日記

■2021年02月28日(日)  コート掛けはある場合居間にある気がする
玄関の不思議
そういえばそうですね。
まあ、基本的には玄関で外套を置く習慣がないわけです。日本の感覚ではコートといえども服なので、玄関にかけておくものではなく、携行するものなのだと思います。履物を履いて上がり框にあがることは重大なマナー違反なので、上がり框がない建物(多くは公共の建物)以外では履物を土間で脱ぐことになりますが、外套は持って入り、あるていど客が来ることを想定している家では居間の外套掛けに掛けることになります。外套掛けがなければ畳んで膝の上にでも置くか、床に置く。その家の住人の場合は自室まで持って行って、乾かしてからクローゼットにしまう。まあ、でないと妹にお気に入りのコートを取られてしまうといった警戒があるかもしれません。傘は本来玄関の土間に置くもので、持って入るものではないですが、傘立てに置いておくと他人に持って行かれる危険があるので、使い捨てのビニール袋に入れてでも携行する、そういう感じです。あるいは外套のポケットに鍵やら財布やらを入れている人もいるので、手放してしまうことに不安があったりします。

■2021年02月27日(土)  経費は決済権者に判断を仰ぐのが基本でしょうに
市長室にシャワー、設置費360万円 「理解得られる」
もちろん市長や市職員が脂の浮いた顔で24時間対応しても誰も喜ばない、シャワーくらいあってしかるべきだというのはその通りで、簡易ブースとはいえ給水や排水を引いてきて設置して防水処理をして360万円というのは必ずしも高いとは言えません。ただしそもそも防水処理をしないといけない場所にシャワーブースを設置することに無理はあると思います。
それにしても、なんで議会に相談もせず、自分の部屋にだけつけますかね。この一年ほど執務室と議会と現場を回って仮眠してばかりであまり家や官舎に帰れず、せめて手近にシャワーくらい欲しい、交代ではなく好きな時に浴びたいと思ったとしても、議会に相談したら住民税収入も減りかねないのに無駄遣いするなと言われて実現しないと思ったとしても、瓜田に靴を脱ぐのはやってはいけないことですし、そもそも理解してもらえると思うなら説明すればよいのです。いいと思ってやったことをいろいろ議会に否定された、だから相談しないと思う理由はありそうですが、主義主張とは別に、そもそも公務員や他人を代表する者としての自覚に欠けます。どうしても勝手にやりたいなら自前でトラックにボイラーとシャワー付きのコンテナブースでも積んで市庁舎の近所の有料駐車場に止めておき、浴びたくなったら行けばよいのです。水代や水を汲んでくる人の手配も含めて市長の年棒の倍以上になる可能性もありますが、それが「勝手にやる」ということでしょう。仕事をしていれば経費を請求してもよいなどという高級賃労働者じみた発想は捨ててほしいものです。

市長室の360万円シャワー室、議会が撤去求める決議
首長が政策で議会と対立すること自体は仕方ないのですが、こういう下らない問題で議会が動くような行為は慎むべきだと思います。議員の時間だって有限ですし、議会が議論をすればそれなりのコストがかかります。余計なことを議論するななどと言うのではなく、議会が有意義な議論に集中できるように下らない問題を起こさないことが、首長の責任です。

役所にサウナ「痛み緩和し公務集中」 百条委で池田市長
これだって、寝袋や施術用ベッドで寝て体が痛むような軟弱な人は市長にふさわしくないとも言えるわけで、水だけで24時間闘って平然としていられるのでなければ、まず立候補などせずしっかり療養、無理がきくように体を鍛え上げるのが筋でしょう。伝統的な建築構造では活動に障害が出る人、無理がきかない人でも市庁舎に無理なく来訪でき、あるいは市職員として貢献できるような整備はすべきですが、本来多様な意見を反映させるべき議員ならともかく、行政長官の福利厚生など最後の最後です。

サウナ問題の池田市長、7月末の辞職表明「けじめとる」
まあ、自治体首長のばあい辞職したときは即刻選挙ですもんね。すぐに辞めるとは言えないことは理解できなくもありません。
とはいえ、けじめをつけるというよりは、サウナを持ち込まないと執務に差支えが出るような状態であるため、療養のため退任すると言うべきではないかと思います。けじめをつけるでは、本来他の問題はないが倫理上の問題を起こしたために職を辞するというニュアンスになりますからね。というかこれ、議会主導でサウナを撤去したうえで、市長は執務不可能であるため即刻選挙を行うという筋合いの話ではないでしょうか。

市長室へのシャワー設置、反発の市議らが給与削減案提出
で、こちらは順調にこじれているようです。とはいえ撤去費用分を給料から差っ引けと言わんばかりの提案はどうも品がないわけで、シャワーを撤去したいのか、それとも費用を出したくないのかはちゃんと整理して欲しいところです。
それにしても、やはり行政長官が予算の提案権を持つという制度はおかしいのではないでしょうか。実効性に問題が出がちだとしても、議会が予算案の取り廻しで首長を忖度するのはおかしいと思います。議会が決めるという前提の上で、首長や内閣総理大臣を始めとした行政官が都合の良い案を出してもらうべく議員と交渉するというのが筋ではないでしょうか。

市長室にシャワー室・テスラ公用車…議会と対立の千葉市川市長が落選
後始末もそれなりに大変そうではありますが。
経費支出に関わるトラブルの再発防止策としては、やはり予算提案の権限を行政から奪う以外にないと思います。チェックアンドバランスでやっていると情報隠しや責任の押し付け合いになりますので、財政については議会が一元的に権限と責任を持つという以外にはしようがありません。

■2021年02月27日(土)  何か論理が転倒している気がしますが
「ワクチン接種のため停戦を」国連、要求決議を採択
人道は素晴らしいと思いますけど、そもそも目的達成のために他人が死んでもかまわないと思うから戦闘をしているわけで、ワクチンを運ぶために止めようなどと言われても誰が聞くのかと思うのは私だけでしょうか。現代戦の理屈からすると、感染症の蔓延で敵が弱体化してくれればこちらが有利になるという筋でしょう。論理が転倒しています。

■2021年02月27日(土)  線路だけはあってよかったというか
北朝鮮のロシア外交官一家、手押しトロッコで国境越え
一瞬追放されたかと思ったのですが、ロシア外務省のいい話系だったようです。
もちろんトロッコというのは手押し、人力牽引で使われるもので、傾斜した坑道などを1000m以上も採掘物を満載して押し引きしたりするわけですが、交通機関が動いていないため徒歩になるのは仕方ないとして、とりあえずそれに子供と荷物を載せたという発想力に感心します。さすがにそこにある形式の機関車の運転免許も持っていない人にディーゼルであれ運転させるわけにもいきませんしね。子供を連れて1km歩くよりは、大人がある程度整備された線路上をトロッコを押す方が安全です。鉄道というのは、動き始めてしまえば車輪や軸の摩擦が小さいため通常の台車などよりも人力で動かしやすく、方向も線路が制御してくれるためひたすら力をかけていればよいという意味で楽です。昔は貨物車を数人で手押しして交換していたらしいですし。もっとも一度動いたものを止めるのは大変ですし、鉄橋を渡るとなると風に吹かれて危険です。北朝鮮の対応もなかなか良いもので、辻褄を合わせる手腕は侮れないようです。貧乏、後進国などと馬鹿にできません。
とはいえ、おそらく一度限りの特例、それも出国のみでしょうし、その場凌ぎなので、よい子はまねをしてはいけません。

■2021年02月27日(土)  老眼はいいのですかね
モバイルディスプレイの余計な幸せ
まあ、個人的にはモニタが4K対応なのにPCが対応していなくて少し悲しい思いをしているわけですが。
等倍厨は良いとして、その理由の一つはそろそろ老眼という話だったと思うのですが、それでも快適に見える程度にこの14インチ4Kモニタは見やすいということでしょうか。もちろん実寸で把握するための等倍100パーセントというのもあるわけなので、見やすいから14インチでよいということには必ずしもなりません。とはいえ普通は相対的な配置を確認できれば済むので、高い解像度は多くの場合広い作業領域をもたらします。
このモニタについて、「サウンド再生にも不便はない。」と評していますが、以前の記事を照らし合わせればカメラとマイクがついていることが望ましいのではないかと思います。逆に言えばノートPCの場合カメラとマイクとアンプとスピーカーは内蔵されているので、高解像度の表示機能さえあればよいはずです。もしかしてHDMI系の接続は画像にしろ音声にしろケーブルの向きは問わないにしろ一方向限定かもしれないので、モニタとスピーカーという出力にカメラとマイクという入力をケーブル一本で兼ね備えることはむずかしいのかもしれません。
広い作業領域は効率を改善しますし、複数の画面は別の意味でそのような面があります。つまり、作業領域をタスクごとにわけられるのです。その意味でセカンドモニタには価値があるのですが、問題もあります。画面のピクセル数が減ったりモニタの個数が減ったりしたときに、たいていのアプリケーションはプライマリーモニタの上左端を原点にウインドウを再配置します。つまりセカンダリーモニタをつないでいる状態でサスペンドして、プライマリーモニタのみの状況で復帰すると、ウインドウがどこかに行ってしまうか、プライマリーモニタの左側に重なって表示されてしまいます。しかもピクセル数が減っている場合にウインドウサイズを調整するかどうかはアプリケーション任せです。なかなか情けない状況になるので、ノートPCでマルチモニタというのはひと工夫必要です。

■2021年02月26日(金)  ありえないなどということは全くない
会見見送りありえない? 全て答える台湾、アピールの仏
いやまあ、ありえないなどということはないのであって、会見をしても意味がない、あるいは自分では会見を活用できないということであれば、しないという選択はあり得ます。意味がないというのには、そもそも会見の趣旨を適切に報道されない、会見相手が公衆へのアクセスを期待できないといった場合があります。活用できないというのは、会見相手から都合の良い反応や質問を引き出すことができないということです。そもそも会見には実施にも準備にも相応の時間がかかるわけですから、言うべきことのペーパーを作って配って終わり(というかネットに公開)にしてしまった方が、よほど楽なのです。
記者会見には、自由な取材を許した場合のスクラム取材や夜討ち朝駆けを避ける効果も期待できるのですが、スクラム取材や夜討ち朝駆けの方が扱いやすいとなれば、会見などせずに発表だけしておいて、後は適当にどうぞとなるでしょう。

■2021年02月26日(金)  会社も君主も無答責
高額接待の東北新社社長が辞任 首相の長男は懲戒処分へ
まあ、こういう時に生贄になるのも雇われ経営者の給料の内なのですが。
とはいえ、「会社は悪をなしえず」、「悪をなすのは人」ということなんですかね。完全に仕事の範囲内、会社のためなので、上層部が少々すげ変わったくらいでは再発すると思うのですが。本当はそういうときのための、業務執行に関わっていない社外取締役会で、イノセントであるがゆえに(贈収賄や接待を取締役会にかけて議事録に残す馬鹿はそうそういない)業務執行役を全員追い出して後任を選定する正当性が得られるわけです。今回で言えば、関わっていないはずがない副社長も辞めさせないといけないのです。

■2021年02月25日(木)  聖火リレーもオリンピックも優先順位は高くない
竹下氏「聖火リレー中止、知事が決めるこっちゃねえ」
それを言うなら、自治体政府の感染症対策は大規模イベント屋ごときが口を挟むこっちゃねえでしょう。何が何でも五輪を成功に見せかけないといけない、聖火リレーを実施なければいけない、そのためにみんなが協力するのが当然だなどという全体主義的な考え方をするからそんな発想になるのであって、島根県知事として聖火リレーのようなイベントを県内で行うことは認められないとするのは県知事の権限内ですし、いっそ取りやめたらどうかと言うのはむしろ善意の助言でしょう。感染症対策に引っかかるから聖火リレーは島根県内を通るなと言われれば、実施委員会(でも国民全部でも世界でも)は島根県を避けて通らないといけないのです。県境ぎりぎりまで走って引き返していくくらいの嫌がらせは構わないでしょうが、県内では県知事が県公安委員会や県警と図って決めた規制には従わないといけませんし、衛生対策だって、県がこうせよと決めたことには従わないといけませんし、むしろこういう風に万全の対策をしますので聖火リレーを走らせてくださいと土下座しないといけない立場です。「五輪の実施は(金も国の権威もかかっているので)ものすごく大事だが、それと感染症対策は次元の違う話だ。」と言うべきです。
まあ、国民の命など国威にくらべれば鴻毛のごとく軽い、国威の発揚である国家イベントに県知事風情が口を出すなと言うのは一つの考え方ですが、それなら組織委員会を民間団体になどしなければよいのです。防衛省の直轄組織にして施設科出身の陸将でも長官にして無条件無制限の徴発権と指揮権を与えておけば、いい具合に腐敗しつつ歓呼の声まで成功させてくれると思います。

■2021年02月24日(水)  見もせず署名というのは株主から過失責任を追及されかねないのではないでしょうか
日産・西川氏「中身確認せず署名」 ゴーン被告報酬文書
署名したということは中身を理解し承認したということで、署名してから中身を確認していないなどという話は成り立ちませんし、もし事実として確認していなかったのなら業務執行における誠実義務違反です。

■2021年02月23日(火)  頓智だってやって良いことと悪いことがあります
夜がダメなら「朝ディナー」 ミシュラン店、逆転の発想
いや、そもそも店で外食する、外食を勧誘することに問題があるのであって、終業時間の切り上げだから朝の営業ならいいなんてわけはないでしょう。宴会、会食の定番である夜間営業を規制するというのは宴会や会食を規制するための便宜ですが、人が集まる場所で感染しない、させないようにマスクをしていたらそもそも飲食はできないはずです。逆転の発想と言うなら店内はマスク着用で料理も飲み物も出さないが雰囲気だけはしっかり作って席料を取るくらいはして欲しいものです。
もちろん、外食という文化を云々するならEnjoy gourmet and dieくらいは言うのも良しですけどね。

■2021年02月22日(月)  人間がすれば済むことを画像を自動生成してどうするのか
ピアノ曲を聴かせるだけで演奏シーンのCGを自動生成するAI
いやまあ、音源に合わせてアバターが正しい運指でピアノを弾くだけと言ったらそれまでなのですが、先生の模範演奏から自動的に正しい運指を導き出すという話なのでしょうかね。もちろん運指というのは出るべき音やその流れに対して合理的なものであるはずで(と言いつつわざと音を出しにくい運指で弾くこともあるそうですが)、AIが音から(楽譜を介して)正しい運指を再現できるというのは運指の合理性の主張でもあるわけです。
とはいえ、本来熟練したピアニストは音を聞いて、あるいは楽譜を見て適切な運指を推察できるはずで、先生の指導の下に演奏法を学び、様々な曲を弾いてみる中で自分の知識体系としてそうしたデータベースを構築していくわけです。それがピアニストとしての最低ラインなのであって、その上で運指に独自の緩急や逸脱を盛り込むことがピアニストとしての個性になるわけで、先生の指示の通りの運指で楽譜に書かれた音を出しているのでは自動ピアノの演奏か初心者向けピアノ教室の発表会でしかありません。また楽譜(音源の解析によって再構成されたそれと言うよりは作曲家が提示する方)と運指は必ずしも一対一で対応するとは言えないはずで(それこそ十六分音符や半音階に丸め込まれてしまえば微妙な弾き癖までは反映できないはず)、百二十八分音符とセント単位の音階まで分析することで最大公約数的なものやある個人の弾き癖、つまり平均値ないしは特定の演奏に即した個別例の推定というのはあり得ても、「音源に合わせた正確な運指を再現」という話になるのかどうか疑問です。テクノロジー企業やエンジニアの自己満足としてはあってよいと思いますが、楽譜から運指を想像できないような鍵盤を叩く技量だけ身につけた素人が指導もなくカンニングをするためのシステムを作るというのは、正直演奏を学ぶという行為を侮辱しているように思います。
技術の応用例という話で、これ自体を商品にするのではないと思うのですが、既存の画像を元に演奏例のない曲を演奏しているような画像を作るというのはAI商売人に受けそうな話で、既存の演奏を元に演奏例のない曲について特定のピアニストっぽい音を作るAIと組み合わせてフェイク動画を作るような話が出てくるのかなあなどと思えてしまいます。20世紀の21世紀の夢ならともかく、実際にやってみるのは馬鹿のすることだと思うのですけどね。
まあでも、演奏系のVTuberにはありがたいかもしれません。アバターが適切な運指で演奏をしているような動画を作るというのは結構難しそうなので、それらしい画像を作ってくれるなら便利でしょう。

■2021年02月22日(月)  世帯規模や物価に合わせてのスライド自体はテクニカルには否定しにくい
生活保護費の減額決定、取り消す判決 大阪地裁
当局が主張した基準に照らして減額すべきでない状況だったとでも言うならともかく、まあ、高裁で逆転して最高裁で正当化されるのでしょう。地裁レベルならともかく、憲法25条に反するという主張はテクニカルには認めにくいと思います。そもそも減額ありきだったとか元の支給額でも不十分なのに減額したと言っても、職業裁判官にできる判断にはなじみにくいと思います。本来そのための衡平法的な理念なのですが、歴史的にも裁判所の形態、つまり当事者の出訴に基づいた審理を基礎とした判断の形態を取りつつも、その時点の担当者に依存する政策的な面が多分にあったように思います。コモンローにおける像に近いものを期待されている現在の裁判所の手には余るのではないでしょうか。

生活保護引き下げ訴訟、原告側の請求を棄却 札幌地裁
というわけで札幌地裁は棄却だそうな。
正直給付金の物価スライド自体は否定はむずかしいわけです。ただし、最低賃金は一貫して上がっていること、また生活保護給付自体十分とはけしてみなされていなかったこと(それでも賃金水準より高いというのもひどい話なのですが)を考えると、訴える理由はあるとは思います。ただしこれはいずれも、法律か基準自体の問題で、厚生労働大臣の裁量ではない気がしますね。
まあ、控訴はするのでしょう。

■2021年02月22日(月)  そりゃ一般的には穴が開いていたら不良品でしょう
美しい穴
いやまあ、穴が開くのと穴を開けるのとは違うと思いますけどね。儀礼のための象徴的な贈答品にするのに穴なんか開いていたら、欠けるところのないシート状であるところに意義があるのに、最悪意図を疑われかねません。手作りの海苔なんかはそういう用途に使われることが多いですし、デザインとして開けられたものならともかく、意図しない穴が開いていて消費者から苦情が来るようでは店も困るわけで、一般的な納品基準としては穴があると商品にならないということになります。その上で、穴の開いていないものを意図的に加工してデザイン海苔を作っているわけで、加工や取り扱いが下手で穴が開いてしまったというのと一緒にはできません。もちろん、消費者としては手荒な扱いをして穴が開いてしまった海苔をひと工夫してデザイン海苔として使うことはあるのですが。

■2021年02月21日(日)  乗車ドアの床の部分をわずかにホーム側に傾斜させるでは意味不明
東京メトロ17000系、運行開始 床面は6センチ低く
以前出た導入発表の記事の引き写しじゃないかというのはまあ、効率化の賜物と見做して気にしないでおくことにしますが。
そちらもそうですが、「床面の高さを7000系から6センチ低くし、乗車ドアの床の部分をわずかにホーム側に傾斜させるなど、車いすやベビーカーが乗り降りしやすい構造となっている。」というのは、書き方に問題があると思います。床面の高さが低いのはわかります。車の場合若干低いところに移動する方がやりやすいでしょうし、確か列車の床はホームよりわずかに高いのが一般的だったと思うので、そこを合わせたのでしょう。しかし乗車ドアの床の部分をわずかにホーム側に傾斜させるというのは意味不明です。Wikipediaによると「ドア出入口下部をホーム側に約10°傾斜させる」となっているのですが、これだってわからないわけで、他の車両の例からするとドアがホームに向かって僅かにせり出し(つまり下端が車両の床に向けて引っ込み「ノ」になっている)、車体の壁がホーム側に寄っていることなのではないかと思います。しかし逆、つまり車体の出入り口部分をホーム側に突出させ、そこが閉まるようにドアの下端をホーム側に出しているという構造もあり得るわけです。
正直車輪付きのバッグなども含めて、転がすものを車両の客室に積む方が間違っていると思うのですが、子連れで列車やバスに乗ってはいけません、歩けない人は列車やバスに乗ってはいけませんとは言いにくいわけで、個人持ちのベビーカーや車椅子での人の運搬が前提とされる以上、つまり例えば外出時に申請後5分以内にベビーカーが配達され、駅に着いたら幼児を連れた客を乗せる専用車両に乗って駅員にベビーカーを渡し、目的駅に着いたらホームに備え付けてあるベビーカーを借り出す、帰りは逆の手順で、ベビーカーを回収してもらえるなどというシステムがない以上、それを公共交通機関に持ち込めるというのは便利です。正直自転車やトランクあたりなら、駅員や乗務員に降車駅を告げて預けて荷物車に載せ、降車駅で乗務員がホームに降ろしたものを回収してもよいと思うのですが、ベビーカーや車椅子の場合乗っている人は自力移動が困難なのですから、システム的な配慮は必要でしょう: もちろん「駆け込み乗車はおやめください」、荷物の預託や乗車の補助が間に合わないようなぎりぎりの行動はすべきではありません。特に大都市圏が公共交通機関の利用を前提にしている以上、そうした配慮はコストに関わらず必要です。

■2021年02月21日(日)  四人しか死なせていないと言うべきか、四人しか殺せていないと言うべきか
デモで死者、ミャンマー国軍を各国非難 FBページ削除
だからさっさと徹底的に弾圧してしまう方がよいのですが…そもそも大衆示威行動をする時点で平和的とは言えません。まして軍政下のそれは、反政府運動のための蜂起行動と言うしかありません。武力を持って前政権を制圧した以上反対者に銃を向ける覚悟くらいはしているはずであり、それに反抗するのであれば撃たれて死ぬ覚悟はしておくべきです。
もっとも、非難する側にとってミャンマー軍事政権は都合が悪いわけであり、その評判を落とす方策は実施しておくべきです。またデモ隊が蜂起に成功して軍事政権を倒してくれれば好都合ですし、残虐非道な軍事政権という印象を作れれば軍事介入へのハードルも下げられます。まあ、領土問題を抱えている周辺諸国以外は軍事介入や緊張の継続を望んでいるとも思えませんが、それでも軍事政権に以前からのものも含めて問題を全て押し付けて処理できるのであれば、人道的介入くらいは考えてはいるでしょう。そのためにも、「非武装の平和的示威行動」というレッテルは重要です。とはいえ、その非難している各国が、感染症対策と称して大衆示威行動を含む市民的自由を圧殺しようとしていることは、認識しておくべきでしょう(個人的には状況によっては圧殺が悪いとは思いませんけど)。
それにしても、ここでうっかりや見せしめとして数人殺すような方向性で、なんでまた軍事クーデターなんか起こしたのでしょうかね。FacebookにもBANされたらしいのですが、disinformationに血道を上げる前に反対運動を起こすような人を殲滅するのが先でしょう。中華人民共和国あたりに変な情報戦の手管を教授されたので使ってみたかったのかもしれませんが、ありもののサービスを使うことしかできないようなリテラシーの低い人ばかりではないのです。やるのであればもっとまじめにやって欲しいものです。

ミャンマーで最大規模のデモ「我々が勝つ」 国軍は警告
ミャンマー全土で大規模集会、デモ隊への発砲を非難 犠牲者悼む
最大限の自制などと言っているから軍事政権が舐められるわけなので、退陣する気がないのならさっさとエスカレートさせるべきでしょう。手段を問わないのであれば一週間もあれば片が付くはずです。その代わり当分世紀最大の虐殺者という汚名を着ることになりますが、20世紀ならよくあったことですし、百万人単位でも例がないわけではありません。どうせこのまま軍事政権が続いた場合、年内に経済的苦境に陥り、最悪病死や餓死で数万人の犠牲者は出ます。それなら前政権の関係者や反政府活動家を根絶やしにし、残りを統制して苦境を乗り切るというのも、それなりに合理的な政策判断でしょう。
一方で、反政府デモをすることで軍事政権を十分追い込めているとはいえ、NLDの復権だけで済むのかという点は明確になっていません。NLDが復権したとしても、そもそも軍の方がよほどしっかりした地方ネットワークを持っているはずで、国内の混乱は収まらないでしょう。軍のネットワークを無理に抑え込んだ場合、待っているのはおそらく民族紛争と関係する周辺諸国の侵略です。文民による民主的政府もよいですが、軍が築き上げてきた統一国家秩序から軍という背骨を除去して不安定化するくらいなら、軍政の方がましということもあり得ませんかね。

■2021年02月20日(土)  場が乱立して欲しい
オンラインライブ市場が急拡大 でも稼ぐのはごく一部?
正直状況に迫られてありもののプラットホームに載せている観があるので、鑑賞料の徴収を含めてビジネスモデルが整備されてくるのはこれからだと思います。今だと、資金的な余裕がありお金を取っても人が集まるメジャータレントが稼ぐのがやっとでしょう。広告収入モデルでもまず視聴数を稼がないといけないわけで、サプライヤーが乱立すればチャンネルあたりの収益は減ります。
とりあえず必要なのは、料金徴収システムと組み合わさった視聴制限システムとマイナーなタレントのライブを見てもらうためのプロモーションですが、うっかりすると旧来の芸能産業が再生することになります。再生して悪いというものではありませんが、それしか出てこないとしたら面白くありませんし、大手でないとまともな配信システムがないとか視聴用のクライアントを入れたら他のチャンネルが見られなくなったなどということになれば論外です。ネットのメリットはサブチャンネルを設けやすいところにあるはずで、街頭ライブをやっているようなミュージシャンでもグローバルにリーチする手段があり、それがこれまではたまたまユーザー制作コンテンツの配信サービスやSNSの上で展開されていたわけです。確立したサービスが既得権化していくのは仕方ないので、そこは広告屋とタレントマネジメント事務所に制圧されていくわけですが、今ライブハウスあたりがやっているような「入れ替わりでライブをする場」として、スタジオと配信システムを備えた「ライブをする場」ができてほしい気がします。プロモーターの役割は、あるていど場の主催者がこなせるでしょう。その場合機材が小規模でよいので安価で簡便なものになる必要があります。クラウドサービスも出てくる余地があるのではないでしょうか。

■2021年02月20日(土)  会議室全体を写すシステムでWindows Helloもないでしょうに
オールインワンコミュニケーションデバイスでオンライン会議を究める
「人はこれほどリアルタイムコミュニケーションが好きだったのかと驚くほど」
まったくですね。せっかく時間同期的に会わなくても済むようになっているのに、わざわざ制約を作っているわけです。「第三の波」に乗り損ねたのは明らかなので、このまま感染症で滅んでしまった方がよいのではないでしょうか。
などという話はともかくとして。
まあ、目的に応じて音声入出力チャンネルを切り替えるような人ならともかく、オールインワンというのは便利ではあるでしょう。デスクトップPCや外付け液晶モニタにカメラやマイクを内蔵するわけにもいかない以上(カメラ・マイク・スピーカー内蔵外付け液晶モニタについては製品として成り立ちそうな気がしますが)、USBケーブルやHDMIケーブル、DisplayPortケーブル1本でつながるというのはありだと思います。筋から言えば、BGMはUSB-DACに、会議の音声はそれこそヘッドセットに流すくらいの柔軟性が欲しいところですが、入力はともかく、とにかくごちゃ混ぜにして単一の出力に流す(けどステレオやサラウンドはちゃんと扱う)というのが現在のPC系の音声出力の発想ですので、ステージ用PAのような芸当は将来に期待です。
トーカーを自動検知してアップにするといった、記事にある通り現在のところ残念な機能を備えているということは、本来は会議机全体を写すシステムなわけです。うまく使えば、プレゼンで資料を表示しつつスピーカーの追跡アップなり全身像なりをインポーズするような芸当もできそうですが、あらかじめプレゼン動画を作っておいて流す方が簡単そうなのがネックでしょうか。
「欲をいえばWindows Hello用に顔認証のための深度カメラも内蔵してくれればよかった。」というのはどうでもよい話というか、そもそも会議用のPCで顔認証をする必要があるとも思えないので、むしろオンライン会議サービスが顔認証に対応すべきでしょう。どこぞの弁護士がオンライン対審でやったように特定のパソコンでのみ接続するとは限りませんし(というか机全体を写すシステムである以上PCは会議室の設備として設置されている状況を想定しているはず)、セッションを確立するというのはそれなりに手間なので、端末ソフトを立ち上げてサービスを選択しカメラに顔を写せばアカウントが招待されているセッションに自動的につないでくれるというのが望ましい気がします。

■2021年02月20日(土)  AWSが止まったからサイトは見れません、サービスは使えませんでは済まないのではないか
AWS障害、5時間でほぼ復旧 気象庁Webサイトなどに影響
5時間で復旧自体は悪くない成果ですが、問題はそれでサービスが実質的に停止する事態となったことです。クラウドサービスにおいてシステムダウンが起こりうることはクラウドサービス側の利用約款に明記されているはずです。つまりシステムダウンした場合のサービス継続の責任は利用者側にあります。利用者側は代替環境を用意し切り替えられるようにしておくべきです。にもかかわらず、復旧するまで稼働できないサービスが出たということは、そうしたサービスは止まることが前提になっていたわけです。気象庁のホームページが見られなくなってもたいした問題はありませんが、ゲームが動作しなくなるというのはそれなりに問題でしょうし、仮想通貨取引所のサービスが止まるというのは由々しき事態です。特に仮想通貨取引所は、本来自前のデータセンターを持っていてしかるべきですし、クラウドサービスを使うにしても事業継続計画を相当きっちり作って実施できるようにしておくべきです。
ディザスターリカバリも含めて、BCPを実効化しておくことが望ましいとされて結構経ちますが、どうもそれができているように見えない事業者が仮想通貨取引所を運営しているというのは、おかしいと思います。

■2021年02月20日(土)  OM-D用としてはありだと思うんですよね
フォーサーズレンズを使いなさい!
「でもね、残念なことに開放値をF2で通す漢気のあるズームレンズが現時点のマイクロフォーサーズシステムには存在していないわけです。このあたりの挑戦姿勢の弱さが気になりますが、どう思われるのでしょう、OMデジタルソリューションズとパナソニックの設計陣の皆さんは?」
これは否定のしようがありませんね。
E-P系列とPen Fについては、基本的に軽快性優先のモデルですので、900gなどという重量級レンズは用意しないという言い訳が立つのですが(それはそれでレンズメーカーが用意したって良いわけですし)、OM-Dは全く違います。もちろん35mm一眼レフや35mmミラーレスに比べて軽快であることから、OM-Dに軽量なレンズを組み合わせて使っている写真家は結構いますが、OM-D自体は重量級のハイスペックレンズとの使用も想定しているはずで、だからこそのED 150-400 F4.5なんて話のはずです。F2通しだったら他社機材に対してアドバンテージにもなりますし、さほど無理せずにF0.95が実現できることで35mmのF1.2クラスの絵を作れるわけですから、マイクロフォーサーズはぼけが小さいなどという非難だって躱せます。
そして、つまりボディも買っちゃったわけですね?またT教授みたいなことをとは思いますが、お財布に余裕があればでかくて重くてスペックの高いシステムというのは魅力的です。正直SONYやPanasonicの35mmミラーレスだとなんで高いお金を出して変に妥協したようなものを買わなければならないのかと思いますし、Pentaxやフジの中判もそういう印象を拭えないのですが、これがPhase OneのXTシステムあたりだと重くても見返りがありそうな気がしてきます。年に何度かは重くてもいいから持ち出したい気持ちになるもので、その時にリース会社に連絡を取らないといけないか、手元に物があるかというのは、モチベーションの維持に大きな影響があります。ということにしておきます。

■2021年02月19日(金)  あくまでも現場の責任と誇りでしかありませんけどね
東北新幹線運休で本領を発揮した快速列車たち 鉄道の“責任”と“誇り”が見える
現場のメンタリティとしては好ましいですが、経営レベルがそれでは良くないと思います。そんなメンタリティが発揮されないように仕組みを整えるのが、経営の責任のひとつです。競合路線と代替輸送について合意をしておくというのもそうですし、点検や、復旧作業開始後速やかに完了させられるような体制を整えておくのもそうでしょう。
また、在来線が速やかに運航再開できたのに新幹線はなぜ10日もかかったのかについては、説明責任が果たされていないように思えます。とにかく目的地に着ければいいのでしょうといった考え方は感心しません。
また利用者側も、交通機関への過度の信頼は控えるべきでしょう。列車が動かないと受験会場に行けないなどというのは、理解はできるにせよリスク管理としては問題があります。試験実施側は万が一の場合の救済措置を整備しておく、受験側は余裕を持って移動を計画し、移動ができない場合の対応も確認しておくのでなければ、一生に関わるなどと言う権利はありません。

■2021年02月19日(金)  言い方!
COCOAの不具合「永久になくならない」 デジタル相
だから馬鹿かと、こいつは。
もちろんバグだの不具合だのは検出しきれるものではなく、対策のためにソフトウェアをいじれば新しい不具合を仕込むことになるのが普通ですし、第三者提供のAPIが変更されればやはり不具合は出てきます。それはソフトウェア開発者にとって常識です。
とはいえそれを、リテラシーがないか悪意で報道する気満々の記者に対して口にするなら配慮なり言い方なりというものがあるわけで、そのまま口にして問題を引き起こすことはIT担当大臣の仕事ではありません。開発者だって、クライアントの偉いさんにバグはなくならないなどとはそうそう言わないものです。ゼロにしろと言われたら抵抗するでしょうけどね。この手の断りを言う人というのは、半分くらいの確率で結論しか飲みこめていないことが多く、ブレインや有識者がそういうものだと言ったからオウム返しに口にしているだけで、素人にはわけのわからない説明すらできないこともあります。個人的にはこの事例に見えるのですけどね。

■2021年02月19日(金)  ボディトラッカーを身に付けて不思議な踊りをしている人がそれなりにいるわけだ
3万円以下のフルトラ機器HaritoraXをShiftallが販売。同人ハードを改良量産
まあ、パッケージングまではコネも金もなしでもできますが、法規制をクリアして一定の流通チャンネルに乗せるというのがコネも金も備えたまっとうなメーカーでないとできないのですよね。需要のあるインディーズ製品を買い取って体裁を整えて通常の流通チャンネルに乗せるというのは、商社として正しい在り方だと思います。
とはいえ、ボディトラッキングですか。この記事はちゃんと記事内で解説してある分ましですが、「フルトラ」とあって機器とある以上フルトラックみたいな言葉だろうとは思いましたが、音声に引きずられていましたかね。とはいえ、格闘ゲームやダンスゲームをするのでもあるまいし、ボディトラッキングなんか何に使うのでしょうか。もちろん、アクティブなVRプレイには現在あると嬉しいものだと思うのですが、環境系ならまだしも、ゲームでボディトラッキング入力で確実にコマンドを発動させられるように、あるいは要求された体の動きを実現できるようにするためには、プレイヤーの体自体がゲームの要求する理想のそれを実現している必要があります。健康維持の観点からはそのような体を作るためエクササイズを行うことは有意義でしょうが、一方でゲームでは体重80kgの相手を片手で支えて振り回すような、あるいは1t近い武器を高精度で振り回すような状況もあり、また立ったまま背中を逸らして手のひらを背中側の地面につけるような、相当体づくりをしていないとできない動作もあり得ます。ボディトラッキングでこうしたものの入力を行った場合、不自然な動作になるか、あるいはそれをごまかすために補正するか、なんにしろボディトラッキングという操作とは相当かけ離れた実装になります。ボディトラッキングよりも、現状のコントローラーよりもはるかに細かい操作を入力する技術の方が求められるでしょう。むしろ入力者の行動をなぞってそれをアバターに置き換えるような形は、ロケーション撮影で得られた動画でのアバターへの置き換えになっていくはずで、入力機器よりも画像処理人工知能あたりの問題だと思うのですけどね。

■2021年02月19日(金)  色にこだわる玄人がいるとよいですね
約25万円の「Xperia PRO」にはXperiaの命運がかかっている
なんでスマホに25万円なのだろうと思ったのですが、撮影デバイスのモニタ兼オンサイト編集機兼データ転送デバイスとしてなら理解できます。ただまあ、それはもうスマートフォンじゃないよねという気はするのですが。フォンの部分はいい加減天井を打ってしまって、データ通信や付加価値の部分でしか売れないという割り切りなのだと思いますが、それを「スマートフォン」として売るのは、もしかして玄人だけでなく、マニアやスペック厨にも少しは買って欲しいということでしょうか。
でもって、もちろん撮影機材にデータ転送機能を付けるよりは、スマホにつないでデータ転送する方がよほどまともな発想だとは思うのですが、オンサイトで撮影したデータを編集してスマホのアプリが対応しているようなところに上げる使い方をする人で、そこまでのプロ向けスペックに25万円払う人というのはどれだけいるのでしょうか。おそらくまともなプロなら携行可能な業務用機材に通信機能を付けて100万単位を払うはずで、撮影機材と民生用機器の性能アップ版のようなオンサイト編集機器を合わせて100万になるかどうかという微妙な額を喜ぶのは動画配信の広告料で小遣いを稼いでいる程度のセミプロかインディーズではないでしょうか。そしてそういう層が玄人レベルに画質を気にするかというと、正直気にしても仕方がないレベルではないかと思います。撮影機材の撮って出しで問題ないところにスマートモニタを提供したところで、わざわざ買ってまで使うかどうか。むしろスマホという形ではなく、絵がちゃんと見えるモニタ兼データ転送専用の機材として、レンタルしてデータ通信SIMを突っ込めば使えるような製品の方がニーズがある気がします。まあ、HDMIがよっつくらいついていて、複数の入力を切り替えやマルチ表示で扱えてスイッチャーにもなるというなら別でしょうけど。

■2021年02月18日(木)  整備不良では対応が大変だ
横浜の自動運転車両逆走事故、ケーブル断線で制御できず
いやこれ、タイトルがおかしいでしょう。シーサイドライン車両逆走事故と書くべきです。
それはさておき、ケーブル断線で方向指示ができなかったということは、金沢八景駅で方向転換して以降、杉田駅で出発指示が発出されるまでに方向指示用の信号線が断線したことになります(運輸安全委員会の調査報告ページ)。出発信号の前に方向指示が出なかった場合元の方向に走行するようになっていたらしいので、方向が変わらない途中駅では発覚しなかった可能性があります。普通は手順通りに送られるはずの信号が欠けたら車両が走らないようになっていると思うはずで、「メモリー機能」とやらが余計なお世話だったという運輸安全委員会の判定は納得できます。通信制御では信号が欠けた場合とりあえずデフォルトを使うということはよくやるのですが、フェールセーフでないといけない機構でこれは禁じ手でしょう。当然ですが、おかしな動き方をして事故を起こすよりは、動かない方がましなのです(車両が動かず係員が対応するまで列車に閉じ込められる乗客の迷惑は気の毒だと思いますが、事故で怪我をする、最悪死者が出るよりはよいでしょうし、出くわす確率は一応宝くじで三億円当たる確率程度には低いはずです)。またコストや検出精度の関係で断線検知機構がないというのもよくある話で、それこそ普通は断線で電気が来なければ動かないという原理なので、安全措置としては問題ないのです。むしろ「駅ATO車上装置がモーター制御装置への入力とは別の運転台選択用の指令線の加圧状態により進行方向状態を地上に送信していた」という話の方が重大で、これはどうも線をつなぎ間違えていた可能性がある気がします。つまり、本来モーター制御装置への方向入力を読み取って地上制御施設にレポートすべきなのに、運転台選択入力を読み取ってモーター制御装置の方向入力の読み取り結果としてレポートしていたということです。F-2の操作信号線誤接続による墜落事故もあったように、信号線を誤って接続した場合テストで検知できないこともあるので、信号線はとにかく見分けがつくようにしておき、蓋を閉める前に入念に確かめるというのが定石です。そのあたりも含めてどうも設計上の問題と整備不良の結果起きた事故というのが運輸安全委員会の結論のようで、自動運転用制御装置の設計基準の見直しもあるでしょうし、シーサイドライン側も再発防止措置を強く求められることになるのでしょう。
なお、一応運輸安全委員会の勧告本文も読みましたが、抽象的な一般論しか書いていなかったので、勧告を出したことが大事で、後は鉄道局で行政処分なり規制運用の改善なりをするのだと思います。

■2021年02月18日(木)  福利厚生じゃなくて経費申告ですよね?
Amazon、PCや事務用品の購入に充当できる「Amazon在宅支援商品券」を法人向けに提供開始
これは、まあありでしょうね。本来被用者の在宅勤務用設備というのは雇用者が負担すべきですし、消耗品もそうです。福利厚生というよりは、おそらく購入記録がコードと紐付けられるはずで、こういうものを在宅勤務用品として買いました、これは経費ですという記録になるわけです。もちろん、度を越して怪しげなもの(キャラもの事務用品とか事務用品名目で行楽用品とか)を買うとそれがギフト券を寄こした雇用主に筒抜けになるわけで、後で「これはないよね?」と言われて清算させられるのだと思います。とはいえ事後のチェックも含めて一般的な経費清算手続をしにくい状況のサポートサービスというのはあるに越したことはないので、被用者の個人的なアカウントのデータが筒抜けになるというのでもなければよいサービスだと思います。
まあ、Amazon.co.jpの場合、UIDとパスワードの自動補完を使っていると、うっかり直前のアカウントでログインしてしまうようなことは起こりえます。つまり会社のアカウントで買い物をした後個人の買い物をしたらそれが会社につけられてしまった=個人ではなく会社のアカウントでログインしてしまったということも起こりうるわけで、雇用者から安全な(というのが前提ではあります)ルートで渡されるコードを使って自分のアカウントで購入する方が、いろいろ便利だと思います。まあ、誰が買い物をしたかというデータも雇用者側が見られることになるはずで、自分のAmazon UIDが知られてしまうとか、Amazon UIDは一般にメールアドレスなので不用意に連絡先を知られるとか、そこでパスワードが割れると雇い主が買い物記録を覗き放題になるという問題はありますが、雇用関係における信頼を前提にすれば、雇い主がそういうプライバシーへの介入はしない、やったら雇い主が誠実義務違反の責任を追及されるということでよいと思います。どうしても気になるなら、別途在宅勤務用の買い物をするアカウントを作ればよいだけのことです。

■2021年02月17日(水)  8000万円…しょぼっ
「組合を牛耳っていた」元副市長ら逮捕 市から詐取容疑
仮にもボスが詐欺をやって今時このレベルですか。1970年代ならともかく、リスクに見合わないと思うのですが。ひょっとして余罪があるのでしょうか。

■2021年02月17日(水)  コア技術を外注してどうするんだか
音楽からダンスを自動生成するAI振付師 Googleなど開発
たまたま外れ記事を見てしまったのでしょうかね。
いや、Googleの技術開発としてはありだと思います。後はまあ、ゲームメーカーがプロデューサーSIMを作る時にも使えるかもしれません。
しかし舞踊を含むステージ芸術においては、振り付けというのは芸術性や作品の個性を示すための重要な作業であるはずで、それをAIに外注してどうするのでしょうか。肌を露出したおねえちゃんの踊りを見せる程度のステージ付き飲食店で曲だけ変えてありきたりの踊りを披露するのに使うのでしょうか。まあ、それで振り付けのコストが下がって儲かるのならダメとまでは言いませんが、映画のネット配信よりもひどい芸術家の軽視だと思います。
経営のAI化とか、もっとましなイノベーションがあるでしょうに。ピチャイ氏の後任がAIなんて、非常にイノベーティブだと思います。AIに賃雇いされるエンジニア。いいじゃありませんか。

■2021年02月17日(水)  音漏れはしそうですけどね
キャンピングカーでテレワーク 京急などが実証実験
今年最初の、評価に値するテレワーク関連サービスの実証実験のニュースです。キャンピングカーだと音漏れはある程度覚悟しないといけないでしょうし、無料での実施ということでコスト面での評価が難しいですが、視線がさえぎられるという点で鉄道会社系の遊休車両活用策よりははるかにましです。情報セキュリティというのはこういうことです。
これが市中の事務所の家賃と単位床面積単位時間基準で同水準で供給されない限り、テレワークはハウスワークに留まり、ハウスワークの環境があまりに悪いためにオフィスワークに戻ることになるでしょう。
個人的には、従業員が喫茶店や公共交通機関で電話などしたら、またそういうところで仕事の文書を開いたら、懲戒解雇します。

テレワークに使える「もう一つの家」 西武グループが賃貸ユニットハウスを提供
建築物部分のコンセプトは良いと思うのですが、「入居募集」というのは誰に対して行っているのでしょうか。一般的な事務系職種の賃労働者がテレワークをする場合、仕事に使う場所・設備を用意する責任は雇用主にあります。自宅で行う場合自宅まで都合しろとは言えませんが、自宅外に作業場所を求める場合、それを都合し、維持する責任は雇用主にあるのです。当然、この種の「事務所」も雇用主が各従業員の自宅の近くに用意してしかるべきです。
記事を読むと、どうもテレワークする従業員個人が入居することが想定されているようです。これだとその人が自宅の離れとしてこの種の物件を賃貸契約し、そこで仕事をするという形になります。あいまいな形で、雇い主の事業遂行上のコストが従業員に移転されています。賃労働者の給与所得に稼得に当たっての経費の控除というのは認められておらず、かと言って本人が勝手に契約した場合、雇い主がその家賃を経費として支給してくれるかどうかは未知数です。
買い物ガイド紙とはいえ、あまり安易な紹介記事を書くと評価を下げかねないと思うのですが。

■2021年02月17日(水)  競争のレベルの低さにしびれを切らす方が当然だと思う
菅政権の圧力で激変したモバイル業界 各社が発表した料金施策を振り返る
激変したのは事実ですが、あれを「不可解」とか「歪み」とか評するのは、能天気な右派リバタリアンか通信会社の提灯持ちライターだけだと思います。
この件に関する菅政権のメッセージは明確で、
  1. 回線料金はゼロに近いほどよい
  2. 容量上限や通話の従量料金はできるだけ撤廃し、音声、データ共に定額とせよ
  3. 料金プランはシンプルにし、値引きというシステムは提供するな
  4. 中間搾取的なショップ販売は原則として排除せよ
  5. 5Gは速やかにカバー率100%に持っていけ
です。国会対策が面倒であるために法律の改正までは検討していないようですが、必要なのは市場の透明性ではなく消費者レベルの料金制度の透明性であり、完全にインフラストラクチャーとなった移動体公衆通信網については、市場に任せていては料金が下がらない、料金が下がるのなら規制下の独占も辞さないと見ました。そもそも通信回線サービスが民営化されてからまだ40年も経っていないのですから、電電公社民営化時に状況がどうだったか、それが30何年でどう変わったかはお年寄りはみんな知っているわけです。固定電話料金はさっぱり下がらない、データ通信デバイスの接続は任意になったもののひたすら回線品質を犠牲にした瞬間風速的通信速度の宣伝ばかりやっていて光通信のサービスレベルについて電電公社のプライドは完全に棚上げ、品質保証された専用線の価格は全く下がらず品質も改善されず高いと言えばVPNなどという紛い物を勧めてくる、移動体公衆通信のエリアは99%台後半で打ち止めで未だにアンテナが立たない地域がある、5Gだ次世代だと騒いだ挙句に蓋を開けたらエリアは斑でしかなく4G機器を利用したエリア拡大でお茶を濁す、機器開発は海外勢に負けて集積回路の製造すら台湾に委ねた、これが「電電公社分割民営化」、「通信市場の自律的発展」の成果です。専門家会議だって、競争政策と称して提案してくるのはMVNOなどという本質的にMNO頼みの回線小売制度で、新規参入組は回線網を発展させるどころか撤退かNTTの回線を借りて基地局をつないでいます。でもって顧客に売るのは「VPN」。これのどこが競争だというのでしょうか。
正直、回線網を展開するなら内部留保に頼らず増資せよ、円なら日銀がいくらでも供給してやる、配当が安いのも文句を言わない、だから料金は上げるなよという方がインフラ投資政策としては筋が通っています。

■2021年02月17日(水)  そんなの作ってうれしいのかね?
アップル、「コロナ陰性証明書アプリ」のApp Store提出は信頼できる機関または提携開発者に限定へ
当然のことだと思いますが、その上で0円限定、広告表示禁止にすべきでしょう。なんでそんなバカげたアプリに金を払わないといけないのか。証明書に関わるようなセンシティブなアプリに広告表示が入っているなどとんでもない。
というか、証明の管理機関にアクセスしてデータを取得し、結果を成型して表示するだけだと思うのですが、そんなアイデアも実装も単純なアプリを作って楽しいのでしょうか。管理機関として金を取って証明を保証しようというのなら事業としてありうるでしょうが、管理機関の方に信用がないとせっかく表示した証明書を信じてもらえません。ビジネスとしては相当難しいと思います。詐欺としては大いにありでしょうけど。

■2021年02月17日(水)  事業見通しを誤っただけ
善意で走ってきた無料バス、窮地 運行会社「倒れそう」
いや、単純に事業見通しを誤ったのを美談みたいに言われても…独立自営を鼻にかけてきた事業者が経営危機だからとコミュニティバスとして雇い上げを提案してきても、応じる筋合いもないでしょうし。これが住民団体から陳情が出て、自治体主導で運行するなら、公共交通機関だからでも通るでしょうけどね。

ちなみに、まっとうないい話、美談というのはこのレベルを言います。上記の話に合わせれば、100億円の基金を設定して金利収入で無料の定期バスを運行するくらいでしょうか。今時善意というのは、このくらいちゃんとしていないとだめなのです。見栄っ張りな小金持ちにはつらい時代になりましたが、大衆○○というのはすでに時代遅れということでしょうか。

■2021年02月17日(水)  「今夜の敷地」を探すのは移住ではない
家を背負って5千キロ、職務質問は数百回 移住は芸術だ
いや、移動キャンプと何が違うのかという気がするのですが…もちろん発泡スチロールは断熱材なので、テントよりは暖かいと思います。パフォーマンスとしてはありでしょう。とはいえそれは「キャンプ」、「放浪」であって「移住」ではないと思います。もちろん、浮浪を疑われる不審な格好の人がいれば職務質問はされるもので、日本の官憲は余計なお世話と暴力的な連行はしてもカツアゲ行為や袋叩きにして放り出すようなことはしないので安心ですし、もしかすると頼めば駐在所の庭か駐車場に泊まらせてもらえたのではないでしょうか。趣旨を理解してもらえず、安宿や駐在所への宿泊を指導されることもあったとは思います。この手のパフォーマンスは、少なくとも治安機関にとっては迷惑な行為です。住所地に定住しないのは仕方ないとしても、せめて整備された宿泊施設に留まって欲しい、新住民がまとまっている住宅地に家でも借りてほしい、治安維持の手先である小市民のそんな願いを無碍にして行う表現、ゲージュツとはなんなのか。まあ、20世紀に入るとゲージュツが放浪からインスピレーションを得てきたことは事実ですけどね。
まあでも、住所不定、自由業とかは、憧れは否定できません。

■2021年02月17日(水)  「迷惑はかけていない」では犠牲にされるのは防げない
イラン大停電「原因はビットコイン」 採掘業者なぜ多い
イラン政府「大規模停電はビットコインマイニング(採掘)が一因」
「電力不足はビットコインのせい」とイラン政府が発表
なぜか今日付で朝日新聞が報じていますが、日本語で報じられた時期はほぼ一か月前のようです。停電発生は現地の1/12。
それにしても都市の電力がダウンするほどのマイニングって何だと思ったのですが、基本的にはイラン政府が責任を押し付けた感じではあります。もちろん大量の電気を食いますし、土地があり余っていて受電コストが安いなら盛んになろうというものではあるのですが、目下のところイランは経済制裁を受けており、しかも核開発関連なので、マイニングに使うような高性能計算システムにはある程度規制がかかり、また大型コンピューターを買うよりは安いとはいえ、通貨レートからするとパソコン部品だって安くはないはずです。一方で安い機材を大量に使うことで計算効率を上げると電力消費量は増えるので、需要過剰でのブラックアウトに至る因果関係はあります。イラン政府は道徳に厳しい印象があるので、仮想通貨マイニングのようなどう見ても政府通貨を馬鹿にしている事業が簡単に認められるものだろうかと思ったのですが、やはり規制がかかっていたようで、これ幸いと非難して規制強化を狙っているのでしょう。
廉価なインフラストラクチャーを蕩尽して行うような事業は道徳的な非難を受けやすいですし、仮想通貨マイニングだといくばくかの雇用と外貨準備くらいしか生まないので、非道徳的な商売だとケチをつけても後ろめたくはないでしょう。称賛されるとしたら、電力事情の改善に寄与する場合でしょうか。つまり、発電設備を自前で用意して、必要なら燃料も自前で調達して、余剰分を供給するあたりです。

イランが仮想通貨マイニングを禁止。停電続発など生活に影響
まあこうなるかあ。希少性なり流通性なりをどうやって実現するかなんですけどね。

■2021年02月16日(火)  アグレッシブなのは悪いことではないのですが
ザッカーバーグ、個人情報取扱いで対立するアップルに「痛い目に遭わせてやる」と内部で発言
まあ、まっとうにどつけるもんならどついてみろという気はします。アプリやサービスの主張は、配達されてきたピザを横取りして手持ちのお宝スパイスをトッピングしてやるから俺にも一切れ寄こせと言っているようにしか見えませんので、ハードウェアやOSを提供する企業に文句があるなら他社プラットホームの上でのアプリ展開などせず、「アプリが使いたければわが社のハードウェアでどうぞ」と言うべきです。なんならAppleにTOBをかけてもかまいませんが。とはいえ、Googleに買収してもらえないような事業が今のAppleを抑えられますかね?
ままならない不機嫌はわかりますし、その発言が外に漏れてしまうというのは何とも気の毒ですが、売り物がアプリケーションしかない以上大手のプラットホームには阿るしかないので、今しばらく耐えて自力でハードウェアまで一貫して調達できるようになって、「Facebook会員には格安で回線と端末を提供!」という手法で物を売れるようになってから、思う存分高笑いしたらよいと思います。
そして、「われわれ一般人目線では、なんだかんだ言ってもどっちも儲かってるんだから仲良くすればいいんじゃないの、と思わずにはいられません。」などというコメントは料簡違いも甚だしいので、工場風情が余計なことを言うなとか、うちの製品のうえであんな商売が成り立っていることは許しがたいとかいう発想こそがむしろ当然です。また大手事業者が仲良く利益を取り分けるのを一般人目線では不公正な取引慣行と言うのであって、せいぜい叩き合って儲けを削ってでも消費者への還元やもっとユーザーの方を向いた新進のサービスの育成を進めてほしいものですが、正直どちらかを取れと言われたらAppleを取ります。

■2021年02月16日(火)  より柔軟で安定した自動運転へ
JR東日本で初めて、自動列車運転装置(ATO)を常磐線で使用開始へ
JR東日本、自動運転を初導入 常磐線各停で3月13日から
まあ、有人のATO自体はJR以外ですでに採用例があるわけですが。とはいえJRの都市近郊路線は、近年効率化・高密度化のため設備の拡充や整理が進められてきたとはいえ運用が複雑なので、ATOのような思い切った運行システムの変更には慎重にならざるを得ません。おそらく平常時には少々加減速時の乗り心地が悪くなる以上の問題は出ないので、例外的な運用が必要とされた場合の、手動運転への切り替えを含めた対応能力を、今後検証していくのだと思います。公共交通機関の24時間稼働を目指すためにも、無人運転への移行を含めて実用化を進めてほしいところです。ええ、新幹線のような複線で夜間にメンテナンスなどというけち臭い方針はそろそろやめにして、保守間合いが取れないところは複々線にして保守作業中は片方の複線を使うといった運用に対応できるシステムになって欲しいものです。
ところでワンマン運転時の運転士の負担軽減とのことですが、むしろ無人駅をなくしてすべて自動改札にした方が、ワンマン運転での運転士の負担削減になるのではないでしょうか。また駅設備も、特に駅員の少ない駅は、運転士席から見通しの良い中央の膨らんだ島式ホームに改善すべきです。運転士に改札をさせて代わりに運転はボタンを押すだけというのは、運転士が乗っていない鉄道車両を運行させる場合の規制を迂回しようとするケチな脱法行為でしょう。本来発車の指示は車掌が出すものですし、通常車掌は自分の判断で列車にブレーキをかける権限を持っています。つまり走行中の信号確認と速度の調節をする制御装置が運転士なわけで、ATOでボタン一発で運転されるなら運転士こそ不要です(その代わりATOで動かせなくなったときに列車を動かすためには救援手配ということになりますが)。どう見ても意図的にやっているわけで、こういう話こそ規制緩和のためのロビー活動をして車掌のみで運航できるようにすべきだと思うのですが。

■2021年02月16日(火)  内部昇格だけでは女性管理職の心的外傷が増えかねない
「女性社外取締役」が増えると、男女格差が広がる皮肉なワケ
結論としては全くその通りで、女性を中枢ポストから遠ざけるという意味では男女格差が広がります。日本の伝統的な組織では取締役会や理事会には実権はなく、実施組織を握っている取締役や事務局を押さえている理事長に実権があります。つまり取締役であっても内部の組織を押さえていない社外取締役には、せいぜいがご意見番の役目しかありません。ごく一部の会社のように社外取締役だけで取締役会のマジョリティを構成し、そこに外部の大株主のコネクションで全員が入っているのであれば影響力がありますが、目立つ人を小数据えただけでは内部の取締役に聞く耳がなければ意味がありません。逆に言えば、お飾りを棚上げしておくには絶好のポストです。その意味ではこのような社外取締役人事はコーポレートガバナンスの観点からも問題があります。
窪田氏の言うように(中途採用であっても)管理職からの内部昇格で部門長兼務の取締役になる女性が増えることが男女格差是正のバロメーターなのですが、モニタリングの対象としては適切であっても、短期的な対策にはならず、そもそも管理職も含めた広範な合意がないと先に進めません。またおそらく、外国での男女格差是正はポストを選べるという人事システムに根拠があります。自信のあるポストに応募できるというのもそうですが、まず自分のキャリア設計と家族も含めた人生設計の兼ね合いで、ポストや勤務地、時期に応募できるというシステムでないと、社内でのキャリア以外を家族に全面依存した社畜以外は昇進できません。現在の日本の人事制度では、女性がキャリア重視の人生設計をするにしても、結婚を度外視するか、キャリア形成のための配転に家族がついてきてくれることが前提になります。仮に女性側の配転に家族がついていくにしても、赴任二週間前の内示に対応するというのは専業主(婦|夫)でないと無理です。あるいは単身赴任にしても、パートナーが広域配転の可能性がないというのでもなければ、家を任せておける能力の高い家事使用人を常時十分雇える状況でもないと無理でしょう。取締役まで出世した時点ならともかく、管理職を登っていく時期にこの条件を満足することは困難です。この意味で、内部昇格を前提に男女格差の是正を求めることは、COVID-19が新型コロナウイルス用ワクチンの早期投入で収束できるという主張に似た部分があります - 理屈では正しく、効けばそうなるでしょうが、実際に効くかどうかはわからないし副作用の評価も未知数です。
まあ、いつまでたっても男女差別がなくならない国という評価を受けたくなければ内部での経営幹部への昇進の道を実質的に開くしかないのですが、少子化だ子供の貧困だという事態が進行すれば、家族の崩壊だなんだという主張で揺り戻しが出てきます。「女性」「社外」取締役では事態の改善にはならずむしろ悪化だという主張はもっともですが、そもそも内部昇格の取締役が業務執行権だけでなく経営幹部の人事権や経営方針の決定権を握っていることを問題視すべきだと思います。合同会社ならまだしも、上場するような株式会社の制度としてはあきらかに問題です。決定権者が業務や社内の組織に通暁しているので効率が良いとは言えるでしょうが、株主の意向に応じてドラスティックに改革を行うのには向きません。そんな会社、仲間意識で運営しているような事業が社債ならともかく有限責任とはいえ支配証券を不特定多数に配って売買を許しているのがおかしいのです。

■2021年02月14日(日)  在来線は気動車だからじゃないですよね?
東北新幹線、全線再開まで10日かかる見通し 電柱傾く
在来線だけさっさと復旧するのが謎なのですが、もしかして東北地方の在来線は非電化路線が多いために、線路だけ調整すれば復旧できるなんてことではないのですよね?もちろん高速走行する電車である新幹線は、給電線を支える構造体に問題があれば、給電ができないのはまだしも走行中の事故につながりかねません。点検も修復も時間がかかるというのは、理解はできます。とはいえ「インフラでぇーす」などと日頃言っておいて災害で故障するので平時しか使えないというのでは、やっぱり道路を整備した方がいいのじゃないかということになりかねないのですが。

■2021年02月14日(日)  重力波がどうとかよりも軌道が散乱する過程の方が面白そう
球状星団の中に「小さなブラックホール」密集地帯を発見。重力波の震源地?
へえ、合体しないんだ。高密度の天体同士が重力を働かせる場合、そのうち合体するというのが予想だったはずなんですけどね。多体だと軌道の擾乱が起きて合体しにくいとかですかね。球状星団の中心に複数のブラックホールがあること自体は不思議なことではないのですけど。

■2021年02月14日(日)  共感や理解では物事は解決しないと思う
日本は学歴階級社会?使いがちな「私ができたんだから」
知的なコミュニケーションと抽象的な制御を基盤というか背骨とする社会というのは、必然的に出身文化に基づく格差を生じさせるものだろうとは思います。学歴というのはそうした技術を表示するための仕組みですから、格差につながることはむしろ当然でしょう。なにしろ就学前の時点で学歴システムに適応できる期待値がほぼ決まってしまうわけで、全体を結び付ける知的な作業との関わりが薄いという意味での周縁の出身の人は、そのような知的な作業に関わることが日常であり、日常生活がそのような訓練になるという意味での中枢の出身の人に比べて幼少時の最大6年分スタートが遅れることになります。これは、学校教育程度では取り返しがつきません。一方でそのような知的な作業は広く地域や組織を結びつけるために必須のもので、地域や組織が広く結びついた社会にとっては高い価値を持ちます。差がつくことが中枢への進出において致命的であり、かつ差を付けないような取り組みに無理が出る理由はこれだと思います。能力は高いほどよく、かつその期待値が出身母体の文化的性格である程度決まるわけです。学校教育はスタートラインの平準化を目指していましたが、社会全体の平均値を向上させることには少なくとも成功したものの、スタートラインの平準化については完全に失敗しています。ある意味当然で、就学というスタートラインにつく前の時点で、文字的な知識に基づく抽象操作が当然のものである文化と高校の学習内容など実社会では役に立たないと思うような文化で差がつき、かつ文字的な知識に基づく抽象操作の必要性は社会の中枢にいなければ実感しにくいわけです。周縁において、本人が学校なりでようやく必要性に気づいたときには大きな差がついています。
この傾向は深化を続けており、おそらく現在、コンピューターを論理を手順に基づいて具現化するための道具として扱う文化と、ワープロで文章を作ったり表を集計したりスマホでメッセージを交わしたり動画を見たりするための道具として扱う文化で差がつきつつあります。論理や現象を抽象思考として掴むための知的な道具が従来の文系教養だったのですが、知的文化の「理系化」により手順と数字の操作が中心になりました。元々法律事務はそうした面があったわけですが、19世紀以降客観化の名目のもとに数値化、精緻化、複雑化が進んでいきます。そこに見事にはまったのが、計算に基づく論理の権化である計算機、つまり「コンピューター」(元々は紙と算盤で計算をする人のことだったそうな)だったのだと思います。それこそプログラム教育と称して学校でどれだけプログラム言語を学んだとしても、そもそも自然に物事を手順の組み立てとして捉え、組み立てを精緻に行うことができないようでは身に付きません。元々指導者というのは手順を作り上げて周囲に指示する能力も求められたわけですが、コンピューターは一つ一つの操作は単純ですが精緻な手順を逐一実施するもので、人間相手にそんなの常識でしょうというような伝達をするようにはいきません。それを緩和するためのライブラリなのですが、かえって細かい部分を気にしないといけなくなっている気がします。サンプルプログラムを作る分には簡単なんですけどね。

■2021年02月13日(土)  人となりよりも政策合意を取りまとめられるかが問題ではないだろうか
イタリア、新首相にドラギ氏 「挙国一致」でコロナ対応
誰かがやらざるを得ないものではあるのですが、さすがに今のイタリアの政局だと挙国一致と言ってもどこまでもつのかという気がしてしまいます。なにしろシルヴィオ・ベルルスコーニとマッテオ・レンツィという爆弾を抱えているわけで、しかもやるのが国政改革ではなく感染症対策と経済対策です。コンテ首相も元々反緊縮派の実務家で、実務家であるがゆえに議会の政党を取りまとめられなかったのに、また実務家内閣に頼らざるを得ないというのは、大統領の無策なのか政党側の野党根性なのか。結果としての閣僚人事ではなく、どこまで十分な政策合意を実務家首相として取りまとめられるかが気になります。逆に言えば、今は誰がやるかよりも何をやるかの方が問題なので、とにかく政権発足前にEU理事会も含めて落としどころを見つけて政権発足後速やかにそれを実施し、総選挙をできるところまで落ちつけて退任してくれる人の方がよいと思うのですが、そのための実務家政権という面があるにせよ、大物過ぎないかが気になります。ユーロ維持のためのイタリア経済再建などと欲をかかないでくれるとよいのですが。
ちなみに挙国一致の実務家政権が必要なのは日本ではないかと思わないでもないのですが、あいにく日本はそんなものが成立する制度的な背景を持ちませんし、国会で政策の詳細を取り決める習慣もありません。

2/22 議会の信任までは得たようです。もっともイタリアの場合、発足当初は信任を得ても数か月で信任を失って崩壊することがままあります。

経済エキスパートが物価高で… 伊ドラギ首相が辞意、再考促す大統領
まあ、イタリアで連立政権がよく1年以上持ったかな。
なお、それこそ私が学校に通う以前から、議会内部での政見対立や執政に対する議会の対立が問題視されています。イタリアはこの傾向が強い代表例と見做されてきました。どうにもならずに1990年代以降実務家内閣が立っては倒れ、あるいは選挙で政党内閣化を狙っては失敗し、たまに政党内閣が立つとろくなことをせずに上院あたりと対立して瓦解するという状況の中で同盟と五つ星運動のポピュリズム二大政党状態が成立しているわけですが、さらにこの二政党は統制が緩く、しばらく前の自民党並みに内部抗争が激しかったりします(自民党と同じで分裂しないだけ立派ともいえる)。それで財界や外国からの評判はずいぶんと悪いわけですが、とはいえ勢力が乱立して長期の安定多数を形成できないとか、そのため執政がすぐに議会の支持を失って瓦解しがちとかいうのは、そもそも国家運営について広範な共通理解が成立していない、あるいは共通しすぎているためにそこが選挙の争点にならず対立点だけが目立っているということになります。まあ、おおむね前者だと思うのですが、そこで経営者や官僚、政治経済評論家の視点から議員も有権者も物事をわかっていないと批判したところで仕方がないと思います。もちろん執政は決めないといけないにせよ、またそれが実務家内閣であってもよいにせよ、議会を説得できないくせに大胆な改革とやらをしようとする方が悪いでしょう。もちろんそこで政権の崩壊も見据えつつ強気に出ることも選択肢ではありますし(それでまあ、大統領の仲裁とか外圧とかによって議会の統制を回復するわけです: 他にやれるやつがいないんだからごたごた言うなというね)、議員どもが理解しなくても広範な有権者は理解してくれると夢を見ることも好き好きではありますが(ついでに理解されなくても歴史が自分の正しさを証明すると夢見るのも勝手だとは思いますが)、それは議会制民主主義とは言いませんし、おそらくそもそも民主的とも言えません。代表の集約だけでは民主集中制と同じです。それこそ形式の面で明確になっている分だけGesetz zur Behebung der Not von Volk und Reichの方がましというものです。国論を統一できないというのはそもそも理由があることで、それを問題視するなら後は独裁があるだけです。まあ、その意味では、近代国家は民主的であったことはなかったとは言えるかもしれませんが、だからといって独裁を前提にするのはおかしいでしょう。短期の独裁で取り繕えるものならまだしも(そういう発想が80年代くらいからあったわけですが)、独裁で手直しをしたところで反発で元の木阿弥になるのなら、むしろそういうものだと諦めて継ぎを当てつつ共通理解の形成なり国家の崩壊なりを待つ方がましというものです。

伊ドラギ首相、主要政党が先週に続き「不信任」 メディアは辞任観測
大統領が議会にいい加減にしろと言っていたはずですが、なんでまた説得できていないのに信任投票などしたのでしょうか。ちなみにイタリア共和国の議会には定足数がなく、下院は棄権を表決の母数に含めないのだそうで、こういう日本の常識からすると信じがたい現象が起きるようです。つまり、信任に賛成と投票した人が信任に反対と投票した人の数を上回ったものの相当数が採決に際して退席したか、賛否を明らかにすることを拒否したわけですね。ドラギ氏は前回の法案否決で愛想を尽かしていたようなので辞任は十分あり得るわけですが、辞任させたところで強面がいなくなるというだけの話で、そもそも現政権成立時に首相を擁立できなかった主要政党が後任首相を推挙できるわけでもない気がします。マッタレッラ大統領の任期は今年の1月開始なので、もしかすると解散狙いかもしれません。実際2年弱前に議会の定数を削減する憲法改正が成立していますので、前回総選挙が2018年3月なので、半年前倒しくらいの感覚だと思います。

イタリア首相が再び辞意 連立与党の支持得られず、秋に解散総選挙か
イタリア議会解散、9月25日にも総選挙へ ドラギ首相の辞任を受け
というわけで、これは両院を解散したんでしょうかね。順当ではあると思うので、まずはドラギ氏が出馬してくるか、その上で議会の勢力がどうなるかでしょう。

インフレ急進で「スーパーマリオ」退陣 止まらぬヨーロッパ政治危機
「欧州で信頼を集めてきたドラギ氏」
実務家内閣の首班がこういう扱われ方をすること自体がおかしいわけで、議会の直接的な支持に支えられていればともかく、発足当初から議会での基盤が弱いことは織り込み済みだったわけですし、何かを片付けるための暫定挙国一致政権に過ぎません。それがたまたま1年もっていた、懸案が片付かないため解散ができないでいただけのことです。
もっとも議会が小党分立状態や二党伯仲状態になりがちというのがイタリアの伝統かつここ数年の欧州の通例ですので、そこは大統領に強力な施政権がないだけに政治危機と見做せるのかもしれません。ただ、正直ちゃんと話し合いをすればいいだけだとは思うんですよね。ブリュッセルにはまだワシントンDCのような権威は備わっていないわけですから、各加盟国の議会諸勢力のレベルで調整をすることこそ民主主義の基本であり、それは各国行政部の仕事だと外交担当者間やブリュッセル官僚の内輪の調整にかまけているわけにはいかないのです。EU委員長はせめてイタリアの大統領程度の調整努力を全加盟国の議会諸勢力に対して行うべきでしょうし、対立する主張があるなら加盟国外交担当者の頭越しに集めてでもすり合わせた方がいいと思います。でないとEU加盟国では外交担当者による寡頭政治になってしまいます。

■2021年02月13日(土)  規制緩和においては合理的な予測を可能にすることが大事だなどと、言うまでもないでしょうに
「吉村知事が突っ走った」解除要請に揺れた大阪、反発も
この人も、突っ走ること自体はダメとは言いませんが、口にする前に関係者を説得することを怠りますね。年末から続いている事態であるわけで、どうなったら解除を要請するかということを関係者と調整する時間は十分あったはずです。営業制限が迷惑なのでずるずる続けるのは良くないというのはわかりますが、終わると言ったのを撤回する羽目になる方がよほど迷惑です。この件で言えば、医療関係者が同意できる基準を整備することが大事です。制限に甘んじている方もいつ終わるかわからない、いつまた制限がかかるかわからないから耐えられないわけで、本質的に予測が立たないにせよ、行政府のポカで不安を煽るべきではありません。
できれば株式市場で余っている資金を大阪府なり大阪府有志なりで引っ張ってきて営業制限補償に使えることが望ましいですが、それこそ知事の一存でできることではないでしょう。

■2021年02月13日(土)  寒そうというか痛そうでね
謎の優先順位
いやまあ、地域差があるというか、東京や千葉で寒いとは思わないですけど…でもあれ、実際寒そうですよね。特に関東北部より北だと、冬場は足がカサカサになって赤くなっていることがあるので、あれは寒いと思います。なお、さすがに山形あたりで冬の半ズボンのみは見た記憶がないですが(タイツくらいは履く)、仙台は普通にありました。まあ、長ズボンだと引っかけてこける、破くといったことはあるのだと思います。また冬用のタイツなどは結構防寒性に優れていることはあるらしいです。なお、上着は着るとかえって汗をかいて風邪をひきかねません。もこもこしたものよりは通気性が良く風を遮るものが良いです。
また、日中でも-10℃を下回るようなところで子供だけで遊ばせたら、それは児童虐待だと思います。
また中学や高校の場合、女子生徒の制服に長ズボンはないはずです(トレーニングウェアならあるのですが)。また男子生徒の制服にも半ズボンはありません。女子は冬は寒いのだそうですが(スカートの下にトレーニングウェアの長ズボンを履いた格好が一時期流行りました)、男子は夏暑いです。当然体育の授業でもないのにトレーニングウェアのショートパンツでうろついていると、説教を食らいます。

■2021年02月12日(金)  なんでさっさと上場廃止して再建に進まなかったのでしょうか
オンキヨーがジャスダック上場廃止の恐れ 重い債務超過
株主をちゃんと把握できていれば上場廃止は別に怖くないのですが、さすがに増資にすら応じてもらえない状況で、上場基準を満たさないために市場側に排除されるとなると株主や債権者が黙っていないでしょうね。債務の株式化を検討したということは債権者に交渉したのだと思いますが、応じなかったということでしょうか。昨年夏の事業の再編成をやっていた時期にMBOでもして上場廃止したほうがよかった可能性があります。
おそらく音響機器事業で1000人越えの従業員というのは多すぎで、製品を整理したうえで生産部門を廃止してファブレス化、設計と生産管理の技術者と管理及びセールス担当で合計で5パーセント程度まで縮小するべきでしょう。例えばDENONとマランツを吸収したD&Mホールディングスが400人のようで、これより多いというのは問題でしょう。

■2021年02月11日(木)  勤務中の飲酒は非常識ということになったわけですが
残った議会棟の喫煙室に県職員続々 禁止なのに3密状態
勤務中禁止されている喫煙をしたという理由で解雇はできないんでしたっけ?人件費削減にもちょうどよいと思うのですが。何人か解雇して、次やったら首が飛ぶと思えば、みんな職場では禁煙しますよ、きっと。近所の灰皿のあるところで吸うだけかもしれませんけど。

■2021年02月11日(木)  クーデター政権の長期化を決め込むのは早いような
世界から非難されるミャンマー 日本企業は“ビジネスの危機”を乗り越えられるのか
リアルポリティックスはよいのですが、ここで表立って国軍に誼を通じてしまうのは後難を招きそうに思います。というのも、クーデターで排除されたNPLDが選挙で支持されているうえに、国軍が現地を掌握できていないからです。おひざ元のヤンゴンでデモが起きる有様であり、国民の隔離もネットサービスの一部を制限するのがやっと、外国から遮断されれば別でしょうが民生用の通信回線を遮断することができていません。クーデターという時点で中華人民共和国がどれだけ頑張っても安保理を麻痺させるのが精いっぱいです。この時点で今の日本政府に介入するほどの手腕があるとも思えませんし、国軍側で介入したところでクーデター政府が倒れでもしたら、国民の心証が悪くなります。
仮に介入するとして、取りうる方法は次のいずれかでしょう。
まず、クーデター側を説得して速やかに民政移管させることです。しかし問題はNPLD側とクーデター派の調停にあり、国軍を抑えきれなかった以上NPLDに状況を管理する手腕はなかったのだとしても、それだけにクーデター政権との融和はむずかしいでしょう。今民政移管した場合、NPLD側が復権するか、国軍と適切な距離を持つ民間人に政権を委ねるかですが、どちらにせよ最悪内戦です。民衆暴動でクーデター派が政権を投げ出してくれれば国外亡命の手助けと新政権との仲介、そして中華人民共和国が介入してくる前に事を納めることで有利な立場を築ける可能性がありますが、内戦になった場合どうにもなりません。
次に、中華人民共和国が介入してくる前にバングラデシュ、インド、タイあたりを口説いてクーデター政権排除を名目に侵攻、傀儡政権を作ってしまうことです。この場合、NPLDを立ててもよいわけですが、周辺諸国の武力行使であるだけに外国勢力の手先扱いされて、混乱を起こす可能性があります。一時的な傀儡政権を作ったうえでクーデター派を徹底的に弾圧、その後民政移管するという、なかなか高度な立ち回りが要求されます。英米仏が頑張ってくれれば安保理の介入はなく、中華人民共和国はインドとベトナムあたりに牽制させ、台湾海峡に米軍の空母を入れておけば身動きはしにくいでしょう。とはいえ、おそらく長期にわたってこの地域に政情不安と国際的緊張を残します。
次に、クーデター政府を直接に、あるいは陰ながら支持することは可能でしょう。ただし現在のクーデター政府は手腕に懸念があり、少なくとも自力でNPLDを徹底的に弾圧してくれないとひっくり返る恐れがあります。タイのように王室がクーデター派に権威を付与して安定化機構として機能すればまた別でしょうが、ミャンマーにはそのような機構はありません。またこの方向性を取った場合、一時的にせよ欧米との関係が緊張します。欧米諸国と国軍が納得できるスケジュールの民政移管の段取りを示す必要があります。この手を取りやすいのはむしろ中華人民共和国で、支援要請を取り付けて進駐する可能性があります。そうなれば欧米が硬化するでしょう。日本政府の介入や経済関係の継続どころではなくなります。
そして、欧米に追随して制裁に加わることで、これは介入しないのと同じことです。
当然最善策は民政移管ですが、正直それができるとは思えません。そもそもカンボジアやイラクあたりと同じで、民政移管した直後の地域などいつ政情不安になってもおかしくなく、「今回のクーデターでも、日本は軍政側とのパイプを維持しているために、影響力を行使できうる可能性があり」などと太平楽なことを言っている場合ではないのです。

ミャンマー、令状なく逮捕可能に 国軍が法律を一時停止
今頃こんな話が出てくることにむしろびっくりなんですが、国軍はまじめにやっているのでしょうか?墓場の静寂でもよいから治安を確保しないことには話にならないわけで、反対勢力への対処権を現場に与えてぺんぺん草も生えない状態にして、さっさと沈静化するのが正道だと思うのですけどね。
これではどうも、軍事独裁政権としても評価できません。遠からずひっくり返りそうな気がします。

さらばミャンマー、日本企業はどうする?
もう一か月早く出しましょうよ、この記事。
だいたい虐殺だ過激化だなんだと言いますが、たった700人です。人数がどうとか弾圧がどうとかではなく、民主政権を倒すようなクーデターをやった国軍が反対派を排除しているから問題になっているのです。言い換えれば欧米諸国の軍事政権いじめです。なんで二か月もかけてちびちび千人やそこらを殺しているのか、権力や人命を何だと思っているのか、もっと効率よくまじめにやれという話です。
逆に言えば、700人で済んでいるというのは、都市部に少数のはねっかえりがいる程度で、軍事政権が国内をそれなりに治められていると解釈する余地があり、その場合問題は対外関係のみということになるのですが、そのわりには在外公館の粛清が進んでいない気がします。NPLD派の領事だか公使だかが公邸から追い出されたという話がありましたが、本来それとおなじことが次々と起こっていないとおかしいのです。まあこれは、軍事政権が在外公館掌握の重要性を理解しない田舎者揃いだという可能性があるのですが…国連大使が監禁もされずにあんな演説をする時点で、手落ちなんですよね。
でまあ、司令官の延長雇用の年限が今年の7月だというのは初めて見ましたが、それが理由にしては手際が悪すぎると思います。2016年の総選挙でNPLDが勝利、この時点で居座りに黄信号が灯ったはずです。2020年総選挙での国軍与党の政権奪取と並行してクーデターの計画が進んでいたのだとしたら、最低3年は計画期間があったのですから、もっと手際が良くないとおかしいのです。逆にどれだけ臨戦態勢にあったとしても、二か月でクーデターを立案実施して政権奪取まで遺漏なく進めるというのは難しいでしょう。まあ、NPLD側がそれだけ間抜けだったということなのかもしれませんが…それならそれで、国軍と誼を通じている外国企業に情報が流れている方が自然だと思うのですが。
それで、さすがに米国市場や欧州市場を捨ててミャンマー市場を取るというわけにはいかないのでさらばという話をしているわけですが、前述のとおりその判断は3月初めにはできていないとおかしいのです。もし総選挙勝利後すぐに国軍の元締めと手打ちの相談もできない、クーデターの兆候も見逃す間抜けな民主政権と、定年延長に失敗してクーデターを起こした挙句に三ヶ月経っても反乱を起こすわけでもない反対派を鎮圧しきれていない軍事政権が通用するド田舎がビルマなのだとしたら、何がどう転んで何が起こるか分かったものではないので、さっさと手を引いたうえで周辺諸国にPKFを扇動すべきでしょう。
とりあえず、少数民族が反乱を起こす様子が見えないのが救いではありますね。

■2021年02月11日(木)  需要はあるでしょうけど
アップル純正「マップ」に事故や速度取り締まり報告、iOS 14.5ベータで追加。報告多数なら地図上で表示
事故や渋滞はまあ良いとして、速度取り締まりですか…もちろんそれで警戒して速度制限を守るならよいようなものですが、むしろ移動速度が制限速度を超えている場合に何が何でもビービー鳴く方がよいのではないかと思うのですが。また、一定以上の速度で移動中は電話もメッセージも着信しないとか。

■2021年02月10日(水)  学校は終わっていると思う
吹奏楽部顧問が部員蹴り、暴言…謹慎処分に 広島新庄高
正直、集まるのもはばかられる状況なのですし、当分部活動も大会も禁止の方がよいのではないでしょうか。評価される場が…という話はあると思いますが、少なくとも技術として成立している分野は部活の状況だけで評価されたりはしないはずですし(そういう意味で一番厳しいのは学校が中心の運動競技です)、一度生徒にせよ指導員にせよ、大会という成果を見える化する場から引き離した方がよいのではないでしょうか。成果を上げれば先が見えてくるとか、この人に指導させれば成果が上がるとか、成果が上がらないのであれば部活動として不適切といった状況をリセットしてしまうのです。子供が学校から帰ってくる時間が早くなると家庭で不満が出そうで、対処が必要なのでしょうね。ともあれ、顧問の品行で活動に制約が出るのでは、生徒がかわいそうです。

■2021年02月10日(水)  四日市喘息なんてのもありましたからね
化石燃料からの大気汚染で2018年に約870万人が死亡との報告。従来の認識よりはるかに多数
特に死者数の推定について検証は必要であるにせよ、不思議ではないでしょう。それこそ日本でも、四日市喘息というのがあったわけですし、スパイクタイヤの規制も覚えている人は多いでしょう。自動車の排煙が問題になったこともあります。
問題は、何がどのような過程で放出されているかです。回収も含めて、出さずとも操業できるなら、大気汚染は改善できます。これは古くはイギリスで工場のばい煙対策がなされ、日本でも気体も含めた排出物規制が進み、各国で今のところNOx対策に至る自動車排気規制が行われて大気汚染が改善したのを見れば明らかでしょう。とはいえ発電と運輸物流はともかく、産業となると相当多様な大気汚染物質を排出します。化石燃料由来の場合、煤や硫酸、硝酸、有機化合物あたりが気体やミストとして出てきますが、操業に際してアンモニア、水酸化物、金属酸化物などを出す工場もあります。場合によってはフッ酸や鉛化合物、青酸化合物などを出していることもあります。反応生成物などとしてそういったものが出るのなら、仮に熱源や動力源を再生可能エネルギー由来の電気に代えようと、大気汚染は起きます。化石燃料を大量に燃やしているようなところはそういう活動も伴っているというか、そういう活動をするために化石燃料を燃やしているはずで、化石燃料規制だけでなく、広範な排出物規制をかけないと意味がないと思うのですけどね。

■2021年02月10日(水)  リスクを顕在化させない方法論が大事なんですがね
「GitHub禁止は解決にならない」「過度にリスク面だけ注目しないで」 IT連が声明
いやまあ、会社からGitHubへのアクセスは遮断してもよいと思うのですけど。中身を理解していて、かつコスト負担に耐えられるのであれば、オンプレミスは決して悪いやり方ではないです。ただしソースコードを持ち出されて気付かないようなところはオンプレミスにしても管理が笊になるとは思います。
とはいえ、日本の会社はプライベートまで縛ることがあり、とにかく自宅でもGitHub不可などと言いだすと迷惑ですね。またそれこそサプライチェーンマネジメントに絡んで、コンプライアンスの徹底などと称して取引条件に変な規制をかけることも考えられます。下請けいじめくらいならまだかわいいですが、変な条件を出して意欲的なソフトハウスやクラウド利用に積極的な取引先にそっぽを向かれた場合、規制をかけた当の企業の方に問題が出ます。
仕事上の情報資産を組織の承認なく外部に持ち出すなど、コンプライアンスからすれば言語道断で、こうなってしまうともはやまともな就職先はないでしょう。自分が書いたものとはいえ勝手に仕事のソースコードを持ち出してGitHubに上げるような人を雇うというのは、受託開発ベースの事業であれば大きなリスク要因です。個人責任が徹底しているパッケージ系なら別でしょうけど。
この件は、雇い主にも自己点検をしっかりして欲しいものです。報道を見る限りそもそも希望するキャリア展開を相談できるような職場ではなかったと思われるので、主観的にはブラックだったのではないでしょうか。モラールが維持できていればどこかで歯止めがかかった事案だと思いますし、従業員にそっぽを向かれてアクシデントを起こされた時点で経営者の事業運営能力に疑問符が付きます。
一方で、声明を出したIT団体連盟には、サービス事業者団体としての利益誘導だけでなく、経営者の規律や啓発も心掛けてほしいものです。ソースコードを持ち出されても気づかない、従業員をないがしろにして離反されるようなIT企業は、それこそ連盟の加盟団体の参加企業にも少なくないでしょう。それが情報銀行の認定などしていては、リバタリアンならずともお墨付きを鼻で笑ってしまいます。それなりの技術を持つ人の中にはコンプライアンス意識よりも人格権の主張の方が強い人がいますから、リスクというならそういう人まで考えた落としどころを作っておく方が、リスクマネジメントには良いと思います。

■2021年02月10日(水)  秘書のパソコンから接続するなよ
米国のリモート裁判で弁護士の顔が“ネコ”になる珍事
まあ、珍事ですし、ハートフルですけど、そもそも対審なり打ち合わせなりに秘書のパソコンでリモート参加するというのはどうなのでしょうか。様子を公開している以上機微に触れるようなセッションではなかったのでしょうけど、テレカンなんて映っているから本人だなどとは言えないわけで(会議をVRにしてAIが代わってくれないかなあなどと言っている人がいたなあ)、一方で裁判や調停など言ったことに責任を取らせるために本人や代理資格の確認をするものでしょう。いくら集まるわけにはいかないとはいえ、他人のパソコンからの接続で本人は操作を理解している様子がないというのでは、欠席扱いされても文句は言えないのではないでしょうか。

■2021年02月10日(水)  法制局の検討に耐えられるレベルの対案は出すべき
結婚で夫の姓に…「世間の常識」打ち勝てず、流した涙
もちろん氏は法律でどうこうするものではなくなった、氏と名を別に書く様式はなくなってもよいと思いますが、そこで悩んでも婚姻はするんですね。もちろん、今考えると事実婚でもよかったという話かもしれませんが。とはいえ夫婦を別姓にしたらしたで子供の名前はどうするんだという話にはなるのですけど。話し合って何とかしなさいと言うのは良いですが、揉めてその決着がつく前に子供の出生届を出す時期が来てしまったら大問題です。
また墓、つまり民法で言う祭祀に関する権利の承継というのも問題で、相続もそうですが、こうした話があるから家が絶えたらどうのこうのという話になるのです。もちろん役所としてはそんな話で間に割って入りたくはないわけで、とにかく揉めたら裁判所が一人に押し付けるから、責任を持って処理しろよと言っているわけですが、その一方で遺骨をそのへんに捨ててはいけませんとも言っているわけで、死ぬ方がゴミか肥料でいいじゃないかと思ったとしてもそれを実現するには相当な下準備が必要です。多分相続した家庭菜園に肥料として勝手に漉き込んだら問題になるので、本人の希望なり慣習なりに基づいてしかるべき場所で処置するのですよと、遺族全員を代表して祭祀等継承者が手続をしないといけないのです。
夫婦別姓もその議論もよいのですが、現在の制度というのは一応それで長い期間やってきた実績というのがあるわけで、変えようというなら不便だけでなく、こうすれば整合した制度ができますよという案は示すべきでしょう。不便だからとにかく議論しようでは、変えたくない方としては応じられないでしょう。

「女対女」演出?夫婦別姓反対派、表に立つのは女性議員
タイトルはともかくとして、別に夫婦別姓にせずとも、例えばマイナンバーで同一性が確認できれば済む話です。また法的に婚姻する必要だってないでしょう。婚姻という制度を利用してなお元の名前で同定されることを望むかどうかというのは、イデオロギーの問題です。
もっとも、家族的パートナーシップにおける心情とは別に、婚姻して戸籍を一つにするということに一定の制度上のメリットが生じていることは確かです。戸籍謄本で証明すれば関係者であることは一目瞭然(といいつつ婚姻関係が破綻しているのに戸籍の処理がされていない状況もありはする)ので、たいていの人が安心して、あなたはこの人の関係者であると認定してくれるわけです。相続のようにデフォルトでは戸籍を基盤にしつつそれ以外にも対応できる制度になっていることもありますが、学校あたりでは齟齬が出るでしょうし、えてして民間企業や民間団体ほど融通が利きません。そこで婚姻という制度に乗ってしまった方が便利だという判断はあり得るし、その過程で名前を変えた場合多大な不便が発生する、人権問題だというのは理解できます。とはいえキャンペーンをするなら婚姻を基盤とした家族の制度を問うべきであり、婚姻を前提にしたうえで別姓を唱えるのはおかしいと思います。別にパートナーシップと出産に基づいた家族制度を擁護することは構わないと思いますし、何かを変えるとしてもそれを包含する制度になっているべきですが、氏が家族の識別子であるという前提を拒否したうえで家族関係に基づく関係者認定を求めるのなら、家族という社団をどのような原理で編成するのか、その社団をどうやって実用的に確定するのかをも問うべきです。

備考
理念を含む法制度としての家族と実感を含む哲学や社会論、文化論の立場からの家族、ある社団が自任するところの家族というのは違っていてよいわけですが、個人的に一つだけ言えることは、出産した女性と出産による子から構成されることを原理とする社団があれば、それがどのような機能を持っているのであれ、家族と呼ばざるを得ないだろうということです。出産した女性と出産による子が社団を構成するのが当然だとは言えませんし、それ以外の原理で構成される社団が家族と称し、周囲からそのように認められること自体は構わない、あるいはそのような社団が制度においてなにがしかの地位を認められる必要があるとも、制度において他の文化で家族に与えられている特性や機能を持つべきだとも思いませんが、家族法というものを制度として構築するのであれば、そのような社団がどのような機能を持つべきかというのは、ひとつの参照モデルとしてあることが適切だと思います。
家族について問い直すときに言えることがあるとしたらその程度で、後は - そのような構成原理を否定することも含めて - 任意に制度を構築することができるはずです。家族は氏を同じくするというのはただの便宜でしかないと言うならそれはその通りですし、婚姻が家族という制度の基本であるというのも便宜でしかありません。

改姓の不利益、男になぜ見えぬ 想像力奪う性支配の構造
まあ、慣習も含めて制度が名前が変わっても連続性を維持することを想定していないということではあるのですが。ただしそれが、家族という社団の代表者としての男性に信用を含めた法人格が独占され、個人が法人格の主体として抽出されたにもかかわらず(婚姻に限らないが婚姻によって発生することが多い - 実際には、養子縁組などでも起こるはず)名前の変更によって法人格の連続性を追跡できなくなるために、婚姻によって名前を変えることを制度的に押し付けられた女性に不利益が偏在しているという意味では、性支配を否定できません。名前が変われば同定ができなくなるなどというのはすぐわかることなのですが、その不便を受ける人が身近であるために、同定ができなくなることを思いつかなくなるのでしょうかね。あるいは婚姻を生まれ変わりと見做すような観念に基づくのかもしれません。いずれにせよ、個人に法人格が認められているのに(家という社団に法人格があるというならまだしもなんですけどね)その個人の識別情報を変えることを前提にする制度をおかしいと思わないのは想像力がないと言われても仕方がありません。妻は家と別個に社会的活動(賃労働も含めて)をすべきでないという主張は一貫性だけはありますが、仮に戸主としての立場であれば女性に家の法人格を代表することが認められる制度であるとしても、個人が社会的活動をすることができる制度の下で戸主の地位が圧倒的に男性に掌握されているというのは、女性を虐げていると言われても仕方ないでしょう。戸主は社団を解体された場合ですら、社団としての法人格を連続的に引き継ぐことができるのですから。
ただ、そもそも法制度のうえでの家族の位置付けや社団の位置付け自体不明確なものであり、個人として活動したいなら出産はまだしも婚姻などすべきでないと思うのですが。

■2021年02月10日(水)  自動車エンジンのNOx低減なんて言っていたのはつい20年前だと思うんだけどなあ
想定外の研究が生んだ燃料アンモニア 脱炭素で注目
いやでも、NH3を酸化させたらNOxは出ると思うのですけど、酸性雨は良いのでしょうか。

■2021年02月10日(水)  こういうことをするなら真面目に弾劾手続なんかしない方がいいと思う
トランプ氏の2度目の弾劾裁判始まる 弁護側は違憲主張
何をどう考えて合憲とするのか、興味深いところです。これがどこかの国みたいに大統領退任後のリスクを増やし、意欲的な人ほどリスクを恐れて退任の延期や免責を画策するようなことにならないとよいのですが。
オストラシズム自体は民主主義の必要悪という可能性もありますし、アメリカ合衆国で大統領をするほどの人であれば10年やそこら追放されても問題は少ないでしょう。ただそうだとしたら、弾劾手続というのはガス抜きの手段なのだと、正義を実現するためのものではないというコンセンサスが必要です。でないと弾劾した側が十字架を背負い続けることになりかねません。しらばっくれて追放先から呼び戻すような厚かましさも時には必要なので、兄の首を物理的に切断しておいて20年後にその弟をしれっとして国家元首に迎えられる程度には、正義感には余裕を持たせておく方がよいと思います。その点では、正直20世紀の制度は落第なものが多いと思います。
裁判なんて形式を取らずに投票をやって、過半数が賛成したら10年間追放、それで後腐れなしの方が、いろいろ楽だと思いますけど。

■2021年02月10日(水)  商売人のくせに苦境などと弱音を吐いてはいけない
「生きるか死ぬか」の苦境、マイナス金利にあえぐ地銀
いやまあ、そこで住宅ローンなんていう競合がやたらといてちらしで比較されかねないような、知名度は上がるだろうけど儲けにはなりにくい業務は適当にやっておいて、ちゃんと金利なり手数料なりで収入が得られるような分野を開拓するのが金儲けでやっている人の義務だと思うのですけど。もちろん金融サービスだけに、どうしても提供してもらわないといけないものはあって、例えば現金収受窓口や決済はやってもらわないと不便だし、かといって高額の手数料を取られると利便性が低下します。そこは、コストをできるだけ下げてやってもらわないといけないし、儲からないけどインフラだというならコスト発生部分の分離と他行との統合やサービス会社への公的資金の導入といった話をせざるを得ないでしょう。とはいえ、サラリーマン相手の住宅ローンなんて、構造的な赤字覚悟でハイリスクでやるようなものではありません。他所のローン商品を仲介して手数料を取れば十分でしょう。金融商品への投資もそうで、儲かると思うならやればよいですが、儲からないのにやる必要はないわけです。国債などでも、本来銀行なら発行市場で買えばよいわけで、流通市場でプレミアムが付いたものを買うような人は投資のプロとは言いません。よく言って投機のプロです。
融資の面での銀行の役割には、借り手が債務を完済できるように助言することも含まれるはずです。面倒だから債権を証券化して転売してあとは知らんぷりというのも手ではあるのですが、それをやるなら地銀の存在意義はないでしょう。ネット銀行で十分です。所詮銀行は銀行でしかないので、株式会社相応に決まった定型事業を淡々と低コストでやればよいのだというなら、儲からないなどと言っていないで利便性を低下させずにコストダウンを図るべきですし、銀行という形態では規制関連のコストが高いなら信金にでも転換すればよいし、ネット銀行のフランチャイズで窓口に専念してもよいはずです。まあ、それで利用者が銀行に行くかコンビニに行くかは知りませんけどね。とはいえ政策融資の窓口として借り手とリスクテイクが上手な銀行をつなぐというニーズはあるはずです。逆に銀行として生き残りたいなら、商売人としてリスクを収益に結び付けるノウハウを開拓すべきでしょう。ノウハウをインスタントにどこかの金融コンサルタントから買ってくるのではなく、地元の状況に即したノウハウを作り出してほしいものです。手段自体は、金融の教科書から持ってきてもよいでしょうけどね。

■2021年02月10日(水)  人造花崗岩でも使ったらよいでしょうに
被災地で橋の銘板13枚盗まれる 筆者「そっと戻して」
正直これは、このご時世に金属などと言う溶かしてしまえば転売できる物質でモニュメンタルなものを作る方にも相当責任があると思います。送電線のように実用上そのような物性が必要だというなら仕方ありませんが、銘板ならボルト固定できる程度の強度があって破損しにくければそれでよいわけで、素材に貨幣価値がある必要もなし、人造花崗岩に彫り込んだってかまわないでしょう。他人の記念など自分が貨幣を得ることにくらべればどうでもよいことだと思うような人に、泣き落としなど通じません。
とはいえ、世の中には多様なコレクターがいて、橋の銘板を集めるのが趣味の人とか、金属のプレートを集めるのが趣味の人というのもいるようです。たいていの人は使用済みのものを集める程度で満足すると思いますが、メモリアルなものだとどうしても欲しくなる人や、コレクターに転売するような人はやはりいると思うべきでしょう。ただ、そういう人は由来自体に価値を感じているわけで、メモリアルなものを盗まれて悲しいと言えば返してくれる可能性が高いでしょうし、モニュメンタルなものとしてはそれなりに機能をまっとうしているとも言えます。
ちなみに、記念品などどうでもよいと思う人に記念品を押し付けるのもどうかと思うのですが、レジ袋と同じように対策できませんかね。

■2021年02月09日(火)  これは弱い者いじめでしょう
排水弁閉め忘れ…水道代600万円 県職員が半額支払い
嫌な時代になったなあ…
一人がポカをしただけでそれなりに大きな問題が出るなんてのは、組織全体の責任で、ポカが出ていないかをちゃんとチェックする体制を整備していなかった県知事が全額払うならまだしも、ポカをやった本人に半額負担させるのはおかしいと思うのですが。これが政策提案をして、個人的に損害を連帯保証するというならわかりますが、排水栓の閉め忘れなんてただのポカです。面倒でも必ず二人で作業をして確認しましょうと、習いませんでしたか?こういう下らないことだけ給料取りに責任を負わせるのは感心できません。

■2021年02月09日(火)  電子書籍を買おうにも支払い手段がないのだと思いますが
高校生の読書は電子書籍が1割、「紙の本」派が大多数
そりゃまあ、ペイできないからでは?自分のクレジットカードを持っている高校生などまずいないでしょうし、電子マネーで小遣いをもらっている人や小遣いを電子マネーとしてチャージしている人も少ないでしょう。また日本の場合、親のクレジットカードを子供が使えるようにしている例も少ないと思います。コンビニチャージもできますが、それこそ自動チャージ制度を利用する人が多いことでわかるように、手軽とは言えないようです。
おそらく現在の電子書籍ユーザーの主流派は、クレジットカードが使える20代や30代でしょう。

■2021年02月08日(月)  貨物船が通るような高知沖で潜航して何をしていたんでしょうかね
潜水艦事故後の連絡不通 海上幕僚長が「非常に問題」
いや、連絡取れないのは確かに良くないと思うのですけど、平時とはいえ潜水艦が衛星携帯電話ですか…
船舶が破損によって連絡手段を失ってしまうことは当然あるのであって、マストやファンネルなどよく嵐で倒れます。特に潜水艦ともなれば、不用意に浮上すればその上を他の船が通っていくこともあるわけですから、船橋ごともぎ取られてそのまま沈没することだってあり得ます。そこで連絡が取れなくなったらどうするのかと対応の準備をしておくのが運用側の責任なのであって、事故を起こして連絡が取れなくなるのはまずいから連絡手段をというのは、どうも間違っている気がします。
また潜水艦の浮上というのは大変危険な行為であって、だからこそ入念な確認手順が義務付けられているのでしょうし、それをさぼったのだとしたら大問題ではあります。とはいえその場でやる手順というのは失敗することだってあるわけで、潜水艦の浮上のような行為を関係ない船がうろうろしているようなところでやるべきではないのです。平時において潜水艦というのは、故障でもしなければスケジュール通りに動くべきものです。逆に任意の動きを取るとしたら、その時は十分に安全を確保しておかないといけません。浮上すべき日時場所というのは決められていてしかるべきですし、その周辺は水上艦によって確保されているべきです。海自の艦艇であれば発音ブイなどで海中との連絡も取れるはずですし、何も潜水艦が目視確認をするようなリスキーなことをする必要はないはずです。緊急浮上にしても訓練なら確保した海域ですればよいですし、実際にやるとしたら、そんな関係ない船がうろついているようなところで潜航して何をしていたという話になります。もし表沙汰にできないような事情で潜航していたのだとしたら、場合によっては緊急事態でも浮上などせず、そのまま全員海の藻屑になって消息不明ということもあり得るのが潜水艦です。まして原子力潜水艦のように長期間潜っていられるとでもいうならともかく、海上自衛隊が運用しているような電池が切れたら浮上して充電しなければならないタイプは、訓練であっても単独で海中行動させてはいけないものでしょう。無害通航を主張するためには潜航していてはならないというほどに、潜航した潜水艦というのは問題があります。事故ったとか連絡がとか言う前に、海上自衛隊上層部はそこを問題とすべきではないでしょうか。

海自潜水艦の元艦長を書類送検 安全確認怠った容疑 高知沖の衝突
実際怠ったのだとしたらしかるべき処分なのですが、怠った理由が問題で、慣れだとしたら海上自衛隊全体に航路で潜水艦を浮上させてかまわない、安全確認さえすれば安全確保として十分だというおかしな認識があったのではないかと思います。潜水艦の運用について精査が必要でしょう。別に隠密行動自体は構わないのですが、帰還のために浮上航行すれば当然見つかるわけですので、そこは位置も時刻もスケジュール通りとして、対潜訓練も兼ねて上空に観測機を飛ばすなりして出てくることを確認しないといけないし、それを日常とすることで普段通りの活動として印象付けるのも、それを利用して普段とは違うことをするのも運用でしょう。出先ではないのですから、見つかってまずいなどということはないのです。

海自潜水艦事故、防衛省が事故報告書 探知報告を厳格化へ
正直厳格化すればいいというものじゃないと思います。
また潜水艦の場合、目標位置の精密測定用にアクティブソナーは備えているはずと思っていたのですが、「自ら音波を発して船の位置を探れるソナーに改めることも念頭に、追加装備も検討する」というのはまさかパッシブソナーしか備えていないなんてことは、ないですよね?多分記者が、発表で「自ら音波を発して船の位置を探れるソナーを用いた手順に改めることも検討する」という話を勘違いしたのではないかと思うのですが。ヨットや民間クルーザーを見落とした、聞き落としたというならまああり得るのかもしれませんが、さすがに5万総トンの貨物船を見逃すようなアクティブソナーはないと思うのですが。
まず、状況によって手順は変えるべきです。基本的に、平時にはアクティブソナーも用いて十分に周囲を確認したうえで、航路外で浮上し、浮上航行で航路に侵入するべきです。計画済みの行動なら水上艦や哨戒機も用いて浮上予定水面の確保も行うべきでしょう。浮上手順としては、浮上予定水面の確保、落下ブイなどによる警告の有無の確認、パッシブおよびアクティブソナーによる周囲の確認を行い、その上で浮上となるべきでしょう。計画外の緊急浮上の場合は、浮上予定水面を確保することは難しいですから、できるだけ航路外に出て、周囲確認をした上で浮上するしかありません。この場合同様の事故の発生も予想されますので、浮上を終えた時点で速やかに緊急浮上した旨と状況を無線で報告することになります。これはもう、緊急事態なので無線封止とかは言っていられず、衛星通信だろうが何だろうが使って報告することになります。この意味での緊急通信手段は用意しておくべきです。一方戦闘行動に準じる事態、例えば緊急浮上訓練や浅深度でのレーダーないしは光学索敵訓練などの場合は、計画の上での行動とし、浮上水面確保を厳重に行い、艦自体による周囲確認は戦闘行動中のそれに準じて行うことになります。この場合アクティブソナーによる周囲確認や浮上後の無線による報告など行ったらただの馬鹿ですので、せいぜいが水面を確保する水上艦や哨戒機が水面状況と訓練実施の可否を連絡する程度に留め、なんなら続けて対潜攻撃への対応訓練も行ってから、浮上して訓練完了の報告を行う形になるでしょう。戦闘行動時には、もちろんそれにふさわしい手順があるはずですし、過度の安全確認はかえって問題もあるでしょう。
でもって、この場合「通常の訓練中」だったというわけで、どう見ても艦の過失に加えて陸の指揮運用側も過失を犯していると思います。まず訓練において航路周辺で浮上を行うような計画を立て、あるいは艦長の裁量でそれを許すような運用基準を設定していた過失、次に周知の計画済みの浮上行動であったのなら予定時刻に水面を確保しておかなかった過失、それに確保しないまでも浮上予定水面上空に飛行機でもヘリでも飛ばしておくのを怠り、その結果として無線機器破損時の連絡手段の確保を怠った過失です。水測員がすっとぼけたとか艦側の確認手順に不備があったとか言っている場合ではないと思います。艦長の独立行動責任をうんぬんする前に、責任は防衛省と海上幕僚監部、自衛艦隊司令部、潜水艦隊司令部にあるのではないでしょうか。

■2021年02月08日(月)  自衛隊はまだしもスポーツイベントに使うために税金を払ったわけではないですが
森氏発言に首相「国益に芳しくない」 辞任は求めず
「独立した法人としての判断を私は尊重する立場だ」
まっとうな話だとは思いますが、今お前が言うかという気分はありますね。正直経済効果も不透明な中で、オリンピック関連予算を削ってCOVID-19対策なり営業自粛の補償金なりに当てろという話も出かねないと思うのですが。
まあ、一応、「独立した法人であれば人事には干渉しませんよ」という意味で一貫はしているのでしょうけどね。V4予算で国だけでも1500億円支出を想定しているわけで、一時的なものとは言え学術会議の年間予算の150年分、よほど金食い虫です。

■2021年02月08日(月)  IWATSUはイワツではない
格安の「鉱机王電源」はRTX 3090を燃やさない
このシリーズの記事は結構面白いのですが、突っ込みを一つ。IWATSUはイワツではなくイワツウと読みます。アルファベットのロゴをそう呼んでしまう人がいることは認めますが、岩崎通信機(いわさきつうしんき)の略称なので、ASUSをアスースと読むくらいには間違っています。

■2021年02月08日(月)  大義名分から見るなら、クーデターは成功することも失敗することもあるが革命はほぼ確実に失敗に終わる
クーデターと革命の違いって? ナポレオンも明智光秀も
今の専門家の中ではこういう定義なんでしょうかね。
クーデターと革命を比較すること自体がそもそもナンセンスで、クーデターというのは中央政府の乗っ取りを意図した有力者の実力行使であり、革命の一段階として起こりえます。国家体制の転換を意図した政治行動が革命であり、その一環として武力の行使が発生することがあり、その様態として十分な権威を持たない武装勢力が対峙すれば内戦になりますし、武装組織として公認されていない集団が行えば暴動ですし、有力者が中央で行えばクーデターです。反革命として発生することも当然あります。位置付けをどう見るにしろ、例えばフランス共和国の第四共和政の崩壊も軍の武装蜂起が有力な政治家の介入を呼び起こしたクーデターと言えるでしょう。
一方革命を「クーデターと似た政治的行動として挙げられるものに「革命」がある。岩崎氏によると、クーデターが単に暴力的な手段で権力を奪取する行動を指すのに対し、「主義主張に基づいた理想的な社会を描き、それを実現するために立ち上がった人々が大義名分を持って社会に変革をもたらす」のが革命だ。」と位置付けるのはおかしいと思います。革命は、定義するなら、「それまでの体制とは不連続な政治体制の転換」であり、クーデターの結果革命が成立することもあるわけです。また、大義名分を掲げることが多いのは確かですが、その大義名分がそのまま実現された例はほぼありません。またその主義主張、大義名分にしても、理想というにはほど遠い、旧政権へのダメ出しでしかないことがほとんどです。

■2021年02月08日(月)  別にCOVID-19発生前でもマスクはしていました
日本人らしいファッション…?
いささか古いファッションであることは否定できませんが、まあ、こういう人が三月くらいになると街を良く歩いていましたね。三月だと学校が休みなので、特にでしょうか。そう、花粉症の時期の若い女性の格好なのです。

■2021年02月07日(日)  番号を見ただけの他人がかけてこれてしまう点が問題だと思うのですが
特殊詐欺、狙われる固定電話 AIで対抗、診断アプリも
わかるんだけど、わかるんだけどコレジャナイ…

■2021年02月06日(土)  反発というよりはいつまでもいなくならないなあと感心するのですが
森喜朗さん、よくぞ言った 男の本音に非難続々で「男的世界」は変えられるか
そう思う方もいるのですね。正直、麻生太郎さんも二階俊博氏もそうですが、馬鹿がバカを言ってそれにキーキー反応するのも見ていて楽しくはないですし、そうやって騒いで初めて言葉の表面だけ殊勝な感じの反応が出るというのも見ていて情けないです。イベントの実行委員会の長なんてただの実施担当の役人で、IOCや、国や都のような大口スポンサーや、ある程度まとまった数の協賛企業が強要すれば承応とそれに従わないといけない程度の立場です。選手や下働きにとってはたまったものではないでしょうけど、それこそ辞めなきゃ資金の拠出は止めるとでも言われれば首が飛ぶ。それで後始末をするのは嫌だから閣僚あたりは辞めろとまでは言わないわけですが、小池さんあたりが堪忍袋の緒を切ったら引導を渡されるのではないでしょうか。
むしろ気になったのは経団連会長の「SNSは怖い」で、今時炎上を怖いなどと余計なところでコメントするような人が会長でございと居座っていて日立製作所は大丈夫かと。まあ、だから今あんな状況なのかもしれませんけど。コンピューターでは失敗続きで、これでインフラもこけたらまずいのに、そのインフラが原発と石炭火力です。鉄道も当たればでかいものの競合は多く、しかも受注して物を入れれば終わりというわけにもいきません。現地の政権と共倒れしたら笑いごとなんですけどね。
「物言えば唇寒し」は良くありませんが、とはいえ地位のある人はうっかりしたことを言ってはいけないのだという意味では、もう何度もやってるだろうと思いますけども、鳴いて撃たれてくれた方が良い感じではあります。その上で、下っ端であっても言ってよいのだ、おかしいと思ったらおかしいと言ってよいという流れになるならそれでよいと思います。その上で、トップがバカを言ったら見捨てられるだけの裏打ちを下っ端が身に着けるようになれば、もっとよいでしょう。それこそ選手が、オリンピックの一回くらいなんだ、こっちは世界ランカーだ、馬鹿がバカをやっているような大会などボイコットして自力で親善イベントでも企画してやる、オリンピックなど次の機会に出ればいいと、言い出したら面白いと思います。今しかないとか次はないとか思いつめさせるのは、日本社会の悪いところだと思いますし。しかもスポーツ選手なんて社会においては若手や子供の年齢なので、相当の胆力がないと期待を受けている状況でオリンピックという権威への言揚げというのはしにくいでしょう。ただ、それが出てきたらいろいろ変わると思います。
とはいえ、それこそ菅総理も含めて、自民党の政治家というのはだいたいバックドアで話を聞くのは上手なのだろうと思います。名家だから、偉そうに見えるからと言って選挙区で当選などできないわけで、それなりに聞く耳というのは持っているでしょう。むしろ日本維新の会の議員の方が、意見を汲み上げる力は低そうに見えます(下手なことを言ったら説教されそうです)。いろいろ問題はありましたけれども、田中角栄氏みたいなパターナリスティックな政治家というのはテクニカルな問題を取り込んでいくのは上手でした。むしろ、では枝野氏や辻本氏に組織委員会を回せるのかというほうが疑問です。良くも悪くも、日本の組織というのは公の場で議論して回していくものではありません。むしろ公の場では面子が潰れるので意固地になるでしょう。ただし、いつまでもそれでは鎖国するしかないわけです。

森喜朗会長が関係者に辞意伝達 後任は川淵三郎氏で調整
うーん、これで鎮静化、するのでしょうか。もちろん後任の方は鎮静化に努力するのでしょうが、森氏が悪かったですましてよいものなのか。もちろん発言自体は森氏の問題ですが、失言などどうでもよい、五輪の開催準備を進めることが大事だ、ケチをつける人たちはそれを妨げているという意見が出てきていたわけで、そちらの方が問題だと思うのですが。またこういう話もある通り、できれば後任は女性が良いと思います。高齢の男性がついて火消しに走り回るよりも、女性がついて心機一転のムードを出す方がやりやすいのではないでしょうか。

「女性がたくさんいる会議、時間かかる」 問題の本質は
「「女性がたくさん入っている理事会の会議は時間がかかる」という森会長の発言は、本当に時間がかかるかどうかの話ではなく、森さんに異を唱えたり、自分の考えを自分の言葉で伝えようとしたりする人がいない同質集団が崩れることへの不満が述べられています。男女を問わず、自分の言葉で語らず、定型のフレーズで同調してくれる人がいてくれればいいということです。」
「会議も含めた「外」の場においては」という限定を付ければ、この評価が当たっていると思います。おそらく話題の「身内」だけで、議事録も取らずにざっくばらんに話せば総物分かりの悪い人ではないのではないでしょうか。しかし、会議や記者会見のような場で異論を述べ立てられると、自分の威信を傷つけられたと感じて排斥する。理事会というのは自分が結論を述べてシャンシャンと終わればそれが良いということで、意見の集約や立ち入った問答は非公式な場ですればよいと考えているでしょう。こういう人は、会議に苦手感はないでしょうけど、会見で余計なことを聞いてくる記者や会議で滔々と自説を主張する人は嫌いで、今回は、あるいはラグビー協会から東京オリンピック組織委員会までの流れで、たまたまそれが女性だったということだと思います。だから、あのお歳だと例えば「若い人というのは遠慮がなくて」とか「ベンチャーやトレーダー出身の人は空気を読まないから」とかいう話も出てきそうに思います。
その上で、記者会見の場で属性に絡めた発言がぽろっと出てきてしまうというのは迂闊ではありますし、正直今時のリーダー向きではないだろうと思います。コネと経験があるし地力は高いからプロジェクトを進めることはできますが、それこそパブリックリレーションで失敗する人というのはそういうことでしょう。また、公の場で議論を導いていく能力にも欠けているわけですが、そもそも準備の段階で結論が決まっていればあまり問題にはならないでしょう。独裁的ということで「身内」以外からの評価は低くなるでしょうけど。
人を人とも思わない、あるいは排斥の際に自分と違っている属性を引き合いに出して合理化してしまう傾向はそれこそ誰にでもあります。それを表に出さない、さりげなく取り繕う能力が、パブリックリレーションに関わる人には求められます。トランプさんではないですけども、「あいつらは俺たちとは違う、あいつらは敵だ!」で身内を大同団結させていた時代ではないのですから。

森発言は日本社会の後進性を反映したもの
論評自体はおおむね妥当なのですが、何点か、ことさら対象を絞ることでミスリーディングをしている部分があります。その上で、「森発言を批判するなら、身の回りの理不尽な忖度や服従にも目を向けることが必要だ。」というのは至言と思います。
まず用語の問題で、20世紀ならともかく「封建制」はないです。近代社会と対置させる意味で江戸時代までの封建制をルーズに用いたのは一種の知的退廃です。抑圧的な自生的組織が階層構造になっているという意味であっても、現代のそれは近代絶対天皇制が自生的地方権力構造を再編成して生じたと言うべきで、封建制とは別のものです。むしろ次段の「陰湿な軍隊生活」とセットの、近代国民軍に根差したものと言うべきでしょう。言うならばせめて「いわゆる封建遺制」と言うべきです。
次に、少なくとも政治団体については、自由民主党や日本共産党以外でも、日本に近代議会制度にふさわしい討論に根差した議論したり討論したりする力量のある政党、政治家は全くありません。また、ここ二か月のアメリカ合衆国下院やここ数年の連合王国下院に見られるように、盛田氏が言う「議論したり討論したりする力量」を示している政治制度は皆無です。少なくとも集落規模、あるいは事業所規模ならともかく、国民国家規模で議論で物事を決めるというのは現時点ではマイナスの意味でのユートピア幻想でしょう。古典的弁論術やディベート技術も、ショーやパフォーマンスにおいて自らの権威を演出する道具に堕しています。まあ、盛田氏の言うとおり、楽なのでしょう。

森会長退任問題が暴露した、根性論組織の弱さ
まあ、リスク管理はできてないですし、後任の選出もまともにできてませんよね。
正直森氏がとにかく東京五輪をやるんだと、石原さんや猪瀬さんが退陣した後も頑張ってきた部分、コネを駆使して資金調達や組織化をしてきた部分というのはあるはずで、失言魔人の一人ではあるにしてもオーガナイザーとして全くの無能、お飾りだったとは思いません。おそらく山下氏あたりだったら東日本大震災の時点で収拾がつかなくなっていたと思います。鈴木元スポーツ庁長官にしても、スポーツ庁という得体のしれない新興官庁が存在感を発揮するには有用だったと思います。正直森氏の失言という点では、麻生太郎氏や二階俊博氏、竹下亘氏あたりの方がよほど失言魔人です。あそこまで森氏が非難を受けている直後に同系統の失言を重ねるというのは、意図的な挑発行為にすら見えます。
そもそも顔役も含めたトップというものは、実務能力だけで決まるものでも決めるものでもありません。そもそも実務能力だけで決めるなら同じ事業について実績のない人を採用するわけにはいかないので、だいたいにおいて着任の時は実務能力については見込み部分が大きいのです。その上で、ネームバリューなり、現場の実績なりというのはとりあえず部下や訪問先が話を聞いてくれるというメリットはあります。任命者や直属の部下が担ぐに値すると受け入れて支持すれば、それなりに仕事はこなせるものです。
問題は検討委員会の無能ぶりで、なぜ兼職制限があるとわかっていながら現職五輪担当大臣を、しかも周囲にまともな打診もなく選定しないといけないのか。政権や東京都知事と近い立場で、アスリート出身の女性という判断基準だったとしか思えないわけですが、それこそ五輪担当大臣と東京都知事に相談して、バックアップしてもらえる候補を選定する道もあったはずです。また五輪担当大臣というのはそう言うときに政権として後援できる候補を上げることも仕事のひとつでしょう。男性を選べないのは、身ぎれいさ以前に男性だと同じ失態をする可能性を否定できないということはあるかもしれませんが、女性に絞るとしても現職担当閣僚を、表面上周囲に相談のないまま(菅総理あたりには話が通っていたのかもしれませんが)組織委員会会長に選定するという愚行にくらべれば、やりようはいくらでもあったはずです。あれでは菅総理が橋本氏をスケープゴートにしたと見えかねませんし、そんな人選しかできなかった検討委員が選定責任を全うできるとも、それを安易に認めてしまった組織委員会理事会が会長を支え切れるとも思えません。
そして理事や検討委員の選定経緯もあいまいです。増沢氏の言う「名誉職としての取締役や大臣」は指摘するようにまさにJOCや組織委員会に当てはまっています。これでは当初計画通り前進ならともかく、撤退や調整などできるはずもありません。そしてIOCも、会長の言動は、とにかく日本政府と東京都が責任を持って東京五輪を通常開催する、実施したという面子が保たれチケット収入や放映権収入がいつも通り入る、それ以外はどうでもよいとしか見えません。現場上がりの、収益事業さえ委託先の責任で進んでいれば事業の理念などどうでもよいリーダーに見えます。これはスポーツに限らず、文化団体全般にそうではないでしょうか。
増沢氏の主張する能力に基づく選任というのが何をリファレンスにしているのかわかりませんが、欧米発の企業組織論に基づくものだとしたら、まさにその欧米でも企業組織論が機能していないことになります。企業組織論が机上の空論で我々には能力で人を選ぶ能力こそがないのか、文化団体は根性組織論に基づいて運営される内的必然性があるということになりはしませんかね。

■2021年02月06日(土)  自動車メーカーと共同開発するようではAppleが自動車を作る意味がないような
単なる下請けと組んでも「アップルらしいクルマ」は作れないのでは
どうでしょうかね。
車両の設計に専業メーカーとしてのノウハウがあるといっても、せいぜいが効率性の問題でしょう。自動運転の電動車となるとエンジン車とは相当違ってきますし、それこそコンピューターでやっているように、シャーシあたりは出来合いのものを買ってくることも可能です。

■2021年02月06日(土)  むしろ統合する方が自然
ドラッグストア、肉も野菜も まるで食品スーパー
もはやこの種の業態の複合には驚かなくなりましたね。雑貨屋と食料品店はそもそも複合しやすいですし、ドラッグストアと雑貨屋が複合する業態もサンフランシスコではよく見かけます(というか、アメリカのドラッグストアは薬も扱う雑貨屋です)。タバコ屋と雑貨屋が複合しているのも日本ではよくありましたし、1980年代末からは、米穀小売商や酒屋とコンビニエンスストアが複合した業態がでてきました。スーパーマーケット自体がある程度専門化していた食品小売業を複合させて仕入れの大規模化で薄利多売を実現する業態ですし、来店者がある程度の規模になれば取扱品目が多いことはむしろメリットです。また店舗レベルのノウハウがスーパーマーケットチェーンという形で可視化されたことも、新規参入を容易にしているかもしれません。
むしろ今注目するとしたら、専門化が進んでいる分野ではないかと思います。

■2021年02月05日(金)  暗いレンズのメリットは小型で軽いところだけではない
小口径(?)レンズのススメ
確かに「大口径レンズ」とは言うわけですが…明るいレンズ、暗いレンズという方が一般的ではないでしょうか。
もちろん記事にある通り、何が明るくて何が暗いかの定義というのはないわけで、私みたいにF1.8かF2.0を基準にして、F2.8通しなんてズームレンズというのは暗いなあなど言っている人もいるわけです。それこそ1980年代あたりは、F1.8などというと焦点距離50mm前後しかなかったものですが、昨今は広角側は28mmまで、望遠側は85mmまではハイエンドモデルとはいえ普通にF1.8が出てきているわけで、あのF2.8通しズームレンズを大三元とか呼んで特別扱いして金を巻き上げるのはいい加減にして欲しいものです。F2.8なんてミドルレンジのコンパクトカメラのための焦点距離です。
それはさておき、暗いレンズというのは、レンズをいくつも使って補正をしなくともきれいな像が得やすいのが特徴です。それこそ望遠鏡などF12くらいの暗い光学系であることが普通で、その代わりと言っては何ですが焦点距離は非常に長い。短い方でも400mm程度、天体観測用ともなれば1200mmとか2000mmというのが普通にあります。ではレンズ構成はというと、20世紀ではクラウンガラスで一群二枚が普通でした。二重色消しでアクロマートと言います。それが蛍石などの異常低分散ガラスを使った一群二枚構成でアポクロマートになると桁が一つ変わる高級品でした。昨今はハイエンド品は二群三枚だとか。カメラ用のレンズは二群四枚以上で、記事にある通り三群三枚というとシンプルな構成扱いです。逆に言えば、F6程度の明るさであれば異常低分散ガラスを入れて二群三枚でも、35mmサイズのイメージサークルで周辺部まで星が点像に映る程度の像が得られるわけです。このために、F値の定義により前玉が大きくなることもさることながら、たくさんのレンズを使った光学系よりも小さく軽く(たいていは安く)作ることが可能です。
したがって、野外で晴天下の撮影が中心で像が歪みなくきれいであることが重要なのであれば、暗めのレンズを使う方がよく、また携行性も良好です。明るくともどうせ開放絞りなど使わない、高速シャッターも必要ないとなれば、野外での風景写真は暗いレンズを使う方が得策です。
逆に低照度下や高速シャッターが必要な状況では明るいレンズに分があるわけですが、天体写真でも撮るならともかく絞りを開くと被写界深度は浅くなるわけで、ピンポイントでピントは合っているのだけど厚みのある物体(看板あたりならともかく、だいたいのものがそうです)がぼけぼけといった写真になります。撮り鉄でも大三元レンズをこれ見よがしに構えてシャッターチャンスを狙っている人がいますが、列車を全体としてくっきり撮りたいならF4くらいには絞らないといけないはずで、F2.8を開放で高速シャッターを切って顔だけピントが合っている写真を撮る人よりも、F4のレンズをF6.3くらいまで絞って流し取りで全体をきれいに撮る人の方が腕は上です。
とはいえ、私など天体写真から入ったもので、明るいレンズは正義だと思っているわけですが。
ところで、「スペックだけをみればひと昔前の平凡なスペックのF値の暗い単焦点レンズって売れるんですかねえ? 大丈夫なんですか?」というのはまさに余計なお世話であって、スペックと言ってF値くらいしか思い浮かばない運動会写真家ならともかく、像の歪みや収差を記述する指標というのはちゃんとあります。赤城氏もよく引っ張ってくるMTF曲線は像の位置による解像度の変化を示す指標です。歪曲についても、例えばコーワはPROMINARのM4/3マウント製品の売りどころとしてディストーション値を出してきています。スペック厨を魅了したいなら方法はいくらでもあります。物差しを基盤とした現代科学文明を侮ってはいけないのです。
とはいえ比較可能な数値をメーカーが揃えているなどということはないわけで、MTF曲線にしても測定条件を統一していないと比較はできません。もちろん開発現場では測定条件を統一しているはずですが、ユーザーがカタログからMTF曲線を引っ張ってきて比較しても意味はあまりないわけです。結局現物を手に入れて同じ条件で必要な指標を出してみるしかないわけで、カメラ雑誌の製品評価コーナーの存在意義はそこにあるのですが、そこまでこだわる雑誌が減った気がします。まあ、数値指標で写りがわかるというものでもないわけで、作例を総合評価する方がコストもかからずわかりやすいということでしょう。

■2021年02月04日(木)  ちょうどよいのですべて責任を取ってもらえばよいのでは
森喜朗氏は「会議での女性の制限を提案」 海外紙も報道
ちょうどよいので、理事会の人格的不適任を理由に五輪の開催を返上、全理事の個人連帯保証を組織委員会の債務につけて組織委員会を清算すればよいのではないでしょうか。あわせて公益財団法人日本オリンピック委員会を清算し、補助金も文科省の予算から削除するとよいと思います。指導者が不穏当な言動を行ったので当分オリンピックへの関与は自粛するというのは、良い口実だと思います。

■2021年02月04日(木)  本質を外しているような気がするのですが
「紙の機能維持を」訪問販売の契約書電子化に対策提言
もちろん相手方の承諾なく電子契約書のみを正本とすることは問題ではあるわけですが、紙の正本の発行に手数料を課すといった状況も出てくると思います。「建議では▽一覧性を保った形で閲覧でき、保存可能にする▽承諾の取り方を指針などで明確にする▽有効な承諾を得た立証責任は事業者側にあると明確にする」などという話をするのであれば、そもそも電子契約書をどうやって信頼できるものにするかという議論もしてしかるべきでしょう。紙と違って電子契約書は公的機関への寄託やその際の認証が容易であり、それこそマイナンバーを適切に使って契約のその場で法務局に電子的に寄託するといった仕組みにすべきではないでしょうか。契約書滅失のリスクについては、当事者よりも公的機関が保管手数料を取って十分なバックアップなりコールドストレージなり、確実に保管する手配をした方が確実だと思います。

■2021年02月04日(木)  まあ、ハンバーグステーキというのは難しいかもしれません
100%植物性の代替肉「NEXTハンバーグ」を食べてみた。舌を騙す技術に驚き
まあ、タンパク質にせよ脂質にせよ物質的には植物由来の物質で作ることは可能ではあるはずですが、いかに食肉生産が効率が悪いからと言って、植物で作ればよいというわけでもないでしょう。水と二酸化炭素から完全に合成できて初めて代替食品と言えるはずですし、それが食肉生産よりも効率が良くないと意味がないでしょう。それはそれとして。
「ただし豆が主な材料なためか「もぞもぞ」感が強く、完全なるハンバーグとはいえませんでした。また試食時は油を引いて焼かなかったためか、ハンバーグのジューシー感の再現も薄かったです。」
もぞもぞ感だと、組織の問題でしょうかね。植物から抽出したタンパク質だとそのままでは肉とは違った組織になるわけですし、本来筋肉や脂肪の細胞構造や体液を熟成後の形でちゃんと再現していないと同じ食感にはならないものです。一方ジューシー感の再現が薄かったというのはどうみても製法上の問題で、油脂の添加が足りなかったか、融解温度が低すぎて調理中に流れてしまったのではないでしょうか。即席麺の加薬に使うのだったら何も問題はない気がします。

とはいえ、そもそも肉を食えない問題が栄養上のものでしかないならば植物性のタンパク質食品なり脂質食品なりを安価に提供すれば済むはずですし(格差の問題を棚に上げるとすればですが)、固い信念は岩をも穿つとも言われるわけで、その信念を持って菜食主義をしている人が肉っぽい植物由来の食材で主義をごまかすというのは、どうかと思います。

■2021年02月04日(木)  ロックしたらSIMの意味がないです
「SIMロック」はなぜ原則禁止になったのか、総務省の議論を振り返る
役所の議論以前に、そもそもロックするようではSIMの意味がないでしょう。SIMさえ差し替えれば手続なしに端末を替えられるというのがSIMの利点であるはずで、ロックするのであればSIMなど不要、端末上のROMに加入者情報を書き込めばよいのです。別にその加入者情報ROMの実体が基板に固定されたSIM規格のメモリーモジュールだって良いわけで、剥がしたら基板が壊れるようにしておけば済むことです。

■2021年02月04日(木)  素直に節電をオフにすればよいでしょうに
スリーブ復帰時にウィンドウやアイコンを正しく整列「同人ハード」を衝動買い
いや、それってアダプタ側のディスプレイの状態の検出に割り込んでごまかしているだけですよね?ネタという意味では分かりますが、PCの節電機能に問題が出るような気がするのですが?
おそらくこの問題について、関係メーカーも認めざるを得ないまっとうな解決方法はただ一つ、最後の「常にディスプレーの電源をオフしない」です。

■2021年02月04日(木)  青山やコナカが減収になった以上クリーニング屋も影響を受けると言われればその通り
コロナ禍は飲食店だけじゃない 外出自粛でクリーニング需要が激減
そう言われればそうですね。確かにクリーニングに出す衣類なんてフォーマルやビジネスなので、この状況では着る必要がありません。

■2021年02月04日(木)  情報セキュリティという言葉を知らないのでしょうか
1時間100円でテレワークできる場所を提供。神戸市が実証実験
またJRと示し合わせたようにろくでもない実証実験を始めてくれたものです。もちろん個人単位で喫茶店でテレワークをするというのも問題なのですが、値段は良いにせよオープンスペースの利用を行政機関が推奨するような行動はいただけません。牧歌的だった前世紀ならともかく、周りから画面を覗き込める、不特定多数が接続する無線LANからの接続を提供する、電話やテレカンでもすればまるっと周りに聞こえてしまう、誰がいるか分かったものではない場所でのテレワークなど、コンプライアンス上も問題があります。同じ職場の人しかいない占有オフィスの雑居部屋とはわけが違うのです。
どうせやるのなら、カラオケボックスを部屋単位でこの値段で貸し出してほしいものです。歌を歌っても外に漏れないあの個室は、テレワークにはもってこいです。
それを客車だの居酒屋だの、まったく迂闊なことをやってくれるものです。

■2021年02月03日(水)  「飲食する客の人数や、換気など店舗の構造や設備によって、感染リスクは変わってくる」という指摘は正しいが法のテクニカルな解釈という点でナンセンス
「危険ではない飲食もあるのではないか」 専門家が指摘
この問題についてはテクニカルな議論をしてもあまり意味がないと思います。感染者の増加を抑えるためには会食や外食を規制するのが効果がある。換気を十分に行ったりすることで感染リスクを減らすことはできるでしょうが、他所からきた人と同じ部屋にいるというのはそもそもリスクであるわけで、それをなくせるのであればというのが規制の方向性でしょう。

■2021年02月03日(水)  ネットはチャットの場ではないと思う
「Clubhouse」はソーシャルメディアなのだろうか?
ここで「ネット」が何を意味しているのかは問題で、インターネットというコンピューターパケット通信インターネットワークという意味であれば、今後サービスとして「つながり」や「おしゃべり」に重点を置いたものが有望というのはあるでしょうし、それをも支えるインフラであるというのはそうだろうと思います。
とはいえ、記事の書き方からしてそういう意味ではなく、引用ではあれ「人々が本物の会話と表現を楽しむための空間として設計されている」と言っておいて著者のコメントとして「新型コロナ以降のリモートやバーチャルの世界では、ネットは、我々の生活や社会のインフラそのものとしてデザインし直されるべきではないかと思った。」というのは、非常におぞましいです。新たなサービスとしてチャットが実装されるのは構いませんが、つながりだのおしゃべりだのが基軸として全体を覆う、そうなるべきだなどというのは、コネ社会、村的社会への退行です。もちろん客観的な情報が広く流通する低コストな社会システムがリスクに耐えきれずに主観的なつながりを軸に動く社会システムに移行するということはあると思いますが、社会評論はともかく、コンピューターというモノに魅せられた側としては、そのリスクはあくまでも客観的合理的に、計算とデータの伝送・蓄積によって解決・低減されるべきだと思えてなりません。まあ、一見さんからリスクを隠蔽するような現在の社会システムを増幅しているコンピューターの使い方はどうかとは思いますけども。
濃度の高いこみゅにけーしょんを求めるのも人間ではあるでしょうが、予測可能なリスクとコストの下で淡々とボールが非同期に受け渡されていくようなつながり方こそ、あるべき姿だと思います。

なお、「メディアじゃないだろう」というのはその通りで、特にマスメディアを念頭にした独占的コンテンツを広くばらまくという話ではないと思います。

■2021年02月03日(水)  単に飽きたんじゃないかな
ジェフ・ベゾス氏、米Amazon CEOを退任へ。後任は現AWSのCEO
大きすぎるニュースのせいか、分析が出ているのがこの記事くらいだったのですが。
もしかしてトラブルに嫌気がさして退任するのではないかと言いたいのかもしれませんが、トラブルに嫌気がさしたというよりは、飽きたのじゃなかろうかと思います。もちろん経営者に慈善事業を強要してくるような従業員の相手をするのが嫌になったということはあるかもしれませんが、ご本人としては、配当なり売却益なりを生み出す事業としてのAmazonにはともかく、Amazonの経営者というタイトルには関心はないように思えます。むしろ、新規のビジネスの方が面白く思えているのではないでしょうか。飽きた事業に関わっているよりは、他人に渡して経営方針の刷新でも何でもしてもらい、自分はその上がりで面白いことをするというのは、起業家としてはどこもおかしくないと思います。また、公開株式会社というのはそうあるべきでしょう。

なお、チップの天引き問題ですが…確かにけち臭いですね。チップを貰えるという制度を止めたのを周知していなかったあたりが。もっとも、チップを見込んで給料を抑えるというのは米国の顧客サービス事業ではよくあることではあります。なのでもともと就業規則でチップは貰ってはいけませんとなっていたのにチップを貰っていたとか、そもそも給料が安かったというのであれば、問題にはならないと思います。それが、チップを会社側が懐に入れて給与支払いの原資にするなどという日本の経営者みたいなことをするから問題になるのです。

■2021年02月03日(水)  だからどうしたいのやら
店に客が居座るなら罰則の対象外 特措法改正で政府答弁
報道が悪いのか質問が悪いのか、こう聞けばこう答えるでしょうという流れに見えるのですが、結局福島さんはそれでどうしたいのでしょうか。
理屈で行けば、店には施設の管理権があり、客が閉店時刻以降居座って、退去の要請にもかかわらず代金を清算して退去しなかった場合、不退去罪で警察を呼び、客を引き渡したうえで飲食代は後日請求するという話になります。どう見ても退店しない客の方が悪いわけですから、追い出されて警察に引き渡された挙句に代金を取られるのだとしても裁判所は店側の訴えを認めるでしょう。また今後の関係性を考慮するといった理由で客の滞在を許した場合、店は罰金を取られても仕方ありません。この線ならば、ではどういった基準で店側が十分な対応をしたとみなすのかを聞くことになります。
責任を認定できるかどうかも怪しいのに罰則を科すのはおかしいと言うなら、こういう形なら責任を明確にして処罰することができるという対案を出すか、まあこっちでしょうが、罰則自体をなくせと主張することになります。もっとも個人的には、罰則をなくせば客を追い出すこともできなくなると思うのですが。そもそも営業停止にでもなるならともかく、過料程度であれば、客が「罰金なんかこっちで補填するから」と言ってしまえばそれで済んでしまいます。店の経営に問題が出かねないから、時間ですから出て行ってくださいと言えるのではないでしょうか。
また、これはないと思いますが、客にも罰則を科せと言うなら、こういう認定の仕方でこういう罰則を科すべきだという話になるでしょう。もちろん筋論としては営業自体許可制とし、許可なく営業をした場合は客も含めて罰する方がよいとは思いますが、これをやると許可を出した場合の責任を当局が追及されかねず、許可を申請させられる経営者側からも苦情が出るでしょう。
そのあたりがわかるようにタイトルを書くべきであり、下らない質問と当たり前の答弁をまとめて済ませるというのは、もしかしてちゃんとそこを確認したかもしれない福島議員に対する侮辱になりかねませんし、もしタイトル通りのやり取りしかなかったのなら、その程度の議論しかしない議員であるということの報道の方が重要です。

■2021年02月03日(水)  別姓にすればよいって問題ではないでしょう
夫婦別姓 なぜ世の中の「最優先課題」になれないのか
本質とか原則論というなら、そもそも家族制度や配偶関係、戸籍といった制度自体がナンセンスだと思うんですけど?相互に扶助の義務を負い財産を共有し「子弟」について養育の義務を負う家族をどのように編成するか、現在は一対の男女によって配偶関係を構築し、扶養されているその卑属を含めて家族とすることが原理となっていますが、このモデル自体は破綻しています。もちろん事業体としての家族も賃労働が基幹的な稼得手段になっている時点で破綻しているわけで、本来そこの辻褄を合わせるための家族賃金という考え方ですけれども、もはや通用しないことは明らかです。そうした状況で、稼得のうえでも自立した個人を基盤とした配偶関係や親子関係が必要となり、その中での夫婦別姓という話であって、推進であれ追認であれ、婚姻や配偶制度、家族制度の解体こそが本質です。
そう言ってしまうとさすがに受容されないわけで、その意味でこの問題の本質論というのは政策論としては当分できません。家族制度を再建しつつ配偶関係にある双方を自立した個人として認めていくという落としどころが、保守派の夫婦別姓論(旧姓使用制度など)だと思うのですが。

■2021年02月03日(水)  定冠詞を替えればよいというものでもないはずですが
どうもDaily Starという新聞に「Le Great British Fish and Chips」という記事が掲載されたことがあるそうな。
The Great British Fish and Chipsはまあよいでしょう。その定冠詞を替えてフランス語っぽい表現を作ったというのはわかります。とはいえ、日本語のザ・すしのような馬鹿っぽい表現であることは否定できません。せめて「Le Fish'an'Chips de l'anglaise」くらいにならないものかと思います。あるいはイギリス諸島が「iles britannique」ですから、「Le Fish'an'Chips britannique」でもよいかもしれませんが。「イギリスの国民食であるフィッシュアンドチップスがフランス由来なんだってさ」という趣旨の記事なので、馬鹿っぽいフランス語でThe Great British Fish and Chipsを表現するという方向性は合っているわけですが、The Great Britainという固有名詞を-ishと形容詞化するのはどうかと思いますし、もし仮にGreat Britainを形容詞化するならTheはFish and Chipsを限定するものでしょう。ならばGreat Britishの部分はanglaiseもしくはbritanniqueとフランス語になるべきです。そしてTheがGreat British Fish and Chipsを限定しているのであれば、Theを含めたThe Great British Fish and Chipsが固有名詞であって、TheだけLeに替えるというのは英語としておかしいということになります。

■2021年02月02日(火)  会食・宴会は論外
公園で宴会「これくらい許して…」 我慢疲れ隠しきれず
公園での宴会は迷惑行為だと思います。
集まることへの我慢に疲れるという感覚がわからないのですが(集まることに疲れる方はわかる)、酒を飲みたいなら一人で飲めばよいでしょう。感染した場合に医者にもかからず一人で治せるのであれば宴会でも何でもやればよいですが、感染した場合他の人に移す可能性があり、また医療機関の負担になる、それだけの迷惑がかかるのを、このくらいならとか言うのでしょうか。

■2021年02月02日(火)  日本の不思議5
うーん、エコとかアニマルウェルフェアとか言うわりには動物虐待ではないかと。もちろん飼育している動物を放置するなどあってはならないわけですが、一方で動物愛玩系○○カフェって、虐待だと思うんですよね。野生の状態で撫でられて喜ぶ動物なんてほとんどいないわけで、飼いならして愛玩するなど、飼育において苦痛を与えることを忌避するわりに最後は絞めて食べてしまうこととあまり変わらない気がします。
花見は、16世紀くらいから野外で桜を見るのが主流になっていますが、元々は梅を自宅の庭で見るのが花見で、それをネタに知り合いを集めてホームパーティーをしたようです。それがだんだん武士をはじめとした田舎者に普及し、野外でどんちゃん騒ぎするようになったわけで、梅の阿重霞な色気から桜の男根的武家気風への変遷とともに、12世紀以降の日本文化の堕落を示す典型例のひとつかもしれません(なんて)。桜の花は綺麗ですが、現在の花だけ咲いて散ると枝だけ残るという異様な有様は江戸時代の品種改良で生まれた奇形であり、本来は葉も残ります。色も元々は「桜色」ですが、現在の観賞用品種はほぼ白ですね。
晩春の菜の花や藤、桔梗、梅雨の紫陽花、夏の蓮、秋の菊など、花見の機会は多いです。これらと酒の組み合わせは、日本の風情の大事な要素と言ってもよいでしょう。それをスウェーデンでやった場合…ウォッカは止めましょう。人と相対するのに水では雰囲気が出ないので酒になっているだけで、お茶だってよいのです。花見の茶会だってあるのですから。北欧名物であるたっぷり入れたブラックコーヒーでよいでしょう。ミートボールもよいですし、燻製をパンに挟んでもよいと思います。シロツメクサの咲く野原でサンドイッチとミルクティーを楽しむ英国風ピクニックと同様、アネモネの咲く野原で燻製肉やスモークサーモン、チーズなどを挟んだパンとブラックコーヒーを楽しむピクニックもよいと思います。
エイリアンネタ、入国カウンターの定番ですが、あれも結構前にforeignerに変わったはずです。もっとも「外国人」に当たる言葉はどの言語でも「よそ者」を意味するので、難しい部分はあると思います。ヨーロッパで「EU Citizen」と「Other Nations」を見て「どうせその他だよ」と思ったことがあります。
結婚に関わる手続は、日本は妙な形で儀礼と世俗化された手続が併存しているのは確かですね。本来は日本でも結婚式において法的に婚姻が成立するのですが、明治において戸籍制度が整備された際に、婚姻がパートナーシップの契約ではなく戸籍の変更届になってしまい、式の一環としての祝宴部分が披露宴として分離され、さらに明治以降の皇族や貴族の婚姻儀礼を流行として取り入れたために法的な意味は全くないにもかかわらず結婚式をするようになりました。結婚式が法的な手続と完全に分離してしまい、かつ役場が式にふさわしい場であるとは認められず、役所の窓口も出張手続はしてくれないために、実体としては手元で書いた婚姻届を夫婦のどちらかが役所の窓口に持って行き、それとはまったく別に結婚式とか披露宴をするという形になるわけです。とはいえ法的に意義のある入籍は当事者の意思が固まった時点でそれなりに手軽にできますが、法的には意味がないとはいえ結婚式や披露宴となると関係者の都合で時期を見計らわないといけないことも多く、入籍は済ませたが式や披露宴は関係者が集まれる時期にしたとか、入籍自体は居住する土地で済ませたがそこと夫の実家と妻の実家で結婚式と披露宴を、つまり三回やることになったといった事例が出てきます。

面白いな甘物!
機能と形態的な要素の両方があって初めてある品詞だと言えるわけで、形容詞、副詞、形容動詞、連体詞といった修飾語の品詞はわかりにくい部分があります。日本語において、
形容詞 - ものの性質や状態を表す語の中で、終止形が「い」で終わり、活用する語。自立語。
副詞 - 動作の性質や状態を表す語の中で、主に用言を修飾する語で活用しない。自立語。
形容動詞 - ものの性質や状態を表す語の中で、構造が名詞+存在詞(ないしはコプラ)であるもの。存在詞の部分が活用する。自立語。
連体詞 - ものの性質や状態を表す語の中でかならず体言を修飾し活用しない自立語。
またWikipedia 形容動詞の「日本語教育における形容動詞」の項にあるように、外国人向けの日本語教育では学校文法とは異なる品詞分類が使われていることがあります。コメントの10で書かれているのは学校文法、元記事の「文法的に「〜な」が使えないと勉強した」というのは「日本語を母語としない人々に対する第二言語・もしくは外国語として日本語を教える日本語教育においては、形容動詞を「な形容詞(na-adjective)」、形容詞を「い形容詞(i-adjective)」として教えることが多い。」に該当すると思います。外国での品詞分類は、ラテン・ゲルマン語系文法で修飾語を名詞を修飾し名詞的に語尾変化する形容詞と名詞以外を修飾し語尾変化しない副詞に分類するためでしょう。
また現代日本語でも、俗語・幼児語としては形容詞終止形+な・だという形があります。形容詞終止形に助動詞を合わせたもの(うみはひろいなおおきいな)と形容動詞が形態的に類似しているために、形容詞終止形+なを形容動詞の連体形として使ったものだと思います。日本語では名詞は特有の語形を持ちませんので、「い」で終わる語を形容詞終止形ではなく名詞と見ることも可能であり、その場合存在詞を語尾につけて形容動詞としてもよいことになります。

■2021年02月02日(火)  衛宮さんちの今日のごはん6
むさくるしい会はまあ良いのですが。
初詣会にて、綺麗処に振袖を着せたいのはわかりますが、着物を着るのか?遠坂さん?なんか前、服にこだわりがあるような描写があった気がするわけですが(言峰綺礼が誕生日プレゼントに贈った服 - このデザインをFSN本編でセイバーが着ている - を気に入らないと言っていた)。それとも赤と黒であればいいのか?
バーサーカーは「ごはん」ではなかなか出しにくいのでしょうが、茹でた羊肉か山羊肉を骨付きでかぶりついて食べてるイメージですかね。番外編あたりでフェイクのアルケイデスさんというのはだめかな。
ランサーはアルバイト先のせいか登場するたびに魚を絡められていますが、アイルランドと言えば近代以降はジャガイモです。古代の人が近代イングランド都市部のメシマズやポテト三昧を振られていた以上、キリスト教以前のアイルランドだってジャガイモでよいのです。ジャガイモと言えばマッシュ(コルカノンというのがありますね)かフライドチップスですが、ベイクトポテトや茹でジャガイモ、ポテトの塩スープこそアイルランドの象徴でしょう(ドイツ東部の象徴でもありますが)。アイルランドも含めて、ジャガイモというのは基本袋で10kgとか60kgくらいで売られているのが普通なので、大河さんの大量持ち込みネタにも合う気がします。今回は春キャベツでしたが、そのうちジャガイモもやって欲しいものです。日本でジャガイモのお裾分けというとあまり聞かない気がしますが、インカのめざめあたりなら贈答品としてもありではないでしょうか。

■2021年02月02日(火)  明治以降みたいにインフラのために追い出されたりして
宇宙寺院「劫蘊寺」2023年離陸へ。ご本尊は大日如来と曼荼羅、IoT衛星機能も
人工衛星の中に宇宙寺院 世界遺産の京都の寺が計画
いや、寺院というのは本来人の集まるところなので、人の行けないところに置いてどうするという話はあるにしても、スマホでアクセスできればよいというのであればそれは措いておくとして、地球周回軌道などというそろそろ混雑しつつあるところにそんな余計なものを置いてどうするのでしょうか。どうせなら邪魔にならないところ、最低でも月軌道とか、惑星間空間とかに置いたらよいでしょうに。昔から寺や神社の敷地というのは都市的産業が広がる際に邪魔者扱いされ、敷地の交換や没収で追い出されてきたわけで、この「寺院」も通信衛星や気象衛星の邪魔なので軌道から落とすなどということになるかもしれません。
確か金星なら仏教的にも色々意味があったと思うので、金星周回軌道に投入して往復五分から十五分の電波参拝(ただし太陽の向こう側にある場合は参拝不可能)ならありだと思います。

■2021年02月01日(月)  解散よりもびっくり
安藤正容より、ファンの皆様へ「〜本年ツアーを最後にT-SQUAREからの引退を決断〜 」
まずはお疲れさまでしたと申し上げたいと思います。
まあ、The〜もあるので、こちらで旧メンバーが出ることはありそうですが、ずっと続けてきた唯一のプレイヤーである安藤氏が退出するというのは大きな変化でしょう。またある意味解散よりも意外な事態とも言えます。T-Squareが安藤氏ではなく坂東氏のバンドとして再構築できるかどうかが問われます。
まあ、音としては伊東氏がいればとりあえずスクエアっぽく響くので、GBKPの4ピースよりは埋没はしにくいでしょう。ステージもまずもって伊東氏の存在感で持ちます。曲も河野氏と坂東氏が居ればおかしなことにはなりにくいと思います。方向性も、これまで通り青木氏がプロデュースを行うようですし、スクエアじゃないなどと言われることは考えにくいでしょう。
とはいえ青木氏にしろ伊東氏にしろ20年後に現役でいるかどうかというのはわからないので、スクエアがTSMEのブランドなりレーベルなりとして続いていくのか、これまでのように変化しつつもメンバーを引き継いでいくのか、どこかで解散するのかは、坂東氏にかかっている気がします。他人のブランドを引き継ぐ羽目になったのは進退が難しいという点でいささか気の毒な気もしますが、行き詰ったら安藤氏と伊東氏の責任ということでいいのではないでしょうか。

元メンバーがニセスクエアなんて言い出して成立してしまうようなバンドなので、50周年までに不養生で河野氏が急逝なんてことにならなければ、90年代までのメンバーがほぼ引退しているかもしれない20年後、60周年の2038年もスクエアの音は聞けるはずです。

6/26 どうも伊東氏がライブのMCで今年限りで退団する安藤氏を弄ったのではないかという疑いが出ています。

■2021年02月01日(月)  みんな同じコースを競争することの方が多様性の確保では問題では
霞が関の長時間労働が生む「多様性のなさ」残業大国の闇
いやどうなんでしょうかね。どちらかというと政策官庁での長期勤続システムのほうが、多様性に悪影響を与えていそうな気がします。末端の実施官庁ならまだしも、政策官庁は非正規職員だけで編成し、長時間労働にはなるが、5年で終わりとか全員政治任用で内閣が変わると入れ替わるとかするのが、多様性の確保につながるのではないでしょうか。

■2021年02月01日(月)  愛媛と高知を一緒にしてどうするのやら
地銀ひしめく四国、再編の行方は 独立経営を守れるか
もちろん四国の経済状況というのは良くないですし、地銀がコスト削減の余地に乏しいということはあると思いますが、「金融庁の有識者会議が2018年に示した報告書では、人口が多い愛媛県以外の3県では1行単独(シェア100%)でも本業が不採算になるとされた。」というのは試算の根拠が気になります。愛媛と香川はまだしも高知など他の三県との経済的なつながりも強くないため、下手に経営統合すると地銀の意味がなくなりかねない気がします。
都市銀行はともかく、地銀はむやみと経営統合するよりも、制約を付けた上で制度的に事業コストを減らせるようにした方がよいような気がします。もっとも地方銀行は信用金庫と異なり、根拠法が銀行法であることでは都市銀行と同じであり、区別をするとすれば制度的な整備は必要になります。また横浜銀行など、埼玉りそなあたりよりもよほど強そうなところもあります。ただし地方において、地域内で稠密な店舗網を持ち、かつ信託業務や海外業務といったサービスまで備えたフルサービスの金融機関は、都市銀行や信用金庫とは別の需要があるので、三都や五都への集中を是認するならともかく、少なくとも一県一行で生き残れる制度整備が望ましいように思います。

■2021年02月01日(月)  周辺国による封鎖くらいはあるかなあ
スーチー氏拘束、事実上のクーデターか 街には兵士の姿
スーチー氏拘束、文化人にも波及か 識者がみた軍の意図
難民問題を含めていろいろ揉めてはいたわけなので、やっちゃったかという印象なのですが、問題は対外関係をどうするかです。もともと対外的には鎖国志向が強かったと思いますが、ここでどう見ても安保理常任理事国をはじめとする主要国からは支持されにくいクーデターに打って出て、軍事的な、あるいは経済に限っても、干渉を受けないかどうか。まあ、COVID-19で観光への短期的影響をあまり考慮しないでもよさそうな時期ではあるとは思います。とはいえビジネス面への影響もあるでしょうし、外資の進出には明らかに悪影響をもたらすでしょう。

ミャンマー国軍、選挙やり直し示唆 欧米諸国から制裁か
でまあ、制裁くらいは当然あるわけで、いかに早期に民政移管し、欧米諸国が納得するような態勢を整えるかという話になります。とはいえ制裁を発動するきっかけを与えてしまうとしないでもよい譲歩までする羽目になる可能性があります。まあ、カウンタークーデターでNLDが国軍を粛正する事態にでもならない限り手遅れなので、頑張ってくださいとしか言えません。

バイデン氏、ミャンマーへ制裁警告「民主主義への攻撃」
当然このくらいはある。というか、話の流れ方によってはバングラデシュやタイ、中華人民共和国あたりの侵攻を招きかねません。インド・タイ・バングラデシュでベンガル湾とアンダマン海を封鎖ということだってあり得ます。早い段階で軍政が崩壊するか、上手に終結させるかしないと、泥沼にはまって鎖国した軍事国家になりかねません。そうなれば軍事的な干渉のハードルが下がってしまいます。
もっとも、方向性はともかく、NLD政権が「民主的」であったかというと、疑問はあります。ほかならぬアウンサンスーチー氏の国家顧問というポストがそうで、大統領の就任資格がないために憲法改正ではなく法律で設けたポストです。またそのNLD政権が、ロヒンギャ問題では非難を受けています。

ミャンマー人に「帰国しろ」悲しんだ留学生は日本語で…
いや、正直やること間違ってると思いますけどね。
集会の是非はさておき、帰国しろなどとは論外ですし、軍事政権に反対する意思表示なり国内反政府運動の連絡の仲介なりはしたってよいと思います。ただし日本政府に救援を陳情というのはおかしいのであって、軍事政権をハブるくらいならできますけど、それはミャンマー在住の人たちを締め上げることにもなります。国内問題の解決を外国に頼った末路は、それこそ暗黒時代の前の英国植民地や日本帝国による占領時代です。実力行使にしても、日本あたりが出ていけば経済的な搾取までで済むでしょうが、バングラデシュ、ラオス、タイあたりが出ていけば係争地帯の喪失は避けられないでしょうし、中華人民共和国あたりだと事実上の併合もあり得ます。救援軍が軍事政権を攻撃すれば被害者も出ます。軍事政権を排除し民主的な秩序を再建し国民経済を整えたら後腐れなく撤収してくれる、国民国家の自主権を尊重してくれるなどという期待はすべきではありません。
軍事政権反対の意見表明や国内反政府勢力の支援をして、それで軍事政権から指名手配でもされれば難民として認定して欲しいというあたりで動きようがありますが、それ以上を求めるのであれば、亡命政権を立ち上げ、帰国後進駐してきた諸外国の傀儡になるくらいの覚悟が必要でしょう。災害援助とは違いますし、災害援助だって主権を持つ政府が崩壊してしまえば軍事占領同然です。そのあたりは、連合国がヒトラー死後にドイツの中央政府を否認し、フランスに至ってはドイツ西部の併合を画策したことで明らかです。

ミャンマー軍政外相がタイ訪問 ASEAN各国の思惑は
タイ王国を懐柔するというのは筋が通っています。その意味でミャンマー軍事政権としてはこの得点(拒否されずに要人・使節として訪問できた)を最大限活用しないといけないのですが、正直情勢駄々洩れなのにそろそろ一ヶ月でようやくこの訪問という時点で手際が悪いのです。しかも選挙やり直しなどと言っている割にその発表がありません。ここまで準備不足で新議会発足前に行動を起こして後は泥縄という雰囲気だと、非合法な政権がどうのこうのと言う前に呆れかえるばかりで支持のしようがありません。宗主国に対して抵抗運動をしているわけではないのですから、準備段階ならともかくことを起こしたら速やかに切るべき首を切ってお題目と実質を達成すべきですし、そのために準備段階では長期的展望と慎重さが求められます。組織自体は即席でもよいので、少数の立案した緻密な計画の下でその組織を一気に動かして迅速に目的を達成、民政を回復して秩序の守護者として権威を高めなければなりません。駐在武官数人が工作をすればよいのですから、周辺諸国の事前の抱き込みなど基本中の基本です。それが三週間。二週間あれば都合のよい候補者だけ立候補させての再選挙くらいは可能でしょうに。

ミャンマーで日本人ジャーナリスト拘束 抗議デモを取材
まあ、デモ参加者もジャーナリストもどんどんしょっ引いたらよいと思うのですが。
こっそり、他の日本人も拘束されたくなければ政権を承認せよと言ってきているなら加点要素なのですけど。それでも一週間は遅いんですよね。ジャーナリストというのは見せしめとしては適切なので(与える衝撃は大きいが進出している企業の幹部と違って実力行使した後に傷が広がらない、外交官と違って殺された側の面子が潰れにくい、職務に殉じたと称えて幕引きしやすい)、在住者の多い国について、差しさわりの少ないところをさっさとひっくくって、すぐに国交を正常化しなければわかっているよねと言えばよいのです。それをクーデター後三日程度を目途にやるべきなので、一ヶ月持ちそうなのは戦前の日本の青年将校よりはましではあるものの、政権奪取以外後手に回っているのは無策に泥沼化させているようにしか見えません。せめて周辺諸国の承認を早期に取り付けるか、あるいはさっさと音を上げて前政権関係者を解放して亡命して欲しいものです。武力介入の挙句乱戦になったり、軍事政権やその後がまが崩壊して内戦になるというのが一番よくありません。

ミャンマー国連大使が解任、演説で国軍批判 国営テレビ
この記事、27日の初出時は「ミャンマー国連大使、演説で国軍非難「人民の要望無視」」というタイトルだったのですが、日付が変わったところで上記の表題にアップデートされ、大使職解任が報じられています。
まあ、政権が例外的な形で転覆した際に、出先の旧政権支持者が新政権を非難するのはよくあることです。なかなかこの手の話が出ないなあと思っていたのですが、おそらくNLD政権が重視していたであろう国連やいくつかの国の大使ポストについて、似たような話が進んでいる可能性はあるでしょう。外部勢力が腹を決めれば亡命政権の設立ということもあり得ます。
当然本国による解任が出てくるのですが、外交使節の人事というのは面倒で、一度本国と任国で公式に承認されれば、本来前任が帰国して退任の辞令を受け、後任が任国の了解を得て赴任し、任国の接受を受けない限り、交代が成立しません。本国側で解任しても、任国が使節の地位を認め、後任を拒否した場合、居座ることも可能です。解任した本国政府からすれば、解雇したセールス担当従業員が元の名義で商売を続ける類の行為なのですが、誰を正当な代表者と見做すかは相手が決めることなので、相手がそのように扱っている限り、相手に抗議して解雇した人のやることを無視するくらいしかできないのです。そしてこの場合、自国内にいる国連の代表部をねちねちいじめるか、とにかく認めてくれる国を増やして自分の方の使節を国連大使として認めさせるしかありません。前任に解任したから帰国しろと言っても簡単には応じないでしょうし、今迂闊に後任を送ると、国連本部のあるアメリカ合衆国への入国を拒否される可能性がありますし、それ以前に使節派遣についての国連との折衝に現地公館を使うことができず、使節としての事前承認が得られないため、外交官として認めてもらえるかすら不明です。

クーデター批判の大使「解任」 国軍、スーチー派一掃へ
正直今さらかと。特権に居座る無法者という批判以前に、これでは国軍は無能と言わざるを得ません。人員交代など、クーデターを起こす前ならともかく今できると思っているのでしょうか。実行能力がないのですから、せめて批判など知らんぷりして鎖国しているべきです。でなければ、クーデターなど起こすべきではありません。

いらだつミャンマー国軍、スーチー氏側への弾圧強化
いまさらそこにいら立つなどというのは甘すぎて蟻も寄ってこないのでないと思いたいですが、一ヶ月も経ってから弾圧を強化などと報道されている時点で国軍の統治能力に疑問があります。
そしてその能力的に疑問のある国軍にクーデターを許したNLD政権にも統治能力に疑問符が付くわけで、バルカン同様落ち着くまで長いことかかるのだろうなと思います。いっそのこと、似たような発展過程を経てきた韓国あたりに軍の駐留を含む監督を依頼するべきかもしれません。NLDが復権の場合国軍の粛清が必要ですが、実力的に粛清しきれない可能性が少なくありません。外国軍に代わってもらって徹底的に国軍を解体、士官級は政治・軍事から追放し、10年程度かけてゼロから作り直すべきです。アメリカやイギリスあたりが出張ってくるとかえって苦労しつつ元の木阿弥になるでしょう。

7才少女、ミャンマー国軍に撃たれ死亡 父のひざの上で
まあ、いずれこういうことは起こるだろうとは思ってましたけどね。市民が相手では、末端の疑心暗鬼を防ぎようがないのですから。
とはいえ、筋を言うなら、撃たれるようなことになって欲しくなければ、反抗などせず最初から国軍万歳を叫んでいればよかったのです。それを積極的反抗であれ消極的不服従であれしてしまえば、エスカレートする方が当然です。こんな報道が出る事態を引き起こした軍政側の手落ちは許しがたい無能であるにせよ(2月頭に広範なNLD関係者の一斉処刑でもあった方がまだましでした)、さすがに今時、この事態に及んで無関係であるはずもない子供が射殺されたからと「少女は父親がひざの上で抱きかかえていたという。」などという報道をするのは、非常に鼻につきます。

ミャンマーの不服従運動、22年のノーベル平和賞に推薦
もともと平和賞自体に無理がありましたし(もっともアルフレッド・ノーベル氏の死の時点ではそれを認識するのは難しかったでしょうが)、それこそアウンサンスーチー女史がノーベル平和賞を受けているようにここしばらくの受賞は問題が少なからずあります。
とはいえ、それは授賞委員会の見識が全く進歩しないことを許すものとは思いません。少なくともミャンマーの不服従運動は、軍事政権の出方を読めておらず、かつ積極的に政権の奪取を企てないことによって軍事政権の暴力行為を誘発し、事態を悪化させていると思います。もちろん暴力行為の誘発によって軍事政権の暴力的体質を暴露しているという意味では意味がないとは言いませんが、イギリス植民地政府と違いすぐそこにある軍事政権打倒の展望を提示できていない時点で政治運動としては意味がありません。
現在進行している事態について一方に肩入れするのではなく、せめて結論が出た紛争について終結や回避に貢献した人を賞するべきです。

葬列に発砲・遺体を引きずる兵士…国軍の暴力映像に非難
むしろ二か月前にこういう報道が出ていないといけないんですけどね。なって欲しいというわけではありませんが、今頃になってこんな状況になるのは、軍事政権はクーデターというものを甘く見ていたとしか思えません。
また、反抗が収まらない状況で現場が殺気立ってくるのは当然であり、呑気に道端で仕事をしていたりデモを眺めているというのは殺気立った兵士に撃たれても仕方ありません。
そして非難する方もする方というか、もちろん何が起こっても軍事政権が悪いわけですが、正直非難して拱手傍観している方にも問題があると思います。何しろもう二か月です。クーデターなどやってしまえば引っ込みはつかないのですから、尻尾を巻いても言い訳が立つように威圧するなり、実力を行使するなり、一応軍事政権を認めて早期の民政移管を図るなりしないといけないのです。それが非難するだけで何もしていません。これでは、ミャンマーなどどうでもいいから、軍事政権の横暴だけ非難して放っておけと思っているようにしか見えません。これでは軍事政権も実権の掌握を進めざるを得ませんし、そこで反抗されれば実力行使もします。

ミャンマー国軍の弾圧にバイデン氏「常軌を逸している」
軍事クーデター自体常軌は逸していますが。
「必要」がアメリカ合衆国で発生しないとよいですね。ボーナスアーミーとかありませんでしたっけ?

ミャンマー国軍幹部、弾圧の夜にパーティー 映像が拡散
いや、国軍記念日なら軍がパーティーをしているのはむしろ当たり前な気がします。そこに強硬な鎮圧が重なったのは、むしろ国軍記念日というメモリアルな日が、暴動を起こすのにちょうどよく、一方で暴動など起こされては面白くないからでしょう。くそまじめに鎮圧の指揮を執っていたら、それはそれで問題な気がしますし、パーティーをやっていたからと言って怒るのはおかしいと思います。
でもって、こういう話を報道するのもまあ、意図が感じられます。

ミャンマー民主派「統一政府」樹立を宣言 国軍を拒否
やっとできたようです。でまあ、意外ではないわけですが、少数民族系が政権中枢で重きをなしているようです。もしかしてNLDと国軍の間で民族問題の処理について大きな対立があったのではないか、それがクーデターの原因のひとつではないかと勘繰る十分な理由でしょう。
というか、そうでも考えないと、クーデターが成立したのにその後反対運動や外交関係でごたごたしている理由が説明できません。国軍中枢部だって、偉大なる現任総司令官様の指導の下安らかに暮らせることを下級兵士やビルマ国民が望んでいるなどと勘違いするほど頭が悪いとも思えません。それこそ二度にわたって総選挙で敗北している時点で、それは明らかです。NLD政権が民族自治権の強化のような連邦中央政府=国軍が統一ビルマの国軍であることのできる体制を弱体化しかねない政策を主張し、少なくとも主要な部隊において連邦解体の危機を煽ることができたからこそ迅速にクーデターを実施して旧政権を排除できた。しかしビルマの統一という点で国民の支持を受けることができると思っていたのが、国軍なり軍事政権なりへの反発が強かったために鎮圧に手間取り、行動がエスカレートしている。当然国内問題への関心が大きすぎて外交まで手が回らなかったとでも思わないと、あの手際の悪さは説明できません。当然NLDの政権復帰を許せばクーデター実行時の統一されたビルマという約束を実現できない、NLDによる連邦弱体化策を阻止できないという話になりかねず、少なくとも「統一政府」との交渉は当分難しいでしょう。
とはいえ、それならそれで、統一された強固で強力なビルマを唱える軍の外の政治家に民政移管する段取りを考えておけば済んだ話であって、軍事政権などというものが抵抗なく受け入れられると思っている時点で問題があるのですが。

ミャンマー国軍のトップが参加へ ASEAN首脳会議
何とも大きな得点ですね。しかも前政権側の統一政府樹立のタイミングでの得点です。さすがに呼んでおいて政府として否認するわけもないので、ASEANとしては現時点で軍事政権の正統性を認めたということになるのでしょう。逆に前政権側の統一政府はどうも無視されてしまったようで…記事にはタイ王国とインドネシア連邦の名前が出ていますが、統一政府がタイ王国の機嫌でも損ねたのでしょうか。一応軍事政権側としてはタイ王国に使節を派遣していたので、その流れではあるのでしょうけど。

ミャンマー「統一政府」を非合法組織に 国軍側が指定
これは当然というか、政権を投げ出して亡命し、後を「統一政府」に押し付けるのでなければ、叛徒扱い以外ありえないのです。むしろこれはNLD側が売られた喧嘩に対して改めて喧嘩を売ったことになるわけで、「民主派勢力に対する弾圧がさらに激しさを増す」のはむしろその反応として当たり前です。民主派弾圧よりも、民族紛争とないまぜになった内乱状態が加速しないかどうかの方を問題にするべきでしょう。まあ、どう見てもNLD側に立っている報道としては、少数民族勢力と中央政権との内乱ではなく軍事政権による「民主派」の弾圧と呼びたいのかもしれませんけど。

ミャンマー国軍、犠牲者の墓を破壊 抗議封じ込め狙う?
抵抗者の尊厳を奪い権力の権威と恐怖を植え付けるという意味では間違ってはいないのですが、抗議封じ込めを目的とするシンボリックな行為としては時代遅れなうえに徹底してもいません。500年前ならともかく、今時墓を壊して死体を暴いて曝す行為を権力の正当な行使や優越性の象徴とみなす人などそうそういません(死後の安寧を奪うことに対する恐怖を感じる人も果たしているかどうか)。やるなら死体を集めた上で徹底的に燃やし尽くして灰を集めて司令部ホールか軍基地の地下に埋めるか、そもそも偲ぶべき場所がわからないように廃棄する、そもそも遺体をその場で回収して葬儀もさせないくらいですが、イスラム教ならまだしも仏教の死に関するシンボリズムはそこまで脆弱でもないでしょう。
誰が指示したのだか知りませんが、間の抜けたことをするものです。

ミャンマー民主派、「防衛隊」を設立 闘争悪化の懸念も
めでたく内戦の方向に動き出したようです。だから周辺諸国がさっさと武力侵攻すりゃよかったのに。
正直今の統一政府の実力では少数民族武装集団以上のものにはならないのではないかという気がします。つまり軍事政権がこれを鎮圧できないと慢性化しかねないわけで、どちら側に立つにせよ、外国による直接的武力干渉が現地情勢の鎮静化にとって急務である点は変わりません。もちろん顧問団だの武器供与だのぬるい話ではなく、大兵力を投入しての全面的な武力制圧と相当期間の占領統治です。周辺諸国なら併合もありでしょう。もちろん、民主政権の無能とそれを転覆した軍事政権に失望した国際社会は、ミャンマーの滅亡を歓迎すべきです。
とはいかないんだろうなあ。正直難儀なことだと思います。せめてできるのは難民の積極的受け入れなのですが、日本政府にはそんな意思はないよなあ。

ミャンマーで中国向けパイプライン襲撃 警備員3人死亡
いや、介入の地ならしのための中華人民共和国かミャンマー軍事政権の自作自演だったりしないでしょうね?もちろん、自分のところの先祖がかつてやったことなので、変に疑えてしまうだけだと思うのですが。まあ、中華人民共和国に併合されて内乱が収まるのなら、それはそれでありだと思いますが。

ミャンマー国軍、民主派勢力をテロ組織指定 接触で処罰
これも当然というか、2月の半ばにはしていないといけなかったと思います。今頃というのは、単純にこれまでもしていたのが統一政府関係の指定を追加したのを見誤ったか、和解の余地があるとか指定してしまうと外交に差し支えると控えていたか。まさか今頃気付いた、準備や手続に今までかかったなんてオチはないと思います。

ミャンマー、市街地で国軍と銃撃戦 進む市民の武装化
順調に内戦が進んでいるようです。全く言わんこっちゃない。
中華人民共和国も、香港など人間ごと更地にしてしまって、浮いた戦力でミャンマーに侵攻した方がよいのではないでしょうか。

スーチー氏さらに4件で訴追 選挙不正「1130万件」
とりあえず引く様子は見せないということのようで、政治的に決着を図る場合の譲歩できるネタを積み上げておくという意味でも、悪くない手ではあります。クーデター派を打倒してしまうならともかく、話し合いで解決を図る場合、ひとまずクーデター派の積み上げた政策決定を認めた上で、どこまでひっくり返したところで民政移管を図るかという方向になるでしょう。場合によってはNLDは形式的に非合法化したままで別組織を作って民政移管の受け皿としての臨時政府の組織や正式な文民政権発足のための選挙に進むことにもなりえます。
とはいえ、意地の張り合いで済んでしまっているというのは、結局ミャンマーという地域や国民に価値はないという判断なのでしょうかね。国際社会と矛盾しない形で目立たず運営していればそれでよし、対立するにしても閉じ込めて勝手に内戦をさせておけばよいという感じです。まあ、鎮圧なり安定かなりのために出兵でもすれば悪役になりかねないとかそんな金はないという判断や、今のところこん棒外交に最も熱心なロシアがこの場合手の出しようがないとかいうことはあるのだと思います。中国も南シナ海はともかくミャンマーに手を出して顰蹙を買ったうえにインドとの関係をこれ以上悪化させる気はないというところでしょう。正直タイとバングラデシュでもよいから分割併合ないしは傀儡政権化して欲しいくらいですが、そんな余裕はないのでしょうね。民主国家はともかくとして、軍部と名望政治家や少数民族集団の頭目が鼎立してしまっている状況では国内の安定は望めません。国軍を排除しても当面の治安確保のためにも何らかの軍事組織は必要ですから、そこを牛耳る実力者と文民政府の緊張関係はどのみち発生します。任務が終わったら帰ってくれる国連軍や平和維持部隊というのはその点で便利なのですが、既存の権力を排除した形で文民政府を成立させた例というと東ティモールくらい、しかもあれも独立派がほぼインドネシアを排除したから出ていった形であり、そうでなければパレスティナと同じで、諸勢力がテーブルとフィールドで角突き合わせるのを調停することになります。

■2021年02月01日(月)  まあ、セキュリティやメイドサービス付きのマンションみたいなものですしね
帝国ホテル、月額36万円で「ホテルに住む」サブスク発表 食事や洗濯も定額
帝国ホテルに住める? 30泊36万円、専属スタッフも
まあ、先祖返りですかね。19世紀はまともな集合住宅や賃貸住宅は少なかったので、セキュリティも考慮してホテルに住む人や事務所を置く人もいたようですから。もちろんクリーニング店やコインランドリーなんてものもなかったわけで、屋敷を構えて使用人を雇わなくとも衣類を洗濯してもらえる、あるいは訪問者にフロントが対応してくれるのは便利だったはずです。食事も含めてそういったサービスを必要とする人には、月額36万円というのは決して高くないと思います。

東京マリオットホテル、30連泊の長期滞在型宿泊プランを発売 43万5600円から
後追いも出てきました。まあ、こういうサービスを提案できるのは、多分日頃からサービスに力を入れている高級ホテルの特権だと思います。
気になるのはインターネット環境で、さすがに時間によっては遅くなるWi-Fiといった話ではないと思うのですが、セキュリティや使えるポートに問題があると困る人がいると思います。少なくとも勤め先のVPNにつなげないと意味がないので、SSL-VPNだけですという話だとまずいと思いますし、スタッフにもそのあたりに対応できる人がいることが望まれます。

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