ、そりゃ。」だそうですが、批判するのは結構ですが、まともに受け取らないといけない理由は全くありません。例に挙がっていることは、ある意味「たかが」汚れです。もっと重要な、食材が腐っているレベルの問題はいくらでもあります。理念以前に制度としてまともに機能していない憲法の規定、例えば国会議員の要求による国会召集あたりがそうですし、そもそも害悪になってしまっている規定、例えば勤労の権利義務や内閣による法案や予算の提出権、国会召集や解散に関する内閣の - というか天皇の - 権限などもそうです。総辞職を表明した内閣が後任の選挙と称していつまでも居座って重要な決定を下しているのだってそうでしょう。「たかが」行政官庁のトップ如きが国会の特別席に座って、挙句に国会に出てくると仕事ができないから帰っていいかなどと言うのだってそうです。行政官庁のトップが一段高いところでふんぞり返っているのが憲政の常道なんだそうですが、本来役人如きは国会に出てくることは許されず、問題があれば参考人として呼びつけられて見下ろされ、呼びつけた側が聞きたいことだけ搾り上げられるのが普通というものではないでしょうか。もちろん、3万円くらいの日当から役人としてもらうべき報酬の日額を差っ引いた分くらいは支払うべきですが。
その上で、批判というのはして当然、あってよいと思います。汚職や背任だって、問題ではあります。少なくとも報道機関が批判するのは当然で、そこはじゃあ問題ならどうするのか、罷免するのかどうかという決定の部分が問われる国会での話とは違います。法律で決まっていて、刑事訴追されて確定判決が出たというならともかく、汚職にしろ背任にしろ自動的に失職するというものではありません。少なくとも国務大臣については国会が罷免するかどうかを決めるのですし、個々の議員にしても除名はできます。その権限があるからこそ、国会でそこまで持って行く説得力のない批判の議論というのは無駄呼ばわりされるわけです。とりあえず吠えて問題を提起することしか期待されていない在野の批判とは意味が違います。報道は在野の批判として、「腐ってやがる」とちゃんと言ったらよいのです。
もっとも、批判を絶対的に正当化すると、不当呼ばわりされたくない側としては封殺もしたくなります。公平な立場からの公正な批判、それへの北風などという絵空事を言うのではなく、批判を取り上げて行動するかどうかは究極的には有権者の自由だという前提こそが大事でしょう。政権批判に北風を吹かせる政権は大人げないと思いますが、政権批判に有権者がそっぽを向くのは正当な自由です。批判ばかりして行政を妨害していると言われたら、ああいう腐った奴らこそが行政の障害になってるだろうと言えばよいでしょう。それで無視されることを甘受するのも含めて、それは報道としての器量というものです。

■2021年12月08日(水)  淡々と聞き流す録楽こそが大衆文化の未来だと思う
コロナ禍に思う新たな音楽、第九はどこへ 岡田暁生氏に聞く
「小林秀雄賞」なら理解はできますね。著者には珍しくシリアスに悩んでいる本ではあります。
「感動の共有」とやらが必要なものであれば、その価値を認める人がいずれ集まると思いますし、正直それ以上は不要ではないかと思います。奇しくも岡田氏自身が著書でクラシック音楽とは書かれるもの - エクリチュール - であると書いておられるように、クラシック音楽が演奏して聞かれるものになったのは20世紀になってからでしょう。それまでは、演奏会の切符というのは、身分に関わらず誰でも買えるものではあっても、ピアノのある家でもないと買えないものだったと思います。その直後からアンチクラシックの音楽運動、例えば大衆的な合唱への傾倒も出現しており、クラシック演奏会のチケットなど買おうとも思わない人も多かったでしょうし、やったとしても通俗趣味の批判は免れていません。逆に言えば、クラシック音楽とは本来楽譜を買う習慣があり、楽譜を読めて、必要なら自分で演奏できる人たちのもので、耳で聞いて感動とやらを共有するような大衆のものではないのです。そのような感動する方向性は、音楽付きの大衆演劇や野外でのおおむねセミプロの - つまり演奏家として十分な処遇を得ているプロではない、今なら音大を出て自衛隊の楽隊にいるレベルの - 楽団の演奏において、例えばコリアリーバンドや救世軍の楽隊、都市の市民楽団の活動として出現したものだと思います。それがロマン派と結びついてクラシック音楽の稼ぎ口になったことは確かではあるものの、クラシック音楽の本来の享受者である教養市民層からは、アンビバレントな評価をされていたのが実情だと思います。この点は、まさに岡田氏自身がオペラ史の一側面として取り上げていることです。ならば、そのような生まれ方をした商業クラシック音楽には終わりも来るでしょう。熟成といっても税務査察を逃れるために隠しておいたら起こるような熟成だってあるわけで、どこでどう熟成するかは「文化」の本質ではありません。少なくとも絵画だろうと録楽だろうと享受者が場を持って語り合うことはできるのです。その場に創作サイドがいようがいまいが、その場がリアルであろうがバーチャルであろうが、関係はありません。iPodで録楽を聞いているのが「文化」ではないとしても、それを「文化」につなげることは十分可能です。もっとも個人的には、そういった「文化」はツイッターやフェースブックと同じだと思っていますけど。
その一方で、場を共にすることにある種マジカルな芸術を作り上げる機能があることは、私としても否定しません。この点は演劇や音楽演奏のようなその場で作り上げられる芸術に特有のもので、一時期 - あるいは今でもそうかもしれませんが - 現代芸術として、そのような機能の享有から漏れてきた視覚芸術がその取り込みを図ってきたものだと思います。近代文学もそこから漏れていた傾向がありますが、そちらは自作の読み上げという音楽や演劇と共有する「原体験」への回帰と位置付けることができたわけで、そもそも展示されることしかありえなかった視覚芸術、つまり絵画とその延長である写真、彫刻、建築、演劇と写真の庶子と言える映画が創作の共有という点で回帰するべき「原体験」を持たなかったこととは異なるでしょう。もちろんそこは、近代文学の中から印刷出版を前提として視覚的な表現が出てきた - 例えばイタリア未来派や三行詩 - ことにも留意するべきですが。とはいえ、そのようなその場においてのみ完成する芸術がアンダーグラウンドなものになって悪いとする根拠はどこにもないように思います。このあたりは、岡田氏とは是非、プロの映画作家、それもできれば編集に関わる方と一作ものしていただきたいところです。おそらく、その場で一貫したものとしてしかでき上がらない生演奏を前提とする芸術性と、記録したものを一度ばらばらにしてから繋ぎ合わせ、再生することが前提の芸術性との間には、面白い違いがあるのではないかと思います。正直岡田氏にそういう問題意識がないとは思えないわけで、個人的には生演奏というのは絶滅危惧種と思っていますけれども、その生演奏を肯定する立場からしか発言できていないものの、思うところというのはあるのではないかと、読者としては思っているのです。少なくとも映像作家には、ベンヤミンあたりが論じたそのあたりの芸術論の認識がきっちりあるように見えるので、お互いすれ違うということはないのではないでしょうか。

■2021年12月07日(火)  自覚云々の問題ではない気がする
地下鉄乗務員2人、コロナ疑い報告しないで勤務 京都市交通局が処分
これ、ちゃんと休めるようにしてあったんでしょうか。シフトから人が抜けるリスクにしても、現場の方が認識は深刻だと思います。勝手な判断で報告せずに乗務したこと自体は問題ですが、報告ができる状況を作っていなかった場合は京都市交通局の処分は不当処分ということになりそうに思います。自覚を欠いたとか言って個人の問題に矮小化している交通局の認識不足ではないかと思いますし、発表報道という位置付けなら最後の一文は不要だと思います。これ、つまり交通局の主観的な見解を報道するなら、その根拠について裏は取っておくべきではないでしょうか。

■2021年12月07日(火)  理屈は合ってるけどあんたが言うと胡散臭い - 少なくとも雇用主の自由度がある点で賃上げには直結しない
消費回復→賃金上昇? サントリーHD社長が描く賃上げの続く仕組み
経営者としてはそう言うでしょうね。原資がない賃上げはしにくいですから。とはいえ、それは鶏と卵だという話に対する反論にはなっていません。仕組みというなら、まず消費を上向かせるために、サントリーが製品を1割程度の価格までダンピングすればいいのです。もちろんビールでリッター200円程度の酒税もサントリーが被ります。賃金を増やすという手もありますが、さすがにサントリー程度の従業員数では賃金を100倍にしたところで経済への効果はないでしょう。もちろん新規投資でも同じことです。
冗談はともかくとして、株価ではなく消費を増やすというのは、経済政策としては大前提です。それで賃上げが起こるかどうかは別問題ですが、消費を増やす程度の余地もないのでは総体としての経済は上向きにくいのです。もちろん外部に日本経済に匹敵するほどの需要があるなら話は別です。もちろん市場総額ベースでの需要はあるわけですが、日本がそれを活用するなら、対ドル為替レートが1000円/ドル程度にはならないと難しいと思います。そしてそこまで円が下がると、とりあえず現状の消費者物価のままでは輸入が破綻します。消費者物価が全体として相応の上昇を示し、これはつまり消費がそれだけ上向く余裕がある、端的に言って大幅な賃上げがある状況なら単純に物価が付け替わるだけなのですけどね。その賃上げが当面見込めないので、とりあえず給付で対応して、その分は後から雇い主からでも巻き上げろという話になっていると理解しています。また賃上げといってもアンバランスが出るわけで、法定の最低賃金を時給5000円程度には上げないと、所得上位層にばかり手厚い賃上げになってしまうと思います。それでは意味がありません。1本100万円のプレミアワインを年に365本飲む金持ちが一人増えるのでは意味がなく、1本350円の缶ビールを150本飲む貧乏人1000万人が飲む量を倍に増やすのでないといけないのです。ちなみにこの例の場合、経済効果は貧乏人の消費が増える方が二桁は大きいのです。

多様な働き方→多様な発想→稼ぐ力向上 資生堂社長が語る賃上げ論
それなら従業員を全員取締役というか経営参与権のあるパートナーにするべきでしょう。賃労働者にそんな多様な発想を求める方が間違っていますし、稼ぐ力というのは経営者が従業員とは切り離してシステマティックに確保するものです。まして持ち分会社ではない株式会社ならそうであるのが当然です。経営者の責任範囲のことを賃労働者に押し付けておいて「賃上げ」論とは、賃労働の理解を誤っていると思います。

東レ社長が語る雇用 「うちはクビは切らない、早期退職もない」
まだこういう人がいたんですね。世紀が変わるあたりで目出度く絶滅したと思っていたのですが。
「彼らはいま、日本が昔からやってきた、人を大事にするなど社会貢献しつつ稼ぐ公益資本主義を一生懸命勉強しているところなんですよ。」などというのは牽強付会というか誤解もいいところで、そもそも日本の商業や工業に公益だの社会貢献だのという言葉は似合ったことがありません。共存共栄がいいところです。それこそ昔なら生き残れば暖簾分けやら番頭やらというパートナーになることができたシステムを組織を巨大化して徹底的に排除してきたのが明治以降の日本資本主義でしょう。人を大事にすると言って思想統制をし、事業所の周辺住民を排斥する。公益と称して独占とカルテルに走る。稼ぐと称してユーザーを謀り、事業のあがりを従業員と株主から掠め取る。それをやってきたのがいわゆる日本型資本主義における経営者と会社組織です。
終身雇用というのは結果としてそうなるものであり、理屈として事業が破綻しうる以上制度としてはあり得ません。実際終身といっても、企業年金まで保障できているでしょうか。終身というなら、定年退職で終わりとは言えないはずです。退職勧奨も結果としてやらずに済む類であり、否応なくすることになる局面はあり得ます。また株主本位の対義語として従業員重視、従業員本位だというなら、まず株主から借りたお金を返し、非公開の持ち分会社にするべきです。必要なら資本調達でなく借り入れでしのぐ、借り入れが難しいならメンバーが身銭を切る、それが従業員本位ということです。もっともこれは、賃労働制度とは矛盾します。またこういう人が好きそうな言葉で言うなら、下っ端賃労働者に無駄な汗をかかせることなく、経営者が汗をかくものです。

■2021年12月07日(火)  変換後の構造との対応を見透かされてしまえば意味がないと思うのですが
Firefox 95、コード変換でセキュリティを向上する「RLBox」を実装
いやこれ、向上するんでしょうか?もちろんWebAssemblyのところで不正な処理が不正な処理として変換されるのであれば、再変換時でも実行時でもトラップがかかるとは思いますが、不正な処理を正常な処理として実行させるのが脆弱性を突くという行為である以上、あまり意味があるようには思えません。まあ、VMレベルでオペランドを取らないような設計でもすればなんとかなるんですかね。

■2021年12月07日(火)  そういうネタはYouTubeとインスタで十分です
世界初!? ウズラ卵の月と太陽の撮影に成功!
まあ、写真だって自由なものではあるわけで、他人に迷惑をかけていないならいいとは思いますけどね。「当時、天文界では全く話題にならなかった」当たり前でしょう。天体写真界隈というのは写真関連分野の中でもそれなりに広い分野だと思いますが、天体に見えるように天体以外のものを撮影したところであまり評価はされないと思います。むしろ地質構造系の惑星科学の職業研究者が、展示会のネタにするあたりではないでしょうか。もちろん真面目な天文業界が相手にするとも思えません。わざわざ見せびらかしに行けば、愛想笑いで感心したふりくらいはしてくれるかもしれませんけど。
書き方からして明らかにネタ記事なので、ダメとは言いませんけど、基本的に業界人は、自分の畑を茶化したり表面的にパロディにしたりする余所者に対して冷淡です。ふざけるにしても無視されるレベルに留めておいたほうがよいと思います。

■2021年12月07日(火)  壁が開いている必要がないでしょうが
Microsoft、近未来感溢れる作業空間のコンセプトを公開
Microsoftはハードウェアを作るとどうしてこう残念なのでしょうか。壁が開いているというのは端的に言って後ろから覗かれるよりはましという話で、根本的なところで雑居部屋と変わりません。カフェやファミレスよりはましでしょうけどね。デコったところで根本的な問題は残っているわけで、正直言ってこれにBest of Bestなどと付ける側のセンスも人類を超えていると思います。せっかくMSがデザインするのですから、壁にTeams専用のモニタとスピーカーシステムをつけて、Communication is ready on Teamsとでも言ったらよいと思うのですが。

■2021年12月07日(火)  やはりこういうのは法匪というのだと思う
「われわれはプラットフォーム」 ウーバー責任者が主張 都労委
主張としては理解できますが、労働法制の原則としては通らないと思います。それを言うなら、労働法制を掻い潜るようなビジネスをするのではなく、労働法制など必要ないと主張するべきでしょう。民事の契約だ、プラットフォームだなどと主張する輩が散々ろくでもないことをやってきたから、民法の特例として労働者保護やそのための形式的規制が立案され、実態を考慮して運営されてきたのです。仲介だとか受託だとか言うなら、それに即した実態を備えていることが必要です。
少なくとも、固定した料金で運用するなら労働者派遣業の免許は持つべきですし、あくまでも仲介だ、紹介だというならウーバーが提示するのは紹介手数料に留めるべきですし、その場合でも有料職業紹介事業の許可は必要です。それを価格を固定することで便宜を図っているわけですから、それが双方の便宜ではあっても、従事者の労働者性は否定できないと思います。あるいは恒常的な事業として貨物の輸送を受任するのであれば運送業に当たります。自動車でないから許可はいらない、従事者が恒常的な事業としているのではないから許可はいらないというのは、許可制となった経緯を考えれば法律を迂回する誤魔化しでしょう。実際、自転車だろうが徒歩だろうが、安全や交通秩序維持に関わる問題は出ているわけです。運送請負のマッチングプラットフォームと称するのであれば、最低限業務において自動車や普通自動二輪車を使う従事者に、旅客輸送であれば二種運転免許、貨物輸送であれば一般貨物自動車運送業許可の所持を要求しないといけません。

■2021年12月07日(火)  不入斗をどう読むかなんて昔からネタでしたからね
「キラキラネーム」名づけの背景 漢字「無理読み」は日本の伝統?
まあ、ここ1500年ほどを取っても、ここ200年ほどを取っても伝統でしょうね。そもそも漢字の訓読み自体が無理読みの原型です。赤という漢字は「セキ」とか「シャク」とか読むのが普通で、「あか」とは読みません。ですから漢字文化圏の人が赤坂という地名を見た場合、「セキハン」とでも読むのが普通であって、「あかさか」などという発音は想像できないのです。その意味で、日本というのは典型的な漢字文化だとは全く言えません。典型でないことが恥ずかしいことだとは思いませんけど、外国の人に日本語はわけがわからんと言われる理由のひとつが、漢字の音が確定していないことにあるという点は認識するべきでしょう。漢字は表意文字だ(から一字一音でないのは当たり前だ)などという主張は真っ赤な嘘です。覚えるべき字の数が多いのは表意文字だからですが、表音文字だって語彙を増やさないといけない点は変わりありません。
もちろん漢字を当てることで固有名詞に意味を込めるというのは日本文化において伝統ですので、「聖母」と書いて「マリア」と読ませる程度は当たり前のことですし、「光輝」と書いて「ルシファー」と読むのだってありでしょう。それこそ「仲尼」と書いて「てつと」とでも読ませるのだってありといえばありです。
ただし、固有名詞以外の漢語は原則として正式には音読みされるべきです。訓が絡む読み方が慣用されているのであれば仕方ありませんが、例えば「化学」と書いて「ばけがく」と読むのは「かがく」という音読みでは紛らわしいときに俗語としてそう読むのであり、正式には「かがく」でなければなりません。逆に音読みしない漢語は硬い文章には使えないくらいでもよいと思います。

■2021年12月06日(月)  昭和おじさんを批判する昭和おばさん
コロナショックと昭和おじさん社会 - 河合薫, 2020
この人、着眼は大変良いと思うのですが、だいたいにおいて議論の部分が、よく問題にしている「おじさん」と同じになっています。雑誌掲載記事でその傾向が見えていたのですが、単行本として読んでみて、やはり歴史認識の欠如がこうした目の見える心情右翼を生むのだろうなと思えます。例えば命が大事とか人の顔などというのも、昭和のおじさんに典型的な、歴史的な経緯の認識を欠いた言説です。著者の引く「この危機や試練を正確に認識する能力を失」っている、いい例でしょう。世の中が矛盾に満ちたものであることは否定できないにせよ、こうした無理のある言説が深刻な矛盾を作り出している点は、こういう言説を口にする人こそ正確に認識し深刻な問題として受け取らないといけないのではないでしょうか。それをせずにお題目を唱え、命を大事にするとか人の顔をした社会とか言えば済むものではないのです。

■2021年12月05日(日)  こういう明治すごい、江戸すごい、昭和すごい的発想こそが日本文化の劣化のいい事例
渋沢栄一、儒教の教えを現代に採り入れる 利益と道徳の両立で社会をつくる
明治人が道徳を語るなど鼻で笑うしかありません。もちろん現代の経営者が道徳を語るのもおこがましいと思います。資本主義以前に、それこそ儒教が理想とするような道徳的官僚主義に基づく無責任こそが、「企業経営者が注目する理由の一つに、08年のリーマン・ショック以降に欧米流の強欲な資本主義が行き詰まりを見せている」と称される状況の実態です。それが道徳で何とかなるわけがありませんし、まして儒教のような組織重視の道徳に基づくなど論外です。自然人と法人を峻別し、自然人の活動を促進しつつ、法人には営利にも非営利にも徹底的な法家思想を持って当たる方がましだと思います。

■2021年12月05日(日)  今さら言っても遅いから反省の前に経済活性化をするべき
コロナ禍、驚くほど減少した店舗数 専門家は「お願い」乱発に警鐘
根拠のない事業が需要に即して転換するので、むしろ店舗の減少は良いことでしょう。もちろん「お願い」乱発はよくないのですが、そこの反省はもう2年くらい後でもよいというかそのくらい経たないとまともに反省できないと思います。コストを事業者に全面的に押し付けたことは言語道断の強権の発動ですが、少なくとも次の流行が今か来月かなどと心配しているような状況では、落ち着いて対応策など考えられません。そんな強権発動を行う人を公職に就けていたという点も含めて、国民自身の責任です。
むしろ問題は、店舗の減少を、地域の事情に即してどのように代替するかです。テンポが減少したということは、占有されていたリソースが解放され、一時的に供給超過になったということです。つまりリソースの価格が低下して起業がしやすくなったはずです。それをどう活用して、需要を掘り起こしていくか。新規事業に転換してもよいですし、不動産なら隣接する敷地を買い取って店舗面積を拡大する手もあるでしょう。また動産でも、中古品の入手はしやすくなっています。自然人や小規模企業のリスクテイキングを促進するべきでしょう。その場合、資金がだぶついている証券流通市場から資金をハイリスクの発行市場に移すことが考えられます。例えば債券発行の規制を緩和することで、流通市場取引でなく、投資家と発行主体や発行引受者をより直接的に、それこそオンライン発行のような広域での事務コストの低い手段をもって結びつける方法はあり得ると思います。もちろん詐欺に類する行為は出てくるはずですが、本来分散投資はその手の行為への対応策でもあります。うまい話に一点賭けするのが悪いのであって、小口の投資を幅広く行うことで、何件か詐欺話があっても実害が出にくいようにして、その上で詐欺が疑われる事例に対して事後的な取り締まりを行うのが常道であり、投資家がなけなしの資金を無くして悲鳴を上げるというのはある意味自業自得です。もちろん、国債を増発して政策金融や補助金交付を行う方法もありはします。こういった手法と、縮退した個人消費の個人へのバラマキによる活性化を組み合わせるのが、反省する余裕を作るために取りうる方法ではないでしょうか。
まあ、反省などしなくていい、デフレ万歳と言うなら、それはそれでいいですけどね。

■2021年12月05日(日)  何ならぜひ機内食にしてください
「ファーストクラス級」の金ピカおにぎり 1500円で限定販売
意外に安いというかしょぼいというか、だって通常のもののたった10倍です。まあ確かに、エコノミークラスの格安チケットとファーストクラスの運賃の比も10倍程度だった気がしますが、金箔を張るなどという品も意味もないことをして10倍で済んでいる、しかも1500円ならちょっと気取ったランチなら普通に出る値段です。お昼ご飯に15万円となれば持っている人はともかく出せる人は限られるでしょうが、1500円ならお手頃価格で、下手をするとエコノミークラスの機内食のコストです。1.5万円程度で、相当気合が入ったファーストクラスの機内食くらいでしょうか。どうせなら日本航空は、予約すれば機内食の代わりにこれが出るようにしてくれないでしょうか。

■2021年12月04日(土)  今時学生に有機溶媒を燃やさせて火事にするとはバンカラなことで
八王子の都立大キャンパスで火災 学生用研究室の有機溶剤か
学生用研究室というのがよくわかりませんが、これがもし学生居室ということなら、言語道断です。例えエチルアルコールであっても、学生居室などに有機溶剤を保管するなどありえません。薬品の管理者を懲戒処分するレベルです。また学生が出入りする実験室だとすれば、その実験室の管理責任者の責任問題です。
学生が失敗をやらかすのはよくあることですが、将来専門職として薬品を管理する立場に立つ人を育成する機関として、火を出してもせいぜいぼやで済むように適切な管理監督を行い、軽微な範囲で失敗させることも含めて薬品を扱う怖さを理解体験させるべき大学理学部が、有機溶剤を発火ないしは引火させて30平米を焼くというのは、大変恥ずかしいことです。都立大理学部化学科から、卒業生および化学単位履修者に関する甲種危険物取扱者資格の受験資格をはく奪するべきでしょう。

手順の指導せず、実験中は帰宅 都立大准教授を諭旨解雇 昨年の火災
そらまあ、解雇は仕方ないですね。別に土曜日に家に帰ること自体は問題はないのですが、その場合学生に実験をさせるべきではありません。適切な実験手順の指導を怠ったというのではなおさらです。もちろん上級生に任せることは十分あり得るのですが、その場合でも上級生が適切な指導をしているかどうかを把握するのは教員の責任ですし、もちろん問題が起きれば指導責任は問われます。
もっともそういう緩い環境でこそ学生が伸び伸びと学習できる部分もあるわけで、それと教員の監督責任を両立させようとすると教員が休めないということになるので、TAなり助手なりの手当てが望ましいのでしょう。

■2021年12月04日(土)  いっそAd版を出してユーザーに広告視聴料を払えばいいでしょう
マイクロソフト、Windows 11の「Edge以外にデフォルトブラウザ切替え困難」を撤回か
いやもうこれ、製品版のバリエーションとして、Microsoft Windows Subscription with Adを月100ドルを支給する形で配布してはいかがでしょうか。もちろん、Microsoftの推奨品をストアから導入することしかできない、Windows 10Sの後継製品ということです。WebブラウザはEdge以外にはできず、かつどこかのスペースにMSやパートナー企業の広告が表示され、この製品についてはMSは広告料収入や推奨製品からの手数料収入を原資としてユーザーに広告料月100ドルを支払う形になります。さすがにこれをプリインストールされると非常に困りますが、パッケージか、ダウンロードであれOSが付属しないPC用に導入する形であれば、まあ、Secure and Trusted Experienceと宣伝しても我慢できます。なんなら、マルウェア防御機構の一環として、ネットワーク入力で他社の広告コンテンツを自動的に削除してもかまわないでしょう。Microsoftとパートナーシップを締結しなければ、Google Adsなどは影響を受けることになります。

■2021年12月03日(金)  一本千円くらいの高級ミネラルウォーターではだめかね
「スポーツドリンク解禁を」 校則変えようと小学生が先生にプレゼン
学校お手盛りという感じがしますが、権利主張を身に着けることは悪いことではないでしょう。
とはいえ、学校現場が未だに鉛筆や消しゴムを使っているというのはどうなのかと思いますし、まして持ち込みの筆記具に名前を書いて管理するような貧乏くさいことを未だに前提にするのはどうかと思います。必須の学用品なら支給するのが当然でしょうし、支給しないのならそれがなくてもよいような形にするべきです。
その上で、自分たちの学校だなどという考え方を未だに肯定しているのも変です。学校など、家に勉強をする環境がないから仕方なく通うものに過ぎないのですから。

■2021年12月02日(木)  対立してると思っているのはごく一部じゃないでしょうか
3%賃上げ「景気対策になりません」 ベーシックサービス拡充への道
これはタイトルとしてはその通りで、分野限定で、しかもそもそも元の給与水準が低いセクターで3パーセント賃上げしたからといって景気対策になどなりません。個人的には倍にはすべきだと思います。また、一定のサービスについて無償化すべきというのも妥当だと思います。例えば井出氏が個人金融誌2021年夏号に寄稿した「なぜベーシックサービスなのか」という記事では「医療・介護・教育・障がい者福祉」をベーシックサービスとして保障すべき内容として列挙していますが、この中で医療、教育、障がい者福祉については過去であれ無償化の実績があり、無償化した場合の問題点、注意点もそれなりに明らかになっています。
一方で、こうしたベーシックサービスは、ベーシックインカムと排他的なものではありません。ベーシックインカムが低所得者に保障するのは、まず衣食住です。つまり不可欠な命の保障としての「飲食費や光熱費にあてられる生活扶助、現金給付」を代替するのがベーシックインカムです。これは井出氏の言う「ベーシックなニーズ」と相補的でしょう。もちろん政策論としてまずどちらを実現するかという問題はあり、ベーシックサービスの方が実現しやすいという議論は成立しえます。しかし、「既存の社会保障をベーシックインカムに置き換える」戦略とベーシックサービスを比較して云々というのは、バランスが取れていません。そもそもベーシックインカム自体は、社会保障費の中で公的年金を含めた低所得者給付を置き換えるものであり、一方で経済対策を置き換えるものです。低所得者給付はベーシックインカムに一本化され、この点では公的年金を始めとする給付は無くなります。給付が減額になったとしても、まず、ベーシックサービスで医療や教育が保障されれば生活費自体は縮減します。また子供のいる低所得世帯が親と子供の人数×ベーシックインカム、例えば母親と子供二人で月21万円の給付となれば、従来の生活保護の水準は上回ります。経済対策は公的支出によって事業者を救済する政策ですが、その目的は産業保護と雇用維持です。ベーシックインカムを導入すれば、雇用維持策の部分が不要になります。例えばベーシックサービスと組み合わせることで雇用保険が不要になりますし、雇用調整に関わる施策も不要になります。最低賃金は雇用における最低コストを与えるものなので維持すべきでしょうが、その最低賃金を支払えない事業者は雇用の維持や事業の継続という事業の清算や再建の足かせから解放されます。賃金を払えない事業など、経済的には害悪というしかないでしょう。そして支出のモチベーションは低いが万人に補償されるべき事業については、ベーシックサービスとして賄われることになります。
その上で、ベーシックインカムのコスト100兆円という問題になります。これについては、消費増税の前に各種の控除の廃止を進めることになるでしょう。基礎控除はベーシックインカムによる割り戻しで不要になり、配偶者控除、被扶養者控除も廃止ということになります。ベーシックサービスを採用するなら医療費控除や社会保険控除も廃止でしょう。これによって所得税や住民税の課税範囲は増えるはずです。一方で給付がベーシックインカムに付け替わることで100兆円という額は変動するわけですが、現状の社会保障費が35兆円ということなので、これは無視できるものとかんがえます。消費増税はその上で検討するべきでしょう。中期的には分配につながるものだとしても、せっかくベーシックインカムなりベーシックサービスなりという形で個人消費、個人の可処分所得を増やそうとしているのに、消費増税では、それこそベーシックサービス以外の個人向けサービスが伸びてきません。ただの沈滞した給付社会になってしまいます。分配というのは生存権の保障と同時に多数の消費者のニーズに適合した産業構造の調整や投資の誘導を目的とするのであって、それによって消費が増えてくれないと、そもそも消費税を増やしても課税ベースが減少するのです。例えば消費税率を30パーセントにしたとして、それによって消費が10パーセント減少すれば消費増税による増収は27パーセント分ということになります。一方100兆円の借り入れによって行った給付が消費に回った場合、500兆円のGDPが600兆円に増えると考えれば単純計算で消費税は税率を変えることなく20パーセントの増収になります。またこの分の収入が発生しているわけですから、収入ベースの税も増収となるでしょう。ベーシックサービスの場合税収増は全く発生しないわけですから、おそらく税収増分は同程度になります。そうなると、後は給付によって消費者ニーズに対応して変化した経済の成長によって借り入れ分を解消できるかどうかの見積もり次第になりますが、増税した場合の短期的な経済の縮小を賄うだけの成長が見込めるかどうかの見積もりとの比較ということになります。もちろん増税自体を否定するものではありませんし、それが消費税であっても是認できる状況は必ずありますが、経済が縮小している状況で、金融投資ならまだしも消費に冷や水を浴びせるような施策はよくないと思います。どうやら3000兆円はあるらしい金融資産に20パーセントの資産税をかける方がましでしょう。この手の資産税は利子がつかない資産を直撃しますから、リスク投資への資金移転も見込めます。
後はインフレーションと外国為替の問題です。まずインフレーションですが、これは財の供給がないのに通貨を増やした場合に起きる現象です。通貨を増やしたとして、その分の財の供給があれば相対的な通貨価値は変動しません。では借り入れで給付、つまり消費者の需要を増やしたとして、財の供給が増えるかどうかですが、おそらく増えることになります。何しろ消費が不足して流通や製造で問題が起こっている状況であり、供給余力は相当にあります。インフレーションが起きたとしても、ごく短期で鎮静化すると思います。一方外国為替ですが、インフレーションに伴う為替下落を想定しているとすれば、インフレーションの発生が限定的なものに留まるとすれば為替下落も限定的なものに留まります。産業構造の転換過程で投資ニーズが増加すれば金利は上がりますから、この場合は為替上昇を導く可能性もあります。

■2021年12月01日(水)  ちなみに米国のGDPは20兆ドル
巨大経済圏「RCEP」発効 中韓も参加、GDP・人口は世界の3割
巨大経済圏と言いつつも、人口の割にGDPはアメリカ合衆国の2割増しかそこらです。つまり人口の割には稼ぎが小さい、貧乏地域の集合に過ぎません。つまり、おそらく域内では経済は回りません。米国市場あっての経済力です。逆に言えば成長余力があると考えてもいいでしょうが、それが実現するのは数十年後、それも不確定でしょう。

■2021年12月01日(水)  建築のために木を切るな!
木が高い!足りない! 悩む工務店 今こそ日本の木に必要なことは?
値上げするなり木造自体を止めるなりすればいいだけのことでしょう。そもそも木造建築物の需要がどれだけあるというのでしょうか。小規模木造建築しかできない建設業者の事業継続のために無理矢理新築や改築の需要を作り出しているという方が正しい気がします。

■2021年12月01日(水)  枠組みだけ決めて後はお任せ、その枠組みが二転三転するのでは、それは困るでしょうねえ
3回目「8カ月後」、供給と現場の間で 国の論拠、前倒す可能性は
3回目接種の方針で国が二転三転 吉村知事ら首長から相次ぐ困惑の声
困惑というか、少なくとも供給の問題ならば、供給スケジュールをちゃんと示すべきでしょう。
これが、例えば副反応が重篤化する可能性があるので短期間での3度目の接種は推奨しないというなら、8カ月なり6カ月なりというのはわかります。しかし単純に供給の問題であるなら、一律に期間を設定するのではなく、この時期までは3回目接種を目的とするワクチンの供給には応じないと言うべきです。逆に期間や対象で制約をかけるのであれば、実施自体を厚労省が直接行うべきでしょう。

■2021年12月01日(水)  なんかわけのわからないものが出ると知り合いに振り回される未来が目に見える
マイクロソフトがEdgeに後払いサービスを標準組込みする予告に「ブラウザが重くなる」など批判が相次ぐ
ようやく親のIE依存を脱却してEdgeに移行させたのに、こういう脆弱性を導入する行動は正直困ります。
もちろんプラットフォーム商売をしたいという意向自体は理解はします。EdgeはWebブラウザではなくWindowsのフロントエンドインターフェースであり、クロームとかのようなただのWebブラウザとは違うのだと言いたいのだと思います。
とはいえこれは、マイクロソフトはActiveXの導入の経過において何も学んでいなかったと評するしかありません。JavaScriptもそうですが、動的な機能の提供がいかにユーザーの危険を増大させるかはとっくにわかりきっていることであり、だからこそ支払いのような危険な操作については認証の多重化のような対応が提案されています。それをデフォルトで組み込むなどという方向性はありえません。百歩譲ってオプションのWebブラウザであればそういう趣向もありだとは思います。ChromeやOperaがそういう機能を組み込んだとしても、嫌なら使わなければよいだけの話です。しかしEdgeやSafariは違います。これらはOSメーカーがOSの一部として配布する標準アプリケーションであり、何もしなければそれを使うことになります。というか、使わない方法を封じようとしているという話さえあります。そこに脆弱性を組み込まれると、知り合いが問題を持ち込んでくるという形で迷惑します。
どうせ組み込むなら、JavaScriptのクラウド実行あたりにして欲しかったです。

■2021年12月01日(水)  コントルノみたい
保土ヶ谷区丼「農家レストランのカラフル温野菜」
やっぱり丼じゃないじゃん。イラストだと丼に温野菜がトッピングされているように見えるのですが、容器は蒸篭のようです。つまり温野菜がボウルやプレートではなく蒸篭に入って供されるのですね。まあ、蒸篭自体は調理器具でもあるかもしれませんが。
正直、ここまでやるのだったら、是非とも丼にして、全ての食材を生かすたれをかけて出してほしいです。各素材に適した調味料で召し上がってくださいという心意気は買うのですが、これは丼ではありません。それこそイタリア料理のコントルノではないでしょうか。

■2021年12月01日(水)  サービスを終了した方が良くはありませんか
Twitter、個人情報ポリシーの適用範囲を拡大。同意なくプライベートな写真や動画の公開を禁止
まあ、それはそれであるべき姿だとは思うのですが、おそらく禁止しても発覚したら差し止めるレベルでしょうし、実効性は低いのではないでしょうか。マジョリティが穏健な利用をしているにしても、一部で深刻な問題が起こるとすれば、インフラストラクチャーとしてはともかくサービスモデルとしては破綻していると思います。

■2021年12月01日(水)  採用にリスクはつきものではある
「裏アカ」調査で学生の本音は見えない 「就活の教科書」社長
「調査をしていること自体、格好悪い」
これはそうだと思います。調べる側の気分としてもそうでしょうし、実際に格好は悪いでしょう。そもそも採用側の無能を曝すような事柄ですし、器量も疑われます。
とはいえ、調べる動機も理解はできます。リスク要因など抱え込みたくはありません。そんな行動を起こされるようなきっかけを与えなければよいというのはきれいごとです。そんなことを起こさないような人を雇うに越したことはないし、調べて分かるのであればそれに越したことはありません。
まあ、そこまで雇う人を信用できないのであれば、雇わなければよいとは思います。極力人を雇わないような事業を志すのが筋でしょう。信頼できる人を10人探すのはそれなりに可能でしょうが、それが毎年100人となるとかなり大変です。それも印象論ではなくエヴィデンスをもってとなると、大きな負担です。そんな負担は負わない、周りから公正な定期採用や継続的な新規採用を強要されないように事業を運営するというのが、合理的ではないでしょうか。
そう考えると、昨今の事業についてのコンプライアンスとかトレーサビリティというのは、少なくとも新卒一斉採用とは相性が悪いと思います。労働条件を十分に改善したうえで、コンプライアンスやトレーサビリティが要求される業務については相当の資格取得と十分な在職経歴を証明可能な形で示した人だけがつける形が望ましいでしょうし、その場合何をするか分かったもんじゃない新卒や得体の知れない希望者なんか採用できません。CIAやFSBが希望者の採用ではなくスカウトを中心にしているといった都市伝説も、そういった発想だと思います。また採用は少数を慎重にする形であるべきで、採用してからふるい落とすなどという発想は厳禁でしょう。大量の退職者が出るような事業体はそもそもコンプライアンスの面で問題があると理解するべきです。

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