日記

■2020年11月30日(月)  召集の要求は1/4でできるんですけどね
菅首相の答弁もう最後? 臨時国会、延長応じない方針
どのみち1月には常会が招集されるのですが。つまり逃げ回ってもせいぜい二か月です(よほどの事情がない限り1月中に招集しないといけないので、1月31日までの二か月)。
この場合、名演説を惜しんでということはないと思いますので、国会審議から逃げ回っているという趣旨だと思いますが、大日本帝国憲法と異なり日本国憲法では国会審議を避けることができません。常会が終わるまでの150日間、好きなだけ吊し上げたらよいのです。

■2020年11月30日(月)  なぜ遅れたのかの方が問題
町の経費、私費で支払い職員減給処分 2年で107万円
あたりまえというかお気の毒というか…おそらく出金手続を後回しにした挙句にどうしようもなくなってごまかしたのでしょうけど。とはいえこのタイトルは酷いというか、大事なのは金額ではなく遅れたこととごまかしたことなので、そこが読めるようにタイトルも本文も書いて欲しいものです。

■2020年11月30日(月)  SSL墜落
なぜかわかりませんが、特定のサイトに限らずHTTPSがSEC_ERROR_BAD_SIGNATUREでこけるようになりました。HTTPは通るのでネットワークの問題ではありません。なぜかGoogle系(YouTubeもつながる)だけはHTTPSでもつながりますが、スタートページの検索フィールドからだと失敗するようです。感じとしては一部の認証局の証明書が無効になっている印象です。つながる方はともかくつながらない方には目に見える共通性がないうえ、COMODOとGMOもだめなので、ある程度高いレベルの認証局の問題でしょう。WAN側で変なフィルターでもしているのでなければアプリケーションでしょう。でもってChromeはつながるわけですが、だとするとなんとなく、Mozillaがうっかりミスをしたのではないかという気がするのですが…一瞬、MSの粗相か何かでWindowsのルート鍵が無効にでもなったかとも思ったのですが、IEやEdgeを除けばWebブラウザの鍵管理は別ですね。なんというか、セキュリティで先走ってのポカじゃないのかなあ…Firefoxは最近どうもそれが多いような…
どうもAmebloは通るようです。Twitterは枠を出したところで「問題が発生しました」。
Nod32を手動でアップデートしたところ、解決したようです。どちらのQ&Aにもそれらしい情報がありませんでしたが、ググった結果ではどうもESET製品とFirefoxに数年前から相性問題じみたトラブルが出ているようです。

■2020年11月30日(月)  動けないまでも維持費を稼いでいる車両は健気だと思いますけど
停車中の「成田エクスプレス」でテレワークしてみた
余っている車両や東京駅地下ホームの活用法としてはありですが、正直壮大な無駄だと思います。NEXの車内設備はなかなか上等ですが、適当な空き地に台車を取り外した旧型特急車両をならべて電源を供給したって同じことでしょう。それこそカシオペアあたりのE26系客車に無線LANアクセスポイントを置いたって良いわけです。カシオペアツインだってリモートワークブースとしては十分なのですから(これが7両あるはず…廃棄してなければ)。そもそも三密を避けるためのリモートワークなのに開放座席の車両はどうなのかという話もありますが、鉄道車両やバス車両の換気能力は高いので、それがちゃんと動いていれば喫茶店やファミレスよりはよほどましでしょう。とはいえ個室寝台であればその手の問題もないわけで、少なくともサンライズの個室寝台は暗証番号式のデジタルロックだってついているわけですから、チェックインも車両内で完結するでしょう。事業としてはそちらの方がよほど面白いと思います。
ネタとしてはともかく、一ヶ月も続けたら食傷すると思いますよ。

■2020年11月30日(月)  企画屋の頭が腐ってるんじゃなかろうか
AndroidアプリをWindows 10に移植しやすくする「Project Latte」の続報
うーん、これ、旧ストアアプリのポカを繰り返すだけなんじゃないかという気がするのですが。そもそもAndroidアプリってWindowsやMacOSのアプリケーションソフトウェアと比べるとデスクトップアクセサリレベルのものでしかないと思うのですが、そんなものが数だけ増えてうれしいんですかね?そもそもVisual Studioのデバッガーの上ではAndroidアプリも動くわけで、いまさら互換レイヤーなどと言われても…
WindowsやMacOSのような「フルスペック」の(まあ、大型機のシステムに比べると色々しょぼいのですが)環境用のアプリケーションソフトウェアの実装では、セキュリティホールになりかねないほど高い柔軟性を持つファイルシステムや構造を無視したファイルの活用こそが肝です(大型機の場合そもそも発想がFORTLANやCOBOLなのでこれはこれで柔軟性に欠けます)。そもそもアプリレベルではDOS1.0並みのファイルシステムの概念しかない、そしてデータとアプリが緊密に結びつけられているためあえて別のアプリでデータを処理することが難しいなんちゃってOS用アプリが動いたところでたいした意味はありません。また高度なアプリであれば内蔵AIプロセッサや内蔵センシングデバイスを活用しているわけで、そんなものがあるかどうかすらわからない(少なくともGPSや傾斜センサー、加速度センサーが内蔵された携帯用PCが普通になったとは、私は聞いたことがない)PCに移植しても仕方ありません。意味があるとすれば…まあ、環境系と、タッチしか使わないゲームくらいですかね?
自分の作ったファイルしか扱わないマスターベーションアプリがコンピューティングの主流だなどと思っているとしたら、企画屋の頭がGUIに侵されて腐っているのだと思います。

■2020年11月30日(月)  何を考えてこのタイトル…
バイクの集団が農村襲撃、110人殺害 ナイジェリア
ええと、やっぱり「ヒャッハー!」なんでしょうか?不謹慎な感想であるとは思うのですが、このタイトルではどうしてもそういう、まさか生きているうちにそんなものが出現するとは思わなかった的な感想になってしまいます。まあ、抵抗などありえない相手にバイクで襲撃をかけて一撃離脱すること自体は非常に合理的ではあるのですが。バイクなら、オフロード用のピックアップトラックやランドクルーザーあたりに比べてお手頃な値段のものも多いですし。日本の会社の超有名業務用原動機付自転車のように、部品の流通も良好でユーザーによる修理も簡単だったりしますしね。

■2020年11月29日(日)  真面目にやらない理由でもあるのかな?
F15改修、21年度予算化を見送る可能性 米側に伝達
国会を通らないならともかく、財務省を説得できなくて計上見送りというのは情けない話です。真面目にやっているのかというか、もしかして防衛省サイドには近代化改修をやる必要はないという意見があるのでしょうか。まあ、旧式機を繕って長く使うよりもF35がもっと欲しい、いやそれよりも新型機の自主開発をという話はありそうですが…もしかして、制服組とメーカーの無理難題に疲れ果てた担当者が出世をあきらめましたかね?

■2020年11月29日(日)  ただの人件費でしょうが
コピーに600万円 電子データの証拠開示求め署名活動
まあ、もっともと言えばもっともなのですが、捜査記録や口述調書あたりは電子データがありそうな気はしますが、元々が紙の場合、誰が電子化するのかという話はあります。そもそも検事側がするのは「開示」だけなので、被告人側は指定された場所に行って開示された資料を閲覧、複写するわけです。それを手弁当でやるかお金を払って委託するかは被告人側の問題で、お金がかかるから便宜を図れというのはいささか筋が良くありません。それがたとえ被告人の防御権の問題であっても、今までできていたのに文句を言われる筋合いはないというものです。同じ提案するなら、裁判手続の簡易化、証拠開示手続の経費削減という方が受け入れられやすいように思います。
もっとも、争点を減らさせたり嫌がらせをするためにあえて紙で出すこともありそうには思うのですけどね。

■2020年11月29日(日)  文句があるならまず金を出せ
やべっち「日本は年俸安すぎます」 チェアマンと対談
ファンのこういう物言いはどうかと思うのですけどね。競技団体が暴利をむさぼっているというならともかく、ここ1年は例外としてもそもそも儲かっていないわけでしょう。地上波としてもスポンサーがつかないから番組を終了にするのであって、止めたくないなら自分で放送枠を買えば済むことです。
また一人年間120万円の会費を払うファンが10万人いれば2018年度のJリーグの事業規模をカバーできます。120万円なら、私大の授業料より安いでしょう。興行団体の行う事業としては数千円の入場料と物販に広告料を組み合わせるのが無難ですが、ファンとしての立場ならばファンクラブの会費200万円を払う人を一千万人ほど集めて、さあ、プレーヤーに十分な年棒を払ってくださいと言うのが正しい在り方です。

■2020年11月29日(日)  こういう広告は粋なんですけどね
「ラーメン大好き小泉さん」 デザイントラック、快走中
よく思いついたな、市役所の人。南陽市は昔からラーメン押しなので、ラーメンネタ自体は不思議ではないとはいえ、取材対応かイベントで絡んだことでもあったのか、そういう趣味なのか。作品としては食べ終わったときの小泉さんの色気も売りなので、温泉とは相性がよさそうです。
ところで「塗装料は約70万〜80万円かかったという。」とのことなのですが、塗装なのでしょうか。最近はこの手のデコレーションはラッピングフィルムが流行りかと思っていました。まあそれでも、ちゃんとしたラッピングフィルムを用意してきれいに貼るとなるとこのくらいの値段にはなりそうですけど。

■2020年11月29日(日)  メンバーシップというのは残酷なものです
悲しいほど差別的 派遣会社が心痛める派遣先企業の言葉
非常に気の毒な話ですが、社団なんてそんなものではあると思います。出向や派遣で来る人はそもそも下働きに来る部外者ですから、見た目や言葉以前に人間扱いされないことだってあります。というか、経理処理上は役務の購入契約なので、人件費ではなく物件費なのですよ。
もっとも、賃労働の従業員だってその意味では社団の一員ではないのですけどね。なにしろ事業ごと切り出して売り払われるのですから。そこを言い出すと、株式会社なんか「社員」が全くいなくなるという、それは財団だろうという話になるわけですが。つまり、株主は法的には社員だが資本金を出してる部外者扱い、取締役や監査役は株主に委任されて経営をやっている部外者、管理職も含めて賃労働の従業員は事業の付属「物」、どこにも「社員」がいません。

■2020年11月29日(日)  元のは…FEか?
11月28日、しろさんが貰ったカメラがもともと持っていたのと間違い探しレベルというツィートを上げていたのですが…新しい子はわかります。私も持っているFE2、シャッタースピードダイヤルに4000の文字があります。ところでしろさんがもともと持っていたらしい方のカメラですが、ボディの感じからして1980年代のニコンのエントリーモデルであることは確実です。FE2のそっくりさんというと同時期のFM2なのですが、こちらはシャッタースピードダイヤルにオートの設定がないはずですが、しろさんのカメラにはAUTOの文字があります。それでシャッタースピードの上限はどうも1/1000。他にもストロボシューの接点の数や露出補正ダイヤル周り、巻き上げノブが違っていますが、オートが使えてここまで似ているというと、FEでしょうかね。もちろん顔を拝めばロゴがついているわけで、一発でわかるのですが。
で、コメントに正解がありました。

■2020年11月29日(日)  それはルイ・ボナパルトのブリュメール18日がジャーナリズムかと問うようなものでは?
「しんぶん赤旗」はジャーナリズムか 編集局長の答え
機関誌というと色付きで見るのが日本の伝統ですし、それは間違っているとまでは言えないのですが、
「その活動とジャーナリズムは相いれるのか。」
というのは、あなた何様だという気がしますね。それを言うなら広告入りの商業報道という形態はジャーナリズムと相いれるのかとも問うべきでしょう。
民間の報道というのは本来政治活動と親和性があります。一部の商事新聞や情報誌のようにデータの報道から始まったものもありますが、多くの報道機関は有志が政見を含めた主張を世に問うために創始しました。共産主義国のそれを除いたとしても、ある時期まで政党機関紙や政治運動家のシンパだった新聞は少なくありません。調査や論説が中心の媒体であればより強く色がついています。それらがジャーナリズムではないとは一概には言えません。その何よりの証拠が、たいていの新聞に掲載されているコラムと社説です。赤旗がジャーナリズムでないとすればあれだってそうでしょう。
まあ、新幹線に乗ると車内販売がウェッジを売りに来るのは、正直どうかとは思いますけどね。どうせ売るなら沿線のるるぶか鉄道ジャーナルあたりにしてくれないかなとは思います。とはいえジャーナリズムなんてその程度のものであって、それこそベゾスさんはワシントンポストを買いましたし、ニューヨークタイムズも買うかもしれませんが、ウォールストリートジャーナルやシカゴトリビューンは買わないだろうとか、そういう話です。

■2020年11月28日(土)  ポイントの通用力
数百万人が利用のポイント運用 若者の投資の入り口に
これ、インフレートさせて大丈夫なのでしょうか。もちろんポイントのままでとどまっていれば問題ないわけですが、本来ポイントの残高に応じた資金を用意しておかないといけないはずですし、現物なりサービスなりに交換してポイント発行側に請求が来たところで支払いができなかったなんてことは、あってはならないのです。旅客航空会社が乱発したマイレージで問題が出ていませんでしたかね。

■2020年11月28日(土)  面倒くさいのはわかりますけど
「土日」を理由に国選弁護人の手続き後回し 滋賀県警
これはまあ、被疑者はもちろん、裁判所や弁護士会も怒るでしょうね。対応のために土日に当番を出してるわけですから。ちなみに、私選する弁護士への連絡仲介を怠るのも同罪ですから。逮捕された場合、携帯電話も取り上げられるはずなので。
ちなみに「当該職員の再教養を行った。同種事案の再発防止を図る」は再教育の間違いでしょうか。何がどうなるとこんな間違いが起こるのかわかりませんが、プロなのですからこの手の恥ずかしいミスが数日経っても直っていない(いやまあ、刷ってしまった新聞は直せないから直すことを考えないという話でしょうけど)といった状況に甘んじないで欲しいものです。

■2020年11月28日(土)  PCを冷却するラディカルな方法
PCケースの吸排気バランスを整えて各部温度をダウンさせるコツ
こういう記事を読むと思うのですが、なぜこの手の記事は、廃熱処理の最先端の場であるデータセンターでの知見を取り入れてソリューションをプッシュしないのかなと。水冷・液冷あたりはその系統と言えますが、それでも熱媒体は自然放冷ですし、東京や大阪という決して気温が低いとは言えない場所で使われています。まずヒートポンプを用いて冷気を作り出し、ダクトで直接筐体に吹き込む機材を提案すべきです。パソコン程度なら、室外機は窓にはめ込む程度のもので十分でしょう。筐体の吸気口にファン代わりとして取り付けるか、筐体とセットになっていることが望ましいですね。次に、稚内や名寄あたりに転居してリモートワークをするよう提案するべきです(まあ、今ホットなのは石狩とかですが)。北海道北部なら、夏でも25℃かそこらであり、高い気温でエアコンの室外機がハングアップするなどということは絶対起こりません(2018年の夏は酷かった)。また冬場は、窓を開放してフィルターを取り付けることで、氷点下の冷気で機材を冷却できます。どのみちかかるパソコンの電気代で暖房費と二酸化炭素排出量を節約できるわけで、エコロジカルかつエコノミカルです。
ちなみに液体窒素や液体ヘリウムは邪道です。タンクと自動供給機構は用意できますし、液体窒素や液体アルゴンなら純ガス屋に電話を一本かければタンクローリーで配達してくれるのですが、ジョセフソン素子を使うのでもあるまいし、迂闊に配管に触ると凍傷の危険すらある極低温液体を素人には勧められません。また気化した窒素やアルゴンは使い捨てであり、コストが高すぎます。
ちまちました、ショップに行けば明日にでもできる実践もよいとは思うのですが、アスキーにしろ工学社あたりにしろ馬鹿げたネタも持ち味だったわけで、特にコンピューターがらみについては、目的合理性はあるもののネジの飛んだネタというのが最近少ない気がします。ガジェットやホビーについては健在であるだけに、寂しい印象を免れません。

■2020年11月28日(土)  3月中日でしょう
「デジタルの日」創設を検討 元旦や10月10日など4候補 平井デジタル相
デジタルの日というなら3月の確定申告期限日でしょう。なにしろデジタルなら締め切りぎりぎりに出してよいわけで、11時59分にサブミットする多数の白色申告者にとってデジタル手続のメリットと事務手続からの解放を祝うにふさわしい日です。また運が良ければ、意図せざる共謀によってDoS攻撃により申告サイトをクラッシュさせ、申告期限を延長させる祝祭イベントの日ともなります(確定申告ではあまり聞きませんが、締め切り日にアクセスが集中して受付サイトが落ちるのは、一部のイベントでは割と風物詩ではあります: 例えば地球惑星科学連合大会の講演申し込み受付締切日とか)。あるいは、国税庁としてはアタックをさばききってめでたくサイトをクローズできた祝いの日かもしれません。また源泉徴収や予定納税からの割り戻しを先取りして通信販売で大人買いをする前祝いの日とも言えます。まあこれは、0時0分からの実質翌日ではあるのですけど。
とはいえ、3月中日というのはいささか縁起の悪い日ではあって、Ides of March (Idus Martii)というと日本の大晦日にも比肩できる古代ローマ文化圏の債務の決済日であり、かつ神君カエサルの暗殺の日でもあります。神君カエサルといえば借金王としても有名ですね。
とはいえ01とかの駄洒落よりははるかに理にかなった由来であり、かつ設定の根拠が明快で由来は異なるとはいえ(でもまあ、表向きとしては債務から解放される日として)祝い事の日として世界的にも通用する、検索エンジンのロゴマーク遊びやECサイトのセール開始日にふさわしい日ではないかと思うのですが、どうでしょうかね。なんなら学校の単位確定日も法律でこの日にするとよいのではないかと思います。そうすれば、9月入学などという愚劣極まりない提案をする人はいなくなるでしょう。

「デジタルの日」、2021年10月10日、11日に決定 平井デジタル相
結局駄洒落になりました。10月10日が旧体育の日であり、天候特異日であることは言うまでもありませんが、11日は安全・安心なまちづくりの日なのだそうです。ある意味、安全安心なシステム作りの日をかぶせるのもありかもしれませんね。さすがに、デバッグの日と称して勝手ペネトレーションテストをやり放題というのは困りますが。

■2020年11月28日(土)  平常心と気高いオーラを要求するとはこれまた上級者向けの趣向で
JR九州の新型観光列車「36ぷらす3」の“短所を生かす”工夫 都市間移動を楽しくする仕掛けとは
「例えるならば、ここは茶室である。」
これは言いえて妙でしょうね。まあ、茶室でも、掛け軸あたりから転じての借景の概念はあるはずですけどね。障子をあしらった例もあったと思いますし。
とはいえ、だとしたらですよ、杉山さん、あなた茶室に何履いてきてるんですか。取材の招待がどのような形であったのかわかりませんけど、普通はコンセプトを紹介したパンフレットくらいあるはずです。しかるに3ページ目の一番下の写真に写っている脚、おそらくご自身のではないかと思うのですが、どう見てもカジュアルじゃないですか。茶会に華美な装いはふさわしくありませんが、「いいほうのジーパン」で済む場でもないはずです。侘茶における茶室や茶会のコンセプトとして俗世の身分制度の否定があることは言うまでもありませんし、それ故に身分を誇示する華美な衣装が避けられ、気安さが演出されるのですが、そこで着古した作業着っぽさを演出することがあるにしても、写真で見てすら量販店の吊るしがよれた感じの服で来ていいという話はないはずですし、気安さと言ってもそういうくつろぎではないでしょう。旅装束にしても一流の仕立て職人による地味なオーダーメイドを無造作に着ている程度の了解はあるものです。どう見ても、気合の入った車両の造作に見劣りしているというか、浮いています。
まあ、それはそれで、JR九州とデザイナーの気合が入りすぎて鉄道車両としては上滑りしたという考え方もできて、茶室でのもてなしを演出するにしても、旅の雲水が街道脇の庵に立ち寄り茶を所望し、庵主が簡素ながらも心のこもったひと時のもてなしをするという演出のしようはあったかもしれません。写った造作は新しいせいもあるのでしょうが妙な豪華さがほの見えており、利休の茶室というよりは信長か秀吉の茶室に見えます。それはそれで各地での工作を請け負っている旧知の雲水が国守の館で下にも置かないもてなしを受けている観はありますが、だとしたら侘茶のもてなしの理念から外れたこけおどしでしょう。いやまあ、この場合杉山氏はJR九州から館への立ち入りを認められた工作員ではありますし、当時の禅僧の理想はいわゆる精神の貴族であり、出自としても中級以上の武士階級であって、着た切りの旅装束で華美な館に出入りして平然としていられる平常心が求められたのですけどね。とはいえジョブズやウォズがネルシャツに色落ちしたジーパンで茶室に座っているのではないわけで、もてなしというかあしらいとしてはずいぶんと高度でしょう。
正直厚地のコットンパンツにスニーカーかウォーキングシューズ、アウトドアベストやトラベルジャケットでこの車両に乗ったら居心地が悪そうです。「上級者向けの列車だった。」というのはそのあたりも含めた反省の弁かもしれません。読者に、乗りたいならたとえ九州であっても仕立てのしっかりしたウールのスラックスくらいは持って行くようにという警告の意味でこの写真を出したのかもしれません。

2020年第48週(11/22-11/28)にネットで公開された仕事です。
何のコメントもないですね。それはそれとして。
「週刊鉄道経済はキホン1週3週なんですけど」
いや、それなら「隔週刊」ないしは「月二回刊」でしょう。

■2020年11月28日(土)  液晶NDフィルター内蔵とか出ないかなという絞り開放派の愚痴
開放F1.2でしっかりした描写 滑らかなボケが立体感を生む…コムロミホさん
「電子シャッターを使用すれば、1/32,000秒の高速シャッターが可能なので、F1.2と明るいレンズでも安心して使用することができます。」
やはりNDフィルターを使うのは面倒なのでしょうね。特に晴天時は、開放では露出オーバーでND4をつけていたのが日陰に入るといきなり1/60に落ちたりするので、浅い絞りを多用する場合は特に、シャッタースピードのマージンは大事でしょう。もっとも今のセンサーは優秀で、1段くらいの露出オーバーは何とかなってしまうのですけど。
経験的にも、12mmでM4/3であってもF2.8を切ると被写界深度が浅くなる印象はあり、F1.2ともなれば25mmだと一点にしかピントが合わない、F0.95ではその一点の奥行きでぼけるという感じです。個人的には背景をぼかしてピントの合った主題を浮かばせる使い方をすることが多いですが、「被写体だけでなく、背景の情報が伝わりやすいボケ感が好きです。」というのはいささか難易度が高く感じます。少し設定を間違えるとうるさくなってしまうので。
まあでも、明るいレンズは正義ですけどね。
ぼかす場合M4/3は有利とは言えないのですが、これを選んでいるのは機動性でしょうか。もっともM.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PROは結構ごついので(全長87mm)、スナップだと17mm F2.8を使うことが多いのではないかと思うのですが、明るさと、後はボディがOM-Dであるためにこの選択なのでしょうかね。17mm F2.8はE-PLには合うのですが、OM-Dに組み合わせるとアンバランスですし、左手の置き場所がなくなります。またE-PLに17mm F2.8だとコンデジに見えるのですが、OM-Dに17mm F1.2 PROだと普通にレンズ交換式カメラに見えますから、スナップとはいえ撮られるときの印象の違いはありそうです。

■2020年11月28日(土)  聞くのであれば映画でもcinematographyでもないのですけども
見る映画、読む映画、そして聴く映画
タイトルだけ見ると先祖返りしているようにも見えますし、実際聞く物語というのは文字を用いた文芸以前の形態でもあります。下手に文字資料に採録されて残っているので2000年以上前から文芸というのは文字と不可分だったように思いがちですが、おおむね18世紀までは普通は聞くものでした。一方でその当時のインテリにとっては劇とは脚本で読むものであったようで、パリのグランドオペラを見た人がドイツやイタリアのと違って脚本を読んでおかなくても筋がわかることに感心したそうです。19世紀末や20世紀初の散文作品の朗読という芸能の確立の時点では、文語の物語を聞くこと自体はまだ近しい記憶に残るものだったはずです。また「演技」という概念自体も比較的新しいもので、どの地域でも客観的な演技が確立してくるのは11世紀以降かと思います。もちろん近代演劇の確立は19世紀、ラジオやレコードによる朗読聴取の確立は20世紀です。
とはいえ、今「聞く」がリバイバル(20世紀後半のラジオ演劇からすればまさにリバイバル)してくるというと、もしかするとながら作業なのでしょうか。
さて、
「それは声優不在でAIが演技するというものではなく、あくまでも自分の日本語による演技の他言語化だ。そのあたりはボーカロイドの世界観とはちょっと違うみたいだ。」
というのは、あくまでも演じる側の認識ではあると思います。特にリアリズム的な小説系の文芸屋さんの発想としては、ボカロというか、あくまで作者の意図を反映した演技を自動機械が行うという発想もあるでしょう。とはいえ現代芸術においては上演行為は作品の再創造と考えられるはずです。19世紀末の作曲家が演奏を機械的行為とみなす傾向があったことはそれなりに知られていますが(例えばマーラーやロッシーニあたりは楽譜を非常に詳細に書き込む傾向があった)、その後演奏における解釈の自由度が重視され、はてはジョン・ケージあたりが出てきたことも同様に知られています。また声優陣、つまり俳優が複数参加するということは朗読ではなく脚本を元に演じるという形態であるはずで(もっとも「ラジメーション」というのは拒否感を覚える程度には酷い言葉ではありますが)、脚本や演出は、描写によって想像を限定するのではなく、台詞を演技や効果(音)によってふくらませることを意図しているはずです。監督が一人で作り込むような発想とは違うのだと思いますし、だからこその「作品の紹介ページには著者とナレーターというかたちで堤氏や熱演した声優陣が記されている」といった扱いと思います。
またその意味で、Audibleは本やその朗読とは違う立ち位置を目指したコンテンツなのでしょう。
まあ、古典・中世演劇から分岐した小説的文芸作品が先祖返りしているとも言えるわけですが、現代通俗芸術が映画、ひいては演劇から大きな影響を受けている以上、当然の流れではありますね。

■2020年11月28日(土)  わがままですねえ
「死活問題」「なぜ札幌と大阪だけ」 旅行業者の悲鳴
「どの旅行業者もツアーでお客さんに感染者を出せば、会社はやっていけなくなる。(コロナ対策の)万全の準備をしてきている現場の努力をよそに、すべての旅行を一律に控えろというのはおかしいと感じる」
一貫性に欠ける点は問題でしょうが、そもそも現場の努力がどうであれ、人を集める、移動の手段であれ人の集まるところに出向くという行為自体が危険なことです。会社が潰れることよりも、多数の感染者が実際に出て、対応できなくなることが問題でしょう。そうであれば、仮に会社が潰れようが、なんかごーとぅーとかやっていようが、旅行支援事業自体を休止するべきだと思います。

■2020年11月27日(金)  国はあまねくしろしめす…はずなんですが
荒れ果てる寺 休眠の宗教法人、境内地を初の国有化へ
檀家が法人の解散を決められるなら、解散した場合資産は檀家や関係社団としての浄土宗なりの共有ということになりそうな気がするのですが、関係者が引き取りたくなくて揉めていたのでしょうか。未管理状態だの法人格の悪用だのを気にするのであれば、管轄の行政機関は本来社団の団員に処分の命令を出したうえで応じない、応じられないとなれば裁判をして解散、清算してしまえばよいはずで、「文化庁宗務課の香取雄太専門官は「宗教法人の土地や建物を国が引き受けるのは初めてで画期的なこと。今回の事案をモデルケースにして、解散できないままの不活動宗教法人の解決策として広めたい」と話す。」というのはただの怠慢か吝嗇だと思います。まあ、手続と資産処分のコストがかかるとなればやりたくはないでしょうけどね。少なくとも社団の意思として資産を全て国に渡すので解散させてほしいという場合の手続は、ある程度簡便化した方がよさそうです。

■2020年11月27日(金)  決まっていない、議論を注視しているで済む話だと思うのですが
「新方針なら定員見直し」学術会議めぐり河野行革相
定員がどうこうというのは、切り離す気はないということでしょうか。もちろん裁判所や独立行政委員会のような形であれば予算枠にしろ定員にしろ必要でしょうが、どちらも国の機関でしょう。また独立行政法人にも定員がありますが、あれも補助金主体で運営することが前提であり、国の「出先」のようなものです。
行政改革担当大臣、つまり切り詰め担当とはいえ、予算枠だ定員だなどと言いだすというのは、格下げと規模縮小しか考えていないと言われても仕方ありません。聞かれたから答えたにしても不用意な発言です。

■2020年11月27日(金)  IoTのワールドプランの意義自体は明白なんですがね
ソフトバンクが海外向けIoTプラン 世界一律月100円
「1MBあたり5.5円(非課税)もかかります」
一瞬、月100円と言っておいてさらに従量料金が1MBあたり5.5円もかかるというニュアンスかと思ったのですが、そうでもないようです。それにしても、非課税というのは何なのでしょうかね。何と対照して非課税と言っているかわからないのですが、他社の同種のサービスには税金がかかるが当社のものにはかからないと言っているようにも見えませんし、控除の対象になるというならもっと違う書き方になるでしょう。またソフトバンクがこの収入について課税を免除されている場合でもあえて宣伝することではないと思います。定額部分と初期費用には消費税がかかるが従量料金にはかからないということでしょうか。まあ、普通は従量料金と定額部分を合算してそこに消費税がかかるので、それなら非課税という表現はありでしょうが、もっとましな書き方がありそうな気がします。プレスリリースをそのまま書くならリンクを張っておけばよいのであって、記事に入れるなら書き方をちゃんと考えるべきです。

■2020年11月27日(金)  子供が欲しがると思うのでしょうか
AIで裸自撮り防ぐスマホ、21年1月末まで0円販売──トーンモバイル
発想としてはわかるのですが、何に金をかけているのだかという以上の言葉が見つかりません。親が子供に渡すのだったらカメラなどついている必要がないはずで(QRコード決済などのカメラを使う用途も、子供が使う必然性はどこにもないはずです)、変な制約のついた自慢のしようがないブランドの機材を与えて満足するなら苦労はありません。

■2020年11月27日(金)  まあ、つゆだくが当然でしょうね
日常に刺激がほしいなら、なか卯「ローストビーフ丼」豪快盛を選べ
まあ、お手軽な贅沢ですかね。ちゃんとした服装をする必要もなく、予約もしないでよく、おひとり様禁止とか一見さんお断りなどと言われる心配もありません。もっとも、個人的にはなか卯で牛丼を食べること自体が贅沢だった気がします。試験やアルバイトで今日はちょっと頑張ったな、自分におごりたいなと思ったときに、スーパーの総菜を自宅で炊いたご飯にのせて食べるのではなく、また作業をしながらコンビニ弁当やホットモットの弁当を食べるのでもなく、わざわざ吉野家やなか卯に行って牛丼を食べる。逆にその手の店の牛丼など日常的に食べられる程度に稼げるようになった後は、贅沢というのはスーパーでちょっといいワインやインポートビールと輸入物のナチュラルチーズを買って食べるものになりました。牛丼屋に行って贅沢など求めないわけです。もっともこれは私の感覚なので、いつもの牛丼ではなくローストビーフを奮発というのもありだとは思います。
しかし、
「味ですが、ちゃんとしています。ローストビーフの出来が、(失礼かもしれませんが)存外に悪くない。」
これ、失礼でしょう。そもそもローストビーフというのは肉のグレードがあまり関係ない、調理も手順通りやれば失敗しない、スチームでも使えば温めなおしも容易というセントラルキッチン向けの料理です。天下に名高い日本のレストランチェーンが通常の商品の5倍の単価の商品開発をしてまずいものになど、なるわけがないのです。
「なぜかというと、ごはんの上にのっているものに汁気がないからだと考えています。」
というか、ローストビーフというのはそもそもソースをかけて食べるものです。まあ、立食パーティーの前菜で出てきて何もかけずに皿から貪り食う人もいるでしょうが、普通は容器にたっぷり盛られたグレイビーソースを好きなだけかけて食べるのです。それをしないのであれば普通はパンにはさむわけで、つまりは握りずしとか、おにぎりのローストビーフ巻きといった形です。これなら適度に絡むはずです。どんぶり飯と合わせるならたっぷりソースをかけるべきであることは、改めて書くまでもありません。

■2020年11月27日(金)  コストを増やしているのはキャリアでしょう
大手キャリアのメインブランドを“値下げ”するのは正しい?/考えてみたいサポートの「対価」
「接客は当然“無料”ではありません。コストがかかっています。」
それを言うなら、通話以外の得体の知れないアプリとやらを突っ込んでわかりにくい商品にしておいてという話もあるのでは?すっぴんで売ってユーザーがラインがしたいと言うなら有償での設定になりますと言えばよいのであって、サービスベンダーと共謀してあれができますこれができますと言っておいて、そのためのサポートは有料ですというのは筋が違うでしょう。総務省が言っているのは、通話料金とデータ通信料金をもっと下げろ、メインの基本的なプランも説明がなくても使えるくらいシンプルにしろという話であって(データ通信で何をするかなどユーザーが決めることです)、プランや機種、アプリ設定などで説明されないとわからない、説明されてもわからないものの接客でコストがかかるとすれば自業自得だという話だと思います。
まあ、ネットにつなぐためにネットがいるような話になると問題ではあるので、アクセスポイントをどうやって稠密に配置するかは考えるべきでしょう。コンビニでよいという人もいますが、そもそもコンビニだって儲かりもしないところに出店は避けたいわけですし、月に1単位も売れるかどうか怪しいものなど扱う気もないでしょう。今後店舗網の整理が進む可能性だってあります。そのコストをどうするかというのは、電気通信ではなく地方自治・地方振興担当の部局ではあれ、総務省が考えるべきことではあると思います。
しかしキャリアショップでの対応が重くなっているのはそれとは別の要因です。子供にラインなら連絡が取りやすいと言われたから使いたいというならその子供さんがちゃんと設定をして説明をするのが筋で、面倒だからショップで聞いてなどというのはそれこそ論外です。役所がリモートでの手続にスマホを活用するというなら、ちゃんと担当者が巡回して講習会や設定サービスをするべきです。どうせそんな負担は移行措置の類で、10年も続きはしないのです。
こういうメディアを読んでいる人はその面倒ごとをキャリアに押し付けている人たちですので、文句を言うならまずそれはダメだと、例え家庭内であってもサービスの導入を提案するならサポートまで責任を持ってやれと主張すべきで、すべきことをさぼっている人のフォローをキャリアに押し付け、役所に責任を負わせるような主張は感心しません。

スマホ初心者の有料サポートが携帯料金引き下げにつながる理由
またこういう…もちろん行政機関がスマホアプリで出先窓口や電話窓口を代替するのであれば、そのアプリのサポートはするべきですし、それなりに頻繁なアプリの講習会というのもあってしかるべきですが、それは特定のアプリについての話です。オークション仲介アプリやインスタントメッセージング、ゲームというのは、別に必要でもなんでもない、使わなければ使わないで済んでしまうものをサービスプロバイダーが提供し、キャリアが押し付けているわけで、ましてやスマホ自体、物理的なスイッチを廃したことでいじろうにも手がかりすらないただの分厚いカードと化しており、大量のプリインストールアプリにより通話機能のアイコンが隠れてしまっている例すらあります。それを、使い方がわからないのはユーザーが悪い、初心者のサポート費用を負担させられたらヘビーユーザーが怒るというのはナンセンスで、そもそもそのヘビーユーザーが身近なシニアにアプリやサービスを押し付けて放置しているのでしょう。こんなのが便利だって言われたんだけどなどと相談されて自分が使ってもいないアプリの使い方を調べて説明させられ、さらに税金からスマホ教室の費用まで支出させろ、それがセーフティネットだでは、私の方が怒りたくなります。
キャリアショップでの接客対応が重いなら、まずそれが軽くなるように、プランを徹底的にシンプルにし、プリインストールアプリも通話機能と設定だけにすべきです。アプリはWebブラウザもカメラアプリも含めて自分で入れて、自分で覚えてください、ショップでは原則対応しませんとすれば、自己責任で済みますし、何かあったときに誰に話を持って行けばよいかも明確になります。メールだってごちゃごちゃと三つも入っているから訳が分からなくなるわけで、SMSを見る機能だけあればよいのです。キャリアメールもgmailも必要なら自分でインストールすればよいのです。スマホで切符が買えるって聞いたんだけどと言われたら、それはJRのサービスですので、最寄りの駅で聞いてくださいと言えばよいのです。孫にいっしょにぽけもんごおってやつをやろうって言われたんだけどと聞かれたら、それは子供さんに聞いてください、弊社のサービスではありませんと言えばよいのです。その代わり、回線契約やハードウェアの不具合、不正使用といった問題には親身に対応すべきです。
また、店舗網の維持費が問題なら、基本プランにサポート維持の費目を加え、通話料の方は安くしたって良く、その代わりサポートのないサブブランドのプランやMVNOへの卸料金を安くして、ヘビーユーザーがそちらを選ぶようにデータ通信料において有利なプランを用意しても良いでしょう。正直格安プランは制約が多すぎで、それこそMNPを自力で行える(あるいは端末の電話番号など使わない)パワーユーザー向けです。キャリアはMVNOが通話やデータ通信の容量無制限プランを提供できるような料金制度を提供するべきですし、そこにはキャリアショップの展開コストが含まれるべきではありません。

■2020年11月27日(金)  銀行に貯金するよりはCFやふるさと納税に出す方が良い金もあるでしょう
「チームは地域の宝」 苦境Jリーグ、自治体がアシスト
個人的には職業運動競技などこのまま潰れてしまえと思ってはいますが、支援策としてふるさと納税というのはなかなか良い落としどころだと思います。自治体が直接お金を出しているわけではないですし、出す側もプロジェクトを選べます。またくじほどインモラルでもありません。住民税収入が減る点は問題でしょうが、直接資金を投入するよりは理解を得やすいでしょう。リスクとしては、いくら集まるかわからないという点でしょうか。
通常の金融ではそもそも明確なリターンの見込めない資金投入はしにくいとか、株式では使い勝手が悪いとか、金利が低すぎるとか、どうせなら納得のいくプロジェクトにお金を出したいとか、結局は銀行預金や証券投資ではお金を出す側のニーズを捉え切れていないということだと思います。銀行はメインの財布の地位は確保しているもののサービスにおいては地位を低下させていますし、証券投資など市場での投機に堕落してしまっています: 証券仲介なんか、本来顧客の希望を聞いて引き受けた証券から適切な投資先を紹介するサービスだったはずなんですが、いつのまにか市場取引の窓口に成り下がっています。スマホアプリとか言ってる場合じゃないと思うのですけどね。

■2020年11月26日(木)  やはり日本の市はcityではない気がする
〜市という日本の自治体は、だいたい英語名称として〜 Cityと名乗っています。
しかし、日本の市町村という基礎自治体制度はおかしいので、人口規模以外の違いが市と町と村でほぼありません。せいぜい、市では住民総会ができないくらいでしょうか。
中国も含めて、市という場合、明瞭な特徴として、独自の警察機構があります。まずヨーロッパ文化圏では市(都市)というのは領主権力から独立した自治体なので、自治権を守るためにも自前の警察があります。現代社会の視点では自治権に基づく管轄というのは行政効率の阻害要因扱いされますが、本来は国王や諸侯、領主の執行権が及ばないように自前の警察を整備して自力検断を行っていたわけです。これは日本でも本来同じだったのですが、安土桃山時代あたりから江戸時代を通じて崩壊、明治維新で止めを刺されました。そして中国では、市というのは地域の拠点であり、むしろ市の警察の管轄が周辺に及びます。いずれにしろ、市政府があってそれが警察組織を持っていないということはあり得ません。ごく限られた政治的に特別な地域が国の直轄とされる程度でしょう。この場合市と名乗っていても名誉称号扱いです。市以外の基礎自治体の場合、州知事や領主の任命するシェリフが複数の基礎自治体にまたがる形で警察業務を行い、自治体としては自警団や夜回り隊くらいしかない例や、国の軍隊や治安機関が警察業務を行う例があります。この意味で、町村が県警に依存することはおかしくなく、むしろ町村で自治体警察を持たされても維持できないのは不思議ではないのですが、市警察まで県警に統合してしまったのは無理があったと思います。まあ、県庁所在地は全て市であるため、そこに県警本部があるのに市内に管轄が及ばないとすればそれはそれで問題があるでしょうし、ヨーロッパ諸国によくある複数の警察組織が並立するシステムも伝統には欠けるわけですけど。
このため、日本の市が国際法上の無防備を宣言できるかどうかには疑問がある気がします。あれは都市であれば自前の治安機構を持っているという前提で、国軍を排除して当面の中立を宣言し、国際法上はその中立を犯して危害を加えてはならないということになります。ところが日本の市長は警察機構に干渉できないため、市内に県警の警察署という拠点はあるものの、市としてはそれを指揮できません。国軍と交渉して退去させることはできますが、国の主権を排除した後に治安を維持する機関がなく、この場合進出してきた敵軍に治安を維持してもらうしかなくなります。これは無防備ではなく国家による一定地域の放棄か、降伏です。この意味で無防備を宣言する能力があるとすれば都道府県ということになりますが、これを都市と言ってしまうのは抵抗があります。
では日本の市は何なのだということになりますが、まあ、タウンなのでしょうね。

■2020年11月26日(木)  もう少し内陸部も重視を
日本、武漢への在外公館設置を打診 コロナで要望強まる
在外公館の設置は受け入れ国に申し出てみないと何も始まりませんからね。
とはいえ、節約重視のご時世に在外公館の新設とは、よほどメリットがあると判断されたのでしょう。さすがに領事ポストは増えないでしょうが、領事事務所か、領事をよそと兼任で総領事館でしょうか。代わりに青島あたりが廃止されたりして。
内陸部が重慶だけというのがそもそもおかしいので、重要性を考えれば成都と西安あたりもあってよい気がします(アトランタやマイアミにだって総領事館があるんだし)。とはいえラサに公使館を置こうなどと言ったら北京政府は嫌がるのでしょうね。

■2020年11月26日(木)  スマホ代わりというよりはテレビ代わりでしょうか
6G時代は鏡がスマホ代わりに? 京セラが考える、シニア向けデバイスの未来
これはありですね。持ち運ぶわけにいかないことからするとスマホ代わりとは言えませんが、スマートホームの端末として鏡というのは確かにありだと思いました。今端末の主流とメーカーに思われているテレビだって鏡みたいなものですし、テレビを置かないような場所にありますから、補完的に使えそうな気がします。端末が家に一台でなければならないという方が、それこそ悪しき固定観念だと思うのです。
とはいえいくらで売るつもりなのでしょう。このサイズというと50万円はしそうですが、ちなみにシャープの電子黒板PN-L851Hが秋葉電子で126万円です。さすがにこんな車みたいな値段のものをおいそれとは買えませんので、特にシニア向けだというなら、姿見サイズで10万円までは落としてもらいたいところです。20年もつわけでもないのでしょうし。

■2020年11月26日(木)  会計検査院案件じゃないですかね
内閣府と内閣官房で脱“パスワード付きZIP”運用を開始 ファイル送信は内閣府のストレージサービス活用
One-Time URLとOTPをどうやって受け渡すのかという問題はあるにせよ、メールを使うよりはよほどましだと思いますが。
「これまでは職員が外部向けのメールにファイルを添付して送信すると、ファイルのZIPファイル化からパスワードメールの送信までを自動化するシステムを導入していたが」
やってたんかい。何がどうしてそんなものが導入されたのかわかりませんが、正直提案した人を懲戒処分にすべきだと思います。訓告でいいですから。
そもそもマルチパートのメール自体アーカイブの一種ですが、まあ、圧縮するためにZIPにするのだとします。しかし、なんでまたパスワード付きにしてそのパスワードをメールで送る発想になるのか。パスワードをつけるということは、正しい宛先の人以外に読まれたくないということです。役所がそんな文書をやり取りするということは、その相手は少なくとも入札資格を持った出入り業者だということです。入札資格というのは申請して審査を受けないともらえないので、そもそもある程度の強度の暗号化鍵であれば、役所からメールで送らずとも、業者からそれなりの手段で提出されたものを使えば済むはずです。本人確認を経た秘密鍵の共有とはそういうことです。もちろん、公開鍵暗号系を使うのだって、あるいは相手との合意があるのであればOTPだってかまいませんけどね。そのあたりは30年は前に入門者向けの解説書に書いてあるわけで、それに照らしてどう見ても間違っている方法を提案した、しかも代替手段がちゃんとあるというのは、役人としての基本である事前調査が全く足りていないということでしょう。
少なくとも全く意味のないシステムをわざわざ調達したという点において、無駄探しの候補に挙がってしかるべきです。会計検査院の監査で問題を指摘されてしかるべきです。個人レベルでも、こんなのが情報システムの経験ありなどと称して関連分野に天下りでもしたらたまったものじゃないので、気の毒ではありますが特定できるように名前も含めて曝すのが筋でしょう。

■2020年11月26日(木)  ロゴ入りのパンツとか?
ニフティ、通販の「セシール」買収 ECを強化、女性客の獲得狙う
なんか後で他のサイトでも見かけそうな話です。
EC強化は良いのですが、ニフティは自社ブランド品の小売りでもやるつもりなのでしょうか。セシールを買う金があるというのも驚きですが、回線とサーバーのリセールが通販会社と提携するのではなくて買収するというのは、事業転換の悪あがきに見えます。まあ、ニフティサーブのTシャツやパーカーはあったような気がするので、衣類の小売りというのはあながち畑違いでもないのでしょうけどね。

■2020年11月26日(木)  これ、箱だけでいいんじゃないですかね?
Radeonは俺の嫁! 萌えキャライラスト入りビデオカードが登場
まあ、売り方としてはキャラものタイアップよりはありだとは思いますが。とりあえず日本の通俗文化の伝搬力に感心しておけばいいのでしょうかね。アニメのクレジットで中国や韓国と思われる制作屋さんの名前をよく見かけるので、描ける人が結構いるというのはわかります。ヒートシンクが寂しいので描いてみたというのも、オリジナルの絵で出しているという点でよくやったと言ってよいでしょう。とはいえ、買う人が何を考えて買うのかはわからないのですけど。使わず棚に飾っているなら、粋ではあるでしょうね。

■2020年11月26日(木)  物理的に舌を抜かれないだけましだと思いますがね
「呼び出されて行ってみると、そこは療養所とは名ばかりの、「更生と矯正」のための収容所だった。そこで「社会に適応した」「正しい」作品を書くよう求められる。」
テンプレな設定ではありますが、そもそも作家というのは検挙されてなんぼ、思想犯や風紀紊乱としての有罪の件数が評価につながり、更生と矯正を耐え抜く強さが求められる立場では?作家であるから収監され矯正措置を受けるというなら問題ですが、作家を自任していようがいまいが犯罪は犯罪ですし、やるときに犯罪でありうるという強い自覚と収監を含めた規制に対応する覚悟こそが求められます。あまり好きな言葉ではないのですが他に言いようがないので作品と言いますけれども、作品を世に問う以上その作品を不快に思う人からの反発、法規制から逸脱した場合の処分は甘んじて受けるべきです。拒否されたくないなら、処罰されたくないなら、そもそも作品を世に問うべきではありません。心に秘めて妄想している分には内心の自由ですから。
その上で、主流の言論が一方的に優遇されていることを問題視する、社会に適応した正しい言論を問い直すのは正しいと思います。問題視して、問い直して、犯罪扱いされるかもしれませんが、それで誰かが考えてみるきっかけを作ることになれば、それが作家の社会的な存在意義でしょう。作品であればおとがめなしという方がよほどディストピアです。

■2020年11月26日(木)  これじゃfarとhugeの違いが判りませんよ
川俣晶「あなたの知らないアドレスとポインターの泥沼の悪夢」
Intel系のCコンパイラによく出てくるnear/far/hugeポインター修飾子の説明ですが、この説明ではfarとhugeがどうも違うらしいとはわかっても、どこが違うのだかわからないと思います。
まず、セグメントとオフセットを合成して実効アドレスを計算する場合、セグメントアドレスを4ビット左シフトして(これでセグメントは末尾4ビットがゼロの20ビットになる)オフセットを加えます。このことからわかるように、同じ20ビット値になるようなセグメントとオフセットの組が複数存在します。例えば1000:0101と1010:0001はどちらも合成すると10101になります。つまり、見えている感じでは違う値なのに同じアドレスを示しているわけです。この状態を許容するのがfar修飾で、セグメントもオフセットも任意に変化します。その代わり説明にあるようにポインタ演算で変化するのはオフセットだけです。というか、Intel8086系は32ビット演算をサポートしておらず、32ビットのポインタを扱う場合は16ビットレジスタ二つについて別々に計算を行います。つまり、オフセット値の入ったレジスタについての加算を行い、桁あふれが出たらその分セグメント値の入ったレジスタに加算する…はずなのですが、far修飾子付ポインタの演算ではセグメント値の処理をさぼります。このため、64KiBで0に戻ることになります。
huge修飾子がついた状態では、ポインタ演算を行った場合、コンパイラの定めるルールでセグメントとオフセットを調整し、整合性が取れるようにします。例えば10101は必ず1000:0101となるように、計算した結果1010:0001になっていた場合はセグメントから10を引き、オフセットに100を加えるということをやるのです(正規化と言います)。というか、まず演算を行うポインタ値を正規化し、その上で前段の演算処理をまじめにやるわけです。正規化やセグメント値の演算が発生する分余計な処理が入ることは明白ですが、その代わりかならず正規化済の32ビットポインタになるので、20ビットのアドレス空間を矛盾なく指すことができます。
なお、hugeはポインタ修飾だけでなく、メモリモデルとしても使われます。コンパイル時にジャンプ系の命令とロード・ストア系の命令でnearとhugeのどちらを想定するかを独立して設定でき、両方ともnearなのがTinyとSmall、ジャンプ系がnearでロード・ストア系がhugeなのがMedium、ジャンプ系がhugeでロード・ストア系がnearなのがLarge、どちらもhugeなのがHugeということが多かったと思います。なおTinyとSmallの違いは、CS=DS=SSなのがTiny、CS!=(DS=SS)なのがSmallです。つまり、コードセグメントとデータセグメントが同じなのがTinyで、そうでない(Cコンパイラの実装上の都合からデータセグメントとスタックセグメントは同じにされることが多い)のがSmallです。
上記のDS=SSの話が次に来ているのですが、8086と振られていることでわかるように、これは16ビットWindowsでの話です。また通常コンパイラでDLLを生成する場合はコンパイル時に調整が行われます(作ったことがある人は、コンパイル時にDLL用のオプションを指定したり、プロジェクトを作るときにDLLを作るという指定をしているはずです)。つまり、最適化を気取ってローカル変数にnear修飾子をつけるようなことをしなければ問題は起きないのです。そして32ビットおよび64ビットWindowsプログラミングの場合、必ずCS=DS=ES=SSです。変えてもよいのですが、よほどトリッキーなことをするのでない限り意味はありません。原理的にはカーネルやDLLを呼び出した場合DS!=SSが起こりうるのですが、Windowsは32ビット以上ではカーネルのエントリポイントやDLLをマップするアドレス領域とアプリケーション本来のアドレス領域を分けて、仮想メモリ機構を使ってカーネルやDLLのデータがアプリケーションのアドレス空間内の決まった場所に現れるようにしています。
そして著者が最後に嘆いているように、80386以降、というか仮想メモリをサポートしたCPUのアドレスの扱いは複雑怪奇です。まず8086のころのセグメントレジスタに相当するレジスタですが、ここに入っているのはテーブルのインデックスであり、アドレスではないのです。48ビットアドレスと言っても、1ビットテーブル識別フラグ、2ビット特権フラグ、13ビットセレクタと32ビットオフセットと言うべきで、論理アドレスを物理アドレスに変換する場合、セレクタの値を使ってテーブル識別フラグとディスクリプタテーブルレジスタの示すディスクリプタテーブルからセグメントアドレスを取り出し、これとオフセットを使って物理アドレスを計算します。この計算も、ページング機構を使っている場合は一筋縄ではいきません。おかげでプロセスごとに独立したメモリ空間を用意できているのですが、その反面複数のインスタンスを同時に走らせると同じアドレスに違う値が書かれているように見えます。

■2020年11月25日(水)  ネタならネタにふさわしい書き方があるでしょうに
M1搭載Mac、最大6台の外部ディスプレイに接続する方法が発見
「外部ドックやディスプレイアダプタの追加出費はかかりますが、M1版Macの外部ディスプレイの数を理由に購入を見合わせていた人には朗報と言えそうです。」
そうじゃないでしょうに。
まあ、この話の場合、そもそもやってみた人は変態行為であり誰にでも勧められるものではないという自覚はもっていそうですけど。
変態的なハック自体の報告は楽しめますが、エイプリルフールネタでもあるまいし、実用になりそうだと信じているふりをして記事を上げてフォローもしないというのは、そういう方向性で売っているライターではあるのでしょうけど、それにしても感心できません。自分のブログサイトなりSNSなりでやればよいでしょうに。
またライターがそういう方向性で自分を売ること自体は仕方ないとして、そういうライターから記事を買って実直な記事を書いている人と並べて掲載する出版事業というのはさらに感心しません。そういうネタ重視の編集方針で一貫性があるというならよいのです。特に連載記事について、非常にまじめな記事があるので、慣れるまではどうにも紛らわしいのは、わざとやっているのではないかと疑っています。ライターの名前がネタ記事のマーカーだというのは、新聞や雑誌のコラムと比べても性質が良くありません。

■2020年11月25日(水)  なぜ距離を制約しての実験なのでしょうね
ポケモンGO、遠隔トレード実験を月末まで延長。数十km範囲でポケモン交換が可能に
交換でもオークションでもすればよいと思うのですが(内職やマネーローンダリングの手段としてポケモンブリーディングなどなかなかよさそうです)、むしろなぜ距離に制約がついているのかの方が不思議です。遠隔地というなら、時間さえ合わせれば距離など技術的には無視できるはずで、会うことを重視するがゆえの対面交換という仕様なのではないでしょうか。見通しの効く数十メートルならまだしも、キロメートルレベルの距離を無視するのであればそもそも距離に制約を設ける必要がないはずで、技術的に問題があるとも思えない以上実験である意味が分かりません。まあ、実験と称したイベント扱いなのかもしれませんね。遠隔トレードを実装しますと告知するよりも、なんだかわからない実験イベントの方が面白いと評価されそうな気もします。もっとも、この種のコミュニケーションサービスであればリアルマネー系のlivestock auctionこそが本流だと思いますけど。

■2020年11月25日(水)  板あるいは瓦の使い方じゃないと思うけど
第4世代iPad Airの動画編集作業におけるストレージ不足を外付けSSDで解決!
何もそこまでしてiPad Airを使わないでもと思うのですが、MacBook Proじゃダメなのでしょうかね?いや、タッチインターフェースが良いのだという人はいるでしょうけど、ならばiPad Proだってよいわけで、スレートのストレージ容量が足りないからといって外付ける(この場合アクセス速度や内部ストレージとして扱えることが重要なのでクラウドストレージではだめなのでしょう)というのは、使い方が間違っていると言って悪ければモニタを外付けするのに匹敵する変態行為だと思います。
いや、変態上等、あえてそう使うのだという方は別に良いのですけどね。世の中、デスクトップPCを担いで対戦ゲームをしに行く人だっているわけですし。
連載とはいえどう見てもアンソロジーの広告企画なのでリテラシーのある人はネタだとわかるのですが、フェイクがどうのというご時世でもありますので、ちゃんと広告企画であるとかタイアップであるとか、記事中に明記して欲しいものです。うちの父親あたりが真に受けてスマホにSSDでもつなごうなどと考えたら困ります。というか、もちろん性能について有線のメリットはあるわけですが、こういう使い方をするならできればポケットに入れた状態で無線でつながるデバイスにしてもらえませんかねえ。

■2020年11月25日(水)  USBハードディスクしかつながない状況ってあるのかな?
「USBメモリ」と「USBメモリ型SSD」は何が違うのか?
デバイスドライバに降ってくるイベントや接続時にコントローラーが申告するカテゴリーが違うわけですか。USBハードディスクあたりに近いのでしょうかね。
というか、ストレージとしてUSBハードディスクを増設可能なAV機器も結構あると思うのですが、その場合認識はしてもホットで抜けなかったりするんですかね。
使い方としては、おそらくメインのストレージにして仮想メモリ領域を設定できるのだと思います。ただし、ブート時にUSBを認識するかという問題はありそうです。ブートローダーはUSBメモリースティックから読み込めるのが普通ですが、そのブートローダーがカーネルイメージを読むのにUSBを使えるかどうかです。やってできないはずはないですが、ブートローダーをコンパイルしなおす必要が出るかもしれません。
まあ、FAT系以外でフォーマットできるUSB接続可能なストレージという位置付けなんですかね。下手にアクセス権限など設定されると別のパソコンに挿したら読めない事態になりそうですし、FAT系でよいならUSBメモリースティックで十分ですが。ストレージがつながるインターフェースがUSBしかなくて、それでもROMに焼き込まれている以外のOSをインストールしたい、あるいはストレージ容量を拡張したいといった場合には使えるわけですが、どうも何に使うのか想像できません。SATA互換のM.2すら乗っていないマザーボードがあるとも思えないのですが。

■2020年11月25日(水)  タラなぎ倒される
左隣との境目にあったタラが、なぎ倒されてしまいました。どうも縁側の工事のために重機を取りまわしたときになぎ倒してしまったようで、2本のうち1本は土の上で折れ、残りは根が持ち上がって倒れていました。
とりあえず根が持ち上がった方を掘り起こして根だけ取り出し、無事そうな部分を1本切って鉢に埋め、残りはポリバケツに埋めて、土をかけて水をやってみました。
タラノキの育て方!剪定方法や増やし方、たらの芽の栽培方法をご紹介!
折れた方が復活するか、埋めてみた方が芽を出すかはわかりません。まあ、うまくいったら根を取り出した方は適当なところを掘って植えてみるんでしょうね。

■2020年11月25日(水)  正直生活賃金の正当な発展形だと思う
菅政権がベーシックインカム検討? 竹中平蔵氏の狙いは
そりゃまあ、ブラックな職場をソフトランディングさせつつ産業構造の改革を進めるには都合が良いでしょうからね。
下手に最低賃金を上げると中小企業が人員整理どころか賃上げ破綻をしかねないのは記事で触れている通りです。そして失業が増えると、保険の支払いもさることながら、ハローワークの事業コストが増えるでしょう。最低賃金で働く人というのはそこそこ白い灰色の人材紹介業からは漏れていると思われるので、経済の大半が急激に収縮している状況では職が見つからない可能性が大きいはずです。それなら、支給コストを下げて最低生計費を保証し、最低賃金を廃止する一方で退職・解雇リスクを軽減、自己決定権を拡大する形でブラック職場対策をした方がましというものでしょう。従業員の雇用に責任があるという名目で、人員整理や事業終結を忌避して無理な新事業の開拓やパフォーマンスの低い受注に走る(最悪経営者にその気がないのに幹部級の従業員が暴走する)例もあるわけです。BIにしてしまえば、審査コストはかかりませんし、労働条件の調整や低賃金も辞めない方が悪いで済みます。また理屈の上では、不満があったら辞めて、BIと貯金でしのぎつつ次の職を探せばよいわけで、労働者の不満を解消できないような職場は人手不足で淘汰されるはずです。その代わり不人気な業種は人手不足で事業を継続できなくなる可能性がありますが、なくなると困る業種ならコスト構造が変わることで、あるいは代替案が出てくることで、産業構造の最適化が進むと期待できます。
もっとも、長期はともかく短期にはそううまくは進まないでしょうけどね。

■2020年11月24日(火)  じゅうにてらばいとかあ
誕生日にHDDが故障、自分へのプレゼントがヘリウム封入HDD+ケースになりました
いやそれ、プレゼントじゃなくて必要経費ですよね?
まあ、2TB程度のNASを買っているとどんどん台数が増えていくのにちかい事情でしょうかね。棚が一段一杯になったあたりで、ネットワークケーブルの処理も兼ねて19インチラックにでもするべきかどうか悩むわけです。この記事の場合はUSB接続ですが、机の上がドライブだらけになることは変わりません。適当なところで大容量のNASに代える方が良いでしょう。データ転送の部分で問題が出ないのなら(今時数GBのバックアップで問題が出るような外部バスやネットワークなどありませんよね?)ドライブを分けるよりもフォルダを分けた方が柔軟に対応できますしね。
RAIDはバックアップ向きとは言えず、自動バックアップで足りるならその方が安上がりだと思います。特に最近はUSBハードディスクを外付けしてそちらに自動バックアップするようなNASがあり、これだとバックアップ時の負荷を軽減できるので、よほど頻繁に整合性を取らないといけないのでもなければミラーリングまではいらないのではないでしょうか。
大容量で冷却ファンなど長期運用性を考慮した製品というと、おそらくRAIDのNASになってしまうので、あくまでもUSB接続にするならケース+ドライブしかないと思います。iMacだと据え置きですから、机のスペースの問題がなくなるならUSBの方が安心しやすい、あるいは無線LAN経由でNASをつなぐ気になどならないというあたりでしょうか。ノートだと、まあクラウド一択でしょうかね。個人的な趣味としては、VPNを使ってでもNASにするのですけど。

■2020年11月24日(火)  埋めて知らんぷりする…わけにはいかないだろうなあ
飲食店閉店…厨房機器の行き先は 倉庫満杯、死んだ商品
文化の軸で評価できるような外食事業なんてないと困る、使わざるを得ないようなものではないわけですし、経済事情次第でデッドストックができるのは自然な話です。倉庫を運営するような二次流通業がタフでないとやっていけないというのもそういうものですしね(故買と紙一重の身軽な事業者もあり得ますけど)。
正直引き取り料が発生するという形も含めてエンドユーザーに任せると不法投棄あたりの原因になりかねないので、二次流通業者の皆さんには頑張っていただきたいと思います。その間に、大量のデッドストックの処分方法を考えないといけませんけど。

■2020年11月24日(火)  まあ、ハックだけど、そもそもなんでHDCPの解除設定があるのか
PS5ゲームをゲームボーイミクロ画面でプレイした猛者現わる
やったことには素直に感心するのですが。
これ、ソニーの営業担当者や法務担当者が知ったら卒倒するんじゃないですかね。HDCPを無効にした状態でアナログ信号に変換ができてしまうということは、低解像度かもしれませんがぶっこ抜きやり放題ということでしょう。どう見てもゲームメーカーから苦情が出る事案です。まあ、実況をする人への配慮かもしれませんが…それならそれで、会員制のサイトを作ってユーザーから料金を取るなりするのがソニーの商売というものでしょう。

■2020年11月24日(火)  メッセージが出るのは仕様のような気もしますが
「楽天ペイ」アプリで障害、バーコードを表示できず
楽天ペイで障害、コード決済利用できず
これ、メンテナンス中のメッセージが誤って出てしまう症状で緊急メンテナンスをしているのか、それとも接続を受け付けられないなどの問題があって緊急メンテナンスをしており、その結果メンテナンス中のメッセージが出ているのかわからないのですが、この記事を書いている人は楽天ペイにそのあたりの確認をすることもできないのでしょうか。
何らかの問題が発生して緊急メンテナンスをしているならば、サービスが利用できず、緊急メンテナンス中というメッセージが出ること自体は正常な仕様です。
どうせ使おうとした時点で使えないことはわかるわけで、速報性も大事ですが、事情をちゃんと確認できる程度の情報は調べて出してほしいものです。上層部に状況を速報しているわけではないのです。

楽天ペイ復旧 楽天カード不具合の影響で一時利用できず
こうやって経緯が出てくるとどうもこうなったらしいという理解ができます。
あまりあってはならないことだとは思いますが、設備更新に伴って不具合が出るというのはありうることです。その結果サービスを一時的に停止し、復旧後止まっていた分の反動でトラフィックが増えて、システムが不安定になるのも過去に例は少なからずあります。
しかし本来、この時点である程度の事情は分かっているはずで、その意味では緊急メンテナンスのメッセージが出たことは正しく仕様通りだったことになります。それがなんだかわからないけどエラーメッセージが出て使えないなどという記事になったのは、ちゃんと調べなかったのか、それともプロバイダー側がいい加減なことを言って状況を報せなかったのか。またエラーメッセージを出して事足れりとするのもおかしいので、こういうことがあって稼働が不安定になっている、対応のためこの時間から緊急メンテナンスに入り、サービスを利用できなくなるというアナウンスを出すのが筋です。さすがにユーザーや契約している小売店にメールなりメッセージなりを投げたり、会社のサイトにアナウンスを出したりしていれば、カジュアルなIT系ライターとはいえ見落としたりはしないでしょう。
色々事業の手を広げていくのはよいのですが、そもそも顔の見えない相手と役務という目に見えないものを取引するために必要な心構えが、もしかして楽天はいまだにできていないのではないでしょうか。

■2020年11月24日(火)  いくらでやるかよりも何のためにネット事業をするのかの方が大事でしょうに
総務省「NHKのネット事業費拡大案は合理性ある」との考え示す 25日から意見募集
ネット事業の上限を20億円ばかり増やすのは構わないとして、何で公共放送がスポーツ中継に20億円も一括の会計で出さないといけないのでしょうか。こんなもの民放がやっていればよいわけで、どうしてもNHKがするなら別会計にして(できれば債券で事業費を調達して)事業の中で黒字を出すべきでしょう。当然本体からの支出はなし、というよりも本体側の放送枠を事業が買う形にするべきで、またその値段も放送・配信の経費に適切な利潤を積んだものにすべきです。イベント中継に公的な価値があったのは、100年近く前の話です。
ネット事業にしても、事業の拡大というよりは放送を通信で代替する大規模実験と考えるべきでしょう。つまり結果や成果は無償で公開し、民放とも共有すべきです。放送の公共性というのは消滅済みであり、あるのは放送を行う技術の公共性だけです。

■2020年11月24日(火)  愛玩動物の遺棄は犯罪です
弱い存在に優しい社会に 保護猫を飼う湯川れい子さん
社会の問題にせず、資格制度にして経済的な事情も考慮して資格更新の可否を判断し、資格がない、あるいは喪失した状態で飼育した場合に罰則を設ける方が筋だと思うのですけど。愛玩動物であれ子供であれ高齢者であれ、もちろん他の場合でも、できもしないのに弱者を養育しようとするのは虐待の一種、犯罪に等しい行為だと思います。美談や人道の前に、そもそもそれができるだけの実力を要求されるのが当然、実力を失った時どうするかまで手配してそれを証明するのが当然です。
なお、現行法でも、愛玩動物を遺棄した場合1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金、つまり立派に犯罪です。

■2020年11月24日(火)  金と人手の無駄ではなかろうか
安倍政権が「事実と異なる国会答弁」森友問題で139回
「衆院財務金融委員会で、調査を求めた立憲民主党の川内博史氏の質問に答えた。」
調べて答えたのはまあ良いとして、この議員はなんでまたそんなことを、わざわざ衆議院調査局に調べさせたのでしょうか。国会議員なら調査費だってもらっているわけですから、議事録と対照すべき資料を取り寄せて、自分で調べるなり外部に調査を委託するなりすればよいと思うのですが。各議院の調査局というのは、もっとましなことを調べるためにあるように思うのです。質問のネタにするにしても、整合性についての見解が異なるとかいくらでもごまかしようはあるので、衆議院調査局が調べたからといってお墨付きにはならないでしょう。

■2020年11月24日(火)  逮捕拘禁について国際法上の法的根拠なんてあるかね
ゴーン氏逮捕は「根本的に不当」 国連作業部会が意見書
国連の作業部会であれば法学の専門家がかかわっているはずなのですが、刑事捜査や自由権の侵害という国内問題に「国際法の下では法的根拠のないもので、手続きの乱用だった」などと安易に書いているとしたらおかしいのではないでしょうか。原文を読まないとわかりませんが、記者が何か根本的な勘違いをしている可能性があります。
もちろん日本国は人権の確保に絡んださまざまな条約に加入しており、それに照らしてゴーン氏の取り扱いが刑事捜査のための一時的身柄拘束の手続の濫用に当たるという主張はあり得ます(というかほぼ確実に問題事例でしょう)。しかし、それは条約を真摯に守っていないという話であって、逮捕拘禁に国際法上の根拠が必要などという話はありません。むしろ主権国家は国内法を根拠として領土内にいるだれを逮捕拘禁してもよいのであって、この場合の条約というのは拘禁の条件についての申し合わせや自国民が逮捕拘禁されたとしてもこのような条件や取扱であれば文句は言いません、あるいはこのような状況では逮捕拘禁した人の引き渡しを要求されたらそれに応じますという約束です。
ちなみに補償をするとしていくらになるのでしょうか。もちろん大企業の要職にあるゴーン氏を拘束し、無用の苦痛を負わせた補償と考えるとすさまじい額になるわけですが、参考となる金額として、刑事補償法による補償があります。これは無罪判決が確定した場合に勾留一日あたり12500円。無罪になるかどうかわからないこと、保釈中に逃亡していることからすると満額にはならないような気がしますが、100万円に届きません。牢屋に閉じ込められて尋問を受けていただけで100万円というとそれこそゴーン氏の事業整理で仕事を失った人からすれば納得がいかない額のような気がしますが、受けた精神的な苦痛も考えると一日12500円というのはむしろ安すぎるとも言えます。

■2020年11月24日(火)  安全保障政策として空理空論を主張しているのはそちらの方だ
野党共闘の安全保障政策について
この記事の提案自体は穏当なものなのですが、そもそも日本では政党は(自由民主党を除き)理念と政策綱領で結束することを主張しており(たいていの国で、共産党系はそうではあります)、そこに照らして憲法第9条および軍事的安全保障の問題は妥協が難しい問題です。歴史的に軍と有司専制の政府が(当時極左であった共産党を含めて)左翼を弾圧してきた経緯があり、かつ現在の陸上および海上自衛隊はその軍を引き継ぎ、占領当局と象徴天皇制の下で左翼排除を狙う旧高官出身政府の手先として、憲法第9条と軍事的安全保障の整合性が問題となっていた状況で現れました。つまり共産党にとっては自衛隊というのはせいぜい工作によって隊員レベルで味方につけて民衆運動の前衛の武装勢力として取り込む相手であり、組織としては理念を結束の要とする以上容認が難しいのです。これが米国の二大政党や英国の保守党ないし自由党、労働(者)党、あるいはよくあるキリスト教民主主義系政党のように理念が薄く政治活動家が野合しているに過ぎないのであれば棚上げは可能です。また共産主義系や社会民主主義系も本質的には軍との相性は悪くありません。理念として民衆の(あるいは労働大衆の党の)武装として再編成して取り込むことを前提に棚上げして付き合うことは可能です。日本の場合、武装解除が旧勢力の否定や国際平和運動の流れとして平和主義という理念という形で表れてしまっており、政治秩序の再建の過程で争点化したこともあって、社会党系も含めて理念重視の政治勢力では棚上げが難しくなってしまった歴史的経緯があります。自衛隊嫌いというのは基本的にはこの問題です。ついでに言えば、自衛隊や警察の方も、施設の前で営業妨害をする集団という以上に反政府勢力として左翼を嫌っている部分があり(もちろん政府中枢にいて煽った連中がいるわけですが)、それこそ共産党小池氏が防衛大臣などなったら、制服組は一時的にでもさぞかし複雑な思いをすることでしょう。
阿部氏の主張するような政策合意を進める場合、自衛隊の扱いを含む安全保障政策は理念の問題ではないという共通認識を作る必要があります。阿部氏が挙げている共産党の問題棚上げ的な安全保障関係の方針は基本的にはこの方向に思われます。とはいえその阿部氏が平和と民主主義をプラグマティックな目標ではなく理念として掲げてしまっており、これでは共産党が安全保障問題でこれまでの主張を棚上げにした場合、理念を撤回した形になり、活動に致命的な影響を受けかねません。理念的左派の解体を目論むのではなく当面の方策として野党共闘を求めるのであれば、まず自称リベラルの皆さんが、民主主義や平和主義を理念ではなく手段として受け入れ、その視点を広く普及させなければなりません。
その上で、正直後段の対米自立・個別的自衛権論や反核武装論は非現実的であり、また対中華人民共和国政策としての中華人民共和国との武力衝突回避や外交における仲介も努力目標が良いところだと思います。少なくとも対米自立を掲げるなら中国とロシアを攻撃可能な戦略核兵器の装備は必要ですし、中華人民共和国が安全保障理事会の常任理事国である以上個別的な防衛協力による援軍を前提としなければそもそも専守防衛自体成立しません。拒否権で安全保障理事会が麻痺している間に一方的に攻撃され、本州および三島に上陸されてしまえば終わりである以上、防衛はできなくとも共倒れはできる核抑止力の保持と、攻め込んで抵抗されたら国連軍の前に無視できない同盟国の援軍がやってくるという抑止力の保持が自立防衛の必要条件であり、その条件を満たせなければ仲介を申し出ても外交上は無視されるだけです。人権や人道の出る幕はありません。対米自立で何かできるとすれば、それこそ中華人民共和国が軍事行動を起こした場合ロシアと朝鮮民主主義人民共和国を除く周辺諸国が、日本も含めて侵攻する、つまり台湾を海上封鎖したら大韓民国と日本が山東半島に、ベトナムが海南島と広東省、雲南省に、インドやパキスタンがチベット自治区に、モンゴル人民共和国が内モンゴルに侵攻するような軍事同盟を構築することくらいですが、これ、専守防衛ではないですよね。

■2020年11月23日(月)  流れに任せてなんとかなる時代は終わった気がする
耳を疑う、武田総務相の発言 携帯値下げ「メインブランド以外は意味なし」指摘への戸惑い
「それは同氏が「アクションプランには意味がない」と考えているということだろうか。」
思っているのが総務大臣かどうかは知りませんけど、アクションプランは内容としては空疎だと思いますけどね。
「しかし大手キャリアが総務大臣の意向を受け、サブブランドではなくメインブランドで低廉なサービスメニューを開発すべく動き出せば、消費者はメインブランドのまま低廉なプランに乗り換えるだけで良いことになる。」
これは正論に見えて、曲解かもしれません。もちろん携帯電話料金の実質水準が下がることを重視しているという推測には妥当性がありますが、それだけなら本田氏の指摘する通りサブブランドでもよいわけです。ただしそれでよしというわけにはいかない事情もありそうに思います。
競争の促進において重要なことは、メインキャリア間の競争とともに、MVNOがより多様なプランを可能な限り廉価に提供でき、できうればメインキャリアの競合となることです。「その品質や機能、サポート内容などが可視化され、乗り換えも自由となれば、自ずと事業者間の競争が促される。」とはその方向性です。しかし、MVNOには回線を卸しているメインキャリアの卸売政策によって足枷がはめられています。この足枷を軽くするには、少なくとも卸回線の使用料を十分に下げ、可能ならばディスカウントも認める必要があります。メインプランの料金を下げさせればそれを基準に卸値も下げさせることができるというのは、あながち間違っているとは言えないでしょう。
また、現在のプランの構造が、メインプランからのディスカウントとして構築されていることを問題視している可能性もあります。ディスカウントの場合、特に消費者相手であれば、煩雑な条件を設定し、一般的な条件では使い物にならない、何かあったら不安だと思わせることでメインプランに誘導することが可能です。サブブランドも同じことで、サブブランドには条件が付いているから、同じキャリアが提供していても安いのだと思わせることは難しくありません。これを、充分な品質で低廉なメインプランにオプショナルなサービスを付加することで料金が高くなる構造に変えたいと考えているというのはありそうなことです。意識の面では、ごく普通に使えるメインプランにオプションサービスをつけさせられる方が、制約条件を緩和してディスカウントをあきらめるよりも抵抗は大きいでしょう。それこそネット契約のように勧誘がしにくい状況では、必要かどうかを調査熟慮して効果が限定される(がうまくはまったときのメリットが大きい)オプションサービスよりも、とにかく余計なことを考えずに普通に使えるプランが選好されることは十分あり得ます。キャリアにオプションについて十分な情報を提供させ、ユーザーの慎重な検討に耐える内容を整備させ、ユーザーにオプションサービスの要否を熟慮させるためには、ディスカウント方式ではなく、別料金の付加サービスの方式こそが適切ではないでしょうか。
もっとも「中長期的には日本の携帯電話網全体の品質を下げることになるだろう。」というのは例えば石川温氏が指摘している通りで、移動体通信網事業者が10年程度の周期で新しい規格に基づいた設備の更新を事実上余儀なくされている以上、回線使用料から継続的に投資の原資を調達しないといけません。色々と余計なことをやっているとはいえ、そもそも鳴り物入りで喧伝されてきた5G網をサービスイン時点で劣化版としか言いようのない形でしか提供できなかったことからしても、現在の回線料金で通信網の更新に必要な資金を調達できていない、引き下げられればなおさらという判断には説得力があります。ましてドコモ以外の三社が抱える、基地局のバックボーンをNTTグループに頼らざるを得ない状況の解消は、難しくなりそうです。収容端末数と回線速度以外の5Gのメリット(特に低遅延)も、人口密度の低いエリアにフルスペックの基地局が展開されなければ、それこそIoTへの応用あたりが進まなくなってしまう可能性があります。「ネットワークの品質は、各社が行ってきた投資によってのみ向上する。」というのは基本的に正しくはあります。
とはいえ、「他国が産業や社会の形を新しい世代に引き上げるため、国を挙げて5Gインフラに投資している」としても、それがキャリアの負担である必要は必ずしもありません。むしろキャリアが個別に投資を行うことで無駄な投資が重複して行われていると見ることすら可能です。というか、日本の制度は無駄な投資を正当化する形になっています。つまりユニバーサルサービスですが、本来パフォーマンスの良くない地域の切り捨てを防止する仕組みだとしても、このために全てのキャリアが個別に全国を漏れなくカバーするネットワークを構築し、あまつさえ地域単位とはいえ自前のネットワークの人口カバー率が一定水準に達したキャリアには回線を卸さないなどと言い張る結果を招いています。これではユーザーは不安でドコモ以外を使えません。多額の投資をしたネットワークをつまみ食いされてはたまらないという理屈はわかるにしても、いいかげん競争環境の一環として、料金や回線品質、付加サービスやサポートだけでなく、地域的な特化も認めてよいのではないでしょうか。また必要に応じて他のキャリアから回線を借りることも認めるべきではないでしょうか。また民間事業者が整備すると決まったものではなく、公的機関が整備してそれを民間事業者が共同で使ってもよいはずです。18世紀には民間が担っていたインフラ投資を19世紀半ば以降、特に後進国で国家が担っているのは、インフラがあまねくいきわたるためには低コストで多額の資金を調達してルールにのっとって整備を進められるという点で有利だったからです。それが長期で投資を回収できるだけの経済の発達余裕に裏付けられたものだったとしても、民間では投資期間や配当に制約されてインフラがそもそも普及せず、多くの人が潤沢に使えるものにならなかったことは事実です。民間ができないことは国でも地方政府でも補えばよいのです。
電電公社が石頭で、公衆通信事業の民間への開放で色々と融通が利くようになり、便利かつ安価になったことは確かだとしても、だからといって民間事業者でないと効率が悪いということにはなりません。むしろ民間事業者になったために投資がシビアになり、網羅性とコスト削減がトレードオフになってしまっています。例えば民営化によってコストパフォーマンスの良い大都市近郊線と幹線に事業を集約した鉄道は網羅的な利便性を失い、バス網による補完すらなしえていません。インフラとしてはこれではだめなのです。「それはサービス品質や内容、価格などの関係性において競争の中から生まれるべきだろう。」というのは、今となってはただの市場ユートピア妄想です。
一方で、アナログ電話という技術的な制約は実質的に消滅し、とにかくデータパケットにして流せばなんにでも使えるデジタル通信が加入者線においてすら基盤となっています。それどころか、マルチプレクサーが最寄りの電柱や集合住宅の機械室にまで進出、電話局に大容量の交換機を置くことで成り立っていた大規模公衆通信事業はマイクロセルの集合体になってしまいました。電話番号はただの契約識別子と化し、事業者を超えて持ち運べるものになっています。であれば、ユニバーサルなサービスを提供する巨大キャリアに頼らず、汎用的なデジタルデータ通信を提供する小規模な事業者、それこそ技術者若干名を雇うだけの収益が見込めない場合は公的な事業者や非営利団体でもよいわけですが、これらが相互接続するモデルを目指しても、通信における自由度が失われるようなことにはならないと思います。キャリアの競争と馬鹿の一つ覚えにお題目を唱えるのではなく、民間と政府、営利と非営利のベストミックスを視野に入れることが望ましいと思います。

■2020年11月23日(月)  ダサくなったら終わりなのにダサく見えてしまうのがまずいかな
百貨店は「オワコン」か 新しい業態へ、自己変革のとき
そりゃまあ、こだわらない人は量販店や百均で買うし、こだわる人にとっては百貨店の提案するトータルライフスタイル像が偏ってる上に扱っている品も上の下の方で、こだわりの品じゃないですもん。通販カタログ以前に、百貨店のバイヤーよりも高いこだわりを持っている人がたくさんいて、そういう人がネットでこだわりを発信して、それを基準に意識が高い人のこだわりができていくのだから、百貨店に行く人なんてこれから家を建てたいアパート住まいかこだわりはないがみっともなくない品を揃えたい人くらいなものです。まあ、下流文化発のファッションも含めて取り入れる柔軟性はありそうなので、アーバンライフにこだわる中流の牙城である欧米の伝統的百貨店よりは生き残る可能性はありますが。

■2020年11月22日(日)  自治体が設備を引き取って駅係員を配置して停車料を払ってくれるなら無人駅にする必要はない
無人駅とバリアフリーの関係性「好きに乗り降りしたい」
まあ、鉄道を使わないと予定に縛られない日常の行動に支障を来す時点で問題ではあるわけですが。本来徒歩圏で生活が完結することが理想であり、鉄道を使うような場合はしっかり予定を立て、切符を予約するのが筋です。
無人駅というのは珍しいものではなく、そもそも改札の必要がないシステムの地域では、駅員はいないことが多いようです。切符はどうするかというと、最寄りの店で買う。自動販売機なんかつけていると盗まれたり壊れたりしますので。あるいは車両に改札機をつけ、プリペイドカードや電子切符にする。もちろん車掌は頻繁に巡回してきます。とはいえあれはキセルや無賃乗車の取り締まりっぽいので、とりあえず乗って車掌から切符を買おうなどと思っていると罰金を取られることがあります。
バリアフリーも、あまり一般的ではありません。都市型の鉄道ではそれなりに配慮されていることもありますが(BARTは同じ高さでした)、そもそも列車の床までプラットホームをかさ上げしてあるのは日本くらいのものです。その一方、日本ほどの頻繁運転をしないこともあって、停車時間が長いため、バリアフリーであれば自力で降りられたり、予約で車掌の介助を得られることになります。というか、あの低いプラットホームは、健常者でも荷物を抱えていると日本の停車時間ではとても降りられません。
鉄道を使うかどうかはともかく、無人駅になってしまうようなところにいつまで住み続けるのかという話はあると思います。それはそれで居住の自由の問題はありますが、自由である以上、そこに住むことの制約は自分で解決することが期待されます。それこそ長期滞在外国人の再入国許可がらみの訴訟で「移動の自由とは移住の自由のことだ、旅をする自由ではない」と意見を書いた最高裁判事がいますが、住むことの不便も含めて住むか住まないかを決めてください、どうしても不便なら便利なところに移住する自由は保障しますというのが今の大勢だと思います。

20年で400駅が無人駅に 都市部でも増える日中だけ
いや、働き方改革を言っておいて夜間無人はダメはないでしょう。シフトを組めばよいというわけでは必ずしもありませんし、駅を閉めたら帰宅してよいというわけでもないのです。そもそも無人駅がどうこう言うならバスや路面電車の停留所に人は配置されていないわけで、利用者数が少ないが廃止もしにくいなら駅員の配置だけでも止めたいというのは当たり前です。セキュリティやバリアフリーを言うなら、サポートを役所か住民団体が丸抱えするか、コスト面で見合う形を提案すべきです。

車いすでロンドンの地下鉄の駅に行くと…乙武さんの驚き
その前に「一義的責任はあくまで事業者にあるはず。」などと措置と営業を一緒にしない方が良いのではないでしょうか。ロンドン地下鉄は、駅も線路設備も列車もロンドン市交通局の運営です。東京都交通局が都営地下鉄や路面電車の設備をバリアフリーにするなら措置でしょうが、JRを含めて、それ以外のすべての鉄道・軌道は民間会社です。CSRも含めてメリットがあると思えばバリアフリー化するでしょう。逆にメリットを説得できないのに措置を主張するのであれば、費用の負担が必要です。無人駅ということはそもそも駅に投資をするほど儲かっていないわけで、バリアフリー化や駅員配置の追加負担を要求することは難しいと思います。
当然利用者間の互助でというのはおかしいのであって、「乗客の助けを当て込むのは違うのではないでしょうか。」、「他の乗客の声かけサポートを期待した仕組みだと、移動における鉄道会社の責任を放棄したことになる。」というのは全面的に正しいのです。とはいえ、鉄道会社の立場からすれば、ならば駅自体を廃止します、各駅も通過させますと言われることだってあり得ます。並行在来線の廃止などという話が出る時代である以上、インフラだから、公器だからでは済まないと考えるべきです。
もちろん公共政策として、駅設備を引き取ってバリアフリー化し、乗車補助を含めた担当者も配置して(鉄道会社が正規に駅員として配置するのでなければ駅員とは呼べません)、列車の停車料も払って駅を維持するというならそれは措置です。そこで欲をかいて特急を止めろとか列車を増やせとか言うと、駅の譲渡自体を断られるかもしれませんが、現状の各駅の維持であれば合意は難しくないでしょう。とはいえそこまでお金を出して、運行について妥協して、鉄道を維持したいかどうかは、駅事業を引き受ける公的機関、つまりはそこに税金を払っている住民の判断です。
つまり、無人になっているような駅を維持してバリアフリー化も進めろと鉄道会社に要求するのはわがままの可能性が高いですが、収益性の改善策も織り込んだ鉄道会社にとってのメリットまで考慮した提案の中でバリアフリー化を主張するのは立派な事業提案です。もちろんアイデアだけ出せばよい可能性は低く、出資であっても何らかの費用負担を持ち出すことになるとは思います。とはいえ自前で競合する事業を立ち上げられるのでなければ、費用丸抱えでも路線を維持して設備を改善してもらえる方がましということはあると思います。
もちろん、個人レベルでは、無人駅になるような土地は引き払って便利なところ、車いすで買い物に行けるようなところに引っ越すというのが最適解ではありえますけど。移動権は保障されるものではなく、住民が自ら確保するものでしょう。自家用車はダメだ、引越も嫌だというのは、その鉄道会社が売った家だろうということを考慮に入れても、わがままです。

■2020年11月21日(土)  地方創生という名前自体いかがわしいのだけど
コロナ交付金で779万円の鐘 発案の知事「高くない」
首相官邸の担当部局が「コロナ対応のための取組である限り、自由にお使いいただくことができます」としているので、まあ良いのだと思いますが…腑に落ちない部分がないとは言えませんね。779万円というと飲食店の地代くらいにはなりそうなもので、鐘を作るくらいならもっと実質的な支援策に当ててほしいという話が出てきてもおかしくはないでしょう。

■2020年11月21日(土)  いや、さすがにワープロファイルは止めようよ
日本のデジタル化に参加する
「Wordでも一太郎でも、少なくともPDFを作ったオリジナルのファイルを公開するだけで状況は大きく変わる。」
いや、これはどうですかね…正直リフロー式のドキュメントが読みやすいわけではないと思いますし、属性のみならず変更ができてしまう以上正確性には疑問符が付きます。また一定の標準に基づいて独立した実装がなされているPDFと異なり、ワードプロセッサーのデータは作成したアプリケーションに固有のものです。
PDFに表示の際の自動レイアウトにおける制約があることは認めますが、A4縦なら9インチタブレットで十分読めるわけで、老眼であっても部分拡大で十分ではないかと思います。むしろスマホの画面に合わせて単語ぶつ切りでレイアウトされてしまう方がありがたくないでしょう。
どうしてもリフローさせたいならEPUBでも普及すればよいのであって、ジェネレーターが普及しているからPDFというだけのことですから、EPUBジェネレーターが文書の作成や管理のシステムに内蔵されていればよいわけです。管理システムとなればデジタル庁の管轄でしょう。まあ、迂闊に実装すると作成時のレイアウトを反映して固定レイアウトになってしまいそうですけれども。

■2020年11月21日(土)  忘れられたのにはちゃんと理由がある
忘れられている“社会法”の意義
趣旨は分かるのですが議論はおかしいです。
まず法の区分を木状構造で示すことが間違いで、あの区分自体はそれぞれ独立しているのです(実体法と手続法がそれぞれ公法、私法、社会法の下位にあるのはそういうこと)。つまりメッシュ状に書かれるべきで、不文法であり国際法である私法は普通にあります。
また「勤労者」という概念自体がそもそも摩耗していると思います。賞味期限切れです。形がどうであれ、近代初期に非都市地域の共同体から解放された賃労働者を職域組織(会社であれ労働組合であれ)に固定して安定化させたのが20世紀社会法ですが、市場の成熟によって前提が崩壊しています。
社会法の整備が必要という主張には同意しますが、20世紀社会法のリバイバルでは全く意味がありません。「安心して働き平和に生活できる環境」の維持という視点がおかしいので、社会法においては働くことではなく生活できることのみをピックアップすべきです。組織に帰属して確定した賃金を稼得する労働に依存するのではなく、自ら事業を企画するための安定した生活基盤、インフラストラクチャーとなるための社会法であるべきです。

■2020年11月20日(金)  20年もあれば進歩するわけだ
M1チップ搭載Mac、CrossOver 20によりWindowsアプリやゲームが動作可能に
「Mac上でWindowsアプリを愛用しているユーザー」
これは変態行為であると思いますが。
とはいえこのアプリケーションは使いたいんだけどもWindowsは嫌いだという人は昔からそれなりにいたわけで、2000年ごろは色物扱いだったWineがハードウェアの発展もあってようやく実用的になったというところでしょうか。まあ、Windowsプログラムなんて昔からライブラリを呼んでいるだけなので、I/Oポートを直接叩いているMS-DOSプログラムよりはよほど互換性を確保しやすいはずなのです。またコード変換自体は68k MacからPower Macへの移行やPower MacからIntel Macへの移行でも行っていたわけで、むしろMSがArm用WindowsでWin32しか動かせていないことの方がサボってんじゃねえよという話です。
とはいえ、いくら命令セットがM1と共通だとしても、iOSでWindowsアプリが動くようになるにはまだかかるような気がします。

■2020年11月20日(金)  あんな高機能モデルでシェアが取れるわけがない
パナソニックの誤算 脱家電の果て、やはり「本業」に活路
こう言われてしまうのは仕方ないと思います。
とはいえ、おそらくパナソニックでは事業組織の効率が悪いため(というか採算分岐点が高いため)、そもそも人件費が低い中国やインドのメーカーや、アイリスオーヤマのような企画と商流管理しか持たず生産を外注しているメーカーに太刀打ちできません。少なくともアイリスオーヤマよりよほど高度な製品を高品質に作ることができますが、ダイナミックなモデルチェンジや柔軟な供給規模で敵わず、玄人好みのメーカーに成り下がってしまうでしょう。実際、家電以外の事業においては、玄人に高い評価を得て固定客もついているが十分儲かっているわけではないものが数多くあります。まあ、民生用光学製品はそもそもメジャーなベンダーすら継続を危ぶまれている状況なので、撤退の検討は止むを得ないでしょうけどね。
しかし、Let's NoteがなくなったらLG gramにでも行くしかないかね。さすがにDellやLenovoは感心できないもんなあ。

■2020年11月20日(金)  まあ、Windows PCがIBM PCと似ても似つかないどころかPC/ATとすら似ていないのは確かです
“PC”の定義は何か まずはIBM PC登場以前のお話から
どうせなら2021年8月21日、つまりPC発売40周年から始めればよいと思うのですが、もしかしてその日で終わる予定の連載なのでしょうか。
「日本の場合、例えばPC-8001はCP/Mは動かせる(I/Fボードと32KBのRAMカードを追加する必要がある)ものの、日本語が扱えないという問題があって、そもそも日本ではCP/Mはあまり流行したとはいえなかった。日本の場合、こうしたビジネスに本格的に利用するという機運が盛り上がったのは、IBM PC後の話になる。」
厳密に言えば、IBM PCでは盛り上がらず、PC-9801以後になります。そもそも1MBのメモリ空間にフォントイメージROMを収容することができず(さらにアドレス空間が小さい8008では当然不可能)、フロッピーディスクしかないためディスク上のフォントイメージを随時読み出すような芸当も不可能、画像出力デバイス側にフォントイメージROMを持って、主記憶のメモリ空間に置いたテキストVRAMに文字コードと色・輝度情報だけ書いておき、それを画像出力デバイスの描画エンジンが読みだしてグラフィックVRAMのデータと合成して出力するということをやっていたため、漢字フォントを持たないIBM PC系では日本語を表示することができませんでした。また日本語入力も、いわゆる日本語FEPは入力や表示に際してトリッキーな手法を用いており、アプリケーションソフト側の対応が不可欠でした。このために日本語対応したアプリケーションソフトウェアは高価になります。けしてCP/Mの問題ではないのです。国内に日本語対応ソフトウェアを作成するサードパーティーを育成することに成功した日本電気PC-9801が唯一のビジネスパソコンの地位を確立しました。ちなみにこれに際して功績があったとされるASCIIや日本Microsoftには、AXという黒歴史があります。今思えば、J-3100SSも黒歴史なのでしょうね。PC-9801用のCコンパイラでコンパイルした実行ファイルがJ-3100SSで動かないと先輩に怒られて、LSI-C86で互換版を作ったのも懐かしい話です(もっともグラフが描けなかった)。このあたりが解決したのがIBM PS/2以降であり、いわゆるDOS/V、拡大メモリにハードディスクから読み込んだフォントイメージを展開し(このため拡大メモリアクセス用のドライバEMM386が必須)、それをデバイスドライバでグラフィックVRAMに書き込むという発想の転換で(今はこちらが主流ですが)日本語を含む多言語環境に対応したDOSが登場、1バイト文字が前提のソフトウェアで2バイト文字をインタラクティブに編集すると文字化けする問題を除けば問題なく日本語を扱えるようになったのですが、時すでに遅く、ビジネス向けにはExcelとWordをキラーアプリケーションとしてMS-Windows 3.1が普及し、DOS/VはMS-Windows 3.1を動かすためのブートローダー扱いされてしまいます。そしてWindows95の登場をもって、DOS/VはPC-9801といっしょに表舞台から退場することになります。

■2020年11月20日(金)  互換性は大事だとは思いますが
ソニーα7Cをお迎えしました
「ミラーレス機が小型軽量であることはマストであると考えます。」
そう、やればできるはずなんですけどね。なぜかファインダー部が上に突き出したごついわりに丸っこいデザインの重い物ばかりです。今思ったけどカバみたい。ちなみにフラットな形状もさることながら、ボディ500gなら合格点でしょう。それが事業面での「余裕」の産物というのはどうも情けなく思えます。
まあ、個人的にはE-P1にコシナのNoktonをつけていて似合わないと言われた経験もあるので、洒落た四角いボディにごついレンズをつけて似合わないと言われても気にしなければ済むと思っています。どちらかというと、ごついレンズが似合わないようなカメラが35mmセンサーである必要があるのかというのが問題ではないでしょうか。本当に画質が大事だというならハッセルブラッドの4×3やフェイズワンのフルサイズ中判を使えばよいわけで、ユーザーが性能本位で35mmというそれこそオールドレンズをフル活用するためのセンサーサイズを選ぶのであれば、画素サイズと画素数、必要な画角を得るためのレンズを含めたサイズや重量などのバランスを求めた結果でしかありえません。本来評論家は、メーカー側がそのようなバランスを達成できているかを製品に即して評価するべきです。まあ赤城さんのように、古いAマウントレンズで撮影するための機材と割り切るならそれもありですけどね。オートフォーカスにこだわってしまうところが軟弱ではありますが、そもそもフォーカスアシストが貧弱である上にAマウント自体オートフォーカス用の新マウントだった経緯があるため、筋違いとは言えません。とはいえ、そもそもα7cのボディなりAマウントアダプターなりにモーターが内蔵されているのかというところが問題なので(レンズに適切なモーターが内蔵されているのであれば軽量化のためにもボディやマウントアダプターにモーターを内蔵すべきではないでしょう)、LA-EA5は88gとのことですけれども、これにモーターと継ぎ手を内蔵して100gになってもよいですかという話です。なんか、レンズを手前と奥とどちらに動かせばよいか指示が出て、フォーカスリングを適切な方向に回すとピントが合ったところで位置がロックされる機構ならモーターなしでできそうな気はしますが、作ったところで誰も褒めてくれない気がします。

■2020年11月19日(木)  Intel x86が性能面で優位だったのはPowerや68kに対して
アップル「M1版Mac mini」意外なほど使えるマシン
何だったのかというか、浮動小数点処理や低レベルの入出力のような特殊な処理をしていない限り、CPUがやっていることというのはたいして違いはなく、ハードウェアの性能もアプリケーションの規模に対して十分大きいので、一度変換してしまえば十分軽快に動くのはむしろ当然でしょう。チューニングのレベルでの違いはあるのでしょうが、おそらくAppleもソースコード間の互換性の確保を十分に行っており、「グーグルはApple Silicon版のChromeを一度リリースしており、原稿執筆時点では不具合のため取り下げとなっているものの、近いうちに再び提供されるものと期待しています。」というのも、むしろいじった結果バグを作り込んでしまった類かと思われます。Mac Proのような拡張して使うためのプラットフォームならともかく、Mac miniやMacBookのようなMacOSを素のままで動かすための機材であれば、問題は出にくいはずです。仮想化なんてものができている時点で、予想できてしかるべき結果です。
デバイスの接続にしても、昔のCPUの仕様による部分が強く出ていた状況と違い、今はどちらもPCI-Eなので(というかPCI以降同じなので)、デバイスドライバさえ出揃えば普通に動くはずです。
Intel Coreはそもそも発熱や消費電力の低さに定評のあるCPUではなく(だからこそArm系CPUが出てきた)、Mac miniあたりだとそもそも発熱の問題で性能にキャップがかかっていた可能性もあります。またスマホや薄型ノートパソコンよりはMac miniの方がよほど熱設計が楽なはずで、元々低発熱、低消費電力のCPUを使って性能重視の設計をするとこの程度にはなるという方に感心するべきだと思います。まあ、富岳でわかっていたことですね。
とはいえこれでApple以外もArm系に雪崩をうつかというとそれは難しいと思います。大型計算システムやデスクトップ向けに設計したモデルであるからこそ実現できた話であって、Qualcomあたりからスマホ用のCPUを買ってきて実現できるものではありません。

■2020年11月19日(木)  学生が不満で退学しても経営にはさほど響きませんが感染で責任を問われると大学が潰れかねませんからねえ
大学の対面授業、文科相が要請 大学側は「誘導避けて」
正直余計なお世話とか人気取り目当てのパフォーマンスという気もしますが、最低限、対面指導でないとできないことがあるという点は双方に了解はあると思います。
とはいえ対面指導を要請するなら、それで感染が拡大しても大学の責任は問わない、文科省の責任だと言ってくれないと大学側も困るでしょうね。また対面指導が必要なのか、それとも大学の設備・蔵書を使えないというレベルの問題なのかは切り分けないといけないでしょう。まさか構内に入れずサークル活動ができないので困っているなどという話ではないと思いますが、理屈だけならいくらでもこねられるので、軽率な行政指導に走る前に裏は取っておいた方が良いと思います。

■2020年11月19日(木)  50年遅れの話のような気もしますが
コスパ重視の新護衛艦が進水 乗組員の「働き方改革」も
共通規格による運用コストの削減なんて少なくとも1970年代には普及していた発想でしょうに。米軍で国防総省がその手の発想をしたのは1960年代だったと思うのですけどね。
級ごとではなく艦ごとにレイアウトが違っていたというのはよくあると言えばよくある話で、同じ級でも同時に起工するわけではないため設計や艤装の段階で違いが出てきますし、改装工事を受けた場合など装備が違ってきます。このため、進水や竣工の段階で同じであっても数年ほどで違いが出てくることはあり得ます。また個体ごとにそれなりに癖が違うとも聞きます。ローテーション制がそれをどこまで防げるかが問題でしょう。また働き方改革というよりは、乗組員が休養しているときに船を動かせないことや習熟のコストの方が問題視されたのかもしれません。
「愛艦精神」などというアナクロニズムが出てくることにむしろ感心しますが、現場と言ってもまさか幹部ではないと思いたいですけどね。隊員なら仕方ないとは思いますが、理想としては緊急時に休養中の自衛官を空いている船に乗り込ませて即動かせないといけません。レーダー員を武器管制に使うといったことは不可能であるにせよ、担当が同じであればどの船でも扱えるべきなので、愛艦精神のような細かい習熟が前提の即応性に欠ける考え方は極力避けるべきでしょう。

■2020年11月19日(木)  メール添付自体がセキュリティリスクではある
むしろセキュリティリスクが増大する“パスワード付きファイル”、メール受信を排除する企業が登場
そもそもネットを通じてWordやExcelのデータのような動的なデータをやり取りするのには慎重でないといけないので、例え社内発だとしても添付ファイルは抽出後にローカルでチェックにかけ、アーカイブの場合はかならず自動実行を無効にしたアーカイバで展開したうえで展開先のディレクトリのすべてのファイルをチェックしないといけないのです。
セキュリティリスクとしては、暗号化データとメール添付ファイルやHTTP上でのダウンロード時の危険なファイルのチェックというのは分けて考えないといけません。パスワードを別途メールで送るという爆笑ものの慣習は別として、ファイルを暗号化するというのは、そのファイルを送ってきたのが復号キーを送ってきたのと同一人物であることと、ファイルを受け取ったのが目的の相手であることを確認する手段です。途中経路でぶっこ抜かれて内容が漏れたら嫌だから暗号化するわけで、相手の勤める会社(つまり会社の業務のために送られた通信は見る資格がある)というのが微妙ですけども、経路上のルーターやメールサーバーで中身をチェックされて見えてしまうなど言語道断です。一方展開したコンピューター上で問題のある動作をするようなファイルのチェックは、セキュリティを意識するならプレインテキスト以外のデータはすべて削除するべきであり、直メールにファイルを添付するのは言語道断です。なにがしかの動的コンテンツを含みうるデータ形式を認めざるを得ないとしても、少なくとも経路上のメールサーバーでいったん添付ファイルをすべて展開、中身がアーカイブであればそれも展開したうえで自動チェックをかけ、プレインテキスト部分だけ宛先に配信し、添付ファイルは別途ダウンロードするべきです。
なんだかわからないファイルを強制的に削除し、丸見え状態での添付ファイルは通すというのは、それだけではいささかおかしいと思います。取引先からのものも含めてメールにファイルを添付する必要がない状態にしておかないと、まともなセキュリティ対策とは言えません。

■2020年11月19日(木)  メンテナンスくらいしようよ
ウーバー配達員、自転車窃盗容疑 「多く配達するため」
「男はそれぞれの現場で、それまで乗っていた自転車を「ブレーキの調子が悪い」などといった理由で放置し、乗り換えていたという。」
自転車愛好家が聞いたら激怒しそうな話ですね。いや、盗むというのがそもそも問題ではあるわけですが、ブレーキの調子が悪いというのは整備不良であって、日ごろ使う道具くらいちゃんとメンテナンスをしておけという話です。シティサイクルではスピードが出ないのでロードバイクを盗んだというならまあ、わかるのですが、機材をメンテナンスもせずに使い捨てたというのでは、雇い主の同類であり、同情の余地がありません。
というか、ウーバーイーツって住居不定でも登録できるんだ。よくそんなのに自社の商品の配達を頼めるものだと感心しました。まあ、おそらく警察発表なので、登録済みの住居に居住していないだけかもしれませんし、その場合チェックのしようがないのですけど。

Uber Eatsが雑貨の配達に対応、Francfrancの商品を注文可能に
でもってこういうのを見るとちゃんと配達されるのか気になるわけですが、だれが何をどこに配達したのかは管理しているはずなので、受け取り確認も含めて、定価で数万円レベルのものであればこっそりがめて故買するような事故は考えないでよいのだとは思います。届かなかったらちゃんとクレームを入れるべきでしょうけどね。
でもそのうち、登録時の本人確認を組織的にたばかって商品をねこばばする犯罪が起きないとも限りません。個人では相当厳しいでしょうが、カジュアルに勧誘した人をニセの個人情報で登録させて、一回やらせたら登録を抹消するような手口であれば、それなりに稼げそうな気がします。もっともUber Eatsは、それでターゲットにしたくなるような数十万円以上の商品の配送はそうそう引き受けない気がしますけど。

「信号を守る」「逆走しない」 Uber Eats、配達員のスマホに交通ルール表示
安全研修やコンプライアンス研修を思い出します。まあ、この手の研修はやるのが当然で、今更こんなのかよと思ってもお付き合いするのが従業員の務めです。思わぬ気付きを得られたりもしますし、毎回再確認することで意識がついたりするというのが定説ですから。
ところで、「停めてある自転車を盗まない」、「配達に従事する際は機材の点検整備をする」なんて項目はないのでしょうかね。

■2020年11月19日(木)  ネット放送でもすれば?
「中国寄り」のせい? 台湾のテレビ局、免許更新されず
免許事業で言論の自由もへったくれもないとは思いますが、そもそも上訴先が行政院というのは変ではありますね。行政不服審査手続としてならともかく、普通の民主主義国家の制度なら裁判所に手続停止の仮処分を請求したうえで行政訴訟を起こす形だと思います。
ともあれどうお金をつぎ込もうとも電波という資源は増えませんので、電波放送という形態は、事実上電波行政という形で管理の独占を確立した行政当局に、法律の範囲内で左右されざるを得ません。資源利用の特権の上で政府の公正に期待するよりも紙であれネットであれ規制ができない(しにくい)領域で活動するのが、言論の自由を主張する人にとってはむしろ当然ではないでしょうか。

■2020年11月19日(木)  Macに割く机のスペースはない
「迷ったらAir」と言える存在へ。M1搭載MacBook Airを選べば間違いなし
そもそもノートのMacにお金を払う価値があるかどうかは微妙な気がしますが。
小さい画面で使うならiPadで十分ですし、大量の窓を開いて使いこなしたいならノート型では不足でしょう。最低でもMac miniかiMac、ちゃんと使うならMac Proです。その意味ではiPadにリモートデスクトップソフトが乗っていればノート型のMacなど不要です。
個人的には、MacOSとiPad OS対応ソフトの開発以外にAppleのプラットフォームに興味はないため、Windowsマシンからのリモートデスクトップ接続で十分です。Mac miniかMac Proを棚にでも置いて高速の有線イーサネットでつないでおけばよいのですし、電源入れっぱなしなので起動したらいきなりアップデートがかかって困惑させられることもありません。

■2020年11月18日(水)  この期に及んで需要の喚起など中小企業の言うこととも思えない
三村・日商会頭「外食促進のメッセージ」を国に要望
半導体産業や鉄鋼産業のような大規模装置産業ならわかりますが、独立運営の外食(セントラルキッチンのチェーン店は装置産業)のような小規模事業について中小規模の事業家を代表するとされる日商が需要の喚起を要望するというのはどうなのでしょうか。そもそも中小企業の特色は、柔軟性やアジリティであるはずです。つまり需要の変化や変動に柔軟迅速に対応し、マイナーなニーズを充足していくセクターのはずです。それがそろそろ発端から一年経とうという時期になってすら元の事業にしがみついて政府の需要喚起を求める、それで言い出す理屈が廃業が増えるというのは、そもそも需要がないからそれまでの事業を閉じる、コストを下げて一時的に雌伏して次の事業を探す、それがやりやすいのが中小企業という話を頭から無視しています。
仮にコストの縮小が限界にきているとしても、小規模外食産業のようなそもそも三密を避けえない業態で需要喚起はこの時点ではおかしいのであって、従業員を含めた生計費なり拠点の維持コストなりを制度や補助金で賄ったうえで店を閉めてもらうのが筋でしょう。個別の事業者や地方自治体がとりあえずつなぐために短期的な活性化策を講じるというならともかく、全国レベルの事業者横断組織が商売にならないから感染拡大防止は棚に上げて需要の喚起を求めるなどというのは、ステークホルダー政治にしてもひどすぎます。

■2020年11月17日(火)16:53  だから民営化しろというので
研究の軍事利用、学術会議に検討促す 井上科技相が答弁
そりゃ自衛隊を抱え防衛産業とも相対している政府としてはそうでしょう。
逆に言えば、そういった干渉をはねのけるためにも学術政策の権威は自立した中立性を保つことが求められるわけで、国家予算で運営され、国の補助金で研究費どころか研究機関の維持費を賄っている研究者から構成されている組織ではそれが期待できないので、民営化すべきであるわけで、それこそ博士の学位の保証料を年額12万円ほども取ればよいのです。あれは公的資格というより仲間内で通じる一人前であることの承認みたいなものですから、維持するための会費を納めて、さらに一人前の研究者として学術政策に物申せばよいのです。学術会議の現在の予算規模を保つためには、年に12万円を払う博士が10万人いればそれで済むのです。

■2020年11月17日(火)  事業を譲渡して会社だけ残す不思議
「地球の歩き方」事業譲渡 コロナで海外旅行状況が変化
事業譲渡はわかるのですが、そもそもなぜ、他に事業などなさそうなダイヤモンド・ビッグ社からわざわざ事業だけ譲渡するのでしょうか。出版事業だけでなく、インバウンド向け情報提供事業まで譲渡しています。普通なら、ダイヤモンド・ビッグ社自体を学研プラス社が買収したうえで合併でも何でもしてしまえばよいはずです。こういうことをする理由というと、ビッグ社の債務と切り離して事業を譲渡したうえでビッグ社を破産させて清算してしまうあたりのように思えます。まあ、体のいい債権者への負担押し付けと整理解雇ですね。さすがに見え見えだと債権者から異議申し立てが出るので、補償策なども含めて主だった債権者の了解は取り付けているはずですが。

■2020年11月17日(火)  素材が動物由来でなければよいとは即物的な
Beyond Meat「過去最高にジューシー(当社比)」な偽肉バーガー新製品を発表
うーん、子供じゃあるまいし、そうまでして牛肉っぽいものを食べたいですか?いやまあ、たまに食べたくなること自体は否定しないのですが、たまになら肉をちゃんと食べればよいでしょうに。主義主張や宗教的な事情がある場合は別と言えば別でしょうが、そもそも主義主張にしろ戒律にしろ、肉に類するような堕落の源に誘引されてはならない、あるいは命に等しい肉を食用とすること自体が罪深いと言っているのであって、偽牛肉など意味があるとしたらヒンズー教徒あたりが牛は食べていないと主張するくらいでしょう。それもどっちかといえば、牛っぽいものでも食べたら聖なる牛に対する冒とく、ベジタリアンが肉風味の食材を食べたら肉食志向への敗北ではないかと思うのですが。
まあでも、ニセバーガー自体は興味深いのです。存在意義自体を疑わせるものであっても、人類の英知の成果であれば試すのが筋でしょう。

■2020年11月17日(火)  そもそもOSはアプリケーションを動かすためのプラットフォームなんですけどね
アップル、macOSのアプリ起動チェックにプライバシー侵害の懸念はないと説明
「ユーザーがこれらのセキュリティ保護をオプトアウトするための新たな設定」
まあ、オプトアウトが落としどころでしょうね。オプトインではリスクが大きすぎますし、必須もハウスアプリでの証明書取得・維持コストを考えるときつすぎます。問題はリスクを理解せずにユーザーがオプトアウトしてしまうケースですが、悪意のないアプリ開発者の証明書取得促進のために、できればAppleには開発者への証明書発行の負担軽減策を導入して欲しいところです。Webブラウザならいざ知らず、アプリであればApple発行の証明書で十分通用しますし(証明書管理の手間を考えると適切な信頼性を持つ外部機関発行の証明書も通用するようにして欲しいですが)、どのみち決済手段指定時に一定レベルの本人確認はできるので、公開時のアプリ審査やセキュリティ事故発生時の停止処分と組み合わせればリスクは十分軽減できるはずです。

■2020年11月16日(月)  リンクを張ってあるのに社名を間違うな!
AIチップの性能評価基準を考えさせるFlex Logic AIプロセッサーの昨今
どんなのだったのだろうと思ってググったら出てこず、あれ?と思ったのですが、2ページ目にFlex Logixとして出現。よく見たら記事中のリンクのドメイン名もflex-logixで韻を踏んでいます。これ、間違えちゃダメでしょう。

■2020年11月16日(月)  ディスタンスへの違和感、あるいは自分における違和感のなさ
「音楽の危機…第九が歌えなくなった日」(中公新書)
著者の岡田氏は個人的にお気に入りですが(主張には同意できないところも多いですけど)、本書では「集まれない」状況での音楽シーン(本書に言う「音楽」と「録楽」の対立における「音楽」ではなく、普通に言うところの、録音まで含んだ音楽)が論じられています。
読んでいて、どうも意図的なものではないかと思えたのですが、本書で未来として、未然として提示されたものは、著者が挙げているような実験的なもの、あるいはもしかしたら行われているかもしれないマイナーなものではなく、クラシックのライブ演奏では当たり前ではないかもしれませんが、ごく普通に行われているものばかりです。例えば「Girls und Panzer劇場版」や「響け!ユーフォニウム」付属の劇伴録音映像では、明らかにパートごとにブースに分かれて録音が行われている様子が見て取れますし、演奏者も録音技術者もそれに違和感を感じている様子はありません。そこに、上演会への入場にペルジールシャインが必要であるといったリアリティを伴う未然の事態が交えられることで、不思議な違和感が生じています。この違和感は、たぶん、私がそれこそ「録楽」の清潔さに慣れてしまって、ライブ録音にすら違和感を感じる(例えばオペラのライブ録音を聞いていて、時折入る観客のしわぶきや椅子の鳴る音が邪魔に聞こえる)ときの違和感、あるいはそうした「雑音」を排除しないのが「音楽」だという主張に感じる違和感とは別のものだと思います。
また、演奏(と再演もしくは聴取)におけるディスタンスを扱った後に、著者はアルヴィン・トフラーに触れていますが、そこでトフラーの示す「核家族促進キャンペーン」というディストピアを描く調子は、左右を問わずマスメディアの「人のつながり」(あるいは正規雇用や包摂、共感、共助など)を説く様子と呼応しているように見えます。かの論説を読むときに感じる違和感が、トフラーの提示する「キャンペーン」に重なって感じられます。まず岡田氏が書いているように、それは「もちろんそんなことなんてできないでしょ?」と終わるわけです。この部分のテーマは愛や絆のイデオロギー性であり、したがってそこに愛や絆、あるいはそれを説く言説を引いた位置から眺めようとする意図を読み取ることは間違いではない気がします。もちろん岡田氏は、「自らの」立ち位置としては愛や絆に価値を置き、「音楽」への愛、「音楽」に触れる場への愛着を説くわけですが、それを前提として受け入れられない、ディスタンスや個別化とのジンテーゼとして説かざるを得ないことが、この部分を書く動機となっています。
とはいえこの部分の結論として、私から見れば唐突に「各自の強靭な即興能力が前提になるだろう。…トフラーが脱集中を唱えるときに前提としていたであろう、「距離はとりつつ気配は感じ取れる」という適度の近さまでもが消されかねない点にある。」と出てくるのはおかしいのであって、「公演」を前提とするために岡田氏は場の集中性のみを論じていますが、第三の波における現象の一つとして時間の集中性の廃棄も含めることが、解釈としては一般的ではないかと思います。そのモデルは岡田氏が本書で言及したフィルム編集や氏が日常的に実践しているであろう「共著」であり(同様に氏が言及しているパート単位で録音した演奏のミキシングや部分的な演奏のコラージュはこのモデルの上で行われた実践です)、異なる場所、時間にいる共同作業者が独立して作業を行い、それを「場」に「コミット」することで、成果物を完成させます。このモデルを敷衍させたコンピューターソフトウェアの開発作業はより極端であり、過去の部分的な成果物を「ライブラリ」としてストックしておき、必要に応じてそれを「リンク」または「参照」(リンクと言う場合はスタティックリンク、つまり完成品である実行ファイルにライブラリ中のプログラムが含まれる印象が強く、一方参照と言う場合は、それこそ呼び出す部分に学術論文のリンク(参照番号や著者名と刊行年次のような)のようにどのライブラリのどのプログラムを呼び出すかについての情報が置かれることは変わらないにしても、ダイナミックリンク、つまり呼び出し時に参照情報を元に呼び出すべきプログラムを探し出して実行用メモリ空間に展開、実行する印象がある)して成果物を作り上げます。また典型的なコラボレーションスタイルのオープンソースソフトウェア開発では、あるプログラムに任意のプログラマーが重層的に変更を施します。こうした、時間的、空間的隔離の中でコラボレーションを適切に進めるノウハウの開発がソフトウェア生産技術の重要なテーマのひとつであり、そこにはソフトウェアの現状と事前ないし事後のオンラインでの議論以上の合意はありません。その最悪の形での表れが編集合戦です。必要な機能あるいは問題点と解決策を見出し整合的に組み込むというのは氏の説く即興能力に通じるものがないとは言いませんが、文脈から見て相当異なるものであるように思います。むしろ、こうしたコラボレーションに必要なものは、完成させるという強固な合意自体(これはジャズメンの演奏を最後まで引っ張っていく能力、もしかしてそれはコンダクトではなかろうかと思うのですが、それに通じるものがある)ではないでしょうか。例え妥協することになろうとも完成版をリリースするという強固な合意が共有されていて初めて、コラボレーションが成立します。まあ、コンピューターソフトウェアの場合、どうしても妥協できないならフォークする(自分の主張に合った別のプロジェクトを立ち上げる)という発想があるわけですが。演奏時の同時性の廃棄、あるいは視聴者に届く時点で初めて完成形を獲得するというスタイルを退けること自体は氏の望む議論の流れですが、そもそも「公演」、つまり異なる時点においては再現不可能な同時的コラボレーションそのものがトフラーの議論においては廃棄されているのであって、ヘリコプター弦楽四重奏曲を引いておいてその後の議論であえて空気を読ませるような状況設定をするというのはおかしいですし(なにしろ私など、しばらく読み進むまでそれが反実仮想であることに気づかなかった)、それをするならクリック音による同期以上に同時性を導入する必要性をもっと議論しないといけないと思います。それはもはや「あたりまえ」ではないのですから。むしろその後の「これが音楽の予言する未来社会のモデルなのだとすればてとも恐ろしい。」が先に来るべきです。そこでは引用されているビートルズのエピソードとともに、ポピュラー音楽の演奏者がポストプロダクション、つまり録音完了後の編集、調整工程にも参加することが多い点も(例えばThe Squareの2018年のファンブックに掲載されたインタビューでは演奏者が録音やポストプロダクションに積極的に関わったことが触れられていますし、同バンドのHorizonの特典DVDには録音のみならずミキシングに演奏者が立ち会っている様子が収録されています)紹介されるべきです。そうした必要性の導入は、その場その時のコラボレーションという情緒的な理由では不十分で、この部分はなぜ空気を読みあう「音楽」でなければ「恐ろしい」のか、「これが常態化してしまうと何が失われるか、今の内から強く意識してお」く必然性について、説得的ではありません。わからない人は「音楽」とは縁のない人だと言ってしまうことは容易いのですが、本来漠然とした不安を感じている人にはっきりしたイメージを与えるとともに、わからない人に自分の問題意識を説得的に提示するために論説をするはずで、問題や考察が見当違いという以前に、おかしい、不安だ、恐ろしいの同語反復では、説得力も何もあったものではありません。「「気配」こそが、録楽とは違うものとしての「音楽」の生命なのだと、一人でも多くの人が実感できるような何かをしなくてはならない。」では、「公演」という場の共有こそが「音楽」という芸術の本質だという主張を繰り返しているだけに過ぎません。それを理解したいとは思いますが、岡田氏の議論は私にそれを理解させられていません。コンテンツサプライヤー側からの懸念としてよくあるのは「作品」を素材としてエンジニアが加工することへの不安で、ビートルズが訴えた不安はこれであろうと思いますが、これは岡田氏の説く気配を読む感覚を排除する(あえて失うとは書かないでおきます)不安とは別のものです。
個人的には演奏において場を共有することはある面で「音楽」の本質であろうとは思いますが(セッションにおいて場を共有することで現れるものはあるでしょう)、演奏者から引き離した形で存在する聴衆を含めた場の共有は本質であるようには思えません。公演される「音楽」において演奏者が聴衆からフィードバックを受けるにしても、録楽だけでなく、そうでない「音楽」、つまり演奏者以外に聞き手のいない「音楽」というのも存在するからです。プロにおいてそれが聴衆の気配を読むことと分離されていないとしても、演奏において気配を読むことと公演において聴衆の気配を読むことは別に論じられるべきで、それが一緒くたに議論されてしまっている点で、この章は未整理であると感じます。

公演施設(というか音楽を聴く場)についての部分で、さぬき市野外音楽広場が出てきます。建築家が色々頑張ったのはわかるのですが、音響がどうこう言う以前に、クラシック器楽の演奏家はここでの演奏を嫌がりそうに思います。というのは、電子楽器と金管楽器を除き、クラシック音楽の楽器はこの環境では破損するからです。打楽器も例外ではなく、増して木管楽器や弦楽器となれば木の部分が歪んだりひびが入ったり、ピアノも温度変化によって調律が狂うでしょう。吹奏楽団が野外での行進演奏でチューバの代わりに強化プラスチックのスーザフォンを使う話ではありませんが、モダンな素材の普及品楽器(それこそ学校向けのプラスチック製リコーダー?)をあえて使うのかもしれません。
演奏会場においてモダン的スクエア志向、細密充填パッキングから距離を取ってみることも必要ではないか、客の間が空くことに表現の可能性を見出せないかという主張は、まあ、わかります。しかしそれは、それこそ岡田氏が指摘する通り、クラシック(やメインストリームのポップス音楽)の寄って立つ空間構造や音響を揺るがしかねません(文中にある通り、バロック以前の室内楽曲であれば問題ないでしょう)。それを逆手に取った前衛作品や前衛演出はありうるでしょうが、それでも、ぶっちゃけた話になりますけど、前衛演出でライブをやって客単価が1万円(スターアーティストを招いたクラシック系の演奏会なら10万円近く)になるのでしょうか。空間を空けるということは、これまでと同じ利益を出すためにその分客単価を上げる、あるいは一日あたりの公演回数を増やす必要があるということです。付加価値という点では今月のテレマン協会の演奏晩餐会のような形式はあるでしょう(あれも一種の「逆手に取った」空間構成に料理とテーブルという付加価値を加えた形ではあります)。もしかするとシングルルーム一泊5000円くらいのビジネスホテルを使う演出もあるかもしれません。ホールを使うにしろ、本書にあるようにシールドをカプセルにする手もあるでしょうし(この場合、客もカプセルに入るんでしょうね)、照明や投影などでそれを利用した演出はステージデザイナーならいくつも思いつくでしょう。おっしゃる通り、音楽史上、空間構成がしばしば作品と密接に絡んでいることは確かです。作曲家や演出に意識的な演奏家(大衆音楽に多い)ならば、斬新な空間構成の利用はあり得ます。しかし動員人数が減ることは避けようがなく、もしかすると経営面ではやらない方がまし、休業してインフラを全て落として従業員を解雇して雌伏するのがましかもしれません。アイデア出しは楽しいでしょうが、「アイデアはいいんだけどねぇ」では芸術以前に商売にならないことは、残念ながら近代社会である以上否定できないのです。
客の間隔を空けたり入場時の消毒処置を徹底するといった上演技術上の対応がどうにも痛々しいのは全くその通りです。というか、岡田先生は大学で講義もしているわけで、ソーシャルディスタンスを取った客席を見て、でかい講義室で受講者の少ない受けの悪い講義を思い出して気持ちが悪くなったのかもしれないなどと、変な想像をしてしまいました。個人的に他人事だからですが、そこまでして公演をしないとだめですかというのが正直なところです(いやまあ、公演収入で家計を維持しているような演奏家のことは措いておいて、という話ですけど)。いやだって、売って稼ぐなら録楽だっていいですよね。聞いてもらうならネット配信だっていいですよね。それは「音楽」ではないかもしれませんが(「ネットによる「録楽」鑑賞で十分ということにもなりかねない」)、演奏者と聞き手にとってないよりましなものではあります。あるいは、この状況で演奏者として生き残りを図れるのは、ハイアマチュアと大道芸人かもしれません。そもそも演奏するのがやっと、あるいは聞くしか能のない愛好家は録楽で我慢するしかありませんし、商売として成り立つ額を稼がないといけないプロが生き残るにはそれなりの条件があります。ハイアマチュアであれば演奏を十分知っているだけに演出にも手を出せますし、手の届く範囲で工夫を実験できます。大道芸人も、客の状況を見計らうことは十分可能でしょう。
それはよいとして、聴衆からお金を取って演奏家がお金をもらうイベント(というかパッケージされた製品を買ってすますモデル)というのは、それこそアクチュアルなアートとしては「終了」したのかもしれません。COVID-19騒動で特に最近になって目立つのは、買ってくるというモデルの破綻です。3月くらいからしばらく、マスクや消毒液、一時期はティッシュペーパーが買えないという事態が発生しました。その後政府が給付金の支給手配を外注して大失敗、さらに今もGoToシリーズで、あり物を買ってすまそうとして失敗を続けています。岡田氏が第九の合唱をもはや過去のままの姿勢で聞くことができないように、演奏者が差し出す音楽に聴衆が聞き入ることは、物理的なディスタンスにしろ心理的なディスタンスにしろできないのではないでしょうか(慣れ親しんだ曲の感動的な演奏を聴いて法悦に浸るポップスコンサートは別ですが)。もちろんそのずれ、違和感自体を演出に使うことはできますが、相当上手にやらないと陳腐な前衛的演出になってしまいます。死ぬ覚悟であえて三密に身を曝すとすれば、納得できる場としては自ら演奏する場しかないのではないか。パッケージなら録楽(それも疑似低音しか出ないiPodでの再生 - いや、物理的に根拠があるにしてもスピーカーでしか真の低音は出ないというステレオマニアの主張がどうも鼻に付くのですよ)で十分で、身を危険に曝すほどの価値はないように思えます。自ら楽曲の受肉(incarnation)に関わることでコンサメートし、カタルシスを得る(お手軽に買ってくるのではなく得るまでやる)ことが可能性としての死に釣り合うアートなのではないか。そういう視点もある気がします。このあたりは、私がソフトウェア開発における協働モデルに寄せて考えてしまうからかもしれませんけど。

もっとも、私個人としては、ディスタンスはごく自然なものでしかありません。ライブ録音やライブでの雑音や空気感に違和感を感じるように、集うことは集約することの手段でしかなく、おそらくより効率的な代替手段があるもの、それによって代替されないといけないものです。映画ですら、とも言うべきでしょう。離散的な電気信号にパッケージされ、「個」別の配信先で再生デバイスに応じて再変換され再演される(ゆえにアナログな再生デバイスにおいて与件であったフォーマットは作成時の条件を示すものに過ぎず、回線容量と再生デバイスの(対応)能力で定まる限界や遅延を伴うとはいえ、アップコンバートないしはダウンコンバートされる)もので代替できるのであれば、映画館など行きはしないのです(「劇場版?Fuck!」)。

というか、ベートーヴェンの第9の第4楽章を聞きなおしてみたのですが、しつこく同じモチーフが流れますね。第5の第1楽章もなかなかしつこいですが、同じ音型でテナーだのソプラノだのコーラスだのと引き継がれていくのでまた出てきたなという…こちらはワグナーですが、タンホイザーの行進曲がしつこいのもそういうことなのでしょうか。

■2020年11月16日(月)  政治的な言論なんて右も左も同じと思える例
米大統領選 バイデン大接戦制し、米民主主義の危機救う
トランプ大統領が民主主義の危機かどうかはどうでもよいのですが(個人的にはあの政策は嫌いですけど、排外政策を取るのも民主主義の在り方だとも思います)、
「「白人国」への回帰?」
この視点、わかるのですけどもう少しましな表現がないのでしょうかね。
というのは、もちろんアフリカ系や中国系、インドシナ系、イラン系など、あるいはネイティブアメリカンの扱いには問題があるわけですが、いわゆるヒスパニック、つまり中南米諸国に由来するスペイン語・ポルトガル語圏出身者も排斥されています。また歴史的にはイタリア系やドイツ系、ゲール系なども排斥されていました。明らかに見た目が違うという点で排斥が目立ちやすいですし、そもそも「白人」という概念自体、あいまいではあるけれども、見た目の違いがなく文化も共通するご近所さんというレベルの合意があるのは確かですが、アウトサイダーがこの言葉を使ってしまうと読者の理解を誤らせる危険があります。またこの概念自体左派からはネガティブな評価をされるものであり、言論として、左派アクティビズムならともかくアメリカンリベラルからは忌避されるはずのレッテル貼りに堕する危険があります。
右派ポピュリズムを危険視するあまり同じことをやってしまっては、リベラルを標榜する立場としてどうかと思います。

■2020年11月15日(日)  宮城の空に四発ジェット
四発ジェット機が飛んでいました。
仙台空港に747やA340なんか来てたかなと思ったのですが、どうもヨーロッパ行きの成田発日本貨物航空便のB747-8Fのようです。

■2020年11月14日(土)  だから間違ったことを書くなと
UBIsoftモントリオールオフィスで人質事件騒動。通りを封鎖の事態に発展も原因はいたずら電話
「本社はカナダにありますが、世界19か国に開発スタジオを置いており、なかでもフランス語が多く使われるモントリールオフィスは1996年と早い時期に設立されています。」
いや、モントリオールってカナダですけど?というか会社の登記地はフランス、しかもパリの郊外のようですが。もしかすると、
「本社はフランス(ないしはパリ)にありますが、世界19か国に開発スタジオを置いており、なかでもフランス語が多く使われるモントリオールオフィスは1996年と早い時期に設立されています。」
の間違いでしょうか。
イタ電並みに迷惑な行為なので、出稿時には十分に読み直しをするべきです。答案を提出する前に読み直せと、小学校で教わりませんでしたか?

■2020年11月14日(土)  素人が陥りがちな失敗ではあるのですが
マツダ ロードスターRFと魅惑の高級空気圧計
使ってきた実感として、圧力計の誤差というのは桁単位であり、製品どころか個体ごとに倍は違うのが普通、測るごとに一割ほどもずれることもあり、正しく測るというなら圧力基準から調達すべきであり、かつ測り方(エラストマーに充填した流体の圧力であれば充填後一定時間が経過したところで測るとか)も重要なのです。逆に言えば、圧力計というのは信頼できないものなのです。徹底的に信頼性を高めたのが気象観測用の認定付き気圧計の類で、これは適宜校正を行うことが前提です。
というわけで、買ってきた圧力計のどれが正しいかという問い自体間違っていると思います。
多分次回か次々回の最後にメーカーや専門家に話を聞いて終わるんじゃないかなあ。

マツダ ロードスターRFと7つの空気圧計を持つ男
とりあえず自己解決したようですが、ネタとしてはともかく、素人が比較校正をするというのはあまり感心しません。というか圧力計の校正にはちゃんとJIS規格がありますので(JIS B 7547-1:2020)、まず規格書を買って読むべきでしょう。そもそも6台も買わなくとも、例えばこちらなら、1万円も払えば保証付きで校正してもらえます。相当真面目に校正をやって正規の証明書を発行してもらっても、購入費用の倍程度で安心を買えるのではないでしょうか。

■2020年11月14日(土)  読み手の責任
今、どこで紅葉が真っ盛り?
リテラシーがどうというよりも、読み手の責任が重くなっているということでしょう。書き手、情報の供給側は非常にカジュアルになっています。元々口コミなどはカジュアルな情報源であったわけで、外れても文句は言わない、正確性が重要なら裏を取るというのが当然です。重要な判断のための情報であれば裏を取る手順が厳格に、かつ高コストになるわけで、伝達の専門家による分析を経た情報の供給というのもその一つの在り方です。
基本的には自身のニーズを勘案してコストと正確性や信頼性のバランスを取るというのが読み手のリテラシーです。コストをかけた挙句に価値のない情報をつかまされることもあるのですが、それを十分な蓋然性をもって判定できるようなコストのかけ方をするわけです。もちろん何でもかんでもそんなコストをかけていたら金も手も足りないので、例えば最寄りの肉屋の商品の品質は気にしないが近所の床屋のどこが安くて腕が良いかということはしっかり調べるような取捨選択をするのもリテラシーです。あるいは国連常任理事国の情報はしっかりと取るがスリナムあたりは現地のテレビと新聞に留めるのです。自分の目で見られない話についての情報は信頼性や正確性を気にしない、関わらないのが貧乏人の情報リテラシーであって、そこでフェイクニュースだリテラシーだと言っても仕方ありません。またその信頼性の低さまで楽しむのが遊び人の情報リテラシーでしょう。学者だって高度に蓄積したデータベースから正確性を判断するにすぎず、知らない分野や過去の知見と断絶した変化については判断を誤るのです。もちろん、問いに対して効率的に十分なデータベースを構築するのもリサーチャーの能力ですけどね。その上で、誤っている可能性を念頭に置いて行動するのが、読み手の責任というものです。
その意味で、買えば正確な情報が手に入る→費用をとにかく少なくするのが正しい→コストを意識することなく容易に入手できる口コミに頼るという小商人的な発想が情報発信や読みを退廃させたとは言えるでしょう。ちなみに大商人であれば、各地の紅葉の状況が重要であれば適切な場所にカメラを設置してネットワークにつないで状況を把握し、その情報を売ることで元を取ります。人によっては、紅葉の名所を作って入場料や物品販売で儲けるかもしれません。

■2020年11月14日(土)  返せばよいでは済まないので停職なのでしょうけど
駐輪場代浮かせるために…… 福岡市職員を停職処分
まあ、福利厚生なんてこんなものです。このレベルの不正行為は千年以上前から尽きないので、給与生活者の宿痾ということでしょう。摘発と適正な運用も結構ですが、そもそもできないようにした方が良い気がします。通勤手当なら、自宅徒歩圏からチャーターバスでDoor to Doorとかね。というか、市職員が職場に歩いて通えないところに住むというのがおかしいとも言えます。

■2020年11月14日(土)  余計なことを言わないのも役人の仕事のうち
ここから検討を進めてきたわけですが…
アショア代替、イージス艦なら費用1.5倍 防衛省試算
試算の根拠が違っていやしませんかね?
「陸用の部品を海で転用する費用」
それは無茶では?本来海用の機材を陸に転用するために作った部品であるわけで、陸では運用できないとなればそもそも海用をはじめから作った方が、既存の装備との融通の面でも楽なはずです。陸用にしか使えない装備については、清算するしかないでしょう。
もちろん調達済みの部品代など、相当の本来不要であった支出が出てくるわけで、その点は誰かが責任を取る必要があります。とはいえそれは政治決断であり、民有地に燃えがらが落ちてくるような装備を配備できない、現地住民の反対が強いという点を考慮しなかった(こんな話は自衛隊にとってはいつものことのはずで気づかないはずがない)提案側のミスについては防衛官僚や制服組立案担当が責任を問われるにしても、考慮の足りない提案を政策として出してしまった、しかし検討の結果、政策の清算において大きな出費が発生するにしても、政策を転換することを決めたという話ですから、役人は淡々と、例えばこれだけをすでに支出済みであるがそれがパアになり、イージス艦をフルスペックでもう2隻作るならいくらかかるという話をすればよいのであって、部品の転用で費用がなどというしょぼい話を強弁するべきではないのです。ここまでやってしまった以上アショアがいいのだ、ごり押ししてでも配備した方がコストが少ないという話だとしても、それは政務官から出てくるべき話で、防衛省から出てくるべき話ではありません。なにしろ、要求を充足するためにいくらかかるか、そもそも実現できるかわからないから中止されたわけですから。
総コストは「試算できず」 イージス・アショア代替策
代替策というか、そもそもなんでイージスアショアを海に置く話になるのやら。そもそもがイージスアショアというのはイージス弾道ミサイル防衛システム、つまり空中発射型や陸上発射型の巡航ミサイルを迎撃するための海域防空システムであるイージスシステムに高高度での弾道弾迎撃能力を付与したものを陸上に置くことを念頭に再パッケージ化したものです。つまり、すでに海上自衛隊でも導入経験のあるイージス弾道ミサイル防衛システムを追加配備するなら、相当高額にはなるものの試算不能などということはないはずです。それを、発注してしまった陸上型設備を海上に転用などと言い出すからおかしなことになるわけで、アショアを違約金を払ってキャンセルするかデリバリーまでしてもらってデッドストックにするかは別途決めるとして、通常の艦載型イージスBMDを使えばよいでしょう。管轄が陸上自衛隊から海上自衛隊に変わりますが、ちゃんと幹部を説得するのは防衛大臣の仕事です。また多数の乗員を必要とするイージス艦が増えると海上自衛隊の人員手配に負担がかかりますが、陸上自衛隊や海上自衛隊の枠からの抽出も含めて方針を指示するのも防衛大臣の仕事ですし、試案を作るのは防衛省の仕事です。

「防衛省よ、SPY7になぜこだわる?」専門家が指摘
ほら、言わんこっちゃない。
米軍ですら水上艦搭載の話がないのであれば、そもそもSPY-6で十分だということです。AEGIS-BMDだってSPY-1Dで動かしているわけですし。もちろん艦の更新やSLEPに合わせた新システムの採用は検討されているでしょうが、ズムウォルトでSPY-3、アーレイバークのフライトIIIですらSPY-6が乗るかどうか、次の艦級だと建造のサイクルから言って就役は10年は先でしょう。その前におそらくこんごう型の更新の計画が出るはずなので、そこで米軍と新システムの共同開発について協議すれば済むはずです。
もちろん製造元に相談はしちゃったわけなので、ちゃんとお金は払って引き取って、富士山麓にでも設置してミサイルなしで遊んでみるので良いのではないでしょうか。
というか、伝統的に日本では陸上設置型・車載型の中長距離ミサイル迎撃用機材は航空自衛隊の管轄のはずなのですが(ナイキからパトリオットPAC3までそう)、なんでまた陸上自衛隊になったのやら。

イージス・アショア代替、自衛艦で 政府方針固める
これ自体は妥当なのです。商船に載せてダメかどうかは判断がつきませんが、大規模なレーダーシステムがブリッジに置かれ、船体上部にミサイル発射基(おそらくVLS)が置かれるためトップヘビー気味になること、ミサイル発射時に船体にそれなりの負荷がかかると思われることから、載せられるように船体の設計をいじるよりは実績のある護衛艦の設計を踏襲した方が良いという判断は合理的でしょう。
問題は、イージスアショアのシステム自体を船に乗せるのか、従来のイージスBMD搭載の護衛艦を改めて発注するのかです。価格や運用コストがどうなるか不明というのは前者のケースで、後者であれば既存の護衛艦とかけ離れた値段にはなりません。これが戦域防空目的で、多数飛来するミサイルを迎撃するとでも言うなら、それこそ20万トン級のタンカー船体に多数のVLSを積む方が護衛艦を必要な数用意するよりも安上がりという可能性はあるのですが、現在日本が構想している弾道ミサイル防衛は、北朝鮮あたりが発射する数発の中距離弾道弾、あるいはロシアか中国が他の国の攻撃のついでに発射するやはり高々20発かそこらの中距離ないしは長距離弾道弾の迎撃です。Mk41 VLSのMk176mod2発射基一基で基本的に50基以上のミサイルを発射できますので、弾道ミサイル迎撃専用艦であれば(普通は対艦ミサイルや巡航ミサイル迎撃用ミサイル、対戦ロケットなどを混載する)2〜4隻あれば弾道ミサイル一発につき迎撃ミサイル10発を割り当てても間に合う計算になります。つまり従来のイージスBMD搭載護衛艦の延長線上で間に合うはずなのです。64セルの発射基を使うのだとあたご級の船体がベースになるでしょう。

■2020年11月13日(金)  むしろANAが将来絶望
生き残りをかけたANA「400人出向」 左遷でなく“将来有望”のチャンス?
まあ、ANAの生き残りをかけているかどうかについては疑問がありますが、出向先でしっかりやった方がANAで続けるよりよほど将来有望ではあるでしょう。そもそも人員削減をやっても会社再生になりかねない状況なので、残っている人の方が先行きが怪しいのです。
またJALやANAのみならず各国のフラッグキャリアが軒並み、半年の需要消滅にすら耐えきれないほど利益が薄い状況になっていたことからわかるように、現在の航空旅客輸送は単体で利益が出る構造でも安定した成長が望める分野でもありません。アジャイルでリーンな経営という名前で自転車操業をするか(格安航空がこのモデル)、輸送以外の分野で利益を稼ぐしかないのです。輸送以外の分野の手掛かりを作ってくることが目的の出向という考え方もできるわけで、知見やコネクションを持ち帰れば事業部のリーダーということもあり得ます。特に薄利多売でない、粗利を高める経営をしているような業種に行った人が新しい知見を持ち帰ってくる可能性は低くないでしょう。まあ、そのわりにはこの記事で上がっている出向先が、薄利多売か親方日の丸ばかり、もしかしてコネで無理を聞いてもらったのではないかと思えてしまうところなのが気にはなりますが。それでも、CAの機内ブランド品販売と空港の売店よりはましなビジネスを見ることはできるでしょう。
精神論や人的資本形成論など援用せずともポジティブな議論はできるわけで、終身雇用と熟練のモデルに対置できるような堅固なモデルや論を構築して欲しいものです。
それと出向自体は、それこそ昭和モデルから連続した雇用制度の曲解の上に成り立っている面があるので、昭和モデルを批判するならメンタルヘルスだけではなく、事業転換と人事制度、雇用制度をきちんと論じるべきです。会社(制度)は事業のための道具でしかないにせよ、何が許され、どう使っていくべきかはその制度の中で生きている従業員の在り方に直結します。特に昭和末期から平成前期はユートピア的なビジネスモデルから昭和(というかアメリカ由来なので戦後)のビジネス慣行を批判した面があり、それが現在のビジネス論につながってしまっています。「気の持ちよう」では済まないのです。どのような論説を書くにしても、そこは押さえてほしいと思います。

■2020年11月13日(金)  自分の間抜けを他人のせいにするのがおかしい
中古市場で最も大きな課題は「ネットワーク利用制限」 RMJ粟津理事長が提言
そもそも利用制限のかかっている端末をそれと気づかずに売ってしまう業者の方が問題でしょう。最低限通信に使えることを確認してから販売すべきで(できないものは中古ではなくジャンクと言うべきです)、利用制限がかかっているなら売り主を通報したうえで制限をかけた通信会社に解除を要請すべきです。
むしろ中古端末についてメーカーサポートが終了している、あるいは終了時期が迫っている場合がある点の方が問題で、メーカーサポート、特にOSのアップデートサービスが切れている端末でのデータ通信は、重大なセキュリティリスクとなりえます。もちろんそれとわかっていてローカルネットワーク限定の端末として使う例はありますが、それは自己責任でジャンクとして使っているわけで、自己責任も何もわからない素人に認定中古品業者が売っていいものではありません。

■2020年11月13日(金)  メールって正気ですか?
道路使用許可がメールで申請可能に 2021年から
なんでメール?
まさかどこから出てきたのかもわからない平文メールで申請を受領するとも思えないのですが、フォームに記入して電子署名したものを提出するなら、申請サイトからアップロードさせれば済む話でしょう。どうにも頭の中が20世紀の終わりで止まっているようにしか見えないのですが。

■2020年11月13日(金)  数値シミュレーションは万能か
スパコン「富岳」で行なわれた研究がゴードン・ベル賞の最終候補に選出
「〜水槽実験や風洞実験がシミュレーションで完全代替できる時代が到来」
煽りたければ煽ればよいのですが、数値シミュレーションというのはあくまでも盛り込んだ要素の範囲内で結果が出てくるものです。もちろん水槽実験や風洞実験もモデルでしかなく、実寸で動かしてみたら思ってもみなかった結果が出ることはあり得るのですが、用いている式が起こりうる事象を少なくともマクロで網羅しているという前提がなければ、数値シミュレーションは物理シミュレーションの代替とはなりません。流体力学がそこまで現象のモデル化を完成させているのかどうか、気になります。

■2020年11月12日(木)  クラウドだって同じことなのに、なんで安全とか安心とか言えるんでしょうね
YouTubeが閲覧できない不具合発生。現在は修正済み
まあ、この程度のことは普通に起こります。問題は、落ちるよ、保証しないよと言っているサービスが落ちていることよりも、クラウドサービスもこのレベルだということでしょう。つまりトラブルが発生し、手元でコントロールできないことを前提に、導入の検討をしないといけないわけです。

■2020年11月12日(木)  Firefoxがなんだか変
黒い縁やタブ移動に邪魔な推測変換リストが現れました。ページ上のフォームは縁がつかないようで、妙に中途半端感があります。

■2020年11月12日(木)  冬のコカコーラ=サンタクロース
PayPayやd払いなどで50%還元 コカ・コーラ社の飲料品購入で
ええと、業者向け通販の拡大だろうかと思ったのですが、自販機の販促とマーケティング施策だったようです。
というか、せっかく冬のコカコーラなのですから、ポイントを貯めるとクリスマス前日にクラシックなボトルをベースにしたミニスカサンタ衣装が届くくらいの炎上目当てのはっちゃけた企画をして欲しいものです。いや、サンタが赤いのはコカ・コーラの宣伝で赤い衣装のサンタクロースを使ったキャンペーンが行われたかららしいのですが。

■2020年11月12日(木)  国の機関としての学術会議は学者にも政府にも無用
学術会議への政府介入は「人間存在の否定」
まあ、企画が「世界」という点でバイアスがかかっているわけですが。
とはいえ、今時の学術界がそうもひ弱だとは思えないのですけどね。もちろんビッグサイエンスや網羅的な社会調査のように公的な支援なしでは実現が難しい研究はあります。また「大学」に職を求めることにはいろいろな制約もあります。しかし、美濃部事件や瀧川事件のようなことがあっても、今時の学者なら実力と信念で生きていけます。私大なり海外なりに職を求めてもよいですし、調査やコンサルティング、技術的な助言の分野に進むこともできます。そして主張を世に問うことも非常に容易です。まともに書けた学術論文なら掲載を拒否する学術誌ばかりということはないですし、エッセイであればネットに出せば済みます。政治やただの御用学者にできることは限られており、その立ち位置から学問の自由を封殺することは非常に困難です。むしろ書店へのリーチと企画力、組織力で押してくる出版・メディアのほうが、よほど学問の自由への脅威でしょう。

学術会議、他国の例は 任命問題「欧米で起こりえない」
まあ、なんで国の機関にしてしまったか、なんですよね。もちろん学士院以来の国策機関という経緯はあるわけですが…また、日本は民間団体の権威があまり高くないですし。欧米では研究者団体の方が国家機関よりも歴史も権威もあるのですが、日本を含めた後進国ではそもそも学者の権威が国に依存しており(例えば学位が国家資格の一種のような扱いを受けている)、研究者の私的団体が提言を出しても学者の戯言と無視されてしまうのです。民間団体で国家政策に影響を与えるほどの権威を持ったところというと、経営者三団体と医師会、弁護士会くらいではないでしょうか。弁護士会は民間団体と言えるかどうか微妙ではありますが。民間人の発意に基づく国王の私的なお墨付きを根拠にするイギリスの勅許団体の伝統や、そもそも私法人と国家機関の区別があいまいな欧米の法的な伝統(特に英米: というか私法人の法制度の方が国家機関よりも古い)を基準にしにくいところはあります。
それでも、そろそろ研究者団体の権威は自立するべきだろうとは思いますけど。

■2020年11月09日(月)  こんな名称の有識者会議をしている限り理解を得ることは難しい気がする
NHK、剰余金で受信料引き下げ案 来年にも制度改正へ
「テレビがなく、ネット配信サービスをスマホなどで利用する視聴者に受信料を払わせる制度の導入について、総務省は見送る考えを示した。ネット経由の番組視聴は初期段階にあり、当面は普及を優先すべきだと判断した。」
他にも、こちらに重点を置いた報道が出ていますが。
放送という(ソフトウェアの制作能力も含めた)インフラが一定の理由で必要であるというなら、その中で広告に頼らない事業者を維持する費用を広範に課すこと自体は間違っていないと思います。もっとも、その必要性の部分が揺らいでいるわけで、テレビやラジオよりはまだしも通信社の速報の方が有用、娯楽コンテンツは権利処理コストの上昇で先行きが不安というのが妥当な見方ではないでしょうか。消費者は番組や制作者に直接払いたい、製作者は消費者から直接回収したい、反応を見たい、複数のチャンネルに売りたいとなれば、お金を集めてパッケージでコンテンツを買い取り、チャンネルというパッケージで不特定多数に独占配信することで事業化してきた放送という仕組みが疑問視されるのは仕方がありません。製作者と不特定多数の間をあいまいに橋渡しするという点で、放送は、特定の受信者と制作者をつなぐ動画配信とは異なります。
「利用する視聴者」が視聴料を払うならともかく、利用しない人にまで端末になりうる機器を使っているからと言って負担を課すなら、必要だということをちゃんと説得してもらわないといけません。チューナーがそもそも組み込まれているテレビ受信機と異なり、スマホにしろパソコンにしろ受信ソフトを導入する、受信の契約をするといった利用者を識別する方法がちゃんとあるわけで、仮に放送局が動画を垂れ流したとしても利用を認定するには無理があるでしょう。
公共放送のソフトウェア制作や企画の能力自体を問題視しているわけではなく、そもそも公共性を疑わせる番組を配信している点も含めて、配信側に選択を委ねる形で負担をしたくない、制作資金の調達を含めてもうそんな必要はないはずだと思います。
正直放送法を廃止し放送への電波の割り当てを終了、移動体音声通信と合わせて電波を移動体データ通信なり電波探査なりにでも割り当てなおしたとしても(つまり民放を含めて電波による放送事業を廃止)、個人的には全く困りません。不特定多数を対象とする放送は、布告のような行為を除き、歴史的な役割を終えたのではないでしょうか。

■2020年11月09日(月)  ロボット化が進む前に財政難から議会が軍縮に走るような気がする
英国軍トップ「2030年代には兵力の1/4がロボット化」の可能性ありと発言
もちろん兵站実務や航空偵察、歩哨といった機械でできる部分は機械化されていくはずですが、むしろそのコストに耐えられるかどうかの方が問題です。高度な訓練を受けた兵士の人件費や教育コストよりは安上がりであるにしても、兵員数において中心であろう陸軍の歩兵部隊において、機械はまだまだ柔軟性に劣ります。様々なセンサーやそれを統合するコンピューターシステム、そしてそれを移動させる動力は、ドローンに積めるようなものではありません。あれができるのは偵察と自爆攻撃くらいのものです。そして地上戦において無線通信に頼るのがどれほど危険であるかは明らかで、一定の自律行動力と、それを実現できる高価な大型機材がなければ、できるのは拠点警備くらいです。空軍や海軍は自動化の余地が大きいのですが、そもそも兵員数が少ないので人件費削減の効果よりも大型機材がさらに高額化する効果の方が大きいでしょう。
結論として、財政難に直面した議会が兵員数、装備規模の両面で軍縮に走る、つまり一個師団をロボット化するよりも単純に一個師団を廃止してしまう可能性が高いと思います。「長期的な投資は近代化への自信を深めることにつながるため必要だ」などという呑気な見通しが吹っ飛び、軍事的には戦略核兵器と自動防空網で引き籠るのではないでしょうか。

■2020年11月09日(月)  よりによってコーエー?
マイクロソフト、日本のゲーム開発会社に買収打診?背景に「PS5の日本離れ」の噂
ここしばらくのMSの経営方針を見るにあっても不思議ではありませんが、それにしてもよりによってコーエーテクモゲームスですか?もちろん資金需要はあるでしょうが、こんな落ち目の会社を買収してなんとかなるのでしょうか。
そしてマーケットボリュームから言って、家庭用ゲーム機の市場が北米中心となっていくことは明らかです。日本市場でのここしばらくの家庭用ゲーム機の人気タイトルは出演者やアート系の人件費コストばかり上がって大作映画並みにリスクが高いのですから。利益率が高いのはデバイスが貧弱であるためにまだしも製作コストが低いスマホ用でしょうし、消費を牽引するはずの10代後半〜20代前半がそちらに流れてしまっています。

■2020年11月09日(月)  でかく重くなったらミラーレスの意味がない気がしますが
ピント合わせ(前編)
「カメラ用語の散歩道」という連載だそうで。
「どんなレンズを装着してもAF可能なバックフォーカシングのミラーレスカメラなんていうのも面白いと思うのだが。」
大判や中判なら別ですが、35mmから下の小型カメラではこれはあり得ないでしょう。全群繰り出しタイプのレンズに顕著ですが、焦点調節のための移動距離は特に望遠レンズで少なくとも10mm、おそらく20〜30mm程度は必要です。というかバックフォーカシングは原理的に全群繰り出しタイプに等しいので、部分移動タイプのようにレンズ設計上の工夫で僅かな移動で済ませるわけにはいきません。つまりボディの厚みがその分増えます。ニコンD6は現行モデルの中で最も分厚い機種のひとつであると思われますが、その奥行きが92mm。これに30mm加わると120mm程度です。厚くなるのはセンサーのある部分だけなので、グリップ部分はさほど厚くならない、つまり持てないということはないにしても、現在の小型カメラの形状とは相当かけ離れたものとならざるを得ません。中判ですら、フジのGFXでも対応不可能、おそらく対応できるのはPentax645、HasselbladやPhaseOneあたりだけでしょう。これでは短いフランジバックという特徴や小型カメラ用の多彩なレンズ資産を生かすことができず、作ったとしてもオールドレンズをつけるための趣味カメラになってしまいます。
まあ、機構的に難しい部分が少なそうなので、どこぞの趣味人が手作りする分には実現可能性はあるでしょう。というか、天体望遠鏡がまさにこのバックフォーカシングで、あれはレンズのついた鏡筒部分が架台に固定され、ラックアンドピニオンやヘリコイドでセンサーというかカメラボディを移動して焦点調節を行います。ただし天体撮影専用の特注品(つまり研究を主体とするような天文台にある機材)を除き、オートフォーカスというのは聞いたことがありませんが。

ピント合わせ(後編)
「大方はこの最も前のレンズにねじを切っておき、それを回転することによりレンズを出し入れするので前玉「回転」方式と呼ばれている。」
もうすこし丁寧に書いて欲しい気がします。レンズにねじを切るかどうかはともかくとして(レンズの固定枠だろうとは思いますけど)、写真1のイメージと本文から受けるイメージが大きく違います。
ところで、
「このようにピント合わせによって像倍率が変化することを「ブリージング」と呼んで、最近ときどき話題になっている。」
まあ、そうなるだろうというのは像ができる際の物理法則を考えればわかりますが、「ピント送り」でそれが問題になるというのは、最近の動画撮影はずいぶんと貧乏くさいのですね。本来ピント送りをする場合、複数のカメラを用意して、画角まで考慮してカメラの位置を決め、同時に撮って、流す絵の方を切り替えるはずです。話し手が変わったところでピントを合わせなおすと言ってもすぐにできるわけではない(合わせなおす時間がかかる)のですから、当然でしょう。ブリージングが問題になるということは、1台のカメラでピントを切り替えながら取るということで、ピントが切り替わる効果まで取り入れている(ならば画角の変動まで組み込めそうなものですが)のでもなければカメラ1台で無理をしているということです。学生の映像制作や結婚式場のサービスでもあるまいし、今時動画撮影用のカメラなんて大した値段ではないのですから、みみっちい話です。

■2020年11月09日(月)  やっぱり古いよなあ
こちらのレンタルサーバー、数年前にtDiaryがRuby 2.0系に対応した際、アップデートをかけたらRubyのバージョンが合わず動かなくなってしまいました。Ruby 1.6だったようです。そして、昨年サーバーシステム自体更新されたらしいのですが、やっぱりRuby 1.6のまま。
tDiaryの古いソースは手に入らないようで、仕方ないのでPHPでtDiaryのデータを読めるようにするかと思ってなかなか手を出せずにいたのですが、ようやく手を付けてみたら、PHPのカレントリリースのバージョンが7になっていました。はてサーバーはどうかと思ったら、PHP5。こちらは古いパッケージも入手できたのでレンタルサーバーにバージョンを合わせて手元でビルドしたところ、ビルドは完了したもののテストでXFAILがどうたらという警告が出たようです。パスはしているので、たぶん動くのだとは思います。
互換性の問題もあり、サーバーの環境を簡単にはアップデートできないというのはわかりますし、複数のバージョンを混在させられないことは普通にありますが、他のレンタルサーバー業者はどうしているのでしょうか。あまり頻繁にアップデートするとそれこそユーザーから苦情が出そうですし、仮想サーバーをうまく使えば、希望のバージョンが見える状態というのも作れそうな気がします。というか、スクリプトの互換性がなくなるようなバージョンアップをする開発側もどうかとは思うのですけどね。

■2020年11月09日(月)  規制改革の前にリスク管理の監査を
妊婦「何でもするから助けて」 実習生、コロナ禍の過酷
これ、1万人以上が失踪って、ベトナム政府からクレームは来ないのでしょうか。技能実習生が失踪と言う以上、雇い主がいなくなっているか、雇い主もどこにいるか把握していないかということになります。ベトナム政府からすれば明らかに日本政府の管理不行き届きであり、死亡が確認されればベトナム政府はベトナム人民の不当な死を容認するのかという話になりかねません。主犯は当然日本政府とその支援の下ベトナム人民を不当に扱った日本企業です。企業が消滅していれば、なんでそんないい加減なところを支援したという話です。
帰れないというのにはそもそも帰っても仕事がないといった話もあるでしょうし、雇い主が帰国費用を引き当てて法務省が管理して済む話でもないでしょう。感染症対策のようにそもそも入国ができない事態だってあり得ます。制度設計というのは、規制以前に、問題が起きたらどうするのかという対応ルールを整備しておくことでしょう。
どのみち旅費負担で追い返して、旅費の請求だけして後は知らんぷりが関の山なのですから、雇用者側の事情で路頭に迷わないよう、居場所が分かれば送還ができるようにだけは最低限しておくべきだと思うのですけどね。

■2020年11月09日(月)  赤ワインは料理酒みたいなもので
牛肉をじっくり煮込み軟らかく 赤ワインでごちそうに
名前が「牛肉の赤ワイン煮」となっているのですが、これ、「ブッフ・ブルギニョン」ではないでしょうか。マッシュルームの代わりにまいたけが使われ、たまねぎとジャガイモが入り(もっとも付け合わせとしてはマッシュポテトが使われます)、調味料としてハーブが入らず味噌が入っていますが、和洋食としてのアレンジの範囲でしょう。
個人的には、飲むなら白ワインが一番無難で、赤ワインにしろ日本酒にしろ日常的には調味料だと思っています。白ワインが調味料にならないかというと、マリネ液やドレッシングなどには使えるのですが、煮込むとあまりおいしい印象がありません。

■2020年11月08日(日)  ドキュメントルートの設定が面倒くさい
lighttpdをインストールしたのはよいのですが、ドキュメントルートの設定をどうしたものか悩みました。
結局面倒くさくなって、設定上ドキュメントルートになっている/var/www/htmlの下にログインアカウントのホームディレクトリの下にあるディレクトリをシンボリックリンクしてごまかしました。問題なくそこに置いたhtmlファイルを端末上のWebブラウザで表示できたので、後はそのディレクトリをいじっていけばよいことになります。

■2020年11月08日(日)  マーカーのないところが占有されているという認識はしづらいかも
レジャー感覚の密漁横行 アワビ・サザエ…摘発数は急増
まあ、漁業「権」自体が不自然なものだという感覚はあり得るのですが。不法滞在の摘発が人権侵害で密漁の摘発は正当な行為だという感覚は、ダブルスタンダードだと思います。
まあ、事前に漁業組合に顔を出して説明を聞いて入漁料を払えばいいだけなんですけどね。それなりに関心のある人でないと漁業組合の存在や漁業権自体を知らないというのはともかくとして。

■2020年11月08日(日)  こういうのを僻みという
シリアのiPhone、月給の100倍も「正気でない」
食い詰めた貧乏人の僻みは見苦しいですね。
格差は問題ですが、所詮iPhoneなど量産品で、生活水準の高いところに行けば中レベルの事務員の月給程度のものでしかありません。なぜか列を作る程度にはいる金持ちが月給の百倍のスマートフォンを買って見せびらかしていたらそれは不快でしょうが、気持ちの持ちようの問題でしかなくて、米帝では恵まれている方とはいえ賃労働者が使っているような量産品を見せびらかしている貧乏くさい金持ちもあったものだと思うのが高貴な精神というものです。
何で高級サラリーマンならともかく富裕層があれをステータスシンボルだと思うのやら、もちろんiPhoneはいい製品でありブランド物でもありますが、量産品である上に携帯電話網というインフラがないとカメラと電卓くらいにしか使えない代物です。政情不安定なところで使うなら衛星電話でも買う方がましでしょう。目利きがどうこうと言うほどのものでもありません。正しい金持ちなら、iPhone並みの性能の製品を地元民が買える価格で販売し、通信インフラを整備して回線使用料で儲けるはずです。あるいは地元の安い賃金を利用してコストパフォーマンスの高い製品を製造・輸出して儲けるでしょう。そのブランドのロゴマークが、資産を活用している金持ちのステータスシンボルです。
レントで生活できてことさら事業などする必要がない、する気もない人もいるでしょうが、いくらブランド品とはいえ、本場では雇い主の提供する健康保険がないと医療すら利用できないような賃労働者が普通に使っている庶民的な品を公衆の前で見せびらかしたら、まともな産業のない後進国の品のない成金と蔑まれるか、庶民を搾取して悦にいる悪徳資産家と敵視される程度はわかりそうなものです。
商売人ならそれで効くはったりというのはあるわけですが、正直まともなビジネスパーソンなら、そんなはったりは通用しないと思うのですけどね。それとも日本の商社マンは、後進国でiPhoneを使っている人には名の通った大銀行の保証なしに商品を掛けで売ってくれたりするのでしょうか。商品を前金で買ってくれたりするのでしょうか。しないと思いますけどね。
それとも世の中にはアップルスノッブクラブみたいなものがあって、そこに参加すると色々コネが使えるが、iPhoneを持っている人にしか参加資格がなかったりするのでしょうか。個人的には、iPhoneを持っている程度では不足で、iPad ProとMacBookProも持っているくらいは必要でしょうし、それだって日本ではNTTデータあたりの新卒二年目の技術系正社員なら満たせる程度のレベルなのですけど。

■2020年11月08日(日)  カッフェ、モカ、エスプレッソ
覚書
近年事務所や貸会議室に機材が置かれるまでに普及してきたイタリアンスタイルのコーヒーですが、イタリアのコーヒーというと全てエスプレッソに見えてしまっている気がします。カッフェやバールで提供されるエスプレッソはイタリアの重要なコーヒー風景ではありますが、それしかない、それしか飲まないわけではありません。

カッフェ
コーヒーのこと。エスプレッソやモカ以外のコーヒーのこと。あるいはコーヒーをテーブル席に出す形態の喫茶店のこと。
イタリアでは基本的に深炒りした豆を細引きにして使うようです。とはいえ抽出方法でいくつか種類があり、それぞれ地方や場に根付いたものになっているとか。

場と機材
カッフェ
テーブル席での提供を主体とする喫茶・軽食店。菓子や軽食も皿や鉢に盛られて提供される。

バール
カウンターでの提供を主体とする喫茶店。スタンド形式で軽食や菓子、酒も提供することが多い。菓子や軽食は手渡しでの提供。

マキネッタもしくはモカエクスプレス
直火加熱式の加圧式コーヒー抽出機。原理はサイフォン式コーヒーサーバーに類似する。ただし抽出されたコーヒーは上部のサーバーに溜まり、下部のボイラーは原理的には空になる(空になるまで焚くと美味しくなくなるらしいが)。ビアレッティ社のアルミ製品が有名で、モカエクスプレスは同社の製品名。エスプレッソを作るのに使う高圧コーヒー抽出機、通称マッキナ・エスプレッソ、略してマッキナ(機械)をかわいくしてマキネッタと呼ばれる。これを使っていれるコーヒーがモカと呼ばれ、またこの機材自体もモカと呼ばれることがある。喫茶店でも使いはするが、北部、中部を中心に家庭に非常に普及しているそうな。

マッキナ・エスプレッソ
エスプレッソを入れるための高圧コーヒー抽出機。20世紀にミラノで開発されたらしい。これを使わないとコーヒーに泡立ったクリーム状の層(クレマ)ができず、エスプレッソにならない。蒸気圧による泡立て機能がついているのが普通で、これでエスプレッソにフォームミルクを垂らしたのがマッキアート。

ナポレターナ
ナポリの伝統的な直火式コーヒー抽出機。ナポリ出身の劇作家エドアルド・デ・フィリッポがご子息の前でこれを用いてコーヒーを入れて見せている写真が残っている。一見マキネッタに似ているが、下部のパーツに注ぎ口がついているのが特徴で、使い方は下部と上部の間にコーヒー豆を入れたフィルターバケットを取り付け、下部に水を入れて直火で加熱、お湯が沸いたところで一度ひっくり返して、その際にコーヒーが抽出されて上部に溜まり、それを元に戻すことで滓が濾過されるようです。

種類
カッフェ
コーヒー、場合によってはエスプレッソやモカ以外のコーヒー。つまりペーパードリップやガラスサイフォンで抽出したものは全てカッフェ。とある書籍で上述のフィリッポの写真に「エスプレッソの淹れ方を教える」とキャプションがあるが、これはおそらく間違いで、ナポレターナで入れたものはカッフェ。イタリアでも普通に出てくるが深炒り豆の細引きを使っているせいで濃いのが普通。お湯を入れて割るのがカッフェ・ロンガらしいが、一部ではカッフェ・アメリカーノとも呼ぶらしい。なおアメリカンコーヒーは浅炒りの豆を粗引きして入れるもので、断じてお湯で泡るものではないのは、アメリカ人の名誉のために補足しておきます。
リストランテなどで食後のコーヒーとして出されるのはこれです。
エスプレッソだろうがそうでなかろうがだいたい濃いものがデミタスカップで出てくるが、場合によってはガラスのコップや普通のコーヒーカップでも出てくる(ただしその場合はエスプレッソではない)。
エスプレッソもモカもカッフェには違いはなく、バールでカッフェ・ノルマーレとオーダーすればエスプレッソが出てくる由。またマッキアートは、カッフェ・マッキアートかラッテ・マッキアートかで全く異なり、エスプレッソにフォームミルクを垂らしたのがカッフェ・マッキアート、フォームミルクにエスプレッソを垂らしたのがラッテ・マッキアート。

モカ
マキネッタで入れたコーヒー。家庭の味らしい。

エスプレッソ
深入り、細引きの豆とマッキナ・エスプレッソを用いて淹れるコーヒー。高圧により上部に細かい泡の層(クレマ)ができるのが特徴で、これがない物はエスプレッソではない。ピストン加圧が可能な抽出機で淹れるために本質的に店で飲むもの。とはいえマッキナがないからと言って家庭でインスタントコーヒーを飲むわけではなく、マキネッタでもナポレターナでもとにかく豆で淹れるのがイタリア人だそうな。まあ、家を出て徒歩数分の所に行きつけのバールがあるのが普通で、特に独身者はわざわざ家で淹れないという話もあります。

カッフェ・コレット
エスプレッソでもそれ以外でも、とにかく蒸留酒を添加したコーヒー。作り方によっては熱燗並みに酔う。なぜかランチパーティーに出てくることがあるので、要注意。入れる酒は店や人によってさまざまで、バールのようなカクテルも出している店では好みに応じて選べる。プロイセンのフリードリヒ大王が好んだらしいコーヒーもある意味カッフェ・コレットだが、白のスパークリングワインを入れてスパイスで風味をつけておいしかったかどうかはわからない。

■2020年11月08日(日)  一応年内に結果が出ればよいのですが
バイデン氏が大統領選当選確実 ペンシルベニア州を制す
当選確実レベルですが、一応大勢が判明したようです。対立候補がごねているのは、2000年のジョージ・W・ブッシュとアルバート・ゴアの選挙戦以来でしょうか。この時は12月まで結果の確定がずれ込み、ブッシュ側の請求の結果連邦最高裁判所が結果を確定させています。
組閣や引継ぎの時間の確保(もっとも上院の承認が必要な閣僚は大統領就任後暫定的な任命を経て上院で承認されることで就任が確定するのですが)や制度制定時の技術的な制約によって投票日以降就任日まで2カ月以上という日程が決まっているのだと思いますが、開票結果への異議申し立てて結果の確定が遅れることになるというのは、当時の人たちは想定していたのでしょうか。
今の報道の通りバイデン氏が大統領になるなら、できれば評判のよろしくない国土安全保障省を解体して欲しいものです。

■2020年11月07日(土)  「らしさの呪縛」とは言いえて妙
家事をすると申し訳なさそうな妻 無意識に潜む「呪い」
このタイトルはセンスがあるなあ。このあたりが、感性と記事の方向性が一致した例なのか、記者のセンスの問題なのかは不思議です。
「自分が色んなことをやるようになってきたときに、妻が申し訳なさそうにしていることが多かった。本当は自分がやるべきなのに、できていないととらえているふしがあった。まるで呪いのように、女性としてこうしなければ、男性はもっと仕事をしなければ、というふうにとらわれていると感じる」
これは確かにあるだろうと思います。感じ方や意識に上らないレベルの価値観の問題なので変えていくのは難しいでしょうが、そこが呪いである所以でしょうね。申し訳ないからそもそもその作業が発生しないように工夫するくらいの発想の転換までいけば違うのでしょうけど。
「病気で保育園を休んだ子どもを夫が自宅で世話をする女性に、職場の同僚から「旦那さんの会社、理解があるね」と言われたという経験談が話題にのぼった。」
これもありがちですが大きな問題で、女性なら休んでもかまわないなどということはないですし、男性だって普段からちゃんと仕事を片付けておけば、交代で子供の看病をすることくらいはできるはず。そこで仕事があるのに休むななどという雇い主の方が問題なのですけどね。制度はちゃんとしていてもなかなか意識までは切り替わらない面があるので、率先垂範と合わせて状況を把握して休みを取らせることが、当面は管理職の役目ではあるのでしょう。
もっとも、仕事に逃げてきている夫もいたりするので、そちらはなおさら問題ですが。出産と育児で不機嫌になりがちな奥さんのケアが負担なのもわかるのですけどね。

■2020年11月07日(土)  強制でなくても押収って言うんだ
米司法省、ビットコイン10億ドル相当を押収。闇サイト「シルクロード」関連
押収って、手続的にはどうなるのでしょうか。欧州担当部署がアカウントを作って普通に送金を受け入れればよいわけですが、それは何か押収という語感にそぐわない気がします。むしろ罰金や課徴金の支払いでしょうか。もちろん、アカウントを取引に使っているハードウェアごと没収してしまえば文字通り押収ですが。

■2020年11月07日(土)  元が取れるほど売れるかね?
JDI、画面を触れずに操作できる「ホバーセンサ」開発
有用なデバイスだとは思いますが、誤入力の頻度も含めて実用性がどこまであるかが不安ではあります。開発費がかかっていそうな割に需要がどこまであるかなあというね。ちょっと先行きが不安なJDIがやっていてよい技術開発なのかは疑問です。
最後は適当な値段で売り飛ばす羽目になったりして。

■2020年11月07日(土)  律速しているのはバスでしょうに
SSDクラスに速い最大420MB/秒の高速USBメモリーの1TBモデル
いや、SSDとUSBメモリーの違いって接続インターフェースの違いでしかないと思うんですけど。中身については本質的な違いはなくて、バスとデバイスドライバで性能の上限が決まるはずです。USBだって改善は続けられているわけで、一昔前のATAやSATAのSSD程度の速度が出るのはおかしくないし、そもそもバスの速度上限に合わせて部品を選んでいるわけですから、最新規格のバス上で高性能の部品を動かせば速度は出るのが当たり前です。

■2020年11月07日(土)  IDの使い方を間違ってないか?
スマホにマイナンバーカード機能を搭載へ 総務省が検討会を実施
やってしかるべき検討だと思いますが、機能を積む前にマイナンバーだけでも活用できないものかどうか、考えた方が良いと思います。というかカードに何でもかんでも積む必要はないわけで、データを動かす部分はバックヤードでセキュアにやっていてよいのです。マイナンバーというユニークIDがあって、それをキーに必要に応じて蓄積された情報を参照できればそれで済むはずです。診療情報など、無理にカードになど入れずとも、医療機関同士でやり取りすればよいし、患者を介して渡すべき状況では適切な暗号化をしたうえでUSBメモリにでも入れて渡せばよいのです。というか、他人のものを含めて個人情報が詰まっているスマホを医療機関に渡すなど論外だとは思いませんか?

■2020年11月07日(土)  とりあえずやってみるはいいけどやる前に少しは考えよう
新しい生活様式って何なのだろう
「今ならコロナを言いわけにできる。言葉は悪いがどさくさに紛れて何でもできる。政府のデジタル推進も近いものがある。」
まったくその通りですが、特に政府の施策は、試行錯誤にしては下らないところで割り切りを欠いているように見えます。とりあえずデジタル一眼カメラで教授の自宅からオンライン講義をする、これは非常時だと言い訳でき、画像や音声のクオリティが低いのは後で反省して手直しをすればよいし、予算がなくてネットワークがしょぼいのもまあ仕方ないわけです。しかし、資料のデジタイズができない、課題のオンライン提出ができないというのは言い訳が効かないでしょう。同様に、ハンコがどうも必要でなさそうな書類については捺印を廃止するというのはルールをいじるだけですからやってみればよいわけですが、専用の用紙がなくてチケットの印刷ができないというのは言い訳のしようがありません。民間の試行錯誤も同じことで、リモートログインさせようとしたらそもそもNAPTが効いているせいで外部から接続できなかったとか、複写式伝票を綴じ込んで管理しているためにどうしても出社しないと事務処理ができないというのはどさくさ紛れの試行錯誤ではすみません。

■2020年11月07日(土)  国家の保護がなければ動物扱いではある
外国人施設収容、長期化を解消へ 「私、動物じゃない」
不法滞在という犯罪はしていますし、そもそも現行の法制では国家の保護がない場合人間扱いされませんからね。日本の場合出国手段が限られるのでそれこそ不法滞在の外国人という形しか目立ちませんが、国境が陸上、それも平地にある場合、最寄りの町が外国などというケースもあります。それこそ査証免除協定やシェンゲンアキに代表されるような自由通行を認める事例は増えてきていますが、それはやはり特例であり、入国審査や住民登録のように、社団としての自治体は管理されない形で誰かが定住してしまうことを嫌います。
またこういった制約は国家による保護のための前提条件とも理解できます。そもそも古くは住民か特に認められた保護対象者でなければ人間扱いされなかったわけで、契約行為、特に不動産に関わるものに行政当局や領主の審査や許可が必要だった時代はそれほど昔ではありません。また国家は、地理的範囲の統治主体であると同時に、社団としての面ももつわけで、社団への参入には社団の目的や規範への賛同が必須です。「あなたはアメリカ人になるのだ」くらいの非常に強いイニシエーションを前提にするのでもなければ閉鎖的になるのは仕方ありませんし、行くところがないから保護して欲しいでは、保護と称して拘禁されても仕方ないでしょう。

■2020年11月06日(金)  コスト以上の儲けが出そうにない物には値がつかない
市出資のビル、9割引でも売れない 建設費用は7億円超
そりゃまあ、税金も維持費もかかるのに7000万円払って八戸にビルを買おうなんて人はいないでしょう。おそらく税金を買値に相当の額まで下げてもらっても、維持費で年間数千万円かかると思います。維持費を押さえるような工夫を徹底的にしたのなら別ですが、普通はビルをデコると維持費は増えます。
解体費がかからないだけましだとでも思って税金を免除して当面補助金でも出さないと、ただでも引き取る人は出ないのではないでしょうか。維持費くらいは稼げる事業を市が持っているなら別ですが、持ち出しで解体するか、少なくとも電気と内装、できれば空調も徹底的にリフォームしないと、継続的に赤字を垂れ流します。失敗は失敗として清算しないと後に尾を引きます。というか、20世紀後半の建物なら解体でよいのではないでしょうか。

■2020年11月06日(金)  いきなりは対応できないというのはわかる
文科相、オンライン授業に慎重 「抵抗勢力ではないが」
オンライン授業というよりは、オンライン講義による教員拠点の集約でしょうか。
日本の大学の講義(や一部の資格に関わる講習会)であれば、オンラインでやったところで問題はないわけですが、小学校、中学校となると到達度評価の面でまだ教員の立ち合いが望ましいと思います。そもそも高校までは教師ごとの独自の知見というのは本来ないわけで、討論や実習を除けば、習得すべき内容が書いてある本を読むかオンラインであるかどうかにかかわらず講義にしろ何にしろある程度インタラクティブな授業を受けるかは、最終的な到達度評価を除けば学習者が選んでよいはずです。ただし少なくとも小学校低学年までは、到達度評価自体が日頃の授業に組み込まれていることを否定できません。その点で、話自体はオンラインで流すにしても、その場に教師がいて様子を見て、評価なりフィードバックなりをするというのは、より通信や教授の技術がこなれてくるまでは必要でしょう。
ただし、学校教育と家庭教育を対立させ、学校に教育の場を集約する考え方はもはや時代遅れです。もちろん社会的対人技能を養う場という考え方はありますが、それも含めて、一学年一クラス以上を構成できる程度の規模を含めたマスプロ教育に特権を与える時代は終わりました。資料も設備も、学校を基盤として集約しないと充実できないほど、現代社会は貧困ではありません。都市部ではむしろ、高度化・多様化した教育内容に学校というシステムが追い付かず(まあ、主な費用負担者となっている地方自治体の財政的な困難もあるでしょうが)、より私的な教育機関(例えばスイミングスクールなど)に頼らざるを得ない状況が生まれています。また学校への不適応に至ってはここ50年発展し続けている課題です。そして、1980年代に発する雇用の柔軟化に加えて、「コロナ」騒動に伴う自宅勤務、リモートワークにより、より自律的な就業の形態のニーズも増しています。とにかく学校に行っていれば(事務所や工場に出勤していれば)安心というのではなく、課された課題を自律的にこなし、自己管理までしていく能力が社会的技能として求められている以上、オンライン学習も含めてそういった要求に照らして再構成されるのが筋です。
こうした課題を見据えずにデジタルだオンラインなどと言ったところで意味はありません。それこそオンライン学習であれば中央省庁の課レベルの組織単独で施策を進められるはずで、文科相に規制緩和をごり押しなどせずとも、試験プロジェクトとして実施する方が良いのではないでしょうか。

■2020年11月05日(木)  結局中華圏の色物製品か
一目惚れしたTrackPoint付きキーボード「Shinobi」を衝動買い
まあ、キーボードという機器としては良いものなのだろうと思います。軽いキーボードは、タイプすると動くどころかしなったりスペースバーを叩くとひっくり返ったりするので、剛性や重さは必要でしょう。
しかし、キートップの印刷が安っぽいです。まあ、80年代のオフコンかワープロ専用機がいいという方ならありかもしれませんが、もうちょっと硬めのフォントやくっきりした印面にならなかったのでしょうか。なんなら彫刻してインクを充填しても良いでしょう。
そして、梱包やキーボード裏ステッカーのデザインが、本革外装スマホやSNSの炎上するようなしょうもないメッセージを連想させてくれます。こんなことをするなら、いっそ全体を金メッキか赤青金塗装でもした方が良かったのではないでしょうか。ボディ部分やメカニクスの印象が良いだけに、こうした部分についての残念感が増します。中国や台湾の製品には非常にいいところを突いているスタイリッシュなものも多いのですが、一方でこの手のどうにもセンスが理解できない方向性もあります。

■2020年11月05日(木)  無線LANですべて賄っているというのは変態行為だと思う
これ以上スマート家電を導入できないだと?――スマートリモコンとWi-Fiルーターで切り抜けた
えーと、スマホが8〜10台という時点で普通じゃないと思いますが、ひょっとしてこの人、ノートパソコンを4台、一部屋で使っているのでしょうか?まあ、スマート家電を使う前提だとキッチンあたりは家電だけで18台に達してしまいそうですが、そもそも冷蔵庫や電子レンジであればLANケーブルを引っ張ったって良いわけです(10Mbpsあれば十分なのだから格安のソフトケーブル長さ100mでよい)。大型テレビは、ネットワーク経由で動画を受信する場合を考えるとそれなりに高速を発揮できる状態でないといけませんが、1Gbpsでれば十分、つまりカテゴリ6でよいわけです。パソコンだって、デスクトップに無線LANなど不要です。
どこで仕事をしているのかわかりませんが、普通は書斎があるか、寝室か居間、もしくはダイニングです。居間やダイニング(キッチン)は確かに家電が多いでしょうが、書斎や寝室にありそうな家電というと、Wi-Fi必須なものはエアコンと照明くらいでしょう(壁に口がついていればよいわけですが、そんな家はまずない: というか、エアコンの電源を取るのに苦労させられる)。冬場に石油ファンヒーターを置くくらいでしょうか(ただしその場合普通はエアコンを止める)。除湿器?エアコンで十分です。
そしてネットワークというのは本来ある程度エリアを分けるものなのであって、メッシュWi-Fiだって本来は広い大部屋オフィスで使うもので、基本は部屋ごとに電波強度を調整して一部屋1台アクセスポイントなりルーターなりを置き、そこからケーブルを引っ張って必要ならスイッチングハブを経由してブロードバンドルーターをつなぐものです。それができない環境というのは、六畳一間やワンルームマンションくらいでしょう。確かに宅内ネットワークがインターネットにつなぐためのものになっていることは普通にありますが、それなら光と基幹ネットワークを奢り、高速の終端装置(もっともなぜか宅内側ポートが100Base-TXのことがある)にCat8の短いケーブルで10GbEのルーターをつなぎ、高速通信を多用する部屋には光ファイバーで10GbE対応のハブをつなぎ、無線LANアクセスポイントにCat8で接続、メインのパソコンもCat8でつなぎ、他の部屋にはCat6を引き回し、1GbEハブを介して無線LANアクセスポイントを置けばよいのです。
フリーアドレスのオフィスでもあるまいし、自宅でWi-Fiルーターを収容機器に直結するなど変態行為としか言えません。

■2020年11月04日(水)  デジタルかどうかは本質ではない
いまさら聞けないCBDC 日銀がPayPayの競合になる?
むしろデジタルがどうだこうだという前に、日本銀行が日本国内の決済システムの中枢になるのが筋だと思います。額に関わらず決済の効率を向上させるなら中央銀行の内部で完結する方が良いに決まっていますし、昨今地方自治体が銀行への出納事務委託を断られたとか手数料を取られたとかいう話が出ていますが、日銀なら法律で受託を定めれば済みます。そもそも支店単位にでもしないと受付事務も管理も成り立たなかった100年前とは話が違うのです。
また日本銀行であれば、市中銀行のようにリスクを気にすることなく当座貸し越しを提供できます。納税用口座を日本銀行にある口座に限定してしまえば無視することは難しいですし、公的な機関であるだけに法的な仕組みへの組み込みも容易です。つまり貸し越しが積みあがろうが最悪死亡時には清算できますし(法人でも口座の貸越残高が一定レベルを超えた時点で法的に清算することはできます)、債権を放棄しても大きな問題は起きません。貸し越して支払い不能になることもありません。つまり決済のリスクが非常に小さくなります。
CBDCなどと下らないことを言っていないで、住民基本台帳番号と紐付けて日本銀行に口座を作る制度にしてしまえばよいのです。口座へのアクセスをどのように行うかは、現代であれば些細な問題でしょう。
その意味ではPayの競合ではなく、市中銀行の預金業務の競合になるはずです。

いまさら聞けないCBDC(2) CBDCがあれば銀行預金はいらない?
で、中央銀行の安全性の話や銀行預金との競合の話が出てきたわけですが。
銀行預金と競合するとして、なんで入金上限などという話になるのか。金融屋はもしかして少なくとも左派の経済屋の間では常識らしい貸し出しと決済の区別ができていないのではないでしょうか。そもそも決済サービスは、銀行にとっては預金受け入れと貸し出しのおまけ、金融機能の上に載ったオプショナルなサービスでしかありません。決済においては金融というシステムを利用するのが効率的であるにせよ、あるいは決済において一定の金融機能(上述の当座貸し越しなど)を伴うことが望ましいにせよ、普通預金や当座預金などなくとも、銀行融資の需要は貯蓄性のある預金(定期や積立)の運用や日銀からの適切な借り入れで十分賄えます。
決済に使用するのは、CDなどの特殊な預金を除けば、要求払い預金という分類になります。これは資産の保管先という認識はまれで、決済の原資でしかありません。もちろん、多くの場合金利などつきません(昔は普通預金にも金利がついていましたけどね)。小口と大口で決済の手段が異なるというのが本来不便なわけで、自動車を買う程度、住宅用不動産を買う程度の額はCBDCであれ扱えないと困ります。上限5万円では通販でノートパソコンを買う、東京〜博多間の新幹線の切符を往復で買うのにすら使えません。こんなものを使うくらいなら、クレカにします。
市中銀行が窓口になるというのは悪くない落としどころでしょう。どのみちルーチンの送金業務については市中銀行の方がノウハウがあり、例えば給与振り込みの代わりにCBDC口座に入金というのは簡単には実現できません。入金に上限があるならなおさらで、16万円の給料を10人に払うだけで口座には最低160万円の残高が必要です。また10人程度はともかく、数百人、数万人レベルのオペレーションまで導入時に対応するというのは無理があります。とはいえ、最終的には決済は(納税も含めて)基本的にCBDCのみですむ形を目指すのが望ましいと思います。金融・決済事業が専門化を強めると同時に政策的な証券資産形成の促進もあって個人の取引先が多様化しているため、複数の銀行と証券会社に口座を持っているという人も増えていますし、そうなれば口座間の資金移動が一定以上の頻度で発生します。それなら流動性資産はCBDC口座に集約する方が便利ですし、CBDCのオペレーションが口座ごとに異なるというのは、当面はともかく長期的には望ましくないでしょう。
匿名性は、正直安全性と天秤にかけるべき部分でもあるので(誤認で支払ったくらいならともかく、決済アプリや決済システムのバグで誤った支払いが起きたのならそれは誰かが補償すべきですし、その確認の際に匿名性は障害になりえます)、無記名PASMO程度の保護はあってしかるべきだと思います。また決済が顕名になることは徴税当局や犯罪捜査当局にとっては非常にメリットがありますが、そのあたりの余計な不信を抱かれないためにも、一定の工夫は必要です。とはいえそれはむしろ、民間にその点を工夫した決済サービスがあればよいのではないでしょうか。保護に乏しく残高や決済の限度額の上限も低い代わりに本人確認がなくCDBCの出入金記録には決済サービスの名前しか残らないサービスを自己責任で利用するという形で、需要は十分掬い取れると思います。「CBDCを導入すると、たちどころに国民のプライバシーがなくなるといった極端な議論もあるが、このようにそうでもない仕組みも考えられ、もっと丁寧な議論が必要だ」というのはその通りで、完全にCDBCに移行するというのでもなければ、もしかすると現金を入手するには車で一時間ほどかかる市中銀行の本店まで行って本人確認を含む面倒な手続きをしないといけなくなるかもしれませんが、もしかしたら日本銀行券というのはなくなって価額保証の無記名証券を発行してもらう形になるかもしれませんが、得失という形で議論することだと思います。「国民に不便を強いることはできない。現金を使いたいという人がいる限り、使えるようにせざるを得ない。しかしCBDCと現金の両方を扱うことになれば、だんだんと現金を扱うコストが高くなる。これによって、CBDCへのシフトが徐々に進んでいくだろう。日本は現金社会なので、CBDCの導入によるインパクトはものすごく大きいのではないか」というのはその通りでしょう。

■2020年11月04日(水)  確かに元はMacのソフトなのですが
マイクロソフト、Excel for MacのベータビルドでApple Siliconに対応
日和ったなというか、カットアンドペースト対応のVirtual PC for Macでも作った方がましじゃないのという気がするのですが、買うよりはAppleのおまけ表計算ソフトを使うような人が出てくるのが嫌なのでしょうかね。
とはいえ、最初のExcelはMacintosh用のソフトウェアとしてリリースされました。開発当初のコンセプトはDOS用のMultiplan後継ソフトですが、Windowsの開発が進んでいたこともあってGUIベースのLotus1-2-3対抗として開発されたわけです。もっとも、低スペックの68k Macではメモリ不足でアプリケーション停止やスワップアウトが頻発、グラフ描画やグラフのカットアンドペーストでよく止まっていたのですが。また、メモリフラグメンテーションの原因にもなっていたようです(MacOS X以降はこの手の問題には十分な対策が施されています)。そういった経緯もあり、またMS自身(たぶん独占禁止法関連の訴訟で痛い目にあったこともあり)アプリケーションはマルチプラットフォームでの提供を維持する方針なのでしょうね。

■2020年11月04日(水)  店舗側としてはエコなんだろうか
【本日発売】KFC「骨なしチキン1000円/1500円パック」
骨なしチキン1500円パック
骨は正直食べる際に邪魔ではあるわけで、骨なしが骨ありと同様にパックで提供されるのは大変うれしいのですが、家庭で生ごみが減るのは良いとして、センターも含めて調理の際の廃棄の面ではどちらがエコなのでしょうかね。とはいえ期間限定などと言わず通常メニューにして欲しいものです。

■2020年11月04日(水)  「パケット」ルーティング
物流Techの登場で今後数年で何が起こるのか、フィジカルインターネットとは何か
また怪しげな単語がと思ったのですが、調べた感じ、運送業者間での荷物受け渡しの効率化に絡むようです。パケット通信が広域小包輸送をモデルにデザインされた経緯からするとなかなかに皮肉の効いた話ですが、確かにコンピューターネットワークにおけるパケットのルーティングは貨物輸送よりもずいぶんと効率が良いわけで、分散性まで含めて取り込みたいという考え方なのでしょう。本来はこれが中小の連合から出てきて広域ネットワークを持つ大手に対抗する手段になって欲しいところですが、そもそも広域物流を効率化するためのコスト、効率化の手段を研究開発するコストを払えるのが、効率化する手段をイメージできるだけの余裕があるのが、大手だけだったという話で、TCP/IPがDARPAのプロジェクトの産物であることを思い起こさせられました。
とはいえ、「インターネット」はないと思うのですが。自律ルーティングに基づくネットワーク間接続自体はTCP/IPだけの専売特許ではないです。また物流、つまり実際に物を移動させることである以上速度やコスト(の削減)にはデジタルデータに比べれば非常に厳しい限界があり、IPにおけるパケット再送のような温い対応策を講じるわけにはいきません。というか、パケット再送に対応する再配達(や荷主からの再発送)がそもそも問題になっているわけで、むしろ規定の時間で確実に輸送を行う技術が求められています。インターネットの真似をしてはダメなのです。
基本的には各段階でコンテナを一杯にし、ラストワンマイルにおいて短時間で適切なルートとスケジュールを立案する計画技術や交通擾乱に負けない予測技術、預かり時間を最低限に抑えてスケジュールを守るための倉庫管理技術を分散的に実現することが求められるのでしょう。またコストと頻度や速度のバランス、輸送のトータルコストの予測性も求められます(どこぞの銀行間送金手段のように送金時点でコストがわからないなどということがあっては困ります)。

■2020年11月04日(水)  いやあな予感がする「UIの大幅な刷新」
Windows 10の次期メジャーアップデートは“Windows 10 ++”?
「仮にWindows 10++がSun Valleyに相当し、Windows Central誌にいうとおりにUIの刷新が行なわれるのであれば、「Windows 10++」という言葉が指し示すとおり、大幅な刷新になるのは間違いない。」
うーん、ここ30年ほどのUIの刷新の実績からして非常に嫌な予感がするのですよね。もちろん2画面デバイス、つまりモニタが2つ並んでいるだけではなく状態に応じて画面の使い方を切り替えるデバイスへの対応となると、それなりに使い勝手は調整しないといけないでしょうが、相当に熟成したケースを除き、WindowsのUI変更はWindows95でWindows 2000系に合わせたのを最後に失敗続きです。Windows XPのごてごてデザイン、Windows Vistaのさらにこってりしたデザイン、Windows 8のメトロと失敗続きで(Windows 7のUIはVistaのマイナーチェンジ)、Windows 10でクラシックに近いスタイルのスタートメニューにメトロの要素を取り込んだデザインになっています。もちろん、細かい使い勝手はずいぶんと変わっているわけですが、調べないとわからないレベルです。
C++が実際には使い勝手がヘビー級C--などと言われたのと同じで、迂闊に大幅刷新など目論むと、提灯持ちのライターやごく一部の人柱上等さん方以外に受けず、一般向けリリースで大ブーイングになるのではないでしょうか。これでスマホのようにそもそも違うものとして受け入れられたデバイス向けであるならともかく、PC用を変えると言われるとあまり歓迎する気になれません。Surfaceがタブレット++を目指すこと自体は構わないのですけどね。
まあ、必要なのはWin32ベースのAPIやクラシックのLook and Feelの部分だけなので、そこさえ外に出してもらえれば、MicrosoftがWindowsのブランドで全く別のものを作ろうと構わないのではありますが。

■2020年11月04日(水)  atermの調子が悪い
Aterm MR04MNを持ち出したところタブレットがWi-Fiを見つけてくれませんでした。
自動接続せず、手動でもSSID一覧に本来現れるべきSSIDが出現しません。LAN側、WAN側共に表示上は異常なし。タブレット側、ルーター側共にリセットしても改善せず。LAN側の使用周波数帯を切り替えても、切り替え自体は成功しますがSSIDは出現せず。
帰宅したところタブレットがネットにつながったため確認すると、別途設置してあるWi-Fiアクセスポイントのネットワークにつながっていました。クレードルに設置して固定ルーターとして使うと問題なく使えるので、WAN側の問題ではありません。予備機のMR04MNを起動したところそちらのSSIDはリストに出現したので、どうもLANに問題が出ているようです。
とりあえず予備機が使えるように設定を確認、ファームウェアをアップデートし、予備機の充電が終わったところで、クレードルに予備機の方を置いて、PCにつないでチェックしてみました。結果から言うとSSIDブロードキャストを抑止していたためにリストに現れなかったようです。電波状況などで接続先が宅内ネットのWi-Fiアクセスポイントになるのは良いのですが、SSIDブロードキャストを抑止すると自動接続すら効かなくなるというのはいささか問題がありますし、そもそもどうしてこれまで接続できていたのかという話になります。挙動を見るに一定時間接続していないと設定が期限切れになるのではないかと思いますが、そもそもSSID入力の際暗号化キーの入力も必須であるわけですから、接続暦のあるSSIDが指定されたら候補に出てくるなど、もう少し利便性を考慮してもらいたいものです。

■2020年11月04日(水)  メール復活
こちらのサーバーのメールアドレス、1年かかってようやく復活させることができました。いや、メーラーの変更にサーバー側のシステム更新が重なったこともあって戸惑っていただけなのですが。ただしSSH portforwardingはやはりSSHがつながった後おそらくPOP3のポートを開けようとしたところでエラーが出ているため、インターネット経由で平文での操作になっています。まあ、MIM攻撃を心配するかどうか程度の問題ではあるのですが。
というか、アカウントもパスワードも忘れ切っていたわけですが、なんとかならんかね?

■2020年11月03日(火)  まあ、紛れはないと言えばないのか
Apex Legends新マップ「オリンパス」に新レジェンド「ホライゾン」、R-99復活など盛りだくさんのシーズン7を先行体験
これ、商標権の侵害にならないのでしょうかね。まあ、光学製品と一緒にする人はいないとは思いますが、タイアップかと思ったという事例には問題がないということでしょうか。
もちろんオリンパスだのホライゾンだのありがちな名詞を商標にする方が悪いとは言えるのですけど。日本の光学製品ブランドオリンパスなら、社名の高千穂製作所からオリュンポス山を意味する英語綴りOlympus (英語読みしてオリンパス)を引っ張ってきているわけで、商標がかぶる余地は十分にあります。とはいえ英語でOlympusと言ったら固有名詞としては日本語では普通オリュンポスなのであって、マップ名だからオリンパスというのはないのではないかと思うのです。

■2020年11月03日(火)  やっぱり思う「この記事いくら?」
だから、多くのアパレルは苦戦することに
英米だけと比べて「他国」呼ばわりするのはいい加減にしませんか。
それから、構造的に過剰在庫を作り出すようなビジネスモデルを問題視するのは良いとしても、それを消費者市場の在り方につなげるような一面的でねじれた議論はおかしいと思います。それを言うなら製品モデルの回転速度や在庫コストの構造から見ることも可能なはずで、一方的にECだ在庫の集約だと論じるのはさすがに古すぎます。また出店コストが問題なら、出店エリアを絞ったって良いのです。
在庫だけを論じるなら、服ならばフリーサイズの単一のモデルだけを販売する形態が一番効率的であるはずで(長めのチュニックとローブないしはトーガとか)、それでは消費者がそもそも買って(定期的に買い替えて)くれないから、リスクが大きいから、サイズにしろモデルにしろ品揃えを拡充し、店舗ごとの最適在庫の分析なり、あるいはオンデマンド生産、変わったように見えてほぼ同じマニュアルで製造できるモデルチェンジなどを模索する話になります。「リアル店舗大国ニッポンが、これまで通りに「持続」できるのかどうか注目したい。」などととぼけていないで、そもそもEC化して売れるのかを議論して欲しいものです。
80年代レベルのシンプルな視点からけなされるのも注目されたうちなどという炎上商法をするコメンテーターに、このメディアはいつまでお金を払うつもりなのでしょうか。

■2020年11月03日(火)  合衆国市民でないのなら去れと言えるなら苦労はしない
だったらなんでアメリカに…英語を話さない移民への不満
それはわかるのですが、そもそも英語を話せないような移民を大量に受け入れて(それこそ人買いまでして)年季も定めずに、あるいは年季明け後の保証もせずに底辺労働に使ってきたのも事実です。また特に亡命者の関係で、市民宣誓自体が形式的に運用されていた歴史的な経緯もあります(ナチスドイツのユダヤ人政策の関係でアメリカ合衆国に亡命した専門家が市民宣誓に消極的だったことは否定できません)。そもそも住民の一体性などというものは、前提にすればどこにも住みようのない人が一定数出てしまいます。
自ら市民となった人は市民権の取得を神聖化しがちではありますが、コミュニティを形成するための一定の合意は必要であるにせよ、市民権というのが非常に便宜的なものであることには留意する必要があります。暫定的な合意を積み重ねていくしかないのであり、一方的に市民性を押し付ける考え方には反感を覚えます。

■2020年11月03日(火)  規格を決めればよいというものではない
自治体のシステム統一できる?菅首相肝いりも課題は多く
「引っ越しなど自治体をまたぐ転入・転出の時の手続きでも、機械で記載内容を自動で読み取ることが難しく、自治体職員が手入力し、確認する必要がある。」
嘘つけ。
たかが2000に満たない数の様式であり、しかも総務省による把握は容易です。20世紀末ならともかく今では自動読み取りに問題がないはずです。もちろん電子媒体なりコード化したデータなりの方が簡便に取り扱えますし、IDを提示すればオンラインで照会できる方が手軽ではあるわけですが、システムや様式を共通化する方が初期コストの高い古い方法論であり、低コストのリファレンスと様式情報の交換手順を決め、リファレンスを使うか独自に交換手順に対応したシステムを導入するかは拘束しない(そもそもスケールの問題があるので共通システムにしてしまうと小規模組織にはオーバースペック、大規模組織にはスペック不足になる)というのが現在の主流のはずです。その上でクラウドのサービスを使うかどうか、ビジネスプロセスと仕様をどう摺合せ、各種のサービスを組み合わせていくかという話になるので、共通のクラウドシステムを使えばコストダウンになるなどというのはそれこそ三周回くらい遅れた愚論です。でなければエンドユーザーコンピューティングなどという話は出てきません。部品と同じでビジネスプロセスも共通化すれば効率が改善できるなどというのは、その部品を組み上げる部分、部品を選ぶ部分を無視した暴論です。組み上げや選択も含めてどう最適化していくかというのがデザインなのです。

■2020年11月03日(火)  国会審議自体「改革」されないといいですけどね
棒読み、質疑やり直しも…苦しい予算委デビューの菅首相
答弁の質が悪いのは全く事実なのですが、正直慣例上何を問題にしてもかまわないことになっており、そうでもしないと与党側が委員会での議題を制約して問題を追及できない懸念があるとはいえ、予算委員会で人事手続や制度運用の問題を長々と質問することの方が、頭が悪く見えると思うのですけど。ここまで軽視するのは問題であるにしても、国会審議というのはパフォーマンスでしかなく「無駄」だというのはそれこそ国会開設以来の官の立場であり、今や有権者においてもテレビのバラエティ番組ほどの価値もないと思われています。有権者の行動への影響が小さく、改革の対象となるべき経費の無駄であり、マジョリティを押さえている以上(と思っているのでしょう)、答弁を含めて国会審議には重きを置かない、その分確実な票の確保と実質的な政策合意に集中するという方針なのだと思います。

■2020年11月03日(火)  健康保険証のマイナンバーカードへの統合化自体はともかく
政府、医療機関へのマイナンバーカード普及に躍起
躍起というか、医療機関と医療保険者側に導入するメリットがなさすぎるだけでしょう。民間に負担を押し付けるのは昭和初期からの伝統ですけど、設備負担が増えるうえに昭和中期までのような大きな効率性の向上を望めない以上、機器の無償貸与くらいしないと導入が進まないと思います。というか、そうやって事務コストを民間に押し付けるから民間の(特に小規模事業体の)効率性が低下した面があるわけで、それなりに投資がかさむ医療機関だって客寄せにもならない設備投資などお断りなのです。
それにしても、マイナンバーカードに診療記録を書き込むというのはありがたくありません。というか、記録媒体自体には永続性を求め難い以上、電子情報においては正本という概念自体がナンセンスであり、必要に応じていかに適切に複製を作るかという視点でないとまずいのではないでしょうか。というか、それが前提だと保険を使う気が失せてくるわけですが、ひょっとして個人情報駄々洩れを恐れて意識の高い層が公的医療保険の利用に消極的になることによる医療費負担の削減でも狙っているのでしょうか。

■2020年11月01日(日)  もしかしてamazonのリコメンド質が落ちてないか?
少し前から気になってはいたのですよね。確かにカメラ用品(フィルターなど)は買っていますが、ボディやレンズを買ったことはないわけです。もちろんフィルターを買う以上はレンズを持っているわけですが、そもそもボディがわからないとレンズを勧めても意味がありません。
でもって、アクセサリ・サプライのリコメンドに「WELLSKY VW-VBT380用交換バッテリー」というのが出てきました。型番にさっぱり心当たりがないので(というか動画撮影用機材はヨドバシの店舗でサンヨーのを買ったくらい)、持ってもいない機材のサプライを勧められていることになります。Amazonのお勧めと購入傾向から決められているとされているリコメンドですが、書籍はまだしも、使いもしないオプションを勧められても仕方ないというか、一定の根拠をもって本体を持っていることが推測されるのでない限り、そんなものを候補に入れないようにアルゴリズムを設計すると思うのですが。やたらとキャノンやソニーのフードが出てきますし(まあ、52mmフィルター関連なのでしょうけど、そのわりにニコンのフードが出てこない)。
そもそもこのカテゴリー別リコメンドにピックアップされる商品の基準自体が謎で、「缶詰食品」のカテゴリーに瓶詰がピックアップされていたり、「コミック」のカテゴリーに文章だけの技術トリビア系同人誌がピックアップされていたりします。もしかするとカテゴリーのタグが英語あたりで設定されていて、缶詰食品と表示されているものが密閉保存食品のことだったり、コミックの定義が通俗文学だったりするのかもしれませんが…

■2020年11月01日(日)  やっと開業ですか
コロナ禍のベルリンに新空港 何度も延期、ようやく開港
10年以上前に仕事がらみでブランデンブルグに行ったときにすでにもうじき新空港という話だったわけですが、ようやくですか。行った時期はベルリン中央駅が開業してすぐでした。
とはいえ、ベルリンに機能が集中していくのはどうなのかという気もしないではありません。中央駅も、ベルリンのど真ん中(なにしろミッテ区)なので、東京駅並みに交通容量が制約されると予想され、ターミナル駅というよりは経由が中心の乗換駅と思われるのですが、そもそも鉄道は今や広域旅客交通の主流ではないわけで、州内の各都市や周辺の州との交通が中心、乗り換えが便利なベルリン中央駅ということになります。一方空港は広域旅客交通の主流であり、ベルリンに設けた以上国際便のハブになることも期待されているはずです(むしろ容量不足でベルリン発着便を増やすことすらできないためにテゲルが問題視されていた)。金融の中心であるFaMはともかく、これまで南に加えて東へのハブでもあったミュンヘンが、東西の結節点としてのベルリンに地位を奪われかねないことになります。経済都市、自由都市でしかないFaMに比べミュンヘンはバイエルン王国の首都であったわけで、そちらから見ればベルリンは王国を棚上げにした憎きホーエンツォレルンの首都(ミュンヘンで蜂起を起こしたちょび髭の伍長はバイエルン人ではない)、せっかくドイツ国の崩壊でベルリンの地位が低下したと思ったのにという声は、正直なかったとは思えません。というか、中央の政治家や官僚、あるいはオッシーがベルリンに執着するのはわかるのですが、最初からドイツ連邦共和国の州がベルリンの拡充に狂奔する連邦政府を冷めた目で見ていたとしても不思議には思いません。まあ、ドイツ分断の象徴でもあったドイツ帝国の首都を立派に復興させて国威を発揚したいという連邦共和国の意図はわかるのですけどね。そのあたりが、「フランクフルト、ミュンヘンに次ぐ規模」の所以かなあと思わないでもありません。
正直ブランデンブルグ州にはベルリンとポツダムくらいしか見に行くところはないわけで、ハンブルグやブレーメンを拡充した方が良いのではなかろうかと思えたりもします。いえ、丁寧に回るといいところではあるのですよ。ベルリンを除けば風光明媚だし(ベルリンだって、近世以降の建築物や現代文化は素晴らしいです)。ただプロイセンの殿様がユグノーを大量に招いてなんとか整備した政治都市なので、ライン川沿いやそもそもミュンヘンすら新参の都市である南ドイツのように周辺に派手な見どころが散らばっているというわけではないのです。

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