日記

■2020年12月31日(木)  旅客会社が貨物輸送をやってよいのかね
JR東、新幹線に貨物車両か コロナで旅客減
旅客輸送が儲からなくなったからといってショバ荒らしですか。JR貨物に対する事業妨害としか思えませんが、民営化時の趣旨からして、JRの旅客会社が貨物輸送をやってよいのでしょうかね。客席に臨時に軽貨物を積むくらいなら苦肉の策としてありかもしれませんが、車両を改造したり新造したりするなら、まず貨物に新幹線のダイヤを一部譲るべきでしょう。またそもそも貨物輸送にケチをつけるところから新幹線が始まっているわけで(車両が電車化のコストに見合わなかったにせよ、とにかく旅客列車を走らせる、線路設備等の保守点検のため夜間の貨物輸送も行わないという方針でした)、もちろん60年以上前のことではあるにせよ、色々と切り捨てた上で貨物を切り離した経緯、そして民営化後も40年近く新幹線で貨物列車を走らせてこなかった事情については誠実に対応して欲しいものです。

■2020年12月31日(木)  それはドイツ連邦共和国を解体してEUなり国連なりに主権を委譲するということでしょうか
「進歩をもたらすのは多様性」 メルケル首相が新年演説
趣旨は分かるのですが、現時点で多様性という言葉は非常に問題含みだと思います。なぜなら、だから移民や難民の受け入れは当然だという話になりかねないからです。また多様性の包含を広げるならばドイツ連邦共和国自体の解体に行きつきかねません。
もちろんそこまでは是とせずとも、出自の多様性を認めた上でドイツ連邦共和国基本法という枠組みの中に包含するのだ、多様性によって国家は変質するのではなく拡張するのだという議論は可能ですし、多様な国家が民主主義と世俗主義(政教分離)、多国間交流という枠組みを踏まえた上で共存するのが多様性であるという議論も可能です。とはいえ難民問題にせよ移民問題にせよ経済交流にせよ問題が出ている中でのその主張は、保守派に対して挑発的ではあるでしょう。メルケル氏は保守政党に属しているとはいえ(一応SPDが大手のいわゆる革新派です)、EU関係や難民受け入れについては保守的とは言えません。

■2020年12月31日(木)  BIは救貧制度や市場の超克ではない
AI時代だからこそBI必要 井上智洋駒沢大准教授
「BI導入へ世界で協力を」 同志社大の山森教授
まずBIが最低生活保障であるということ以前に、そもそも働いて生計を立てるという前提が崩れてきていることが要点で、その意味で「働くってなんですか」というテーマ設定自体は間違っていません。
得られる賃金で生活ができる賃労働(現代日本に典型的な労働契約の形態と合致しているかどうかは別問題)が十分に提供できるというのが近代社会の大前提であり、だからこそ福祉において就労指導が成立するのですが、この前提が20世紀後期から成立しなくなってしまった。原因には労働コストの低い地域に生産が移転したり、自動化によって労働のボリュームが減少したり、節約によって労働の需要が減ったりということがあるわけですが、その一方で、いわゆる産業のサービス化によって役務に賃労働の主体が移ってきた。一つは頭脳労働と言われる個人の集積した技術・知識に基盤を置く労働で、もう一つが感情労働と言われる典型的には接客を主体とした労働です。古典的な労働の形態のひとつである頭脳労働に対して、感情労働はあからさまに見える形態が店員くらいだったので、頭脳労働や技能、経営と組み合わさった形以外は評価が低かったのですが、サービス化によって財として保存がきかない役務の市場が拡大し(修飾語付きの営業や販売代理業など)、一方でそれまで技能職や頭脳職によって担われてきた労働がノウハウのシステム化(例えばマニュアル化や規格化など)や感情労働の実践自体のシステム化(接客マニュアルなど)によって不可視の設備投資に重点が置かれ、マニュアルに書いてあることを的確に実践すればよいとされたサービス労働全体がそのように評価されるようになってしまった。あるいはそういった賃労働を基盤とする事業が「安くてお得」ということで拡大してしまった。結果は低賃金労働の拡大とそれでも残った高コスト労働の価格高騰です。つまり労働市場における格差の拡大です。高い賃金を得られる高コスト労働市場に参入するためには高額の教育投資(公的資格の取得を含む)が必要であり、ハードルは低くありませんし、価格がさらに低下しているマニュアル労働からの転換も困難です。さらにその高額の教育投資を負担する形になっていた無償教育制度も、頭脳労働職に求められる水準の高度化や細分化および総合化とパフォーマンス評価の形を取った公的サービス価格のディスカウントによって、コストが上がるのに無償教育では十分な水準を提供できない、さらに供給増を達成した場合労働価格自体が低下しリターンが得られない状況です。つまり、よほど恵まれた人以外は働いても元が取れず、頑張って元が取れるような職に就くと今度はそのリターンが減っていくということです。
一方で、有産者の需要よりも無産者の需要の方が市場の主体となり、かつそれを前提として効率的な市場が形成されてきたために、無産者の経済状態が景気に大きな影響を与えるようになっています。もちろん市場が社会基盤として普遍化し、さらに連動することで、景気が悪化した市場から逃避できない(代替市場を見出せない)状況も生じています。特に市場の連動性は、そもそもリスク分散や効率化のために複数の市場にコミットする動きが多数の市場を連動させ、さらに統合してしまったわけで、その結果リスクが増大する形になっているというのは皮肉な話です。このため、世界市場において景気を維持するためには無産者に市場にコミットできる程度の所得があることが求められています。つまり、貧困対策以前に需要を縮小させないために低所得者の需要が必要です。
低所得者(典型的には下級賃労働者)の需要が必要なのに下級賃労働の需要が減り、価格が低下し、しかも効率性の観点からそれが前提となっているということが問題です。ちゃんと経営をしている人はそこを理解しており、そもそも労働価格として十分な賃金を供給することはできないからBIで需要を確保せよというのが彼らの主張です。これなども底辺がどうこうというのは通りが良いからそう言っているのであって、宮内氏や堀江氏らはどちらかといえば事業効率性の権化であり、教育投資によって高価格労働市場を拡大できるのであればそれで利益を上げることをまず考えます。例えば技能教育事業や教育ローン、アウトソーシング事業などがその形です。なお、これは彼らが血も涙もないなどと言っているのではなく、そもそも高価格労働市場を拡大することで労働価格を向上できるのであれば賃労働者もそのメリットを受けます。お互いWin-Winの結果を得られるから効率的だというのが彼らの発想です。そういう人たちがBIを口にするのは、労働価格の向上策には限界があると考えているからです。まあ、システム化と労働効率の向上によってお得な価格をアピールして事業を作り上げてきた人たちなので、ディスカウントと単価向上が両立するなどという発想はしないのでしょう。だから、BIの方が効率的だと考える。この場合、経済としては十分なパフォーマンスを得られるが、それを賃金として分配するとそのパフォーマンスを得られるような需要を作り出せないという点が肝であり、それは分配の基準、個々の労働の価格に問題があるからだというのが賃金の公平性を重視する立場ですが、モチベーション喚起といった観点から「公平な」労働価格の分布では経済パフォーマンスが低下してしまう、だから適切なパフォーマンスが得られる所得分布として分配した後の再分配が必要になるが、従来の給付制度では非効率なのでBIにせよということになります。もちろん救貧制度的な給付でもちゃんと資源を割り当てれば適切な分配を実現することは原理的に可能ですが、それでは所得の再分配という経済的生産性がない、もしくは低い作業に資源を割り当てることになる、従来はそれによって全体として給付を効率化できるとされてきたわけですが、投入すべき資源に見合った効率の向上は得られない、ならばそんなコストはかけない方がましだという話なのです。ある意味ではそういった給付業務に従事している人に「あなたの仕事は無駄です、必要ありません」と言っているわけです。この点で一貫しているのです。賃金を含めた労働制度は経済的なものであり、経済合理性のみに基づいて評価されなければならない、そのためには低賃金も解雇自由も是認される、しかし食っていけない収入しか得られないものでも必要な労働や財の生産があり(それこそ低所得だからと言って医療が必要ないわけではない)、また経済自体は現在の人口規模において需要が最大限に発揮されることを前提にしているので、人口全体が労働所得以外の稼得手段を持つ必要があり、かつそれは経済合理性に照らして効率的なものでなければならない(官僚制の弊害は「ダメ、絶対」、麻薬摂取並みの犯罪行為である)。労働が生産する価値に準拠した価格を持つことの、それを徹底するが故の背理です。

■2020年12月29日(火)  効率性を評価されない市場など不要では?
国内唯一のコメ先物取引所、「否定派」JAに出資打診へ
なんとも節操のないことで。でもまあ、農協も政治団体ですから、圧力がかかれば認めるのでしょうけどね。
「近年は取引低迷で取引所自体の経営が厳しい。」
競合もない以上、この時点で先物取引の需要自体がなくなっているということです。つまり、市場経由の流通ではなく業者のルートを通した流通が中心、かつ先物でリスクヘッジするほど価格の変動がない、あるいは流通業者の方で変動を吸収できているということになります。理屈の上では市場に出した方が有利ならば市場に出てくる、あるいは市場で買った方が有利なら市場での価格が上がってやはり供給側が市場に出してくるはずですし、会員制とは言っても会員のバイイングパワーが強まるなり会員が増えるなりするものです。そこが見通せないので株式会社化して参入のハードルを下げようという話なら株式会社化しても経営状況が好転するとは思えません。
いっそ会員になって米を供給してくれた農家にポイントでも進呈してはいかがでしょうか。

■2020年12月29日(火)  市場経済に転売ヤーがいるのは当然
PS5、ニンテンドースイッチ、鬼滅グッズ 2020年「転売ヤ―の経済学」
まあ、転売ヤーは絶好調の平常運転でしたね。ティッシュやマスクは正直政府の失敗だと思いますが、ゲーム機は量産と言っても作れる数には制約があるため、スタートダッシュで転売ヤーが暗躍することは仕方ないと思います。せいぜいピークのシーズンに十分間に合うように余裕をもって生産を開始し、こまめに供給状況をアナウンスくらいの対策しかできません。逆にキャラクターグッズは生産面での制約というのはさほど強くないはずで、むしろプレミアムを付けることを狙った供給側の問題ではないでしょうか。
どのみち、ダフ屋や転売ヤーというのは市場を飽和させてしまえば駆逐できる、逆に市場が飽和しない限りはどうやっても出てくる(ある意味出てくる方が健全な)ものなので、供給側や需要側がどう思おうと、根絶はできないと思います。

■2020年12月29日(火)  運んで元が取れるのならよいのですが
中国に時速350キロの貨物列車 世界最速の専用車両
この手の車両の構想自体は少なくとも日本でもあるわけですが、船やトレーラー、トラックと共用できるコンテナをフォークリフトやトップローディングで扱えるのでないとコスト面で競争力がないということで実用化されていません。欧州だとトラックごと台車に載せている例があったと思います。航空貨物の場合、貨物専用機であれば一般的な国際規格の海運用コンテナは扱えるはずですし、そもそも運賃が高いので空港での詰め直しのコストが相対的に低いはずです。
逆に言えば国内貨物だけで十分な需要があり、そちらを鉄道貨物の規格に統一でき、国際貨物については港での積み替えのコストが無視できる(検疫や保税検査で開けるのでもよい)というのであれば、ありといえばありです。まあ、一度カバーを外して、コンテナを乗せてからカバーを付けなおす方が自動化しやすいのではないかと思わないでもないのですが、車両の両端に機器が乗っているのだとすると、載せる側で位置合わせをして横からケースを置いた方が楽かもしれません。
中国だと赤字覚悟の流通促進策という可能性もありますが、どの路線に投入されるのかの報道が見当たりませんが、北京・天津間などのように大規模輸送の需要があるが船舶では対応しにくい路線では、航空便より安くて大量に運べるが船舶より手軽で速いというメリットを生かしやすいのかもしれません。

■2020年12月28日(月)  別に中古品でもよいはずですが
EOSシステムをミラーレスに移行中。持て余すほどの優秀さ
ライターさん全員に書いてもらう記事なんですね。まあ、買い物情報誌的な面もあるので、皆さんいろいろ買ったものを披露する中、「ただ、ボディの購入に息切れして今なおサードパーティを含む、生き残った古いEFマウントレンズを使うことでお茶を濁しています。」と書いてしまうところが赤城氏です。
中古品でもよいはずですが、あえてEos R5なんでしょうかね。

■2020年12月28日(月)  遊具製造販売と観光で商標がかぶったらどうするか
任天堂の対マリカー勝訴が確定、最高裁が上告不受理。商標「マリカー」も無効
まあ、さすがにマリオカートを想起させる要素がありすぎで、致し方ないとは思います。とはいえそれでは任天堂が需要のあるサービスに対するライセンスで好き勝手やってよいのかという話はあるので、少なくとも知財高裁は判決を出して知らんぷりということなら感心できません。また、正直どうにも問題のある商標の登録を受け付け、どうも任天堂の異議を棄却していたらしい特許庁は、少々難しい立場に置かれるような気がします。商標というのは一応地域と事業の枠の中で被ってはいけないものなのですが(なので事業が異なれば商標がかぶっていることはあるし問題とはされない: 例えば三菱鉛筆と「三菱」)、仮に商標を認める立場を取るなら、おそらく「ゲーム」という事業と公道でのカート運転ツアーという観光事業の間で商標を同一視することはないはずだという判断があったのではないでしょうか。一方で、マリカー側の事業は一見明白にマリオカートのモチーフを利用して利用者に訴求しています。この点で、他人の事業にただ乗りして利用者が錯誤しかねない事業を行ったという不正競争防止法の上での判断の方が妥当でしょう。とはいえ商標登録の受付に際してそこまで実体的な判断をすることが適当かどうかというのは、特許庁としては悩ましいことだと思います。下手に交渉を斡旋しても商標を持っている側が有利で問題が出そうですし、もしかすると、判断を知財高裁に投げる仕組みでも作った方が良いかもしれません。

■2020年12月28日(月)  ビッグブラザーが居まします環境
“全部クラウドでやればいいじゃない”の割り切りで実現した、ストレスフリー・低価格なデバイス
いやもう、ぺけたんでいいじゃないかという話があるのですが、X端末は、というよりもXプロトコルは、同じLANにあるXサーバー/X端末と画面を使うプログラムをつなぐことを前提としているので(このためワークステーション以降の同じ機械の上でXサーバーとプログラムが動いているという状況はある意味変)、HTTPSよりも効率が悪いということでしょう。セキュリティについては、端末がつながったルーターのところでIPSecでも使えばHTTPS程度のセキュリティは実現できるはずです。こっちはルーターでまとめて対応できるので、Chrome OSのような端末を全部買い換えないといけないといった事態は生じません。もちろん、デメリットも他に色々ありますけどね。
でまあ、JavaScriptが公式プログラム言語、Document Object Modelが構造モデル、Google系APIがシステムAPIになっていることになります。もっともシステムAPIの部分は、つなぎ先を変えれば変えられるはずです。逆にHTTP(S)の部分はユーザーは触れません。またドキュメントをローカルに保持することも想定していないはずで(どうせクラウドにアクセスできないと意味がない)、ユーザーグループの側でサーバーを用意できなければあり物を使うことしかできないということです。
また「ストレスフリー」なのはネットワークが十分高速であればという前提があってのことで、2MbpsのADSLを30人で使うとかだと、遅延が出る可能性があります。この点で、学校などでChromebookを導入するのであればまず十分高速な回線を引くことが必要です。個人で導入するなら、普通に光ファイバーが引いてあれば十分です。が、個人で導入するメリットがどこまであるのか…まあ、普通にhttpdをCGIとSSL付きで構築できる人なら、WindowsやMacOSとの共存を考えないで済む分楽かもしれません。もちろん、使用に当たっては10万円程度かけてSSL対応のサーバー証明書と固定IPアドレスとドメインを確保するか(固定IPアドレスとドメインを確保することがローカルにSSLサーバー証明書を運用する前提条件)、なんとかChromeOS様をなだめすかしてオレオレ証明書をインストールするかになります。

■2020年12月28日(月)  国や事業に飼われるのだって全体主義への迎合にすぎない
学術会議任命拒否から検閲・監視社会が見えてきた
検閲・監視社会を許すのはその素地があるからでしょう。正直仕掛ける側よりも唯々諾々と仕掛けられている側に問題があります。それこそオーウェルあたりは、テレビやラジオ、新聞というメディア(彼はBBCのラジオ番組制作に関わった経歴がある)と組織社会、大衆社会に型にはめられて流されて楽に生きていく人類像を見ていたのだと思います。ディストピアというのは簡単に倫理的に切り捨てられないから現実を映す鏡になりうるのであって、検閲は悪だ、監視は不正だ、菅退陣!などと安易に言えるものではないのです。政治に動員されてしまう社会、政治への動員を主張する者がいる社会だって十分ろくでもありません。
また、学術会議の人事問題がどうも政治課題どころか研究者の間での関心すらまともに引けていないというのは、結局日本では知だの学問だのいうのが飯のタネか運動競技の一種としか思われていないからです。これはある意味では健全であって、知だの学問だのに何かを期待する方が間違っています。ましてやそれが旧態依然の「文知」であればなおさらです。「国の学術政策」なるものは、所詮職業研究者の資金稼ぎを合理的に行う一手段に過ぎません。そのような分配を国家という仕組みに独占させるかどうかは、突き詰めれば趣味の問題でしかありません。知的自由という宣伝であれ国策に知識人を動員することは国家の常道であり、むしろそこで自らを持する矜持こそが知識人に求められていると思います。

■2020年12月28日(月)  2年くらいたったところできりを付けなかったのは確かに失策ではあるのですが
10年経つのに…自宅は今も「白地地区」 募るいらだち
いらだちはわかりますが、方向性を示されたとしてそれを受け入れるのでしょうか。
また、担当者からすれば「復旧する」、「全員帰還」と言っておけば後は「実現すべく努力している」で済むので、楽ではあるのでしょう。元住民が自主的に帰還を放棄してくれるのであれば責任は取らずに済みますし。逆に、それこそ現地定住のような方針転換をして説得する方がよほど大変ではあると思います。
もちろん国が規制していて帰還しようにも身動きの取れない状態になっていることは確かですが、そのうちどうにかしてくれるだろうで10年過ごしてしまったのは元住民側の問題です。というか、10年あって元住民において方向性についての合意、つまり自治体を解散し帰還を放棄するか、資金調達をして自力で除染を行ってでも帰還を果たすかについての合意形成を行わず、とにかく避難という状況を生き抜くことに専念しまった以上、地方自治体としては実質的に死に体です。もちろんそれ自体は自治体の終わり方のひとつであり(過疎で終わるのと変わりませんし、集落が離散によって消滅することは歴史的にもよくあります)、非難される筋合いではありませんが、住民であるという自覚に悖る話であることは確かでしょう。

■2020年12月27日(日)  広告頼みのゾンビ企業が偉そうな
中国の半導体工場、相次ぐ破綻 投資過熱でずさんさ露呈
いやまあ、ちゃんと破綻している以上、日本人がどうこう言う筋合いはないように思います。破綻もさせられずに国際競争力とか言って下請けいじめや労働規制逃れ、ブラック労働をしているのは日本の方ですから。特に上場企業なんかは、充分な情報公開の下でリスクの高い事業をやって年に数社くらい破綻して清算されるくらいがちょうどいいと思うのですけどね。株式投資家から資金を吸い上げて、設備を買い叩いた事業者にメリットが生じるなら、それはそれで金融市場として正しい在り方なんですし。

■2020年12月27日(日)  おそらく洗面台の排水
台所の外の床下が濡れていた件は、乾いた状態で洗面台の水道を流したところ水が出てきたので、そちらが原因のようです。水道か排水かわかりませんが、水道を止めた後も出てきていること、洗面台下の収納に漏れはないことから、配水管が床下排水口から外れて水が出ているのではないかと思います。
とはいえ、これだと台所に湿気が上がった理由と結びつきません。まあ、密閉性が悪いのは確かなので、なんであれ地面が濡れると湿気が上がって結露はしうるのでしょうけど。

■2020年12月26日(土)  赤い人も結構出てますけどね
ハリウッドで台頭するミニ・トランプ 「青い州」に亀裂
いや、ハリウッドが民主党系というのはどうなのでしょうか。確かに公民権運動や難民支援、環境運動に傾倒している人も多いですが、監督やプロデューサーにはゴリゴリの保守派もいた記憶がありますし、ディズニーなど右派の最たるものでもあります。シュワルツネッガー元知事も共和党ですし、共和党の元大統領ロナルド・レーガン氏もイリノイ州出身ですが芸能界入りしてからハリウッドに移住、カリフォルニア州知事を務めています。またカリフォルニア州の起業家には、行動自体はドナルド・トランプ氏と似たり寄ったりの人物は少なくありません。トランプ氏も共和党の政治家としては相当に突然変異というか…
その意味でカリフォルニア州はリベラルの層が厚い傾向はありますが、ネオリベ的な右派の土壌もあります。また定住暦の長い中産市民層や年金生活者、あるいは古手の労働組合には移民の無秩序な流入を歓迎しない方向性もあると思います。ミニトランプ的な主張や行動をする人が出てきたからといって亀裂がそこで走ったとは言えないでしょう。

■2020年12月26日(土)  ユニクロの店頭で服を選ぶようなのは自由とは言わない
ソフトウェアが自由にならないパソコンはパソコンじゃない
まあ、事情はいろいろあるのでしょうけどね。E-Inkのもっさりした操作感がWindowsには合わないという判断の可能性もありますし。
とはいえ、正直アプリ版Kindleが自由と言われると違和感があります。複数のインスタンスを起動することも複数のドキュメントを並べることもできないビューアーなど、残念極まりありません。
「 Windowsがいいとか、やっぱりmacOSだ、いやAndroidだiOSだと、こだわりは人それぞれだ。だが、それはパソコンがアプリを自由にインストールして、その利用環境を好きなようにできるからだ。それができなければパソコンを名乗れない。」
AndroidもiOSもMacOSも、この意味でパソコンであることを標榜したことは一度もありません。サードパーティーのMacOSアプリケーションに対してAppleはアンヴィヴァレントでしたし、AndroidにしろiOSにしろ当初からストアからのアプリ導入が前提で、できれば純正アプリだけ使って欲しいという意図が丸見えです。Windowsだって2005年くらいから2017年くらいにあきらめるまではそうでした。まあ、Windows系が非常に残念だったのは、そもそも純正アプリケーションがセキュリティホールだったことですね。
ベンチマークが機体同士の比較の指標から機体の性能を示すものに代わり、このコンピューターはこのソフトウェアをどれだけ快適に実行できるかというのがレビューの中心になった時点で、パソコンにおいては自由が売り払われたのだと思います。
個人的にはMacintoshは高すぎて買えず、自由という感覚とは結び付きませんでした。なにしろ高いから壊すなよと脅される大学の共用機材ですので、勝手にコンパイラを入れて遊ぶわけにもいきません。そして廉価版のMacintoshは制約が多すぎ、まともに動かないどころかなだめすかす羽目になりました。
自由というならDOSとUNIXですが、UNIXは好きにいじれるようになってほぼすぐにソフトウェアが絡みすぎて設定部分が難解化したので、正直MSやAppleの統一された文化がないという主張を否定しきれません。またファイル権限がらみの混乱は右二つに同じだったこともあります。個人的には、どうしてもネットワークソフトウェアとユーザー権限は相性が悪いのだろうと思っています。DOSとLSI-C(86)の次に自由を感じられたのはWindows 3.1とSDKで、ロードするとメインメモリが溢れ互換性もなくなるグラフィックスライブラリに制約されることなく描画も印刷もできるようになりました。farポインタやメモリハンドルの制約など、効率は悪かったでしょうが、少し面倒としか感じませんでした。Windows98SEも同様でポインタの制約がなくなった分自由度が増した、ただしレジストリベースの設定がマルチユーザー環境の不便を象徴していると感じました。やはり1台のパソコンを何人かで使いまわしているというのは「パーソナル」ではないわけで、バイナリファイルによる設定をテキストで抽象化できてもいないのにNTFSでアカウントナンバーベースの権限機構を導入したのは正直無謀だったと思います。げんなりしたのはDirect Xで、あれはMFCが前提で、まったくイケていませんでした。そしてストアアプリでジェイル感が最高潮に達することになります。やっていることは変わらないのですが、あの、メッセージデータを直接投げる見通しのよさ(その代わりミスるとフォローの間もなくOSの例外が発生する)と比べたアプリケーションフレームワークの見通しの悪さは、なんなのでしょうね。まあ、COMもデータオブジェクトの中身がわからない点で見通しの悪さが特徴的で、それをDLLで提供したメソッドで無理矢理いじるものだから安定などするわけもない。またリソースオブジェクトも見通しが非常に悪く、RWSを使ったときの手軽さの反面それでできないことをやろうとしたときになんとも不便でした。この二つを混ぜ合わせたようなMFCやアプリケーションフレームワークがきれいなものとなるはずもありません。

■2020年12月26日(土)  保守が王政復古、革新が近代の超克、結局どちらも反近代?
「不要不急」論の行方、市場の論理を超えて 佐伯啓思氏
こういう論調を見ると、日本というのは保守も革新も反近代なのだなあと感じます。まあ、保守系の文藝屋が「近代の超克」なんてキャッチフレーズを売り込んでいる時点で日本における近代の肯定は1930年代で終わったのかもしれませんが。このシンポジウム自体は1942年ですが、1945年以降も経済界・実業界や関連分野における近代化論の一方で思想界では反近代思想が主流だったわけで、反ソ反党系共産主義や福祉国家論、市民運動などと絡んでこじれているように見えます。昨今ネオリベなどと言われている向きもどちらかというとネオコン、ウルトラコンサバティズム(欧米じゃキリスト教右派くらいしか主張しないようなのですが: ネオリベというと脱宗教、反宗教、反家父長制でしょう)で、どちらかというと多分小泉進次郎みたいなのがネオリベ系なのだと思います。日本の思想家はよほど近代思想と相性が悪かったのでしょうかね。いくらなんでも途中でフンボルト大学系反近代論にかぶれたせいだけだとは思えないのですが。もちろんポストモダン系思想というのはフランスを中心にあるわけですが、あれは相当ラディカルに近代を踏まえた上で精神分析や文化人類学を基盤にして近代をはみ出したものを再導入しているのであって、一見話が通じているようでもドイツやイタリアの人の思想とは違う気がします。その意味では、ウィーンというのはどうもドイツではない感じですね。ちなみにネオとかウルトラがつかないコンサバティズムはヨーロッパ中心主義的ではあれ近代肯定的です。
そして、個人的にはリバータリアニズムとネオリベやネオコンを一緒にするなと思っているわけですが。

■2020年12月26日(土)  これも都市出身の政治家ばかりになった結果なんですかね
郵便集配車に高齢者が「相乗り」 北海道で全国初の実験
郵便配達くらいしか定期的に行かないというのも問題なのですが、そもそも郊外の住宅に車の免許を手放した高齢者が住んでいるというのが問題です。まあ、100年前は問題ではなかったのかもしれません。自律性、自給性が高く、中心市街に行く必要がなく、もしかしたら三世代が同居していたのかもしれません。その意味では金融を中心に都市型インフラが普及したうえで都市への機能の集約が進んだ結果ではあるのでしょう。いわゆる地方創生の時期にすでに、都市型インフラを人口密度の低い地域で維持できない、商業施設も拠点を集約しないと維持できないということがはっきりしていました。地方における都市型インフラの維持コストの問題であれば、行政改革の時期に懸案となっています(代表が赤字ローカル線の廃止)。とはいえ、それだけ前から問題となっていながら、車を持たない人は徒歩サイズの都市に住むということすら説得できていないのです。運転ができる家事使用人を主治医も込みで住み込みで雇っているなら別ですが、大正時代あたりまでならともかく、日本でそういうライフスタイルの人は、さっさと都市近郊鉄道の通ったアップタウンに庭付き一戸建てを構えてしまっています。自宅から引き離されたくないという主張を尊重するかどうかはともかく、郊外に都市機能に依存した拠点を構えた人が都市機能から隔離される状況を作ってしまったのは、失策と言うしかありません。

■2020年12月26日(土)  怒るのは当然だとしても、そもそもそんな連絡がメールで来ることを疑問に思わない体制がおかしい
「好業績により臨時ボーナス」実はフィッシングテスト。GoDaddy従業員怒る
突っ込みどころはいろいろありますが、まずもって、これで引っかかるようなリテラシーに乏しい人をメールを受け取るような仕事につけていることが問題ではないでしょうか。少なくともメールにしろダイヤルインにしろ、外部と従業員個人を直接つなぐようなコミュニケーション手段には問題があるわけですし、プッシュ通知にしろ社内でメールを使う必要は相当低いはずです。外商担当がメールを使わないというわけには行かないでしょうが、ドメインやサーバーホスティングを売るのに直メールがいるのかというと疑問ですし、そもそもこんな手口に引っかかるようなセールス担当者では、安心して取引できません。
ソーシャルエンジニアリング対策だって、基本は機微情報をそもそも外部に渡せないようにする、機微情報に触れるような状況での外部とのコミュニケーションを極力遮断するところにあるはずです。その上でオペレーターのリテラシーという話になるはずで、ヒューリスティックな対応能力に頼ったセキュリティは感心できません。

■2020年12月25日(金)  帰って来たウェイバーベルベット
ロードエルメロイ二世の冒険 1 神を喰らった男
帰ってきました。事件簿の最後に醜態をさらしたロードエルメロイ二世ですが、死んだわけでもないので、シロウと例の会話を交わし、ルヴィアゼリッタと凛の騒動の後始末をしたうえで、シンガポールに飛んできたわけです。
しかしまあ、日本のオカルト系エンターテイメントというのは存外狭い世界なのでしょうかね。神を殺す系統や竜になる系統や英雄が復活する系統の作品を書いている人とか、紙を操る作品の人と、モチーフが通底しています。もちろん同じ流れを書いても同じ作品にならないところが文学ではあるわけで、魔術の体系としては今回はアトラス院と中華神話・タオ系民俗信仰(普通は道教と習合しているが道教というか道家思想はもっと理屈っぽい)でしょうか。東京が次なる舞台ということで、そうなると陰陽術あたりも持ってこられるでしょうし、かの有名な将門様あたりも小道具にできそうです。とりえず両儀式とその家族の登場は確定、この流れでは幹也は一応両儀の姓も名乗っているようです。へぼ童話書きなどの懐かしい面子も出てくるのでしょうか。

■2020年12月25日(金)  そういうあんたが一番イケてない
政府サイトすべて「イケてない」 平井デジタル相が酷評
そもそもブラウザベースでよいのかどうかから考え直すべきだと思いますが、事実だとしても酷評するだけで代案を示すことができていない平井デジタル相が一番イケてないと思います。大方プロジェクトチームが何をどうすればイケたサイトになるのか検討している真っ最中なのだと思いますが、行政手続自体を整理するところで時間がかかる以上、とりあえずは使いにくい、わかりにくい、イケてないサイトになることは確実でしょう。デジタルネイティブと言ったってスマホで何かやるのに抵抗がない、何かするときまずネットで手段を探すという程度の話で、行政手続や窓口サイトの実装に勘がきくわけではありません。Lineは使えてもエクセルがまともに使えないデジタルネイティブなどいくらでもいます。デジタルがどうこうと言う問題ではなく、義務教育を終えた人なら代書屋に頼らずに運転免許の申請や車両登録申請をできるようになって初めて、ポータルが意味を持ちます。そのために使えるIT技術やデザインテクニックは多いでしょうが、それだけではだめなことも明白です。それを「デジタル庁」だの「デジタル相」だのでやろうとしている時点で、ダメです。

■2020年12月25日(金)  95円で輸出がもつかなあ
2021年のドル円は90円? 超円高が起きかねない理由
「「今の金利差は、100円を超える円安を正当化できるものではない。95円くらいが適切な水準だ」と吉田氏。」
これ自体は前期の状況と比較して妥当な評価なのでしょうが、そもそも円・米ドル相場が金利差2パーセントで100円というのが妥当かどうか。通貨相場と金利差の関係性は直接的なものではなく、危機相場のみならず絶対値としてこれが妥当だなどという推定を許さない気がします。日本は現在内需が極端に縮減した状況にあり、かつバッファを使い尽くしつつあります。つまり内需縮減の主因である感染防止対策が一段落して、それで需要や供給が速やかに復調するかどうかは予断を許しません。むしろバッファが尽きた状態で需要が回復すると供給制約で経済が混乱する恐れもあります。そこで円高に振れた場合、外需まで縮減してスタグフレーションが起こることもありそうに思えます。この点で、もう数年は100円近くで大きく変動するという予想も可能な気がするのですが…どうなんですかね。
まあ、エネルギー供給の面では円高の方が楽なのでしょうけど。

■2020年12月25日(金)  善意であっても米国法というのはよくわからない
サイバーパンクの開発元、バグが多すぎて投資家から訴えられる
筋はそれなりに通っているとは思いますが、これってつまり、売り上げも落ちず評判も考慮する必要がない場合は訴えないということですよね。それと、これはどこの株主を代表して訴えたのでしょうか。開発元の株主を代表するなら経営者を訴えるような気がしますが、この書き方を見るとMSやSCE-USの株主を代表して開発元を訴えたようにも読めます。
まあ、売りどころをてんこ盛りにしてリリースを優先した挙句にバグだらけで出す羽目になった経営陣は訴えられて当然ではありますが、そもそも数多の品質管理手法を鳴り物入りで投入してなおバグだらけのソフトウェアばかりリリースされる、バグはあるもので深刻なものほどリリース後に爆発するなどという信念がまかり通ってしまっているソフトウェア業界の事情を考えると、バグの発生による事業や投資への損失発生は投資家がリスクとして見込むべきものであって、その防止は経営者の善管義務には含まれないと言いたくもなります。またSCEにしろMSのXBox-Storeにしろ本来取り扱いに際して品質の審査をかけるはずで、払い戻しをしたというのはディーラーとしての責任に基づいたものでしょう。おかしな商品を軽率に取り扱った結果投資家に損害を与えたというならSCEやMSの経営者が責任を問われるべきであり、そこを飛び越して開発元を訴えるというのはどうかという気もします。

■2020年12月25日(金)  笊管理の方がましだったなんてことにならないといいですね
進む教員のタイムカード管理 6府県が9割超、最低は…
やらないよりはましなんですが、そのデータを妄信したり弁解に使うようになったら問題ですからね。
そもそも裁量性とは別に、どの程度の業務であれば一人の労働者が規定の時間内に終えられるかという評価はしなければなりません。その上で、適正な量の業務をふって、あるいは適切な規模の人員配置と適切な業務分掌を行って、それで初めて労働時間管理の適正化という話になるわけで、見える化と数値目標の強制ばかりでは意味がありません。そこを間違えると、タイムカードを押して席に戻ったり、支給品のパソコンの電源を落としてBYODで仕事を始めたり、こっそり家に仕事を持ち帰ったりということになります。いっそ仕事を放り出して定時で上がるくらいだとまだしも安心なんですけどね。
チャップリンに揶揄されたりしていますけども、労働の標準化と管理というのはそれなりに理論と検証を経て行われているわけで、どこかの国の馬鹿経営者や自称経営評論家のようにモチベーション管理と一緒にして都合の良いところだけ取る(それでまた、労働側がよくこれに騙されるんだな)ようなことをせず、真面目に状況を「改善」していっていただきたいものです。

■2020年12月25日(金)  今時パーフェクション思想じゃないんだからさ
わいせつ教員、免許再取得不可の法改正は見送り 文科省
いやまあ、受け持ち生徒にわいせつ行為をするような教員は問題だとは思いますが、免許再取得不可はやりすぎでしょう。小児性愛傾向が教員として問題だというならそもそも性愛や家族志向自体、機械として業務に専念すべき高度能力賃労働者には不適切で、賃労働者になりたければ不妊措置を受けろ、孤児として施設で育った人以外は賃労働する高度技能者になるなとでも言うべきです。また公務員は背任行為を行わないよう徹底した管理の下に置かれるべきということにもなるでしょう。妻や子供、あるいは親兄弟のいる議員や閣僚などもってのほかです。とはいえそこは切り分けて適切にふるまうというのが近代社会の大前提で、切り分けができない人、役得意識を露にする人が次々と出てくるなら、出てくるような社会がおかしいと思わなければなりませんし、人間そんなものだということになれば人間に誠実性を前提とする業務を任せること自体ができなくなります。もちろん機械に任せるというなら今時それもありかもしれませんが、適性と称して人間を機械部品としてシステムを最適化する発想は前衛的に過ぎます。

■2020年12月25日(金)  業界人気取りでした受け狙いの発言が滑る程度は問題ではありませんけどね
ガースーもノーコーも「問題あるのか」河野氏が首相擁護
態度として問題があるとは思いませんが、似合わないのでやめた方が良いとは思います。
その上で、記者会見でその手のあほな質問をされたのなら問題ないだろうで構いませんが、ことさら自分から反論する必要もないでしょう。そもそも難しい政策運営を迫られているのは確かだとしても、法律以上に協力する義務はありませんし、妨害は良くないにしても好意的である筋合いはありません。場外でのコメントで揶揄するくらいのことは仕方ないし、一方でまじめに対応する必要もありません。もちろんパブリックリレーションズとしてどのようなふるまいをするべきかという検討はすべきですが、他人の神経を逆なでしたにしても、差別発言というわけではなし、滑ったら滑ったで流しておけばよいのです。むしろこの程度の舌禍で叩けると舐められていることの方が問題でしょう。この点は自業自得です。

■2020年12月25日(金)  保安検査を拒否して強行突破だとアメリカ合衆国あたりじゃ牢屋行きになりそうなものですが
空港の保安検査、拒否なら罰則も トラブル相次ぎ義務化
いや、刃物を持ち込んではいけないというのは常識だとは思うのですが、液体持ち込み禁止なども含めて客とのトラブルが出ていたんでしょうね。運送約款なんて客は読まないわけですし。その意味では法的な位置付けがはっきりし、罰則がつくというのは良いことだと思います。
とはいえ荷物の扱いが制約されてしまっていることも事実で、刃物くらいならともかく、保安検査まで来てしまうと持ち込みを拒否された物品を預託輸送するのも難しいとか(いや、保安ゲートからチェックインカウンターまで戻ってよいというなら、早めに保安検査を受けて対処しますけど)、リチウムバッテリーは預託できないとかバゲージロストのリスクがあるとか機内持ち込み荷物のサイズ制限とか、機内収納棚へのアクセスが悪いとか、利用者側で気にしないといけないことが多すぎ、煩雑であるように思います。ICAOでの議論を含めて、利便性の向上をお願いしたいところです。エコノミーがそもそも格安運賃とはいえ、委託輸送荷物が届くかどうかわからないというのは論外です。
ちなみに最悪なのは検疫と税関で、密輸の摘発はともかく、持ち込み禁止であることを知らずに持参してトラブルになっている人、持ち込んだ品に高額の関税がかかると言われてトラブルになっている人をどこの空港でも見かけます。事前に在外公館や旅行会社に問い合わせればわかることなのですが、旅行がカジュアルになっているだけに問題が出やすいとは言えるでしょう。

■2020年12月25日(金)  財務的な支援で足りるのかどうか
JR2社財政支援へ 北海道1300億円、四国1千億円
そもそも経営が成り立つとは思われていなかったわけで、経営資金の補給は当然だと思います。ただ、単純に資本金を増やす形だと資産不足を招きかねないと思うのですが、増資による資本効率改善のあてがあるのでしょうか。
JR北海道については道なりJRTTなりが基本的に駅舎も含めた設備を引き取ったうえで保守整備も負担し、それをJR北海道が無償で使うくらいでないと、札幌・千歳空港鉄道化してしまいそうな気がします。またJR四国も、自治体なり国なりが財源を用意する形でせめて岡山と大阪への連絡を改善しないと、じり貧でしょう。観光列車を走らせるにしても、瀬戸大橋以降の規格が不十分です。
またJR貨物については、本州三社の在来線を貨物の資産とし、特に大都市近郊路線について本州三社から高額の使用料を取るくらいはすべきだと思います。
民営化時とは公共交通機関の位置付けが変わってきているわけですから、役所は余計なことをするなと思っている本州三社、そしてもしかすると九州は規制で足りるとしても、北海道、四国と第三セクター鉄道については、地元を交えてどう使うのかのプランを作ったうえで、せめて通常の事業精算まで持って行ける程度の手当てができる仕組みを作るべきです。

■2020年12月25日(金)  家族制度は社団法人に変えてしまえ?
民法の家族制度というのは、法人格なき社団の一形態のようにも見えます。家族制度には民法的な面(相互扶助を含む)と戸籍管理的な面があり、婚姻届や出生届などの届け出によって戸籍という公的かつ排他的なメンバーリストに登録され、それが民法における家族関係が適用される根拠になっているという構造だと思うのですね。まあ、戸籍の中でメンバーの身分に、婚姻届でメンバーになった人と出生届でメンバーになった人の違いもありますし、元メンバーでもメンバーだった当時の身分に基づいて得られる権利もあるわけですが。
現在は制定法上も慣習法上もこの法人格なき社団に特別の地位を与えているわけですが、それが現在問題になっています。この社団は一定のモデル、つまり婚姻届によっていわば創設者となった男性と女性一人づつから成る配偶関係と、この配偶関係に基づく出生による従属メンバーというモデルに基づいて構成されています。このモデルに準拠することなしには、民法上家族と見做される社団を編成することができず、慣習法上も家族と見做されません。慣習法上の扱いは、この社団がそもそも法人格なき社団であるために、他の類似の形態の法人格なき社団について同じ地位を認めるかどうかは私人の任意であるため、家族を主張する当事者の意思が通らないということです。
法人格なき社団であるために社団性が認められないのであれば、「伝統的」家族とは別に、民法上家族と認められる社団法人を作れるようにしてしまえばよいのではないでしょうか。「伝統的な」婚姻関係も含めて事実上の関係を認めるにはハードルがありますが、一定のモデルの社団法人の設立という形で形式化してしまえば、社団としての契約行為には問題がなくなります。つまりよくある賃貸不動産の賃借人の地位の継承や生命保険の受取人指名であれば、社団法人として賃貸契約を行い、その結果一部のメンバーが死亡した場合に残ったメンバーが社団法人として契約を引き継ぎ、あるいは自身がメンバーである社団法人を受取人に指定することには私法上の問題は少ないはずです。もちろん、家族関係が適用されるべき社団への帰属がある時点において重複してはならないという原則は維持されるのが筋でしょう。
逆に言えばカジュアルな社団の結成には一定の不利益があってしかるべきとも言えます。

■2020年12月25日(金)  誰のあきらめが早いのやら
夕張のスキー場・ホテルが廃業へ コロナで継続困難
この状況で今シーズン営業休止や廃業はあっておかしくないのですが、「破産申し立て」となると穏やかではありません。まあでも、2017年の開業だと、年間黒字はともかく開業時からの債務は解消できていなかった、それが営業休止で先の見通しも立たないといった事情で返済が難しくなったということでしょうか。突発事態なので、営業休止、私的整理で様子を見る状況のはずですし、以前の返済が順調であれば債権者としても金利減免なり期限繰り延べなり借り換えなりしてもおかしくないのですが。

「夕張のシンボル」破綻 所有企業の弁護士と連絡取れず
とはいえ「厚谷司市長は25日、記者団の取材に応じ、「(リゾートは)雇用の受け皿であり市の経済を回す上で大きな役割を果たしてきた施設。廃業となると非常に打撃は大きい」とショックを隠さなかった。そのうえで、「夕張のシンボルであり、財政再建中の市に欠かせない大切な施設」とし、施設の所有会社に事業継続を求める意向を表明した。」というのは酷い話で、自治体首長ならともかく、企業経営者にはお金が出ていくばっかりで儲からない事業を続ける義務というのはないわけです。建物だけ返せというならまだしも、事業自体維持して欲しいなら、シーズン入りが迫ってきた9月くらいの時点で事情を把握して、破産申請だけは回避する策を用意しておくのが筋です。まあ、その結果事業の債務を夕張市が抱え込むことになったかもしれませんけど。

破綻の夕張リゾート、負債は5億円超 事業再開見通せず
そりゃまあ、売ってなんとかなるなら破産なんか申し立てません。この時点で清算を選ぶのか再建を選ぶのかは明らかになっていないようですが、現在の特殊事情もあり、設備だけ捨て値で叩き売って廃屋や更地になることだけは防ぐのが精いっぱいではないでしょうか。それでも数年寝かせることになりかねないわけですから、事業再開を前提に引き取れるところは限られるでしょう。もちろん債務は設備の売却益などから分配して清算で、債権者が割を食うことになります。

■2020年12月24日(木)  こういうときは「文化を守れ!」とは言わないのでしょうかね
教員の児童・生徒へのわいせつ、原則免職に 大阪府教委
大阪府教委の施策とは言え、極めてまっとうなものだと思います。
ところで、教師と児童生徒のというのはポルノグラフィーではよく見かける状況設定ですが、教師による児童生徒へのわいせつ行為が厳罰ということになってしまうと、この状況が艶めかしいというよりは首をかけたものになってしまいます。こういうのに対しては、「学校でのわいせつ行為も文化だ、守るべきだ」とは言わないのでしょうかね。

■2020年12月24日(木)  イケメン坊さんでは萌えないんだろうなあ
霊場から「OMURO88」参上!仁和寺の文化財を救え
やった方が良いことだとは思います。別にかわいい女の子が見守ってくれる分には、性差別的である以外の問題はないわけですし。ただまあ、仏教には見守ってくれるキャラクターがたくさんいるわけなので、そちらを活用できなかったのかなとは思わないでもありません。
ところで、この足はどうなのでしょうかね。一応霊場なんで生足はまずいと思いますし、いくら簡易版お遍路さんとはいえ袴なりで肌を覆わないと、怪我をすると思います。

■2020年12月24日(木)  何でこの改善に20年もかかるんだか
新幹線の「カチカチ」アイス、専用スプーン発売へ
素晴らしいことです。アルミの薄板で強度的に大丈夫かという話はありますが、使ってみて曲がったらそれはそれで笑えるネタにできます。形状なり厚さなりで強度は確保できるはずですしね。
とはいえこれ、私が自分のお金で東海道新幹線に乗るようになったころにはすでに話題になっていたのですが、20年以上話題になりつつも手を打たずにいたわけです。値段付けからしてコスト面でまともな額になる自信がなかったためかもしれませんが(280円のアイスを食べるのに600円のスプーンですしね)、グッズとして付加価値をつけるのに技術開発はいらないわけで、2014年の東海道新幹線開業50周年に間に合わなかったものでしょうか。

■2020年12月24日(木)  サンタの袋並みに膨らんでいるが中身はね…
M1 Mac向けにArm版Windows提供? MSとParallelsが正式に協力か
Parallelsが絡むなら(以前のBaseCamp記事と違って)技術的にはちゃんとした筋ですが、可能性はあるとしても、憶測記事を飛ばすのはあまり良くないと思います。幹部がSNSで親しげな発言をしたというだけで、筋からそういう話がリークされる以前の状況ですし、そもそも単独のライセンスで販売する必要はなく、Parallels Desktopとバンドル販売すれば済む話です。
クリスマスイブだからと言って、サンタを気取って駄法螺記事をプレゼントしていくのは困ったものです。こういう話は、4月1日にもっとそれっぽくやっていただきたい。

■2020年12月24日(木)  一部ではかえって不便だと思うのですけどね
南海電鉄が「Visaタッチ決済」を改札機に導入 一部駅で実証実験
えーとこれね、乗車駅か降車駅かどちらか一方しか対応していなかった場合はどうなるのでしょうか。おそらく未対応の改札機でタッチした場合通れないのだと思いますが、特に降車駅の改札機が未対応の場合に、うっかりして窓口で清算してもらう乗客が続出しかねません。結局乗客として使うに堪えないという評価になりかねないと思うのですが、せめて精算機だけでも全駅に設置するわけにはいかないのでしょうか。

■2020年12月24日(木)  なぜできて当たり前のことができていないのだろう
来年1月発表。KDDI「ahamo」対抗プランの秘策はこれだ
「今月はNetflixでドラマを見るために多めのデータ量にしていたが、見終わったので来月は少なくしよう、といったことができる。」
順序が逆ではありますが(本来は「Netflixで面白そうなドラマを配信するのでデータ量を買い足そう」であるはず)、歓迎できる発想だと思います。
とはいえ、今の定額料金制度の発想は本来逆で、通信容量として負担にならない範囲で定額にするのではなく、調達できる限りの資金を投入して通信容量を拡大、それを適切な価格で積極的に売っていくべきであるはずです。識者でも、現在の通信容量が十分だなどと言っている人は一人もいません。むしろ不足だ、(料金値下げなどどうでもよいから)増やせという立場のはずです。その意味では、定額の範囲内で使うというスタイルではなく、容量のチャージで必要な容量を買い足していく、必要がなければ使わないというスタイルで、トータルでバランスが取れるというのが、あるべき形です。筋論で言うならば、従量制料金で20GB使ってトータルの月額料金が3000円を超えないというのが筋なのです。いやまあ、20GBで3000円というのが適正価格だとは思わず、100GBで1500円くらいじゃないかなあと思わないでもないのですが。それを高校生がコンビニでチャージできて初めて、万民のものと言えます。
しかしながら、価格水準もコンビニチャージ(ヨーロッパならタバコ屋・キャンディー屋台、新聞スタンドなどでのチャージ)も不十分です。回線契約における本人確認の問題はあるにせよ、どうして技術的にできていて当たり前のことができていないのでしょうか。
まあ、子供が勝手にチャージできてしまうと保護者としては使い方を把握できないという問題が出ては来ますが、逆にチャージ払いのみ、親のクレカや支払い口座は使わせないという形なら、合算で色々請求されてびっくりということはなくなります。子供向けのゲームまでアイテム課金の請求が親に行くというのがおかしいのであって、ペアレンタルコントロールだって課金は小遣いの範囲内でやってよいが大人向けのコンテンツはダメくらいの制御ができないのはおかしいのです。

■2020年12月24日(木)  せめて米と水を入れてスイッチを入れたら5分で完成してくれないと
秋葉原を歩いていて"おひとりさま用"「超高速弁当箱炊飯器」を衝動買い
吸水を含めて14分+蒸し時間だとしたら確かにすごいですが(記事を読む限り吸水時間は取った方がよさそう)、パックご飯をレンジで温めれば1.5分ではないでしょうか。炊飯マグだって10分です。「超高速」というのは看板に偽りありだと思います。
どうもこの手のアイデア家電というのは、ユティリティとして考え抜かれておらず、中途半端なものばかりだと思います。駅弁でも買った方がはるかにましでしょう。

■2020年12月24日(木)  どうせ吊るしなんだからMac miniくらいにならんかね
見た目は小型・性能はタワー型並み! リビング用マシンにも最適なTHIRDWAVEのRyzen/インテルCore搭載ミニPC
うーん、やはり小型PCはずんぐりむっくりしていて、スマートじゃないですね。ミニタワー以上の存在感があるものなら気にならないのですが、一度Mac miniを見てしまうと、PC用小型筐体のどうにもあか抜けないデザインが気になってしまいます。厚さが半分にならないものでしょうか。モニタの裏につけるにしても、厚さは問題になるのです。
手の加えようがないマイクロPCのほうが、デザインにしろ取り廻しにしろ洗練されていると思います。

■2020年12月24日(木)  というか、副業を推奨するというならこの手の手続を簡便化できませんかね
個人事業主の開業手続き書類を無料で作成 「マネーフォワード開業届」提供
「開業届が必要になる。」
そんなことはありません。確かに屋号で領収書を貰ったりするためには開業届が必要になりますが、本名で行うフリーランス程度であれば届なしで十分なはず。まあ、開業届をするようにということにはなっているのですが、する意味もないししなかったからといって税務署が口を出してくることもほぼないはずです。届け出をされてしまうと管理をしなければならないので、青色申告の税務会計管理のメリットが出てくる程度の規模でない限りは(つまり税理士にハンコを押してもらうコストが気になるような人については)税務署にとっても迷惑です。
開業届の利便を受けているのは、むしろ税理士でしょう。作成を代行すれば青色申告や消費税申告がらみの手続受託の営業をかけられますし、うまくつつけば経営コンサルティングでさらにお金を搾り取れます。銀行や不動産屋、自動車販売などの相談会と同じで、顧客を取り込むためのきっかけになるのです。

■2020年12月24日(木)  まずGoToなんぞに乗らず、有給の自宅待機にして店を閉めてはいかがでしょうか
「むなしい」嘆く業者 年末年始のGoTo一斉停止
そりゃまあ、空しいでしょうけど、自業自得でしょう。
もちろん政府の対応が安定していないことは否定できませんし、実施に際して粗漏が随分と見られることも事実ですが、それ以前に、財界だけでなく実業全体から、事業をさせろ、金を稼がせろ、でないと潰れる、雇用も維持できないと言ってくるから弱腰に経済復興と感染対策を組み合わせる状況になっている面があります。政府が腰を据えられない理由が自分たちにあるのにそれで右往左往するのを非難しているのです。

■2020年12月23日(水)  寡占になるかどうかは総務省次第
携帯値下げは大手寡占に逆戻り 楽天やMVNOに残された道
「2021年は立場の弱い企業が次々競争から脱落し、3社の寡占がより強固になる未来しか見えてこないというのが筆者の正直な感想です。」
基本的な方向性としては間違っていないと思いますが、それこそ総務省が超低価格でネットワークの相互利用を容量無制限で義務付けてしまえば済む話ではあります。例えばとにかく他社のネットワークを利用する際の金額は年額一千万円で容量、速度無制限だ、SIMの発行上限もないと決めてしまうわけです。ネットワークを提供する側にとっては大赤字になりますが、どうせキャリアですし、そもそもキャリア同士の接続も無制限になるので、無駄なエリア拡張競争も抑えられます。楽天モバイルあたりにとっては周波数割り当てよりもありがたいかもしれません。その代わりキャリアの整備したネットワークを共有するカルテルじみたことになるのですが、この水準での接続要求を拒否できない以上新規参入の制約もありません。

■2020年12月23日(水)  金箔が地元に関係があるわけでもなさそうですが
高級レトルトカレーが気になる!1万5000円の宮崎牛カレー(金箔入り)
「木箱や金箔はなくもいい」
タイトルを見て製品コンセプトの下劣さに驚き、このコメントに納得しました。
記事を読む限り調理済み食品としては大変良くできているように思えます。しかし、高級感を金箔で演出するという趣向は、400年前でもあるまいし、金という希少資源(産業の米、半導体集積回路に必須の配線材ですし、他にも工業材料として様々な需要があります)を無駄遣いすることになるのでやめていただきたい。写真の印象だと金箔を散らさなくても値段はほとんど変わらないと思いますが、この量だってIC数個分の配線くらいにはなりそうなものです。高級感を演出したいなら、コショウと一緒に工業用ダイヤモンド粉末でも混ぜたらいかがでしょうか。見た目はあまり変わらないでしょうが、パッケージの煽り文句次第で味が変わる程度には、人間というのはバーチャルな生き物だと思います。「粉末ダイヤモンド2000mg配合!」なんていかがでしょうか。
正直、どうしても金を使って高級感を出したいなら、私なら金線を50cmほど使ってパッキンとし、シール部を鏡面研磨したステンレスの密封容器を使った重量感溢れるパッケージのすき焼きにします。このパッケージだけで数千円になりそうな気がしますが、パックから具材と調味料を容器にあけ(本当は混ぜた状態で封入してしまいたいのですが、それではたぶん具材が漬けになってしまいます)、金線を挟んで蓋をボルト止めし、指定トルクで締めてから直火にかけて調理します(加熱した後しばらく放置するだけ)。密閉された容器は圧力鍋となり(もちろん普通の圧力鍋に金のパッキンなどいりません)、具材を柔らかく、味の滲みた状態に仕上げます。開封すれば金のパッキンは使い捨て。額に入れて飾るなり数十グラム分集めて貴金属店に売り払うなりということになります。なお、金のリングを直接加熱される部分のパッキンにするというのは、真空工業で用いられる方法です。もちろん、圧力鍋程度であればシリコンゴムで十分で、金属パッキンを使うにしても銅あたりですでにオーバースペックなのですけどね。それでも1グラム近い金を使うことで、無駄な高級感を演出できます。まあ、トータル2万円クラスというところでしょうか。また具材と調味料のパッケージだけであれば福引二等賞的な満足感と残念感を演出できるでしょう。

■2020年12月23日(水)  日本語IMEが不安定
どうもここ一ヶ月ほど、突然日本語変換が働かなくなってしまうという症状が出ています。タスクバー上のアイコンは普通に反応するのですが、打ったローマ字がそのままいわゆる半角英数字として入力されてしまいます。影響を確認したのはFirefoxと秀丸メールですが、PCを再起動すると直り、またOSなりアプリケーションなりに何かのアップデートが下りてきている状況で発生しているので、タスクバーのメッセージ機能あたりと日本語IMEが問題を起こしているのではないかという気がするのですが…今日の場合、Edgeのアップデートのせいじゃないのかな…と。あるいは、MSがIMEに関わるようなアップデートを配信し、それが影響しているのかもしれませんけど。

■2020年12月23日(水)  お値段以外は新規性を追及しないんですかね
楽天モバイル、「機会の平等」のためにプラチナバンド再配分の検討を求める
楽天モバイル『このままでは電波が足りない』 プラチナバンドの割当を要請
「プラチナバンドがなければ競争は困難」 楽天モバイルが既存周波数の再編を訴える
「デジタル変革時代の電波政策懇談会(第2回)」という参加者が不満を述べるための場であれば、こう言うのは当然です。楽天がエリアの拡大に四苦八苦しているのは自業自得だとしても、扱いやすいバンドを既存キャリアが占有しているというのは、やむを得ないとは言えても公平とは言えないでしょう。小口氏の記事も同じ話だと思いますが、こちらだとお話しレベルではなく窓口にねじ込んだように読めます。
とはいえ、三井物産や双日あたりが始めたのならともかく、一応自称IT企業である楽天が始めたキャリアなのに割り当てられたバンドへの逼塞に技術的に甘んじているというのは少々感心しません。確かに携帯電話端末のチューナーはチューナーメーカーが対応させたバンドしか受信できませんが、それでは先発に比べて不利であることはわかっていたはず。ソフトウェア的にもハードウェア的にも、雑音除去によって実質的な利得を改善する、割り当ててもらわなくてもよいバンドを小出力で使うなど、工夫で乗り切るのが後発の心意気でしょう。ましてIT企業であれば、そもそも役所にお願いして周波数帯を割り当てていただくような事業の構造を出し抜くことが正しい在り方ではないでしょうか。法務や財務のテクニックやサービスや開発費をケチることで安値を実現するような後発なら、せめてスタート時点で人口カバー率99.7パーセントを実現できるような資本をぶち込むべきです。格安航空会社のような選択と集中をベースとした経営が許される事業ではないのですから、主張するべきは主張するとしても、そんな不利に甘んじないだけの裏付けをもって参入するのが筋ではないでしょうか。
その意味でこれは一つの手ですが、バンドの占有を役所に認めてもらうことが前提という点でIT企業らしくありません。バンドなどというコモンズを占有しなくても、役所のお墨付きで囲い込みなどせずとも、自由に使えばうまくいくというスキームを作り出すべきです。

■2020年12月23日(水)  特急でコンパートメントでもやって見ればよいと思うのですが
JR東日本、座席で通話OKなリモートワーク対応「新幹線オフィス」を実証実験
新幹線の一部を「リモートワーク推奨車両」に──JR東日本が実証実験
なんで新幹線でオープン席にこだわるのでしょうかね。JR東海あたりがやるならまだしも、JR東日本です。在来線特急だってまだあるわけで、かいじの一両分を適当にシートを間引いて防音ボードで仕切って実証実験をすれば済むことでしょう。逆に防音の仕切りもなしに通話を伴うリモートワークなどしたらセキュリティリスクが生じかねません。需要が減っているからだとしても、東北新幹線開通当時ならまだしも、現在では覗き込み防止のためにもブースが必須です。
というか、鉄道各社は車内での音声通話を遮断すべきではないでしょうか。メールが来ない、メッセが来ないというのは対応するべきですが、それは無線LANでも代替できるはずで、メッセで足りるような音声通話を車内で認めるような携帯電話会社への阿りは全く感心できません。

「新幹線オフィス」試行 ウェブ会議OK、特殊めがねも
仕事に「全集中」できる? 新幹線オフィスに乗ってみた
ほんとに、セキュリティ上問題があるので、この手の大部屋思想は、こと賃貸しオフィスブースに限りなくなって欲しいと思います。むしろ、リモートがどうこうよりも、コンパートメントで移動中打ち合わせができるというコンセプトにならないものでしょうか。

駅ナカで、カラオケ店で 「貸しオフィス」コロナで急増
オフィスのあり方という意味では悪いことではないと思うのですが(サテライトオフィスの一類型として論じることは可能でしょう)、それはそれとして高いです。賃労働者というのは労働において自己負担をしないというのが本来の形のはずで、就労設備のコストを自前で払うというのは論外ですが、利用コストを雇用主が負担するにしても、15分や30分で千円札がどんどん飛んでいくというのは、一般的なオフィスの賃貸料金から見ても割に合わないのではないでしょか。出先で立ち寄ってというレベルならまだしも、日常的に利用するには厳しい額だと思います。このあたりこそ、どんどん定額会員制度が出てくるべきでしょう。
働き方改革や副業といった話にも関係のあることなので、場合によっては個人起業向けの事務のアウトソーシングサービスあたりと絡めた展開を期待します。

■2020年12月23日(水)  誰だよ、消したの
2020年末に期限切れになるルート証明書。「削除しないで」とMicrosoft
えーとこれはつまり、うっかり期限切れの証明書を削除した結果異常が発生し、マイクロソフトに泣きついた人がいるということなんですかね。普通は動いているものを変にいじったりはしないものですが、昨今はいろいろうるさいので、つい余計なものは消してしまえとやっちゃう人もいそうです。というか、ドキュメントならともかく、OSやアプリケーションのコンポーネントであれば、証明書で署名しているようなものは期限切れの前に新しい証明書で署名しなおしたものを配布するのが筋でしょうに。また7以前のOSなど、とっくにサポート期限が切れているわけで、動かなくなったとしても文句は言えません。
もしかしてホリデーシーズンのネタアナウンスなのでしょうか。米国人のジョークというのは理解しがたい部分がありますが。

レジストリクリーナーを使うのはやめて? 〜Microsoftがサポート文書で呼びかけ
年末大掃除ネタ第二弾という感じでしょうか。
まあ、変な形でレジストリデータベースをいじってシステムを混乱させてしまうアプリケーションは未だにありますし、レジストリクリーナーの類はそのリスクは大きいでしょう。MSとしてもそんなのに責任は取れないという主張はわかります。クリーナーを使うくらいなら、出荷時状態に戻してOSをセットアップしなおす方が確実ですしね。
「もっとも、最近のレジストリクリーナーはシステムクリーナーも兼ねています。ジャンクファイルの削除や古いアプリケーションの更新を促す機能なども付属しており、その点ではまだまだ有用であるといえるでしょう。」などという主張をなぜ入れたのかは不明ですが、これこそ謬見の最たるものです。それがジャンクファイルであるかどうかなどリスクなしには言えませんし、セキュリティリスクの出るようなアプリケーションは今時アップデート通知を備えています。勝手にOSや他のアプリケーションの設定をいじって回るようなソフトウェアの使用は自己責任、壊れても文句は言えないというのが、正しい在り方です。

■2020年12月23日(水)  ゲームをしていないと冷めるのでしょうかね?
あのケンタッキーからゲーミングパソコン。排熱でチキンを保温可能
「ケンタッキーフライドチキンのゲーミング部門KFC Gaming」なんてものがあることがまず驚きなのですが、というかこのネタのためのなんちゃって組織ではないかという気がするのですが、ネタとしてはまあ良いというか面白いとはしても、そもそもパソコンの排熱というのは負荷状況で変わるはずなのですが、ゲームしていないアイドリング状態でもちゃんと保温できるのでしょうかね?まさかゲームをするなり、あるいは代わりにCPUやGPUを使う保温用アプリケーションを動かすなりしないと保温できないなどということはないでしょうね?あるいはチキンを保温しておかないと排熱が不足するなんてことはないのでしょうね?
「筆者はゲームもケンタッキーも好きなので、ぜひこの製品を試してみたいところだ。」というのは個人的に共感できますが、ひたすらゲームをしながらチキンを食べていたらメタボまっしぐらな気がします。

嘘から出たまこと⁈ フライドチキンを温められるゲーミングPC「KFConsole」がまさかの正式発表!
うん、ケンタのバレルなら白に赤でしょう。黒に赤ではコカ・コーラです。それに、多分バレルで買ったチキンは全部は入りませんよね。
というか、液没冷却PCを一時期やっていたのはどこでしたっけ?どうもASCII.jpだったような記憶がないでもないのですが、だとすれば、ここは排熱でチキンとポテトを揚げるのが筋だくらい書かないものでしょうかね。いや、揚がるほど温度が上がったら良くて熱暴走なんですけども。

KFC、チキン保温庫内蔵ゲーミングPC「KFConsole」正式発表。Cooler Masterと提携
さすがにネタ系のライターさんは皆さん拾ってきますね。「どこまで本気なのか」というのは素直な感想ではあるでしょうが、実現可能ではある以上、ネタで作ってしまうくらいはやらないと面白くないでしょう。ピザ箱に基盤を入れてPCを作った例はあったかと思いますが、考えてみればNUCのサイズならケンタの大型バレルに入りそうですよね。また「コンソールが油まみれになりそう、チキン持った手でコントローラーを操作するのか」というのは今更の話で、どうせみんな、スナックを掴んで油まみれになった手でいじっているのです。どうせならソフトドリンク、ビールアンドディープフライドスナックプルーフなキーボード、マウス、コントローラーもつけると良いのではないでしょうか。そして、ハンバーガーソースやピザソースには対応していませんとか。

■2020年12月22日(火)  電池交換が面倒というのは全くその通りで
マジシャン前田知洋が選ぶ! 2020年買ってよかったモノ
カッティングマットはわかりますけど、他は何が買ってよかったのかわからないですね。いやまあ、電池式の温湿度計よりはバロメ−ターの方が良いというのはわかりますが、温度計や湿度計なんてそんなに正確なものではないので、部屋ごとに置いて測ろうなどという発想が出てきません。デジタル時計の付属機能を眺めている分にはともかく、真面目に測ろうと思ったら少なくとも週に1回は基準の温度計や湿度計に合わせて校正し、基準の温度計や湿度計は数カ月に一回検定機関で校正する必要があるでしょう。また校正のために恒温槽や恒湿槽を導入すべきです。もっとも、家庭用の計器なんてそこまでまじめにやれるのは料理用の秤くらいなんですが。
「大先生かっ!」というのはいささか気の毒な話で、売文業とはいえノウハウ・ガジェット系なのですから、書籍の解説や推薦は合わないと思ったら断ったってよいのです。それによって専門領域が確立していくことだってあります。まあ、ASCII.jpが心にもないリコメンデーションをしてそれをネタとして楽しむ方向性を持ったメディアであること自体は否定できず、正直アピールだって他人が出してこなさそうな製品を選ぶのだって、「オススメでもない商品を、ペラペラ語れちゃう才能」、話芸、文芸のひとつではあるのですが。

■2020年12月22日(火)  あなたの主張だって十分社会主義的だ
社会主義は未来像にはなりえない
それを言うなら「社会主義(Socialism)」という名詞の語義の多様性を無視してド田舎ドイツ出身の文系反政府活動家の説いた産業集中化社会論とやっぱりド田舎のおそロシア出身の反政府活動家の説いた権力論で代表させるのもどうかと思います。SocialismにしろCommunismにしろ元々は国王権力や封建領主、特権的大商人に対して都市の中堅職人や小規模商人、知識人、あるいは借地農や小作人を代表しようとする立場(したわけでもできたわけでもない)から主張された共同体論です。私的所有に対する隔意も、支配階級や、力を増しつつあった都市中産階級に対する主張だったわけで、基本的には集落単位での生産手段の共有であり、どちらかと言えば反集中であって、生産手段の集中だのプロレタリア独裁だの言う方向の国家レベルの集中への志向は、19世紀以降に国家の統一や集権官僚制を目指す立場にあったドイツやロシアの状況から与えられたものに過ぎません。共産党宣言において「社会主義」諸派が批判されているように、むしろマルクスやエンゲルスの方が社会主義思想の亜流です。
もちろんマルクスやエンゲルスの主張が発展しつつあった組織ベースの産業資本主義に適応した洗練を加えたものであり、レーニンの前衛論や国家論が強権的な国家政治権力の奪取に必要な強固な組織的枠組を与えるものであったことは認めなければなりませんが、それを言うなら彼らはそのモデルをプロイセン国家学や国民経済学から得ているとも言えます。また同時代の政治論を見れば、集権的国家論と知的エリート寡頭制、独裁制は当時のドイツ知識人の流行だったことがわかります(対してフランスやイギリスではプラトニックな啓蒙的平等社会論 - 宣言の第3章第3節にあるやつ - が主流で、多分ドイツ観念論など田舎の勘違い - 何しろ共産主義者同盟自体亡命ドイツ人の寄り合いでしかない - と馬鹿にされていた)。フランスの左派思想がマルクス主義に屈服したのは、それこそセダン以降でしょう。マルクスやエンゲルスが排斥した(空想的)社会主義は、むしろ理念として先行していたイギリスやフランスの社会主義です。伝統的な社会主義者が組合や農村社会に社会的な共有のモデルを見出していたのに対して、商業はあっても事業組織などというものはそもそも存在していなかったロシアの状況に対峙したレーニンはともかく(むしろ彼は集権的な事業システムを作り出すことから始めないといけなかった)、マルクスやエンゲルスは、高度な独占資本の事業組織(といっても世界大戦期のドイツ産業資本から見てすら素朴な代物、今時の産業組織から見れば家内制手工業も同然)なら資本家を追放するだけで社会的な共有を実現できると考え、そこを起点にプロレタリアート独裁国家を構想しています。フランスやイギリスで見た高度な事業組織の萌芽に当時の社会の本質を見出しつつも(このためマルクスにしろエンゲルスにしろ産業組織論の視点からは異端とは全く言えません)、かえって集権国家理念への親近感からそれに幻惑されたと解釈するべきではないでしょうか。対して同時代の英仏の社会主義思想は集権的組織への反感をベースにしています(まあ、それでモデルとして中世的農村や職人組合の空想的懐旧に走ってしまうところはあれなんですが)。ロシアや中国、あるいは旧植民地諸国が(それこそ少なからず社会改良的・啓蒙的思考を持った)ボスと前衛たちによる集権的官僚独裁体制に進む一方、一時的にはむしろ独占資本と国家主義思想の側から統制経済に走ったにせよ、ドイツやイタリア、日本といった曲がりなりにも自力で合理的市民階級を生み出していた地域の左翼が科学的社会主義やプロレタリアート独裁よりも空想的社会主義や組合村構想に親和的な志向を持っていたのは、そもそも彼らが集権的産業組織に理想像を見出せなかったためでしょう。あるいは、そこに理想像を見出せるような人物であれば官庁や軍中枢、財閥系企業で出世する機会が十分にあった(ので左翼に走る必要がなかった)からかもしれませんが。
権力を奪取する暴力にしても、村の金持ちを吊し上げる暴徒と資本家を摘発する組織的警察や軍隊とでは全く違うわけで、知的な議論の対象に適しているのは後者であるにしても、おそらく結果として出来上がる体制は大きく違ってきます。それこそロシア革命期のソヴィエトとボリシェヴィキの相克にその反映を見る視点は適切だと思います。
ならば、ボリシェヴィキだけ論じて社会主義を決めつけるのは、それこそ共産党的硬直性でしょう。社会主義が未来像になりえないというなら、ニュージャージー州会社法的集権産業組織の社会主義性やそれこそ古代から政治的理想主義者たちが示した経済統制への親近感まで含めて批判するのが筋です。マルクスが近代的産業資本に現代的社会組織を幻視したように、巨大な独占企業体は共産圏の国営企業の双生児に見えますし、ドイツのコンツェルン経営者や日本の官僚や高級軍人にとってマルクスじみた集権的統制経済は共通の知的基盤でした。一方で現在のベンチャー系プラットフォーム企業のリーダーたちには反国家的ユートピア思想、つまり空想的とされた社会主義者たちと共通する反権力的個人の連帯思想が刻印されています。彼らがどちらかといえばアメリカンリベラル、つまり民主党に親和的なのもその関係でしょう。「勤労者の権利と利益を守る構造改革」などというものも、見方によっては社会主義の一派でしかありません。というか、「勤労者」などという用語自体がはなはだしく社会主義的です。そこを批判せずして理想からの社会主義の追放などありえません。そして理想から社会主義を追放したときに、あなた自身も一緒に理想から追放されていなければよいのですけどね。

■2020年12月22日(火)  まあ、現地水準程度なら払っちゃった方が安いんではないかと
アップル、iPhoneインド工場での低賃金につき「法的責任がある」と専門家が指摘。月給700円の従業員も
Appleも見栄っ張りなので、自社が不正認定した以上、それなりの法律的な交渉を行ったうえで、場合によっては現地の適正賃金をベースとして、差額を支払うような気がします。「サプライヤーに生産を任せきりで現場の労働条件は一切関与せず、といった姿勢は通用しなさそうです。」なんてことを言うようでは、行動基準をサプライヤーに押し付けることができなくなりかねませんし。また一時金としてインドの給与水準で1万人に4か月分弱を支払うくらいは財務上可能でしょう。まあ、インドの弁護士が「カリフォルニア州の水準で」などと言いだしたら徹底抗戦するでしょうけど。支払ったうえで、Wistronに対して、法律に悖る行為により損害を受けたとして支払い分+αの賠償を求めるというのが、ありそうな線ではないでしょうか。
ちなみにこの記事によると、バンガロールの年収水準は2018年時点で93万円だそうです。ただしこれは「エンジニア」の話なので(それでも、日本における配偶者控除の受けられる上限を下回っている)、この件で暴動を起こしたような作業員の収入は相当低い水準になるのではないでしょうか。月給2万円くらいでもおかしくありません。それでも700円に比べれば大きな額ですが、4か月分を一万人としても10億円に届かず、対してWikipediaによるとApple Computer Inc.の2019年の営業利益は約552億ドル、おおざっぱに5兆円程度であり、今年の突発不況で営業利益が減っているとしても払ったところで一時金としてはたいした負担ではなく、むしろ支払いを拒否することによる評判の低下の方が問題と言えます。

■2020年12月22日(火)  やはり高床の日本家屋の構造は北には向いていないのではないだろうか
固まっていたオリーブオイルを南向き窓際の机の上に置いておいたら、融けました。
つまりそれだけうちの台所の床付近が寒いということなのですが、確かに床下には普通に外気が入ってきますから、冷えるのだと思います。水道の凍結など想像もつかない地域なら別ですが、冬季の夜半は普通に氷点下になる地域において、オンドルや床暖房もない開放型床下、部分暖房の日本家屋というのはむしろ不向きで、やはり仕切り壁のない一括暖房、床板を切り欠いて囲炉裏を作り外壁は地面まで下す一方暖房される土間から床下に空気を入れる民家構造なりが望ましいのかもしれません。

■2020年12月22日(火)  自分たちはつまらないことをくだくだしく議論している暇人の集まりだと自認するなら別ですけども
「1人会派を認めない」条例改正に議場は騒然 東村山市
議会での活動において会派として登録していないとできないものがあるのなら、こういう条例は良くないでしょうね。
よくあるのは会派の規模に応じて委員を割り振るという話ですが、これはどうにもこれをやって果たして代議制と言えるのかという気がしてしまいます。また会派に設備や活動予算枠が割り当てられるという話もありそうですが、本来設備ならば議員事務所、予算なら調査費を議員ごとに割り当ててしかるべきですし、その上で会派として活動するための事務費や設備を割り振るというなら、無所属議員や一人会派に対して優遇したとしても不当とまでは言えないかもしれません。程度問題ではあるでしょうけど。
提案や発議、議事討論が賛同する議員としてではなく会派としてでないとできない規則があるとすれば論外で、一院制代議院の趣旨からすれば、所属委員会や所属会派に関わらず制約なく(賛同する議員の人数について制約があるとしても、つまり一定以上の人数の議員の共同提案でなければならないとしても)提案や発議ができ、委員会でブラッシュアップや論点整理を行うにしても、最後は本会議での討論と採決で決めるのが筋です。委員会で廃案などというのは、提案者の同意なくするべきではありません。まあ、議事運営の効率化という観点はあって、何が何でも本会議というと議事妨害行為に使われるのでしょうけど、委任を受けている委員会であれ、提案者に不利な取り扱いが懸念される場合は、否定的な意見を付けて本会議に回付する程度の配慮はすべきですし、当然提案者は所属に関わらず検討する委員会に出席できなければなりません。その意味で、いちいち数えずに済むからと言って「議案に対する質疑時間も会派に割り振られ、議会広報紙も会派ごとに予算・決算の主張を掲載してきた。」などというのも論外で、会派を単位にするというならそうした窓口としての会派を一人で掲げることもできてしかるべきですし、それを認めないなら会派を単位とした割り振りは止めるべきです。少なくとも今の議会制度において議会の本質は選挙で選ばれた議員で構成されていることにあり、一人一人の議員に十全な活動の機会を確保することが議事運営制度の目的です。それを無視して「会派は複数人で構成するものだ」などと言ってしまうことは、多数派の横暴ということになるでしょう。

■2020年12月22日(火)  なぜCAだけ?
教員資格持つCA、学校に受け入れ 文科省が雇用支援策
もちろん旅客輸送業界は経営状況が深刻ですし、CAは学歴はそれなりに高い人が多いですから、教員免許を持っている人も相当数いるのでしょう。CAなら対人能力についても不安はなさそうです。出してくる母体として旅客航空会社なら、制度終了後の帰任も含めて問題は少ないということはあるのかもしれません。
とはいえ、それこそ宿泊業や旅行業、あるいは飲食業界にも、教員免許を持っている人というのは相当数いるはずで、雇い主と交渉してCAだけというのは、感心できません。またあくまでも三密な状況での対面指導を前提としていることがあまりにもあからさまです。小学校であれば行事をなくして事務の負担軽減を図る方が有効な可能性がありますし、中学校以上であれば授業の負担が大きいのは中学で英、数、国、理、社、体、高校で英、数、国、体、いわゆる必須科目であって時間数が多い科目という奴ですが、英語や国語あたりは補助教員投入である程度緩和できるにしても、数学や理科の免許を持っている人はどれだけいるでしょうか。やらないよりはましとしか思えませんし、それこそリモート学習機材の取り扱いにも動員されかねない数学や理科、技術の教員の負担を軽減する方が先ではないでしょうか。いやまあ、CAは接客と言ってもそれなりに技術的な研修も受けるはずで、情報機器の扱いであれば十分できそうな気はしますけど、でもそれなら、教員免許はあまりいりませんよね。
Too late and too smallというのは今年さんざん言われてきた話ですが、お盆前あたりまでならともかくこの時期になって泥縄的な話ばかり出てくると、もうAI様に全部お任せして治めていただいた方が良いのではないかとすら思えてきます。いや、それでうまくいくわけがないんですけども、正直人工無能でも今の大臣や官僚よりはましなんじゃないかなと。

■2020年12月22日(火)  今の国会議員の議員提案で予算編成をするのがいささかおぞましい気がしてしまうのはともかくとして
予算案の財源、国債発行頼み 「経済の回復力そぐ懸念」
確かに財源というか償還手段についても含めて編成過程での議論ができていない感はあります。そのあたりは予算編成を内閣の権限にしてしまったことの問題でもあるでしょうが、議論するような仕組みにあまりなっていないのでしょう。
国債は、そもそも現状発行の好機ではあります。残高は積みあがっていますが、証券市場が暴騰している以上、デフォルトリスクの低い証券は有利に発行できるはずですし、証券市場に滞留している日銀からの通貨供給を公共事業や補助金という回路で実体経済に回す方策にもなります。それで株式は値崩れするかもしれませんが、通貨流通にかかわる金融機関の保護だけ準備しておけば、投資の破綻による実体経済の冷え込み程度は財政政策で補えるはずです。そもそも通貨が証券市場に滞留しているから、投資家(それこそ今ならば日銀)に証券を売った人(まあ、投信の発行者や保有していた金融機関ですね)が受け取った通貨を実体経済に回さず別の証券を買っているから、証券価格ばかり上がっているわけで、通貨が一旦政府に吸い上げられることによって証券市場が冷え込んでも、投資家の財布が縮み上がる程度で済む。それによって起こる信用不安への対策費は吸い上げてあるわけ…はず…です。
予備費は、ありていに言って国会との関係が冷え込んでいることへの対応だと思います。現内閣としてはとにかく国会を開いて補正予算を通すようなことをしたくない、フリーハンドを握っておきたい、そのために多額の予備費を通常国会で通してしまうという話でしょう。予算審議の本質に悖る話だとは思いますが、そもそも自由民主党と国会の関係というのは、少なくとも1980年代以降あまり良くありません。度々内閣総理大臣公選制の話が出るのも、自由民主党で中心になるような人が国会を基盤にする自信がないということもあるのだと思います。内閣や国務大臣、実施機関レベルでの裁量権を確保しておかないと不安で仕方がない。それを「補正でいいじゃん」と言うのは、制度論、筋論としてはともかく情勢批評としては当を得ていません。本来ならば、予算を変更する必要が生じた場合は速やかに補正予算案を用意して国会を召集し、予算審議を迅速に取りまとめる姿勢と能力を持つ人を、有権者が国会議員として選ばないといけないわけですが、今の段階でそれができていない、そもそも次の選挙でそれができるとも思えないという点はここで言っても仕方ありません。

コロナ理由に緩んだ規律 膨らむ予算案、メリハリ見えず
でまあ、緩んだ規律はともかく、今の内閣でメリハリを付けられる方が危ない気がしますけど。効率性はともかく、量を突っ込めば効果が全くないということはまずないわけですし。いやまあ、事務員や運送屋の費用くらいは出るかな、というレベルなんですけども。
もちろん財政規律だって大事ではあるのですが、それで事業を取捨選択する場合、今の国会、今の内閣でやった取捨選択というのを信頼できるのでしょうか。日銀が借換債を引き受ければ済むとはいえ政府債務の処理は大変ですが、一方でメリハリをつけるということは産業構造、資源の分配を過度に歪めてしまう可能性が、つけない場合よりも強くなります。それよりはインフレの方がましだと思うのですが。そもそも政府のメリハリのつけ方を信用できないから民間の熱力学的な調整に任せろという話になっているわけで、その民間でお金を回せていないのが現状なのですから、メリハリがないとケチをつけるのはおかしいと思います。むしろあれもやってない、これもやってないとケチをつけるべきでしょう。

■2020年12月21日(月)  それやることちゃうんちゃう?
「自分に合った料金プランになっていますか?」 消費者庁、携帯料金の払いすぎに注意喚起
総務省、携帯料金見直し説明サイトの暫定版を公開 ユーザーの契約の過剰さをアピール
総務省が携帯電話ポータルサイトを開設 料金の見直しなどを促す
いや、消費者団体ならともかく、役所、それも規制当局である総務省のやることはそれじゃないでしょう。高い基本プランとそこからの複雑怪奇な割引プランという玄人向け金融商品みたいなものを止めさせ、見通しがよく、それこそ加算方式でオプションの付け外しが容易な形を義務付けることでしょう。自由な商品構成と言ってもそもそも市場がすでに歪んでいるのですから、まず強制してでも競争が成立するような環境を作り、ショップの店頭でごてごてとオプションのついた契約を勧められ、セールストークでは料金が下がっているらしいのだが何がどうなって下がっているのかわからないような商慣習を根絶させてからの話です。それこそ電気通信事業法で、公衆向け通信事業については回線使用料も端末価格も割引禁止と定めたって良いのです。店頭からこうした商慣習が根絶されれば、100回線まとめてといった明らかにプロが調達している状況について、割引式を復活させてもよいかもしれません。これも法律で容易に対応できます。

ちなみにこれ、消費者庁の管轄からすると指摘しているのはプランそのものではなく広告でしょうかね。だとするとこのタイトルのつけ方はおかしいことになります。もっともプランの構成に問題があることは明らかで、総務省の管轄と被るとはいえ、消費者の誤認を招きかねない問題のある商法として指導してもよい気がします。

■2020年12月21日(月)  焦ってる場合じゃないでしょうに
支持率暴落「自ら招いた」 政権に焦り「打てる手ない」
というか、どう見てもつなぎ政権なので、総裁選ではなくとにかく1年持たせる(つまり何としても任期満了まで解散しない)合意を与党内で取り付けるべきだと思ったのですが…その間の政策も含めて。なんだかわからない総裁選を経て党内が割れた状態で投票で決着を付けちゃいましたね。
世論調査での支持率に一喜一憂するのは、それがたとえ急上昇や暴落であってもあまり感心しませんが、さすがにここ一ヶ月で出てくるネタは空回りが過ぎ、あるいは脇が甘すぎると思えます。とはいえここで総辞職や通常国会の冒頭解散は混乱を招きます。少なくとも3年度予算が成立するまでは与党くらいはまとめて欲しいものです。総裁選なしで後継を取りまとめて総辞職でぎりぎり及第くらいでしょうか。民意と政権維持の間にバッファがあるのも、代議制民主主義の特徴ではあります。
できなかったら、それはその時ですし、その程度もできない人が国会議員をやってたんだなと諦めますけど。

■2020年12月21日(月)  救貧制度では命は守れない
命守れない生活保護「業務放棄に等しい」 識者の驚き
どうなんでしょうね。朝日訴訟のころから、帝国内務省の方針は中央地方共に「死ぬのも自立の内」であるような気がしますが。そもそも最低限の生活のレベルでは、昨今自立のための就職もままなりません。食えればいいというのは、安定的に雇われて給料を貰えている人の特権です。

■2020年12月20日(日)  住みたいから住むではなかなか済まない
就労許されず移動制限も 仮放免の苦境訴えるクルド人
苦境はわかりますし、痛ましいとは思いますけど、そもそも経緯として、永住を前提として査証を取って来日したわけではないのではないでしょうか。観光目的の短期滞在資格で入国して居住・就労するというのは明確に法律に反しているのであって、まず入国の際に避難のため居住したいと申請しないといけないはずです。この場合、却下されると収容ないしは送還となるはずで、国内に居住しているということは、滞在を開始してから手続を行ったのではないでしょうか。日本国内の難民支援団体が手配したのかもしれませんが、問題のある形で居住を開始しておいて、結婚したから永住権寄こせはないと思いますし、働けない、移動できないもないと思います。
入国ができるに過ぎない滞在資格で知り合いのところに転がり込んで居住を開始してしまう例が少なからずありますが、日本に限らず、事前の申請なく外国人が居住はできません。避難にしても、寛容であるかどうかはともかく手続は必要ですし、それは入国の時点で行うことが前提です。平穏に暮らしたいだけと言いますが、そもそも法を破っているわけで、この点で心証は良くありません。出身国には帰れないと言いますが、理屈で言えば日本に住む必要もないはずで、支援団体に受け入れてくれる国を紹介してもらうのだってかまわないはず、というのが日本政府の主張でしょう。行く先がないというならとりあえず追い出しはしないから、住んだりしないでさっさと行く先を探してほしいということです。
住民と競合するような事業や賃労働者をするしかないような貧乏な避難者の扱いは難しい問題で、気の毒だから引き受けるといっても、住民として住んでもらうというわけにはなかなかいきません。公的医療保険制度の利用を含めた住民としての権利以前に住民ではありえないわけで、健康保険に入れないといっても通常の額の診療報酬について支払い能力があるのに診療を拒否されることはあまりないはずです。とはいえそこを突き詰めていくとゲットーや収容所という話になるわけで、善意だけで済む話ではないと思います。

■2020年12月20日(日)  水道凍結
昨夜、水道が凍結しました。というか、朝になったら水が出なくなっていました。
日が昇るのを待って、地面から立ち上がっている水道管の保温カバーがはがれている部分に温泉給湯から汲んだお湯をかけてみたところそれで正解のようで、水道復活です。当座の対処であれば、ウェスを巻き付けて上から余っているごみ袋を巻いて保温カバー代わりにすればよいはずですが、ぼろぼろの布類はこの前捨てたばかりなんですよね。段ボールでも切って巻いてみるかね。
でまあ、段ボールと防水用にビニール袋を巻いて一晩おいたら凍らなかったわけですが、これでよいのかどうかはしばらく様子見です。また凍るようなら夜間は水を落とすのでしょうね。というか、前から気になっていたのですが、発泡樹脂を巻いただけとか段ボールとビニール袋を巻いただけでよいのなら、塩ビ管でもよいのではないだろうかと思うのですが。金属管なので中まで冷えて凍るわけですから。

■2020年12月20日(日)  機能キー文化と修飾キー文化の違いでしょうが
Aの左にある「CapsLock」キーは本当にいらない子?
これを論じるなら、そもそもあのCapsLockキーは、プログラム言語処理系の中で大文字しか受け付けないものがあるために(業務用大型機なのですが)、大文字と小文字の両方をサポートする文字入力キーボードについたのが由来であって、メッセージングで強調表現をするためではありません。大文字で入力するのが普通の環境と大文字小文字を区別するのが普通の環境の間での対立がCapsLockキーを生み、さらには一旦大文字入力をすべき状況(例えばUNIXワークステーションで大型機向けのプログラムやデータを入力するような)になると小文字を入力することは当分ありえなくなるために、ロック機能を切り替えるキーがAの隣に配置されているのです。
用途的にはソフトウェアで切り替えればよい程度の機能であり、今となっては「いらない子」であることは、疑いありません。

■2020年12月19日(土)  ハイパーリンクとは何か
ハイパーリンクの憂鬱
「今なお、スクリーンショットの文化が横行しているのはちょっといらだたしかったりもする。」
いやまあ、スクリーンショット的な発想は仕方ない部分もあります。ドキュメントというのは決して変わらないものでもなくならないものでもないですし、そもそも引用、つまり既存の情報をあるがままに提示する(その上で独自の解釈を展開する)場合、自分が見たときのままでなければ意味がないのです。

それはともかく、HTML文書というのは現代の学術文書をモデルにしています。ハイパーリンクであれば、それは引用のマークとそのマークに対応付けられた参照文献リストの項目をパッケージしたものです。情報提供のための文書としては至極便利です。
ただし、あの、リンクをつつくと参照先の文書を自動的に開くという動作は、HTMLに必須の仕様ではなく、表示するWebブラウザの仕様です。URLは抽象的な文字列でしかなく、その先にあるものが実際はどんなデータであるのかは、データが届いてみるまで(リクエストを出した先で何かの処理が行われるだけでデータが送られてこないかもしれませんが)わかりません。昔ならともかく、今のWebブラウザはほとんど、送られてきたMIME形式の文書のヘッダ情報に基づいてデータの処理方法を決めているはずで、URLのしかるべき場所に.pdfと書いてあるからといってPDFであるともPDF扱いされるとも限らないのです。使っているドキュメントビューアーで処理できるかどうかもわかりません。また印刷にしろ表示にしろ、ハイパーリンクの処理としては、マークアップしてある語だけを表示する必要はなく、それこそ参照番号をつけて、文書末尾に参照先一覧をつけたって良いわけです。
「文書」というならWebブラウザで解釈されていないHTMLコードこそが「文書」なのであって、解釈され、imgなどのタグに含まれる参照が処理され、一定の規則に従ってレイアウトされて画面に表示されているあれは「文書」ではありません。ワープロ文書にしても、あれは本質的にはプログラムであり、ワープロというのはRapid Programming Toolであって、一定の処理をされたときにしかるべき表示なり印刷なりがなされるレイアウトプログラムを作るグラフィカルな開発環境と考えるべきです。つまりデータファイルの方が「文書」であり、そこには山田氏の言うURLはハイパーリンクである限り含まれています。まあ、レイアウト済みの表示をC&PしたときにURLが落ちるというのは場合によっては不便な仕様ではありますが、テキストエディタはそもそもハイパーリンクを処理するためのソフトウェアではないし、CF_TEXTもハイパーリンクとしてのURLを要求するような前提はありません。見えるものとしての「文書」の概念よりも、「文書」に含まれる情報を適切にrepresentするという習慣の方が大事ではないでしょうか。

■2020年12月19日(土)  専守防衛だと言われてもねえ
長射程ミサイル「専守防衛を逸脱」 進む開発、野党批判
長射程対艦ミサイルあたりは、ハープーンやASM-1あたりからだからかれこれ50年くらい開発が進められてきたものなんですけどね。もちろんトマホークのような例があるので、対地巡航ミサイルに転用できないものではないのですが、海上を飛ぶのと陸上を飛ぶのは違うし、船と建物・地形では照準システムも変わるという話もあります。一度高空に打ち上げる弾道ミサイルと異なり、せいぜい高度100m程度を飛ぶ巡航ミサイルは、うっかりすると飛行経路上の障害物に衝突するのです。射程が千キロメートルあるからといって千キロメートル簡単に飛ばせるわけではありません。
もちろん、何がどこを攻めてくると思ってるんだ、オーバースペックだという議論はできます。1000kmというとたぶん根室あたりから発射して沿海州とかカムチャッカ半島の付け根とかにいる船を撃破する、あるいは沖縄本島から発射して台湾周辺にいる船を撃破する話になるのだと思いますが、さすがに米軍を仮想的にするのでもあるまいし、小笠原諸島に上陸中の敵侵攻兵力を静岡あたりから撃破するのに陸上自衛隊が出てくる必要はないというのは理屈でしょう。しかも現状大型護衛艦を増やす方向になっているわけで、船や飛行機よりは安いから(と言ったっておそらくパトリオットPAC3なみには高価)という理由で基地発射型や車載型の長射程対艦巡航ミサイルを配備する意義はあるのか、どうせ船は増やすのだから、そちらに載せるのではだめかという議論はあってよいと思います。

■2020年12月18日(金)  本来王宮付属のステージで招待客だけが見るものなんですけどね
オペラをタダで鑑賞 汚職の元文科省幹部、懲戒免職相当
オペラなんて元々お金を払って見るものじゃなくて、主催者に招待されてただで見るものだと思いますけど。まあ、日本に紹介された時点ではイタリアやフランスの商業オペラが主流だったので、一般の客がチケット代を払って見るものを招待チケットを貰って見ると便宜の供与ということになるのでしょう。補助金を受けている団体からの招待であれば、李下に冠を正す行為であることは否定できません。とはいえ影響力のある有識者を招待して見てもらうというのはこうしたイベントの本質的な部分なので、そこを胡散臭いというならそもそもそうした団体、ジャンルに補助金など出すべきではありません。
もちろん他にも問題のある行動がたくさん出てきたわけで、懲戒免職相当というのは妥当ではあります。ただ、オペラをタダで鑑賞したことが筆頭に挙げられているのを見て、そうか、オペラというのは高いチケット代を払って見るのが常識、招待するというのは便宜供与なんだなと思ったわけです。まあ、貰っただけでなく強請ったのかもしれませんけど。その場合、公務員としては問題があります。

■2020年12月18日(金)  参詣客輸送は広域公共交通の起源のひとつなんですけどね
JR東日本、大みそかの終夜運転取りやめ 中止要請を受けて
東京メトロ、京急なども終夜運転中止 要請受けた全6社で取りやめに
落ち着いた夜を過ごせると喜ぶべきところではありますが、初詣や二年参り需要への対応を含めた参詣客の輸送は旅客鉄道の起源のひとつであり、ある意味本来目指していた事業のひとつができなくなっているということになります。例えばJR東日本の成田線は元々成田山への参詣需要を当て込んで敷設されていますし、京浜急行電鉄の起源のひとつも川崎大師への参詣客の輸送です。また伊勢線あたりが伊勢神宮への参詣客輸送を目的としたものだったことも、南海電鉄高野線が参詣客輸送用であることもあります。当然二年参りなどというと稼ぎ時だし客も詰め込まれてもあきらめてもらえるので時間単価、車両単価も期待できるわけです。毎日やると今時は従業員が争議を起こす前に労働基準監督署が査察に入りますが、年末年始くらいならお目こぼしもしてもらえるでしょう。それができないのです。
でもってこんな記事が出ていますが、いくら明治大正の昔でも鉄道を敷設するというのは大きな事業であり、需要喚起くらいするのは不思議ではありません。なにしろ沿線に計画的に住宅地や遊園地を作っちゃう人がいるわけですから。それにまあ、寺社だってパラパラと来られるよりは一定時期にまとまって来た方が、対応はしやすいわけです(もちろん年がら年中大量の参詣者があればそれに越したことはない)。イベントであれば物販だって考案できますし。寺社はもともと日本のイベント文化、グッズ文化の母体とも言えますから。とはいえ、別に何が何でも初詣や二年参りをしないと祟られるというわけではないので、事情に即して行動すればよいというのはその通りです。自宅のお札が変わっていないのが気になる人でも、初午なりどんと祭なりまでに対応すればよいはずです。

■2020年12月18日(金)  これ、ニュースじゃないよねえ、新規性のかけらもないもん
25年前の装置もラズパイでIoT化、京セミのDX
25年以上前の旧式半導体製造装置をIoT化、「5年で約15億円」の効果を期待
これは…同じニュースリリースを読んで記事を書いたら被ってしまったのでしょうかね。
言っておきますが、25年前というと1995年です。以上と言っても1992〜3年というところでしょうか。半導体製造機器と言えばこの時点でプロセス自動化の最先端を走っていた分野のひとつです。当然センサー類はコンピューターに接続されることを想定して設計されており、TTL-Logicやアナログ出力、シリアル通信といった端子が当たり前のようについているのです。もっとも、それはそれで高級品の類であり、当時はそういったインターフェースがつくだけで10万円くらい値段が変わったりしたわけですが…またポンプやバルブといった機材も電気的な制御に対応しています。自動化ということは、センサーやアクチュエーターがコントローラーにつながれており、そのコントローラーが、もう少し前、30年以上前くらいですかね、そのあたりだとミドルレンジのUNIXワークステーション、といっても21世紀初めのパソコンよりもスペックがしょぼいのですが、それでも仮想記憶を備えたUNIXが動くレベルの機材につながれており、25年前だと半分以上の確率でPC-9800ではないでしょうか。先日ゆりかもめの整備用に使っていたPC-9801が引退したというニュースが流れましたが、ほぼ同時代に当たります。確かにこの時点ではPC-9800シリーズ用のイーサネットインターフェースというのは非常に高価で、それこそ25年前の時点でようやくBuffaloかな、わりと低価格の10Base-TのCバスボードが出たくらいでしょうか。TCP/IPスタックは別売りで、しかもDOS用というのは非常に限られていました。ハードディスクは100MBで10万円くらいでしょうか。ただしデータの取り出しは確かにフロッピーディスクが中心、CD-ROMエクステンションを導入するとメモリが足りずにアプリケーションが動かなくなることもままあり、そもそもCD-Rにはドライブもソフトウェアも未対応でした。大きなデータの取り扱いにはMOがありましたが、ドライブもメディアも非常に高価で、ブートもできなかったため、それこそ電顕あたりについているかどうかという感じです。しかもこのころはOSが単純で隙だらけであったため、簡単にタイミングの厳しい自動制御プログラムを書くことができました。何しろ割り込みをすべて禁止して制御プログラムのみ動かす、しかもシングルタスクなのでタスクスイッチなどということも起こらないわけで、難しいことを考えずにNOPでタイミングを計ることができました。
21世紀に入るころにPC-9800からDOS/Vに移行していくわけですが、まずDOS/Vは、フロッピーディスクのフォーマットやコネクタの互換性がない上に計測制御インターフェースが高価でした。まずRS-232のケーブルを替えるところからになりますが、ピンの数が足りないため通信が成立しなかったりします。そしてISAバス接続の計測インターフェースが動くかどうかは「神のみぞ知る」、「挿して祈れ」。WindowsやLinuxはというと、そもそもリアルタイム性を要求される用途を想定しておらず、使える時間分解能はミリ秒にも達せず(DOSで機械語で書けばマイクロ秒は普通に出た)、そのうちに出てきたリアルタイム制御対応版はやはり非常に高価、さらに対応している計測制御インターフェースも限られました。Windows95でI/Oポートへのアクセスがデバイスドライバからしかできなくなったために、ハードウェア制御のハードルが一気に上がりました。PCI-EとUSBに追随できずに廃止されたボードも多いのです。もちろん当時もイーサネットに対応したマイコンはあったわけですが、ハイエンドモデルで単価が高い上にTCP/IPスタックや開発環境は別売りで、1ライセンス数十万円しました(今でもします)。しかも製品シリーズごと(ひどいときはバージョンごと)にAPIが違うため、「国民機」のような安定性は期待できませんでした。なにしろコマンドセットを勉強し終わったころには新しいモデルが出てしまうのです。市販の制御システム開発環境はというと、開発環境の導入だけで100万円を超えます。
その意味で、標準ライブラリとしてイーサネットベースのTCP/IPスタックが簡単に入手でき、OSもリアルタイム性重視のものが使われているラズパイ系は、むしろUSBにつながらない旧式センサーデバイスや、TTL-Logic出力で制御しているようなアクチュエーターを使ったIoTに対応しやすいはずです。つまりできて当然であって、おそらく同等の事例は大学の工学部あたりにごろごろしています。もっとも、さすがに自動制御の半導体製造装置を買える大学というのはあまりないでしょうし、プログラムは完全に書き直しになりますから、手間はかかりますけどね。とはいえ工学部か工業高等専門学校の卒業研究か、その前段階の実習のレベルであることは間違いなく、コストも含めてどこにも不思議も革新性もない話です。

■2020年12月18日(金)  ドイツ人、正気か?
ドイツ帝国時代の王宮、復元 旧植民地の文化財も展示
残っている後期中世から近世の建築物を大事にしようというならわかるのですが(19〜20世紀に大変ないがしろにされていたわけですし)、外観を似せた建物を建てようという発想はどうも理解できません。いや、首里城のような例はあるわけですが、あれはある意味類例がない独特の建築物です。なにしろ琉球列島の統治権力や文化は沖縄本島しか拠点がなかったわけですから。しかし、プロイセン様式、あるいは近世複合様式の建物はドイツ国内でも少なくない、ヨーロッパ全体であればちょっとした小国の王宮としてたいていの街に建っているわけで、ありていに言ってホーエンツォレルンとプロイセン・ドイツ帝国という背景を除けば価値はありません。それを、しかも概観だけ似せて建てるというのは、あまり健全とは思えません。
文化センターであれば、取り壊された共和国宮殿の方がよほどそれらしいと思いますし、メンテナンスも楽でしょう。
また統合の象徴と自尊心の充足をプロイセン・ドイツ下のベルリンの歴史に求めているというなら、お前ら実は全然反省してないだろという話になります。まさか今度は反撃を受けずにドイツ人がEU大統領になってカロリング朝フランク帝国の首都をベルリンに置くなどと思ってないでしょうね?

■2020年12月17日(木)  首にしないでと泣きついているような…
学術会議、独立に慎重 現状の組織「要件満たしている」
「国を代表する学術機関」
そもそもそんなものが必要なのかという話なんだと思うのですけど。与党としては中立な立場からと称して余計なことを言うような国家機関はいらない、政府の方針に協力しないような提言機関はいらないという話でしょう。もちろん有用性を訴えるというのは筋ではあるのですが、それは科学技術担当大臣にする前に、それこそ学術会議ではなく日本国内の研究者の総意として、公論に適切に訴えないといけないことだと思います。科学技術担当大臣に対しては、提言機関は不要だというなら研究者サイドでこのようにナショナルアカデミーを整備する、だから余計な手出しは無用で、国が中立な学術機関に提言を求めることができないなどと言う恥ずかしい事態を避けたいなら、ナショナルアカデミーがない、そこに研究者が結集していないなどという恥ずかしい事態にしたくないなら、相談には応じるよと言わないといけないでしょう。現状維持と機能強化が適切などと言ったら、金とお墨付きをせびるなら政府機関としてふさわしい忠誠を示せと言われるだけです。

学術会議の独立、来春以降に判断 議論足りず、先送りに
でまあ、法案を押し通している余力が通常国会ではなさそうなので先送りと。

■2020年12月16日(水)  IBMは日本でPCを売る気はそもそもなかった
「IBM PC」がやってきた エストリッジ、シュタゲ、そして互換機の台頭
「MS-DOSはテキスト画面の入力とか出力のFunction Callはあったが、グラフィックスに関しては何も提供されなかった。」
テキスト「画面」についてはサポートはありませんでした。サポートがあったのは、コンソール出力とコンソール入力です。これらはキャラクタストリーム扱いであり、「画面」を扱うために不可欠なテキストVRAMへの書き込み位置移動や部分消去といった機能がありませんでした。これを提供していたのがMS-DOSのコンソール入出力デバイスドライバがサポートしていたエスケープシーケンスとBIOSのテキストVRAM関係APIです。おそらく後で出てくると思いますが、これには後日談があり、DOS/VはBIOSのファンクションコールをフックするのです。具体的にはテキスト表示を行う10Hなのですが、MS-DOSのファンクションコールは21Hでソフトウェア割り込みをかけます。それ以外はBIOSや拡張カードのファンクションコールであり、そのうち10HがテキストVRAM周りのBIOS APIを提供していました。しかしDOS/VはBIOSのテキスト表示機能を無効にしてデバイスドライバがテキストVRAMを読んでグラフィックVRAMにフォントを書き込むようになっていました。このため、DOS/VではテキストVRAM関連である10Hをフックしてしまい、10Hを使って画面の制御をしていたプログラムがそのまま動くようにしていたわけです。
また、1980年代に日本国内で販売されていたIBMのオフコンでは、日本語が使えました。これがPS/55キーボード、つまり106キーボードでの「半角/全角 漢字」キーをはじめとした仮名漢字変換に関わるキーの由来です。つまりIBMとしては日本語機能を提供できなかったわけではないのですが、英語版アプリケーションに手を入れてまで漢字ROMカードを提供する気にはならなかったのだと思います。

■2020年12月16日(水)  コンテナ内で放出されたのだと思いますけど
「はやぶさ2」コンテナから「リュウグウ」のガス 世界初の快挙
ええと、これ、多分JAXAがこういう発表をしたんですよね。快挙を主張したかったのだと思いますが、多分専門家は「しょうがねーな」とでも思っているのではないでしょうか。
一応少しは勉強した立場から書いておくと、地球外由来の試料、例えば隕石や月の石、あるいは回収した人工衛星の外板などからガスが放出されるのは、わりとよくあることです。基本的には水素やヘリウム(太陽風由来)がよく出てきますし、低温でポーラスな物体に吸着していた物質が温度が上がることで出てくる、あるいは低温で安定な化合物が分解して気化するといったことが起こります。図を見る限りほぼ金属製なので、気密が保たれていても、一日もあれば熱伝導で0℃くらいまでは温度が上がるでしょうし、そうなれば低沸点の物質も含めて放出されて不思議はありません。

■2020年12月15日(火)  いまさら店なんて信頼するわけがない
「個人情報の扱いについて理解が得られていない」 デロイトが「DX時代・COVID-19時代のプライバシー」を発表
DXがどうこうと言う以前に、テーラードサービスというのは本質的に顧客とサービサーの信頼関係に立脚したものであることを、「サービサーが」理解するべきではないでしょうか。顧客がサービサーに個人情報を扱わせることについて理解していないと言う方がおかしいのです。
大量消費社会における商業がベンダーと顧客との関係を限定することで効率を向上させてきた、その過程で顧客にとってベンダーは、ごく一部の業種を除いて、その日の気分で変えてよいものになってきました。当然信頼関係といったところで客観的なルールベースになるわけで、そこで悪いようにはしないから信頼して欲しいなどと言えば詐欺を疑われます。そういう関係を作っておいて、その上でリピーターの確保や顧客の細かい需要に即したサービスで収益性の向上をなどと言い出したのが現在のテーラードサービスであり、ユーザーからすればメリットはあるんだけどなんだか気持ちが悪いよねくらいは言われて当然なのです。また個人情報の収集に際してベンダー側が風儀の悪いことをしたという事情もあります。まああれは、郵便事業者が大量発送をする需要家に割引を提供したこと、電話が各戸に普及したことで後押しされた面がありますが、それこそカーペットバガーに通じるイメージの悪さが付きまとっています。ともあれ、名前だの連絡先だの取引履歴だのを収集すると言うとことさら悪いイメージを与えてしまう状況があります。そこで信頼を前提にしたサービス手法を大規模に行おうとするならば、よほどの無理をする必要があります。もちろんニーズが高く代替性に乏しいサービスであるならば、顧客側もあきらめて利用してはくれるでしょう。しかし、強引にベンダーロックインを作り出したりすれば、疑わしいから付き合うのは止めよう、法律で規制しようなどという話になります。市場政策としてはだからこそ競争でよいのですが、事業者としてはそうもいかないでしょう。
デロイトトーマツであれば広告屋がお得意さんなので、顧客は適切な範囲でベンダーを信頼してテーラードサービスを利用しましょう、個人情報を与えて商品情報をプッシュしてもらいましょうという話になるでしょうが、むしろ、本来であれば、個人を特定しなくても、固定的な信頼関係を持たなくても、プルベースで必要なサービスを特定し、利用できることが望ましいと思います。

■2020年12月15日(火)  コア数はともかくNeural Engineの規模が問題
アップル、32コアM1チップ搭載「Mac Pro」開発か
そりゃそうでしょう。ここでIntel CPUにこだわる必要は全くないですから。さっさとエミュレーションから卒業するためにも、従来のMac Proを上回るM1系Mac Proの早期の投入は不可欠です。
気になるのは、Neural Engineをどこまで拡大してくるかですね。MacBook Proならともかく、Mac Proでは所用電力の制約が緩くなります。むしろ高い電力あたりパフォーマンスがあるなら大量の電力をぶち込んでトータルパフォーマンスを稼ぎたいという話になるはずです。そしてMac Proを使うような用途には、当然Neural Engineを使い倒したAIの作成(作ったAIが使われるのはiPhoneやiPadだとしても)が含まれます。Macでバッチ処理をする羽目になったらたぶん開発者は文句を言うので、iPadの最上位モデルを使い切るようなAIをインタラクティブに開発できるような規模であることが望ましいでしょう。まあ、FX700並みとは言いませんが、テスラ2枚分くらいにはなって欲しいものです。

■2020年12月15日(火)  ASCIIやウニマガのライターが泣くだろうに
コスパも性能もヤバい! 「M1 Mac」で幸せになれない人なんているのかい?
「「M1 Mac」の総合的性能は、未来のPCの在り方だと思うんですよ。おそらくこの変革がなければ、PCの性能と価格はリニアリティに成長していったはず。ところが、「M1 Mac」はこの成長ラインを破壊しちゃった。」
256bitFPでの多元ベクトル演算がストレスなくできるというなら買いますけど?というのは冗談ですが、うん、こういう頭の悪い文章を書いていて、他人に見せて恥ずかしくないのでしょうか。品詞が間違っているというのはまあ、今さらでしょう。むしろCPUをシュリンクして必要十分なデバイスをパッケージングするのに30年かかったという評価をするべきで、初代68k Macのキャッチフレーズに立ち返るためにAppleはそれだけの時間と、iPhoneやiPadでの経験を必要としたわけです。いくつかの低精度行列演算デバイスに仕事をふることで果たされている性能の向上もあるのですから。そもそも根本の思想として必要十分な機能をパッケージとして提供するというMac(intosh)は、Apple IIがあった時代以来の拡張性重視、柔軟性重視というPCの路線とはそもそも違います。それが「未来のPC」ですか?コンテンツの作成や閲覧だけがPCでしたいことですか?センサーやアクチュエーターではなくパッケージされたデバイスをつないで、できることをやって、それで満足するレベルのパーソナルなコンピューターですか?
もちろんWindowsだって登場時から腐りきっています。DOSエミュレーションでI/Oポートを叩いたら一般保護例外が出るようなOSは情報処理以外には使えません。おかげでマイナーな拡張デバイスがデバイスドライバモデルやCPU、拡張バスの仕様変更に追随できず、消滅しています。生き残っているデバイスの大半は専用のグラフィカルなアプリケーションソフトウェアでしか制御できない、プログラマブルとはとても言えない代物です。どうせ情報処理しかしないんだからこれでいいじゃないというなら、Macで十分です。もっとも個人的にはXCodeがどうも気に入らないのでWindowsを使っている面があるわけですが。また、慣れ親しんだ使い方を変えたくないからMacには行かない人だっています。スパコンみたいに突き抜けた機材やサーバーみたいにそもそも個人用ではない機材はともかく、パーソナルなコンピューターを論じるのに、WindowsやMacOSを基準にしますか?Neither personal it is nor computer, it is only an intelligent stationary.

■2020年12月15日(火)  一日2万円もMax24万円も足りないのはもっともですが
「24万円じゃ全然足りない」 沖縄の飲食店は悲鳴
特に地方自治体は財布に限界があることは認めますが、一日2万円てアルバイトの休業補償じゃないんだからという話はありますね。
もちろん他のこと、つまり電気代も水道料金もガス料金も、もちろん所得税の前納も住民税も従業員の源泉徴収も消費税も固定資産税も自動車税も社会保険料も請求・徴収を棚上げにし、従業員についても所得補償をしたうえで一時帰休を認め、借り入れの返済も棚上げにし、そこまでやった上で一日2万円を補償というなら、年が越せないなどという話はそうそう出てこないわけです。それでも規模の大きいところは事務方を動かす帳尻が合わないでしょうが。
一方で感染が拡大すればそれでは済まないコストや損害が発生するわけで、経済を回すことを優先して医療破綻や医療コストの増加のリスクに目をつぶるか、不十分な補償措置で経済を止めて事業者の破綻や失業率の悪化を覚悟するか、国が帳尻合わせに動いてくれることを期待して赤字を積み上げてでも十分な経済的補償をして経済を止めるか、どれを選ぶかを判断できる立場にいるのは地方自治体です。国を除けば、一番潰れにくい立場にいるわけですから。
そして事業者も、とにかく支払があって事業を止められないから協力しないというのではなく、どれだけの補償があれば事業を休止できるのか、再開に際してどんな手を打つべきかということを手元で考えた方が良いのではないでしょうか。クラスターが発生すればどのみち休業です。最悪、自治体の協力要請があったのに無視して営業していたことで感染による損害賠償を求められかねません。そのあたりについて、妙な楽観は止めた方が良いでしょう。

■2020年12月15日(火)  役所が強情を張ると妊婦を追い詰めることになりますが
「内密出産、控えて」慈恵病院に熊本市が再び要請
「予期せぬ妊娠をした母親が匿名で出産し、子どもは後に出自を知ることができる「内密出産」の受け入れ」という事態を制度が想定していない、つまり親も医療機関も出産に伴って出生した子供について親族関係を含めて届出を行う義務があるという主張は理解はするのですが、そもそも妊娠・出産自体が現行制度では管理不可能であり、しかも管理されない妊娠・出産について公的機関も含めて差別意識が強いことを考えると、「「法制度の整備について、引き続き国に要望していく」として、内密出産の実施を控えるよう改めて求める回答書」を出すというのはある意味無責任と言わざるを得ません。
もちろん性行為ないしは体外受精後に受精卵を移植することなしに妊娠というのはありないのですが、妊娠するという強い意志の下で行われる体外受精はまだしも、性行為を確実に管理しようとすれば非常に非人道的な事態を招きます。しかもその不徹底な性行為の管理策が出自に対する感情的執着と相まって予期せぬ妊娠に際して妊婦や関係者の対応を妨げているわけで、保守派の倫理観や人権感覚を基盤に制度を作るにしても、貫徹しようとするのが間違っているのではないか、貫徹できないときにどうするかという発想が欠けているのではないかと思います。

■2020年12月14日(月)  そもそも起訴後に証拠の精査が必要なのが民主国家としておかしい
SNS発信は「国に危害」か 香港紙創業者が問われた罪
いや、そこじゃないでしょう。内容によっては、SNS発信だって十分犯罪になりえます。例えばSNSにわいせつな画像や文章を投稿すれば、日本だってわいせつ物陳列罪には問えるはずです。
民主主義的に問題なのはそこではなくて、刑事訴追に至っているのに起訴側が「当局側は、証拠を精査する時間が必要だとして実質的な審理入りを来年4月に延期するよう要請。」などと言っていることです。民主主義国家であれば、起訴されたり、あるいはその前段階として逮捕された時点で相当の証拠が固まっている必要があります。結果として誤認逮捕だったり証拠不十分で無罪判決が出たりすることはありますが、逮捕の時点で公判を維持できる程度の証拠が揃っているというのが民主主義国の常識で、追起訴の可能性があるからだとしても審理入りを遅らせるなどというのは、裁判所が認めるとは思えません。被告人弁護側の主張として、開示された証拠の精査が必要なので審理を遅らせてほしいということはあり得ます。これは被告人側が起訴後(証拠開示は起訴時点)の限られた時間の中で証拠の検討をしなければならないからで、起訴内容としても迅速に証拠の検討ができる程度に明確なものであることが求められます。いい加減な起訴内容だった場合、弁護側は被告人の防御権を損なっているとして起訴無効を主張するでしょうし、裁判所もそれを認めるのが基本です。それが訴追側に証拠の精査のため時間が欲しいなどという主張が認められているというのでは、非民主的という誹りは免れないでしょう。
SNSへの投稿がきっかけかどうかなどというのはそれに比べたらどうでもよい話というか、嫌疑をかけるには十分であることが明白で、タイトルのような扱い方は二重の意味で不当です。

■2020年12月14日(月)  OSのバージョンサポートを切りたいなら対象ハードウェアを無償供与して欲しい
「モバイルSuica」一部Androidで12月22日にサービス終了 Xperia Z2など対象
セキュリティやサポートコストを考えれば当然ではあります。
とはいえ、ここまでバージョンアップが頻繁だと、ハードウェアもアプリと同じように自動でバージョンアップしてくれないかとは思います。というか、無料やせいぜい千円のアプリがバージョンアップ無料であるよりも、新しいOSバージョンに対応した同等のハードウェアが無料で手続なしである方がよほどありがたいはずです。特に支払いアプリなどはそもそも支払いに使ってもらうために配っているので、プラットフォームのバージョンアップでユーザーが移行のコストや手間を強いられることは本意ではないでしょう。コンピューターだって耐久消費財扱いなのに、電話機如きに定期的な買い替えの義務があるなど、ユーザーの想像を超えているように思います。通信会社も、そんなところで自己責任を主張するのは止めてほしいものです。
また買い替え時の移行の手間も問題でしょう。本来SIMカードを挿し替えて本体メモリのデータを転送すれば終わるべきであるはずで、アプリの入れ替えが必要になるなどというのは設定データやデバイスが抽象化しきれていない、あるいは買い替え時にSIMまで更新させられているだけでしょう。

■2020年12月14日(月)  取説を読めというのはその通りではあるのですが気の毒な話で
米国の6歳児がiPadで約166万円課金、アップルは返金に応じず
まあ、Appleの対応は当然ではありますね。Apple IDやApple Storeの課金システムというのは本来本人が使うもので、それを他人に使わせる場合の対応策としてペアレンタルコントロールが導入されています。そもそもApple Storeを使わないとiPadにしろiPhoneにしろ使えないはずで、迂闊に他人のデバイスに自分のIDを設定したら勝手に買い物をされてしまう程度のことはわかりそうなものです。まあ、IDを設定しないとそもそも使えない仕様自体は、個人的には酷いと思うのですが。いやだって、オフラインにでもしない限り勝手にログインしてストアでアップデートを確認しようとするんだもの。
とはいえ、コンテンツ課金システムについて「これらのゲームは略奪的であり、子供たちに買い物させるよう設計されています」という主張は全く正しいと思います。ペアレンタルコントロールを設定せよというのは正論ではありますが、そもそもリテラシーの高い無精者用に設計された製品を素人でも買える形で売ることにも問題はあるでしょう。Apple Storeでの通信販売と他のチャンネルでペアレンタルコントロールのデフォルト設定を分けるなり、Apple IDや同一の番号でのクレジットカード払いが複数のデバイスに重複して設定された場合どれか1台のみで支払いができる形をデフォルトにするなり、利便性は損なわれるがリテラシーの高いユーザーであれば簡単に対応できる方法はありそうなものです。

■2020年12月14日(月)  あれのおかげでWindowsアプリケーションのC++への移行が決定的になった気がする
WindowsゲームやXboxの基礎となったDirectX生みの親の一人、55歳の若さで逝去
年齢は痛ましいですが、戦犯かい。
正直DirectXというと、ライブラリがくそ重い、バージョンごとに対応ハードウェアが限定される、バグが多い上にアップデートでの仕様変更が頻発すると、良い印象がありません。まあ、あれでGPUの最適化が進んだ面があるので、否定まではしないのですが、もっと具象的でも、ハードウェア寄りでもよかったのじゃないかという気がします。半端に抽象的なおかげでOpenGLの出る幕がなくなり一方で半端に抽象的なために理解が面倒という(いやまあ、ウインドウシステムを経由する以上仕方がない部分はあるのですけど)、ついでにラッパーライブラリのおかげでC++でないと使えないという、アセンブラで書かせろこの馬鹿野郎という恨みがあります。
MFC?重いしバグは多いしで使えなかったものですが。どのみちDLLの呼び出しでしかないのですが、APIを直接叩く方が安定しています。

■2020年12月12日(土)  とにかくそこにあるものレベル?
水虫薬に誤混入「取り違えることないレベル」 社長謝罪
チェックがどうとか言う以前に作業員がそこに目的以外の資材があることを認識していなかったように見えますね。いやまあ、もっとひどい解釈もできはするのですが。

■2020年12月12日(土)  「使い方」という問題ではないのではないか
コロナ交付金、使途正しい? 公用車10台に自動給茶器
国が使途を限定しなかったのは自治体で創意工夫をせよということなので(それがno ideaの表れであるとしても)、使途が正しいかどうかというのは、それで「コロナ」対応になっているかどうかという効果の評価とは別であって、意味のない批判だと思います。
ただし、担当者が「照明の交換で陰影がくっきりする。コロナ後のV字回復期に魅力的な文化財を見てもらいたい」というレベルの説明をすることには強い違和感を覚えます。本音として税収減や効果の訴求などもあって今後実施できるかどうかわからない事業を前倒しで実施するというのであってもかまわないわけですが、説明として「コロナ後」の利便というのはお粗末でしょう。例えば「県民所得の減少や住民税の減免措置によって税収減が予想される、適切な減免措置を十分に実施するために補助金で賄える事業を前倒しで実施する」というのであれば説明としては成り立つはずですし、あるいは工事を行う業者が今回の不況で経営危機に陥っており、工事を前倒し実施とすることで破綻を阻止できるというのでもおそらくよいはずです。もちろん前向きな方の理由を切り取られてしまっている可能性はありますが、そもそもそういった迂闊な説明をしないことも役人としてできてしかるべきです。使途の指定がない補助金であっても効果の説明はするのが当然であって、それを状況に即した内容で行う(ありていに言えば言い逃れをする、辻褄を合わせる)というのは、企画を半年もやっていれば身に付く技能のはずです。そこを疑わざるを得ないような説明をする役人は、そのポストにふさわしいのか。また「コロナ対策」と言った場合感染防止なり診療設備拡充なり景況変動の緩和なりを考えるのが市民感覚だという程度の「常識」はあるものであって(企画において市民感覚や「常識」に囚われては良くないですが、外部を納得させる際のリファレンスとしては大事です)、そこで回復期に魅力的な文化財を見てほしいなどと言ったら頭がお花畑であると言われても仕方ないでしょう。そちらが気になります。
なお、ここで言う「はず」や「べき」はそうでなかったら無能だよね、クビや左遷は仕方ないよねということであって、そんな馬鹿がいるはずはないということではないわけです。たまたまそういう馬鹿がいて、馬鹿を表に出してしまった。その手の馬鹿にやらせてはいけない仕事をやらせてしまった。そこは、馬鹿をポストから外して、そういう馬鹿がそのポストにつかないようにするにはどうすればよいのか(任用や評価制度の改善)、あるいは馬鹿であっても仕事に支障を出さないためにはどうすればよいか(マニュアルの整備や研修の改善)を考えればよいのであって、それ自体はよくあることです。
お金の出所がイカがわしい?3千万円の巨大モニュメント
そしてまた事例が一つ出るわけですが、多分、本来の予算に計上するより交付金を当てた方が手っ取り早く確実に実施できるという判断ではあるのでしょう。
とはいえこういうのは、合わせて交付金でこっちをやった分余った予算でこういうことをやりますと言わないと、交付金を目的外使用しているように見えるのは仕方ありません。

■2020年12月12日(土)  オペラじゃん
堀江貴文がコロナ禍で提示するミュージカル『クリスマスキャロル』 「“不要不急”こそが人間の本質」
これ、観客側のスタイルとしてはオペラじゃないでしょうか。それもワーグナーの楽劇以降の全員平土間で舞台を注視するあれではなく、基本的にボックス席で見るやつ。価格帯もそうで、食事抜きの7000円が平土間と天井桟敷、それ以外がボックス席になるのだと思います。「富裕層をターゲットにして一人ひとりに深く課金をする形」という発想も、パリのグランドオペラあたりのものと共通するでしょう。もっともあっちは丸抱えでの製作が破綻した結果のディスカウントなのですが。まあ、歌舞伎の升席で弁当を食べているのと言ってもよいわけで、上演中飲まず食わずで舞台に集中している方が異常だと言うならそれは一理あると思います。もっとも、演劇人は退化だと怒りそうな気もしますが。せっかく観客が余計なことをせずに舞台に集中してくれるようになったのに、平土間とはいえ飯なんか食わせてどうするんだと。上演中に飯を食うような奴は家でテレビドラマを見てろと。
まあ、アメリカンスタイルの映画上映、つまりホールにスナックを持ち込んで食べながら見ている発想の延長線上でもあるわけで、娯楽としてはそれでよいのだと思います。とはいえステータスとしての観劇の地位低下を感じます。なにしろ、上演だけでは客が集まらない、食事でも同席者とのおしゃべりでも付加価値をつけろと言っているわけですから。ちなみにオペラの場合、最終的にはカジノと売春に活路を見出したわけですが(文化とか芸術になったのはその後)、「ライブ・エンターテインメントの灯を消さぬよう微力ながらも続けていきたい」のは志として尊いとしても、「VIP席は休憩中の40分間と終演後の時間に堀江が同席して歓談できるのが特典」というのは女優さんがサービスしてくれるのと紙一重なので、そのあたりの節操は堀江貴文個人としてしっかり持って欲しいと思います。金を出すならば色気でも売るというのは、事業としてはありでも志ではないですから。
もちろん、例え食事が出ても演劇なんぞ劇場までは見に行かないという私みたいな人間の言うことではありませんけどね。

■2020年12月12日(土)  そりゃ定期メンテは必須ですけどね
冷却液が補充でき、ポンプの振動音も抑えられる簡易水冷「PURE LOOP」
まあ、冷却液として水道水なり専用冷却液なりを補充できる冷却液循環システムというのは元々あるわけですが。ものによっては無停止で漏斗からどぼどぼっと入れられます。
とはいえ、液冷が必要な機材を液冷システムごと筐体に収めるというBf109みたいな発想はそろそろ終わっていいんじゃないでしょうかね(あれだって飛ぶ/時速60kmくらいで走るのでなきゃああはならないでしょう)。あのパソコン筐体に一体化して納める発想だから、レイアウトの都合上いったん分解して冷却液を補充などということになるわけで、液冷システムの場合外部にヒートポンプを備えている方がむしろ常識です。その理由は、まさに記事で触れられている「熱が飽和したさいの場合」(ママ)を起こさないためです。放熱器の効率は放熱器と外気の温度差に依存します。つまり放熱器の温度が外気よりも高いほど効率が良いわけです。これは当然、冷却液の温度が冷却する機材の温度に対して低いほど効率が良いことも意味します。冷却液を積極的に冷やしてその熱を汲み出し、放熱器の温度を上げることで、冷却効率が上がります。これこそ、エアコンの室外機の排気口の前に立っているとやたら暑い理由です。あれは断熱圧縮と断熱膨張によるヒートポンプですが、ペルチェクーラーあたりでやっても同じことです。そして外部にヒートポンプを置くことを許容してしまえば、冷却液充填を都合のよい位置で行うことも許容できます。別にポンプ部分は、筐体内部でもヒートポンプ側でも、音が漏れにくいところに置けばよいわけで、静穏性は阻害されないはずです。もっともエアコンと同じで、ヒートポンプ部分の騒音が大きかったりするのですけどね。
まあ、机の上でパソコンの隣にヒートポンプを置いた日にはパソコンの周りが今以上に熱くなるだけなので、冷却液のパイプを部屋の中で取り廻して、窓にでもヒートポンプを取り付けることになるのでしょうけど。とはいえ、水冷だ液冷だというならそれくらいはやって欲しいものです。

■2020年12月12日(土)  なんなら山田さん、雑誌連載を全部切ってAmazonでの記事単位販売のみにしてみます?
Amazonデバイスの不思議
「まるで、どこかの電話会社のプランのようだが、自前のコンテンツを持たない仮想的なコンテンツプロバイダ、造語にするならVCPの登場が期待される。今のこうしたデバイスのUX再構築のトレンドは、その方向に向かっていることを暗示しているのではないか。ついこのあいだまで、FireデバイスではYouTubeが見れなかったし、Chromecastではプライムビデオが見れなかったことを思うと、そんなふうになるのも時間の問題のような気がする。」
未だにテレビにチャンネルが残っていることを考えれば、あまり楽観もできないと思いますが。もちろん地上波/衛星波テレビの場合チャンネル=回線という電波放送自体の物理的な条件が制約を与えているわけですが、その制約を緩和したはずのケーブルテレビにおいてすら、ユーザーレベルのザッピングは見られてもチャンネル単位の契約は残っています。ケーブルテレビ事業者がいささか小資本である点を考慮しても、チャンネルという形で番組をパッケージングすることに、提供側のメリットがあると考えるべきでしょう。それは、雑誌なり情報サイトなりという形で記事をパッケージングすることに(要はまとまった額の原稿料という形での)メリットがあり、ライターとリーダーがリスティングサイト(検索サイトでもよいですが)を介してつながるという形がかれこれ25年ほども経とうというのに定着しない状況に近いと思います。
Amazonはプラットフォームに徹する志向があるという点で、On-Demand配信に近いところにいるとは言えます。しかし、そのAmazonすら「取引における優越的地位の利用」をやらかしているわけです。コンテンツ提供側としては配信チャンネルをAmazonに握られたくないと(それこそニュースコンテンツ提供事業者がAppleStoreに抵抗しているように)考えるでしょう。事業の面からしても、チャンネルという形である程度資本をまとめることなしに一定以上の規模のコンテンツを制作することはできておらず(クラウドファンディングで兆円規模の資本を普通に集められるようになれば別かもしれませんが)、AmazonやGoogleすらも、コンテンツを差別しないプラットフォーム性を棄却することなしに、コンテンツに投資することはできていません(まあ、どこかに決定論的神がいるのでもなければ不可能な気はしますが)。またネットの仕組み自体も、コンテンツ提供側が自前のチャンネルを押さえることを、許容します。
Amazonのような窓口よりはむしろ、CDNのような透明なデリバリーシステムを挟んでチャンネルごとのアプリを用意することを、コンテンツサプライヤーは選好するのではないでしょうか。それがクリエーターとオーディエンスにとって中間搾取であるとしてもです。
それとも山田さん、Kindleも含めた電子ブックストア専業ライターに転身でもしてみます?代金回収リスクはないにしても、長期の事業リスクを一身に背負うことになり、よほどの運転資金がないと続かないと思いますけど。いえ、ネットの利便性の理想がそれであることは、異論ないのですけどね。

■2020年12月11日(金)  VRに始まったことではないわけですが
VR(Virtual Reality)活用で注意したい点
本や映像番組でも同じような議論があったと思いますが。
例え紛い物でも知らないよりはまし、現実の体験などそうそうできないということは数多いと思います。もちろん注意は必要ですが、現実現実と叫ぶばかりでもよくはないわけです。現実との取り違えについても、記事では被爆体験を例に出していますが、むしろどこかに行くといった些末なことにおいて問題になるのではないでしょうか。構成されたソフトウェアというのは色々と捨象されている部分があります。
またVRという場合現在は視覚と聴覚がせいぜいですが、リアリティという場合全感覚に訴えることが理想とされます。つまり放射線障害で体が蝕まれていく状況を感覚として体験することすらもできてしまうというのが理想なのです。違いは、目が覚めれば元の通りということでしょう。一方で現実と仮想現実の「取り違え」はそのような場合にむしろ重大になるわけで、普通は現実は目が覚めれば元通りとはいかないわけです(夢も現も似たようなものだという思想はあるにしても)。

■2020年12月11日(金)  大臣なら不言実行した方がいいこともある
汚職有罪後の再就職「雇う方も雇う方」 文科相が苦言
いやまあ、雇われないと食っていけないのだと思うので、「問題のある行為があれば厳正に対処する」でよいのではないでしょうか。さすがに犯罪者は飢え死にしろとは言えないですし。
それにしてもまあ、確かに雇う方もなかなか豪胆だとは思います。最悪取引を切られる可能性があると思うのですが、2年もすればほとぼりが冷めるとか、そういう判断でしょうか。

■2020年12月11日(金)  ポスターみたいなことになっていないといいのだけど
「ガースーです…」 菅首相一転、ニコ動では語りかけ
見てみないと何とも言えないわけですが、やろうとはしているということは、やっていない場についてはする価値がないと判断はしているのでしょうね。
とはいえ、近所に貼ってある自民党のポスターの愛想笑いする菅首相は大変怖いので、あんなことになっていないとよいと思います。

■2020年12月11日(金)  敗者の八つ当たりは見苦しいとしか思えない
元祖iiPhoneアプリストアのCydia、アップルを反競争的として訴訟を提起
仮にアプリ統制策がFUD商法であるとしても、自前でプラットフォームを用意できないコバンザメ商人に競争や選択を論じる資格などありません。ストア商売を先にやったかどうかなど意味はなく、ハードウェアにOS、アプリ配布環境に至るまでを一貫供給するAppleから独立して事業を成立させているかどうかが問題なのです。それともこのストア運営事業者は、Appleが従来のiOSアプリとの互換性を捨てようとしたらそれは反競争的行為とでも言うつもりでしょうか。
ディベロッパーやユーザーならともかくサービスベンダーが商売が立ち行かなくなってシステム全体のサプライヤーを強請ろうとするなど、なんとも見苦しい振る舞いです。ディベロッパーやユーザーにしても、Appleの商法が気に入らないならそこに留まらなければよいだけのことです。betterなものを作り、必要なら協力してくれるサードパーティーを組織し、普及すればよい。Internetでつながった時代の選択の自由とはそういうことです。

■2020年12月11日(金)  コンテンツ職人は黙って動画を作ってればよい
『デューン』のヴィルヌーヴ監督、ワーナー映画の劇場・ストリーミング同時公開を批判
アーティスト気取りって本当に始末に負えないですね。
もちろん、上映環境について一定の要求を設けることは当然です。大型スクリーンやもしかしたら大規模な音響設備、あるいはある種の体感エフェクトが必要と言うならそれはそうなのでしょう。使える以上、それを前提に作品の制作を行うことは当然です。
しかし、それ以外の環境での視聴を問題にするなら、そんな配給の仕方をするような配給事業者と仕事をしなければよいわけで、「映画が収益を得て経済的に存続するチャンスを失い」かねないなどと声明を出すのは恥ずかしいことです。この作品はこういう環境で見てもらう趣旨で作ったものだから、適切な料金を払ってそのような環境で見てほしいと言えば済むことです。経済的に存続するチャンスを失うというならば、それは多くの作品がストリーミングで見れば十分、入場料はさておき機会を設け交通費を払うには値しない、そういった作品にもお金を払ってもらうことで映画館という設備が存続し、自分たちの作品が上映できると言っているようなものです。ましてや、その背後に人は集まり、体験を共にすべきだ、一人個室にこもって鑑賞などすべきでないなどという全体主義が垣間見えるのですから、なるほど、リーフェンシュタールの後継者を自任するわけですねくらいは言いたくなります。
芸術家を称するのであればケチをつけるにしても「ストリーミングでの視聴など見た内に入らないしょぼいものだ」と言うべきで、アクションとしてはワーナーから配給権を買い戻して自ら映画館に配給すればよいでしょう。それができないのならばただの動画職人ということで、ならば所与の環境に合わせて制作を行い、買い手の商法に不満を言わないことです。

■2020年12月10日(木)  吊るしのブランド品が生き残るのかどうか
「生き残るのは普段着とブランド」 ダーバン買った小泉
これは基本的に正しい認識だと思うのですけどね。
普段着については、工場での大量生産と廉価での供給というモデルはいまだ健在だと思います。これは吊るしでよく、それも5着入り2000円とかのとにかく着られれば良い使い捨て、そのかわり常に店にあって回転率も悪くない状態を作り出せたメーカーが生き残るでしょう。
問題はブランドの方で、所得層の分解が進む場合にブランド物の既製品なんてものを使う層が残るのでしょうか。既製品は、どんなにデザイナーの知名度やブランドイメージで箔をつけたとしても、製作工程自体に注文を付ける能力のない衆愚向けのお任せ品でしかありません。所得層が分解するということは、富裕層としてはリテラシーを集積していく形になるはずです。興味のない個人も出るでしょうが、その場合低所得者層向けの既製品を着て恥じないという方向に進むので、富裕層の中での社交の場で持ち物に注意を払わないことへの圧力が発生することもあり、ブランド品であっても意図しないのに同じものを着ている状況の発生を避ける意識が働くのではないでしょうか。この場合、論点は製品ブランドではなくデザイナーと発注者のこだわり、センスということになり、既製品の成立する余地はなくなります。イージーオーダーでも馬鹿にされかねません。このような状況自体は、つい百年と少し前までは普通にあったものです。

■2020年12月10日(木)  あまりいいことだとは思えない
コクヨ、ジャポニカ学習帳のショウワノートと資本提携
コクヨさん、なりふり構ってないんですかね。そんなに先行きが危ないのかな?
確かに文具は今後縮小していきそうな雰囲気ですが、それこそコクヨなら事務用什器でも大手でしょう。同業他社を買収するよりもゼロックスの日本総代理店でも引き受けた方がましなのではないでしょうか。

■2020年12月10日(木)  できれば発電機材についてもリサイクル原料のみの使用を義務付けていただきたい
政府の電力「3割は再生エネに」 河野・小泉両氏が提言
いいかげん再生エネルギー=エコとかいう妄説は何とかなりませんかね。不燃ごみが増えるんですが?
エネルギー調達を再生エネになどと呑気なことで満足するのではなく、リサイクル原料のみを(エネルギーも含めて)使用している認証を作り、それを取得していない製品の調達を禁止するくらいになりませんか?規制となると問題がありますが、地方自治体を除く政府調達ならば短期的な影響は限定的でしょうし、それなりの資本力のあるところでないと入札適格を貰えないわけですから、それで潰れるということも多くはないでしょう。

■2020年12月10日(木)  決済事業者の申し込みフォームに「進化論を認めないことに同意する」なんて項目ができたりして
Pornhub、NYT記事による批判受け動画アップロード制限およびダウンロード禁止へ
児童ポルノ対策、性的搾取対策ということなら理解できます。出所を探られないなら活用した方がいろいろよいですから、アップロード自由となれば問題のある動画も出てくるでしょう。
とはいえ、決済事業者が倫理的に問題のある取引とはいえ事業を制約できてしまうというのは、あまり良い前例とは思えません。取引先の取引に首を突っ込まないから手数料を払ってもらえるのが決済事業者なので、事業に倫理的な問題があるから取引しないなどということになれば、それこそ反政府活動家への寄付やグッズ販売の決済は取り扱わないといったこともできてしまいます。まあ、そもそも政府が犯罪に関わる取引に金融事業者や決済事業者が関わることを規制しているわけで、今さらと言えば今さらなのですが。

■2020年12月10日(木)  そもそもインフレになるほど物を作れなくなれば全面国有化では?
インフレが来る? 通貨からの逃避続く世界経済
「いつインフレが来てもおかしくない」
これは実は正しい見方で、むしろ何でこんなにじゃぶじゃぶ貨幣をつぎ込んでるのにインフレにならないんだろうと、そこが問題ではあるわけです。
それこそ100年前なら金に逃避というのは一策だったのでしょうが、記事中にもあるようにそのころに金取引を政策的に禁止するという毒薬を規制当局は飲んでしまっており、国際取引における金を代替するような決済手段も整備されている以上(1950年代以降整備が進められ、いわゆる金ドル兌換停止をもって貿易決済において金が実質的に廃止されました)、世界経済が正常でなければ金ですら持っていても仕方がないでしょう。値上がりしている金融資産はなおさらで、そもそも事業において利益が出ているから買い手が殺到しているわけではなく、資金が金融市場にだぶついているために貨幣単位で計算した価格が上がっているわけです。この後どうなるかと言うと、株価が上がっている割に本業の儲けはさっぱり出ていない、配当の原資がないから実質利率がどんどんゼロに近づいていく。持ち高は増えるんだけども資産を売らないと貨幣が入ってこないことになります。インフレに転じた局面も含めて、まとまった売りがトリガーになって小規模の暴落が発生、金融市場まで収縮する可能性があります。そもそもインフレになるほど通貨がだぶついているので、貨幣を持っていても価値は下がるばかり、かといって投資をしても利子がつかない、そうしているうちに実体経済の方はどんどん収縮していくという、相当情けない状況になるかもしれません。それではまずいから、金融政策と並行して政策投資も必要だ、今なら投資先がないから国債金利もどんどん下げられる、償還だって札を刷るどころか中央銀行のコンピューターのキーボードを叩けばいいと、経済学者が言っているわけです。
もちろん輸入インフレが発生する可能性は十分あります。ただしそれは輸出国の通貨が輸入国の通貨より強くなってしまった場合で、しかも輸入インフレなど起こしたら輸出国は物が売れなくなりかねませんから、場合によっては為替操作に走り、交換レートを維持することになるでしょう。これはつまり強い方の通貨が追加発行されてインフレ気味になるということで、みんな仲良く通貨をだぶつかせていくことになります。
またお金を「集める」必要がない状態で政策投資が活発化するということは必要の充足が重視されるということで、農産物の国内市場でインフレ状態になった場合農業投資が行われ、それこそ機械化によって増産が図られることになります。環境保護活動家や有機農法家は嘆くかもしれませんが、ある程度地力の維持も織り込み、かつ長期的なコストの高騰を避けるために労働力の過度の動員を避ける形になるでしょう。買えばよいというのはこの場合通じず、そもそもある意味買えるものがないから値段が上がってしまうのがインフレです。買うに買えない、値段が上がるだけとなれば作った方がましという判断がどこかでなされるでしょう。本来投資家がその判断を下すべきですが(この場合自律的にインフレが収まることになる)、おそらくリスクが高すぎてその判断ができません。というか、増産しても底辺層が買える価格にならないため、需要が拡大しないと思われます。当座、短期的なリスクを気にせずに資金をぶち込める政策投資が担当し、強制買い上げと配給に近い形で流通させることになるように思います。機械化で問題になるのが資源、それも金属資源ですが、皮肉なことに金属価格が上がった場合リサイクルが活性化すると思われます。つまり、今の廃棄物埋め立て地が鉱山代わりになります。樹脂製品もリサイクル技術が確立しつつあるわけで、相当凝った新素材でも使うのでなければ廃プラを溶かして固め直して済んでしまうのではないでしょうか。

■2020年12月10日(木)  メモ - 実演における著作物性
岡田氏の音楽と録楽は違うという主張を読んでいて感じたのですが。
「録楽はむしろ美術や映画に近いのだ」とあります。この特性は、録楽があくまでもメディアに固定されることから生じるものと言えます。バーチャルでないライブの芝居や演奏を編集することなどできません。もちろん構成することはできます。何をどのような順序で行い、個々の場面においてどのような実演を行うか、また発せられた光や音にどのような効果をかけるか(例えば電気楽器であれば発音機材とメインアンプの間やメインアンプとスピーカーの間にエフェクターを挟むことはよくあります)を取り決め、リハーサルによってそれがどのように観客に届くかのイメージを把握することはできます。指揮者は実演のある段階で特定の実演家がどのような実演を行うべきかを指示しますし、繰り返した練習の上であってもそれを実行できる実演家のみが舞台に上ることを許されます。熟練を持つ高度な舞台演出家であれば、あるべき実演を明瞭に予見し、それを実現することができるのでしょう。しかし、すでに行われた実演をさかのぼって加工するには、再生可能なメディアに固定されることが不可欠です。メディアに固定されたものを再生するのでない限り、例えば過去に行った実演を今行っている実演に重ねるようなことはできません。
このように考えると、著作物というのは基本的にメディアに固定されたものということができます。音楽であっても、楽譜の形ではメディアに固定されています。もちろん楽譜に書かれているのは音楽のスケッチであって、音楽そのものでないと言うことは可能ですが、いずれにせよ楽曲であっても楽譜に書かれている以上は編集が可能です。しかし、著作物性がメディアに固定されることで獲得されるのだとしたら、上演されてしまったものはその場において著作物性を失うのかもしれません。例えば文学作品を読み上げたとき、読み上げに使った底本に書かれたコンテンツは著作物のままですが、読み上げたものは著作物ではないのではないか。そしてそれがメディアに固定されたならば、その時に再度著作物性を獲得するのではないか。その意味ではホールや録音ブースで演じられる芝居や楽曲(音楽)は著作物ではない、それがカメラやマイクを通ってメディア(なお電気自体もメディアと見做すことができます)に固定されたときに著作物として再び誕生するのかもしれません。
そう考えると、人体における記憶のみをベースに上演を再現することは著作権の侵害を構成しないと言えます。人間の記憶というのは、メディア扱いされません。朗読会で聞いた文芸作品を一字一句間違いなく記憶しているとして、それは権利者の複製権を侵害していることにはならないでしょう。
一方で、実演自体は多くの場合一度記憶を経由して作品を再生することになります。では、実演の仕方を記憶し実施している実演家は権利者の複製権を実施していると言えるのか。権利者が例えばシンセサイザーの設定やシーケンサーのプログラムを自ら行い、それをコンピューターで再生した場合、そこで再生されているのは明らかに元の著作物であると言えるでしょう。では実演家の記憶を経由した実演は著作物たる元の楽曲なのか。場において演奏されているものが音楽であるということは説得性がありますが、それが作曲者の作品であるという認識自体は実はかなりバーチャルなのではないか。作曲者が実演することがほぼない現代クラシックなどは、この意味でなかなか矛盾を抱えた表現であるようにも思えます。
それと「美術」と一括していますけれども、古典的な絵画と複製を前提とする美術(典型的には写真だが印刷のような量産を前提にする作品もそう)とは違います。そこはそれこそ岡田氏が良く引用するベンヤミンやアドルノが論じているのであって、もう少し丁寧な取り扱いをして欲しいところです。

■2020年12月09日(水)  脱税が悪いことなのは無駄遣いするからではない
「血と汗と涙流したお金」不妊治療医院が1億円脱税容疑
「血と汗と涙流したお金」
いやそれ、関係ないというか、誰の血と汗と涙なんでしょうかね。医者と患者がそういうものを流したお金を税金として納めて何の関係もない国家事業や役人の給料に使われる方が理不尽だ、経営の安定と自身の事業継続性の確保(リフレッシュも含む)、技術の向上や消耗品供給業者との関係構築などに使った方が有意義だという話でしょうか。

■2020年12月09日(水)  規模はないと意味がない
首相「みみっちいこと言うな」 経済対策は規模ありき?
そりゃ、感染防止ならともかく経済対策なら、今は何をするかよりも規模の方が大事でしょう。公共支出が経済や産業構造を歪めるなどと言っている場合ではないわけで、モニュメントだろうがウサギ小屋だろうが隣の県の卵直売所を宣伝するちらし付きポケットティッシュだろうが、作ればデザイナーなり作業員なり配布のバイトなり材料を供給する業者なりにお金が廻るわけですから、「みみっちいこと言うな」というのが正しいのです。まして金融政策ではお金が証券市場にロックされてしまうわけですから、消費支出をする人のところにお金を回すには財政出動しかありません。またブームでしかないことは受け取る側もわかっているわけで、長期的な雇用の拡大や事業の転換や新規参入にはつながらない以上、網羅的にやるしかありません。波及的な効果とやらを織り込んで金融政策をやった結果がこのざまです。
その上で、産業構造の転換に政府が手を出すなら、別枠で最低5か年計画にしないといけません。医療技術者にしろ介護の人手にしろ運送作業員にしろ、適性や訓練が問題になるため(そういう状況にしてしまったため)、何をやったところで即効性はありません。オートマ普通免許でマニュアル10トントラックを運転できるようにすれば人数は用意できるでしょうが、事故が続出します。そのうえ、人手不足になっている業種を適切な労働条件で人手を増やしても儲かるようにする必要もあります。これは、経済対策という範疇ではくくれません。

■2020年12月09日(水)  トナーカートリッジ回収申し込み
レーザープリンターのカラートナーが尽きたので、未使用のトナーカートリッジに交換し、取り出したカラートナーの空カートリッジ3本は以前出た黒の空カートリッジと合わせて4本でブラザーのトナーカートリッジ回収サービスに出すことにしました。まあ、5年以上もったわけで、放っておくとインクが残っていても印刷できなくなるインクジェットプリンタと比べて元は取れているでしょう。
ネットで申し込めるのは良いとして、運送屋が取りに来るというのは面倒です。できれば回収用の伝票を貰って発送する形にできないものでしょうか。

■2020年12月09日(水)  レジ袋を減らすこと自体は仕事じゃないんじゃないかな
レジ袋辞退率は7割、義務化前の倍以上に 環境省が公表
まあ、要らないと言いやすくはなりましたよね。割りばしやお手拭きも含めて。
とはいえ露店や行楽での手軽さがなくなったことは否定できませんし、イベントで自画自賛する前にそれでどれだけ環境負荷が減ったのかの検証の方が先だろうとは思いますけど。個人的には、使い勝手の良い買い物袋を探すのにどれだけ手間や金がかかったと思ってるんだという話もあります。

■2020年12月09日(水)  反省というわけでもなさそうですが
「既得権」レッテルを貼る心理 首相は批判を逃れたい?
いや、こんな話をするのなら、御社にはもう少し言葉に対して配慮をしていただきたいものですが。
ともあれ、「既得権」をあえて厳密に定義するなら、「自分にとって都合の悪い何かを糾弾するためのレッテル」ということになるかと思います。もともと近代社会を作り出すための政治闘争や思想闘争自体が貴族・領主階級と上層聖職者、特権商人の「既得権」を糾弾するところから出発したわけで(その思想的な背景が一時代前の王による等族や聖職領主の「既得権」の糾弾にあるように見えるのもなんとも微妙ですが)、1970年代からの新自由主義の急展開によって変質したところがありつつも、奴隷制支持者や王政支持者、革命派、特権的商人・職人組合のシンパや怠惰な労働者、独占資本、インテリ、アカ、コミー、エリート労働者、世襲政治家、ノーメンクラツーラ、おっさんといった邪魔な相手の立ち位置が不当なものであると天下り的に主張する便利な言葉であり続けた点は一貫しています。新興勢力やhomo novus御用達であるようにも見えますが、そもそも国王(あるいは戦国大名)が国内の大貴族や聖界諸侯(地付き領主や寺社勢力)を非難するのに使った言葉でもあり、既成権力が対抗勢力を排除するのにも使えます。代表例は明治維新ですね。
近代、そして新自由主義の普及によって変質した部分は、市民的自由との結合を深めた点でしょう。万人が平等であるならば何かしようとしている自分を制約しているものは不当な既得権であり、そのようなものを取り除いたところに自由がある。自分がアクセスできてしかるべきものを占有しているのであれば、それは不当な既得権であり、そのようなものは取り除いて自由な使用に任せるべきだ。
リベラルとしてネオコン系の政治家による「既得権」という言葉の濫用を批判することは構いませんが、そのネオコン系政治家とされる人々の一部、あるいはラディカルなリベラルも、左派的な立場からこの言葉と高い親和性を持つことについての考察も必要です。つまり、原子力に反対する小泉純一郎氏、そして蓮舫氏、あるいはトニー・ブレア氏やマッテオ・レンツィ氏、それこそバーニー・サンダース氏あたりも含まれうるでしょう。近代前期において、既得権という言葉が労働組合運動に対しても使われたことは、忘れるべきではありません。旧東側諸国における保守派としての共産党などというブラックな話ではないのです。
また腐敗していないから既得権でないなどということもありません。業績赫々たる大教授であってもようやく任期付きの准教授ポストを得た新人から見れば既得権の主であり、こつこつと論文を書いてきた教授であっても大学院に行き損ねて通俗的と評価される新聞社で何とか管理畑に回って昇進できた記者から見れば白亜の塔の既得権の主であり、住んでいるというだけで行政の効率化に楯突く地元町内会も既得権の塊であり、理由はさておき電話局にADSLの収容機材のひとつも設置できない通信事業者は時代遅れのISDNにこだわり既得権の確保に汲々とする抵抗勢力です。進学校に通っていなかったがために高卒で就職した人にとっては大学生など既得権層に見えるでしょうし、就職ができなかった人にとっては高卒の会社員だって既得権層でしょう。既得権というのはそういったressentimentを裏に秘めた言葉です。ハードとOSを作っているがゆえにアプリの安全性の確保を主張してサードパーティーを排除するコンピューターベンダーも既得権の主であり、自分のところの製品とたいして変わらない検索エンジンを提供しているだけなのに早く始めて普及できただけで広告事業で優位に立っているソフト屋・サービス屋も既得権の主でしょう。スマートでイカしているスマホやタブレットに移行せずにキーボードと文字に慣れ親しんでいるというだけでテキストベースのメッセージをパソコンで扱うことに固執するパソコンマニアや、手順の抽象的な組み立てに熟達しているだけで高給を取っているシステムエンジニアもそうでしょう。同じ料金しか払っていないくせにキャリアショップで店員にアプリのインストールまでさせているデジタル落ちこぼれもそうでしょうし、一方では意味不明の資料から自分にとって最適の携帯プランを読み取れと主張するデジタルリテラシー主義者だってそうでしょう。わけのわからない蘊蓄を傾けるだけで高い相談料を取っていくコンサルタントや士業は…正直既得権だろう、社会のデッドウェイトだろうと糾弾したくはなるのですが、それはまあ、私の心が狭いということでしょう。
それだけに共感を得やすいですし、また誰もが誰もを虐げる現代社会(まあ、社会なんてそんなものかもしれませんけど)では皮膚感覚でとらえることのできる言葉です。既得権の糾弾こそは近代社会の本能にして原罪かもしれないと思えもします。そんな安易な言葉に惑わされてはいけないと弁ずることは容易ですが、正直既得権を糾弾することによっていろいろなことが変わってきた、惑わされた人々の意識が変わってきたことも否定できません。
政敵を排除するための道具、自分が論われる前に他人に貼り付けて口を封じるお札と批判するにせよ、それがなぜそんな効果を持つのかは問題になります。切れる原理はどうでもよいから、狂人に刃物を持たすなと言うなら、それを言う人は狂っていないのか。狂っていないのだと断言できないのがこの世だと思いますが、どうでしょうか。

■2020年12月09日(水)  2月に対応を検討して9月からならできるような気が
アップル「AirPods Max」の凄さと違和感
「毎月製品リリースするつもり?」
というより、9月あたりに一斉に発表する予定だった製品をクリスマスセールに全製品が揃う形を見据えてわざとずらせて、話題を作っているという考え方もできそうです。販売を早めることは難しくても遅らせるのは在庫コストだけの問題であり、まして発表時期だけならたいしたお金はかかりません。9月のローンチの根回しであれば4月あたりがデッドラインであり、2月時点で対応策を検討していれば十分間に合います。
USB-Cは…Appleとしては歓迎していないのかもしれませんね。拡張バスとしてはともかく、電源込みで値段を作れたのがサードパーティー品と競合することになりかねないわけですし、compliantだからといって互換性を保証しきれるわけでもありません。まあ、記事を見る限り拠点で使う製品のようですし、持ち歩く電源の数を減らすような用途には別の製品を出すのではないでしょうか。

■2020年12月09日(水)  こんなものを見るくらいなら無人駅の方がましなような
駅の改札で切符以外のお買い物 JR国立駅で駅員が”逸品”を販売
なんか飛行機のキャビンアテンダントさんみたいで痛々しいと思うのは私だけでしょうか。

■2020年12月09日(水)  そもそもExcelファイルを機械処理しようとするのがおかしいような
「セル結合禁止」……Excel背景に“あかんヤツ”表示 アドオン「RelaxTools Addin」に新機能
いや、それ、そもそもExcel使ったら「あかん」のでは?機械処理をするならルールに従って数字が書いてあるものが一番扱いやすいはずで(まあ、ラベルのセルはあってもいいかもしれない)、これがあるからこそExcelを使う関数など、「あかん」の最右翼のはずです(表「計算」ソフトというのは表の見た目でデータを入力したうえで計算をするためのソフトウェア)。つまり機械処理をするならエクセルネイティブの保存形式は使ってはいけないわけで、CSVにでもするしかない。Excel「あかん」です。

■2020年12月09日(水)  10分300円に値する会議って…
ららぽーとに完全個室のシェアオフィス ウェブ会議対応
需要を捉えているとは思うのですが、「10分280円」というのはどうなんですかね?会議なんてそもそもシンクコスト呼ばわりされていたので、それが顕在化したと思えばよいようなものではありますが、待ち時間も含めて30分使って1000円近い出費です。会員契約の会費も含めてそこまで負担できるユーザーがどの程度いるのでしょうか。それこそラブホテルの休憩料金が4000円くらいですかね。カラオケボックスだと30分500円もしない気がします(歌わないと別途課金されるのかな)。設備の問題もあるので一緒にできるとは言えないにせよ、ベンチャーがやるならともかく三井不動産がするのであれば、もう少し相場を牽引するような価格にならないかという気がします。

■2020年12月08日(火)  種をまいた以上は産まれても仕方ないでしょうが
勝手に出産した元妻に賠償命令 自己決定権の侵害を認定
「個人は子をいつ、誰との間でもうけるかを決められる人格権としての自己決定権を有する」
大変不思議な理屈です。合意の上で凍結受精卵などというものを作った以上相手との間に子を作る意思があったとみなすべきで、その後別居に際して凍結受精卵を廃棄する判断を下していなかったことが決定を覆すにあたっての瑕疵と見るべきだと思います。またその場合でも、人格権を侵害したので賠償というのは筋違いで、法的親子関係の否定に留まるのが筋でしょう。凍結受精卵を保存して受精と出生の時点に通常ある以上のずれを生じさせた時点で、意図しない時点で遺伝的な自分の子が出生するリスクについては認識していたとするのが筋です。少なくとも本人が単独で、あるいは新たなパートナーと育てられるのであれば、かつ出生した子が相続権を放棄するのであれば、用意してあった凍結受精卵を用いて出産することはむしろ女性の権利です。通常夫婦の合意の下で行使されるべきその権利を別居という状況で一方的に行使する人を配偶者に選んだということも含めて、男性が事後的に人格権として子供をもうける権利を主張するのは筋が通りません。

■2020年12月08日(火)  バブルが失せた程度のことでは?
「弱いところ斬り捨て」 脱ハンコに山梨知事の嘆き
そうは言いますけど、そもそもアナウンスごときで実需が縮小するというのは、そもそも実需自体が実体のない、もしくは予測で変化してしまうようなものだったということです。ハンコを廃止と言ったって即使わなくなるわけではないわけで、将来使うから、そろそろ買い替える時期だからという需要が縮退しただけです。それで事業が吹っ飛ぶというのは、そもそも山梨県の業者が従事してきた(高級)印章産業というのが、広告やイベント、外出用や運動用の衣類などと同じで、なくても何とかなる、とりあえず購入を先延ばしして状況を見ておける類、それで消滅してしまうようなセクターに依存したものだということでしょう。個人的にも、三文判とゴム印しか持っていないわけで、納得がいってしまうところが微妙に情けないのですが。それを「弱いところ斬り捨て」とは、言ったものです。

■2020年12月08日(火)  サンケイらしくも表層的な
過剰流動性 あふれた資金流入、株高演出
金融政策なんだから、金融商品が流動性増加によって値上がりするのは仕方ないのではないかと思います。日銀が引き取るのは投資信託や株式、債券などの金融商品なのですから。本来投下された流動性を現物投資や消費を通じて生産活動に投入していくのは、日銀の買った金融商品を売った人たちなのです。逆に言えば、金融商品の実質利回りが低下(取引価格は上がるが配当や利子は変わらない: 投資信託だと変わることがありますが、売った値段よりも高い値段で買うことになるはずなので、パフォーマンスは落ちそうなものです)して現物資産の方が有利になるはずなのですが、そもそも現物資産の方に収益力が不足しているため値上がり益に期待する方がましかもしれません。このために資金が金融市場に滞留し、リスクの高い市場外の融資にお金が回らず(このためその融資を必要としている人たちからは不足感が訴えられている)、上場証券だけ値上がりしているのです。証券市場としては流動性過剰でしょうが、社会全体としては議論の余地があり、インフレターゲットを実現できていない以上流動性不足だというのが日銀の主張でしょう。「過剰流動性とは市場にある資金(流動性)の量が正常な経済活動に必要な水準を大きく上回る状態が継続すること。市場にあふれかえった資金が株式市場に向かい、株価を押し上げると説明される。」というのは現状に照らして問題のある説明で、そもそも限定なしの市場というのが何を意味しているのかをはっきりさせてから議論をするべきです。
「投資家」なら急落リスクも含めてわきまえているのが当然で、上場証券のような実質利率をある程度無視して行う投機と資金は固定されるが固定の配当を得られる投資を組み合わせるものです。投資の方の行き先が企業の借り入れということになりますが、ではその企業は誰からお金を借りるのでしょうか。「しかしコロナ禍で経済活動が滞る中、多くの企業は積極的に借り入れを増やして事業を拡大することに慎重だ。結果として、行き場を失った資金は株式市場に流れ込む。」という論旨からすれば、貸し手がいるのに借り手がいなから資金が余ると言っているわけです。しかし、日銀が流動性をつぎ込んだ証券市場からお金を吸い上げられる企業というのはそれなりに限られています。例えば格安旅客航空会社のように事業の拡大どころか事業を続けていくためにお金が必要なところは、流動性が過剰につぎ込まれている証券市場からの調達ができません。銀行の定期預金と似たり寄ったりの金利で非常にハイリスクな債券や株式を出す羽目になるのがオチで、20世紀末ならともかくもはやジャンク債と言うも愚か、引き受け手がないでしょう。本来そこに上手に資金を投下するのが機関投資家ですが、証券市場から資金が出ていかない以上はその機関投資家も資金を証券市場に再投入しているわけです。つまり金余りの証券市場と金足らずの実体経済をつなぐ機能が麻痺している可能性があります。そこを無視して過剰流動性を主張するのは、感心できません。サンケイ新聞ならばさもありなんですが、名前にある産業や経済の字が泣きますよ。

■2020年12月08日(火)  18世紀に戻れば?
デンマーク、2050年までに北海でのガス・石油産出終了へ。気候変動対策を推進
うーん、二酸化炭素の固定化技術にでも進んだ方がましだと思うのですが。
そんなに燃やすのが嫌なら、そもそも電気や動力自体諦めたらよいでしょう。化学製品もあきらめる。温度管理なしの完全無農薬・無肥料農法でどこまでやれるのか知りませんけど。太陽光発電は半導体技術を用いているわけで、あんなダーティーなもの絶対に使えません。他はと言うと、もちろん単体では使えるはずですが、昨今電力制御と言うと半導体頼みであるわけで、さて、どこまでできますかね?風力だって、素材は石油化学製品と石炭と石油と電気で加工した希少金属の塊です。鉱業が資源再生も含めて公害産業であることは言うまでもありません。もちろん、コンピューターなんか電卓や携帯電話機も含めて絶対使っちゃだめですよ?
まあ、200年前まではそれで生きてこられたわけですから、全滅はしないと思います。

■2020年12月08日(火)  無にと言うより存在価値を問われる?
ドコモの月20GB/2980円「ahamo(アハモ)」はモバイル業界を大きく変えるか?

「販売代理店というしくみに賛否があることは確かだが、1億8000万を超えるところまで国内のモバイル業界の成長を助けてきた存在を『無』にしてしまうようなインパクトを持っているわけだ。」
いやまあ、こみこみでなく、ユーザーから手数料を取ってリセールすればいいだけと言えばだけなんですがね。契約すると1000円くらい手数料を取られる。それでも月々のキックバックなんてものもあったのかもしれませんが、手続や作業ごとに手数料を設定し、サポートやサービスを一手に引き受ければよいわけです。なんなら月額200円くらい取って会員制のサポートを提供したって良いわけですし。キャリアショップを利用する人というのは頻繁に引越はしないでしょうし、頻繁に引越をしてショップをまたぐような人は素のahamoをネットで契約できそうですから、むしろDocomoがアプリ系のサポートを一切やめた方が楽かもしれません。もちろんショップにちゃんと根回しをすることが前提ですけど。

■2020年12月08日(火)  x64プラットフォームでは__asmは使えない
昔のつもりで__asmと書いてコンパイルしたら、「このプラットフォームではサポートされていません」との警告。
とりあえず回避の仕方というかアセンブリ言語モジュールの組み込み方はわかったのですが、インラインアセンブラ自体特殊機能であり、本来コンパイラの関数呼び出しのルールまで踏まえてアセンブリ言語モジュールを書いてリンクするべきというのは反論の余地がないにせよ(DOSのころはそうしていたわけだし)、最近の、コンパイルオプションを駆使しないと関数呼び出しまでゴリゴリに最適化してくるコンパイラの相手をするのは面倒くさいなという話はあります。まあ、プロローグとエピローグなんて定型なので、慣れてしまえばそれで済むのですが。

■2020年12月08日(火)  それで失脚は衆院選までお預けかな
コロナ対策の失敗で失脚するか
菅首相の人格評はまあ、納得できますが、別に人格や教養で執政をするわけではないですからね。
それにしても、特高顔というのは納得してしまいますが、言う方もひどいですが言われた方も事実とすれば余裕がありません。いくら図星だからといって、夕刊とはいえ新聞に他人の容姿や人格を誹謗するようなコメントを載せるのは感心しませんし(言ってしまうのは作家だけに仕方ないかもしれませんけど、ジャーナリストとしては場をわきまえていないように思います)、そう言われたら「それを言っていられる時勢に作家の方は大喜びでしょうね」くらい言えばよい。誹謗されて怒るというのは、トップとしては心が狭いでしょう。
「「著名なジャーナリストです」と説明して宥めた」というのもひどい話で、著名なジャーナリストなら無造作に他人の品性あたりを論ってよいのか。これではトランプ支持者やアンチトランプ過激派の罵りと心性がたいして変わりません。言われた方としては毎日新聞社に電話をかけて、品性に悖るのではないかくらいは言ってもかまわないと思いますし、「こんなのが大ジャーナリストだというのじゃ、日本のジャーナリズムも文芸もたいしたことはないね。改革が必要なんじゃないかな。」くらいのコメントはしたって良いのです。それで「首相、大政翼賛を示唆!」などと書かれたら、「いや、どうも特高顔らしいからね、よく誤解されるんですよ。」と笑っていればよいわけです。
正直、メモを見ながらぼそぼそというのも、あなたはまともに相手をするような大事なカウンターパートナーではないのだ、あなたとするような話はたいしたことではないのだというパフォーマンスであれば、むしろ宰相の器と言うべきでしょう。野党国会議員や国会審議にそれだけの重みがあるとは有権者の過半数は思っていないのですから。どうもそうではなさそうなのが問題ではあるのですけどね。
もちろん、それこそ来年8月くらいまでにコロナウイルス感染症対策で感染拡大にも経済状況にも鎮静化のめどをつけられなければ、失脚は十分ありうる事態でしょう。とはいえ、それまでに動いて責任を取りたいような自民党の重鎮はいないでしょうし、野党に何ができるわけでもありません。

■2020年12月08日(火)  MRIなんぞそうそう買えない
うつ病の脳の特徴、AIで見分ける 診断の補助に
うつ病の生理学的な特徴を明らかにすることには意義がありますが、診断法としてはおそらく当分実用性はないと思います。何しろ画像を得るためとはいえ、MRIです。「病院」にはあるでしょうが、医院にはまずありません。ただでさえ病院にかかるには医院で紹介状を貰うこと、病院に高度医療機能を集約するなどと言っているご時世に、うつ病かもしれないからこの病院に行ってMRI検査を受けてくるようになどという紹介がホイホイできるとも思えません。検査待ちしている間に投薬でも考えた方がましでしょう。
診断は適切な治療行為を行うために必要な情報を得る手段だということを、とくにうつ病のような、境界的な事例が頻繁に出てくる、一次医療での確度の高い迅速な対応が求められる疾病の診断を考える際には、しっかり踏まえるべきです。

■2020年12月07日(月)  というか取る意味あるのかね
固定資産税、地価上昇でも1年据え置きへ コロナに対応
これは当然というか、そもそもこういった固定費があることが事業をとりあえず継続するための負担になっているわけで、「コロナに対応」というのなら一律免除するべきではないかという気がします。もちろん、保有資産の評価額にふさわしい利益を上げられないような事業体は潰れてしまえというなら取るべきですし、平常時はそれでよいわけですけど。

■2020年12月07日(月)  誰でもできるよね?
AIがコメの銘柄を判定する新アプリ スマホの写真を解析
妥当な応用だとは思うのですが、金かけて開発して金取って売るのかとは思わないでもありません。農学部の先生か院生あたりが趣味で作って公開するレベルの話に見えます。

■2020年12月07日(月)  それでアメリカ合衆国がタックスヘイブンをどうとか…
イーロン・マスク、テキサス州へ移住か。巨額報酬得る前に所得税高いカリフォルニアを離脱?
支払時期を任意に調整できるというのもすごいですが。
そもそも会社の設立地がカリフォルニア州なのですね。アメリカで会社を作るというと、デラウェア州会社法に準拠するのが普通だと思うのですが、もしかするとよくあるなんちゃってデラウェア会社なのでしょうか。

■2020年12月07日(月)  樹脂コートの安ものとは違うのでしょうが…
アップル「黒いMacBook」準備中?
それって特許なんですか?マットな質感を出す工夫なのかなあ。
それにしても、コーポレートシンボル以外はつい先日見た古いTOSHIBA Dynabookに見えるのですが、アルマイト処理だけに高級感が出るとよいのですが。

■2020年12月07日(月)  どのみち中国資本と十把一絡げにされないといいですが
ファーウェイから独立するHonor、ゲーミングPCの次はゲーミングスマホ投入もあるか?
というか、あのファーウェイ叩き、最初のネットワーク製品はまだ理解できたのですが、Android禁輸あたりから意味不明なんですよね。もしかして米国内に主力の工場を作り、中国に輸出しろとでも言いたかったのかと思ったのですが、だとするとHonorを分離しても中国資本の中国メーカーだから同罪扱いされてしまう可能性があります。バイデンさんだって基本的には民主党であり、国内労働者の保護を重視する点では変わりないでしょう。トランプ氏ほどぶっ飛んでいないだけのことです。

■2020年12月07日(月)  なんで紛失するんだろう?
オリックス孫会社、個人情報21万件入りサーバを紛失 外部に持ち出された可能性も
データが入ったサーバーを紛失というのがすごいですね。そもそもデータをサーバーに入れたまま保管するというのが不思議で、普通は古いデータを外部に移してストレージを初期化するものなのですが。確かに昨今のパソコンは1980年代後半のハードディスクよりもカジュアルな機材ですが、ブレードだって、まさかシャーシに取り付けて即データ参照なんて芸当は想定していないでしょうに。

■2020年12月07日(月)  納品確実をアピールしているパソコンメーカーというとあそこのことですかね
スマホでの動画撮影とAI推論性能を大幅に引き上げるSnapdragon 888
「仮に歩留まりがあまり良くないのに強行して製品を発表しても、OEMメーカーが「足りない! 足りない! 」と大騒ぎして、ばれてしまうことは目に見えている(PCメーカーがここ数年何をアピールしているか考えればすぐわかるだろう)ので、少なくともOEMメーカーが求める数は確保できる見通しが立ったということだと考えられる。」
うーむ。とはいえ大騒ぎするころにはロットの生産が終了していて、次のモデルの売り込みがかかっていそうな気がするのですが。そして、「そのあたりはこちらのモデルでは解決いたします。」とか。
SoCというのはたしかにコンパクトな実装を行う上では有利な部分があるのですが、一方で使うチップの仕様に設計を縛られてしまうという面もありそうな気がします。その結果色と模様とカメラの位置が違うだけで中身はリファレンス設計同然の金太郎飴なAndroidスマホばかりになっている気がするのですが…これも、しばらく前にIntelが設計をがちがちに縛って、OEMのバリューゾーンのマザーボードやノートパソコンがみんな似たり寄ったりになったことがありましたよね?バリューゾーンのグラフィックボードなんか今も値段とクーラーの模様くらいしか違わないですし。いちいち違いを確かめるのも面倒ですし、大した違いがないのだったらその時売っているものを選べばよいわけで、楽ではあるのですけど。
HPのパソコンがまとまった量での入手が容易という話は耳に入ってきますが、売りやすいのでしょうしOfficeを使う分には問題になりませんけど、どうにもあそこの製品は面白くありません。機器制御用のワークステーションを作っていたころならともかく、コンパックを合併したころから普通のソフト(とグラフィック重視のゲーム?)を動かすためのただの箱になってしまいました。
つまり、無難という理由で他人には勧めるけど自分では買わない。

■2020年12月07日(月)  大脇先生の提灯持ちが光っているのはともかくとして
「不要不急」の赤肉と砂糖はNG 勝間式超ロジカル料理
「基本的に分散投資が一番リスクリターンがいい」
金融のわかってない記者にこの言い方はないでしょう。リスクは低いがリターンも平均値と言うのが筋であって、そもそも平均値がマイナスであれば分散投資で期待されるリターンもマイナスです。もちろん、ハイリスクに張ってぼろ負けするよりはいいわけですが。
それはさておき、「その時のベストな判断は変わって当たり前」とか「人間関係を壊してまで健康を保つ、というのはあまりにも不自然です」というのはその通りです。だからといって別に好きでもないのに毎日職場飲みに付き合って午前様なんてのはどうかという話で、その意味ではエピキュリアンこそが望ましいのです。ストイックに理想を追求するのではなく、お菓子のお裾分けで訪ねてきた知人とお茶するとか、珍しいお酒が手に入ったから通じた友人を呼んで飲むとか、その際に合う酒肴が豚バラならそれを用意するとか、そういうのはかまわない。ただ、今日は調子が悪いからお酒はなしと言えるくらいの気安さはあって欲しいものです。いい年をして、人間関係のために意図的に飲み会を企画するとか、菓子屋と顔をつなぐために定期的にホールサイズのケーキを買うとかいうのはどうなんですかという話です。健康話だって、健康に良いからこうするべきだなどと押し付ければ不愉快になるわけで、愉快にこんなネタもある、あんなデータが出た、こういう工夫をしているという話ができる友人がいるなら、そういう話で談論風発すればよいのです。
また「肉じゃがなんかも砂糖とみりんでごちゃごちゃ味を作るよりは、じゃがいも、にんじん、たまねぎを蒸して、おしょうゆをちょっと垂らしただけで問題なくおいしいんです。」という話もそうで、たまねぎやニンジンというのはちゃんと火を通せば甘くなるのであって、みりんはむしろ風味付けです。だから酒やワインで煮たって良いわけです。わたしだって市販のホワイトソースは砂糖をぶち込んで味付けしてあるので基本使わず、自分でバターと小麦粉、牛乳で作って、シチューも砂糖は入れずたまねぎをたっぷり入れたりする。そこはわかるわけです。だからといってジャガイモと大豆を蒸して醤油を垂らしてそれを食っていれば栄養的には十分だなどと言い出せば、味気ない、おいしくないという話になるわけで、とりあえず冷ご飯を炒めて塩とスープの素をふって、スーパーで買っておいた冷凍マッシュポテトを付け合わせに腹を塞ぐ日もあれば、三時間くらいかけてスープからとってあさりと玉ねぎのリゾットを作ってみる日があってもいい。低温調理にしたって、そのために十うん万円の大型オーブンを買ってホテルの料理人よろしくこまめに鍋を出し入れして温度調節をするか、メーカー製の炊飯器の兄弟みたいな調理家電を数万円で買うか、巷で話題の温度調節器を似たような値段で買うか、それとも勘と経験を駆使して母親から受け継いだ電熱器を使うかは、好きにすればよい。どうすれば体に良くおいしくなるか、どうすれば自分に合った形でそれを実現できるかというのは、お勉強するだけでなく、自分で確認して、主観で、自分の好みでよいので工夫すればいい。そのためのエビデンスで、どうしても合わないと思ったら採用しなければいい。問題があっても、せいぜい健康診断なりで医者に怒られるか、不摂生で長期入院して保険屋に医療保険の支払いを渋られる程度です。
そういうスタイルが大事なのであって、なのに目を引くためとはいえ「勝間式超ロジカル料理」などとタイトルをつけてしまう愚劣なセンスはどうなのか。pragmaticではあるでしょうが、logicalではあまりないでしょう。もちろん日本語の「ロジカル」の意味はlogicalと同じではないのですけど、安手のコピーライターみたいな言葉の使い方を三大新聞の記事でやるのはどうなのか。ブランドの活用というのも勝間氏の得意な領域だと思うのですが、そこから見てこの対談記事の評価はいかがでしょうか。売る分には構わないけど自分が買う気にはなれないなんて、言われないとよいのですけどね。

■2020年12月07日(月)  作って終わりなら作らない方がまし
壊れたまま放置の街中アート 管理責任は?市長の答えは
「多治見市の岐阜県現代陶芸美術館の高橋秀治館長は「(パブリックアートは)つくって終わりじゃなくて、将来像を考えて計画することが必要だ。設置した行政が価値を高めていく努力を続けないと、魅力的なまちだとは言えなくなってしまう」と指摘する。」
これは全くその通りだと思います。とはいえ、そうしたパブリックアートが根付いているところの多くは、そもそもそんなつもりではなかったが、気付くとどこにでもあり、市民に愛されるものになっていたので、改めて位置付けをしたというところも多いのではないでしょうか。公選市長の一時期の政策、民主的な役所の財政の中で創始できた例は少ない気がします。それこそそこそこお金のある市民が自分の土地に建ててその場所を公園として寄贈する、あるいは有志がなにがしかの記念として市の許可を取って設置しメンテナンスも行う、そうした活動が根付いてきた結果、ということもあると思うのです。それが行政の声がかりで設置し、「街の魅力を高める」から整備するというのは、初代の校長先生の銅像を先生の指示で児童が磨くのと同じくらい、本末が転倒しているのではないでしょうか。
どこぞの鐘の話だってそうで、発注先が財政危機にあるから救済というならともかく、象徴的なモニュメントなら有志が設置すればよいわけで、補助金とはいえ税金から出すものではないでしょう。

■2020年12月07日(月)  便利な下請けとして切り捨てられて終わらないように
労働者が企業の主人公に
ついに法制化された「協同労働」 働き手が話し合い経営
労働者協同組合法案(第二〇一回衆第二六号)参議院で可決成立したとのこと。これで働き方の議論がもう少しまともな方向に行ってくれるとよいのですが、提案サイドの懸念であろう実質的に偽装請負の受け皿になる可能性を考えると、運用において十分注意を払う必要があるでしょう。
趣旨としては人的会社の延長線上にある組合です。肝は組合と組合員が労働契約を締結、つまり労働法制の規制を受けることでしょう。迂闊に事業組合として活動してしまうと、フリーランスの下請けと同じで労働規制は受託側が適切に実施すればよい、つまり委託側は業務を委託する際に無理を言ったり委託費を叩いたりしてよいことになってしまいかねない(実際、委託に際して労働規制の内容を適切に実施できないような委託費しか出していない例はよくある)わけですが、組合と組合員の間に労働契約があることで、組合側は業務の実施に際してダンピングを拒否しやすくなるのでしょう。もちろん役務の契約なので、内容自体は任意ではあるのですが、どう見ても受けた側が規制に適合した賃金労働の範疇で実現できないような内容だった場合、委託側にも責任が及びます。こんな内容の業務委託は本来契約の自由に基づいて突っぱねるべきであり、そのための組合への結集であるはずなのですが、下請け会社がともすれば発注元の無理を引き受けさせられるのと同じで、契約の相手方が固定されているといった理由で集団になってすらも買い叩かれるわけです。もちろんこれは発注側が強い場合で、逆に受注側が強いとぼったくられるわけですけどね。
メリットとして挙げられている「ところが、労働者協同組合関係者の悩みは、労働者協同組合に関する法律がないことだった。だから、組合を設立しても人格のない社団、すなわち任意団体に留まる。これでは、事業を展開したくても社会的な信用を得られない。官公庁との契約では不利な立場におかれる」、しかし労働者協同組合という枠組みが公的な制度として認められればこの点が解消されるという話は、正直論点がおかしい、というかあまり意味がないのではないかと思います。契約実務において一定の法的な枠組みに基づいて設立された団体に契約適格性を認める傾向はありますが、法人格が必要なら事業組合で十分ですし、法人格があろうが実績も裏付けもない事業主体と契約などしません。
一方で、デメリットとして、この組合があくまでも自主性を持つがゆえに、その組合に業務を発注する者が雇用主としての義務から免れる可能性があります。前述のように労働契約の導入により組合が組合員を不適切な労働条件で働かせることはできないのですが、組合が他者の事業に対して労働力を提供することを事業内容とする場合(派遣はできないようですが、請負も同じことですし、売買でも実質的にこの形にはなりえます)、組合と契約相手方は別個の事業主体であるために、それこそ似たような仕事を異なる労働条件で行うような状況があり得ます。またそのために資本側の肝入りで労働者協同組合を作り、そちらの組合員を低い条件で使うといった事例が、必ず発生するものと見なければなりません。特に御用組合化した企業組合を労働者協同組合に改組する場合、あるいは労働組合がなかったところで従業員が一斉に労働者協同組合を作った場合、これを強く疑うべきです。
また、法文を見る限り、労働者協同組合の組合員は実質的に争議権を喪失する可能性があります。労働争議が宣言された場合、雇用主は一定の不誠実な対応を行うことが禁止されます。例えばストライキにおいて別の労働者を導入して事業を続行するいわゆるスト破り行為は不当労働行為に当たります。しかし、労働者協同組合の組合員が労働争議を宣言した場合、その対象は組合であるように見えます。つまり組合の外にいる発注側は雇用主としての義務を負わないわけで、それこそ組合員がストライキに入った場合、組合との契約を解除し、別の組合なり従業員なりを使って事業を実施することが可能なのではないでしょうか。
正直、労働側に労働力と個別企業的ノウハウしかなくその個別企業的ノウハウを独占的に作り出す能力すらない(その能力は雇用主側にある)という点が問題であるわけで、それを制度や組織で解決しようとしても無理が出てきますし、抜け穴を塞ぐことも難しいでしょう。もちろん雇用主側の就業規則に左右されるよりはましな状況を作れる可能性があるので、活用は模索するべきですが、周辺的労働力の括りだしで終わったなどということがないようにして欲しいものです。どうも、Win-Winの有効活用例としては、資本側が経営をあきらめて事業を放り出し、破綻清算したうえで元従業員から成る労働者協同組合がブランド込みで事業を引き受ける構図くらいしか思い浮かばないのですけど。

■2020年12月06日(日)  意外に気になる微妙な音程
続けて聞くものじゃないのか、そもそもプロデューサーなりディレクターなりの指示が悪いのか…THE IDOLM@STER MASTER ARTIST 09 萩原雪歩の収録曲で、少なくとも津軽海峡冬景色とiにおいて、歌声とオケの音程が微妙に取れていません。それこそ平均律か純正律かという程度の小さな違いですが、部分的に歌声の方が微妙に高いのです。基準音(まあ、ドですね)は合っているのですが、音階を登っていくと一部の音がずれる感じです。天海春香と高槻やよいでのiはちゃんと音程が取れているようで、まさかオケだけ別取りして全体の音域を歌手に合わせた上で使いまわしているのでしょうか。とはいえそれだと、中の人の落合祐里香さんがオケの音を聞き取れていないことになり、この人は最近ミュージシャンとしての活動がメインのはずなので、大丈夫なのかと思えてしまうのですが。いえ、少々声質が軽いとはいえ津軽海峡冬景色はちゃんと歌えていますけどね。まあ、生でオケがつく場合は、歌手が楽譜通りの音程で歌えばオケが合わせてくるはずではありますし、雪歩の場合の特徴か演出かもしれませんけど。
ちなみに津軽海峡冬景色は音程は取りにくい曲だと思います。個人的には、歌うと下りてくるところで、よほど慎重に歌わないと音を外してしまいます。
iは天海春香の曲に聞こえるのですよ。あの曲調でやよいや雪歩に「ふるさと」と言われてもピンときません。雪歩の場合中の人は伊豆市の出身なので、雪歩の演技なしにご自分の声で歌うと合うのかもしれません。
少し妙と言えば、日高愛の「HELLO!」も他の二人に比べてロボっぽい感じがします。ボカロでアーティキュレーションをつけずに歌わせた感じに近いと思います。一部の張り切る部分は乗れているのですが、戸松さんが調整しきれなかったのか、どうせ愛の演技とは合わない歌詞なので演出であえてそうしたのか。

■2020年12月06日(日)  このセンスで「表現の自由」かって言う…
学校行けないなら、自然を丸ごと「教室」に 逆転の発想
不登校対策としてはともかく、感染症対策の場合人を集めることに問題があるんですがね。不登校対策にしても、閉所恐怖症ではなく対人恐怖なのですから、子供をまとめて管理する場としての教室の発想を変えないと効果は薄いでしょう。もちろんやっている人はそこをわかってやっている場合が多いはずで、場所を固定しないとかオープンな場所で行うといったこと以外にも様々な工夫をしているはずです。それを、タイトルとはいえ「自然を丸ごと「教室」に 逆転の発想」などと書いてしまうセンスの方に問題があります。

■2020年12月06日(日)  エルゴノミクスはどうでもよいのでこういう話に人間工学や心理学を活用して欲しい
交通量減ったのに駐車違反横ばい ガラガラでつい路駐?
空いてて危険がないなら放っておけばよいようなものですが、事情でそうはいかないのでしょうかね。バイクや自転車の状況も変わってなさそうです。
もっとも路駐を規制したいなら車の侵入自体を規制するべきで、道路の脇に立ち寄り先が並び、駐車場も埋まった状態で、車を置いて来いという方が無理です。「県警は駐車違反ゼロを目指し、車の持ち主に支払いを求める放置違反金の回収に力を入れている。」って、見つからなければいいという出来心など減るわけがないので、駐車違反ゼロなどと言うなら緊急停車も禁止し、道端に止まっていたら見つけ次第レッカーしてきっちり引き取り料を取ればよいだけのことです。

■2020年12月06日(日)  トランプ氏が勝った場合でもこういう話は出たのだろうか
負け認めぬ大統領は醜いか? 元プロボクサーの回答は…
「いつまでも「敗北宣言」をしないトランプ米大統領への風当たりが強まっている。敗北を認めないことは、醜い悪あがきか、それとも粘り強さなのか。「美しい負け方」を考える。」
こういうわけのわからない発想をするのはどういう人なのでしょうかね。聞かれた方も困惑はしたのではないでしょうか。
かかっているのがせいぜい億単位の懸賞程度のゲームであれば、潔く敗北を認めるという美学はありだと思います。ではハイキング中に熊に襲い掛かられた場合はどうでしょうか。潔く負けを認めて、それでなんとかなるのでしょうか。勝つ必要はないにせよ、とにかく逃げ延びるという意味での悪あがきはせざるを得ません。勝利自体を目的としている場合はどうか。勝利を主張しうる限りは追及せざるを得ないのではないでしょうか。美学などというものが出てくる余地はありません。
勝ち負けをはっきりさせて効率よく物事を進めたいというのであれば投票による単純多数決などという伯仲が起こりうる方法を使うべきではないわけですし、ルール上決定の先延ばしが認められるのであれば使うこと自体に問題はないでしょう。
美しい負け方を言うなら、議会での過半数の確保に負けた議員集団が審議で多数派に基づく執政に嫌がらせをしているのだって美しくないわけで、手続としては、開会前に多数派の全員一致で任期中の政策方針を打ち出し、それに同意しない当選者は当選を撤回するくらいでないと、筋が通りません。現状の制度は、勝ち負けが個々の議員ごとに決まり、議場での多数派確保は議論に基づいて決まるという前提があってこそです。これは政党政治と相いれません。

■2020年12月05日(土)  これ車検通るのか?
HKSのパワーエディターでHonda・S660のブースト圧を変えてみた
いや、公道以外でやるなら別に良いですが、こういう行為って車検を通るのでしょうか。まさかどこぞの自動車メーカーの排出ガス規制ごまかしみたいなことはないと思いますが…

■2020年12月05日(土)  侘しい…
「天才か」「これは買う」 “PCモニター上に小物が置ける100均アイテム”が「オタクに優しすぎる」と話題に
デスク上にモニタとキーボードを取り囲むタワーを築き、そこをオタクグッズで埋め尽くすのがまっとうな在り方だと思うのですが、フリーアドレスまでいかずとも、デスクの上に物を置くなという(お)しつけを徹底されるのがもう普通なんですかね。本棚をぶった切ってモニタを上から覆うように設置なんかしたら総務に吊し上げを受けるとか。

■2020年12月05日(土)  外観は合わせてあるけど外装の古び具合で一目瞭然だったりして
ハッセルブラッドCFV II 50Cに感動した話
あ、まともなカメラの話が来た。
「あ、ちなみに展示作品ではオリンパスフレックスとか、PEN-Fも使っていますからね、念のため。」
蛇足の方ですが、これ、PEN-FはPEN-Fでもハーフサイズのフィルムカメラの方ですよね?デジタルだったようです
「真面目な職業写真家ならばVシステムにデジタルバックを駆使して本業撮影に生かすということも考えるのでしょうが、効率ばかりを重視し、かつ資金繰りも苦しい底辺写真家には、デジタルバックの購入はかなり厳しいよねえ。」
で、本筋の話。昔は写真店というと、ハッセルのVシステムを据え付けているのが普通だったんですけどね。当時はそれとわかりませんでしたが、記憶にあるボディの形が明らかにVシステム。35mmなんか使うのは、写真畑の職業人としては余り重みのない人たちだったという印象があります。もちろん報道写真家は早くから35mmを使ってきたわけですし、ライカの評判などはそれで確立したイメージがあります。とはいえグラビアや広告のような写真それ自体を売り物にする人は、風景も含めて、中判以上のカメラを使っていたので(もちろん6x6に限らず6x7とか6x9とかも)、今のように、安くはないとはいえ35mm以下のセンサーサイズのデジタル一眼レフで仕事ができてしまう、むしろ中判以上だと元が取れない、趣味だと思わないととても使えないというのは、改めて言われると驚きではあります。
「撮影者側がしっかりとフォーカシングをするとか、気を抜かない撮影方法を考えねばなりません。それなりの練習、スキルが必要です。ただでさえ被写界深度は浅いし、ちょっとでもフォーカスが外れるとすぐにわかるわけ。ポートレートなんかだとすげーカッコ悪いぜ。モデルさんからもツァイスファンからも糾弾されてしまう可能性がありますから注意が必要です。」
でしょうねえ。ウェストレベルの摺ガラスを虫眼鏡で見てフォーカスを確認するものなのですし。その意味でハッセルブラッドを使うというのはステータスで、楽をしたい人はフジフィルムやペンタックスに行くわけです。でもじっくり撮るなら、オートフォーカスなんかより楽しいんじゃないですかね。「間違いなくそんな怠惰な撮影したら石をぶつけられますね。」というのは怖いわけですけど。
「でも写真は一期一会です。テスト撮影している間に被写体がいなくなってしまうかもしれません。良い子はきちんと単体露出計を使いましょう。」
というか、モデルが飽きる前、光の具合が変わってしまう前にシャッターを切る技術を身につけないといけません。もちろんボディとレンズ数種類とデジタルパックと丈夫な三脚を担いでいく筋力、体力も必要であり、まさに「漢」向けの機材と言えます(昨今は - いや、元祖看護婦のおばちゃんあたりからか? - 女性の方がよほど漢っぽいですが)。

でもって録々と6×6。さすがに二眼ばっかりですね。シャッター音で人目を引いたと書いていますが、そもそも二眼カメラを持ってうろついたらそれだけで目立つのではないでしょうか。
お仕事と言っても、そもそも今時、フィルムを入稿できる印刷屋やフィルムベースでデザインのできるデザインスタジオってそんなにあるんですかね?せっかく6x6で撮ってもフィルムスキャナーを使うのならデジタルの方がましな気がしますが。

■2020年12月05日(土)  官庁発表に忠実な記事というのも問題が出るのですね
高校生が作ったベーコンから基準超えの添加物 回収命令
読んでいて、「根」ってなんだろうと。文脈から亜硝酸イオンないしは亜硝酸塩らしいことはわかるのですが、食品添加物としてよく亜硝酸ナトリウムや亜硝酸カリウムが肉類加工品に添加されていることは知っているものの、根という語には心当たりがありませんでした。もしかして「えん」を「ね」と打ち間違ったのではないかと思ったほどです。
根とはやはり塩の金属でない部分のイオン、酸の一価の水素陽イオンが遊離した残りのことで、気になった通り現在は「基」と呼ぶのが普通のようです。もっとも根も根も葉もない呼称ではないようで、実際イメージには通じるものがあります。法律用語だと、古い時期の呼称をそのまま引き継いていることがままあるので、食品衛生法の用語としては「根」が使われているのだと思われます。とはいえ似たような内容の記事では亜硝酸イオンや亜硝酸塩が使われていた印象があるので、ペーパーに書かれていた用語をそのまま使った例だと思います。

■2020年12月05日(土)  そりゃ流通が止まれば足りなくなるでしょうね
コンテナ枯渇の怪 値上げや輸入遅れで影響広がる懸念も
まあ、本来数としては貿易の必要を満たす分はあるはずで、それが足りなくなったら不思議かもしれませんが、コンテナが木箱でないという時点で理由がわかりそうなものではあります。コンテナ、パレットあたりもそうですが、これらは本来、輸送業者から借りて、使い終わったら返すことが前提になっています。自分で持っている場合でも、できるだけ中身が入った状態で何度も使うものです。自前コンテナであれ借り物であれ、コンテナを運用している業者は計画的に物流拠点間を移動させています。これが移動できなくなった場合、例えば運び出しが滞ったり、借りた人がコンテナを返してくれなかったりした場合、別の場所でコンテナが足りなくなります。
ということは、事態が改善した場合、不足に対応して増やしたコンテナが余る可能性が出てくるわけですが…定常状態を外れるというのは何とも迷惑なもので、リスクテイクだ予測不可能性だなどと唱えつつ、現代社会は予定を外れることにずいぶんと脆弱なものです。まあ、だからこそ学校では予定を守れ、死んでも守れと教えられるのですけどね。

■2020年12月05日(土)  多少なりとも専門的な美術講座の受講者にエログロを見せてセクハラですか?
会田誠氏らのヌード講座は「セクハラ」 大学に賠償命令
「講義内容を事前に告知するなどの義務を怠った」ということではあるのでしょうが…そもそも原告は、美大の公開講座、しかもヌードというテーマのものに何を期待して、受講に至ったのでしょうか。記事に上げられている作品が、美大の講演会において取り扱うことが不当なものとはあまり思えません。もちろん受講者の層次第ではあるでしょうが、少なくとも美術教育において成績評価を求めるような立場の受講者であれば、ヌードという括りにおいてエロやグロは想定していてしかるべきでしょう。
そこで問題になるのが、これが京都の大学が東京において行った公開講座であるという点です。通常公開講座というのは本来の学生以外の受講者を募ったただのイベントであり、美術に関心があるとはいっても一般の人の受講を前提とします。成績評価を行うこともありますが、それはカリキュラムに組み込まれたものとはなりません。もちろん公開講座を行うに際して、正規の学生にそれを受講させ、通常の授業として扱うことはあり得ます。あるいは在京の美術学校がカリキュラムの一環として受講を指導し、成績評価を行ったのかもしれません。いずれにせよ、「公開講座」という形態と「受講生が成績評価を受けるには出席が欠かせない」という前提が直接結び付くようには見えません。
まず、美術学校の学生を前提とした場合、授業においてエロやグロを扱った作品を見せられることは想定しておくべきで、仮に講師がそのような作品を提示したときに学生がショックを受けることを意図しているとしても、ハラスメントとまでは言えないと思います。
公開講座の場合、美術に関する高度な技術知識、そこには見た者に対して羞恥や嫌悪を引き起こさせるような作品に触れることも当然含まれますが、それを習得しようとする学生のみが参加するとは言えないため、過激な作品の提示は扱いによっては公序良俗に反する可能性がありますが、それでも「講義内容を事前に告知するなどの義務を怠った」、受講者管理をせず不特定多数を受講させたといった重大な過失がない限り、問題とはならないでしょう。
そして公開講座の性質上、美術に関する教育課程の修了に関わる成績評価は行われないはずであり、「受講生が成績評価を受けるには出席が欠かせない」という指摘はその講座に特別な事情があったと判断したことになります。とはいえその事情は、普通は受講者が美術に関する高度な技術知識を習得する学生であることと結びつくもので、そうであれば作品が過激で羞恥や嫌悪を及ぼすものであることは前提なく問題になりません。
この地裁判決は、過激な表現の提示が認められるべき場での表現の自由を制約、場に即した公序良俗の範囲の設定を誤った、不当な判決である可能性があります。

■2020年12月04日(金)  登るというなら富士山駅から徒歩であってしかるべき
運賃「往復1万円」はアリか? 世界基準で見直す“富士山を登る鉄道”の価値
値段については全く問題ないと思います。さすがに山小屋向け貨物の5合目までのアクセスがこの運賃になると問題があるでしょうが、ヘリ輸送をしているケースもあるわけですし、利用費や代金の値上げ程度で済むでしょう。そもそも富士山など年に何度も行くところではないわけで、年に一回登るというのであれば往復1万円というか駅までのアクセス費用や小屋泊も含めると1回一人5万円くらいでしょうか、その程度はありです。冬季の運用についても、そもそも夏季以外行わないと決めてしまえば、ある程度は対応できるでしょう(冬に富士山に登る馬鹿はそうそういないし、登ろうとするような人はそれなりの準備も手続もする)。軌道・鉄道となるとシーズン再開時の設備の整備が大変かもしれませんが(その点道路さえ均しておけばよいバスの方が楽そうではある)、記事にある通り一定の検討がなされたうえでの判断なのだと思います。下りのブレーキにしても、それこそ速度を犠牲にしてでもラックレール式を採用してしまえばよいことでしょう。鉄道の高勾配区間だけをラックレール式にしようとすると、機関車のギア軸だけに負荷がかかって問題が出そうですが、この場合は専用鉄道なので、全ての客車にギアを付ければ済みます。上りで滑走の問題がないのであれば、上りはギア軸をフリーにしておいて、下りのみ無動力で制動がかかるようにしたってよいはずです。
とはいえ、バッテリー式の電気駆動でよいのかという点は確かに懸念されます。電気駆動自体はむしろ実績のあるもので、積極的に登山鉄道に用いられてきた面があるのですが(トルクコントロールがしやすいので少なくとも蒸気よりは滑りにくいらしい)、大きな負荷に30kmに渡って耐えるバッテリーを積めるのか。そんなものを積んで、救援で牽引できるのか。もしかしたら、途中に駅でも信号場でも設け、何度か停車して充電する方が安心かもしれませんね。給電機構の敷設ではコストがかかりすぎるという判断ではあるのでしょう。
ちなみにもう1万円払ってでも山頂までという気持ちはわからないでもありませんが、電車で富士山に登って何がうれしいのかという話はあると思います。ビジネスで富士山に登る人は装軌式輸送車両でも使うわけなので、レジャーとしては5合目から小屋泊を挟んで足で登るくらいでちょうどよいのではないでしょうか。
個人的には、富士山パーキングから足で登るチャレンジャーがそれなりに出て、SNSで英雄視されるかもしれないなどと思っています。カジュアルにやる人間が出ると野良キャンプで環境問題が起きかねませんが、登山というのは麓から山頂まで登るものなのであって、高所の駐車場まで車で行って山頂までハイキングしてくるなどというのは20世紀後半以降の堕落したレジャーでしかありません。登山鉄道だって本来高所の避暑地のホテルゾーンに行く手段です。安全性について一定のコンセンサスができるのであれば、カジュアルなチャレンジャーが年に1パーティーくらい遭難するのはありだと思います。

■2020年12月04日(金)  この費用について控除を認めるかと言われると…
リモートワークの次の働き方 「平日・都市型ワーケーション」のすすめ
それ、ただのデューティの調整ですよね?
法制度上は、就業時間を一定範囲内に収め、ある時間帯について原則就業を禁止し、一定時間ごとに休憩を与え、かつそれは(あいまいにさせたり休憩しにくい気分にさせないために)一斉に与えるものとされ、一定日数を超えた連続就業日を禁止し、年間一定日数の休暇を与え、業務実施に必要なものは雇用者が支給するものと決められているだけで、就業時間中はずっと仕事に集中しなければならないとか、指定の就業地以外で就業させてはならないとか(もちろん届け出た就業地以外の場所での就業には相当の理由 - と言っても出張研修程度 - が必要ですが)いう決まりがあるわけではありません。雇用主が認めれば、勤務時間中にカードゲームをしながら、あるいはいも煮やバーベキューをしながら話し合いをしようが、南紀白浜のホテルで集中的な開発作業をしようが(もしかするとその宿泊費や出張日当は税法上の必要経費とは認められないかもしれませんが)、問題はないのです。もちろん、バーベキュー会議でも就業時間には終わらないといけませんけど。それができないような就業管理や仕事の積み上げを行ってきたことが問題なのです。
この点では、在宅テレワークや喫茶店リモートワークの方がよほど問題があります。業務執行に必要なものを雇用者が支給していない可能性が出てきますし(だからといって、自宅まで会社支給で光ファイバーを引いて、それで趣味の動画を見るというのも問題含みですが)、ランチのコーヒーセット千円で席を長時間占有し、挙句は電話まで受けているというのも迷惑な話です。
とはいえ、リラクセーションをどこまで雇用主が保障するかというのは考えどころです。労働効率が改善するからといって際限なく福利厚生費用の控除を認めていたら事業課税が破綻してしまいます。この点からも、「自由な働き方」を実践したいならば、管理可能な使用人を使った事業や、賃金労働者、労働契約に基づく被用者という立場自体を放棄し、客観的に明確な業務を委託する外注、自分の責任で完結的な単位で業務を受ける(その代わり成果以外の管理を受けない)受託事業者の関係にならないといけないでしょう。

■2020年12月04日(金)  短文コメント自体無理があるのでは
YouTube、不快なコメントを投稿する前に内容を見直すよう通知を表示
短文コメントを熟考して投稿せよという方に無理がある気がしますが、そこはシステムの根本的なアイデアに関わるのでしょうね。長文、例えば2000字ないしは2000ワード以上であれば、混乱した文は多くなるでしょうが、不快なコメントを書いている間に気力がつきそうな気がします。読むのが大変という問題は、そもそもコメントやリコメンデーションなんか読む人いるんですかね。本気で評価するなら長文であっても読むでしょうし、多くの場合は読む価値などない内容であり、投稿した人が投稿したことでカタルシスを得てそれで終わりでしかありません。経験的にも、参考になったコメントというのは数百字以上の長文です。
ところで、「どのような思考をもつクリエイターによって作られたか」というのは「どのような嗜好 or 志向をもつクリエイターによって作られたか」でしょうか。仮名漢字変換ソフトのチェック機能がいくら進歩してもこの手の誤用はなくならないということでしょうかね。

■2020年12月04日(金)  本人確認またしても
昨日「本人限定受取郵便物特定事項伝達型の到着」という郵便物がポストに入っていまして、どうも本人確認を要する郵便物が最寄郵便局留めになっているようです。まあ、それはよいわけです。というか、本人確認が必要なので、確認書類を用意して在宅の日時を報せてほしいとあらかじめ通知を寄こすのはまっとうなやり方です。
問題は受け取りに際してまず取扱窓口に電話またはFAXをする必要があることです。たしかに、いきなり保管局の窓口に行って受け取りに来たなどと言われても本人確認に困る可能性がありますし、届いた文書から見るに電話かFAXで受け取りの希望日時のほかに本人確認に使う証明資料についても確認するようです。証明資料を準備してもらうという以上に、受け取りの申し出をしてきた人と受取人が一致する(意思の同一性を主張できる個人情報を共有する関係である)と確認することで、本人確認の精度を上げるという意図ではないかと思います。しかし、受け取りの予約であれば電話に限る必要はなく通知を所持している根拠となる事実(便を特定する番号が記載されているのでそれ)を確認できれば済むはずですし、本人確認という意味では電話は全くのナンセンスです。
もちろんネットだスマホだでは持っていない人、使っていない人を排除してしまいますし、電話なら辛うじて使えるという人は相当数います。一週間程度の保管期間の中で即時性を持った連絡手段として普遍的なのが電話であるということ自体は否定しません。しかし、保管局の窓口での受け取りにも電話での連絡が必要というのはどういうことでしょうか。受取手続の説明はそのように読めるのですが、保管局以外の郵便局で受け取る場合、受取日時と受取希望局の連絡が必要で、それには電話してもらうのが一番良いというのは、まあ、わかります。また配達で本人が在宅している日時を連絡する必要があることは先に確認したとおりです。しかし、保管局までアクセスの手段があって、窓口の開いている時間に行く場合に、電話をする必要があるのでしょうか。
もしかして、読み方が間違っているのでしょうかね。
で、やだなあ、面倒くさいなあなどと思いながら電話したわけですが。
コールセンターにかけているのに通話中でかけなおす羽目になったのはまあ良いとします。
どうも、保管局ではなく地域の中枢局でないと、窓口では受け取れないようです。もちろんそちらに保管されているというのなら仕方ないのですが、配達してくれる集配局は徒歩圏内にあって、そこに郵便物自体は保管されている。夕方電話して夜には配達できる状態にある。なのにそこの窓口では受け取れないというのは、規則ではあるのでしょうけど納得しがたい気分になります。もしそれが声に出てしまっていたら、対応に出た方には申し訳なく思います。そして明日配達員の方をいじめないようにしないと。現場の対応の方には非はないのですから。
でも、本当はついでに局で切手も買おうと思ってたんだけどな。配達待ちをしてその後郵便局に切手を買いに行くのってバカみたいなんだけどな。
ささやかな幸福という言葉がありますが、こういうささやかな不幸というのもどうにもがっかりさせられます。

■2020年12月04日(金)  二次会など企画せず一次会の店の送迎車で帰宅すべし
タクシー酔客「自分で起こして」警察要請に運転手の悩み
これは…警察の考え方も運転手の気持ちもわかりますね。「乗るなら飲むな、飲んだら乗るな」という感じですが、さて、どうしたものやら。通報で出動は余りに迷惑なので、最寄りの交番に預け、警察は本人から預かり料を数万円取るあたりが落としどころでしょうか。起きたらトラ箱というのは驚くでしょうし、それで数万持って行かれ、都合するまで拘束では気持ちが良くないでしょうが、そもそも意識が怪しくなるまで飲む方が悪いわけですしね。交番に降ろされて自分で歩いて出られない状態になる方が悪いはずです。もちろん、タクシー運転手(もちろんバスや鉄道でもよいでしょうが)に交番に置いて行かれてもタクシー運転手に非はないという法律なりがないと訴えられかねませんし、法律もないのに預かり料を取ったら警察が批判されますが、それこそ野党も反対しにくいでしょうし、軽犯罪法改正案をさっさと上程して全会一致で両院通過、月半ばまでに公布施行…は無理かなあ。

■2020年12月04日(金)  困ったものですね
ニトリ偽サイト、複数確認 URL「mitori」は×
いやまあ、ニセサイトがどうこう言う以前に、個人情報の問い合わせに対してメールに書かれているURLをたどろうとすること自体が問題だと思いますが。たいていの通販業者はそうした問い合わせについてメインページからアクセスできるようにしているはずです。ブックマークにあるショップのエントリーからアクセスすれば、ニセサイトに行ってしまう可能性は相当減るでしょう(そもそも最初からニセサイトにアクセスしていた場合はどうにもなりませんが)。当然通販サイトに記載がないような問い合わせは偽の可能性が高いですし、通販サイトの問い合わせフォームから、メールで届いた問い合わせについて確認することもできます。

■2020年12月04日(金)  ヒューリスティックな詰めをロジカルにやるのはAIが得意かもはしれませんが
プログラマーの大敵“デバッグ”、AIで自動化へ向けてIntelが研究中
いや、デザイナーやSEはプログラマーとは限らないですからね?ロジックのグラフを描くのはプログラミングとは言わないんですよ。グラフの背後にある仕様詳細まで把握して実行を制御するのがコーディングを心得たプログラマーです。デザインから実装を自動的に作り出そうという発想はそれこそ1960年代からありましたが、すべて失敗ないしは限定的な利用に留まっています。自動デバッグも、網羅的なものを汎用システムとして作ることは難しいと思います。だからこそ、経験豊富なプログラマーですらバグを見逃すのですから。
それにしても、量子コンピューティングがスイッチ式コンピューターの1960年くらいの水準だとすると、もう10年くらいで大型システムが実用段階に入り、20年くらいすると単価百ドル程度でのパッケージングができるということでしょうか。それはそれで楽しみではありますね。

■2020年12月03日(木)  そもそも大学教授が週刊ポストって
「EテレはNHKらしさの象徴」 売却論に会長が反論
売却するならむしろBSでしょう。確かに教育テレビの番組制作には相当お金がかかっていると思いますが、では売り飛ばされてその費用をどう稼ぐのでしょうか。また教育テレビのコンテンツはNHK出版の主力商品のひとつだと思うのですが、例えば福武書店あたりが放送免許ごと欲しがることはありうるとして、それによる出版部門の採算悪化をどう考えるわけでしょうか。
そもそも大学教授ならば、自説を発表する媒体は選ぶべきです。内閣官房参与として応じたインタビューだとしても、なんで週刊ポストなんていうところになるのか。

■2020年12月03日(木)  45点
菅首相、なぜ新型コロナ感染拡大について記者会見を開かないのか?
記者会見では納得のいく説明などしようがないからでは?筋道の通った事情というのがあるかどうかはともかく、報道陣がまぜっかえす席で説明などできない、しても仕方がないということでしょう。とにかくアクションでつないで結果が出てくればなんとかなる…かどうかは知りませんが、そう思っていたとして、不思議とは思いません。ええとまあ、説得力と納得を間違えて使っているように見える点はともかくとして、国民が求めているのは説明ではなく、解決ではあるのでしょうし。今とりあえず納得したとしても、状況が改善せずに年度を越せば、不満は出てくると思います。逆に、国会や報道など無視したままでも、顕著な改善の実感さえ演出できれば不安や不満は収められるでしょう。
まあ、納得はともかく、他のことでもよいので咀嚼するまで間を持たせられるような情報を投げ与えていくことも、政治の技術ではありますけどね。その点では現内閣は少々落第で、ドナルド・トランプ氏のウソほどもポジティブなメッセージが出てきません。携帯電話料金の値下げでつなごうと思ったのかどうかはわかりませんが、NTT Docomoの新プランが出てきたにしてもそれまでにごたごたしすぎましたし、現在の契約のままで下がるというならともかく、データ通信中心の新プランでは期待感も減殺されるでしょう(5Gを見据えたプランとしてはなかなか良いと思うのですけどね)。イージスアショアにしてもふげんの後始末にしてもデジタル化にしても結果はともかく手際が良くありませんし、学術会議ネタとハンコ騒動は弱い者いじめにしか見えず、新エネルギー開発の規制緩和は庶民にはあまり関係ありません。

■2020年12月03日(木)  ドコモではなくどこでもこれができるのであれば大変良いのですが
ドコモ、ネット専業の新プラン「ahamo」を来年3月に開始 月2980円で月20GB&1回5分の通話定額
ドコモ、20GBで2980円の新料金「ahamo」(アハモ)発表 ついに携帯値下げ
月2980円で月20GB、ドコモの新料金プラン「ahamo」でわかっていること5つ
提供者がNTTの完全子会社になるNTT Docomoだということを除けば素晴らしいですね。正直、これをMVNOが資本関係に関わらず提供できる形で出してくれればと思います。
「通話なんてただの飾りです。偉い人にはそれがわからんのですよ。」(だから1000円のオプションを用意しました)と言わんばかりのデータ通信メインのデザインも好感が持てます。そのわりには20GBというのがしょぼく、データ通信の上で電話的なサービスを使うには100GBはいるだろうと思うのですが、あまり先走っても仕方ありませんし、インスタントメッセージング主体であれば十分な容量です。まあ、ここ一年のテレワーク事情をもう少し織り込めなかったのかという気はするのですが。
またキャリアメールという、gmailやyahooメールで事足りてしまうサービスを廃止したのも評価できます。たとえそれが、キャリアメールも持ち出せないといけないなどというばかばかしいポリシーに対する回答なのだとしてもです。なおSMSというのもありますが、これは二段階認証などに使われている事情があるため、将来的には廃止すべきだとしても現状なしというわけにはいかないでしょう。
メールや通話のようなアプリケーションサービスは、本質的には物理的に信号を受け渡す通信事業とは別のものであり、言うならば通信事業者としてのNTTが提供するべきものではないのです。まあ、やっていけないというわけでもないのですが、電電公社を改編して成立し、常に私的独占を疑われる立場として、一貫サービスには慎重であるべきであり、あえて他所からサービスを買ってきてオプションとして斡旋する程度の配慮が求められます。
ですから、このプランの問題は、NTT DocomoがNTTグループの一員として出したという点に尽きます。この場合問題なのはNTTグループの方で、国内で最も網羅的かつ稠密な通信網を持つところがNTT Docomoを特別扱いしていることが問題です。これが、NTT Docomoから基地局網まで買い取ったうえで(つまりNTT DocomoがNTT回線事業のMVNOになる)、NTT Docomoの競合も含めてどこにでも同じ条件で卸すというなら、まだしも、じゃあ他社さんも頑張ってねで済まないこともないのですが。それでも基地局網をつなぐインフラの部分でNTTグループの独占が進んでしまうという問題はありますけどね。これが例えばKDDIが頑張りましたというなら、もっと素直に喜べたことでしょう。電電公社の土管既得権さえなければねえ…

つながるのは当たり前、どうなるモバイル通信の新しい当たり前
「ドコモの言うことを信用するなら、既存プランのコスト構造はリアルショップでのサポートとキャリアメールの運用が、かなりのウェイトを占めていたことになる。しかも、これらをいらないと思っているユーザーが少なからずいる。そのユーザーはいらないものに対してコストを負担してきたわけだ。」
付加サービスはプロモーション目的だったと思うので、要らないものに対してコストを負担してきたと言えるかどうかは一概には言えないでしょうが、正直いい加減棚卸はして欲しかったとは言えます。例えば総務省の言う「キャリアメールのポータビリティ」にしても、少なくとも電子メールの考え方からすればナンセンスな話です。これはeのつかない郵便もそうですが、個人を特定しているわけではなく、特定の住所にある郵便箱に届くわけです。「ドコモ歴などはリセットされ、キャリアメールアドレスも失い、元のサヤに戻ったとしてもゼロからのスタートとなる。電話番号は変わらないにしても、それでは大きな損失になってしまう。」などというのはむしろ損失ではなく当たり前の話で、顧客をロックインする手段としてライフスタイル事業領域などと称して付加サービスを提供してきたのが、どうせ各社でできることは似たようなものなのだから個人に紐付けて持ち歩けるようにしろなどと無理なことを言われたわけですから、一度整理して、付加サービスは付加サービスとして使いたい人が別途購入してくださいと言うなら筋が通っています。まあ、それでもあの値段になるのかと言われるとわからないとしか言いようがないのですが。
「ずっとドコモが推し進めてきた通信に加えてのライフスタイル事業領域の面影が、この新プランには皆無だ。これは通信だけでビジネスをすれば、この価格でできるということを意味するのだろうか。通信会社なのだから、通信以外のビジネスには手を出さず、土管屋に徹するべきという議論は、ずっと以前から言われてきたことだが、構造的に、研究開発費や設備費に回す予算に影響を与えることはないのかどうか。また、それによって、5Gネットワークの整備や、次の6G開発への投資に影響はないのかも気になるところだ。ただでさえ周回遅れのIT後進国が、通信費を極限まで低廉化した結果、ITサービスを支えるインフラが追いつかなくなってしまうようでは本末転倒だ。既存のMVNOに壊滅的な打撃を与えて、結果的にMNOの寡占が進むだけという議論もある。」
こうした通信事業の継続性についての議論は必要でしょう。しかしNTTグループについて言えば、土管の運用に徹して、それ以外は研究開発も含めて括りだし、ファイバーも含めて現在の設備が陳腐化した段階で清算した方が良いと思います。アナログ通信ならともかくデジタル通信であれば、高いコストに耐えられる「ところ」から可能な投資の範囲内で設備を高度化させていく、そうしてミニマムを充足しつつ長期的に陳腐化を進行させていくということは可能でしょう。研究開発についても、アプリケーションはサードパーティーのシステム屋、決済は金融事業者や決済事業者がデジタル通信の上物として行えばよいわけで、むしろベンダーロックインにつながるような技術開発は当分抑制してしかるべきです。ちゃんとやればもうかるテーマなのですから、文科省や経産省の補助金だってつけやすいでしょう。
MNOの寡占化進行も、これで通信部分のコストが明確になったと考えれば、回線の卸価格や卸し方を見合うレベルにさせることで、MVNOに部分的な競合回線網の敷設と複数のMNOとの接続を認めるのと合わせて、むしろMVNOの事業の組み立てを柔軟にする方向も考えられます。

■2020年12月02日(水)  通信設備を一度オープンアクセスに
今こそNTTの光ファイバー網分離を議論すべきだ
このまま垂直統合させるのはおかしいというのは全くその通りです。今さら他社が光ファイバー既得権に食い込むことも難しい以上、民間会社としてのNTTからは分離すべきだというのもその通りでしょう。
しかし、共同出資の株式会社という提案には全く同意できません。そもそも共同出資の株式会社の場合、まだ出資していない新規参入事業者はどうするのでしょうか。移動体通信事業における競争的な環境を実現したいなら、楽天に続くMNOへの新規参入やMVNOのMNOへの転換があってしかるべきです。しかしそもそも楽天が苦労している状況から見て、ソフトバンクが参入したころ(それだって基本的にはVodafoneの作ったネットワークを買っただけですが)と比べてもMNOへの新規参入に巨額の資本と大きな組織が必要であることは明らかで、しかも独自の技術開発の余地も少ない以上、放置しておいて競争的な環境など作れるわけがないのです。KDDIやソフトバンクがNTTグループに対して不利と言いますが、それ以外の事業者はさらに、というか絶望的に不利です。インフラ事業者を株式会社になどすれば、それこそNTTの垂直統合によって起こりうるのと同じく、新規参入の排除が起こる可能性があります。規制で開放的なサービスを義務付けても同じことで、接続料を高止まりさせるような基準を設定すること自体は容易です。
NTTグループから固定通信網を切り離すなら、それは国有化ないしは自治体直営化であるべきです。また、そもそもケーブルが届いていない地域への敷設を除き、同等機材への更新以外の設備投資を原則として禁じるべきです。自治体直営であれば少しは緩めてもよいかもしれませんが、少なくとも公営化した事業による都市部への設備投資は禁止すべきです。これにより現状のネットワークを新規参入も含めて全員で共有することになりますが、例え5Gであっても、人口が少ない地域であれば現状で十分です。対人口普及率からして契約者数はトータルではこれ以上増えず、パイの奪い合いになりますから、共有してしまえば容量の分割の問題でしかなくなります。そして端末が増えるIoT分野は回線容量をさほど必要としません。もちろん大量の通信を行うような使い方もできますが、必要なのはむしろ低遅延や収容端末数であり、回線容量はなければないで何とかなるのです。一方都市部では共有により回線品質が悪化する可能性がありますが、それこそできるところが自前でネットワークを整備すれば済む話です。大容量の回線を必要とするところが自前のネットワークに移行してくれれば残りの事業者は楽になりますし、自前のネットワークを敷設しても元が取れないような地域は共有のままでよいのです。自前と言ったって共同で設置してもよいわけで、ミニマムの部分がオープンアクセスの公営事業である以上、新規参入したところが過度に排除されてしまう可能性は低くなります。そもそも誰もミニマムの部分を使わない状況になれば、それは設備が完全に陳腐化したということですから、使える範囲で中央省庁や自治体の間の通信網にしてもよいわけですし、いらないということであれば設備だけ売却するなりして、事業は精算してしまえばよいのです。民間事業だと潰れてしまった場合誰が後始末をするかという問題が出てきますが、国営や自治体直営の場合法的な無理をしなくても資金面での無理ができますから、後始末はかえって楽でしょう。通信設備の場合元はそもそも取れているわけですから、公営化時にちゃんと制度を決めておけば混乱は起きません。ある意味では、そもそも最後には潰すことが前提なのです。新規投資が原則としてない以上経営も機械的にできるわけで、コスト基準さえ決めてしまえば経営の効率性の問題はほぼ無視できます。
設備投資としては基地局の問題はあって、これは総務省肝いりで初期の整備をしても良いでしょう。とにかく全国くまなく一定のレベルで基地局を配置し、そちらは希望者には無条件に同じ条件で共有させて、不便があっても使える状況にしてしまうわけです。そこまでできれば、上積み部分はできるところができる範囲でやっていけば済みます。整備の水準は議論が必要ですが、とにかく余ってもよいので5年くらいで整備を完了し、そこで投資を終了させてしまえば済みます。基地局を更新するにしてもファイバー部分は使いまわしがききますし、新規参入のハードルを下げて10年もあれば、それこそビル内に基地局を設置して移動体通信事業者に接続を提供する、いわば鉄道事業者における第三種のような業態も含めて、全国展開するMNOとは別のニッチが生まれてくることが期待できます。というかハードルを下げてもMNOの寡占が崩れないならば、そもそも移動体通信事業を競争的にするのは不可能だということでしょう。それならあきらめて国営化し、その代わり受益者負担などと言わず通信料を廃止してしまえばよいのです。
それにしても、「NTTの澤田純社長が主張するにはドコモを中心としたNTTグループにすることでGAFAと充分、戦える体制を作っていくのだ」そうですが、GAFAと何を戦うのでしょうか。少なくともGAFAにNTTと直接競合する事業はありません。競合するとしたらGAAのソリューション事業、特に決済ソリューションでしょうか。

■2020年12月02日(水)  サーバー運営者に虚実をどうこう言う資格などない
トランプツイッター、閉鎖されるか?
ドナルドトランプアカウントが退任以降制約を受けるのは既定路線だと思いますが、そもそもTwitter社は政府機関や公務員の利用を禁止するべきではないでしょうか。そのアカウントで本当は誰が発信しているのかなどそもそも確かめようがないわけで、ツィッター上のメッセージというのは出所不明の未確認情報でしかありません。またそもそもなんらかの査読による編集という概念がなく、とにかく誰かがこう言ったという以上の信頼性はないのです。それを公的機関が伝達媒体になど使うからメディアがどうこう、内容が嘘でどうこうという話になるわけです。うちはあくまでも個人のつぶやきを扱います、内容には一切責任を負いません、アングラのメッセージチャンネルです、名誉棄損があったら裁判所のアカウント停止の仮処分には応じます、なので信じてもらいたいところ、信じられてしかるべきところは使わないでくださいと言ってしまった方が、いろいろ楽だと思います。Googleもそうで、検索結果に出てきたから正しいとは限らないわけです。そう認めた上で初めて情報リテラシーという話になるわけで、古いマスコミに対抗する人民の新メディアなどと気負うから変なことになるのです。デフォルトでURLとサイトの証明書の正当性だけ表示することにしてしまえば、インスタントメッセージシステムや検索システムの運営者としては義務を果たしていると思いますけどね。
まあ、放送局など気負った挙句に変なバラエティ系情報番組を作って自分自身で信頼性を落としているわけですが。

■2020年12月02日(水)  脅されてへたる方が悪い
「菅内閣で言い訳通用しない」河野氏、環境省職員に迫る
これはこれで言っておく方がいいのですけどね。
ただ、制度全体として環境アセスメントを緩和するのはあまり感心しません。東京都23区を特区にして、環境アセスメントを撤廃するので良いのではないでしょうか。それなら品川までですから、影響もたいしたことはありません。東京で風力発電所を置いて景観が問題になることもないですし、気にするとしたらせいぜい羽田の空港くらいでしょう。そもそも電力の大消費地なので、発電所に寛容であるべきなのは当然です。都内の電気代が問題なら、売電事業者からの固定資産税などの徴収を廃止すればよいのです。東京都を皮切りにして、2年くらいで政令指定都市について緩和措置を適用するあたりでしょうか。もちろん、京都市のような都市景観に配慮すべき市や市内に保護すべき自然景観を持っている政令指定都市もあるので、条例で規制を上乗せできるようにすべきではあります。
逆に、土地が空いているから、安いから、自治体が優遇策を講じるからという理由で地方でいい加減な設置を許すのは問題があります。財政移転扱いにしても、関東沿岸部なら景観保護や漁業権の問題は必ずありますし、東京都下にしろ遠隔地にしろ、輸出向けの発電所ごときで使い潰してよいものかどうかは慎重に調べないといけません。また都区部にしても環境汚染物質排出規制は厳格に適用すべきです(風力はほかに比べれば有利ですけど)。
というか、わかりませんでは済まないのは当たり前なので、牛歩戦術だけでなく、規制官庁としてここまでは認めるがこれ以上は首をかけてでも反対するとでも言えばよいわけです。あれこれ言う以上は相手が受け入れられるような落としどころまで考えておくべきで、それもせずにいい加減な引き延ばしを図るならサボタージュ扱いされる覚悟くらいはしておくものです。

■2020年12月02日(水)  20H2を入れました
Windowsのバージョン20H2がインストールできるとのメッセージが出たので、入れました。ストレージ不足でUSBメモリースティックで補ったり、インストールの進行にログオン前の状態で数時間かかったりしましたが、とりあえず変な見た目の変更は見当たらず、スタートメニューのフォルダアイコンが少し好みのデザインになりました。また通常のアイコンも、スタートメニューの背景から少し浮く形になったようです。

■2020年12月01日(火)  二軸ボギー台車の貨車と一緒にするな
日本最古120歳超の貨車「奇跡のタンク」は生き残った
「タンクは長さ4・6メートル、直径1・9メートルと、現在の石油輸送のタンクよりかなり小さい。」
そりゃ、導入時期からして二軸貨車でしょうから、長さは短いでしょう。サスペンションの規格も低いでしょうし、そうであればおそらく走行速度上限もかなり低いはずです。

■2020年12月01日(火)  DMVだってたぶんディーゼル
ありがとう阿佐鉄ディーゼル車 最終運行で輝いた雄姿
いやまあ、今日までちゃんと動いてはいたわけで、最終運行だから雄姿が輝いたわけではないと思いますけど。
まず気になるのが「ディーゼル車」という書き方で、詳しいことが阿佐鉄のサイトには書いていないのですが、燃料を使うことからするとDMVも基本的にはディーゼルではないかと思います。ディーゼルエレクトリックの可能性もありますが、いずれにせよ大型車両の内燃機というのは普通ディーゼルです。鉄道車両の「電車」に対応させるとすれば「気動車」のはずで、ディーゼル車と言われたら普通は道路用の車両を連想します。つまり「気動車」がお役目を終えてディーゼル車であるDMVにバトンタッチするので、耳慣れないにしても用語は正しく使うべきでしょう。
またこれは車両の引退を告知する記事なので省かれたのだと思いますが、この路線は当面代行バスで運用され、年度が替わるころにDMVでの運用が始まる見込みのようです。この記事だけ読むと路線を運休するように読めるのですが、まあ、そこが気になるような人はちゃんと調べますね。

■2020年12月01日(火)  高級官僚風情が無理を言うな
コロナ起源調査「政治化しないで」 WHOトップの訴え
言いたくなる気持ちはわかりますが、無理というものでしょう。あいつらが悪いと言っていれば色々と楽ですし、政治家にしても有権者にしてもあいつらに問題があったからこんなことになった、責任を取らせろという話の方が理解はしやすいものです。
まあ、あまり生産的でも建設的でもないんですけどね。
逆にここで政治化しないでなどと言ってしまうような呑気な官僚主義に浸かっているというのは、WHOというのはそれなりに太平楽なお役所なのでしょうね。

■2020年12月01日(火)  どうもやり方の問題で頭が悪いように見える
官房長官「携帯プラン見直して」 国民へ異例の呼びかけ
もちろん高いと思うならまず見直してみることが大事なのですが、そもそも官房長官が言及するほど、携帯電話料金への支出に過大感があるのでしょうか。もちろん月1000円台くらいになれば月1回外食する程度の余裕をひねり出せるでしょうが、突発的な事態への対応策も含めて適切な料金水準を検討するというのはそれなりに難しいことです。これが、例えばコンビニでチャージカードを買ったりキャリアのサイトでクレカ決済して、容量を買い足すことができるのが普通ならば、とりあえず普段の料金は押さえておくという使い方ができます。しかし、日本では一般的にはそうではありませんよね?そこは、こういう制度を基本にするようにとお上からもキャリアに言ってやるのが良いのではないでしょうか。年に一回くらいなら、チャージの料金が割高でもあまり問題はなく、都度のチャージに比べて高い容量を設定するプランの方が割安な構成なら住み分けも図れるでしょう。
ちょっと携帯電話政策関係は、内閣が何をやりたいのかよくわからないです。

■2020年12月01日(火)  skype死すべし
再起動したところ、タスクバーに見慣れないアイコンが出ていることに気づきました。つつくと「会議を開始します」などと出てくるものの何であるかがわからないため、ググったところ、どうもSkypeのようです。とりあえず非表示にしたうえで、設定のアプリリストを確認したところ、11/19付でSkypeが入っていたため、アンインストールしました。
Windows10 今すぐ会議を開始する

■2020年12月01日(火)  一緒にされるのは嫌でしょうけど対極には見えませんね
トランプ氏と本当に対極? テロで試されるマクロン主義
むしろトランプ氏のやり方に違和感がなかったことの方が問題で、そのあたりについてはマクロン氏にせよサルコジ氏やレンツィ氏にしろ、ブレア氏、そしてマーガレット・サッチャー氏や中曽根康弘氏、小泉純一郎氏あたりも同じではあるわけです。親EUか孤立主義、親米、親ロか、その程度の政策の違いでしかありません。どなたも2000年以上前からの伝統に即した立派な民主政治家だと思います。

■2020年12月01日(火)  言えない事情というのも透けて見えますが
河野行革相、「ふげん」見直し要求を撤回 理由は非公開
まず、地元の犠牲でコストを下げなさいとは、普通は言えませんよね。でもって、今さら見直しが完了するまでプルトニウムを置いたままにしたいなどとも言えないでしょう。かといって中間貯蔵先を探すことも不可能です。ほっとけばなくなるわけでも(まあ、1万年も置けばいいのですが)、不法投棄して済む話でもありません。いくらかけようと、再処理がペンディングになろうと、再処理後にデッドストックになろうと、運び出して預かってもらうしかないのです。そしてそんなことを言えば、すでに評判が地に落ちている原子力事業が吹っ飛びます。文科省だけでなく、経産省も裏で説得に回ったのではないでしょうか。
どうも20世紀に入ったくらいの失敗を繰り返して右往左往するウィンストン・チャーチル氏と重なって見えて笑えます。あのあたりで彼は、海軍から蛇蝎のごとく嫌われ、政策面では主張が重なることが多かったケインズ氏からは生暖かい笑顔で論われたわけですが(まあ、これはロイド・ジョージ首相も同じですね)。

■2020年12月01日(火)  言わされてるようにしか見えませんが
『携帯3社値下げで楽天とMVNOが窮地に』懸念に総務相「そんなわけない」
揚げ足取りだとしても、取られるような足の揚げ方をする方も悪いでしょうに。総務省は管轄が広いので、一つ一つの分野について大臣が理解するのは大変だとは思いますが、一貫した主張ができないなら記者会見などやらない方がましでしょう。報道陣は矛盾を露呈させて足を引っ張るために質疑応答を要求しているわけですから、記者会見をする場合日頃からも事前の予習としても相当の準備が必須です。この場合「私は政治や行政の力で値段を上げ下げすることは適切じゃないと思っています」などと言う必要は全くないわけで、むしろできないというならわかってんだろなくらいの威圧はした方が良いでしょう。「政治や行政の力で値段を上げ下げしないですむことが適切だと思っています」と言えばましで、まだしも「だけどあえて不適切な行為に手を染めないといけない場合だって想定していますよ」というニュアンスが残りますからね。
また、質疑応答なんて答える側がよほど工夫しないと筋道の通ったやり取りにはならないわけで、記者会見の前にちゃんとペーパーを出しておくべきです。質疑のやり取りの検証というのはなかなか面倒くさいわけで、逆にペーパーが出ていれば、何を言ってもそっちが正しい、言葉を間違えましたで済みます。

■2020年12月01日(火)  規制をかすめても実質的にリスクを抑える自信はあるのでしょうけど
残高に年利1%の利息提供 新たな形の銀行目指すKyash
Kyash、残高に年1%の利息付与 月1回の決済が条件
これはまた黒っぽいグレーな…
いや、この手の「ニュービジネス」の人は法をかいくぐることで魅力的なサービスを提供している面があるわけですが、銀行業規制や銀行業免許と資金移動業免許の区別が成立してきた歴史的な経緯を何だと思っているのでしょうか。利子をつけたい、融資をしたいというなら、「Kyashの信用が増加した際には」などと言っていないで銀行業免許を取るべきです。
だいたい銀行にしても、キックバックがあるからと言ってこういう輩が自分の畑を荒らすのに保証だなんだと協力などするから衰退するわけで、規制があるからできないなどとごまかしていないで、自行口座からの入金をハブったうえで銀行という制度自体を活用して利用者の需要に応えるサービスを作るのが筋でしょう。規制とリスク管理をごまかしてハイリスク商品を売ることに汲々としているせいで感覚が麻痺しているのではないでしょうかね。不満があることはわかりますが、そもそも日銀の低金利政策を云々してこういう事業をすること自体、市中銀行を含めた日本の金融制度を馬鹿にしていると思いますが。

■2020年12月01日(火)  都知事に局を改廃する権限はないでしょう
東京都、「デジタル局」設置を正式表明 平井デジタル相「デジタル庁と連携していきたい」
やらないよりはよいだろうとは思いますが、そもそも設置を表明したのは「都知事とその手下」ですよね?一瞬、東京都は局レベルの組織を知事の一存で改廃できるのかと思いましたが、さすがにそんなことはないわけで、設置自体は都議会での条例審議の結果次第になります。明らかに議会に権限がある事項について都知事の意思表明が「東京都」の表明扱いされているというのは、これは、日本のリベラルの言う民主主義を損なう言動ではないのですかね。

■2020年12月01日(火)  多治見土岐瑞浪中津川は岐阜県に見えないですね
ジャストシステム、「神奈川県町田市」の入力を防げる新ATOK
もうなんか仮名漢字変換というよりは文章チェックソフトみたいになってきたわけですが。しかし、そもそも神奈川県町田市だの千葉県幕張市だの「誤」入力する人がいるのでしょうか。意図的に、あそこは東京都じゃないとか、千葉市中心部より幕張の方がよほど都会だとかのニュアンスでそう入力する人はいるわけですが、そういう人は誤変換防止機能は求めていないでしょう。「町田市って神奈川だっけ?東京だっけ?」とか「幕張ってどこの自治体だっけ?」と思った人は普通は調べます。昔のように県外の住所について調べるためには郵便局に行って全国版の郵便番号簿を閲覧しないといけないのでもないわけで、まあ、セールストークも大変だなという感じですね。
そして、「愛知県多治見市」が個人的にはリアルです。というか、名古屋圏多治見市というイメージがありまして、いうならば愛知県の県庁所在地は岡崎あたりだろうと。

■2020年12月01日(火)  まず隗より始めては?
感染再拡大の東京、テレワーク低迷 都、てこ入れへ奮闘
そういうことを言うのなら東京都庁や警視庁を含め都の事務所をロックアウトしてテレワークをしたらよいでしょう。電話窓口ならテレワークでも問題ないわけですし、窓口に行っても物事が進まないとなればとにかく集まろうとする心理にもブレーキがかかると思います。資料を電子化して職員不在にしてしまえば、庁舎に殴りこまれたところで損害はたかが知れているわけですし。

■2020年12月01日(火)  文飾
岡田先生は、時々とんでもないことをわかって書きます。

ヴェネツィアは耳の街であり気配の町である - クラシック音楽とは何か
「周知のようにヴェネツィアには自動車が入ってこない(入ってきようがない)から、耳に聞こえるものといえば唯一、永遠に続くような物憂い波、そして揺られてぶつかるゴンドラの鈍い音だけとなる。」
そんなわけはないのであって、もちろん自動車や自動二輪車はスクーターといえども入ってこないのですが、その代わりモーターボートと水上バスが原動機の音を高々と鳴り響かせます。夜更けに霧でも出たら船を出す人はいないのではないかと思えばそんなことはなく、なにしろあそこはカジノ都市でもあるので、グランドカナルあたりをうろつくカジノのお雇いモーターボートは24時間営業です。
とはいえ、後段の死の街のイメージにぶるぶるとやかましいがとぼけた音を立てる水上バスやどこかで聞いたような(というかヤマハやヤンマーあたりは小型船舶用船外原動機ユニットの世界的な大手です)激しい小型原動機の動作音を鳴り響かせるモーターボートは似合わないので、水面から立ち上がったように見える家の脇の水路に並べて固定されたゴンドラが波に揺られてぶつかる音がふさわしいことは間違いありません。まあ、妙に騒々しいわりにルーチンとして祝祭を演じているだけという内実を欠いた死の都市のイメージもありうるでしょう。

だが「音楽の都」といえばやはりウィーンである
「あとは「よそ者」ばかりである」
まずナポリにしろヴェネツィアにしろ、そこで生まれた作曲家は多くありません。例えば岡田氏が良く引くモンテヴェルディはクレモナ出身ですし、ロッシーニはペーザロ生まれです。むしろ他所で育った音楽家がそこで活動することができることが、とりあえずギャラにあかせて引っ張ってくるにしろ、そうした煌々たるスターに憧れ、彼らの活躍する舞台に乗ることを夢見てやってくるにしろ、音楽の都の必要条件でしょう。
ウィーンは何よりも「ローマ皇帝」ハプスブルクの政治都市であり、またトルコや正教圏との取り合いをしていた東欧との中継点でもあります。カトリックドイツ的な華やかさだけの街ではないことは当然です。そして岡田氏がウィーンを亡霊都市であるというとき、そこに、「音楽の都」としてのウィーンはハプスブルク帝国の地盤沈下と並行した現象だったことが投影されてはいるでしょう。婚姻政策でスペインを乗っ取ったのを最後に(あるいはそれをきっかけにして)、フランスとプロイセンに勢力範囲を切り取られ(スペイン継承戦争と7年戦争)、近代国民国家の台頭で自己のヘゲモニーを否定する羽目になり(イタリアの喪失とオーストリア帝国への転換とアウスグライヒ)、最後は権力政治家に惜しまれながらボヘミア、ハンガリー、ユーゴスラビアにそっぽを向かれて倒壊してドイツ人国家に「なった」汎ヨーロッパ帝国の帝都の文化現象がウィーン古典派からロマン派までのドイツ音楽です。バロックドイツはバッハやヘンデル、テレマンがいますけどね。
それでも、エスニシティを漂わせつつ洗練されているところはベルリンのような田舎の後発都市とは比べ物になりません。

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