日記
■2021年01月31日（日）　 学者の空論と言われませんかね
コロナ対策に罰則は必要？　すしざんまい社長、教授の声
「すしざんまい」の木村氏のコメントはまあ、筋でしょう。データはあるはずだという指摘も含めて、それでは事業を継続できない、継続できる筋道を示すべきだというのは、当事者としては当然の主張です。たかが営業停止一年で潰れるような経営をしていることに経営者の責任はないのかという話はありますが、そうした余裕をとにかく排除するような風潮があったことは否定できませんし、役所としては潰れるなら潰れて構わないでもよいですが、当事者としてはそれでは済まないですし、実際経済運営において問題になるからこそ実効性はともかく対応をしてきたわけです。
一方福田教授のコメントは、この段階で危機管理のシステムについての一般的な議論をすべきでない、そういうのはショックドクトリンであり禍根を残すというのはその通りです。だからといって強硬措置を取るべきではないかというとそうは言いきれません。ある問題に対するソリューションを別の問題を引き起こすからと却下するなら、元の問題自体を解決する必要のないもの、あるいはソリューションが引き起こす問題に比べて重要でないものと主張するか、もしくは対案を出すのが筋です。人権や立憲政治の原則を確保するためには深刻な感染症の拡大とそれに伴う諸問題など軽微な問題だという主張は、さすがに菅首相の答弁並みに共感を得られないでしょう。それが金貨ではなく金メッキされた鉄の板だとしても、無視されないようなソリューションの提示は必要です。世論がそれを求めているからこそ、話し合いよりも「決められる政治」だという話が出ていたのです。もっともこの「決められる政治」なるもの、決めたことへの責任回避に汲々としているようにしか見えないのですが(昨年河野さんが決めて失敗したら仕方がない、改めればいいと言っていましたね)。政策の責任などもちろん政権担当者や関係官僚の族滅ですら釣り合うものではなく、株式会社のように適当なところで免責するしかありません。ともあれそのあたりを無視して正論を唱えても、説得力がありません。また罰則に公平性や効果を求めるのも正論ではありますし、尻馬に乗って騒ぐ輩が出るという懸念もわかりますが、感染拡大を防ぐためにとにかく集まるな、出歩くなという話である以上、罰則でもなんでも集まらず出歩かず人を集めないことを正当化する必要がありますし、尻馬に乗る人がいて自粛ムードが強まるなら一応目的には沿うでしょう。営業できない、活動できない、出勤できないという主張を肯定しないといけませんし、罰則を付けるというのはその手段としては妥当です。

■2021年01月31日（日）　 安倍さんと菅さんに嫌がらせをする程度が精一杯の人が何を言うかな
衆院選へ「自公倒して政権交代」 立憲、課題は野党協力
正直、あの国会での立ち居振る舞いでは野党協力が成っても政権交代は無理だと思います。作文された政策はともかく、実施できるように見えません。

■2021年01月31日（日）　 なんか自前ネットワークの携帯電話事業に新規参入した会社の経営者が似たようなことを言っていませんでしたっけ？
SpaceX Starship SN9試験機、連邦航空局の承認下りず打上げ試験を延期
「多くの場合、政府ができる最善の対応は邪魔をしないことです」
まあ、こういう人は今時結構いるんですけどね。
とはいえ邪魔でもしないと私人が暴走するというのが歴史の教えるところで、その邪魔をとにかく予測して回避し、滞りなく事業を進めることで暴走しにくくなるというものです。田舎町で個人として店でも営んでいるなら役人は邪魔するなと罵っていたところでたいした害はありませんが、ロケットの打ち上げや直接間接に多数の雇用に責任を持つ立場、あるいは法人格を持つ社団の代表者という立場でそれはいただけません。邪魔されてイライラするくらいなら邪魔されるような事業など経営しなければよいのです。
正直いつまでもこれだとどこぞの投資銀行のように暴走した挙句に破綻するでしょうし、事業が電気自動車とロケット打ち上げでは役所も救済はしてくれないでしょう。尊大であってもかまわないにせよ、モルガンやロックフェラー程度には如才なくなって欲しいものです。

■2021年01月30日（土）　 まず隗より始めよとは言いますけど
コロナに負けないパーソナルBCP
パーソナルBCPはわかるのですが、コロナ全然関係ないですよね？
またBCPにおいて最も問題となるのが、外部に依存する役務の確保です。その最たるものは、コンピューターがらみで言えば通信回線でしょう。データがクラウドにあっても途中の通信回線が途絶していたらどうにもなりません。複数の回線、例えばDocomoの携帯電話回線契約を主体にauかSoftbank回線のMVNOを契約するとか、もちろん自宅には光ファイバーを引くとかいう話になりますが、携帯電話回線はバックボーンにおおむねNTTの光ファイバー網を使っているらしいので、そちらが落ちると携帯電話も含めて使えなくなりそうです。そうなると例えばケーブルテレビ系あたりを抑えることになるのでしょうか。もちろん独立系の通信会社というのもありますが、専用線を引くような規模の事業所ならともかく、個人やフレッツで済んでしまうような小規模事業所だと利用は難しいかもしれません。もちろんクラウドサービスが落ちることもあり得るので、BCPというなら、SOHO向けのVPNで遠隔地にNASでも置いておいて、万が一の場合そちらに移動するとか、携帯電話網につながるところまで移動するようなことを考えておくべきかもしれません。もちろんホスティングサービスも利用できますが、複数契約して自動的に同期するべきでしょう。

■2021年01月30日（土）　 面倒くさいのではないですかね
アップルカー(仮)生産契約を巡りヒュンダイ幹部の意見が割れているとの噂
文化の衝突以前に、Appleは下請けへの要求が厳しいことでも知られていますし、下請けとなると何かと注目されるため、いつぞのインドの騒動のような報道も起きかねません。期待される発注のボリュームはさておき、今さら過度にブランドを売る必要のない現代のような大企業にとっては面倒くさいのではないでしょうか。

■2021年01月29日（金）　 刑事裁判は外国で起訴するわけにはいかないですが
日本への移送差し止め認めず　ゴーン被告逃亡支援の親子
そりゃまあ、日本に移送なんぞされたら弁護士にも会えずに長期勾留されて自白を強要されますからね。日本の弁護士は検察寄りで役立たずですし。尽くせる手は尽くすでしょう。
民事だと、こういう場合アメリカ合衆国で訴訟を起こして事態を先に進めることもできるのですが、さすがに日本で起きた犯罪行為について日本の検察官がアメリカで刑事訴追して日本の刑法の適用を求めるわけにもいきません。人身保護がらみだと連邦最高裁への上訴まで行くと思うのですが、上訴を却下されて終わりでしょう。

■2021年01月29日（金）　 あの規模でも赤字6000億円で済むんだ
ANA、過去最大の3千億円超の赤字　昨年4〜12月期
他の国際的な航空会社に比べると赤字の額が一桁以上足りないのじゃなかろうかという気がするのですが、それはそれとして、歳出カットとして従業員の給与削減が真っ先にあがるというのも侘しい話です。払えるときはそれなりに払うが払えなくなったらまずカットするというのが普通ということでしょう。自社ビルでも飛行機でも売り払って現金を工面し負債を返済、リースを解除してコストを抑える、航路ライセンスも運休や返上でコストを下げ、あるいはそれをネタに現地を脅して維持費をたかるのが先なような気がしますが、まあ、とっくに担保にでも入っているのでしょうかね。
寡占な大手だからといってこの状況で自助努力というのもかわいそうに見えるのですが、どうせ転んでもただでは起きないので、経営陣ならこれはこれで経営体質、財務体質改善の好機などと思っているかもしれません。赤字だ、大変だと言っていれば、労組も規制当局も同情してくれますから。

JAL、3千億円の赤字か　4〜12月期では過去最大
こちらも同程度、つまり年間の運航経費が両社ともこの程度ということでしょう。つまり年間一兆円程度あれば運航を止めてかつ事業再開に備えられることになります。

■2021年01月29日（金）　 別にシーア派だからではないとは思うのですが
酒屋に爆弾、こん棒でマッサージ店襲撃　「神の一団」か
というか、いくら世俗主義の時期が長かったイラクとはいえ、イスラム教徒主体の地域で頻発するほど酒類販売店があるということにまずびっくりですが。買う人いるんですね。マッサージも、まあ、公共の場で行うことは性的に不道徳と見做されるのでしょうかね。
酒と言えば、調味料としてもソースの原料としても使っている例が多いですが、飲酒やそのための酒類販売は戒律上問題があるとして、調味料としての使用についてはイスラム法ではどうなっているのか、いつか聞いてみたいとは思います。「飲んじゃダメ」という話はよく聞くのですが、発酵調味料としてはどうかというのは見聞きした覚えがありません。アルコール発酵を伴う発酵を製造過程とすること自体戒律違反ということだと、味噌やみりん、酢なども戒律違反になります。とはいえトルコなどでは美食も粋を極めていたはずで、発酵調味料はあったはずです。またアルコールという語自体がアラビア語由来であることからもわかる通り、薬や工業材料としてのアルコールはイスラム教圏でも活用されていたはずです。まあ、トルコにしても盛期イスラム文化にしても原理主義には程遠いので、時期的にはコーヒー以前が含まれることもあり、法解釈が現在と違っていた可能性はありますが、「禁止」の法理というのは物理的にできるのに規則でさせないという困難のためにいろいろとクリエイティブで、面白いことが多いです。
なお、イスラム原理主義というとイラン革命の経緯や革命イランが対米不正規戦を行ってきたこともありシーア派がよく出てきますが、スンナ派や他の分派のイスラム原理主義もあります。またシーア派自体、マイノリティ扱いされてこじれている教団もありますが、世俗主義や戒律の柔軟な解釈と無縁ではありません。

■2021年01月29日（金）　 歌い手は演奏の道具か、それとも表現者か
AIは歌手の敵か味方か　AIシンガー開発者が語る未来　分身がいることが武器になる社会へ
ばかですか？
まずもって、人が歌うということがどういう価値を持つのかという問題であって、競合するというならそれは人が歌う必要はないわけですし、ある人の歌い方を模倣させているのであれば、勝手に真似しやがってという話になるだけのことです。今は特定の人をモデルに歌い方を構築していますが、本当なら歌わせる人が独自の歌い方を、モデルなしで、あるいは複数のモデルをうまく継ぎ合わせて構築する、それがバーチャルなキャラクターでしょう。
もちろん譜面を渡されて歌という形で実現する技術という意味での歌い手が、歌唱合成技術と競合はすると思います。わざわざギャランティを払って歌い手を呼んでこなくても、シンセサイザーとシーケンサーでちゃんとした歌になるのであれば、賃労働者としての歌い手の需要は減ります。シンセサイザーやシーケンサが使えない、そんなものは使いたくないという歌わせ手や、ざっくりとした指示を解釈した個性的な歌が欲しい人、あるいはとにかくこの人が歌うのでないとだめだという場合、そうでもなければ人は呼ばなくなるかもしれません。「録楽」を流せば十分で生演奏の放送やBGMの需要が減ったのとおなじことです。ただし、アーティストとしての歌い手はむしろ確立するのではないでしょうか。歌わせ手の都合がこてこてに盛り込まれた機械の歌や、機械でこなせてしまうような前例踏襲の歌ではなく、個人としての歌い手によるその機会における唯一無二の歌への需要は残ります。この点で、歌手の敵か味方かという考え方自体がナンセンスです。
その上で、歌い方という人格の一部を利用するのであれば、モデルにそれなりのキックバックをすべきという考え方はあり得るでしょうし、歌によっては機械であってもモデルに対する人格権の侵害にもなりえます。それこそ人格的なものを茶化すのであれば、慰謝料の請求くらいは覚悟するのがリスペクトというものです。
一方で、歌い方のモデルを提供することで、仮歌段階でも楽曲がより練られたものとして仕上がってくるということはあるでしょう。歌い手には、自身により適したものとして仕上がってきた楽曲をさらに豊かに表現することが求められるわけです。
その意味で、人格エミュレーションのビジネス化というのは非常に貧しい発想だと思いますし、「分身」などというのもしょぼい発想です。まあ、経営者やプロデューサーなんてそういうものなんだなとは思いますけどね。プロデューサーからのインプットだけで、後はコンピューターが作るのであればギャランティを払わずに済むというなら、そうすればよいのです。もちろん、ギャランティも払わずに他人に由来するモデルを使うべきではありませんが、スクラッチのバーチャルアイドルであれば問題もないでしょう。人権問題にはなりませんから、存分に使い倒して消費すればよいのです。

■2021年01月29日（金）　 それは炭ではない
「炭素に価格」本格検討へ　実質ゼロ向け欧州の動きも
いい加減カーボンダイオキサイドやハイドロカーボンを省略してカーボンと称するのはやめませんかね。ましてそれを「炭素」などと訳すると、カーボンファイバーやダイヤモンドに課税するように見えます。もちろんカーボン式の複写用紙に課税してもよいですし、あちらの方がより正当なカーボン、つまり炭ではあります。もちろん、あくまでも炭素に課税するのだ、食材だろうが燃料だろうが機械材料だろうが炭酸水だろうが、炭素一モルにつき1円を課税すると言うなら、この名前でもよいでしょう。人体に含まれる炭素に重量税をかけるというのもよいかもしれません。しかし、燃料としての炭化水素に課税するとか、二酸化炭素の排出に課税するといった話なら、炭化水素税なり二酸化炭素排出税なり、正しい言葉を使って欲しいものです。
また二酸化炭素排出実質ゼロなどというけち臭いことを言わず、炭化水素重合体なり原料なりにも課税してはいかがでしょうか。エコバッグキャンペーンとも対応した、容器包装プラスチック削減に効果があると思います。その代わり、衛生面が犠牲になりますし、石油化学産業や、樹脂系複合材料に頼り切っている日本の機械工業も打撃を受けるかもしれませんが。

■2021年01月29日（金）　 ボードにさりげなく「カフェ・ソスペーゾ1ユーロ」と書いてあるとか
見知らぬ誰かに「おごるぜ！」　店も客も、支える優しさ
こういう取り組みは面白いですね。イタリアはナポリあたりに「カフェ・ソスペーゾ」とかいう、バールの主人におまけの一杯分を払っておき、それを主人が希望者に提供するという習慣があるらしいのですが、それを連想します。まあ、とにかく規定の料金を規定通りに払うことでその本人が役務を受けられるという近代的な取引の仕組みは、便利で納得のいくものではありますが、温かみに欠けると言われればそのような面もあると思います。だからといって懐具合をみはかられて過大請求されたりすると、それで無料の一杯が飲める人がいると言われても不愉快ではあるわけで、納得ずくでもう一食分払うというのは悪くない落としどころだと思います。そこでチケットになるのが、日本の国民性でしょうか。
とはいえ、さすがに1枚3000円のピザをもう1枚分とかはやりにくいので、500円の定食とか100円のドリンクあたりが手頃ではあるでしょう。なおイタリアでは、バールの立ち飲みエスプレッソは通常1ユーロ程度とのことです。

■2021年01月29日（金）　 お荷物扱いが嫌ならシンジケートでも組んで資金を拠出すれば？
2021年第03週1月17日〜1月23日にネットで公開された仕事です。
「編集部としては「もはや外出自粛ムードは終わってる」らしい。」
危機感も当事者意識も薄れたかもしれませんね。事態は改善してはいませんが、普通に暮らしている分には問題は起こらなさそう(医療現場などは見えない)、むしろ普通通りに動かないことの方が不便に感じられている(学校がすぐに子供を返してくる、幼稚園や保育園が子供を引き取らないといった話はそういうことでしょう)、その意味では特措法改正案で、罰則規定で威嚇しようとした政府提案はあながち間違っていなかったと思いますが、さすがに与党議員が会食をして非難されているような状況で過激な引き締めを提案して通るほど信用はなかったわけです。
とはいえ、それこそ「金がない〜潰れる〜商売させろ〜」などと言おうものなら不謹慎だ、危機感が足りないとバッシングが起きるくらいでないと、感染拡大を抑止しがたい状況ではあるでしょう。もちろんまだ自分に降りかかっていない感染よりも自分の財布がすっからかん、あるいは仕事ができずに遅延賠償金を請求されそうな方が差し迫った問題です。

「九州新幹線が軌道に乗ったらお荷物扱いかよ……」
まあ、どれだけ儲かっていたかというね。とにかく路線単体で列車や設備を維持したうえで利益が出る程度に儲からないと、線路を敷きなおすとまではなかなか言えないでしょう。本来そこは、地元自治体なり住民なりが(別に善意の第三者でもよいですが)、復旧費用は全額負担するからちゃんと線路を通せという言うべきところだと思います。金は出せないが見捨てないでくれなどという貧乏人根性、賃労働者根性はよろしくありません。

鉄道という公共交通手段が維持できるのであれば、JRなどという事業体は潰れてなくなってもかまわないのです。だからといってメリットもないのにたかられても、応じるほどJRもばかではないわけで、むしろJRから路線を引っぺがして利益を出して総取りするくらいの意気込みが欲しいものです。

■2021年01月29日（金）　 大人になろうよってことなのでしょうね
メルカリ高騰商品の購入に警告機能実装へ、一次流通企業と連携
アラートはよいのですが、高騰しているというだけのアラートであれば、かえってパニックとさらなる需要の亢進を招きかねない気がします。需給の短期的ひっ迫に伴う大幅な価格変動と需要のパニックを抑えるためには、将来の予測を信頼性をもって示すことが有効なはずです。一次流通企業と連携するのであれば、数カ月程度までの中期的な供給予定や需要の予測なども入手できるはずで、とりあえずは買占めや価格つり上げの兆候が見られた段階で(これは過去の取引状況のトレンドや外部市場の動向との比較で検出できるはず)数日程度の需給状況に基づき見込み価格とアラートを出し、定期的に一か月程度の見込みを流していくような鎮静化策が望まれます。
とはいえ、取引約定に冷や水を浴びせるような施策は市場の運営者としては取りにくいかもしれません。価格は安定しているが硬直化している外部市場に対して、リスクはあるが価格や量の柔軟性や「いくら払ってもよいから手に入れたい」という欲望を満足させることが、オークションベースの二次市場のメリットなのですから。物品の流動性を高め、投機的高騰や暴落を含めてその瞬間のつりあった価格を発見する仕組みを提供するのが役割なので、供給はまだしも価格の安定など、参加者の誰も期待してはいないのです。
副次的流通経路が無視できなくなった場合にたどるコースをたどるほど、メルカリが大手になったということでしょう。

違法品の削除要請可能に　販売サイト運営者規制へ新法案
このあたりも絡んでくる話で、弊害を無視できなくなったために市場の規制を図っているわけです。
ある程度規制された市場としては、証券取引所があります。あれは取引に出す商品や取引の参入者(正確にはその代理人)について十分な審査を行い、定期的な検査も行うので、上場をして維持するコストが高く、不正な出品やプリミティブな詐欺行為はしにくくなっています。もっとも、充分なコストをかけた不正行為には対抗できず、被害額も巨大になるため、起こると目立つということはあります。こういう市場では、粗相をすると上場廃止の手続が取られます。
公設生鮮市場などもこれに近く、審査を受けて登録した売り手と買い手が市場での取引を行い、買い手は卸として第三者に購入した品を転売します。参加者は審査を受け、市場で取引を行うリスクを承知し、継続的な取引で商品を見る目を培っているので、不正がやりにくくなっています。
この種の市場については、普通の人が個人的に関わる機会はほぼありませんでした。普通は商品はこの手の市場ではなく、この手の市場へのアクセスを持つ小売りや代理商人から入手します。株式投資くらいやっているという人もいるでしょうが、あれも証券取引所に直接参加しているわけではなく、取引所の参加資格を持っている証券会社を窓口にしています。顧客の取引行為を証券会社が代理で行うことで、相対に比べて取引のリスクと潜在的コストを軽減しているわけです。
一方逆、規制されていない市場としては、青空フリーマーケットや蚤の市があります。出店登録こそ一般的に必要ですが、場所の割り当てくらいで審査はほとんどありませんし、商品も持ち込むにあたってあまりうるさいことは言われない。アマゾンマーケットプレイスや楽天市場、メルカリあたりは本来こちらの系統です。ただし、伝統的なフリーマーケットの場合対面しての相対取引でその場で現物決済が普通ですし、額としてもせいぜい数万円程度なので、運営側の見回りと売り手や買い手の注意で深刻な事態はある程度防止できます。十分な儲けになるほど故買品を持ち込もうとすれば非常に目立ちますし、バッタ物をつかまされるとかすぐ壊れるというのは買い手の目利きの問題で、そういうリスクも込みでの参加だというのはわかっているわけです(最近はわかっていない人もいそうですが)。
いわゆる流通系プラットフォーム企業は通信販売の基盤の上にフリーマーケットのアイデアを持ち込んだわけですが、通信販売の基礎になっている信用に基づく遠隔地間の取引というのは、事業の質を含めた信用調査に十分なコストをかけられる継続的な大口取引として発達したものです。フリーマーケットのようなその場限りの対面取引とは違うわけですが、現代工業社会は規格に基づいた大量生産が特徴であり、言い換えればどこの店でも同じものを売っています。言い換えれば売り手と買い手のあいだに商品のあるべき姿が共有されています。つまり、遠隔地決済とシーズとニーズのマッチングの問題さえ解決できれば、安心して東京から那覇の売り手に注文を出すことができる…はずです。実際、産地直送などそういう発想です。そこに、売り手も買い手も継続的な市場へのアクセスを求めておりその基盤となる信用を損なうような行為は行わない、そして買い手は自分の必要とするものについて適正な価格を判断する能力を持っているという確信を振りかければ、低コストの自由な市場の出来上がりです。
まあ、それで済むなら苦労はないんですけどね。

■2021年01月28日（木）　 複数のデータソースの間で照合した結果個人を特定できてもまずいんで
宮城県、コロナ死者情報をHPに掲載　同意なく22人分
ちょっとこれは…日常的に葬式が出ているような地区ならともかく、死者22人という状態で居住地区の情報を出したら個人を特定できてしまいかねません。

■2021年01月28日（木）　 指定された枠に正確に入れるかどうかも採点されたりして
車内で免許更新、密避け楽々　山梨県警が全国初の試み
こういうのは前向きな取り組みでしょうね。

オンライン運転免許教習、居眠りは退場　なりすまし警戒
タイトルを読んだときこの話の関係かと思ったのですが、運転免許教習所で座学をする話でした。
所詮学校と同じなので、チート対策の話になっているわけですが、正直下らないと思います。限られた内容の試験と講習への出席をもって座学内容の習得を認定するという制度は、有資格者を量産するという目的には適いますが、大規模なシステムを必要とするわりに身に付かないという、資格認定の手段としては大きな問題があると思います。もちろん身に付けたことになっている以上実務上は知っているものとして扱われ、有効な運転免許を持っている人が交通規則を知らない、そんなものは習わなかったと主張してもそれは通らないわけですが、自宅にコースを持たない貧乏人にとって貴重な実習の場である運転実習用コース、資格のある運転講習員の時間借りなどはともかく、法規や運転技術の解説書を読めば済む座学も込みで結構高いお金を取るというのは、国土交通省と警察の蜜壺ではないかと思えます。テキストならまだしも講習でお金を取るシステムというのは、原則廃止し、講習は実技に留めるべきではないかと思います。それがVRあたりでやれれば大変ありがたいですが、技術はともかく資格の実効性を担保するためにはさすがに無理でしょうかね。

■2021年01月28日（木）　 できることはだいじではあるのですが
列車の制御、携帯電話の通信網使って　JR東が試験走行
まあ、携帯電話網は無線通信としては帯域も広く遅延も少なく遍在しているので、高速での走行時間が長くなっている鉄道において信号の代わりを果たせるとは思います。発想としては新幹線の信号システムとおなじですが、専用の伝達ネットワークでなく汎用の通信ネットワークを使って、線路沿いの専用設備なしに伝達するところが新しいことになります。とはいえ専用の鉄道通信システムと異なり、携帯電話網は混雑した場合品質の低下もあり得ます。さほどの大容量は要求されないとはいえ、品質低下が信号伝達のうえで問題にならないかどうかはもうしばらく検討が必要でしょう。また10年程度は維持されるとはいえ、携帯電話事業者が通信ネットワークの規格を変更した場合、ユーザー側でも設備を更新して対応する必要がでてきます。どのように更新していくのか、携帯電話事業者からのサービス提供スケジュールがどのタイミングで提供されるのか、詰めておくべきでしょう。
懸念としては、何でもかんでも携帯電話網に乗せてよいのかというあたりで、単体で十分成り立つようなサービスまで携帯電話網に乗せてしまうと、携帯電話網の帯域がひっ迫したり、携帯電話網でトラブルが起きると広範囲で波及するような事態があり得ます。携帯電話網も含めて、複数の通信手段をカバーする開発と整備の方向性が望まれます。

■2021年01月27日（水）　 高圧ガス、それも可燃性のガスの処分を家庭でやらせるのに問題はある
カセットボンベ、穴開けは危険です　ルール変えた神戸市
これはこれで筋だと思います。まああれも、そもそも可燃性ガスなんていう危険なものの処理を屋内で、しかも火の気のあるところでやろうとする方が無茶なのですが(缶にも普通外でやれと書いてあるはずです)、ガスを抜かずに捨てる、ガス抜きで事故を起こすといった事例が絶えない以上、可燃性ガス入りのボンベのみを回収して処理するというのは正しい方策でしょう。むしろ消費者が処理をするような想定の方が危険です。
とはいえ、そもそも家庭用にカセット式の高圧ガスボンベが必要かという問題はあります。個人的には便利にカセットボンベバーナーを使っていますが、IH熱源も出てきており、おそらく電源(携帯型発電機、商用電源出力を持つバッテリーなど)もレンタルショップで借りられる以上、いわゆるカセットコンロはそろそろ危険物扱いにしてもよいのではないでしょうか。
つまり歩きや荷載重量の小さい車両でキャンプする場合危険物丙種第四類の資格が必須になるわけです。

■2021年01月27日（水）　 悪い意味で役人離れしてます
宮城県警、国選弁護人の手続き怠る　逮捕した男性に謝罪
権利がどうこう言う以前に、この手のミスはしない方がいいですよ。でないと、警察は信用ならないからとにかく弁護人を付けなければ勾留中でも取り調べをしてはいけないなんてことになりますからね。でもって、何もできないまま勾留期限を迎えて不起訴処分にでもなろうものなら、不当勾留で訴えられます。当然勾留中の被疑者が非協力的で弁護人を付けられなかった場合や、弁護人と示し合わせて取り調べを回避した場合も、警察の責任になりますので。
もっとも、役人気質という意味では無責任なたらいまわしと合わせて規則で決まっていることであればその通り実行するというのも大事です。実行しなかったら責任を問われますから。その意味で、この場合警察官が役人として不適切なふるまいをしているわけで、情や被疑者の権利の感覚なんてなくていいから規則通りやれという話です。こういうのは解職に値する無能と言えるでしょう。

■2021年01月27日（水）　 貧乏だから学校に行かせるのにねえ
@siro700 202101262234JST 来年度から娘が年少なんで制服になるんですが、近くの幼稚園の制服が10万と聞いてメンタルが死ぬ
住み込み家庭教師のコスト年額一千万円に比べれば一年は使える制服に10万円程度は安いもの…とは思えませんよね。とはいえ確かに高いので、流行りのブランド制服ではあるのだと思います。着る側の気持ち、着ているのを見る側の評価というのもあるので、既製品のジャージにワッペンを付けて着せときゃいいじゃんというわけにはいかないのでしょう。
しろさんの場合勤め人ほど近所の幼稚園にこだわる理由はないと思いますが、最寄りの公立幼稚園が結構遠いのでしょうか。
まあ、コストやスペックに文句を言うのなら同志を募って保育組合でも作って納得できる経営をしたらよいというのが正論ではあります。

■2021年01月27日（水）　 内閣が最高裁長官を指名し最高裁判事を任命することは憲法に書いてある
「2枚持ってきて」複数案求めた官邸　最高裁人事に浸食
浸食と言いますが、裁判官人事への内閣の関与自体は三権分立で行政府が司法府に意思を伝えるための大事な要素でしょう。二案持ってきてというのが姑息ではありますが、どのみち出てきた案を拒否したりこちらから候補を指名したりすればあれこれ言われるわけで、司法府としては行政府の人事に対する意思表明に対して立法府を味方につけてでも貫くべきものがあるかどうかということこそ問題です。
もちろん行政府は意思を持たず立法府の定めた法律を司法府の採用する解釈に基づいて従順に執行すべきだという考え方はあり得ますし、その場合内閣の人事権自体問題ということになります。とはいえその場合、例えば昨今の感染症対応でも、内閣は決定を全て国会に投げておけばよいわけで、首相が対策を示さない、内閣の対応が遅れたなどという批判は当たらないことになります。そもそも国会が政党対立と内閣批判に明け暮れて遊んでいたことが問題なのですから。もちろん、与党が内閣を支持して国会で政策を決めようとしなかったことも問題にはなりえるのです。
現内閣に問題なしとはしないまでも、とにかく現内閣を非難すればよい的な企画記事には品性を疑います。

「強すぎる官邸」　ゆがむ官僚との関係、コロナで表面化
これ、そもそも強すぎる官僚制自体が非民主的なものだとは思わないのでしょうか。天皇の官僚とそのトップとしての大臣制という由来を措くとしても、官僚というのは議会にも国民にも責任を負っていません。国家システムが発達途上にあるときに官僚に資金や権限を集約して組織力を発揮させる解があるとしても、日本国憲法においては官庁というのはあくまでも内閣の指示と人事を介して間接的に国会に責任を負う立場です。むしろ政権が変わっても同じ顔ぶれの官僚が「前例ではこうなっています」などと言う方が問題があります。反逆罪で死刑になるわけでもないわけで、大臣の指示や人事にどうしても納得がいかなければ辞職すればよいのです。官僚として培った見識は数年で陳腐化するようなものではありませんから、野に下って意見の合う議員に政策を提案するなり、自分が選挙に出馬するなりすればよいでしょう。現代の行政官僚は、間接的な形も含めて選挙の裏付けを得た政策官僚ではなく行政官僚である限り、スピーカーとアクチュエーターを備えた機械でなければなりません。「実情に合う判断」にしてももはや人間の専売特許でないことは、すでに明らかです。
最高裁判所判事の人事にしても、そこに関与することで内閣や政権与党が裁判所に関与できるシステムであるわけで、運用上の慣例が権力分立の保障だと言われても説得力がありません。また推薦自体は否定されていないわけで、候補を二人出せと言われたって同じ名前を二つ並べるという嫌がらせだって可能で、それを通せるかどうかは力関係の問題でしょう。むしろ運用に変な枠をはめて硬直化する方が問題です。
ありとあらゆる職になんらかの裁量や権限が付随している野蛮な役人制度は速やかに卒業し、応分の責任を課される役職以外は規則にのっとって粛々と実施する透明な官僚制度にするべきです。その上で、例えば裁判官をどのような基準で選ぶかといった話をするべきで、最終的には、個人的な正義感に基づいて恣意的な判断をするような人ではなく、ルールと条理に基づいて抑制的な判断をするような人を選ぶようになるでしょう。裁判所が政策の方向性について封建体制下でのお代官様やお奉行様、お殿様のように入れ込むことは、本来あってはいけないことです。

■2021年01月26日（火）　 「別物」だの「困惑」だのどういうことなのやら
「マイナンバーでワクチン管理」突如浮上に厚労省は困惑
「別物」って、誰が入力するんでしょうか。またシステムだけ作っても端末がないと意味がないでしょうし、現場の端末に入力アプリを入れろというのも、少なくとも医療機器というものを知らない考え方だと思います。
とりあえずワクチンの接種を受けているかどうかというのは公的な関心事ではあるのでしょうし、どうせ出せという話が出てくるその証明を出すうえでもマイナンバーを使うというのは悪い考え方ではないでしょう。管理の気持ち悪さや何かと接種の証明を提示させられる息苦しさを気にしないのであれば(この二つはマイナンバーカードの問題ではありません)、コンビニ多機能端末あたりで証明書を取れるようにするのは悪くないアイデアです(絶対頻繁に提出させられますよ)。
とはいえ、それで現場の負担を増やすのは、今は良くありません。むしろ厚労省や実施に当たるところとちゃんと協議して、例えばルートセールスの周り先のそれぞれで証明書の提出が必要になるような状況まで考慮して、接種の現場にせよ接種管理にせよ、負担がでたり混乱が起きたりするのを避けることが望ましいのではないでしょうか。ワクチン話の時点でマイナンバーもIT担当大臣もあったわけで、なんで今頃になって「困惑」などという話が出てくるのでしょうか。厚労省にしろIT庁にしろ、今まで何をやっていたのでしょうか。

ワクチン接種しないと入店拒否　官房長官「適当でない」
で、こんな話も出てきたわけですが、絶対接種状況を報告させる動きは出ますよ。もちろん接種自体すぐに済むものではないというのが政府の考え方で、進めるにしても時間が必要だと言っているわけですけれども、人を集める側としては集めても、集まっても安全であるというエヴィデンスを示す必要があるわけで、PCR検査結果と同様、予防接種の証明というのはそれに最適でしょう。

■2021年01月26日（火）　 査証免除協定を停止するのが先ではないでしょうか
EUへの入域、出発前PCR検査が義務に　対策を強化
いやこれ、機内で感染したらどうするんでしょうか。それに、短期滞在目的でEUから出国した人が帰国する場合も課すのでしょうか(理屈の上では課すべきです)。
もちろんリスクのある行動をする人にペルジールシャインを求めるというのは理に適ってはいるのですが、PCR検査というのは検体を提出した時点での状況を示すものでしかありませんし、当然ファルス・ネガティブだって出ます。空港で10分で結果が出るような画期的な検査キットでも出たなら別ですが、泥縄感を拭いきれません。いわゆる予防接種とは異なり、検査で抵抗性がつくわけではないのです。

■2021年01月26日（火）　 いまさら地元の店の応対を量産品に求める方がおかしいのは確かです
ヨドバシカメラ、仙台駅前に大型商業施設　2023年春完成へ
まあ、仙台駅周辺は意外にカジュアルな大型商業施設が少ないので、ありだとは思うのですが、量販店系で大型商業施設というとダイエーを思い出すのですけどね。あれは西口側にありましたが、ヨドバシは東口です。
とはいえそろそろ大型量販店と全国チェーンとフランチャイズの金太郎飴もどうかと思うのですが、まあ、そこに違和感を覚える人はお得な量販店など使わず中古屋でオールドライカでも買うんですかね。35mmは無理ですがハッセルあたりの中判なら、機種によってはイメージングセンサーだけ買ってボディに取り付ければよいこともありますし。

■2021年01月26日（火）　 医療従事者ってお金みたいに湧いてくるものじゃないんだけどな
五輪で「医療スタッフ1万人に依頼」　橋本五輪相が説明
五万労働日を手配したのはよいのですが、その五万労働日はどこから出てくるのでしょうか。医療従事者が今度の夏まで一万人増えるなどということはまずありえないわけですから、どこかで働いている人を引っこ抜いてくるのだと思います。もちろん五輪を見に来る人がいる以上、どこかで医療需要は減るはずですが、全国的には辻褄が合ってもある地域、ある医療機関では一単位分に満たないということは十分あり得ます。一方で選手が海外から参加してくる分五輪期間中の会場周辺での医療需要が増え、もしかしてこの期に及んで海外からの観光客まで見込んでいるとしたらさらに医療需要が増えます。選手にしろ観光客にしろ健康な人の比率が高いはずですが、その一方でなにがしか新型コロナウイルス感染を疑わせる症状があった場合に管理が必要になる以上人手にしろ設備にしろ手当の必要は出ます。そのあたりのバランスをちゃんと確かめないといけないのではないかと思うのですが、聞いた方も答えた方もそこをちゃんと押さえているのでしょうか。

■2021年01月25日（月）　 PHS終了
ついに25年の歴史に幕！ さよなら大好きなPHS
いよいよ今週一杯なんですね。
PHSは、あの当時(2003年)データ通信専用端末としてはPHSが普通であったために選びました。そう、何が何でも音声通話はしたくなかったのです。PIAFSの方が当時は通信速度が高かったですし、PCカード規格はそれなりに息が長かったため、海外では通じないという不便は普及してきたホテルWi-Fiで緩和しつつ、周囲に文句を言われつつもそのまま使っていたのですが、出張先に電話機がないという事態にW-ZERO3 Advanst ESへの更新を強いられ、その後WILCOMのオンラインサポートの貧弱さに愛想をつかし、モバイルルーターの普及もあってMVNOに切り替えました。電話やネットで住所変更ができないんだもの(いやまあ、電話でできないのは仕方ないかもしれないですが)。
もっとも、いかに音声通話嫌いとはいえ、宮仕えなどしていると音声通話のサポートを強要されるのですが。データ通信用で契約したSIMの音声対応切り替えで3000円支出させられた恨みは忘れません。もちろん、海外出張時にローミング契約をしておけば連絡に問題が出ないというのはメリットなのですけどね。現地SIMでは取得した電話番号を通知しないといけません。それでもこちらからかけることなどまずないので(勤め先の判断を仰ぐような事態はまず起こらず、起こってもどうせ対応など期待できないので、ソリューションを提案して決済を取るだけ)、理不尽な気分にはなったものです。

■2021年01月25日（月）　 北と四国は三セクに近いと思う
北海道が観光列車取得し無償貸与　JR北に異例の支援策
異例のと言いますけど、線路や駅設備であれば自治体が保有して第三セクターに貸し出している例はあるはずで、むしろJR北海道の経営健全化を言うならもっと早くやっておくべきだった話でしょう。というより今さら列車だけなどとけち臭い話であって、さっさとハードウェア(と維持の人員)を道が没収して(名目的な価額はともかく実質的には負の資産です)維持費だけでも軽減してあげるべきです。その上で、場合によっては一度100パーセント減資して道と道内自治体が出資する再建もありではないでしょうか。鉄道事業というのは公益性が高いですから、出資者に損を押し付けるという方法は十分に合理的です。また事業再建においては元の出資者というのは基本的に無力であり、債権者とだけ相談すれば済みます。その債権者は、固定資産を自治体が引き取る代わりに債権を相当程度回収できるならある程度話に乗ってくれるでしょう。

■2021年01月24日（日）　 覚悟なんか全然できてないじゃないですか
底つきる借金3千万円…罰則に怒り「飲食店だけが悪か」
飲食店が悪だとは思わないのですが、この期に及んで集客を図るような商法や、そもそも生産や流通という確固とした基盤のある事業でもないのに、店に客が入らない、あるいは入れられないという事態を全く想定していないことは悪だと思います。雇用にしても店舗にしても、理念的には収入がゼロであっても維持することが求められます。公共の利益のために収入がゼロになるなら補償しろというのはある意味馬鹿げているのであって、そのような理由であってもリスクとして織り込んで経営することが要求されているのです。感染防止策で店を開けられないから倒産するというならそれも経営者の責任であり、行政機関の責任はそうして行き詰っていく流通や購買力をどうやって繕い、感染を抑止したうえで生活を維持できる物資を供給していくかという部分にあります。
その上で、便法として補償を行うことは適切ですし、行う以上は効果のあるものでないといけないと思います。人を雇ってまで行っている事業に対して補償金一日6万円はないわけで、従業員20人なら30万はないと意味がありません。とにかくまとめてお金を払ってすまそうというなら頭割りよりも適切な算定基準が考えられてしかるべきですし、どうしても考えたくないなら事業主に6万円支給したうえで従業員全員に1万円支給して出勤しないで貰うのが筋です。本来であれば、租税公課や公共料金、地代、債務返済といったものを相当期間棚上げにさせるような施策と組み合わせて実施すべき話ですが、そこまでの企画力というのは役所にはないのでしょう。事業を始めるというのはそれなりに手間も金もかかるのですから、適切な施策で既存の事業者を維持ないしはホットな状態で休眠させられるのであれば、補償金を出す価値はあるでしょう。経済政策としては、流行が終わったらぺんぺん草が生えていたというのが一番困るのです。

ちなみにこちらが先に出ているのですが…ネタの使いまわし…とは言わないでおきましょうかね。おそらくシリーズ企画なのでしょう。

■2021年01月23日（土）　 画面を油じみた指で撫でまわしてうれしいかどうか
クラムシェルノートパソコンにタッチは必要か
タッチは無用です。そもそもペンならまだしもタッチなど、ATMの画面のようなもので、巨大なボタンでも用意しておかないとまともに操作できない類です。ATMの操作感が悪く物理ボタンの方が確実に動作したのは、タッチ画面自体が未発達だったこともありますが(というか今だって誤動作が多い)、見えたものを触ればよいという直感的なインターフェースにもかかわらず、指というのが精密なポインティングデバイスとして不適切だからでしょう。
また、ウイルスがどうとかいう以前に、指というのは決してきれいではありません。埃、コーヒー、皮脂やポテチの油、ピザソース、でんぷん、砂糖、歯磨き粉、うがい薬、人によっては薬剤など、様々なものがついています。したがって汚してはまずいものを触る際には使い捨ての手袋が不可欠なのですが、それはそれとして、そんな指で画面という、汚れればてきめんに視認性が悪化する、タッチデバイスのように汚れれば感度が悪くなるものを触るというのは、むしろおかしいのではないでしょうか。半年で使い捨てることが前提のスマホなどというデバイスや、滅多に操作などしないモバイルルーターや複合機のパネルならともかく、ノートパソコンという他のものを操作することすらある機材、それも通常三年程度は使う機材でタッチ操作など、頻繁に電源を切って画面を専用のクロスで拭くのでもなければナンセンスです。ちなみにそのへんのハンカチで拭けば画面に傷がつきますし、電源を入れたまま拭けば誤操作につながります。どうせ画面など拭き掃除が不可欠なのですから、触った程度では反応しない方がありがたいでしょう。

■2021年01月23日（土）　 高架などといっていないで地下鉄でも掘れば？
葛飾区が熱望｢貨物線旅客化｣は現実的なのか
いやこれ…線路が通っていて旅客需要もあるのに通るのは貨物列車ばかりというのが歯がゆいのはわかりますが、利便性だけならJR東日本よりも東京都交通局か東京メトロの案件でしょう。

■2021年01月22日（金）　 料金不払いで水道を止めて問題が起きた方がよいとでも言う気でしょうか
コロナ禍、値下げ相次ぐ水道料　減収のツケは次世代に？
ツケだの次世代だの古臭い話をいつまでするつもりなのでしょうか。あれは年金運用が破綻した時点で終わった話だと思うのですが。
水道というのはインフラストラクチャーですが、まずもってなぜ水道などというものを整備するのかを考え直した方がよいと思います。医療費の自己負担分の議論とも通じる部分がありますが、インフラストラクチャーというのは設置によって大きな利便が生じるから整備するのであって、使用料の徴収などというのは使い過ぎの防止策のひとつでしかありません。他に適切な手段があるなら、水道料など取らずともよく、まして料金収入で投資や維持費を回収できる必要も細かく算定する必要もないのです。安全・衛生基準を満たした水を、特に都市という本質的に水源に乏しい場に十分に供給することが極めて高い利便を生み出すからこそ、都市当局を含む自治体が水道を整備するのです。またその意味で自治体水道の顧客というのは零細需要家であり、大規模需要家は相応の費用を払って民間の水道事業者あるいは水道事業組合から水を引くべきであり、またその水道事業者や水道事業組合は利水面で所在自治体の規制を受けるべきです。つまり零細需要家(オフィスレベルでの利用もこの範疇でしょうが、灌漑や一定以上の規模の工場への給水は外れます)の活動が十全に行えるレベルで給水ができており、安全面や衛生面で問題が発生していないのならば、元は取れていると考えるべきで、1970年代ならまだしも今さら、「ツケを次世代に回す」などという貧乏丸出しのけち臭い発想が出てくる余地はありません。公債によって整備したのだとしても、本来それによる便益の向上によって発生する税収増で償還する筋合いのもので、管の太さならまだしもメーターや検針制度などというオーバーヘッドコストをかける方が、本来間違っています。

■2021年01月22日（金）　 病院から追い出された場合も懲役だったらやだな
コロナ対応の特措法改正案、閣議決定　入院拒否に懲役刑
入院しなかったら懲役はよいのですが、そもそも入院させてくれるのでしょうかね。入院というと、保証人やら同意書やらといろいろうるさく、一人ではそもそもできないのではないかという感じだったのですが、役所から感染症にかかっているから入院しなさいと言ってきて、保証人や書類が準備できないから、家族の介護があてにできないから、介護も含めて費用負担ができないから、収容拒否とか強制退院とかなったらかなり悲惨ですが。普通は入院命令を発したところが費用を負担するはずですし、普通より介護のコストがかかってもそれは役所が補填するはずですが、最近の役所のぼけっぷりを思うといささか不安になります。

■2021年01月21日（木）　 この頃はOSも迷走していました
PCから“IBM”が外れるまで　「IBM PC」からただの「PC」へ
「一つは純粋にMCAが忌避されたことである。」
確かに嫌われていたようですね。この結果ATバスを元にISAバスが成立するのですが、80486ベースになった時点でグラフィックアクセラレーターとの接続にISAバスでは帯域不足になり、80486のバスをそのまま引っ張り出したVLバスのスロットがISAバススロットの先に置かれるようになります。結果的にVLバスも含めてPCIバスに駆逐されたことを考えると、MCA自体はありだったのではないかと思うのですが、出し方があまりに悪かったのでしょう。
80386が出てきた時期は、IBMとMSがOSで迷走していた時期でもあります。MS-DOS 3.0で80286のプロテクトメモリへのアクセスをサポートしたものの、アプリケーションの互換性の問題でリアルモードを使わざるを得ず、AppleのGUIへの対抗もあり、プロテクトモードで動いてGUIを持つ新OSを開発していました。OS/2です。これもPS/2と合わせて投入されていたわけですが、開発に関わっていたMSは並行してWindowsも開発しています。この時点ではMS-DOS 3.xのグラフィックシェルという扱いで、リアルモード用だったわけですが、3.0で80386の仮想8086モードに対応、その上でMS-DOSアプリケーションを動かすということをやり、この直後OS/2 2.xの開発から撤退してしまいます。MSがOS/2 3.0として開発していたものは1994年にWindows NTとしてリリースされ、さらに1995年、MSは80386/80486プロテクトモード対応のWindows95をリリースします。これに対してIBMはOS/2 Warpを出したのですが、及びませんでした。
1991年ごろのWindowsプログラミングには、大きな特徴がありました。バージョンは3.xで、アプリケーションは仮想8086モードで動く16bitアプリケーションです。つまり8086一個分のメモリ空間をアプリケーションに割り当てていたわけですが、このアドレス空間は当然20bitです。またプロセスごとにメモリ空間は分離されています。その特徴ですが、大きなデータを扱う場合、farmalloc()系を使っています。つまり、メモリモデルはsmallであり、必要な時にfarヒープからメモリブロックを確保しているわけです。そしてポインタ修飾子はfarであり、hugeではありません。つまりブロックサイズの上限は64KBです。Win32では普通にmalloc()で2GBまでのメモリブロックを確保できますし、ポインタ修飾子などという概念を気にする必要はありません。

■2021年01月21日（木）　 ここで空港アクセスにJR東日本の新線を参入させる理由がわからない
羽田空港アクセス線に事業許可　JR東、29年度中の開業目指す
もちろん東京駅から、ないしは首都圏各地から羽田へのアクセスに需要が大きいのはわかりますし、そもそも羽田へのアクセス自体不足気味ではあるのですが、なんでわざわざ新線を引いてまでJR東日本がやらないといけないのでしょうか。東京モノレールや京浜急行羽田線の編成延長(つまり駅のプラットホームの延長)ではだめなのでしょうか。もちろん、東京駅から羽田空港や成田空港に東北新幹線が直通する(東海道新幹線の場合むしろ小田原か品川あたりから新大阪側6両を切り離して羽田行きでしょうか)ならうれしいですが、この場合在来線からの羽田ルートです。東京や品川で乗り換えたってどうせぞろぞろと羽田まで行くのだから、ターミナル駅で乗り換えをさばくよりは直通便で運んでしまう方が楽という理屈はわかります。しかしそれなら、品川駅から東京駅まで(常磐・房総方面なら京浜急行の京成直通、新宿方面なら横浜駅から東急か、渋谷から京急蒲田で直通させた東急多摩川線との乗り換えという手もある)直通の三線軌条にして、羽田空港各駅と東京駅(と品川で乗務員交代のための停車)以外無停車で京浜急行の車両を乗り入れさせれば済むことでしょう。乗り換えの混雑を抑止するなら成田の京成と合わせて上野でもかまいません。複線だってホーム1面分の改装で済みます。また品川で相当数が新幹線に乗り換えるとしても、分割や併合を行う車両運用は京浜急行の十八番です。例えば品川で成田・羽田直通の8両編成に東京駅からの8両編成を増結して羽田空港まで走らせ、逆方向では東京駅行と成田行を分割するくらいは、普通にやってのけます。むしろ京浜急行羽田空港線内に優先列車用に通過線を設けて京急蒲田〜羽田空港各駅間の運転頻度を上げるべきです。なお、京浜急行も新幹線も1435mm軌間であるため、三線軌条になどせずとも品川駅で京浜急行の車両を新幹線の線路に入れることもできるはずですが、さすがに東海道新幹線の線路を高速型とはいえ120km/h程度しか出ない車両が走っていたら邪魔でしょう。JRの在来全線の標準軌への改軌を見据えて、空いている在来線の線路を三線軌条とすべきです。
空港行の新線など空港アクセス以外に活用方法がなく、新規に投資をして割が合うかどうかわかりません。一時間に四往復というのはたいていのローカル線よりよほどましですが、首都圏の路線としては閑散路線でしょう。それなら既存の設備を徹底的に高度化する方がましだと思います。モノレールだって、快速用の車両を増備して、現在昭和島駅だけである追い越しを天王洲アイルと天空橋でも行えば、列車の増速も可能なはずです。また浜松町駅を複線化するだけで運行する列車数を1.5倍に増やせるともされています。列車編成の延長と高頻度運転で対応しておけば、需要が減ったら車両数や頻度を下げればすみ、頻度低下による人件費削減でお茶を濁している間に列車の減備なり低コストで低頻度運転に適した車両、短い編成の列車への置き換えなりをすればよいのです。
もちろん、東京モノレールの親会社であるJR東日本が浜松町駅を拡張して完全複線にする形で通常の鉄道、できれば新幹線規格に敷き替えるというのであれば、それはありでしょう。JR東日本としても空港便のほかに天王洲アイルに東京駅方面からのアクセスがあった方がよいでしょうし、新木場と天王洲アイルを経由して千葉方面から羽田に直通、あるいは天王洲アイル経由で新宿方面から羽田に直通する列車を設定する余地もできます。それこそ成田〜羽田間を運賃千円で30分で結ぶというなら大歓迎です。1490円でも京浜急行と京成電鉄の直通便に比べて競争力がありますし、30分という時間を考慮すれば指定席特急券と合わせて二千円でもよいでしょう。まあ、空港間乗り継ぎアクセスが20ドルかという話はあるのですが、そこは航空会社が乗り継ぎ乗車券込みで国内線への乗り継ぎを提供すれば済むでしょう。この場合、東京モノレールは線路の管理に専念し、列車はJR東日本が運航することになります。

■2021年01月21日（木）　 複数の国籍を持つ利便は認めるにしても、なんでも「違憲」と主張すればよいというものでもないと思いますが
二重国籍を認めない国籍法は「合憲」　東京地裁が初判断
少なくとも憲法が国民国家を前提としている以上は、複数の国籍の取得を「権利」とは認めがたいと思います。これは多重国籍を禁止しているという意味合いではなく、他国の国籍を持つ者が日本国籍を持つことを認めるかどうかは政策判断の問題で、認めないことを違憲判断をもって否定するようなものではないという意味です。とはいえそもそも準拠法の選定において国籍のある国の法律に基づくとされているものがあり、多重国籍はこの種の規定の適用において混乱を引き起こしかねません。
もちろん、現地に定住し生計を立てるうえで現地の国籍を取得する方が便利であるところは少なくないですし、その上で日本と関わる事業を行う場合に、日本国籍を持っているとやはり便利だということはあり得ます。また多重国籍やそれに類する事態(例えば複数の国のパスポートを保有するなど)は歴史的に認められてきたことであり、一概に禁止されるべきことではありません。
とはいえ、認めるとすれば国会での法改正を十分な議論をしたうえで行う筋であって、国籍法の規定は違憲無効だなどという裁判を起こすのは、むしろ濫訴と言うべきです。提案をするなら、趣意書を作って賛同者を集めて国会議員に持ち込むでも、署名を集めて請願をするでも、やりようがあるはずです。国籍とまでは言わずとも、もともと日本国籍を持っていた人について外国籍の取得時に簡便な手続で入国権なり日本国内での長期滞在資格なりを認め、あるいは法的な手続について外国人に課されている規制を緩和するというレベルであれば、メリットを主張できるでしょうし、できてしかるべきです。仮に提訴自体が問題のアピールを目的としているとしても、少なくとも日本においては、そういったアピールはずいぶんと過激なものと受け取られると思います。またそこだけ直して対処すれば済む話でもないわけで、違憲法令審査という形にはなじまないでしょう。
ある個人を保護すべき国家を確定するために、他の国家の国籍を取得することが実質的に不可能な個人に対して現に居住する日本の国籍を付与すべきといったレベルの話とは、違うのです。

■2021年01月21日（木）　 正直無駄に上げ足ばかり取っている野党にも責任はあると思う
あいまい要件で私権制限　「まん延防止等重点措置」とは
状況が状況だけに、2年程度の時限立法であれば、発動要件を政令で定める形の罰則付き規制はあり得ると思います。恣意的な運用が懸念されるにしても、要件を法律に書き込んでいる時間の余裕はないでしょうし、発動に国会の同意を条件とした場合、特に菅内閣では発動に支障が出る可能性があります。本来緊急措置の同意くらい取りつけられる程度に円滑な関係を作っておくべきであるにせよ、ないものねだりをしても仕方ありません。とはいえ、発動後速やかに国会への報告くらいは行うべきでしょう。閉会中であれば臨時国会を速やかに招集すべきですし、衆議院を解散した状態であれば参議院の緊急集会でもよいわけです。審議を要求しているわけでもないわけですから、総理大臣か担当国務大臣が報告の演説を行ったうえで、一渡り質疑応答がある程度でしょう。採決は必要ないわけで、質問時間で折り合えないようなら質疑応答なしで会期末まで粘っても違法とまでは言えません。
とはいえ、何かと「政令で定める」とやってばかりなのは問題ですし、本来国会には内閣を監督する責任がある以上、歴史と伝統という理由で頻繁に閉会しては儀礼付きで招集するのを繰り返すのもよいこととは思えません。本来政令への委任は最低限の具体的な細目に限られるべきですし、制定時に確定できないなら国会の決議なり事前の同意なりでその都度細目の決定に国会が関与すべきです。その場合閉会中だからできないでは済まないわけで、アメリカ合衆国議会のように、選挙中以外は開会している方が望ましいように思います。この点は今も同じことで、常会は150日などと言わず、今国会については当面、つまり原則として衆議院議員の任期満了まで、開会しておいた方がよいと思います。とはいえ、菅内閣は国会との関係が、与党を含めてどうも良くないので、審議で足を引っ張られるよりは閉会して内閣だけで国政を運営するようにいろいろ拡大解釈する方がましとは思っているでしょう。予算措置を含めて十全な対策を実施するには、国会と協力した方がよいはずなのですけどね。

■2021年01月21日（木）　 非特権的貧乏人の僻みをいい話にするのはいかがなものか
核兵器禁止条約とは　核は「違法」、ヒバクシャにも言及
金と特権的技術独占に物を言わせて敵国の非戦闘員を大量殺戮することが犯罪だというならそれはその通りなのですが、「核兵器そのものを非人道的で不法と見なす」というなら、それこそ拳銃や小銃、軽機関銃などの軽火器や、榴弾のような破片兵器の方が、怪我人と後天的障碍者を大量生産するという意味で、非戦闘員も含めて無用な苦痛を与える非人道的かつ不法なものだと思います。条約に参加している国も軍のみならず警察などでもこの種の武器・兵器を装備していると思うのですが、そちらを規制する気はないのでしょうかね。害獣駆除ならそれこそ対物狙撃銃でよいでしょうし、犯罪者の制圧や逃走阻止ならば閃光・音響兵器や車のウインドシールドを破壊する程度の爆発物でよいと思います。核兵器など、上手に使えば死者しか出さないという点でむしろ人道的でしょう。もちろん、そんな人道があってたまるかというのはその通りですし、数年はその場所に問題が出るという点では使われた方はたまったものではないのですが、それなら人を殺傷するという意味では通常兵器も似たようなものですし、不発弾や金属汚染だって迷惑です。

■2021年01月21日（木）　 むしろ均衡財政論者の罪でしょう
超緩和にのめりこむ日銀の罪　株高ブームに落とし穴は？
落とし穴は当然あります。株式市場での売買が活性化するということはボラティリティが高くなるということなのですから、大きな売りが出れば暴落するでしょう。とはいえ日銀が買い取っているような投資信託の類は、本来収益性が株価の上下で決まる筋合いはない商品です。投資信託商品の買い手の資金を信託を受けた投資事業者が分散投資を念頭に長期運用するものであって、短期の回転売買で利益を出すようなものではありません。収益性は投資先の企業の業績で決まり、株価はファンドの資産総額に影響するだけです。その例外がETF、つまり株価指数連動型投資信託であり、これは市場の株価指数に連動するように短期の売買を行うという方針の投資信託(というか正直投機信託だと思うけど)で、これは株価指数に追従させるがゆえに収益性が株価の変動に依存します。
株価指数連動型投資信託も含めた株価依存の資金運用は、そもそも株式市場の機能を劣化させるものであって、それで株式投資家(もはや株式投機家と言うべきですが)が踊っているとしてもそれは投資家の罪であり、日銀の金融緩和の問題ではありません。日銀に投資信託商品を売ったお金で非公開企業の株や新規発行の社債を買うことが期待されているのであって、それで流通証券を買って乱高下で損をするというのは自業自得です。また日銀の金融緩和が証券市場を踊らせているのは政府の国債発行や自治体の地方債発行が不足しているからでもあります。せっかく金利が下がっているのですから、借り換えでも新規起債でもして日銀の発行するお金を吸収し、事業に使えばよいのです。株価が上がっているということは企業には資金需要がないわけですから(あるならここぞとばかりに新株を発行するはずです)、発行した債務の返済には法人税なり、利子や証券売買についての所得税なりを増税すれば済みます。企業は税金を取られたくないなら賃金や配当を増やして収益を関係者に還元し、現金が必要なら増資によって低コストの資金を調達すればよいでしょう。投資家も、儲けた金で上場株や株価指数連動型投資信託など買っていないで、自分で事業を起こすなりまっとうに長期の投資をするなりすればよいのです。そうしてくれれば、わざわざ国や地方自治体が債券を発行して事業を行わずとも済みます。
投資家がおバカなのは今に始まったことではないですが、だからといって日銀に責任を押し付けるのは間違っています。金融政策は強力ではありますが、万能ではありません。金融政策の窓口である中央銀行も、貨幣のボリュームはある程度調節できるにしても、投入した貨幣の流通までは制御できません。それができるのは財政政策です。そして財政政策は日銀の管轄ではありません。

8年たっても「時期尚早」　総裁が感じた切なさと心強さ
株価はともかく、経済指標ではインフレの傾向が出ていないのですから、金融緩和の中止とは言えないでしょう。むしろお金を証券市場から汲み出すところまで中央銀行の管轄だと思う認識が間違っています。またここでフォローの見込みもなしにお金のボリュームを絞ろうものなら、株価と連動して経済自体が縮小しかねません。株価の下落で経済ショックが発生しかねないというのはまさに記者が懸念している通りであるわけで、証券市場という金融の仕組みの不具合ではあります。とはいえ日銀の手札には投資の促進策は通貨の供給およびその結果としての金利低下しかありませんし、投資先がないのも日銀の責任とは言えません。また本来、市場構造や金融ないしは投資システムといった問題は金融庁あたりが日銀と経産省や農水省、国債が絡むなら財務省、地方債が絡むなら総務省を引っ張りこんで政策立案をする類であって、日銀総裁だけがどうこう言っても仕方ないものです。また金融機関のリスク管理にしても、今さら法務省を引っ張り出してくる必要はないにせよ、国のバックアップで金融機関からお金を流すなら(株式が投資を流す回路として破綻しているので、融資の回路しかありません)、金融庁が関わるのは当然です。
それを日銀ばかりつついているのは、いささか頭の悪いことだと思います。

■2021年01月21日（木）　 変な仕組みは止めさせてしかるべきだとは思いますが
欧州委員会、”おま国問題”でSteamのValveなどに制裁金
EUはジオブロッキング（おま国）を許さず。Steam運営企業などに約10億円の罰金
というか、これ、「EUエリア内で」制限をかけてはならないという趣旨なのでしょうか。ゲームタイトルの前にDVDやBlu-Rayのリージョンコードを問題にすべきだと思いますし、サプライヤーの前に規格団体を規制すべきだと思うのですが。まあ、欧州で出たタイトルはリージョン制限がかかっていないタイトルも多いですけどね。信号がNTSCではないので再生できないハードウェアが多いですけど。

■2021年01月21日（木）　 おもちゃであっても法律上規制されるべきものはあるのですが
イーロン・マスクの火炎放射器、世界各地で問題の火種に。現地の法に不適合、没収も多数
まあ、国というか、特に欧米では地方自治体の権限が強いので、市や県の条例で禁止されていそうですね。除草機なのだとしても、広大な庭にスプリンクラーまでついているような田舎はともかく、建物の密集した市街地では火災の危険がありそうです。そんなものを使って火災を起こしたら、放火容疑は免れないでしょう。
なお日本でも、他所の国ではおもちゃであっても所持規制を受けるものはあります。例えばエアガンや一部の大型刃物の場合、米国では遊具や庭仕事用で通用しても日本では銃刀法に触れる場合があります。当然、おもちゃだと主張したところで、持ち歩けば逮捕されますし、所持が発覚した場合も没収や取り調べは免れません。なので「あなたは本当にこのおもちゃで米国人を刑務所に入れ、世界に知られるニュースで話題になりたいのですか？」というのは理不尽な言いようであって、わが国では違法だで済むことです。まあ、外国人観光客のおいたなので、ブツは当然没収として、執行猶予を付けた上で強制送還、入国禁止指定で十分ではあるかもしれません。

■2021年01月20日（水）　 浅い記事だなあ
電通本社ビルの売却検討、3千億円規模か　本社移転せず
アナウンスもないのに報道するのなら、もう少し突っ込んで調べた記事にできませんかね。
こういう話の場合、オフィス面積の削減により、保有コストを払って賃料を受け取るよりも現金化したうえで(それこそビルを建てる際の借り入れを返済してしまって)賃料を払った方がよいと判断したか、賃料の負担が生じるとしてもまとまった額の現金が必要になったかということになります。オフィスの占有コストを削減し売却による収入で赤字を圧縮したとしても、それこそ借り入れを減らすことで金利負担を減らしたとしても(借り入れで補えない財務基盤の強化というのはそういうことだと思います)、売り上げが改善しない限り賃料も含めてお金が出ていく構造は変わりません。また本来空室にした分を貸し出すことで賃料収入が得られるはずですが、それをしないで売却するということはできた空室をさばききれないリスクが大きいとみなしたことになります。そんな物件をどこがいくらで引き取るかも問題です。どのような経営改善策の一環としてビルを売却するのか、そもそも見込み価格で売れるものなのか、そこをちゃんと突っ込むべきではないでしょうか。

こんな記事も出ました。

■2021年01月20日（水）　 そろそろコンビニもないようなところを走るバスにはカード精算機を常備してくれないかな
バスに乗ったら五千円札と万札のみ、硬貨も一円と十円数枚のみというのは、たまにありますが、なかなか窮する状況でもあります。まあ、回数券は売っているので良いようなものでしたが、さすがに今更特定のバス会社の回数券を5000円分買うのかという問題はあります。
もちろん、高額紙幣の両替を準備しないというのは理解できます。対応していたら千円札がいくらあっても足りません。とはいえソフトドリンク一本を買って千円札や小銭を作るというのは、今時コンビニでもなければ憚られるものがあります。というか、コンビニでもレジ担当の視線が痛いです。
今時高額紙幣の必要は薄れたと思うので、二千円札、五千円札、一万円札の流通を廃止するのは手だと思います。金融機関窓口と店舗のレジで出てこなくなれば、庶民が高額紙幣を使うことなどまずありません。高額紙幣を使うような支払いは今ならまずクレジットカード払いでしょうし、高額決済においては為替でも小切手でも通用します。
とはいえ、せめて交通系ICカードに対応してくれるとありがたいことも事実です。スイカっておいしいのかななどというレベルの地域で決済用ICカードに対応するのは、どのみち現金払いがなくならない以上は事業者としては抵抗があることだとは思いますが、乗務員を余計なトラブルへの対応から守るという点でメリットはあると思うのですが、いかがでしょうか。まあ、チャージ忘れで車内チャージへの対応の要望が出てくるだけだという話もあるのですが、車内チャージに頼るような人は千円札くらい常に持っているものですし、回数券と異なり、交通系ICカードであればチャージしても(メジャーなカードなら)流動性が高いため、釣銭がでなくても問題は起きにくいと思います。また千円札すら持ち歩かないような人は、自動チャージを利用しているでしょう。車内で無記名カードの発行を受けて、デポジットと数十円の残余額を放棄するのに抵抗は出るかもしれませんが、それならあらかじめちゃんと崩してから乗ればよい話です。
経営的に厳しい零細バス会社にカードの加盟費と設備投資は大変だとは思いますが、運転手がひっ迫していると言われる状況だけに、運転手の労働条件向上と思ってもらえないものかと思います。

■2021年01月19日（火）　 次はMVNO向けの利用料引き下げかもしれない
武田大臣が暴れてスマホ料金は下がることになったが、もはやキャリアの乗り換えがムダな行為のような……
まあ、そうですよね。武田総務相のPovoへのコメントは明らかに言わされていますし、あそこまで並んでしまうと乗り換える必要を感じなくなるというのはその通りです。
次に動きがあるとしたら、まず一つは5Gが十分展開されたタイミング、もう一つは回線のホールセール価格が下がった場合でしょう。5Gは言うまでもありません。特に介護施設のような荷物の持ち込みに制約のある状況でのQoLの向上やリモートワークないしはノマドワークにおいて、5G回線が前提となる可能性があります。またホールセールなら小売りにかかるコストが不要な分もっと安くできるはずといった理由でキャリアに対してMVNO向けの卸価格低減の圧力がかかった場合、それこそ20GBの枠で1000円台のプランが出てくる可能性があります。そうなれば乗り換えの動機が生まれるでしょう。

大手値下げに“なす術なし”　格安SIM各社、総務省に緊急措置を求める
「1つ目はデータ通信の接続料の可及的速やかな引き下げ、2つ目は廉価プランと同じ条件で競争できるルールの整備で、接続料が妥当な水準かどうかを検証するスタックテストの導入などを求めているようです。

そしてもう1つは音声通話の低廉化に向けた取り組みの加速です。」
ということで、こう言ってくるのは当然なのです。というか、大手に値下げ圧力をかける際に一緒に手配してしかるべきなのであって、接続料などMVNOの都合から考えれば接続1契約年間一千万円固定でもよいくらいでしょう。また音声通信用の(無線)通信などというものもそろそろ法律で禁止すべきで、完全にIPフォンにしたうえで音質や遅延などの問題を技術的に解決すべきです。

武田総務大臣、接続料の低廉化は「スピード感をもって進める」
是非スピード感を持って進めていただきたいものです。

■2021年01月16日（土）　 何で北海道まで鉄道(と高速道路？)を通すのか
「第2青函トンネル」実現の可能性は？　“2階建て”構想の深度化に期待
「やるのだとしたら」、この記事の提案は妥当だとは思います。トラック＋フェリーや飛行機で運ぶよりは大量の貨物を高速かつ安価に運べることが鉄道のメリットであり、市場としても首都圏との往復が中心となる以上、どうみてもトラック輸送主体のトンネルよりも貨物鉄道中心のトンネルにして貨物列車を高頻度で通す方が、北海道の産業には貢献するでしょう。
ただし、それは「やるのだとしたら」です。提言の主体を見る限り大型土木プロジェクトで潤う業界の利益団体であり、受注して作ってしまえば償還や有用性など気にしない類に見えます。新たにトンネルを掘って運賃が飛行機並みになってしまえば意味がありませんし、国鉄でもあるまいし、償還も考えずにインフラ整備費用を引き受ける余力は道にも国にもありません。むしろ、利益など上がるのかどうか怪しい北海道新幹線を廃止し、北海道と本州の旅客輸送は飛行機と船に集約して、青函トンネルはコンテナレベルの貨物輸送専門にした方が、当座のパフォーマンスは上がるのではないでしょか。もちろん本州に渡ってからどうするのかという問題はありますが(なにしろ首都圏までの太平洋側鉄道路線は第三セクターをまたぐことになる)、ちょうどJR東日本も盛岡以北の東北新幹線の運用に困っているはずで、しかも函館新北斗までは新幹線規格の線路が通っています。別に青森や盛岡や仙台に止まって荷物扱いをする必要はないのですから、八戸〜いわて沼宮内間のどこかで新幹線規格の貨物新線に分岐、都内も豊洲まで新線をひき、北海道内の長距離路線は三線軌条方式で新幹線規格にしてしまえば、新トンネルよりもはるかに安く、迅速に整備できそうなものです。北海道側の路線は室蘭本線〜石勝線〜根室本線と日高本線であり、旅客の要である南千歳〜札幌にはかかりませんから、この際JR北海道には不採算路線から撤退して札幌近郊鉄道および千歳空港アクセス交通になっていただき、道内の広域鉄道ネットワークは貨物中心、各都市の近郊旅客需要については自治体が貨物列車の間合いを見て旅客列車を運行する形でよいのではないでしょうか。どうせ日本のどの主要都市からでも北海道まで飛行機で飛べば搭乗待ち時間を入れても3時間もかかりません。テツとしては青函トンネルを旅客列車が走らなくなるのは悲しいかもしれませんが、それならそれで観光列車として、青森から半日かけて貨物列車に追いこされながら函館まで走る列車を運行するだけのことです。長距離列車のビジネス需要など誰も期待していないのですから、観光需要なら一日二往復も走れば十分ですし、むしろ各駅に停車する方がその筋の観光客受けするでしょう。頻繁運転していないと乗り潰しは大変ですが、それこそ夏休みの目標にでもして、お盆込みで二週間のバカンスでも取って乗り潰してもらえばよいのです。また乗り潰すだけなら、シーズンに合わせて停車時間を十分とった列車を運行してもいいでしょう。青森〜札幌間なら450kmですからどのみち長距離切符による途中下車出場が可能ですし、企画切符として乗り降り自由な切符を期間限定で売ってもよいのです。また観光客の周遊にしても、道内の空港からアクセスの便宜をはかれば済むことで、それこそ線路を借りて列車だけを走らせて飛行機と組み合わせる会社でも作ればよいのです。昔と異なり、そのあたりのノウハウは日本でも十分蓄積されています。
移動に制約が出ているこの際なので、午前0時くらいの宇都宮貨物ターミナル到着に合わせて東北新幹線に函館新北斗〜宇都宮の直通貨物列車を通してみてはどうでしょうか。保守間合いにしてもその分は、コロナ対応とでも称して旅客列車の最終を繰り上げ、始発を遅らせれば都合できるはずです。まあ、車両側の対応が必要ですけどね。それでも、高速で定時性の高い定期貨物列車に需要があるということになれば、本州に新幹線規格の貨物新線を作るかどうかくらいは判断できるはずです。旅客列車を改造してバラ積みするよりはよほどまともな話ではないでしょか。
もう一つ、有事に36時間以内に陸上自衛隊の第七師団を福岡県に、24時間以内に第1師団と戦車教導団を稚内、根室、網走、福岡に完全充足状態で展開できると言えば、防衛省がお金を取ってくれるかもしれません。その場合、北陸防衛も絡むので、道内と新青森から糸魚川まで、金沢から新下関までも引いてくれるかもしれません。また博多か八幡の近辺に海上自衛隊の港を誘致すれば、対馬防衛も狙えるでしょう。また貨物用の足回り部分も補助してくれるかもしれません。さすがにミサイル防衛は、いざとなってから移動させても遅いので、パトリオットPAC3を一個大隊運べるくらいではお金は出ないと思いますが。
まあ、特大型運搬車が最高速度を発揮できる高速道路網の整備と競合しますけどね。

北海道新幹線、空席使って荷物運び　佐川急便などが実験
まあ、出てくるべくしてという気はしますが、正直新青森以北を全面運休にしてピストンでコンテナ輸送をした方がましだと思うんですけどね。いや、札幌まで行くなら別ですけど、函館新北斗まで、しかも障害物がある状態で人力で固定して回るというのは、実験ならまだしも実用的ではないです。高速鉄道を使ってどこまで廉価で迅速な輸送ができるかの実証実験でしょうけど、貨物なんてターミナルでの荷物扱いや付け替えで時間がかかっているわけで、専用線でしかも電車式であれば速いのは当たり前です。荷物扱いを迅速化するためのコンテナであり、コンテナ台車なのです。それが二軸ボギー台車と冷房付きとはいえばら積み貨車に先祖返りしてどうするんでしょうか。

■2021年01月15日（金）　 民主党だって似たようなものですが
トランプ氏、米国の民主主義に傷　「暴力容認」見え隠れ
正直、それを言うなら右派をまねたように左派が狂奔している「排除容認」はどうなのかと思います。ピューリタン革命でもあるまいし、議会に敵対してくる大統領に排除をもって対するというのは、おそらく憲法が最悪の事態として想定したレベルでしょう。それを上院も含めての十分な多数派工作もせずに下院だけで押し切るというのは、アレクサンダー・ハミルトンあたりが見たら嘆くのではないでしょうか。
トランプ氏がどうというより、ペロシ議長を含めて、権限と実力さえあれば、みんなクーデターでもデモ隊排除でもやりそうに見えます。
大勢でワシントンDCに押しかけて圧力をかけようという発想自体は、歴史的にも馴染みのあるものですしね。

■2021年01月13日（水）　 7かい！
フランス空軍、戦闘爆撃機「Mirage 2000D」“改”を納入。後部コクピットはWindows 7?
まずタイトルが、フランス空軍が戦闘爆撃機を納入したのではなく、納入を受けたんですよね？ならば、「フランス空軍に戦闘爆撃機「Mirage 2000D」“改”が納入。」でしょう。
それでネタの方で、この時期にWindows 7ですか。そりゃ記事にしたくもなります。枯れてはいると思うので、デバイスドライバ部分さえちゃんと作ってあれば、不意にこけるリスクは10より少ないとは思いますけど。8は問題外でしょうし。でもまあ、改修計画の方が2015年以前だったとかいう理由なのでしょう。

■2021年01月13日（水）　 個人でも株式会社でもなく有限会社というところが
トゥクトゥクで横浜めぐり　白タク容疑、男を書類送検
発想はわからないでもないのですが、脱法行為をするならもっとちゃんと詰めないとダメでしょう。原動機付三輪車は道交法上は自動車に当たるようで、当然旅客営業輸送を行うならタクシー扱いになり、二種免許と営業許可を持って安全基準に即した車両で行うことが前提になります。
有限会社ということはそれなりに昔からある会社のはずですが、意欲的な素人が起こしたゼロ円株式会社でもあるまいし、なんでまた「写真撮影料」などという微妙な言い訳を考えたのでしょうか。

■2021年01月13日（水）　 官僚が当事者意識を持つ方がおかしいとは思いますが
神様だと思った人たちが…自信なく「これは合憲らしい」
まあ、本来各省の官僚が法制局の補助なくできてしかるべきなのですが、行政として整合した見解を出すためという名目で内閣法制局があるわけです。もちろん内閣自体が政策決定機関とされ、その内閣が法解釈の専門家でない人ばかりで構成されている以上、法務顧問というのは必須です。まあ、政権が変わったのに同じ人がやっているようなことかという話はあるのですが。
もちろん解釈を最終的に公認する権限は最高裁判所にあり、内閣法制局自体は政策実施に当たって暫定的な解釈を提示しているにすぎません。とはいえ法解釈の齟齬で裁判所から突っ込みが続発するというのもまずいので、裁判所を説得できる程度の理屈をこねる必要はあります。
一方国会で内閣法制局が法解釈について答弁するというのは、おかしな風習だと思います。本来体系として整合した法解釈を作り上げることを含めて国会審議であり、国会に議案を提出する人は法解釈論ができてしかるべきです。でないと既存の解釈をはみ出すような政策を実施しようとしたときに責任を持って解釈を変え、あるいは拡張することができません。それができていないから、親方日の丸官僚が法解釈の専門家として出張った挙句に自信のない解釈を講ずる羽目になるのです。

■2021年01月12日（火）　 処分すればいいというものではない
河野氏、出勤削減に言及　虚偽報告なら「上司も処分」
本人だけ処分するよりはよほどましですが、そもそも出勤せざるを得ないような業務を整理削減するべきで、それがないと職場が結託しての出勤隠しや問題のある持ち帰り残業が起きます。

■2021年01月12日（火）　 厚生大臣としてはともかく労働大臣としては無責任ですね
「昼飲み、いいわけがない」　田村厚労相が自粛呼びかけ
そりゃ、飲み「会」や客数重視の店での飲みが良いわけはありません。昼だろうが夜だろうが同じです。そこは常識的に判断できてしかるべきです。
とはいえ、店だって短縮営業すればよいというわけではないことは、労働行政を担当する大臣としては理解していてしかるべきです。短縮営業ということはその分売り上げは減ります。もちろん仕入れも減るはずですが、単純計算というわけにはいきません。全体的に商いのボリュームが減った場合、そもそも仕入れができなくなったり、単価が上がることがあります。それでも流動費ならまだましですが、固定費は短縮営業だからといって減りません。だからこそ、昼営業を訴えてでも売り上げを確保しないといけないわけで、売り上げを出すとなれば人件費もかかります。このあたりだって、労働政策の担当者であれば常識でわかってしかるべきです。昨日今日起こった問題ではないわけですから、労働政策担当として雇用についてのソフトランディングの方策くらいは用意できているのがむしろ当然です。そこにはどう労働力を移動させ、賃金のボリュームを確保するかということも含まれます。そこを棚に上げて飲む方が悪い、飲ませる方が悪いというのは無責任でしょう。

■2021年01月11日（月）　 ベースロード電源以前に供給余力が足りてない
西日本の電力需要が冬季過去最大に　業界、節電呼びかけ
このありさまでエネルギーを再生エネや原発に移行するというのがどうも信じられません。再生エネにしろ原発にしろ要は電気です。供給が不安定な再生エネはもちろん、水力にしろ原発にしろ、火力のバックアップを受けても投資の効率性から供給能力にはさほどの余裕はありませんし、送電能力にも限界はあります。とはいえたかが猛暑や寒波程度で節電を呼びかける羽目になる設備容量では、問題があります。
現在開発が進んでいる電源で貯めておいて必要に応じて使える系統のものは燃料電池くらいで、後は安定供給にしろ供給余力の確保にしろ、余剰設備か蓄電設備が必要です。設備容量を年間のトータル需要だけで見積もると、送電設備の過負荷や課題需要による電圧降下が起きるわけですが、エコだ炭酸ガス排出削減だなどと叫んでいる人たちはそのあたりをちゃんと考えているのでしょうか。

電気代が数倍？　電力取引価格の高騰で「市場連動型プラン」がピンチ　対応に追われる電力小売事業者
でまあ、こういうことも起きるわけですが、そもそもなんで小売りが対応するのかが気になります。
まず市場連動型という以上、何らかの市場価格指標に応じて電力単価が変動することは織り込み済みです。当然、利用者はそのリスクを受け入れてプランを契約しているはずですし、リスクが大きいと思えば何らかのヘッジを自分で講じることが期待されます。つまり小売りとしては「電力価格は上がったり下がったりするものです」と言って何も対応しないのが「正しい」のです。
それが対応を打ち出してくるというのは、おそらく顧客に対して電力料金低減策としてこのプランを提案し、何らかの形で価格保証と取られるような説明をした可能性があります。ちなみに、リスクのあるものをリスクを過小評価して素人に売る行為は普通は違法です。それこそ1980年代に問題になった証券業界の素人向けのハイリスク商品販売などはその典型です。補填行為も問題視されるのですが、虚偽説明を認定されるリスクに比べればさっさと過失を認めて需要家を補填で宥めた方がまし、という考え方もあります。それこそ透明性には欠けるのですけどね。

本日灯油を買いに行ったところ、原油価格は上がっているとか。まだ灯油価格に波及した様子はありませんが、予断を許さないようです。

1/25 本日時点で灯油価格が少々上がっていたようです。

■2021年01月11日（月）　 スガーリンというか…
「ガースー」から「スガーリン」へ
あのポスター、ひどいですもんね。いや、スターリンや毛沢東のポスターの方がまだしも見やすいくらいで。景観保護の関係で問題があるように思います。
退陣したところで同じようなのが出てくるだけなので、後継選びで揉めてさらに決められない政治になることがわかりきっている以上、何とか緊急事態宣言を終結させるまで持ちこたえた方がよいと思いますが、ここのところ広報関連で滑りまくっているのだけは最低限何とかした方がよいと思います。誰の趣味だか知りませんが、不気味と間抜けでは政治家として評価のしようがありません。どうせ絵面では親しみなど持ちようがないので、厳しめだが信頼できそうなパターナリスティックなオヤジ系で攻めるとか、雪かきでもしてみるとか、もうちょっとましな方向性を考えてほしいものです。

■2021年01月11日（月）　 Twitterくらいしか使えない人を想定すべきではない
トランプ氏のアカウント停止　表現の自由に反しない？
SNSのアカウント停止・強制削除程度であれば、便益とのバランスを考えるまでもなく、表現の自由を侵害したことにはならないと思います。
表現の自由は、大きく、表現を創作する自由と創作物を公論に示す自由に分けて考えることができます。もちろん表現の自由としてはこの両者が一体になって扱われるべきですが、議論の便宜としてはそのような分け方は可能です。
SNSのアカウントを使えなくされた場合でも、表現を創作する自由は全く制約されません。誰も創作物を検閲しているわけではないからです。
アカウントの停止によって侵害されうるのは創作物を公論に示す自由ですが、この自由が問題になった18世紀は、その対象は広場での演説と印刷物の配布であり、これはいずれも、特に公権力によって禁止されてしまうと、公論へのアクセスが不可能になるものでした。一方SNSは私企業が開設したサービスでしかなく、アカウントの停止は新聞への投書が掲載拒否された程度の話でしかありません。同様のサービスを開設することは理論的にも、またトランプ氏あたりなら実力の上でも可能であり、公論をそこに形成する(つまり人を集める)手段にしても、それこそ「ドナルド・トランプがそこでコメントを発している」と知り合いが既存のSNSなり自前のブログなりで書けばよいだけのことです。つまり代替手段を講じることが十分可能なので、アカウントの停止は表現の自由を侵害するような行為とは言えません。
特定の公的機関(例えばアメリカ合衆国大統領)が開設しているアカウントの場合、むやみに停止することはフォロワーの公的機関へのアクセスを侵害する場合があり得ますが、そもそも安上がりだからと言ってSNSで発表を行うこと自体が不精、怠惰と言うべき行為で、真面目にインターネット経由で発表を行いたいならせめて通知アプリの配布くらいするのが筋です。その上で、補完的な手段として各種のSNSを使うことは構わないでしょう。
とはいえ、そのようなSNSのサーバーからの回線の接続を言動を理由に回線事業者が拒否した場合は、表現の自由の侵害となりえます。

トランプ氏SNS停止、露見した「想定外」　米欧で議論
確かに言動を理由にSNSから排除された場合、普通の人なら知り合いとの連絡すらつかなくなる状況もあり得、問題ではあるのですが。
SNSが「公の場」を作り出すことを標榜していたこと自体は否定しがたいのですが、一方でそれは、印刷設備や受信機の存在を前提にした放送設備、あるいは酒場や掲示板運営者とのコネといった独占的に公の場を設定する背景を持たなかったことも重視してしかるべきでしょう。TwitterにしろFacebookにしろ、Webやブログの後に出現したインスタントメッセージングサービスです。その前にもIRCのようなインスタントメッセージングは存在しましたが、TwitterにしろFacebookにしろまずはHTTPとHTMLを前提としたメッセージサービスとして出発し、スマートフォンの普及に伴ってアクセス用のアプリを整備しています。つまり、ホームページやブログのオルタナティブとして出現しているのです。ホームページにしろブログにしろ公衆を集める機能を持たない以上、そもそも公衆へのリーチを持たない人がこうしたメジャーなSNSへのアクセスを規制されてしまうと言論の自由の侵害に当たるのですが、あるていど公衆へのリーチを確保できている発信者(多数のフォロワーを持つトランプ氏などその典型例です)であれば、SNSを「卒業」すること自体はさほど難しくありません。
また、公の場といっても、SNSを含むIT企業の考え方は少なくともオールドメディアの関係者の常識とは相当に異なります。
前述の、資金、設備やコネといった参入ハードルを前提として、訓練を受けた人がレビューの下でハードルを越えて言論活動を許されるというのがチラシに始まるメディアの前提でした。しかしこの前提は20世紀に入ったところで溶解を始め、印刷設備や放送設備の陳腐化と商業メディアの広域配信網への収斂を両端として、20世紀後半にはいくつかの軸に沿って分解してしまいます。雑誌や新聞の出版なら同人誌と広告を大きな財源とする商業誌への分解やコミュニティペーパーと商業紙への分解です。また素人と貴族的なジャーナリストへの分解もそうでしょう。
IT業界でメディアや人の間での情報伝達のシステムを立ち上げよう、情報伝達に価値を見出そうとする人たちの多くは、この状況を腐敗と見做し、どちらかといえば同人誌やコミュニティペーパーの側からメディアを実現しようという傾向があります。研究所以外でのコンピューター関係者など、技術者コースをドロップアウトしたヒッピーやアンダーグラウンドなホビーストだったわけですから、1960年代から70年代という背景の中で権威的で既成の権威に都合の良い情報しか流さないオールドメディアへの反発というのもあったのでしょう。彼らのほとんどは高等教育を受けた知的エリートであり、あるいはそのエリートのサークルの中で伍していけるような早熟な子供たちで、レビューに耐える文章を書いて公開するという行為に特権的な資格を見出さなかったということもあるかもしれません(新聞の論説を読んで「この程度の文章でいくら取ってるのやら」と思ってしまえば地位への敬意など感じなくなるのは当たり前です)。彼らにとっては、拠点を立ち上げるハードルを下げることで、排除されても分離できるようにすることこそが言論の自由の保障であり、また見るに堪えない罵倒も含めて過度のモデレーションを課さない場こそが自由だったのだと思います。もちろん程度の低い言説や攻撃的な言動、場の趣旨にそぐわない話題を制約するようなコミュニティもありましたが、それはむしろ場の秩序を共有する人の中で閉じてしまうのがふつうで、それを共有しない人の排除を言論の弾圧と考えるようなメンタリティはありませんでした。

トランプ氏ツイッター凍結　「表現の自由」との関係は？
そもそも政府が公的な広報活動をTwitterですることが適切なのかを問わないといけないのではないでしょうか。

トランプ前大統領、ひとりでツイートのような投稿をするWebサイトを開設
これが正解です。そもそもふぇーすぶっくだのついったあだのの中にメッセージが閉じ込められているのが問題なのであって、こうした個別のメッセージングシステムの上のパブリックメッセージがリンクで結びついていく形こそがザ・インターネットとして正しいモデルです。なおプライベートメッセージはメールのスタイルでは間抜けなのであって、「通信の秘密」モデルに基づき受信者が送信元を特定できる形で暗号化されてコンテナに収納されたうえで配送されないといけません。この点で、解除可能とはいえエンドにおいて暗号化されるラインのモデルは正しいのです。ただまあ、即時配信と既読通知はニーズとはいえろくでもないと思いますけどね。
なお、問題はこのメッセージを自動的にプルするアプリをストアに上げた場合AppleとGoogleが承認するかどうかです。いかにトランプ氏のメッセージがあれとはいえ、犯罪被害者をスカウトするものとは言えないと思いますので、流れるメッセージを理由に却下した場合それこそ言論の自由を侵害したことになると思います。二社がどう取り繕い、自己正当化するかが、どのような判断をするにしろ気になります。穏便に済ますなら年齢でレーティングをかけた上での承認なのだと思いますが、抗議された場合、政治的メッセージを受信者の年齢を理由に制約できると主張するのは結構難しい気がするのですよね。まあ、街宣車の類だと思ってしぶしぶ認めるしかないのではないでしょうか。

トランプ氏アカウント凍結は「妥当」　FBの独立監視委
トランプ氏、FBは「代償払う」　アカウント凍結を批判
Facebookの判断は合理的なものだと思います。もちろん影響を懸念して「無期限の停止」という暫定的な措置をとったことを含めてで、その上で
「ただ監視委は、FBが利用者に科す通常の罰則は、「規約に違反した投稿の削除」や「期限つきのアカウント凍結」、「ページとアカウントの永久的な無効化」などであり、トランプ氏への「無期限の停止」という措置はあいまいで基準に基づかず、不適切だとも判断した。そのうえでFBに対し、6カ月以内に、他の利用者に適用されるものと同様の措置をトランプ氏に対しても出すよう検討すべきだと結論づけた。」
というのは妥当でしょう。どうせ代替手段はあったわけですから、Facebookから追放された程度で言論の自由がどうこうと言うのは当たらないのです。
とはいえFacebookは、この後「ページとアカウントの永久的な無効化」あたりに向けて、トランプ大統領の記念団体あたりと、データの扱いについて協議するというハードルが待っています。無視するわけにもいかないでしょうし、かと言って復活することも問題があります。まあ、大きくなりすぎたことに対する税金のようなものだと思ってあきらめてもらいましょう。

■2021年01月10日（日）　 AWSから排除とはまたリスキーな話で
米保守層に人気のSNS、一時停止へ　過激な投稿が継続
AWS、トランプ支持者のSNS「Parler」へのサービスを1月10日に停止
なんというかアプリのダウンロードはともかくレンタルサーバーから追い出されたというのは気の毒ですね。保守過激派が集まったSNSのサーバー委託先がAWSだったというのは、ありがちではありますが笑えてしまいます。
とはいえ、Amazon.comも何を考えているのでしょうかね。もちろん運用しているサーバー上で右派が反乱の謀議などしていたらうれしくはないでしょうが、そこは見ないふりをする、気にしない程度には大人のはずです。自社の看板が出にくいだけTwitterや各社のアプリストアのような強硬措置を取る理由も少ないでしょう。それがコンテンツを問題にして利用者(SNS運営者)の排除に至ったというのは、普通に考えれば圧力がかかったということになります。経営陣が利用者を嫌ったパターン(「SNSでの投稿に対するIT企業の厳しい姿勢が顕著となっている」という方向性)でなくても、大手メディアや大口顧客からサービスの提供によって反社会的勢力を支援しているなどと言われれば営業に問題が出るわけで、「ネット上から表現の自由を完全に取り去ろうとするものだ。巨大IT企業による連携された攻撃で、市場での競争をなくそうとするものだ」と言われても「御社のWebサイトには最近、暴力的なコンテンツが確実に増加してきており、これは弊社の利用規約に反している。ParlerがAWSの利用規約を順守できるような効果的な対策を持っていないのは明らかだ」くらいは言わざるを得ないでしょう。著作権侵害がらみとはいえ、レンタルサーバー屋や回線屋が叩かれた事件は記憶に新しいものです。その意味で、善意の圧力団体というのは大変に迷惑です。
まあ、自前でサーバーくらい運用しろという話はあるのですが、その場合今度は回線屋に排除されるとどうにもならなくなります。組織犯罪なども含めて、坊主の袈裟までとは言わないまでも、銀行や通信屋などの建前に弱いところを攻撃して兵糧攻めにする傾向があるので、プラットフォーマーが自由をどうこう、ダークウェブがどうこうなどと言う前にインフラは犯罪には使わせないなどという狭量な発想を何とかできないものかと思います。

トランプ支持者のSNSアプリ「Parler」削除後、一字違いの「Parlor」がApp Storeトップに浮上
それで、こんな余波が出ているようですが、一応メッセージングアプリであることは変わらないようです。
また、Parlerの運営元は自前のサーバーでの運用も検討しているとか。これを機にレンタルサーバーでサービスを運用するリスクが注目されれば、それはそれで得るものはあったということになるでしょうか。

AWSにサーバ停止されたSNS「Parler」、AWSを提訴「政治的敵意によるもので、独禁法違反だ」
でまあ、こうなると。独占禁止法違反というのは、いわゆる間接効果論と合わせて、おそらく「不当な取引制限」や「優越的地位の行使」に該当するという主張だからでしょう。通信品位法を濫用しているという主張もあるはずですが、暴力を煽るようなコンテンツについてはプラットフォーム側が規制すべきかどうか争いがあるため(法文上は規制すべきとなっているものの判例は規制を避けるべきとなっている)、「プラットフォーマーが自分たちを絞り上げている」と訴えているのだと思います。当然AWS側としては、Parlerが通信品位法上規制すべきコンテンツを規制しておらず、これはAWSの利用規定に反すると主張することになります。
とはいえ、プロバイダの責任制限にはこの種のリスクからプラットフォームを開放することで言論の自由を確保するという目的があったはずで、ここで規制の正当性が認められてしまうとむしろAWSの方が恣意的な規制や不作為に対する訴訟のリスクに曝されます。通信品位法といえども言論の自由を制約しえないとしたうえでAWSにParlerの地位の回復を命じ、一方でAWSがそのような判断と対応をしたこと自体は免責し、最低限の賠償で手打ちにするあたりが無難ではないかと思うのですが、さすがにオープンのSNSで品位に欠けるコンテンツを流したとなると難しいのでしょうかね。

トランプ大統領が巨大ITに締め出された事態の重み
おおむね主張に同意するのですが、二点気になる部分があります。
まず一つ目は、どうしてTwitterやAWSがリスクを懸念するに至ったかということです。Twitterはまあ、わかります。あれは投稿がすべてオープンですから。その上でモデレーションでは対処しきれないと判断した可能性はあります。しかしAWSの場合、本来AWSはユーザーのデータをのぞかないはずですし、ParlerがAWSに間借りしていたからといって、AWSがトランプ大統領やParlerを支援しているということにはなりません。気に入らないから保安官事務所を襲おうと呼びかけるチラシを特定できる誰かが掲示板に貼ったからといって掲示板の管理者がどうこう言われる筋合いはないわけで、治安の責任者がチラシを貼った人物を検挙すれば済むことです。企業にとって公序良俗に反する行動が企業の信用に対するリスクである以上、表に出てこない黒子役であるAWSがユーザーの運営するインスタントメッセージサービス上の投稿を気にする理由がありません。それを気にしたとするなら、いささか微妙なタイミングでの判断であることも含めて、外部からの干渉があった可能性があります。そしてこの意味では、自身の責任で運営するアプリケーションサービスではないにもかかわらず違法かもしれないコンテンツを預かってはならないというなら、それこそ企業が検閲を行うことになり、ユーザーの言論の自由の侵害です。ユーザーが保管するコンテンツが違法なものではないと主張する以上、ホスティングサービス事業者は法執行機関の適正な手続に基づいて強制される場合でない限りそれが適法なものである見做してあつかわなければなりません。この意味で、Parler上の投稿を理由にホスティングを拒絶したAWSの行為については、公序良俗との相反という以上の問題があるように思います。正直報道がそのあたりを調査すべきだと思いますが、松村氏は風俗や商品開発、流通が専門のようですので、それこそASCII総研の遠藤氏なり、適切な方が調査記事を書くことを期待しておきます。
二つ目は、仮に自前でサービスを運営することができるとしても、インターネットへの接続だけはどうにもならない、つまり通信会社やISPによる接続拒否だけは自由権への制約の程度が大きすぎるということです。アプリをリジェクトされてもWebでのアクセスはできますし、ホスティングを拒否されても自前でサーバーは立てられますが、接続だけは自前だけではすみません。ユーザーの端末までパケットが届かないのではなにもできません。代替のしようがないのです。本来、Webブラウザや端末のパケット/アドレスフィルタリングもこれに近い問題を引き起こすのですが、今のところユーザーに警告を発するレベルで、あえて接続するユーザーを止める状況ではないようです。もっとも、Apple製品のユーザーは気を付けるべきかもしれません。

極右に人気でAWSに締め出された「Parler」の創業者CEO、取締役会が解雇
変なオチがついたようです。これぞ借金して会社を立ち上げることのリスクというべきでしょうか。出資者を代表する取締役会の前には、代表権があるとしても本来一取締役にすぎない、最大株主でもないCEOなどただの雇われ経営者ですからね。
とはいえ、CEOを解雇して済むのかという気はします。モデレーションをやったところで大手に敵うかどうか疑問ですし、AWSもそれで追放を解くかどうかはわかりません。
もちろん、ホスティングサービスへの対応を誤って事業上のリスクを生じたという点ではマッツェ元CEOには責任があります。AWS追放の時点で、他のホスティングサービスなり自前のサーバーなりで運営継続ができるようにしておかないといけなかったのです。それがサービス停止に追い込まれた時点で、報酬を返上したうえで生じた機会損失を会社に対して全額補償する程度は提案すべきだったでしょう。

■2021年01月09日（土）　 どうせ税を払うのはレジでなんだから税額は表示しなくてもよい気がします
書籍の「総額表示」義務化、なぜ必要？　出版界に危機感
いやまあ、取次を通すのを止めて出荷時に頑張ってシール貼りをすればよいのではとも思うのですが。あるいは商品に価格を表示するのを止めるか。
それ以前に、消費税というのは税率が変わることが前提のはずで、総額表示にしてしまったら問題が出ることは明らかです。これは書籍に限らず、流通というのは不確定な遅延が生じるものであり、その遅延が税率変更日をまたぐことだってあり得るのです。なにしろ小数が絡む掛け算や端数の処理ができない人というのは多いので、総額表示をしないと価格の誤認を招くという主張は理解しないでもないですが、消費税というのは本来対価とは別に徴収されるものであり、基本となる価格と税額は別建てで表示するべきものです。

■2021年01月09日（土）　 安易な態度と低い調査能力の方が問題では
なぜ「こたつ記事」は増えたのか　10年前に作った言葉がにわかに注目を集めた理由
確かに他人のレポートに依拠して安直な記事を作るのはどうかとは思いますが、それを言うなら取材対象や取材で得た情報の解釈を誤っておかしな記事を書いている例も結構あります。それこそテレビ番組あたりにも、ニュースを銘打っているにもかかわらずネットで拾ってきた得体のしれない情報を安易に使っている例が見られますし、正直「街の声を聞いてみました」的なインタビューベースの構成も同じようなものでしょう。まあ、パクリ記事よりは問題は少ないのですが。結局のところ記者の能力やメディアの編集の方向性の問題ではないでしょうか。
「こたつ記事はそこから生まれる価値は低いものの」という言い方は正直感心しません。的確な資料批判と考察に基づいた高い価値を持つ記事というのは、特に物事の流れる方向性をモデルベースで考えるような内容の場合、少なくありません。逆にインタビューばかりはしたものの頓珍漢な内容やインタビューの抜粋でしかない低価値の記事というのも多くあります。「取材」ばかりを重視して調査の本質を見誤るというのは、もちろん近代の報道媒体によくあることではありますけどね。
もっとも、それなりにコストのかかる取材と比べて文献ベースの調査が簡便であることは事実で、特に記事の粗製乱造へのハードルが低い状況では、発行側のコスト意識と相まって、価値の低い記事を文献ベースで量産する書き手が重宝されてしまうことは否定できません。ネット媒体の場合、価値の低い記事でも検索エンジンでヒットしさえすればそれなりに広告収入に結びつくということもあるでしょう。

ところで、新聞記事について調べていた人からの問い合わせをきっかけに書いた記事ということですが、つまり問い合わせをした方はその新聞記事自体からは「こたつ記事」という言葉がどのような由来を持つものかを知ることができず、自分で調査することを余儀なくされたわけで、つまりは新聞社の記事はその言葉をごく普通の言葉として使っていたことになります。にもかかわらずこの言葉は2010年に本田氏が作った言葉ということで、それこそ調べれば由来が明確になる、確認する相手もちゃんとわかるものだったわけです。これはそれこそこたつに入って作った引用だらけの記事よりも、新聞記事としてよほど問題なのではないかと思うのですが。

■2021年01月09日（土）　 みんな貧乏が悪い
siro700@twitter.com 202101081734
そりゃまあ、そうでしょうね。仕事にならないでしょう。
とはいえ保育園はあくまでも公共事業なりの一環としてお子さんを預かっているわけで、感染症蔓延などの非常事態において感染リスクを冒してまで事業を継続することは前提になっていません。子供でも親でもインフルエンザにでも感染すればそもそも預かってくれなかったりします。
子供が侵攻してこない豪邸もなく住み込みでベビーシッターの一人も雇えない貧乏が悪いとしか言いようがありませんね。

保育園の登園自粛、協力したいけど　仕事と両立は無理筋
ここにもそういう話が。とにかく集めて安く上げよう、住居なんか最低限でよいという発想が、他人の都合に翻弄される育児、寝に帰るくらいしか使えない住宅につながっています。みんな貧乏が悪いのです。

■2021年01月09日（土）　 見事に凍った
起きたら、温泉も含めて水回りが完全に凍結していました。冷蔵庫にある麦茶くらいしか液体がありません。まさかと思ったら、やはり夜半に晴れていたようです。面倒でも昨夜一度風呂に湯を張った方がよかったようです。

■2021年01月08日（金）　 陶片にテミストクレスと書いてみる新春議会
トランプ氏の即時罷免を要求、米下院議長「襲撃に関与」
トランプ氏に「即時退任を」　暴動から一夜、各地で集会
いや、まずこの下院議長さんを議員職もろとも罷免した方がよいのではないでしょうか。愚民が愚劣な集会を開くくらいならともかく、弾劾訴追というのは安易にするものではありません。大統領に品位がないからと言って、議会の、それも議長が品位を失してよいはずがありません。

トランプ氏の弾劾訴追決議案、下院に提出「反乱の扇動」
暴徒を煽る程度の影響はあったにしろ、反乱の扇動とまでは言えないと思いますけどね。そこを問題にするなら、大統領退任後に相応の罪で告発すればよいことで、そろそろ議会共和党とは仲直りしておかないと、バイデンさんが就任後に苦労すると思うのですが。

米下院、トランプ氏弾劾決議案採決へ　可決なら２度目
まあ、オストラキズムに走りたくなることもあるということなのでしょう。

ペンス氏、大統領職務停止の手続きせず　書簡で意向
例え言い逃れであるにしても、ペンス副大統領の「「懲罰や（大統領職の）剝奪（はくだつ）」ではなく、大統領の医療的・精神的な無能状態のときのために使われるべきだ」という主張の方が穏当でしょう。議会による弾劾自体、別途選挙によって選出された大統領を同様に選挙によって選出された議会が権力の分立を乗り越えて弾劾するのですから、選挙結果を無効にするのと同様の暴挙であり、安易に行うべきものではないのです。断固として行うべき場合というのはあり、そのため制約は設けられていませんが、上院を説得できそうもないのに下院が訴追するのは理屈が合いません。下院としてはすでに過去の弾劾訴追でトランプ大統領への不信任を明らかにしているのであり、さらにトランプ大統領のパンツを引き下げるだけなら非難決議程度で十分です。

トランプ大統領を弾劾訴追　ペロシ議長「明白な危険」
どこまでいくのでしょうかね？まあ、上院が20日まで棚上げして終わるのでしょうが、だとしても、それを見越してパフォーマンスに走るというのは感心できませんし、大統領職やその弾劾を軽んじているように思います。
この後ドナルド・トランプ氏の市民権剥奪まで動くとでもいうのなら首尾一貫していることだけは認めますが、それで残る政治的怨恨をどうするのかという問題はあります。もはやみんな、何をやろうと二週間すればひっくり返るよねと思っているわけで、議会としては、戦争を仕掛けるような致命的な行動については大統領を足止めしつつ、新政権発足後にごたごたをフォローする下ごしらえをしていくこと、そうするのだとアピールすることこそ大事でしょう。死ぬかと思ったではなく、自分が暴動によって議場で死んでも後に続く者はいくらでもいる、殺すというなら殺してみろというのが政治家の矜持のはずです。

衝撃走った共和党トップ書簡　トランプ氏弾劾、行方は

トランプ氏の弾劾裁判、13日にも評決　無罪の可能性
無罪の可能性というか、有罪にするほどの根拠がないように思います。大統領という公職にあるものとして暴徒を煽るような言動をしたというのはおそらく共和党の議員でも否定する人は少ないのではないかと思うのですが、それが大統領職からの罷免相当かどうかというと抵抗のある人が多いのではないでしょうか。大統領や最高裁判所が議会とある程度緊張した状態になることは憲法が想定していますし、連邦議会議事堂にしろ大統領官邸にしろ最高裁判所庁舎にしろ、暴徒が集合する程度のことも当たり前でしょう。議事堂に突入して議事を妨害することは犯罪だとして、官邸から威勢の良いことを言ったからといって罷免に相当すると言えるかどうか。現在問題になっている程度の言動なら退任後に連邦地方裁判所にでも訴追すればよいことで、正当な選挙で当選した大統領の職を任期中に解くほどの理由にはならないと思います。

トランプ前大統領に無罪　議事堂襲撃めぐる弾劾裁判
弾劾不成立は当然の結果だと思うのですが、面白いのは有罪への投票が過半数を超えたことです。というか、弾劾裁判で決めるのが大統領職から弾劾するかどうかではなく、guiltyかnot guiltyかだというのも不思議なのですが、おそらく共和党として弾劾が成立するとは考えていなかったにせよ、連邦議会に敵対するにしても大統領職にある者として問題のある行動を行ったと判断した上院議員が過半数を超えていることになります。議会による大統領の弾劾、それも退任直前に行われた訴追の退任後の審理という異常な事例で、抑制が効いてなおこの結果という話ではないかと思えます。それこそ連邦議会として法務省の連邦検事局に連邦議会に対する暴動の扇動と連邦議会の業務の妨害の嫌疑で訴追を求めるという決議なら可決された可能性があります。

無罪評決のトランプ氏「魔女狩りだ」　バイデン氏も声明
いやまあ、弾劾訴追自体は魔女狩りだと思いますし、正直民主党の不寛容が怖いですが、「報復」はこれで終わりではないと思います。事がここに至っては、バイデン政権なり民主党なりに、世論に受け入れられる決着を演出する責任があると思いますが、最低でも向こう一年くらいは揉めるんでしょうかね。

北京五輪「外交ボイコットを」　米下院議長が発言
やはりこのペロシさん、トランプさんの同類じゃないでしょうかね。さっさと下院議長職から解任、民主党からも除名した方がよいと思いますが。
だいたいオリンピックそのものからの撤退ならともかく、中国がやるからボイコットって、50年前じゃないのです。本当はそれをするなら2022年冬季五輪開催地の選考過程での中国・ロシア排除であるべきで、2015年の決定時にオスロあたりを手段かまわず押しておけばよかったのです。そもそもこの決定が行われたのは、民主党のオバマ政権時点ですし、中華人民共和国の国威発揚が目的であることはアメリカ合衆国政府もよく承知していたはずでしょう。それを今になってひっくり返すなら、それこそ中期的な感染症対策を進めるために徹底的に大規模イベントを自粛すべきであり、2030年までのオリンピック競技会を全面的に中止することを提言するとでも言えばよいでしょう。中国気に入らないからボイコットとか、小学生ですか。

■2021年01月06日（水）　 多分うっかり企画なんだろうなあ
「また地方格差」　ポケモンGOの「THE NORTH FACE × GUCCI」アイテム配布にプレイヤーから嘆きの声
いやまあ、店まで来てもらうためのプロモーションであって、そのあたりの趣旨を勘違いして嘆いても仕方がないんですけどね。とはいえ店に行くのがはばかられるこのご時世、実施側にもう少し配慮があってもよかったかもしれません。
ポケモンGOで「THE NORTH FACE × GUCCI」アイテムのプロモコード公開　どこでも入手可能に
やらないよりはまし、ならばアイテムを通じてブランドの宣伝だけでもという感じでしょうか。

■2021年01月05日（火）　 「公募」と言えば聞こえはいいがただの泥縄
副市長、月70万円で公募　求む「変革おこす攻めの要」
変革など市議会に任せておけばよいようなものですが、そもそも行政主導の変革を志すのにブレーンなり幹部なりのあてもなしに市長に立候補したわけでしょうか。前任者の辞職に伴い立候補という時点でどこまで深い考えがあるのか疑わしいですが、PLではなく副市長人事に半年もかかっているという時点でおかしいと思います。

給与70万円、副市長公募に1千人超　「想定よりも…」
このタイトルだと給与につられたように見えますが、おそらく想定している人なら数年以内に同程度の水準を見据えている程度の額です。現職を放棄して応募してくるというのは、一応政策実施に関心のある人がそれだけいたということだと思ってよいでしょう(過去の役所との付き合いで業を煮やして変える側に回るという人ばかりでないとよいのですが)。またそのレベルの人なら、多少難しい上司ともそれなりに付き合って仕事ができるのではないでしょうか。
むしろ副市長一人でどこまで動けるかの方が問題でしょう。チームを引き連れて乗り込んでくれば別ですが、一人でパラシュート降下した場合下が動かないことがあります。そこを上手に動かすには、本人の才幹とともに市長の支援が不可欠です。スタッフ系の任命職というのはそのあたりを補うものなのですが、日本では既存のスタッフを活用する方が(特に外部に)好まれますね。

■2021年01月05日（火）　 酒や菓子みたいなもの
文化は不要不急ですか　サザンも羽ばたいた地、国動かす
「不要不急」というとあれですが、ないと命にかかわるものでは全くありません。
とはいえないのは非常に不快ではあるわけで、文化というのは嗜好品の一種なのだと思います。それだけにこっちを楽しめばよいだろうでは済まない部分があり、ライブ派やスタジアム派としてはやはりステージや競技場で見たいものなのでしょう(ちなみに私には理解しがたい趣味だったりします: 何であんなところで詰めこまれて見たり聞いたりしなければならないのやら)。茶や酒、菓子なども、また日常的に流通するわけではない食材も、なくても気にしない人に他に食材はいくらでもあるだろうと思われようと、好む人にとってはやはりないと生きている気がしないものです。
もっとも菓子と違って持って帰ると周囲がリスクに曝されるという点には注意が必要です。基本的に人が集まれば感染リスクは高くなるのであり、集まるなというのは非常に理にかなった指示です。役所なり雇い主なりがそう言うこと自体は大変まっとうです。その上でそれをしたいのだとすれば、迎える側も赴く側も十分な配慮をするべきです。別にそこに集まった人のためではなく、自分の周囲にいる人を感染リスクに曝さないための配慮です。前後二週間会場近辺のビジネスホテルに泊まるのも手ですし、いっそ落ち着くまで近所にアパートでも借りて一人住まいしてしまうことも可能ではあるでしょう。その上で、アンダーグラウンドなイベントでもなんでも行けばよい。仕事だって同僚や顧客をリスクに曝したくなければとにかくリモートでできるように工夫すればよいのです。どんな状態にするべきかはわかっているのですから、そういう配慮をするのが自己責任というものです。
逆に、イベント実施側が「ここまでやったから安心です」などと言ってしまうことは良くありません。何をやったところで人が集まることによる感染のリスクはゼロにはならないどころか、半減すればよい方ではないでしょうか。死をも覚悟し、その上で何としても無関係な人を感染させないという強い意志と実行力を持った勇者たちのみが、イベントに集うことを許されます。まあ、菓子だって食べた分のカロリーを断固として消費できる人のみに食べる権利があるとも言えるのですが。

■2021年01月05日（火）　 「こんな世界」ではないのですが
「ネット」とともに生きてきて思うこと　願っていたのはこんな世界なのか？
もちろん願っていたのはPCや○○警察に縛られ、野次や罵りが飛び交うこんな世界ではないわけですが、そもそもメールにしろWebにしろSNSにしろ、ネットではありません。ネットというのはまずもってTCP/IP v4ベースのパケット通信技術によって相互接続されたコンピューターネットワークのことであり、その発展として構想された次世代IPによって相互接続されたそれのことです。私たちは、クローズドなコミュニティも、オープンなコミュニティも、任意に開設できます。上層のプロトコルとしてどんなものを使おうが、仲間内の了解としてどんな基準を設けようが自由です。
一方で、ネットに制約を加えているのは現実に他なりません。これはだから現実がおかしいという話ではなく、通信が国家を単位とした政策や制度の上に構築され、現実の組織によってハブ型に構築されているという事実を認めざるを得ないということです。したがって、接続料を払い、あるいは現実が前提としている諸制度、例えば知的財産権を含む個人の所有権が尊重され、他者のリソースの濫用や、名誉棄損や人格の侵害といったものが問題視される構造を認めざるを得ないということです。その上で、妥当なふるまいをすることが求められます。接続を拒否され、代替となる接続先が見つからない場合は、ネットから排除されてしまいます。接続先にプロトコルをフィルターされてしまえばやはりネットから排除されます。そして全ての人が、不適切と信じるものを個別に排除する能力を持ちます。
一方で、排除を徹底することが必ずしも容易でないという面もあります。
正直、「ネットはなぜこんな状態になってしまったか」を考えるよりも「自分の属するネットはどんなものであり、それを有らしめるためにはどうしたらよいか」を工夫する方が建設的ではないかと思うのですが。

■2021年01月05日（火）　 これは空回りのような気が
総務省、「スマホ乗り換え相談所」を設置へ　専門相談員がプランの提案や移行手続きをサポート
実際にやるとなると総務省ではなく消費者庁の管轄ではないかという気はしますね。
というか、こういうのは自治体への補助事業でよい気がします。そもそもスマホを行政手続に活用するような話とも被るわけですし、自治体ごとの事情に即した形でのスマホよろず相談所事業ということでよいのではないでしょうか。総務省がすべきなのは、基本としてわかりやすく手頃なプランを用意させること、独立系MVNOが活動する場を確保することでしょう。

■2021年01月04日（月）　 なら作って売ってみればいい
『労働情報』が４３年の歴史に幕
メディアなんて需要が消えれば消え去るものですが。
「コンビニの店頭に並ぶような気軽な労働雑誌ができないものか」
そりゃまあ、需要がないとは思いませんが、労働雑誌とはなんであるかという問題と、発行体がそこまで売る気があるかということではないでしょうか。コンビニに並ぶような雑誌は発行体が流通網に売り込み、あるいは流通網の側で売れると思うから仕入れているわけで、取次に持って行ったら配給してもらえるとか、カタログを配れば会員に売れるといったものではありません。作るのもそうですが、売るのだって大変ですし、体力勝負、コネ勝負だろうと思われます。興味のある人が手弁当で作って仲間内に配っていた業界紙、専門誌と、初めから売って利益を出すことを前提に作り販路を開拓する一般誌は企画からして違うのです。どちらが良い悪いという問題ではないのですが、リーチの面で大規模流通に乗ってどこででも手軽に買えることを目指すのであれば、こんなところで愚痴ってないで健康系のファッション雑誌あたりから編集者と営業数人を連れてきて企画を立てるのが筋でしょう。その上で労働問題系出版社に企画を持ち込んで具体化し、ライターを組織して、営業にコネを駆使して流通に乗せてもらうことになります。
正直、出版社としてはいまさらそんなところに食い込もうにも元が取れないからやらないのではないかと思いますけどね。

■2021年01月04日（月）　 冠詞や文法マーカーの方がよほど七面倒くさい
英国英語は七面倒くさい - ブロークンブリテンに聞け(ブレディみかこ, 講談社)
まあ、「昼食」や「夕食」という概念自体が近代日本特有のものでしょうからね。そんな基盤を持たない土着語が一意的な対応を持たないのは当然です。
本来ディナーは「正餐」のことであり、基本的にはホットディッシュをメインとする食事です。ローストビーフは今や旅行業界ではコールドディッシュないしは付け合わせ扱いですが、伝統的には家族全員で週の安息日に食べるホットディッシュであり、その余りものがコールドディッシュになったりスープやシチューの具になったりします。つまり朝に食べようが昼に食べようが夕方に食べようが就寝前に食べようが、凝ったソースや煮込みを含む手のかかった料理がホットディッシュとして出てくる食事はおおむねディナーです。例外は、カフェでの一皿料理でしょうか。
ブレックファーストは夜間の徹夜修行や就寝中の断食を破るものだからだいたいにおいて朝〜午前中に食べる最初の食事であるわけで、習慣として日中食事をとらない人が夕方にとる食事だってブレックファーストです。時間帯で区別するものではないのです。
日本だって明治の初めごろまでは「料理」というのは専門の料理人が出す格式を備えた食事のことで、これを満たせるのは専門の調理担当者を雇える豪商や大禄の武家、公家、上級僧侶程度でした。外食でも「料理屋」と言えば屋台や一膳飯屋、庶民向けの居酒屋のことではなく、座敷のある茶店(後の料亭)あたりのことで、同じ内容、構成であっても夫婦と子供、後はせいぜい雑役用使用人程度の家でおかみさんや何でも屋の使用人が作るものは「料理」ではないのです。
朝食、昼食、夕食などというのは英国の19世紀前半の社会改良家や明治から出てきた栄養屋連中が生活習慣の「改善」と結びつけて普及した用語であり、英語文献の和訳であれば作品の背景を踏まえて適切な訳をするのがむしろ当然です。七面倒くさいなどというのはおかしいのです。
MLEは…下手をすると古式の英語もそんな感じじゃないですかね。まあ、文法的にはもっと屈折していたようですけど。その意味でシェイクスピアを原語でというのはあながち間違っていない気がしますが、シェイクスピアよりはチョーサー以前でしょうか。日本の共通語と方言の関係と同じで、文法や音韻、語彙に一定の共通性はあるものの、「英語」としてくくってしまうのは恣意的だと思います。まあ、イングランドの人がしゃべっているのは英語だという程度の話で、UK、英国というイデオロギーの反映でしかありません。

シェイクスピア・イン・エモジ
まあ、文学なんて識字層のもので、つまりはスノッブなものですからね。オートクチュールというのは言いえて妙ではないかと。下層民が理解できるようなものも文学だというのもありではありますが、文学とはスノッブなハイカルチャーであって、エモジだの労働を生活の基礎とする人々だのとは無縁だと区切ってしまうのも一つの在り方だと思います。その上で、違うからと言って忌避しない、ブンガクを好むから偉いなどと考えないというあたりが落としどころではないでしょうか。

パブvs.フードホール抗争に見る地べたの社会学
まあ、自宅を持ち、そこにこもるというのが近代の基本であり、寝室しかない家に住んでいるためパブで酒を飲んでいるような人は近代人とは言えないのかもしれませんが、それでもパブリックとは自宅の外のことではあります。
とはいえ、「パイントはダーティー、ラーメンはクリーン」って、うそでしょう？「パイントはダーティー、兎のシチューはクリーン」ならまだわかりますが、ラーメンというのは背脂やバターでギトギトにしてビールと米飯を合わせて食べる生活習慣病ワナビー向け食品であって、日本食でクリーンというなら里芋の煮っころがしであってしかるべきです。麺類であっても盛り蕎麦の類です。

「さらば青春の光」とEU離脱
必要なのは生活水準であるとかロマン主義の投影というのはその通りだと思いますが、正直「仕事を寄こせ、食える仕事を寄こせ」というのもロマン主義だと思います。そのあたりは道徳的であるというしかありません。
上層賃労働者(彼らが給与所得を受け取って生活しているという意味では賃労働者であり、あるいは労働によって生活を成り立たせていること自体は否定できない)がわけのわからないビジネスで金を稼いでいるのは感心できることではないでしょうが、だからといってケア労働者に賃金を回せというのもおかしいでしょう。本来得られてしかるべきと思える賃金を受け取れない場合の対応は仕事を変える、あるいは仕事をしないことのはずです。金が欲しければ金を貰えるようなことをすべきという考え方はサドキズムと反転したマゾヒズムです。

ザ・コロナパニック
買占めをするなと言って止まるものではないですけどね。
正直他者からの供給に依存する仕組みのもろさとは思うのですが、確かにソシアルではないかな。
ちなみに、感染防止のため社会インフラを止める、電気を止めるという話が出てきた場合、何を買いだめするのでしょうか。発電機と燃料でしょうかね。

今必要な仕事というのはあるわけですが、(人間のする)仕事というのを必要なくしていくのが筋だと思いますし、またその必要な仕事をしている人たちが自分たちで仕事を管理しない、仕事を進めていく上で必要な資源を自ら調達し、配置しない以上、「糞みたいな仕事」というのはどうしても発生します。またその「糞みたいな仕事」は仕事を管理する手段でもあるお金や権限が集まってくるところであり、それこそ労働組合組織に労働貴族が発生するように、搾取という問題は必ず起きます。

■2021年01月02日（土）　 格安ではなく参加費に見合った体験を提供するツアー
「終電繰り上げ」は再成長の準備　2021年の鉄道ビジネス、“前向きなチャレンジ”が闇を照らす
「定員が少なくコストが上がってしまうけれども、それを感じさせない付加価値があれば集客できる。」
というよりも、観光ツアーでは定員が少ないことは付加価値を付ける要素と評価するべきでしょう。すし詰めの格安ツアーの居心地の悪さというのはあるわけで、レベルの高い解説のできるガイドがつく、コネなしの個人旅行では訪れることが難しいといった付加価値をちゃんとつけていれば、少ない定員は快適な移動や落ち着いた観光につながります。
鉄道事業のスタイルを見直すきっかけになりうるという指摘は妥当でしょうし、大手は確実にそこを狙ってくるはずです。そして問題はそれまでもつかどうかだという指摘ももっともです。特にローカル私鉄、第三セクター鉄道などは運賃収入はまだしも観光関連の副業収入が止まったら運行すら継続できないところもあるでしょう。

■2021年01月02日（土）　 どうしても不便したくない場合は金を惜しまず建物の築年数も確認すべし
フランス・ドイツ周遊旅行記��〜迷宮のルーヴル美術館〜
とあるお方も「パリでホテル代をケチってはいけない」と書いておられましたが、どうもパリの二つ星以下のホテルというのは評判が悪いですね。狭くて設備は悪いけど立地が良いとかサービスのクオリティは十分などという良い話がなかなかなく、交通アクセスはまだしも治安が悪そうな劣悪な立地、ぼろい建物と設備、狭い部屋、しょぼい内装、劣悪なサービスとまさにお値段通りのようです。ちなみに「変なエレベーター」というのは、古い建物を内装だけいじって(というか部屋の仕切りを増やして壁紙を張り替えた程度のレベル)階段の踊り場をぶち抜いてエレベーターを新しくつけている欧州ではスタンダードです。アメリカや日本の多層建築物の歴史の浅さを示すと思うしかありません。ドアも、箱がついても外側ないしは内側のドアが開かないというのはよくあることです。

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