日記

■2020年10月31日(土)  任意の休暇取得、要員の交代に慣れるいい機会ではあるのでしょうが
分散休暇と言われても… 年末年始は企業・自治体任せか
分散休暇の趣旨は分かるのですが(一斉に行動されると感染リスクが高まるっていうね)、そもそも有給休暇すら取得する習慣が乏しく、休日を増やさないと労働時間が減らないなどという国ですからね…困惑する現場も多いと思います。一律にする必要はないのですが、全従業員について休暇取得の予定を労基署に届け出させ、結果をチェックするくらいでないと、浸透はしないと思います。
というか、安倍政権もそうでしたが、アナウンスだけで実効性が伴わない、自己責任でという事例があまりに多すぎます。これも新自由主義の呪いか何かでしょうか?
まあ、ある意味変な団体行動文化を変える良い機会ではあるのです。休みは交代でとるものだという感覚が根付けば、お互い予定を調整しあって休暇を取る要領も身に付くことが期待できます。あらかじめ予定を立て、取引先にはこの時期はこの人物が担当になりますと連絡する、もちろん代わりの人には問い合わせに対応できるように引き継ぎはしておく、取引先も担当者が休むくらいでごちゃごちゃ言わないといった習慣が根付くきっかけになるはずです。
それだけに、当局には、十分な指導をして欲しいと思います。

■2020年10月31日(土)  何のためにマイナンバーを作ったのだか
GoTo、割引は「7泊分まで」 ビジネス目的対象外に
まあ、わからないでもないのですが…確かに日本では一週間を超えるような長期の観光旅行というのは主流ではありません。しかし、私のような二泊三日で済ますようなものは旅ではないという人種からすると、長期旅行をする財布とモチベーションを持った人を妬んでいるのではないのかなどと思えてしまいます。そもそも観光向けの消費を拡大したいのなら、長期の旅行というのはそれに向いているはずです。なにしろ拠点を長期間離れるわけで、現地での消費も増えます。また移動し続けるような旅行だと節約も困難です。
ではビジネス向けには使われないようにするためにはどうすればよいかというと(正直本末転倒というかビジネス旅行だっていいだろうと思うのですが)、他の消費、例えばイートとパックにしてしまえばよいわけです。つまり宿泊と昼夜二食でパック。もっともこれだと出張にも使えてしまうので、観光地の訪問チケットを組み合わせるとなおよいでしょう。まあ、DSP版Windowsをフロッピーディスクドライブにつけて買うような感じで手頃な観光地訪問チケットと組み合わせて出張旅費の節約を図る向きも出てくるとは思いますが、チケットを買った時点で参加主体に還元してしまえば目的は果たせますし、とりあえず次の確定申告で旅費については旅行業者の発行する明細を提出させ、観光地訪問チケットが含まれていたら経費から除外する(当然受け取った従業員には所得税がかかる)ことにすれば、税務署の負担は増えるでしょうが一定の抑止力にはなるでしょう。本当はこういう時こそマイナンバーの出番で、支払い時にマイナンバーか法人番号を書かせてしまえば経費として申告してきた旅費が誰によってどのように使われているかがわかる、はずなんですけどね。マイナンバーを書くのが嫌ならGoToの割引は放棄すればよいわけです。

■2020年10月31日(土)  090ではなく050が普通になって欲しい
eSIMはいいSIMか
「使い切りのサービスとしての可能性」
これ欲しいです。というか、少なくとも欧州諸国の店売りのプリペイドSIMというのはこういうものです。もちろんデポジットはそれなりに取られるわけですが、2000円のSIMでデポジットは200円くらいでしょうか。特に欧州諸国ではプリペイドSIMの対象としている若年層は貧乏なので(というか、信用に欠けるため口座引き落としができないのだと思われます)、あまり高いと買えなくなってしまうようです。
日本でもかつて出てきかかったわけですが、非合法活動の連絡に使われることを防止するためと称して事実上廃止されてしまいました。
というか、いい加減音声通話自体廃止してはいかがでしょうか。品質では下手をすると光電話よりもよほど優位にある携帯電話の音声通話ですが、これがあるがためにデータ通信専用SIMが日陰のままです。定額通話サービスなどは基本的にIP電話システムに移行してしまった方が、MNPなども考慮する必要がなくなり便利ではないかと思います。IP電話であればスマホにインストールした端末ソフトに番号を設定すれば済みますし、端末に付いた番号は呼び出しに使われるわけではないので変わってもかまいません。どうせ今後発展が見込まれるのはデータ通信なのです。

■2020年10月30日(金)  現状で回線契約とセットの端末割引がアンフェアなことは間違いない
クアルコムが「スマホが売れないのは改正法のせい」と噛みつく――総務省は「5G端末を特例扱いはしない」と一蹴
まあ、一蹴はしていいのです。石川氏の思い入れはともかく、たかが携帯無線通信端末です。
とはいえ、現総理のような蹴り方はあまり感心しません。そもそもハイエンドの新機種が売れないようにしたいというのが中古市場の普及を含めた総務省サイドの考えのはずで、そうなったから何が悪いと開き直るのが筋のはずです。ましてやクアルコムなど、端末が売れてほしいのなら関連の技術資産を全面的に無償公開せよ、部品代を半額にせよと蹴飛ばすべきです。なんなら日本国内に限り端末1台につき5万円のバックリベートを払ってくれるのでも構いません。そうすれば、Apple JapanにしろキャリアにしろiPhone(と5G対応でクアルコムのデバイスや設計を使っている他社の端末)の値段は半額近くに落とせます。ついでに輸入端末に500%くらいの関税をかけてくれるとなおよさそうですが(笑)。
そして、買いたいのであれば結婚をあきらめてでも、子供をあきらめてでも、一戸建てをあきらめてでも10万円なり20万円なり払い、あるいはローンでも借りて、iPhoneを買えばよいのであって、端末割引で高額端末を買う自由など馬鹿げています。回線やプランと抱き合わせで端末を割り引いてはいけないというならそれは所与の条件であって、端末メーカーにしろキャリアにしろ対応の余地はいくらでもあります。売り方が悪くて売れなくなったから規制が悪いとは、笑わせてくれます。割り引かないととても庶民の懐では買えない値段にする方が悪いのです。iPhoneを買う自由を言うなら、壊れたので同じ機種を買おうと思ったら売っていなくてすまほとやらを押し付けられた、えるてーいーとかあぷりとかはどうでもいいから使い方に慣れた端末を売ってもらいたいという自由も尊重していただきたいものです。

■2020年10月30日(金)  乗車率100%って、どこのローカル通勤路線ですか
電車の換気、乗車率0%と100%で大差なし 鉄道総研がシミュレーション
乗車率100%というのは、中央線の岐阜県あたりの事例でも想定しているのでしょうか?名古屋都市圏ですら200%程度は普通にあります。有効性を検討するなら、200%から250%くらいは想定すべきでしょう。
もちろん、「立った状態の乗客の頭の高さが空気の流れにどう影響するか」というのは大事な視点です。換気が完全に行われるかどうか(入れ替わった空気の体積ではなく、粒子として開始時の空気が車内に残らないかどうか)なども含めて、検討を進めてほしいと思います。

■2020年10月30日(金)  なんで14発も打ち込むんですかね
警官が黒人射殺、デモで略奪行為も 米フィラデルフィア
刃物を持って近づいてくる人に発砲すること自体は否定できないのですが、警官が14発も打ち込むというのは過剰防衛でしょう。フルオートの銃器でも持っていたというならともかく、下半身に数発撃ちこめば刃物の脅威というのは基本的になくなるはずで、仮に刃物を投擲してくる危険があるとしても、警官であれば十分な防具を着用しているはずです。それともアメリカでは、化け物系の娯楽作品のような22口径を何発撃ち込んでも襲い掛かってきて警官を捻り殺す事態が日常的に想定されているのでしょうか。制圧という目的から見ても過剰な暴力行使を恐怖に駆られてやってしまうようでは、警官としての訓練が足りていないと言わざるを得ず、そのような未熟な要員を警邏に出した治安当局の責任は問われざるを得ません。
だからといって、デモをして暴動に走るのはおかしいですけどね。

■2020年10月30日(金)  あれに公共性は本来ない
「誰があんたを」 ツイッターCEOに議員が詰め寄る
モデレーターが詰め寄られるというのはよくあることですが、あそこまで大きくなってしまうと影響も大きいということでしょうか。
とはいえ、保守派の投稿に品がないのも問題だと思います。「Black lives' matter!」というのは品位の上で問題がありませんが、「Lock her up!」というのは明白に品位に欠けます。ツイッターはトランプ大統領を品位なく罵倒するツイートも規制しています。保守派がそもそも品位を保つためのレトリック自体を敵視しているのか(20世紀にはリベラル派がやっていたことです)、単純にレトリックを操る教養に欠けているだけなのかは別の問題として、また創設当初のあの手のサービスが品位が逃げ出すようなものだったことも一時棚に上げておくとして(気にするようになるのは悪いことではありませんから)、テロリストの投稿を排除しろと言っておいて品のない保守派の投稿を排除する権利はないというのはおかしなことです。
それと、どこぞの品のない動画番組を垂れ流している電波を利用した免許事業と違い、採算性さえ問題にしなければツイッターの競合サービスを立ち上げること自体は全く問題ないことを認識して欲しいものです。

■2020年10月30日(金)  小さいテーブルに一皿づつ出てくるのではなく
バロック音楽と食事を貴族気分で テレマン協会が演奏会
会場や客層(悪いというのではなく、社交ではなく音楽や料理を楽しむのがメインになってしまう近代人根性)のせいでどうやっても元の雰囲気にはならないことを除けば、良い企画だと思います。値段は手頃な範囲ですね。時節柄色々大変だとは思いますが、成功するとよいですね。
ただし18世紀だと、貴族の晩餐会は立食のビュッフェスタイルかもしれません(あらかじめ個別の皿に取り分けられて出てくるようになるのはフランス第1帝政より後、つまり19世紀)。ビュッフェといっても20世紀以降のホテルの宿泊者向けサービスのあれではなく、大皿の料理が運び込まれてきて、テーブルサービスの人に切り分けたり盛り付けたりしてもらう方です。それでもコースという概念は成立していたはずで、つまり前菜、主菜、デザートが順番に運び込まれてくることになります。そう考えると、明治に入ってきた西洋料理、つまり指定された席に着いたまま調理場で取り分けられた料理が運ばれてくるのを食べていくスタイルというのは、ヨーロッパでも当時の最先端の流行だったことになります。ホテルの宴会場はこの種の様式に対応することも可能ですが、客の方が、演奏されている最中に取り分けをオーダーするのを遠慮してしまうかもしれません(マナー上は全く問題ないのですが)。
12月にも企画が用意されているとのことです。ジャズが一種の食卓音楽であることは言うまでもなく、またクラシックでも室内楽のような小さい編成のものは晩餐会で演奏されることが想定されている場合もあります。とはいえ、あまりにコムズカシイドイツ系の曲はないでしょうね。無難なのはハイドンやモーツァルト、後はウィーン系の軽い曲やフランス系などですが、あれを「クラシック」と言われると、ドイツ人が怒るかもしれません。様式としては古典派なりロマン派なりなのですけど。

■2020年10月29日(木)  落としにくくて読まれにくくて正しく読むときの手間が少なければよいので
電気不要で物理的にロックする「USBメモリセキュリティ」を衝動買い
たしかに下手な暗号化機能付きのUSBメモリースティックに比べればコンセプトとしては正しい気がします。

■2020年10月29日(木)  コンセプトがわからない
ヤマハ、デジタルサックスを発売 本物のパーツを採用して響きを再現
ブレスと管楽器用のキーシステムでシンセサイザーへの入力を行うシステムは他社に製品がありますが、どうもそういうコンセプトではない感じなんですよね。シンセサイザーへの入力ではなく、あくまでもサキソフォンとして演奏することに主眼がある。ヤマハは練習用のミュートについて定評があるので、そちら系の、つまりエレピのような製品ということでしょうか。
とはいえ、管楽器で「口の形(アンブシュア)を気にせずにプロ奏者のようなアコースティックサクソフォンの音を鳴らすことができます。」はないと思います。ちゃんとマウスピースを咥えられない奏者にサキソフォンを演奏させるというなら、極論として鍵盤シンセサイザーで十分でしょう。なんかプルプルするらしいことと合わせると、楽器というよりは、初心者が運指を練習するための機材ではないかと思うのですが、誰が買うんだこんなの。
まあ、アプリを使えば音色の編集はできるようなので、シンセサイザーとしても使えるのだとは思いますが、ベルをつける意味というのはあまり感じられません。

■2020年10月29日(木)  日銀が600兆円供給した、ではそれはだれが持っている?
異次元緩和、菅政権も続けるのか コロナ後の備えは?
そもそもデフレから脱却できていない状況では、異次元緩和自体は間違ってはいないわけですが。というか、ここで絞ったら一気にデフレが進みかねません。証券市場のバブルを崩壊させるにしても、資産の破裂が信用崩壊に連鎖する可能性がある以上、やり方は選ぶべきです。
とはいえ、輸血だけで患者をもたせている状況はおかしいと言われればその通りです。問題は官製相場だの政府負債だのではなく、相当流し込まれているはずの日本円がどこにどう流れているのかです。国債や投資信託を日銀が買っているのであれば、日銀に売った人は代金を貰ったはずです。もしかすると売った人は借金の返済に使ってしまったかもしれませんが、それなら金融事業者に資金が移動しているはずです。お金というのは日銀に戻ってこないと消えたりはしないので、誰かが何かの形で持っているわけです。それがなぜ消費者物価指数に影響を与えるような商品の価格上昇につながっていかないのか。あるいは財政ファイナンスと言いますが、そうやって政府が何かを調達している以上、その商品や役務の供給がひっ迫し、価格が上昇するはずですがなぜしないのか。
調査報道というなら、株価が日銀の買い入れで上昇しているとか国の債務残高が上昇しているといった、体温が上がっているとか咳が出ているといったレベルの状況把握では不足で、そもそも景気対策として打たれている金融緩和が景気を浮揚させるどころかデフレすら克服できない理由に迫るべきです。どこかに円が大量に積みあがっているはずで、しかもそれは、消費者金融や機関投資家のような現金を抱え込んでいたら商売にならないところではありません。個人にしろ銀行にしろ、現金を積んでおくことでメリットがあるところのはずです。本当は銀行も現金を積んでおくだけでは商売にならないのですが、債権にするとリスクが生じてしまうため、支払い準備を積むことには一定のメリットがあります。一方個人だって、本当に富裕な人というのは必要以上に現金の形で持たず、少なくとも債権や持ち分、生産手段の形で持つでしょう。そうではなく、現金の形で経済からお金を吸い上げてしまっている人がいるのです。調べるとすればそこを調べださないといけないでしょう。

異次元緩和にしがみつく日銀 もっとも望んでいるのは誰
まあ、成長するなんて言ったのは誰だという話はあるでしょう。実質成長率としてはマイナスもあり得る、それでも名目成長率がプラスになるように金融政策をするのだという話ですから。
とはいえ、中央銀行にできる不況対策というのはそれだけであり、仮に財政政策を行うにしても、金融の引き締めをやったらどうなるかはそれこそ大恐慌が証明しています。

■2020年10月29日(木)  嫌がらせかアナクロニズムか
霞が関は「22時閉庁を」 官僚の働き方改革へ署名活動
一瞬「22時とはまたえらくレベルの低い目標だな」と思ったわけですが、まあ、基準が午前様ですもんね。
とはいえ議員さんは国家公務員とはいえ自営業者であり働き方改革はあまり関係ないわけで(もちろん秘書を時間外にこき使ったら問題ですが)、役所が17時で対応を打ち切ったら大顰蹙ではあると思います。閉庁時間の規制というのはわかりやすい対策ではありますが、仕事のさせ方の改革と併せて進めないと意味がないという意味でいささか頭の悪い主張であるのは、働き方改革に主体的に取り組んでいる経営者ならわかっているはずです。署名を集めて議員あたりに請願というのはなかなか面白い嫌がらせだとは思いますが、できるだけ少ない歪みでシステムを変更するには時代遅れではないかと思います。

霞が関は「残業の震源地」 経営者ら、河野氏に改善要求
行政改革担当大臣に提出したようです。
もっとも、民間の残業を招いている部分についてはお触れ程度で改まるとも思えませんけどね。お互いスケジュールの見積もりが甘いのが問題なのですし。もちろん、いい加減な申請は修正を許さず却下してよいというなら別ですけども。締め切り間際になって詰めの甘いものを出してくるから直させられる面もあるのです。

届け、2万7000筆の思い 「霞が関は残業の震源地」──国家公務員の働き方改革に向け有識者が河野大臣に署名を提出
まずもって、民間から、リジェクトせざるを得ないレベルの書類が締め切り日に出てきたことが、それもカタログから選べば済む程度のものについて何度もあることは強く主張させていただきます。また確かに問題のある慣行に振り回されてよい働きができていない面はあると思いますが、官僚の能力自体低下している、優秀な人が辞めていくというよりはそもそもジョブトレーニングが機能していないように見える点も問題でしょう。働き方改革を推進した結果業務のクオリティがなお落ちてしまう、一年分の仕事が年度末になっても終わっていないといったことが起きる可能性が相当あるので、DXの前に、大臣は書類をちゃんと読んで自分で国会で説明をしていただきたいと思います。政策をちゃんと把握してしかるべき説明が自分でできれば木っ端役人が徹夜であんちょこを用意する必要も政府委員として呼び出される必要もなくなりますし、あまりに馬鹿げた質問に対して馬鹿と切り捨てることだってできるようになります。また質問通告が深夜にあろうと、官僚に仕事を回さず、翌日の朝会で幹部と少し話す程度で大臣が答弁できれば問題ないのです。

■2020年10月29日(木)  進化して大きくなったわけではない
4年半ぶりに買い替えたiPad Air(第4世代)は劇的に進化していた!
いや、進化じゃないんじゃないかな。
まあでも、老眼に限らずでかい表示画面って見やすいですよね。40インチモニタでマンガを読むのに慣れてしまうと10インチに戻れなくて…特に手書き文字とルビがね…解像度も高くなって、大画面でも粗が出にくくなりましたし。

■2020年10月29日(木)  検索エンジンの性能比較記事とか出さないのかな
アップル、独自検索エンジン開発を強化?Googleとの契約における独禁法違反調査の関連か
まあ、使っちゃダメと言われてしまうと自前で用意するしかなくなりますね。いや、手続の問題だろうという気はするのですけど、少なくとも検索サービスを自前で用意してしまえばそういう文句は言われませんからね。その代わり、自社でサービスを独占しているとは言われるかもしれませんけど。
検索エンジンなんて選んでまで使うものではないというか、どうせログをろくでもない使い方をしているのはどこも同じなので選びようがないわけですが、そこで選択のための情報を提供することもメディアの役目ではないですかね。クロールを許可したページが検索に反映されるまでの日数とか、意図した検索結果が出るかどうかとか。

■2020年10月29日(木)  なんでも反競争的と主張すればよいわけではない
iOS 14のプライバシー保護、フランス広告業界が反競争的として苦情申し立て
「競争」じゃないじゃん。これがAppleが自社を含めた特定の広告業者にだけフリーアクセスを許したとでも言うなら反競争でしょうけど、一律のアクセス制限でしょう。少なくとも広告業者については、商売ができなくなったからと言って愚痴ならまだしも苦情を言うのはみっともないです。
出版社、というかおそらく情報サイトや定期刊行物が中心のところだと思いますが、これが広告の制限は反競争的と主張するのはまあ、わかります。仮にもジャーナルなら記事で稼げと言いたいところですが、そもそも定期刊行物は広告料を稼がないと一般消費者が買う気になるような値段にならないので、高額の購読料を払ってもらえるようなステータスのあるジャーナルや記事単体を売って稼げる(学術誌の別刷りダウンロードみたいなものですが、あれは本来購読料と広告料で元は取っています)ジャーナル以外は成り立たなくなる、広告代理店にバックアップしてもらう形の新規参入もしにくくなる反競争的なものだと言いたくなるのは理解できます。反広告的な仕組みは、報道関係にとっては相当打撃になるでしょう。
とはいえ、いくらAppleがプラットフォームとしてシェアが大きいからと言って、公的な枠組みの事業でもないものにフリーライドしておいて反競争的という主張はないと思います。そもそもAppleのプラットフォームでは広告では収益が上げられないというなら事業モデルを変えるか撤退すればよいだけのことですし、ユーザー識別子ないしは端末識別子に基づくターゲティング広告自体は広告の単価を上げる方法でしかありません。紙の雑誌やテレビでの広告と同レベルの効率性で満足すべきだ、それ以上はユーザーのプライバシーが優先する、ユーザー自身が仕組みに参加するかどうかを個別に決めるのだというのがAppleの主張です。またコンテンツの供給コストを広告頼みで賄うようなことはやって欲しくないというのがAppleの主張です。独占はともかくビジネス全体の排除は反競争的とは言いません。

■2020年10月29日(木)  松屋に1500円のメニューは似合わない
「黒トリュフソースのビーフハンバーグ定食」を食べる
「誰もが松屋でトリュフのハンバーグを食べたいわけじゃない」
この評価はよくわかります。
「無責任ながら、いっそ、1500円ぐらいにして、めちゃくちゃ上等なハンバーグにしてしまいました……というほうがおもしろかったのでは、と思っています。」
これもまあ、その通りなのですが、その前に松屋に1500円のメニューがあったとして注文する人がどれだけいるのかという話はあると思います。期間限定ならありだと思いますが、客単価を上げる目的なら、ちょっと豪華なくらいで1000円まではいかないレベルという判断は間違っていないと思います。まあ、それでトリュフかよという話はあるのですが。自分へのご褒美という感覚では注文しないだろうなあ…企画の際にインパクトのあるネタが出てこなかったんだろうなあ。

■2020年10月28日(水)  IntelもAMDも何をしたいのかな
AMDが米Xilinxを350億ドルで買収。データセンター領域の強化見込む
AlteraがIntelに買われて5年、XilinxはAMDに買われましたか。Latticeもどこかに買われてしまうんでしょうかね。

■2020年10月28日(水)  自分で考えたら?
保育園、運営会社が突然の閉園手続き 職員ら撤回求める
経営が成り立っていない事業を終息させるのは、経営者として当然のことです。もっとも10月というのはいささか問題ですが。むしろ権限も財源もないのにサービスを継続しようとする「職員」のほうが問題で、目の前の仕事だけやっているというなら会社の指示に従って異動先に赴任すればよいのです。この場を維持するというならそれは保育の専門家の分を超えたことで、経営者としてその事業を買い取り、継続するという形でなければなりません。

保育園が突然、閉園強行 行き場なくす子も 千葉・印西
そりゃ経営者としては経営が成り立たないものはさっさと閉鎖するでしょうよ。不適切な時期の直前の決定になった点はともかく、事業の継続リスクを運営側に押し付けているのは行政当局が悪いし、園児に支障が出ない形で始末をするというなら、認可事業の廃止の申請がなされた時点で(あるいは保護者から苦情が出た時点で)行政当局が施設を差し押さえて運営を代行し、費用を請求するという形でないといけません。不承認などとのんきなことを言っている方がばかばかしいですし、使用人が勝手に業務を続けるなど論外です。

■2020年10月28日(水)  世界との乖離の前にPR担当者のリテラシーが問題
リカちゃん暴露騒動から見えるもの 世界と乖離する日本
発信側がチャンネルのキャラクター設定を間違っているだけだと思いますけどね。さらに、品性のうかがえないコンテンツを流しておいて、非難されると謝ってみせるというのは色々間違っています。

■2020年10月28日(水)  プロを何だと思ってるのやら
カメラ付き携帯時代20年 スマホはプロの写真を超すか
これ、撮影担当の方はタイトルを見て怒らなかったのでしょうか。どう見ても専門職の技能を馬鹿にしていると思うのですが。「きれいに」撮るだけが写真家の技能ではないのです。全く同じ機材を使っても素人と違った結果を確実に出せるからプロなり愛好家なりを名乗っていられるのであって、写真のプロならiPhone 12 Proを使って様々な場面において目的に即した写真を撮ってのけることでしょう。きれいだけどシャッターチャンスを逃した、余計なものが写っている、なんだか微妙に意図と合わない写真を撮ってしまう素人とはそこが違うのです。ピンボケ写真や手振れ写真を撮る状況が減ったのは、良いことですね。
それはそれとして、「アートへの貢献はこれから?」ってなんですか。あえてスマホやケータイを使ってアートのための写真を撮っている写真家はそれなりにいます。またスマホの画像補正技術はスチルカメラのデータ処理にもフィードバックされています。「誰もがインスタグラムで何げない日常の一コマを発表する時代になったが、芸術の世界では同様の表現が90年代から存在した。」というコメントも、スマホのカメラだって1980年代以降のカメラの枠をはみ出したものではないわけで、アートのシーンを変えるものではありえません。iPhoneでできることは、技術のある人ならRICOH GRでもできたことです。もちろん、ケータイ写真出身の写真家はこれから出てくるでしょう(それこそ2000年代にケータイ小説なるものが出現したように)。しかしその芸術性はスマホだから生まれるものではありません。というより、むしろ発達したことでスマホカメラだから生まれるアートをスポイルしたかもしれません。何しろケータイ小説など、ケータイの制約を逆手に取ったものだったのですから。現代の写真に関係する技術状況においてアートが生まれるとすれば、撮った写真が次々とSNSにアップロードされていく、その一連の流れを使ったものであるかもしれません。日常の一コマを撮影後に吟味して編集するのではなく、今まさに撮影された画像が集積され、公開されていく、そのライブ性を芸術性に動員するのです。そこでスマホを使うか専用機を使うかなど、些細な問題です。
それから、「「カメラ人口=スマホ保有者」となったいま、専用機が生き残るには、性能をさらに突き詰め、プロや趣味の写真家を満足させるほかない。」というコメントも違和感があります。もちろん性能の向上は必須です。またプロや趣味の写真家を満足させることこそ市場の維持につながることは間違いありません。しかし、プロやハイアマチュアしか使えないようなものになってしまうと、それこそ素人が趣味として専用機での撮影に移行するハードルが上がってしまいます。
これならスマホでいいじゃんとは言わせない、スマホのアシストで撮れてしまうきれいな写真ではなく、意図をもってアシストの程度や方向性までコントロールして写真を撮るための機材、素人が志を持ったときにその方向に導いていく機材が、専用機や周辺機材であって欲しいと思います。
もっとも、大衆があえて専用機を持つ必要がなくなったという点が量産品の供給で経営を成り立たせてきたカメラメーカーを脅かしているというなら、それはその通りだと思います。写真趣味に走ろうにも専用機は中古市場でしか売っていないということになるかもしれません。あるいは、量販店ではなくオーダーメイド、パソコンのBTOのような、ボディやセンサー、シャッター、画像処理エンジン、ファインダー、コントローラーなどを指定して組み立ててもらうような形になるかもしれません(当然価格は著しく上がります)。それこそ、ハイエンドの中判カメラがこの形態ですよね。レンズ交換式というのも、ある意味この一類型ですし。
ついでに言えば、過去の写真がカメラとフィルムだけでなく現像処理や焼き付け処理などの機材まで含めて結果を出すものだったのと同じで、今の専用デジタルカメラもカメラ単体で閉じたものではなく、パソコン(とモニタ)やプリンタまで含めてひとつの機材と言えます。スマホカメラの便利な部分はそれを一体化した点にもあるわけで、満足な表示装置を持たない専用カメラと比べるのは不公平です。まあ、だからといってカメラだけで閉じるような方向性(例えばWi-Fi機能やインスタ投稿機能)が正しいとも思えません。カメラだけで閉じられるのであればそれは便利かもしれませんが、それこそスマホのテザリング機能を使ってスマホ上のアプリに撮ったデータを取り込んで必要なら自動で処理をかけた上で望みのサービスに(自動)アップロードするのだって良いわけです。
節目企画だからといってあまり頭の悪い記事ばかり書いていると、スマホとクラウドサービスに置き換えられますよ?

写真業界で倒産急増、今年既に19件――高画質スマホ普及、コロナ追い打ち
でまあ、そのプロの方はこうなると。まあ、そもそも「現像」や「引き伸ばし」自体何をするのだかわからないユーザーが増えてきたのでしょうし、どうでもいい写真をプロに頼む理由も減ってきているのかもしれません。さすがに美容室で着付けした写真を美容師が撮るようなサービスは出てきにくいでしょうし(据付の自動撮影装置あたりの領分でしょうかね)、印刷にかけるようなアルバムを作る場合はプロに頼むことがそれなりにあるだろうとは思います。とはいえそもそもプロが身近でなくなっていくと、アルバム自体作らない方向には行きそうです。
もっとも、写真に限らずサービス業は、業務独占の資格か売れるだけの個性、もしくは素人受けするネームバリューを持っていない限り、これから厳しいことになるでしょう。
とはいえ、ルーチンの業務写真家ではなくフリーランスであれば、むしろ機材費をカメラとレンズに集中させることができ、その一方でスマホでの撮影のコツを含めた写真教室やスマホで取った写真をさらにブラッシュアップするための後処理教室(数値的な補正はともかく、クリッピングのような撮影者の意図が問題になる処理)などで稼ぐことは可能でしょう。なにしろいくら失敗しても手戻りでき、AIが選択を補助してくれるとは言え、意図まで含めて助言をして選択肢を示すというのは玄人にしかできません。とはいえ大人数をまとめて基礎的な技術を教えるような形は基本的にAIで代替されていくので、少人数や一対一で密度の濃い指導を行う形になり1回あたりの単価が減少、さらに効率が悪くなるにもかかわらず生徒一人当たりの単価は上げにくいことになり(指導料が高いとそもそも習おうという気が起きないので)、短時間で効率の良い指導を行う能力が求められます。その意味では、写真学校にトレーニング指導コースができたり、教育学部で(スポーツ指導員養成などとも共通する形で)個人指導を学ぶようになる可能性があります。また学校からのクラブ活動指導の請負あたりも出てくるかもしれません。学校での指導については、これまでは部で機材を用意するために学校という組織が必要だったわけですが、写真についてはもはや全生徒が一定レベルの機材を個人で持っているわけですから、指導者だけいればいいことになります。もっとも学校というのは教員という無償で使えるリソースがあるため、外部指導者を招く際もボランティアだのと支払いをケチり、かつ過剰な負担を押し付ける傾向があるので、制度を適正化するとともに請ける側にも注意が必要でしょう。また需要があるとはいえこうした教育事業はメインの収入とはならない、小遣い稼ぎレベルと考えるべきで、事務を含めた無駄なコストを極力かけない形、また無暗に活動に拘束されない形が望まれますし、指導を望まれるためにも、パブリッシングで稼げるようにしていくことが望ましいでしょう。
ちなみに、今の写真は基本デジタルデータであるため、オンラインでの指導にも適応しやすいはずです。

■2020年10月28日(水)  現金を宅配便で送ってはいけません
宅配便で500万円、コロナ対応の病院に 「役立てて」
ええと、いい話、なんですか?
まず、宅配便で現金を送ることはできません。もちろん事故があった場合の補償がないのは当然のことで、それ以前に約款上引き受けはできません。
また、郵便物が届かないような発送元を記載することも問題があります。
送った人は満足でしょうし、病院ももしかするとありがたいのかもしれませんが、輸送させられた運送業者にとっては大変な迷惑です。やるのなら持参してポストにでも突っ込んでおいた方がはるかに第三者に迷惑が掛かりません。
というか、移転した先に届いたからよかったようなものの、宛先不明で送り返そうとして配達できず、保管期限が切れて廃棄しようとして中身が発覚した場合、おそらく相当の騒ぎになったものと思われます。匿名で寄付をするにしても、やり方をちゃんと考えてください。
そういえば、こういう場合、扱いはどうなるのでしょうね?寄付の意思は明らかになっているわけですから拾得物扱いということはないでしょうが、事業収入でも寄付の受け入れでもないわけで、雑収入として課税所得でしょうか。

■2020年10月27日(火)  一番良いのはエネルギー消費が減ることですが
温室ガスゼロなら…世耕氏「新技術の原発新設も検討を」
いやまあ、炭酸ガスが出てはまずいのなら出さなければよいわけで、発電所のような管理された設備ならば、とにかく排ガスを全て回収して圧縮してボンベに詰めていくという手はあるはずです。何も原発だけが解ではありません。
問題は、電気では済まないが二酸化炭素を含む排出ガスの回収も難しい設備です。

■2020年10月27日(火)  大学教員は民間人ではないのでしょうか
学術会議人選「所属とらわれず」 加藤長官、首相発言に
「民間人や若手、地方大学の出身者らを例示」
民間人なり若手なりを選ぶとしたら、少なくとも博士号を持っていて、研究職の経歴が十分な期間あることが前提とは思います。
本来であれば学術会議の目的からして出自を問う必要はないはずなのですが、「我が国の人文・社会科学、生命科学、理学・工学の全分野の約87万人の科学者を内外に代表する機関」と自己規定する以上、応用研究にしても科学者でない人を会員にするわけにはいかないでしょう。引退研究者と区別が難しいですが、博士号を持った研究職でない人や民間のなんちゃって研究所のなんちゃって研究職も排除が望ましいのです。一番入れてはいけないのは経営者、自営業者、官僚でしょうね。
とはいえ、そもそも科学者の定義が不明確である以上、国の機関をもって科学者を内外に代表する機関とするのには無理があるように思います。

■2020年10月27日(火)  電話の技術仕様自体が問題ではあるのですが
「だまされたら商売上がったり」な職業のマジシャンが考える電話詐欺への対処
なるほど、代表番号にかけなおすという確認手段があるわけですね。まあ、身元をちゃんと聞き出せることが前提ではあるのですけど。そういえば、携帯内線になってから着信履歴が残るようになり、不在着信した場合については番号をキーワードにメールに検索をかけていました。それでもすべて不在着信にすると電話の意味がないですし、ヒットしなかったからといってコールバックしないわけにもいかないのですけど。しかも交換台から回された場合、発信元ではなくて交換台の番号が残るという馬鹿げた仕様でした。
電話はいい加減リスクが高いので、緊急連絡の手段としてはなくして欲しいのですけど。電子的なメッセージにしても、警察以外はどうせ登録をさせるわけですから、発信元確認手段程度は講じられるはずです。警察(と消防?)だけは、それこそ迷子を保護して名札の裏の電話番号に電話してくるという事態がありうるのですが、そもそも詐欺事件を防ぐのだって警察の管轄なわけで、警察が電話で身の証を立てることのできる手段の工夫もするべきでしょう。当然取る前に確認できることが望ましいわけで、実用化できれば第三者が利用できる可能性もありますから、発信者番号通知などというさっぱりあてにならない方法よりは活用のしようがあると思います。
まあ、怪しい連絡の特徴として、情報量が少ないというのはあると思います。電話というのはそもそも(特に取る前は)情報量が少ないわけで、詐欺師にとっては非常に便利な手段です。声を聞けば判別できるなどという馬鹿なことがあり得ないのはオレオレ詐欺で明らかです。いったん切って身元を確認してからコールバックするくらいがちょうどよいのでしょうね。他の通信手段にしても、発信者情報というのは全くあてにならないので、端末側で複数の手段で発信者の身元を確認する機能を実装するべきでしょうし、連絡を取る側も信用して欲しいなら身元確認の便宜を図るべきです。

■2020年10月27日(火)  いいかげん具体策を提示して欲しい
携帯料金が安くなる? 総務省、大手各社に競争促す対策
「利用者理解」「多様なサービス」「MNPの簡素化」が柱――総務省が「アクション・プラン」を策定 公正競争環境の整備を進める方針
総務省、モバイル市場の公正な競争環境の整備のための施策をまとめる
総務省、携帯値下げに向けた「アクション・プラン」公表
WhatじゃなくてHowが問題なんですけど?検討して結果を出して、それでキャリアが動くとでも思っているんでしょうか。抜け道を模索するに決まっているでしょう。回線卸価格半減などと言うなら最低限価格キャップ制くらい用意しないと効き目はないでしょうし、さらに言うなら価格統制策だけでは投資の抑制や品質の低下を招きます。電力料金でそれは十分明らかになったはずで、市場に任せられないのであれば市場に任せられる形になるまで事業全体を統制しないといけません。「市場」や「競争」においてアナウンスと野放しが有効だった時代はとっくに終わっています。
それとMNPにしろキャリアメールアドレスの持ち出しにしろ、電話会社を変更しやすくすることと値下げを引き起こすような競争を起こすことは別問題です。変更の容易さというなら対面契約で本人確認などという手続自体がハードルを上げているわけで、コンビニでSIMを買って端末に装着すると使える、コンビニでチャージカードを買って有効化すると支払えるくらいはしたらいかがでしょうか。

UQ・ワイモバの『20GB新プラン』が携帯料金の高止まりを招く理由
「総務省の毎度くりかえされる茶番に過ぎない」
まあ、このあたりが素直な受け取り方ではないかと思います。「結局大手キャリアしか残らなくなる」というのはその通りで、実際キャリアもそれを狙っているわけです。その点で、総務省としては競争を促進したいのか、ネットワークを充実させたいのか、料金を下げたいのか、優先順位をつけろという話です。もちろん、競争によってサービスの充実や料金の引き下げが起こるという理屈は理解します。ただし「菅総理が掲げる「4割値下げ」に直結するものとはいえない。」、これはサービスの充実についても同じで、どうやって競争を勝ち抜いていくかは、枠組みの範囲内で各企業が決めるというのが市場における競争です。その意味で、競争的な市場環境を作り上げるとは言えても、値下げとか5Gへの移行とかは本来直接約束はしにくいのです。
ただし、「総務省という立場上、当然のことながら、キャリアに対して「4割値下げしろ」と圧力をかけることは不可能だ。」ということはありません。総務省が自分の手を縛っている、そういうものだと自己規定しているというならそうですが、主観的な立場でしかないので、変えることは全く支障ありません(問題はあるかもしれない)。市場の外側にいるルールメーカーである以上、規制業種である無線公衆通信事業にどのような規制を適用するかは国会と法律に基づいて規制をかける管轄当局が任意に決められます。現状の6割を料金上限とするというなら、法律にそう書き込めばよいのです。現在の資本がそれに対応できないというなら、それができる資本が事業なり設備なりを叩き買って進めるだけです。
また、それこそ「たかがケータイ」だからこそ単純に、料金が高い、こんなに払いたくないという話になるわけで、市場での競争がどう働こうが5Gになろうが4Gのままだろうが、とにかく難しいことを考えずに使えて安ければよいのです。「消費者が格安スマホを「面倒臭い」「わからない」「手続きが複雑そう」と敬遠し、何十年も同じキャリアを使い続ける」方が自然であって、たかが電話するのに「自分がどう言ったスマホを使い方をして、どう料金プランを選ぶべきか、きちんと理解を深めて」いる余裕などないのです。「ユーザーは、自分が何に対して、どれくらいのデータ容量を使っているかをまず把握し、次にそもそも自分が使っているキャリアで、自分に合った料金プランを契約できているのか、無駄なオプションはないのかということを理解しないといけない。」というなら、石川さんはお住まいの場所を全ての点において無駄の排除を前提として決めておられるのでしょうか。住民税や固定資産税、公共料金が少し上がったら安くなる地域を物色して引越し、少しでも有利なふるさと納税を探し、0.1%でも金利の高い証券を日々探して買い換えておられるのでしょうか。100g単価と交通費の兼ね合いまで十分に検討したうえで夕食に使う豚小間をどこで買うか決めているのでしょうか。あるいはお子さんの就学先について、通学可能な、あるいはお仕事の関係で住むことが可能なすべての地域の、あるいは全世界の学校について、学費負担を含む経費、カリキュラムなど全ての点について検討したうえで決定し、必要なら転居も行うわけでしょうか。関心のある対象について徹底的に調べるのは常套手段ですが、全ての対象についてこれを行うことは不可能です。そして不満のある価格だからといって使わないという選択肢が事実上ない以上、キャリアの店頭でお勧めされたプランを選ぶのが最適なのです。全てのネジ製品について徹底的な試験や検討を行って使う品を決定するよりは、規格品なら間に合うような設計をする方がましなのです。そして、総務省のすべきことは、たいていの用途なら満足できる規格をちゃんと決め、事業者にそれを守らせることです。価格もそれに含まれていけない理由はありません。

■2020年10月27日(火)  利益以上にお金が必要って
悲願の上場が遠のいたキオクシアの哀しみ
上場はともかくとして、元が取れそうもない買取価格が提示されたら、そりゃ株主、それもさっさと売り払って利益を確定したい株主は増資に応じませんよね。
もっとも増資というのは、単純に株主権が薄まることを除いても、株価にはマイナス要因です。会社というのは、増資することなく利益から将来への投資を作り出していくことが期待されています。増資するということは事業がお金を必要としているということであり、現在の収益では将来の投資を賄うことができていない、つまり経営状況が悪いということです。配当の結果そうなっているというなら、軽いタコ配状態です。

■2020年10月27日(火)  とにかくいったん事業を清算させるというなら筋は通るのですが
持続化給付金など、財務省が終了主張 期限通り来年1月
いずれ終えるものであることはその通りですが、GoToをやっている状況で終えるというのはどうなのかという気がします。
槍玉に挙がっている中小企業支援策がとにかく接触回避という指示に従ってもらうためにも給付をすべきという泥縄で行われたものであることは否定できません。半年ほど経ったということで、より整備された施策に移行すべきであるというなら、それはその通りだと思います。ただその整備された施策の方が、全く聞こえてこないわけですが。
給付金頼みで事業を続けて元の環境に戻ることに期待するような経営は認めないというならそれはそれでよく、ただしこういうごたごたの最中なので、関係者を巻き込んでの破産(に伴う金融の混乱)と失業者の多発は避けたいはずです。給付金が入っていたとはいえ財務基盤が弱体化している企業も多いはずで、企業を終結させるにせよそのための費用に事欠く、あるいは数か月の事業停止で給付金と返済、利払い猶予を貰わないと破産しかねない自転車操業でここで事業を止めてしまうと本当に破産になってしまう(この手のレバレッジの効いた経営はここ50年経営者団体と金融関係者が経営効率改善と称して勧めてきたものです)といった状況への対処は必要です。それが、比較的財務に余力のある他の企業による事業の買取でもよいのですが、買収による財務の悪化を(投資家がどう反応するかはともかく)法的に許容する何らかの制度的な支援策は必要でしょう。もちろん、それに加えて向こう三年くらいは失業関連の対策も打つことになります。
そういった政策面での調整もしないで「臨時の給付金は予定通り終了!」と主張するなら、財務省の役人というのはどうも無責任だと思います。もちろん役人は無責任でよいわけで(というか木っ端役人の分際で政策調整をする方が分を超えている)、そこを政策の関連性から調整するのが政務官や国会の仕事、あるいは制度的なルールの役割ではあるのですが、その調整をする前に審議会での役人の無責任な主張が報道されてしまうというのは、政策調整の仕組みが機能していない、システマティックな調整のルールがなく閣議や国会に委ねられているということではないかと思います。

■2020年10月26日(月)  うっかり終電を逃す事務員が多数出るも終電アラームアプリの活用と慣れですぐに収束すると見ます
JR終電繰り上げ「山手線西側」の私鉄は混乱必至
都市文明の観点から言うなら、そもそも「終電」などというものがおかしいので、眠ることのない都市のインフラである公共輸送機関は終日頻繁運転をしていないといけません。労働時間短縮と言っても、6時間勤務4時間シフトの6交代で終日操業という形態だってありうるわけで、公共交通機関の夜間の業務停止時間が拡大すれば影響は出ます。
とはいえ、他社ネットワークにしろ利用者にしろ、十分対応が可能な範囲ではあるでしょう。また上り終電で山手線に接続できないと言いますが、それこそ杉山氏あたりのコメントにあるように上り需要の吸収はタクシーで十分です。あるいは外縁部の勤務先から山手線を経由して帰宅する需要を想定しているのだと思いますが、最寄り駅の終電しか気にしないなどということは今時ありません。
一番困るのは、成田や羽田の深夜到着便や早朝出発便の客でしょうか。サンフランシスコやロサンジェルスで終日運行の空港連絡バスを使った経験のある人は多いと思います。とはいえこれも、バスで吸収できそうなものではあります。
本当は、15〜18時くらいで退勤して、必要ならひと風呂浴びてから自宅でリモートワークでもすればいいのだと思いますけどね。

■2020年10月26日(月)  学校にしかない設備は減ってきたから
水泳の授業、民間スクールに委託 学校のコスト大幅削減
まあ、学校というのは共同利用施設でもあるわけで、都市部のように別の形で共同利用施設がある場合は、学校よりも効率が良いことはあり得ます。体育だけでなく、図工や家庭、音楽、英語、情報などは、学校でやるよりも民間に委託した方が良いかもしれません。
ただしそれはあくまでも民間の受け皿が期待できる都市部の話で、田舎ではそれこそ図書館すら学校にしかないようなことがあります。なんでも民間で済むわけではないので、気をつけたいところです。

■2020年10月26日(月)  国会審議はそもそも説明を要求できる制度ではない
政府説明は「チャーハン」、ご飯論法の上西充子さん傍聴
いやまあ、菅首相は官房長官のころからあの通りでしたし、そもそも「ご飯論法」自体がディベートや尋問対応での定番の技術ですからね。もっともこの程度の幼稚な弁論技術を振り回すと、対審ではまず尋問側からクレームをつけられ、改善しなければジャッジから改善するよう指示が出ます。
その意味では、安倍内閣以降(でもないか、それ以前からですね)内閣が一貫して国会審議を軽視してきたことは事実ですが、そもそもその国会審議自体、フィリバスター紛いの質問を含めた議事妨害行為とそれに対応した強行採決によって劣化してきた経緯があります。どうせ話し合いになどならないのだから、票の数にものを言わせて採決してしまえばよい、おしゃべりなどただの形式的な手続だというのは政党政治の本質で、説得は議場の外でなされるものです。
菅首相の立場に立てば、下手に説明などするとそれに拘束されてしまうので、別の話題を持ち出しそれで時間を使い切る、論点をずらす、担当者に答えさせると称して下僚に枝葉末節だけ話させ、かつ何人かに分担させて内容を矛盾させ、矛盾点については調査すると言って逃げるといった手段を駆使して説明を避け、行動の自由を確保しておくのは筋が通っています。むしろそれで逃げ切られてしまう質問者の能力に問題があり、調査もお粗末ならば資料の出し方も良くないということになります。

■2020年10月26日(月)  制作したんだか制作ないしは量産プロジェクトを公示したんだか
「HAL 9000」レプリカAIスピーカーのクラウドファンディングが破綻。出資金返還も望み薄
「2001年宇宙の旅」50周年、HAL 9000を精巧に模したAIスピーカーがクラウドファンディング中
クラウドファンディングで出資が成立したプロジェクトが破綻することや出資が滅失すること自体はあって不思議ではありませんが、記事にはいろいろ突っ込みどころがあります。
「当初の予定では2019年3月までに出荷されることになっていました。」ということは、プロジェクトを報せる記事にある「2001台限定で製作され、クラウドファンディングサービスIndiegogoでキャンペーンを開始しました。」というのは、2001台限定で製作する、あるいは2001台販売するプロジェクトのキャンペーンをクラウドファンディングサービスIndiegogoで開始した、だったことになります。プロジェクトがどこで難航したのかわかりませんが、Indiegogoのステータスでは目標額に対して811%の達成であり(つまり所定の資金は調達できた)、プロジェクトに関する資金調達上の困難ではなく、開発もしくは会社全体の継続に支障を来したと考えるべきでしょう。開発の停滞だとしたら、そもそもキャンペーン開始時点ではモックアップ程度しかなかったと考えざるを得ません。COVID-19関連でそもそも事業を進められる状態ではなくなったというのは、資金面以外でもありうることですが、そもそも2019年3月のローンチが遅延している時点で2018年中に、つまりキャンペーンのほぼ直後に問題が起きたと考えられ、これはもちろんCOVID-19関連とは考えられません。もちろん、試作は終えていて、量産を手配したところで問題が起きた(予定していた業者では量産で所要の品質に達しないことが分かった、予定していた業者が破綻した、etc.)可能性はあるわけですが、目標額の8倍もの資金が集まっていたのなら、量産段階での問題はある程度なら解決できるようにも思えます。
記事というのは、そのあたりがわかるように書いてもらわないと困るわけで、クラウドファンディングについてお説教を書いている時間があるなら経緯の部分をもう少し正確にすべきです。Indiegogoからアップデートをすべて取得するだけでもう少しまともな経緯が出てくるでしょう。もちろん、キャンペーンの報道において、開発プロジェクトなのか量産プロジェクトなのかわからないような記事を書いていることも問題です。

■2020年10月26日(月)  クリエーター保護機能の間違いでは?
Photoshopに「ディープフェイク」防止機能 編集履歴などを記録、後から確認可能に
すみません、どうしてこれがディープフェイク防止になるのかわかりません。
もちろんそのデータがオーソライズされたものでないことは示せますし、オリジナルの提供者が悪意を持って提供したものでないということも示せるでしょう。フェイクの一次的被害者が誤ってオリジナルのクリエーターを攻撃してしまうことは防げるかもしれません(「画像編集による誤解を防ぐ」という目標)。あるいは、注意深いユーザーならBehanceに登録して素性を確認し、どうも怪しいと判定するかもしれません。
しかし、これではクリエーターの悪意を防ぐこと自体はできません。フェイクデータを作成し、トレーサビリティを断ち切り、素性の怪しいデータとして配布すること自体はできてしまいます。ライセンス発行時にトレーサビリティの有効化を義務付けることは可能ですが、データの一部となっている識別情報など、別のプログラムを使った簡単な操作で変更できてしまいます。義務付け自体はプライバシーや個人情報保護の問題を起こしえますが、そもそも利用者として契約をする時点で一定の自由の放棄を求めること自体は問題ありません。嫌なら使わなければよいのです。
ディープフェイクへの対策としてやらないよりはましですが、これを「防止機能」と言われると大きな違和感があります。

■2020年10月26日(月)  スペックや作り込み以前に商品企画に問題がある
ニコン「Z 5」に見る“ニコンクオリティ”の現在(前編)
ニコン「Z 5」に見る“ニコンクオリティ”の現在(後編)
ええとね、こだわった部分や工夫については非常によくわかるのです。Nikon Zへの入り口としては妥当なモデルではあるのでしょう。
しかし、まずもってエントリーとしては高価にすぎます。もちろんちゃんと作り込んだNikonボディであり、コストがそうそう低くならないのは理解します。しかし、いくらZ7IIが40万円(yodobashi.com、2020/10/26)だからといって、Z5が19万円(同前)でおいそれと買える人がどれだけいるのか。せめてボディのみで10万円を切ってもらえませんか。とにかくNikonを手に入れるためなら財布の中身を惜しまない見栄っ張りやファン、エンスージアスト、スペックマニア、あすなろなら、エントリーモデルではなくハイエンドを買います。せっかく買ったのがエントリーモデルでは、上から見られるか、前に使っていた他社製品のハイエンドの方が良かったということになりかねません。一方エントリーモデルというのは、高校生や子供の生まれたお父さん、そろそろスマホでの撮影から卒業したくなった安月給の事務員といった人が買うのです。お年玉やボーナス1回分で買える額でないと意味がありませんし、ローンが残ってしまうようではミドル機やハイエンド機に買い替えてもらえません。サプライヤーとしては、買い替えに誘導できてこそのエントリーモデルでしょう。
そして、キットの内容が間違っています。というか、エントリーモデルに標準ズームキットがあること自体は間違っていないのですが、そもそもf/4-6.3のズームレンズでZマウントのFXが必要ですか?DXでよいでしょう。開発者、商品企画者としてはFX機でどんな写真を撮って欲しいでしょうか。FXとZマウントを活かすとすれば、少なくともS-Lineが必要でしょう。もちろん取り回しの楽なズームレンズとの組み合わせはできてしかるべきですし、f/4-6.3 24-50mmはその状況で十分な性能と利便性を持つはずですが、Zを味わうためのエントリーモデルというならZでないと撮れない写真を撮れるキットがあってしかるべきです。そう、f/1.8シリーズです。Z5と50mm f/1.8の組み合わせで15万円程度のキットがないというのは、商品コンセプトとして間違っています(35mm f/1.8の方が初心者向きのような気はしますが、さすがに15万円にはならない感じですね)。取り回しのしやすい標準ズームはその上で2本目として、ボディを使いこなすために買うものではないでしょうか。あるいは、Z6にステップアップする際にキットで買ってもよいですが。
あえて言いますが、エントリーモデルの標準ズームキットを買うようななんちゃってユーザーに向上心などありません。追加のレンズも買ってくれなければボディのステップアップもしてくれません。そういうユーザーに売っていくこと自体は否定しませんが、ステップアップの第1段階としてエントリーモデルを買う向上心の芽生えたユーザー向けのキットも用意するべきです。今レンズ交換式カメラを売り込むべきユーザーとは、そういう人たちです。

■2020年10月26日(月)  利用しているのは事実だし
コロナ禍だけどミャンマー総選挙 活動できぬと野党批判
対応できない方が悪いと言うのは簡単なのですが、それでは済まない部分があります。つまり、前例になってしまうのですね。よくあるのが選挙前に小規模な武力紛争を起こして勝って見せたり、テロなどの不安定要因を利用したりというもので、この事例もCOVID-19への対応で対面の宣伝活動が規制されているという状況を利用していること自体は疑いようがないので、次の選挙の時も規制が解除されなかったら、あるいは何か他の理由をつけてでも都合のよい時期に選挙を行うような事態になったらという野党側の懸念はもっともです。さらに、選挙の勝利を利用して野党の活動を制約するような制度を作られたらなどと考えていると不安にはなるでしょう。
まあ、疑いだすときりがないのですけど。

■2020年10月26日(月)  むつじゃなくて原子炉の遺産認定ですね
原子力船むつ、ふね遺産に 「負の遺産だ」と非難の声も
ななめ読みしてあれ?なんでJAEAなの?船体はJAMSTECが運航してるのにと思ったのですが、もしかしてと思ったら「非現存船」だそうです。つまり原子炉の方がメインなので、船体はお呼びじゃなかったのですね。まあ、JAEAとJAMSTECの仲は悪くないはずなので、ご近所のむつ研究所あたりからだれかセレモニーに列席しているかもしれません。もちろん建造したのは日本原子力船研究開発事業団なので、JAMSTECが船体の引き取り先で関根浜港の主要クライアントだとは言っても、組織を引き継いだ原子力研究所がらみでJAEAが認定書を受け取ることは自然ではあります。
まあ、地元が雇用を優先しているせいで港を引き払わせてもらえない(JAMSTECあたりにしてみれば、浦賀水道を出たあたりに母港を置いた方がうれしいのではないかと思います)状況で「負の遺産」もないものですし、船の部分は精算済みなのでもはや負ですらないのですが、やってみないとわからないことというのはあるものですし、感情的にならずに経緯や事例を検証して欲しいものです。

■2020年10月25日(日)  大学でないのが残念ですが
知事選初の女性対決へ 山形、同窓の先輩後輩が出馬表明
女性で同窓というのを見た時点で西高かと、大学のころいたにすぎない私ですら思ってしまう程度に、西高卒の女性というのは山形市周辺ではエリートです。大内氏は市内出身ですが吉村現知事は大江町の出身、もっとも山形市内の進学校には周辺市町出身の生徒が少なくありません。吉村知事はお茶の水大に、大内氏は同志社大に進学しており、成績優秀だったことがうかがえます。そのわりに就職先はリクルートと山形テレビとぱっとしないのですが、リクルート出身の方は男女ともにアグレッシブな方が多い印象がありますし、県内では山形テレビは優良企業です。大内氏は地元志向が強かったのでしょうか。もっとも、政治家で吉村さんというのであれ?と思ったら吉村元市長の縁戚なんですね。
まずもって山形は首長は現職優位や無投票当選が多い印象で、県知事も19回選挙をやっているにもかかわらず知事は6人しかいません。ちなみに東京都は21回の選挙で9人の知事が出ています。
経歴や方針を見る限り、実質的な政策にはあまり差がないのではないかと思えます。大内氏の主張する通り山形県は20歳手前を境に40歳あたりまで全国に比べて年齢別人口が落ち込んでおり、20世紀後半あたりから域外への進学が多くなり、そのまま県内に戻ってきていない状況を示唆しています(データはWikipedia 山形県で2005年のもの)。これ自体は山形県出身者が学業面で優秀ということだとは思うのですが、一方で県内に就職先がないということも意味していると言えます(20代以降に段差はない(40歳あたりの落ち込みは全国も同じ傾向を示しているので別の要因)ので、県内に進学した人はほぼ県内で就職しているようです)。行政でできる対策としてはアトラクティブな産業の振興しかないわけで、スローガンはともかく差のつけようがないでしょう。そして「インフラの整備や医療、教育などの環境を整えることが必要」という大内氏の主張は「高速道路やフル規格新幹線、空路などのインフラ整備は、人材の定着、産業の立地、人口交流の拡大にもつながります。」、「県民が安心して健康長寿で暮らせる医療提供体制の充実」、「本県の発展を担う人材育成は重要であり」といった吉村知事の主張と対応します。つまりどちらも現状認識、問題意識、対応策について大枠で一致しています。となると真面目な論点としては個別の具体的な施策の部分になるわけで、下手にまじめに論戦をされると、何がどう違うのかわからなくなりそうです。国政与党側だという大内氏のアピールも、自民党は執行部と地方組織が揉めていることも少なくないうえに、あいかわらず市場原理主義や受益者負担の主張が猛威を振るっている中央政界と山形県政がどこまで連携できるかは予断を許しません。

山形知事選、野党支援の現職が勝利 全県選挙で自民連敗
というわけで、現職が自治体首長の夢見る四期目に入ったようです。都道県知事だと八期が最長、市町村長だと十〜十三期が最長のようです。
とはいえ四期目となるとそろそろマンネリ化しかねないので、ここは後輩にも花を持たせる感じで、有識者による政策提言の委員会にでも迎え入れるという手はあるように思います。委員会であれば対立するような提案は薄まりますし、メニューとしての政策に差異はないのですから摺合せは可能でしょう。委員会なら衆知を集めてという形なので、選挙で争った陣営としても受け入れやすいのではないでしょうか。次の選挙までにお互い論点を整理する契機にもなりそうですし。

■2020年10月25日(日)  欧州人権裁判所の判事が頭を抱える様子が少し想像できてしまった
トルコ大統領「マクロン氏は精神治療を」 仏は大使召還
政治手法以前に、こういう言動をするから独裁者と断定されるのかな、と思わないでもありません。そこはマクロン氏も似たようなものですけど。
政策には否定しがたい面があるにせよ、橋本治氏や松井一郎氏、河村たかし氏などにも違和感を感じるのはそうしたあたりで、ご本人は率直な感想やユーモアだと思っているのかもしれませんが、どうにも品性に欠けます。その意味ではSir Winstonや元大日本帝国駐英大使あたりもあまり品性に恵まれてはいないわけですが、馬鹿にすべき相手を馬鹿にするというのは人間性に即した行為でもあります。言いにくいことをスパッと言って爽快感があるのと合わせて、人気は出やすいのでしょうね。とはいえにこりともせずに信じてもいなさそうな口上を一方的にお伝えしていた令和おじさんみたいな人も政治家にはいるわけですが。
まあ、ご本人なりに相手は選んでいるのだと思いますし、口喧嘩をしていても、相手を取り込んで多数派工作をしなければならないような状況にならなければよいわけで、15世紀ならともかくトルコに地中海を押し渡ってアルプスの麓に攻め込むような芸当はできませんし、フランスもイスタンブールに海兵隊を送り込むような地力はもはやないでしょう。EUの舵取りについてはいささか不安なしとはしませんが、座礁する分には国内問題で済むとは思います(まあ、エスカレートして法廷に事が上がった場合(イスラム教徒の迫害は人権侵害だとかイスラム教徒による表現の自由の侵害行為を規制しないのは言論に対する挑戦だとか)に法廷にあえて棚上げを決め込むくらいの肝っ玉があるかは問題ですが)。人間他人と仲良くなどできないものですし、罵り合ってはいるが殴り合いまではいかないというのは、案外正常な状態かもしれません。

■2020年10月25日(日)  誉め言葉はしばしば残酷
「子育ては楽しい」の呪縛 正論になんて従わなくていい
制度の充実度というよりは一般的な価値観の問題ですね。こればかりは、現在一般的な価値観を説く人よりも大きな声と権威をもって説いていくしかない部分があります。
もちろん母親の負担というのは事実大きくて、父親が負おうとしても相当のことをしないと負いきれない部分があります。なにしろ母親が参加すると思われているイベントに父親が参加した場合、あそこの母親は何をやっているのかというプレッシャーがかかるわけですから。それを負おうとする場合、父親はプレッシャーをかけられた母親のケアまで負わないといけないわけで、ケアする側にもされる側にも相当の覚悟が必要になります。
そしてこの種の価値観を痛感させられるのは、「『母という幸せ』が絶対の価値であるかのように言われた時の違和感」とあるように、おそらく自分の考えに反して誉められた時、同意を求められた時ではないかと思います。もちろん「子育てって素晴らしいことなのだから、母親としてそれに全力を尽くしていかなきゃ」、「子供のそばにいられない仕事なんかして母親としてどうなの?」などというお説教もあるわけですが、「負の感情を表現することが許されない」というのはどちらかといえば誉められた時や何気なく同意を求められた時ではないかと思います。そういったときに素直に同意できない、同調圧力を感じてしまうというのはなかなかにストレスフルです。これはまあ、外食に行ってどうにもよくできているとは思えない料理を周りが褒めている場合などにもあることですが。
とはいえ、あらかじめわかることではないとはいえそうつらいと思うならなぜ子供など作るのかという意見は他人としてはありうることで、正論に従わなくてよいというのは、つらいと言ってよい、おかしなロールモデルに縛られずに自分たちで判断して対策を講じてよいということであって、その意味では二重に公的制度の話ではないわけです。むしろ公的制度を充実させて、制度があるのだから子育ては楽でしょう、楽しいでしょうなどということの方が問題です。邪魔扱いされたら子供がかわいそうなどというごもっともな意見に「でも事実邪魔だし」と言い返すと人でなし、親の資格がないと謗られそうな方が問題です。個人的には「妻がその時期出張で子供だけ家に置いておくわけにいかないから訪問作業の時期をずらせてくれ」と取引先に言われて非常に微妙な思いをしたことがあるので(もちろん要求通りずらしましたけどね、上司も理解がありましたし: ただまあ、ワンオペかい!という突っ込みに弁解のしようがなかった、というか仲介担当者に私自身がそう突っ込んだのも事実です)、代替人員の手配を含む公的な制度というのは大事だなとも思うのですが。

■2020年10月25日(日)  自己資本比率の改善のための増資って
スターフライヤーが増資検討 投資ファンドなどに打診
こういう話を聞くたびに、資本金って何だろうと思うのです。
会社については資本維持の原則というのがあり、経営において会社は資本金に見合うだけの財産を持っていないといけないとされています(というか広義においては貸借対照表の資本の部に相当する財産がないといけないという意味になりそうですが)。これは、必ず返すという約束の下でお金を貸す債権者にとって十分な抵当があるかどうかを判断する、その基準として資本金の額面なり資産なりがある、なければならないという話ですが、一方で資本金を運転資金に使ったり債務の返済に使ったりしたらそもそも財産として残らないわけですから、経営者側の理屈、つまりお金が必要だから調達する、その手段としてコストが低いのであれば株式発行だってかまわないし使途も制約されるべきでないといった話を制約するものではないかと思います。運転資金が必要であるなら借り入れる(というか運転資金分くらいは資本金とは別に持っているのが筋)、担保が足りなくて借りられないという状況の場合に初めて、増資をして現金資産を増やし、それに見合う分を借り入れるという話ができるかもしれません。とはいえ、そういう見せ金としての資本金の調達、ありていに言って財務の粉飾が株式会社として健全なものとはあまり思えませんし、手順としては、現金なり現物なりの資産を取り崩して債務を返済し、その減少した資産相応まで資本金を減額(減資)し、その上で改めて出資を求めるべきではないかと思えます。そもそもテクニカルに財務を改善したいから資本金を増やしたいですなどと言われたら、庶民からはなんじゃそりゃと言われても仕方ありません。可能なら株主団から有利な条件での融資を受ける、あるいは会社(経営者)に代わって株主団が債務を引き受けた上で会社に対する債権を減額するのが筋でしょうが、株主と経営陣との距離を考えると難しいかもしれません。というか、責任が出資額に限定されている代わりに帳簿の穴埋めもしにくいというのが株主で、本来株式会社でレバレッジの効いた経営(資本金の7倍もの借り入れがあるというのは立派にレバレッジが効いています)をすると割と簡単に破綻するものだと思います。
そのあたりの意味合いで、(株式)会社の財務諸表というのは普通の頭では理解しがたいものではないのかなと思います。

■2020年10月24日(土)  やはり分散化が必要では
Apple MusicやSpotifyら、差別的内容含む楽曲に配信停止措置。BBC調査きっかけ
場に即した慎みというのは必要だと思いますし、Apple MusicやYouTube Musicなどは多くの人に開かれた場であることを標榜しているわけで、そこで不穏当な表現に及べば排除されることは止むを得ないと思います。
その前提の上で。
そうした場に音楽消費が収束しているという点がむしろ問題なのではないかと思います。歴史的にも、不謹慎な表現というのはいつの時代もあったわけですが、同時にそういった表現が「広場」から排除されてきたことも事実です。もちろん表現する側としては「広場」で行うことに価値を見出しているわけで、抗議はするわけですが、一方で入り口側を穏健なものとしたうえで一定の閉じられた場においてそうした表現を行うという適応もあったわけです。主張を訴える側は、よりスマートなリーチの方法を考えるべきではないかと思います。また、サービスだけでなく、音楽配信サイトを簡便に立ち上げることのできるキットの普及が望まれます。
ところで何が不謹慎な表現なのかですが、このリストだと露助やポテト野郎、エスカルゴ、ビーフイーター、あるいはウィンザー宮のドイツ人どもやデンマークからきた亡命ギリシャ人を侮辱するのであれば差し支えないように読めるのですが、まあ、そんなことはないのでしょうね。

■2020年10月24日(土)  なぜそこまでして磁石押し?
アップル、MagSafe充電器ではレザーケースに丸い跡が付く可能性を警告。クレカへの影響も
うん、問題があるとわかっていてなんで磁石を使うのでしょうか。サードパーティー製品だというなら別ですが、純正品です。しかも特定機種専用の。
まあ、ポンと置いただけで位置合わせができて固定できてという意味では磁石にメリットがあることは理解できます。ICカードが普及して、昔ほど強力な磁石が禁忌でなくなったということもあるでしょう。だったら磁石を使うのを前提にケースを用意すればよいはずですが、保護用のリングなどつけたら外観が損なわれるのでそれはあり得ないとして、シリコンラバーとか皮のケースに注意を払っても使うような需要があり、かつそれがないとユーザーが他社のスマホに流れかねないとでも思ったわけでしょうか。皮なら比較的軽量で手触りが柔らかく温かく高級感があるというのはわからないでもないですが…

■2020年10月24日(土)  5Gが必要ないならもう2年待てばよいのでは
iPhone 12「5G契約」本当に必要?
いやまあ、5Gを使わない前提でiPhone12を買ってどうするという気もしますが…とはいえMVNOをメインにしている人は困るのでしょうかね。
正直、iPhoneは長期間のサポートが比較的良い方ですし、機種更新だが5Gのエリアは近所にないという人は、もう2年くらいは待てるのではないかと思います。いつかはiPhoneの人も、もう2年ぐっと堪える。どうしても必要なのは、スマホ関連のライターさん(同人記者を含む)くらいじゃないかと思うのですが。でもライターさんなら、5G契約をして5Gスポットに行ってでも体験して欲しいです。

■2020年10月24日(土)  ドライヤーでいいから入れようよ
DIY水冷の組立に便利なCORSAIRの工具セット
ヒートガンというのは…もしかして硬質チューブを加熱収縮させるために使うのでしょうか。写真のキャップのように見えるものがリーマーのようです。お値段5980円でヒートガンをつけろというのは無理がありそうですが、7000円くらいにしてヘアドライヤーに毛が生えたようなのをつける手はあったのではないかと思わないでもありません。

■2020年10月24日(土)  実行航続距離としてはどの程度か
「ハマー」がEVに、1000馬力で走行距離563km、350kWの超高速給電に対応
まあ、よいことだとは思います。それこそモーターの使用によって、不整地走行時の走行安定性が向上するかもしれません。
しかし気になるのは、実効的な航続距離がどの程度かということです。もちろんスペックにそう書いてある以上、一定の条件下でそれだけの走行時間バッテリーがもつことは確かだと思います。しかし、ハマーというのはオフロードヴィークルです。つまり充電施設など全く期待できないコースを延々と走ることもあり得ます。これがオンロードであれば、オーストラリアあたりでもない限り200kmも走れば道路脇にガソリンスタンドのひとつもありそうなものなのですが…で、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなら、ジュリ缶に燃料を詰めて荷台に積んでいくことで、保険が利きます。もちろん電気自動車でも、別途緊急充電用バッテリーなんぞがあれば、それを充電した状態で積むことで同じ効果を狙えるわけですが…現状ある気がしません。バッテリーはジュリ缶よりは相当高価です。また出先で、車載バッテリーならまだしも、緊急充電用バッテリーを充電できる設備があるかどうかもわかりません。まあ、急速充電が可能であれば、車載バッテリー充電用の設備につなぐことで何とかなりそうな気はしますが。それを考えると、自由行動圏としての実効的な航続距離は200kmくらいがせいぜいではなかろうかという気がするのです。
もっとも、カリフォルニア州で売ろうと思えばEV化は必須であり、カタログスペックで500kmも充電なしで走れれば十分ではありますけどね。

■2020年10月24日(土)  そういえばなんでマイナンバーカードを活用しないのだろう
「めっちゃ損した」……「Go To Eat」のレストランに、予約なしでGo Toしてしまった件
なんというか、お気の毒様です。いやまあ、この手のお得観念はどうかとは思うのですが(むしろgotoなんか使わなくとも私は飲食店支援に貢献していると自慢したらよいと思うのですが)、なんとなく損した気分になるという庶民的感覚は理解できます。しかも比率が大きいですもんね。
でもって、この制度を利用するにはどうも本人確認が必要らしいのですね。この時点で個人的には関わりたくなくなりますが(もっともこの手のポイント制度を使うのは恥ずかしいことだとも思う)、なにしろなんで外食するのに本人確認が必要になるのかと言うね。別にお待ちの山様お席の準備ができましただっていいようなものでしょう。ポイント制度を適用するに際して確認するのだという趣旨は分かりますけどね。
その証明書類を見ていて気になったのが、マイナンバーカードが使えるわけです。まあ、あれは写真付きの証明書として使われることを想定しているので、当たり前とは言えます。しかし、運転免許証や国家資格証明証はともかく、マイナンバーカードであれば、提示によって事前手続なく制度を利用できるという形もあり得たのではないか、まあ予算枠の都合かもしれませんが(予約時に枠が切れたと言われる方が店頭で断られるよりも悪印象は少なそうだし、予約サイトに枠が割り当てられているみたいだし)、あるいは混雑回避の方策かもしれませんが、予約してなかった!と思わせるよりはマイナンバーカードを取っておけばよかった!と思わせる方が良いでしょうし、この場合計画性のない人だけが損をするので、カードの発給が遅れても今更申請する本人が悪いですむのではないかと思います。でもって、当面はこの手の振興策が講じられることが期待できるわけで、その際にマイナンバーカードを提示すると有利と判断する人が増えれば、取得の促進につながるでしょう。貧乏性の愚民への有用性の提示の良い機会だったのではないかと思うのです。
なんなら参加店舗にカードリーダーを配って、決済の際にスキャンする習慣をつけさせてもよかったでしょうが(もちろん個人的にはnoと言える自由人でいたいと思いますが)、さすがにいくらICカードリーダーが普及品になったとはいえ、準備は間に合わなかったでしょうね。実施できれば、個人の支払いを税務において把握するいいきっかけになったと思うのですが。拒否を認めないというなら問題ですが、特典を獲得するために本人が同意するなら、個人の行動記録の提供自体は問題とはなりません(拒否した場合に特典を認めないというのも問題ありません)。生活において(事実上であっても)必須の行為について一定の自由の放棄を要求するというなら問題ですが(ですから全ての支払いにおいて必ず身分証の提示を要求すること、ないしは身分証の提示のない契約行為を拒否する義務を提供者に課すことは自由の侵害でありえます: とはいえ、課税制度の効率化においてはこの種の網羅性が望ましいとも思いますけど)、価額一万円程度までのオプショナルな特典の付与であれば放棄させても問題ないでしょう。拒否したって不利益はたかが知れているわけですから。

■2020年10月23日(金)  コレジャナイ貧乏臭さ
東京防音、机上に置くだけで使える防音ブース
コレジャナイよ。これじゃ図書館の学習コーナーだよ。この雑居部屋的発想、どうにかならないものですかね。

■2020年10月23日(金)  調べたから報道ってどこの大学生か
公的マネーが大株主、東証1部の8割 4年前から倍増
「調べでわかった」は結構ですが、何が問題だというのでしょうか。
そもそも「異次元の量的緩和」において株式や投資信託を含む証券を買い取って銀行に資金を供給している以上、日銀が民間企業の大株主になるのはいたって当然です。お金を刷る量には限界がないにせよ、適切な形で発行されないと一般的には意味がない(まあ、意味があるのはユーロ円くらいですかねえ: 国内のインフレにはあまり効かないですけど)ので、市中銀行が円を創造しない限り日銀が円を売るしかないのです。でもって売る以上何かを買わないといけないわけで、それがたまたま株式だっただけのことです。そして、市中の株式や銀行が保有するような投資信託に組み込まれている株式は上場銘柄(東証一部ですし)であり、機関投資家を含めた投資専門家がシステマティックな企業支配(ありていに言って配当重視と業績向上の強要)を行うことはここ50年くらいは大前提です。日銀だからと言って違いはありません。支配権を云々するなら上場などしなければよいのですし、日銀が通貨供給の一環として株式投資を行う(その結果保有された企業や売った人に公的資金が供給された)こと自体は、通貨供給の目的に照らして問題はありません(むしろ投機家がそれを元手に長期投資に進出してくれるなら経済政策としては歓迎できます: 経済が上向いてくれば、帳簿上の回収はいつでもできるのです)。銀行に供給された「円」(これだって広い意味では公的資金)にしろ、最終的には民間企業に供給されないと生きてきません。公的資金云々の道徳と、金融政策の在り方では、金融政策が大事に決まっています(まあ、それで投資先の会社がどんどん潰れて投資が焦げ付いたら、日銀の責任問題にはなりますけどね)。そのくらい高校で習います。というか、そこを突き詰めていくと、政府による民間への発注自体否定しないといけません。
というか年金積立金管理運用独立行政法人の方がむしろ問題で、こちらは配当益や売却益を目的に運用するのが基本なので、日銀のように焦げ付いても謝ったら済むというわけではないのです。積立金が減ったら大問題になります。
証券市場が日銀の通貨供給や年金運用法人の投資によって支えられているというのは、経済の状況としては問題ですし(さっさと日銀が株を売って円を買い戻せるようになって欲しいですね)、株屋連中の言う証券市場の活性化などたわごとである証明ではあります(その点ではアベノミクスの「演出」という評価は正当です)。それこそ日銀が株式を無造作に放出した場合、市場株価が暴落することになります(日銀は金融政策の担当者なので、そういうことはまずしないでしょうけど)。どこぞのバカのようにいきなり利益確定売りをかけてこない点を信用できるだけましでしょう。しかし、仕事をしたからと言って日銀を責めるのはおかしいのです。経済を上向かせるためにしているのが通貨供給ですし、日銀ができることというのは通貨供給に尽きます。それ以外、つまり通貨供給にもかかわらず経済が上向かないのは、日銀からじゃぶじゃぶの通貨供給を受けないと(というか受けても)まともに融資を実施できない市中銀行、ダイエットに四苦八苦してばかりで利益率はともかく一株利益が改善しない当事者企業、そして金融庁を含めて産業政策を担当する役所の問題です。
まあ、インフレの兆候が見えた時点で日銀が残高の処分を開始し、景気は上向いたが株価は上がらないという事態は生じるかもしれません。とはいえ市場での株価流通と企業の収益には直接の関係はありませんので、儲けそこなった投機家が儲けた投機家の代わりに犠牲になるだけのことです。年金運用法人がこの被害者側に回りかねないというのが、難儀ですね。
それにしても、アドバンテストとは親しみのある名前が出てきたものですが、株価指数への重みの割に発行株式数が少なかったのでしょうか。品薄になってさらに株価が上がっている可能性があります。とはいえ品薄の上相当の比率が機関投資家保有分である以上ボラティリティの低さは期待できないわけで、仕手株扱いかもしれません。

■2020年10月23日(金)  捨て鹿
シカ、引き取ってくれませんか? 増えすぎて市がお願い
困って引き取りをお願いしている、鹿の幸せを祈っているなどというと美談っぽいですが、ただの無責任ですからね?飼えなくなって次の飼い主を探すというのは動物愛護の上では捨てるよりまっとうですが、正直「どうか可愛がってください」と何が違うのか疑問に思います。いっそ住民の代表として、市長が全頭殺処分後供養のために出家して宝珠寺あたりに入って倫理的な責任を果たせばよいのではないでしょうか。行政措置としては維持できない以上施設ごと処分せざるを得ませんし、飼育動物を維持できない場合殺処分というのは動物愛護団体に非難されるにしろ適正な施策です。政治責任としてはそこまでです。その上で、動物愛護団体の非難に応えて、市長が自らを擲って倫理的な責任を取る。そして飼えないものは観光政策であっても無暗に飼育しないことの諫めとする。動物愛護団体は、弱体化する地方自治体の財政事情に鑑みて、自治体の飼育施設の基金化などを主張し、具体化していけばよいですし、市長の一人で過去の過ちが清算できるなら安いものでしょう。

■2020年10月23日(金)  参政権の要件
投票は日本国籍の市民だけ 「世の中と逆の流れ」の声も
というか、理屈の上では所得税や住民税の納税義務があるのに参政権がないのはおかしいと言えばおかしいのです。代表なくして課税はないのですから、長期滞在して税金を納めている以上、予算を決定する議会の議員選挙に参加する権利くらいはあってもよいと思います。また日本国籍は取得に際していろいろうるさいことで悪名が高いのです。取ったらと言われてそうやすやすと取れるものでもありません。
また、国家なり自治体なり(governmentではなく国民ないしは住民を構成員とする法人としての)への帰属表明をもって政治参加の条件とされてしまうと、私のような仕方なく日本国民なりをやっている人間の立つ瀬がありません。国なり自治体なりが国民や住民を保護するという前提があって、保護をいきわたらせるために住民への国籍付与や不当な国籍の剥奪の禁止という話があるわけで、どこぞの元郵政民営化担当大臣ではありませんが、自治体への帰属意識などない、税金も払いたくないという人だっているわけで、それでも居住地を移動した場合自治体への届け出が義務付けられ、住んでいない住所の住民登録を放置しておけば職権で現住所を設定されたりもするわけです。どこぞの合衆国のように何の登録もなく暮らせるなら(それでもフリーライダー呼ばわりされたりしますし、一理くらいはないわけではないのですが)ともかく、市長と市議会の革新政策に不満があろうが憲法上天皇に実権がないことに不満があろうが、それだけでは国籍も住民登録も否認できません。とにかくどこかの国なり自治体なりに国籍登録なり住民登録なりをしてその保護を受けるというのがルールなのです。だからこそ、国籍のない人が出てくると少なくとも地元自治体は困るわけです。一私人が勝手に否認をするならそれは勝手というものですが、市長という公職にある人が、例え私的な発言であっても帰属をもって参政権の要件とすると言うことには問題があると思います。

■2020年10月23日(金)  それ厚労省の経費節減ネタだよね?
助け合い「何もしない」が半数近く 厚労省のネット調査
こう書かれると隣人と没交渉のコンクリートジャングルを想像させられますが、積極的に助け合いをする方がよほど異常で過度の干渉だと思います。ゴミの日に隣の人が家にのこのこ入ってきて勝手にゴミ箱を整理してゴミ出しをするようなことが理想ですか?管理できていないからと言って庭木の剪定を申し出るのは余計なお世話ではないでしょうか?
この手の調査は厚労省が介護や家事支援を削減する際の補強のためという印象を拭えません。親族間、隣人間のトラブルを起こさないための中立的な行政による制度的な介入であって、「新たなつながりや支え合いをつくる必要がある」などというのは行政は面倒を見切れないので自助努力と言っているにすぎません。つまり村社会から出てきたと思ったら懐かしの村社会を作れと言われているわけで、明治からの200年は無駄だったと言っているわけです。都市になるのは無理でした、全部間違っていました、ごめんなさいという自己批判もなく、資産取引と経営だけ制度的に都市化されて、他は連帯ばかり訴えるのはどうかと思います。いっそ政令指定都市で餓死するのは自業自得とでも言ったらいかがでしょうか。

■2020年10月23日(金)  子供向けだから夢いっぱいなんでしょうかね
KDDI、キッザニアに「5Gエリア設計士」を体験できるパビリオン
まあ、MNOには5Gどころか自動車電話のころから、基地局の設置計画を担当するデザイナー、プランナーがいるはずですけどね。あれはあれで知識も経験も必要でしょうし、機材の更新の際にエリアの再編成を行うとかできるだけ効率的に機材の入れ替えを行うだとかいう話になると相当高度な計画を立てないといけないとは思います。
とはいえ、「パビリオンのジオラマには基地局計画が反映され、街の空にドローンが飛ぶ様子などがモニターに映し出されるため、5G通信で街がどのように変化していくのか確認できるとしています。」と書かれるとそれは5Gの話なのかと疑問になってしまうわけで、むしろ5Gなら、無線LANのレイアウトと同じで、エリアがかぶって無駄になったとか干渉したとか、電波強度が不十分なエリアができたとかでエンドユーザーからクレームが上がってくる構内5Gネットワークをいかに問題なく運営するかというストレスフルなゲームのイメージがあるのですが、どうなんでしょうか。

■2020年10月23日(金)  LV650/RAを買って残念な思いをする人がいたらどうするのだろう
まったく違和感なく週刊誌のデザイン業務ができるクリエイター向けPC<LAVIE VEGA>
村野さん、せめてどのモデルを使ってのレビューなのかはちゃんと書きましょうよ。おそらくLV950/RALなのでしょうけど、さすがにメインメモリ8GBでAdobe CCがInDesign込みでスムーズに動くとは思えません。またInDesignのようなオンメモリでなくとも作業ができるようになっているだろうソフトウェアの使用感においては、Optaneは効きそうな気がします。
そして、確かにAdobe製品に同梱されているモリサワフォントは印刷物デザインにおいていろいろ便利でしょうけど、それを使いこなすにはIllustratorやInDesignがまともに動くことが不可欠です。MS-Wordでいくら頑張ったってInDesignでちゃんと作った印刷物に敵うわけがないのです。包丁(というか、それこそ包丁の握りや重さ?)を論じろと言われているのに素材を云々してどうするのでしょうか。まあ、インストールに要求されるディスクスペースから展開する時の重さに至るまで重量級ではあるでしょうし、それがサクサク使えるパワフルなコンピューターだというのはわかりますけどね。それが散々引っ張っておいて最後の一段落というのはどうかと思います。

■2020年10月22日(木)  これはライターが悪いかな?
ファーウェイのシェアがついに厳しい状況に!? Honorブランドの売却報道も
ファーウェイも大変ですが、「ファーウェイでなくなれば、半導体をはじめ問題なく供給が受けられる(はずだ)。」というのはわかるようなわからないような…そもそも安全保障上の理由であれば、他の中国メーカーでも同じ理由で規制しそうなものですしね。
ところで
「 Honorはファーウェイが2013年に立ち上げた低価格ブランドだ。中国では主にオンラインで販売する低価格帯のラインで、当時ネットオンリーのビジネスモデルでスタートしたシャオミの成功を受けて対抗策として開始した。

 Honorはシャオミのブランドではあるのが、Honor事業としてプレジデント(George Zhao氏)を立てており、かなり独立して動いている。また、スマートフォンだけでなく、スマートウォッチやノートPC、ホームルーターなどのラインアップもある。」
長い引用になりましたが、「Honorはシャオミのブランドではあるのが」というのは「Honorはファーウェイのブランドではあるのだが」でしょうか。いつもなら編集部仕事しろというところですし、「だ」についてはそう思いますが、シャオミとファーウェイを書き違えた部分はライターさんの責任のような気がします。明らかに誤字や誤変換の類ではなく「書き違え」ですし、そもそも出稿前に読み直していれば気付く類だと思います。

■2020年10月22日(木)  それじゃ大学のメールアドレスも持ち歩けるということ?
携帯メアドも持ち運びOKに 乗り換え促進へ総務省方針
いや、変ですからね?もちろんただの識別文字列だと思うのならそれでよいわけですが、本来メールアドレスの@の右側、ドメイン名というのは、組織の識別子です。固定電話の番号における局番と同じで、ちゃんと意味があるのです。
やり方次第で実装はできます。
しかし、無理矢理携帯メールを契約者だけに紐付けるような形にするよりは、MVNOも含めて携帯メールの提供を禁止し、第三者のメールサービスとの契約を取り次ぐ形を義務付ける方が(まあ、テキストメッセージ中継事業の兼営の禁止とでもするのでしょうかね)ましだと思います。スマホはおおむねGoogle Mailで済むわけですし、スマホベースでない(つまりGoogle Mailが使えない)ガラケーもほぼないのでしょうし、自由な市場でガラパゴス的な発展をしてきた携帯メールをキャリアから切り離すのはありだとは思います。とはいえ、じゃあ携帯メール以外は野放しかという気が、そもそもインターネット接続サービスと紐つかないメールを含むアプリケーションを調達してきた側からすると、するのですけどね。
もちろん、国民全員にメールアドレスを付与する、なんならマイナンバーと紐付けて管理するというなら、気持ち悪さは別としてありだと思います。とにかく面倒なしに使い続けられる連絡先があるというのは、人によってはありがたいのでしょう(国籍を離脱したら使えなくなるのかといった問題は出てきますが)。とはいえ、インターネット的自由とは相当違うものであるとは思いますけどね。

■2020年10月21日(水)  このサイトはまじめに仕事をする気がないのでしょうか?
実機で感じたiPhone 12|12 Proの違い。どちらを選ぶかは「価格」か「将来性」の2択
西田さんのコメントは良いのです。まあ、スマホに将来性も何もあるかいな(どうせ2年で買い替える)という話はあるのですが、こうすれば自慢できるという説明はちゃんとしています。
しかし
「しかしながら仕上げは対象的だ。」
「対称的」ですよね。まあ、典型的な変換ミスだと思います。少なくとも出稿時には、この種の単純なミスはありがちだと思います。しかし、それを検出、訂正するための編集部であり、編集作業であり、校正なのであって、スピードとコスト重視のために著者校正をしない方針であっても、このレベルの校正なら今時コンピューターでもできるでしょうに。ブログ形式だとしても、投稿手順に自動校正を噛ませることくらいできます。ライターと契約して広告を取ってくることが編集部の仕事だというなら、ニュースサイトだメディアだエディトリアルオフィスだと名乗るのは止めていただきたい。「運営」で十分です。

■2020年10月21日(水)  マイルストーンではあるのでしょうが
クアルコムなど、5Gbps超の5G通信に成功
いや、マイルストーンとしてはわかりますけど、本来これを基地局1台に端末200台ぶら下がった状態でやらないといけないのでは?そして、下手すると10台以上ある隣接基地局にハンドオーバーしないといけないと思うのですけど。

■2020年10月21日(水)  「大手」で「フランチャイズチェーン」では補助の想定外でしょうよ
マクドナルドとKFC、「Go To Eatキャンペーン」に食事券事業のみで参加 全店では実施できず
まあ、マクドナルドとKFC、あるいはおそらく同様の状況にあるであろうFC各社にとっては残念な話でしょうが、そもそも所轄官庁からすれば「え?参加するの?」かもしれませんよ?そもそもマクドやケンタに客を取られかねないようなローカルな資本を想定していると思われるので、全国展開するところは風俗産業、接待業と同じで想定外でしょう。店舗は大変かもしれませんが、経産省はともかく、内閣としては店舗が大変なら本部が支援すればよいとでも思っているのではないでしょうか。助言役だって、中小企業は規模拡大によって事業の効率化を図るべきだとは思っていても、リスクを店舗に押し付けるフランチャイザーや自主性のないフランチャイジーを公金をもって援助しないといけないとは思っていないような気がします。むしろ、そういった画一的なサービスが潰れて、かつてのマクドナルズハンバーガーズなどのような個性のある事業者が成長すべきだなどと思っていたとしても、おかしいとは思いません。
“トリキの錬金術”や“無限くら寿司”で課題噴出 Go To Eatが飲食店事業者を救わない、これだけの理由
多分、「救う」の概念が違っているのだと思います。政府が救いたいのは、キャッシュレス決済やネット予約などに積極的に対応し、「コロナ」後に向けて経営を「刷新」していく飲食事業者なのでしょう。もちろん政策の整合性というのもあるので、感染防止ガイドラインやデジタル化を担当する部署から突っ込みが入って制約がかかってしまったということも十分あり得ます。いずれにせよ、「コロナ」廃業を防ぐというよりは、「コロナ」を利用して社会転換を進めるという意図だと思います。その方針や、転換の方向性が妥当かどうかは別の問題ですが。
全国展開のフランチャイズや極端に地元志向の田舎の飲食店は、政策意図として救済の対象外であるわけです。居酒屋やバーも、あるいは接待を伴う飲食サービスも、率直に言ってふらっと入って現金で飲食するような店は淘汰の対象、ソフトドリンクの自動販売機(できればキャッシュレス対応)と予約してコース料理(ともしかするとショーかなにか)を楽しむような店だけが残って欲しい、予約も電話ではなくデジタル化して欲しいし、予約サイトに仲介サービスを集約すれば多言語化もしやすいといった発想ではないでしょうか。
こうだからおかしい、飲食事業者を救わない政策だと主張するなら、本来泥縄の対策であると同時に政策として「コロナ」対応とは別の意図があるということを読み込む必要がありますし、そのような論説でないとただの既得権の主張にしか見えません。

GoToイート、食事券買っても発券できず 苦情が殺到
とはいえこの、用紙がなくて発券できないというのは情けないですね。どうせその場しのぎの策なのだから偽造防止に特殊用紙など使わず、発行サイトでスマホにでもダウンロードさせればよいでしょうに。そうすれば、運用上の都合により予約サイトの使用必須と主張できたでしょう。行政改革担当大臣もデジタル化担当大臣も、ハンコだオンライン講義だなどと言う前にこっちを何とかした方が良いと思います。

■2020年10月20日(火)  迷惑は考えてほしいかな
マイクロソフト、ユーザーに無断でWeb版OfficeをWindows 10に導入。強制再起動の報告も
アップデートで強制再起動するのはいつものことですし、Edgeはたいして使わない(ローカルのPDFビューアーくらいか?)のでOfficeが勝手に入っているくらいはかまわないのですが、確かにそれらしいものがありますね(一か月前、2020/9/20付でOfficeというのがアプリ一覧にあります)。ただEdgeにはそういうものがある様子がありません。
うっかり起動の条件を満たしてしまってクレカの登録画面が出てきてびっくりなんてことにならないとよいのですが。いや、マイクロソフトは自業自得ですが、「なんでこんなものが出た?ウイルスか!」と騒ぐ人から問い合わせを受けるのは、まずもって近くにいる知っていそうな人なのですよ。

■2020年10月20日(火)  ガジェット趣味者がどう思うか
USB-Cを搭載したiPhoneは未来永劫登場しない可能性
まあ、ポートレス化はiPhoneの方向性としては妥当だと思います。すでに普通に使う分には繋ぐものがない程度にはいろいろ最初から仕込まれていますし、母艦との連携もクラウドサービス経由で十分です。
とはいえいささか不安な部分もあります。一つは緊急充電の手段で、現在USBコネクタの互換性に頼っている以上、スマートコネクタ対応製品が出るかどうかが問題です。
もう一つは、スマホだろうがタブレットだろうが色々繋いで遊びたがる人達には不満だろうということです。例えばiPhoneにオーディオメーカー製ポータブルアンプをつないで音楽を聴くとか、iPadにオーディオインターフェースをつないで収録に使うといったある種の変態行為に及ぶ人がいます。コンバーチブルのパソコンでいいだろうと思うのですが…

■2020年10月20日(火)  なんでこんな面倒くさいことをする?
端末の下取りが前提の3大キャリアiPhone 12販売時の“実質負担額” 仕組みを解説
まあ、高価格の端末を補助金を出してでも普及したい、目玉にして売りたいというのはわからないでもないのですが、そもそも「端末割引」の基準価格は何なのでしょうか。
Apple製iPhone 12としてある価格で売っておいて、それを回線契約によっては割引するというのは規制に引っかかります。しかし、Appleが納品するDocomo版iPhoneを廉価で売る(仕入れ価格との差額はDocomoが負担する)のであれば、引っかからないような気がします。このモデルは特定の回線契約でしか売りませんというのも、引っかかるのでしょうか(まあ、普通に考えれば総務省の毛を逆なでするようなやり方ではありますが)。Docomo版と言っても、SIMロックをかけて機種の管理番号を変えておく程度で、ハードウェアが同じであってもソフトウェアの部分はどこぞの解析業者が分解しようがわかりにくいですから、「機種管理番号は違っているが仕様は同一である可能性が高い」などと言われても「そんなの知りません。違うものは違います。」で通りそうです。まあ、回線契約と端末を切り離せとは言ってくるかもしれませんし、その場合うまみのない契約で身銭を切って割り引いた端末が売れてしまうわけですが。でも解約負担金じみた残債清算や利用料を前提にした「実質負担額」、あるいは回線契約がないと分割払いプログラムを適用する形で端末を買えないのだって不当表示として消費者庁あたりから怒られかねない事例ではあるでしょう。

■2020年10月20日(火)  サイトロンが頑張ってるのは良いとして
サイトロンジャパン、天体撮影に特化した「Askar」シリーズ
フランジバックが計算してあって、マウントアダプタ経由でボディを取り付けると調節なしでピントが合うなんてことはないのでしょうが(天体撮影の場合無限遠しか撮らないので原理的にはできるはず)、なんか曲がったりフォーカシングチューブがボディの重みで滑って出てきそうな接眼部にボディを取り付ける怖さを思えば、カメラを取り付けるのが前提というのはありだと思います。で、記事を書くのは良いのですが。
「いずれも35m判フルサイズのイメージサークルに対応したMFレンズ。」
だから編集部は校正をちゃんとしろと。どこの大型天体望遠鏡ですか。35mなんて主鏡の口径ですら厳しいのであって(すばるで8.2m)、イメージサークルなどと言われた日にはセンサーメーカーが泡を吹きます。35mmですからね!

■2020年10月20日(火)  Dfはいいカメラだと思います、もう少し軽ければ
ニコンDfとFマウントニッコールを再検証(予備知識編)
「絞り環のないFマウントニッコールは買ってはいけない」
いやそれ、家訓じゃなくて個人の好みですよね?
いやまあ、オールドレンズはともかく、オールドボディは徹底的に自己責任とか思ってるんじゃないかなあ?もっとも、あの絞り環なしというのは、絞り優先AEを否定されているようで個人的には好かないのですけどね。それだったら、どうせAFがあるんだから焦点調節リングをなくして、ボディ側でボタン操作にでもすればよいと思うのですけど。ズームリングだって、どうせファインダーなり背面モニタなりで視野を確認してシャッターを押すのですから、レンズ側にある必要はないわけです。手操作での便利を言うならセレクタで設定しておいた焦点距離にジャンプする方が使いでがあると思うのですけど。
でもまあ、ニッコールはそういうものだと思ってサードパーティー製のレンズを使えば済む話なので、気にしないことにしています。いやまあ、自動制御機構は最悪なくても何とかなるのでね。ボディ側に手振れ防止さえついていれば。
ニコンの絞り連動ピンは、レンズ側をいじると絞りが絞り環の設定値まで開くので、ボディ側ピンがない場合記事の通り最小絞りなのでしょうね。
でまあ、Dfです。いいですよね。かわいいしかっこいいし。性能は必要十分だし。操作はメカメカしいし。オールドレンズをニコンD番号系の現行ボディにつけるとボディの方がみっともないので、デジタルの利便は取り入れたいけどレンズは古いのが良い、買うならやっぱりFXフォーマットという場合はDfでしょう。とはいえ、なんで700gもあるかね。F3じゃないんですよ。500g切ろうよ。
「自分のトシのせいなのかどうかはわからないのだけれど、ニコンDfに限らず、こうした趣味性の高いカメラの販売数はなぜ予想より伸びないのか理解できず謎なわけです。」
多分みんな1台しか買わないからでは?赤城さんは同世代の機種でもとりあえず買って好みのものを選んでいるかもしれませんけど、普通はレンズ交換式カメラのボディなんて1台しか買わず(そしてレンズも1本しか買わないんですがそっちのが問題があると思う)、新機種が出ると買い替えていくのです。そして古いカメラは捨てたりあげたり売ったりするわけです。でないと奥さんあたりに怒られるからね。趣味性は高いけどスペックが劣るものを買って、財布の管理者に「それでいいのなら今後新機種の購入はなし!」などと言われた日には、逆恨みして蓮舫さんを呪ってしまうかもしれません。新機材購入の稟議を通すには、「ピクセル数が1.3倍になったから」とか「AEやAFが新レンズに対応してるから」といったスペック上のアピールが不可欠なのです。どうせ「そのようなことを判断できる能力はない」ので、ここが変わって、だから必要なのだと主張すれば通る可能性が高いのです。逆に「オールドスタイルでかっこいいからこれにする」などと言った日には、「スマホでいいでしょ!」と切り捨てられかねませんし、「かっこいいからこっちも欲しい」などと言えば「同じようなものをいくつも欲しがるんじゃありません!」と言われること必須です。あ、なんか書いてて悲しくなってきた。
まあ、売れないよねとは思うけど、欲しくはあるのです。Zがやっとミラーレスになったから(まあ、1は黒歴史ですね)買ってもいいかであれば、Dfはデジタル一眼レフを買うのならこれにする、それでなければマイクロフォーサーズでいいになります。無くなる前に買う余力ができるといいなあ。

ニコンDfとFマウントニッコールを再検証(実写検証編)
モノとしてのDfへの評価には全く異論ありません。というかF4以降のニコンフラッグシップや他のDシリーズが悪すぎます。しかし、
「基本的にFXフォーマット(35mmフルサイズ)のニコン一眼レフではDfは最も小型軽量ですよね。」
いや、軽くてあれって問題ありますからね。
それはともかく、
「MFニッコールを使う場合は、個人的にはA(絞り優先AE)モードで使うことが多くなるのですが、そうなるとシャッターダイヤルには一切触らずに遊んでしまうことになります。」
まあ、これは仕方ありません。シャッタースピードよりは被写界深度が問題になるケースが多く、かつ露出を絞りで調整するのは限界があるため、モード選択ダイヤルをAに設定して絞りリングをいじることになります。とはいえ、高速シャッターが必要な場合や明るいレンズを使っていて極端な低速シャッターを避けたいが感度を上げるわけにいかない場合は、シャッター速度優先を使うことになります。
これは個人的にはフィルム時代からそうでした。おかげで、いわゆるプログラムAEを信用する習慣がなく、コンパクトデジカメで非常に違和感がありました。
1台だけ持っているFXフォーマット機がDfというのは、どうにも情けない部分があることを否定できません。FtoZなりで最先端のセンサーと組み合わせて、趣味性の高い部分をDfで満足するならよいのですが、オールドレンズであってもニッコールを「必要十分」レベルのボディでしか使わないというのは、まして持っているAPS-CやM4/3のセンサーの画素数がより大きい(現行のミドルレンジ以上の機種は全てそう)というのは、あまり自慢できません。画像周辺の画質がどうとか議論しても、Dfだから関係ないじゃんなどと言われてしまいそうですし、文句を言うならAPS-CやM4/3で中心像だけ使えばなどと言われそうです。そういう意味で、赤城氏が指摘する通り、Dfというのは一周回った趣味人向けのカメラです。
そして、Z7IIを持っているけれどもあえてDfにAF-S NIKKOR 24-85mm f/3.5-4.5G ED VRあたりを組み合わせて使うのは、非常にかっこいいと思います(まちがってもAF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VRあたりを組み合わせてはいけません: それはダサい行為です)。

■2020年10月20日(火)  目指せ300g
世界最軽量は譲りません、使い勝手を犠牲にした商品開発はいたしません
頑張ってますね、富士通も、コメントを取ってくる山田さんも。
まあ、筐体の軽量化は基本の手段で、これまでも材質や塗料の改善によってノートパソコンが軽量化されてきました。それでも600gですから、より軽くなるのは良いことではあります。とはいえ、カーボンファイバー樹脂でしょうかね、やはり高いのですね。コスト的に全面採用できなかったというのは少々残念で、量が出れば使えるというなら業界レベルで普及して欲しいものです。バッテリーなどは…容量や排熱効率とのトレードオフになる面があるので、素材レベルの変更がないと一足飛びには改善しないとは思います。基板のような配線部分やインダクタあたりを減らせないかとは思うのですが、サイズや強度を確保しようと思うと難しいでしょうか。モニタも、表示性能はさておき、強度の面から軽量化には限界がありそうです。
あまり軽くしてしまうとキーを叩いたときに反動で動きかねないので、100gや200gだといささか使いにくいことになってしまいそうです。300gくらいなら、吹っ飛ばないかなと思うのですが、さらに半分。道のりは長そうですね。

■2020年10月20日(火)  IEそのままって方針間違ってませんか?
国税庁ホームページでの申告書作成・e-Tax送信がますます便利に!
確定申告、'21年はChromeとEdgeに対応。スマホのe-Taxも簡単に
いや、ChromeとEdgeに対応したのは良いですし、Firefoxがセキュリティ関連で若干勇み足をしている傾向がみられるので未対応は仕方ない気がするのですが、その前にIEのサポートを終了すべきではないでしょうか。これがWordのサポートを過去バージョンについて終了するというなら大事ですが、IEです。今時Windowsには必ずEdgeが入っているわけで、IEで操作しておかしくなったとクレームが来ても「Edgeなら大丈夫です」の一言で済みます。Edgeのほうが目立つ場所にアイコンが置かれるのですから。IEのみ使用なんてルールがあったらその方が間違っているわけで、ITとかセキュリティとか言うなら、まず国が率先してIE排除を推進すべきです。

■2020年10月17日(土)  Engadget JapanはFirefox非対応
どうも一部サイトでのトラブル報告により修正が入ったらしいこの機能なのですが、昨日からEngadget Japanの表示が崩れると思ったら、その影響だったようです。保護をオフにすると普通に表示されました。

■2020年10月17日(土)  札幌でも行くべきだったのでは?
おもてなしのIT
山田さん、それはあなたが間違っています。
京都の観光方法は二つ、ツアー団体旅行ととにかく迷うことを楽しむ個人旅行です。「そうだ 京都、行こう」で観光旅行の素人が行ってよい場所ではないのです。
おそらく山田さんがモデルとした、古刹旧跡を一人で歩くスタイルというのはインテリバックパッカーの旅行スタイルで、彼らは効率よく観光名所を回ることなど考えません。町の中を迷って歩き回ることすら楽しみます。金閣寺あたりで「Wao, Fantastic!」などとお上りさん丸出しな感じで叫んでいるかもしれませんが、彼らは無計画な旅行のエキスパートであり、日本ではコンビニでクレカを使って現金を引き出せること、そしてコンビニでビールを買えばATMから出てきた一万円札を崩せることくらい知っているのです。また市バスだの地下鉄だのを頼ろうとはせず、ひたすら歩きます。というか、ヨーロッパには乗換検索などという便利なものはないので(アメリカは…サンフランシスコはあったかもしれませんね)、彼らはあの複雑怪奇なトラムやバスの路線に慣れています。もしくは、バスやトラムが走るほど大きな町に住んでいません。当然、並ばせられようが、なんだか大回りして目的地への到着に歩く場合の倍はかかろうが、仕方ないよねと楽しみます。どうせDay-Passを持っていれば市バスは乗り放題なのですし。市バスや地下鉄を混雑させているのはこの類のタフな外国人観光客です。
それが嫌な人、あるいはそれが怖い人は、旅行業者のツアーに申し込み、大型バスでスケジュールに沿って観光地を回るか、京都近在の知人に案内を頼んでその人の車で観光地を回るため、バスだの地下鉄だのはやはり使いません。また土産物以外は全て旅行業者が支払うため自分のクレジットカードなど使いません。そして土産物屋も旅行業者が選んでいるため、それこそ中国の連銀カードやAli Payにだって対応しているところに行きます。日本でも、修学旅行やパックツアーはこんなものです(というか修学旅行に行くような人はクレジットカードは使えない)。
もともと京都観光というのは、菩提寺から紹介状を貰って寺院に宿泊できる、あるいは土地の貴族や有力商人にコネのある上流階級か、案内人に引き連れられてとにかく街道を歩き通して宿から案内までお任せになるような中流階級の団体を想定しています。仕事の合間を縫って一泊旅行などという湿気た客は相手にしていないかったのです。思いっきりそれに当てはまるようなスタイルで旅行をして、おもてなしがなっていないなどと言われても、京都人も困ってしまうでしょう。小銭を持ち歩くのが嫌なら、駅近の旅行代理店でツアーかガイドでも申し込めば、クレジットカードを受け付けてくれます。
欧米で普及している非貨幣決済だって、そもそも銀行に行くのが面倒くさい、銀行も少額貨幣を両替などしたくない、僻地に支店など持ちたくないから、店舗のつけ払いの代わりに発達したのです。ユーザーの利便性などたいして考慮されていません。このため路線バスなどはそもそもローカルないしはナショナルなプリペイド決済システムに参加している地元民以外は旅行代理店や観光案内所(これが平日日中しか開いていなかったりする)でクレジットカード決済でフリーパスを買うしかないシステムなんてのもよくあります(そして域外からの観光客なんかめったに来ない路線の場合、運転手がフリーパスの存在を知らず、誤って罰金を取られたりします)。
気軽な湿気た旅行者を相手にしないとやっていけない都市の方が、個人向けのおもてなしサービスはよほど充実しています。札幌や函館あたりはそうではないかと思います。なお、高知は私のいたころは一日乗車券のクレジットカード払いは店でしかできませんでした。つまりうっかり路面電車に乗ってから一日乗車券を買おうとすると、硬貨必須になります。15年前なので、今では変わったかもしれませんけどね。汎用の信用決済を導入するのはこんな信用決済慣れしたサラリーマンの旅行需要をあてにするしかない地域なので、取材先には注意した方が良いです。
そういうわけで、この取材においてあなたは京都には全く相手にされていませんので、KSRあたりにコネを作って京都駅からの電話一本で接待してもらえるように仕事をした方が良いと思われます。またそれ以外の楽しみ方を期待するなら、京都は全く不向きであると言ってよいでしょう。

■2020年10月17日(土)  並べて見られないと本じゃない
ときどき、電子書籍ビューアーというのはどうしてこう使いにくいのだろうと思います。
元がタブレットかスマホだからなのかもしれませんが、切り替えたり並べたりというのが非常にしにくい。本の場合、机の上に何冊か並べて、さらに椅子の周りにも数冊並べて、もちろん調べ物をしていて対照していくこともありますし、読み物でも読むというよりは眺める感じで、気分によって切り替えていったりします。ところが電子書籍ビューアーではそれが非常にやりにくい。読むにしても、特に初めて見る本というのは、読んでいると引っかかる部分が出てきてしまうことが良くあります。紙の本だと、引っかかってしまって疲れたらとりあえずそこに栞を挟んで積んでおく。教科書だと気になるところをつまみ読みして、何カ所も栞を挟む。ところがビューアーだと、栞を挟むと表示が制約されるし、何より一度本を閉じてリスト画面に戻らないといけない。そして次に読むときに、ビューアーによっては「栞が同期できませんでした」。もちろん複数のデバイスで読むためではあるわけですが、これでは本ではないわけです。とにかく読み始めたら最後までシーケンシャルに読み通さないといけないと思うと苦痛すら感じます。せめて栞くらい別ウインドウになっていてくれればよいのですが。これは本当にデジタルかと。なんかカセットテープを扱っているみたいです。しかも、複数のインスタンスを起動できないことも多く、そうすると特にKindleなんか、教科書が結構入っているのにそれを同時に確認できない。
もちろんデジタルであるが故に使いにくさ、ストレスというのはあるわけですが、それとは別の、これただの版元のわがままだろう、開発者の想像力の貧困だろうという仕様でストレスを感じてしまうと、ストレスを感じるために本を読んでるわけじゃないと思うのです。でもって、例えばKindleタブレットを1台4000円くらいで売っているわけですが、確かに本一冊と思えばその値段はありですが、個人的にはコンピューターというのは何でもできるものであって、その上で使い分けるものなので、同じビューアーを10台くらい買って並べてみるというのは何か馬鹿みたいに思えてしまいます。ましてそれをパソコンの上でやられると、非常にストレスを感じます。
そして、最近電子教科書の本格普及という話が出てきていますが、国語、英語、算数あたりはともかく、社会や理科だと教科書と資料集を並べてみることが、授業でも結構あります。小学校の生活科でもあるのではないでしょうか。じゃあ、あれは教科書と資料集を切り替えるのか。それとも教科書はタブレットに入っていて資料集は紙なのか。どっちも馬鹿みたいです。あるいは算数で、教科書の例題の解説を参考にしながら問題集の問題を解く。だったら問題集は紙か。まあ、ありではあるのでしょうけど、タブレットのそもそもの性質から考えれば、ノートや解答用紙の代わりに使えてこそでしょう。

■2020年10月17日(土)  旅行に行ってもやってることは所詮こんなものだと思うか、物足りないけど今はこれで我慢しておくと思うか
コロナのせいで旅行できないそのかわりに、VR旅行体験!
VR旅行体験パート2❤️
代償行為がいろいろ発達して、むしろ代償行為にふける方が普通になっていたりもしますね。文化的な行為と言うのは相当部分が代償行為だという話もあります。
とはいえまだまだ「番組」でしかなく、VRというならもっと頑張って欲しいと思うのですが、ツアーだと思えばそんなものなんですかね?日本発の海外旅行の番組なので日本のパスポートを貰えるのはある意味お約束でしょうが、苦労されている方には別の意味で感激の種かもしれません。
「やっぱり感度をするのは、日本でなんでもあるころ」
ええと、「やっぱり感動するのは、日本ではなんでもあること」でしょうか?
ところで、なんかフィンランドの番組があるのですが、機内食は隣国の方から見てどんなものでしょうか。見た感じ、フィンランドにしては充実しすぎのような気がするのですが。特に野菜が。
「ハイライトのVRからもちろん写真ないけど」
これ、仕込むことは可能じゃないかな?もちろん画像の著作権の問題はあるでしょうが、コントローラーでシャッターを切ってその時見ている映像を静止画データに落し、退出時にメディアで配る形。発想としては、それこそ渓流下りなどの定番観光地の写真撮影サービスですし、技術的にも確かVRゴーグルにスクリーンショットを撮る機能くらいはあるはずですから、後は権利関係とメディアのコストくらいだと思います。

■2020年10月16日(金)  そもそも「遅れている」のかどうか…平常運転だったりしませんかね
GoToかさむ立て替えに旅行業悲鳴 国の振り込み遅れ
役所の支払いは普通月末締め翌月末払いだと思うので、最悪二ヶ月近く遅れることは普通にあるとは思います。つまり7月から参加して8月頭に7月分の申請をして9月時点で未払いならまあ、普通にあるでしょう。このタイミング感を説明していなかったのかもしれず、せいぜい申請月の月末払いだろうと思って資金繰りをしているときついということはあるかもしれません。
ちなみに民間でも、そもそも請求が締め日から二か月近く遅れることはざらにあります。典型的なのが電力や通信で、転居等で解約した場合でももう二ヶ月請求が来るのが普通です。

■2020年10月16日(金)  菅内閣は人事の横暴よりもクレーマー体質のほうが問題かもしれない
政府の「携帯料金値下げ」は何が問題か 競争を削ぐ“その場しのぎ”の先にあるもの
まあ、どうすべきかはともかく、総務省の通信政策実施におけるごたつき具合を見ていると、「真面目に仕事をしろ!」とは言いたくなります。
正直「なによりの基本であり、最大の理由は「それ(料金の引き下げ)は政府が強制力を持って行うことではない」という原則」というのは一方的な見方だと思います。普及により営利事業としての存立基盤ができ、競争で価格が下がるのだというなら、先日の電力容量市場のドタバタなど起こりえないことになります。あれは明らかに競争市場の導入により経営が近視眼化し、価格は下がったものの長期投資がないがしろにされてしまった結果です。
とまあ、反論は可能なわけですが、こと通信に関しては、民営化と市場化の結果モデムを公衆通信回線(公衆電話の回線ではなく、公衆向けの通信回線)につなげるようになってネット接続が個人にも可能になり、さらに電電公社ご推奨のISDN(これによって電話回線でデータ通信ができるようになり、その後にFTTHが来るというのが電電公社の青写真だった)従量料金制が崩れてADSL定額制になり、常時接続が一気に身近なものとなったという経緯、そしてそれまで自動車電話として社用族のステータスシンボルだった移動体通信がポケベルを経てPHSや携帯電話というかたちで普及した経緯、さらに固定電話料金がさっぱり下がらないのに携帯電話料金とADSL料金がソフトバンクの動きでどんどん下がっていった経緯があるので、IT系の評論家は市場に甘いのです。市場にできないなら政府にできるわけがないとも思いがちです。
ここで大事なのが「政府は「価格を下げろ」とはいうが、こうした構造には全く手をつけていない。」という指摘で、理想とする価格をアナウンスするだけでなく、それが可能になる構造を政府が作り出さないといけないという話にもつながります。「料金引き下げを狙うなら、むしろ大手以外に有利になる施策を短期に限って導入し、持続的に競争を促せる状態へと導く方が良いのではないか。特定事業者への補助は避けるべき性質のものだが、競争正常化のために、短期なら行ってもいい、と筆者は考える。」という話は、それこそ通信事業において新規参入の促進策がVodafoneの参入を経てソフトバンクを含めた三大キャリア寡占の成立(それがなければNTT独占かNTTとKDDIの鼎立だったでしょう)を導いた経緯を参照しているのではないかと思うのですが(まあ、固定電話網については、そもそも固定電話網自体の衰退もあって、新電電はほぼ市場から退出してしまったのですが)、そもそもが政府は規制と政策をもって市場の失敗を補うというのは、経済学における右派と左派の折り合った点でもあります(政府の規制など必要ないというのは極右です)。
そう考えていけば「 デジタル関連政策を聖域なく見直すなら、携帯電話関連政策についても、ぜひ「根っこから」見直してほしいと思う。」、自由市場思想と価格統制を中途半端に折り合わせているのではだめで、例えば政策目標が競争的市場の成立とそこでの事業効率化、技術進歩によるサービスの向上や価格の低下だとして、それを可能にするような具体的な政策、構造の構築のやり直しを根本からロジカルに考案しなければならないというのは当然です。政策目標としては通信事業の再統合と公営化による生活ベースの公的価格の実現というのもひとつの在り方ではあるわけで(それが可能であったことはそれこそ電電公社が立証しています)、そこを決めるのは政府の役割だと(公営化でうまくいくとは思えないけどという留保付きではありますが)言っているわけです。
石川温氏が以前顔を出していてさじを投げた総務省の通信政策の諮問会議などは本来こういうことを審議提言すべき場ではないのかと思うのですが、通信官僚のお手盛りでキャリアの代弁者を呼びつけて話を聞いては枝葉末節ばかり議論しているように思えて仕方ありません。もっと根本から構想をやり直せとか、どうしようもないから三大キャリアに任せてしまえと言いたくなるのはまあ、わかります。お題である料金値下げなど、とにかく下げられるはずだから値段を下げろというのは、クレーマーのやりようでしょう。責任をもって、この値段でやるように、でなければ事業をたためと言っているわけでもないのですから。
個人的には石川温氏あたりが主張する「三大キャリア体制でよい、楽天はもっと頑張れ」という論には(楽天はもっと頑張れというのはともかく)反対です。5年は前から5G5Gと言っておきながらサービスイン時点ではエリアが地図の上の点というのは、三大キャリアも含めてやる気がないと言わざるを得ず(総務省の支離滅裂な政策に振り回されたのだとしてもです)、そのままでよいとも、料金相応の価値があるとも思えません。
佐野正弘氏のような「消費者が賢くなりさえすればすべて解決する」などという論には反対を通り越して馬鹿げているとしか思えません。日々新聞の折り込み広告を見比べてスーパーを何軒も回って特売品だけ買うようなことを「リテラシー」とは笑わせます(あるいは大都市近郊区間の運賃計算の特例を利用して最低料金で関東一周するようなことでもよいですが)。そういう話は理論経済学においてすら1950年代には実は不効率であり、おとぎ話と断じられています。
NTT DocomoのNTTへの統合にしても、M&AによるNTTの再統合をさせておくのではなく、MVNOも含めた全事業者による設備、ネットワークの利用条件の整理と効率化へとつなげるくらいの構想がないと無意味というか、何もしないなら公取に投げてしまえという話です。どうも公取も何もしないようですが。法輪岳之氏が論じているように巨大すぎるからと分割されたNTTが再結集するのは筋が通りませんし、国際競争力の強化と称して国内の免許事業において寡占事業者が肥え太っていくのはどうみてもおかしいでしょう。設備のバイイングパワーなどと言いますが、ソフトバンクの米国事業も含めて、保護されるような消費者じゃないんだから、とにかく他人の商品を大量に安く買って利益を上げるような商売はそろそろ改めたらどうかと思います。

■2020年10月16日(金)  なんで勝手についてくるものを設置するのに届け出ないといけないかね
NHK、テレビ設置の届け出義務化を要望 居住者情報との照会も
NHK、テレビ設置の届け出義務化を要望 総務省会議に
徴収の効率化はわかるのですが、いっそもうテレビチューナーの販売を免許制にしちゃえよというかB-CASカードを必ずNHKから買う制度にしちゃえよというか。
テレビを見たい人が適切に届け出ができるようにすればよいことなので、携帯電話と同じで契約を示すものを別途買って装着することで見られるようにすればよいのです。テレビ番組は見ないがプレーヤー用に安い液晶モニタは欲しい人を巻き込まないでいただきたい。

■2020年10月15日(木)  字数制限は仕方ないけど
「一人一票」から脱却を グレン・ワイル氏が語る不平等
字数制限はあるので言葉足らずになるのは仕方ないですけどね。
「ワイルさんが提案するのは、土地の利用権をオークションのように入札で決める手法だ。入札で最も高い金額を提示した人が、土地を利用できる。利用者は、提示した金額の一定割合を毎年税金として支払わなければならない。より高い金額を出す人がいれば利用権が移るため、土地を最も有効活用できる人が利用するというしくみだ。」
これたぶん、本来はオークションの実施の条件まで含めた話だと思います。いくらなんでも、頻繁かつ無差別にこんなオークションをやられたら、事業や生活を妨害するためにオークションの実施を求めるようなことができてしまいます(まあ、一種の地上げですよね)。土地価格の評価替えを合理的に行うための手法と言うべきでしょうし、実施を請求する場合それなりのコストの負担を求められるという想定のはずです。おそらく合理的なタイミングのひとつは相続の発生時点で、現状で引き渡しという制約でオークションにかけてついた価格から手数料を引いた額を相続人が受け取る形です。相続人自身もオークションには参加でき、そのまま利用するのであれば様態変更のコストはかからないわけですから、再開発しようとする参加者よりは相続人が有利になるでしょう。また相続人が競り落とせなかった場合でも、相続人は落札価格を得ることができます。とはいえ、相続人すらオークションに参加しないような不人気な不動産の場合、そもそも売れないわけですから分配もなく、当然相続人は引き取りませんから(引き取る気があるなら最低価格で入札するでしょう)、処分はまあ、オークションの実施主体がかぶるんでしょうね。つまり、ある意味では公有地の借地制度の一形態です。現在の所有者に対して強制的にオークションを請求する場合、現在の「税金」(実体としては地代と言うべきでしょう)に対応する価格よりも高い額を最低入札価格として提示することが最低条件でしょう。当然その金額は保証金として積まれなければなりません(どこぞの契約のように一部ではなく全額で、ボンドという奴ですね)。一方で、所有者は自身の入札を条件に、任意の最低入札価格でオークションの実施を請求できるべきです。これにより、過去のオークションによって高騰した評価額(=地代)を適切な水準に引き下げることができます。
いずれにせよ、入札者は合理的な範囲を超えて価格を提示しないということが前提で、1980年代バブル期の土地転がしみたいなことが起こったら短期的に混乱が起きるのですが、土地転がしが落ち着いたところでその時点の持ち主が再度オークションにかけて低い価格で応札すれば、「税金」を下げることができます。
この程度の解説をつけないとどうにも非常識な話に見えてしまうわけですが、ちゃんと本人の主張を確認したうえでこれで出稿してよいのだと思ったのだとしたら、記者の職業倫理というのはずいぶんとレベルが低いと思います。

■2020年10月15日(木)  こういうことを書くから金払ってまで読む気にならないわけで
非社員の待遇差「不合理」 最高裁、手当や休暇認める
「13日には退職金やボーナスの支給を認めない第三小法廷の判決が出たが、この日は実質的な原告勝訴」
余計なコメント書くな。知的水準が知れるぞ。
この判決において13日の第三小法廷の判決と矛盾しうるとしたら、扶養手当の扱いくらいでしょう。経営判断を尊重するにしても、何でもやってよいわけではないのです。勤務の期間や体制相応の休暇は与えないといけないですし、手当だって同等の勤務をしている正社員との間に格差があってよいかどうかは個別事例に基づく判断でしょう。扶養手当が正社員に与える恩恵だと考えるか、家族の扶養という従業員の事情に基づく一般的な福利厚生だと考えるかです。年末年始勤務手当や年始の祝日給に至っては、その時期限りのアルバイトでない限り支給しない理由がありません。その点は第三小法廷の裁判官でも容認するでしょう。
基本給と残業手当、法定有給休暇以外は恩恵だ、どう付与するかは雇用側の勝手などという馬鹿げた主張が受け入れられないのと同じで、そもそも同じ仕事をしていると想定されていないのに実態だけで同じ処遇にしろなどという主張も受け入れられません。雇用形態の違いを考慮したうえで、想定される処遇に照らして合理的な差というのはあるので、とにかく同じ仕事をしている、あるいは処遇の差に比べて不適切に仕事を押し付けられているから差があるのはおかしいなどと言われたら、裁判所も困ってしまいます。本来差がなければならないのに実態として同じように仕事を押し付けられている、どう是正すべきかという視点でも解決できるように主張しないと、雇用契約が違うのだから差があるのは当然、雇用形態の組み合わせは経営判断としか言えなくなります。同じでなければいけないと言って人的リソースの運用が硬直化して経営が破綻した場合、裁判所は責任を取れないのですから。
原告にしろ原告弁護人にしろ、判決を要求するなら落としどころは押さえてほしいものです。

■2020年10月15日(木)  どこが買うんだよこんなの
周りの人も絶景を。3画面+VRゴーグルの「サイクリングVR」ジャパンディスプレイら開発
コレジャナイ。絶対これじゃない。
展示の問題かもしれませんけど、何で観客用であろう大型モニタが内側を向いているのでしょうか。プレイヤーがVRゴーグルをかけているのであればモニタは見ないはずでしょう。そして内側を向いていれば、背中側の観客からの視線すら制限されてしまいます。
そして、外側を向いていたとしても、バイクとプレイヤーが見えない状態でモニタに風景だけ映し出されても仕方がありません。客席に張り巡らされたモニタか客のかけたVRゴーグルに、プレイヤー視点なり沿線視点なり随伴者視点なりでコースの映像と合成されたバイクとプレイヤーが映るのでなければ、意味がないはずです。
VRゴーグルのない筐体式のゲーム機だというならわかります。ゲーセン用機材のベースくらいにはなるでしょう。まあ、筐体の外にギャラリー用のモニタは必須でしょうけどね。
いったい誰がこんなものを買うのか。そして誰がこんなものが売れると思ったのか。正直そんなだから商売に失敗するんだとしか見えません。

■2020年10月15日(木)  戦略的価格設定はその通りでしょうけど
iPhone 12シリーズは利益率が低下?5Gコストは同梱物削減でも吸収できないとの分析
短期的な利益率を犠牲にして長期の展開を見通しているというのはその通りだと思います。Appleは本来そういう経営方針のはずですし、1四半期程度の株価や格付けの動きで一喜一憂しない程度には経営陣の肝も据わっているでしょう。
しかし、
「消費者の立場から見ると「今年のiPhone 12シリーズは5G普及のために、コストを度外視した戦略価格であり、お買い得モデル」とも受け取れます。」
これは違います。というかなんでこの人は最初か最後にいつも変なことを言うかね?来年以降はコストが下がってどんどん儲けが取れるようになっていくという話でしかありません。もしかしたら性能は同じで価格が下がる、あるいは性能が改善されたうえで価格が下がる可能性すらあるわけでしょう?逆に値上がりする可能性はほぼないのです。他社の5Gモデルに日和るよりはお買い得でしょうが、別に今必要でないなら来年以降に買ったってよく(だいたい5Gが使えるエリアだって少ないんですし)、それでお得感が薄れるわけではありません。「長らく様子見していた人も買い換えに踏み切ってもいい」かどうかは、今年のモデルの仕様がスタンダードになるかどうかの見通しの問題です。

■2020年10月15日(木)  楽天はもっとアグレッシブに!
新iPhone 12シリーズに「楽天モバイル」がなくガッカリ
全面的に同意します。楽天モバイルはもっとアグレッシブに(端末もエリアも)行くべきでしょう。まあ、欧米人の「Interesting」は少々微妙ではあるのですが、ちゃんと売ると理解してもらえれば回してもらえるはずです。
まあ、端末だけアグレッシブに行かれても、あの5Gエリアでは使う気が萎えるのですが。

■2020年10月15日(木)  顔つきと服装がミスマッチ
ブルボンが「ルマンド」を擬人化し活発なお嬢さんに 「ホワイトロリータ」発売55周年の第1弾
サクラ大戦のキャラみたい。それも、かわいいのは確かなんだけど、ぽっと出の田舎娘が新派の巡業劇団かカフェーのお仕着せを着てるみたい。
まあ、そういう方向性なんでしょうね。

■2020年10月15日(木)  高級文化には品性が必要
線引きに不満! Go To イート、舞妓さん呼ぶと対象外
いやこれ、いちゃもんだよね?違うよね?
わかるんですよ?旅館や料亭のような触れ合いを核に据えたサービスをする業態は、COVID-19対応で大きな打撃を受けているでしょう。それはバーやスナックだって同じでしょうけど。そして、舞妓さんが出てくるお座敷が京観光の華というのもその通りです。とにかく事業を継続するきっかけが欲しいというのは本心ではあるのでしょう。
とはいえ、GoToシリーズというのは1万5千円の補助でお得と思うような貧乏人を対象とした事業です。つまり、文化を味わうのではなく、観光名所をそそくさと回り、あるいは遊園地を訪れ、ホテルや食堂システムの旅館に泊まって画一的な夕食を取り、レストラン(というか厳密にはカフェや食堂)で定食を食べるような、あるいはキャンプのような、貧乏くさい(場合によっては質実剛健な)観光を前提にした事業です。コース料理と接客を味わうような高級観光を対象としたものではありませんし、そもそも接客まで含めたら感染抑制と対立してしまいます。接客を伴わないというのは、たしかに道学者的な貧相さを漂わせてはいますが、妥当な線引きなのです。
そこで事業を継続しようというなら、とりあえず座敷にテーブルを置いてランチをやってみるとか、客席と距離を取って舞妓さんショーを企画してツアー企画屋さんと提携してみるとか、時勢に合わせてその場をしのぐ施策が必要なのです。そもそも2万円や4万円で一時間でそそくさと懐石を食べて帰っていくような一見客に来てほしいですか?来て欲しいのは、ちゃんと予約を入れて、フルコースで舞妓さんの接待を受け、少なくとも二時間は風流を楽しんでくれるグループ客でしょう。GoToの適用がないと来ないような湿気た予算の社用族や家族連れではないのです。それをGoToの仲間に入れて欲しいなどという期待をするのは、むしろ「京都のお座敷文化」を継ぐ資格のない品のない商売人根性です。
もちろん、舞妓さんを呼ぶような接待飲食が時代に合っているかどうかは別問題です。文化がどうこうと言う前に、常連の紹介でマナーが要求されるような座敷にあがるよりも、テーブルマナーさえ心得ていればよい食堂で料理重視で楽しみたいというニーズが主流であれば、生き残るにはそれに合わせたサービスを提供すべきかもしれません。ただしそれは、座敷の一部をカウンターに改造し、ランチで客を集めてその伝手でグループでの座敷利用を呼び込むくらいの思い切った路線変更になります。ハードルを低くする、とにかくそこに店があるという認知を得るというのはそういうことです。あるいはツアーをメインにするような形です。観光メインの温泉旅館のように大広間に客を集めてショーのひとつもするとか、そこまでいかずともツアーの一環として座敷での食事を提供するとか、京の料亭文化とは相当離れた形に移行しないといけません。料亭で伝統的な舞妓さんの接待などと言うから線引きで不利になるわけで、グループ客に舞妓さんが京の伝統芸能を紹介する定型的なツアーでも仕立てれば(それで最後に料亭としての利用法を紹介してみたりして)、当局だってダメとは言わないはずです。最終的には伝統的な料亭利用に行きついて欲しいにしても、入り口としては健全で気軽な形が望まれます。
報道というのもそこまで押さえた形で記事を書くのが良識のはずで、「不倫も文化だ!当局横暴!」などと言い放っていたら石を投げられるのが当たり前です。
また京都府や京都市も、「「伝統的な飲食店が営業できるように」と京都府知事と京都市長が9月、料亭を対象に加えるよう政府に要望」している暇があったら、別枠で政府から補助金でも取ってきて、京都府推奨近世伝統文化ツアーでも企画し、旅行会社と提携してお得な価格で売ったらよいのです。どうせ今だけのことで、旧に復したら補助を終了したらよいわけですし、それで甘えるような料亭は潰れる方がむしろ当然です。

■2020年10月15日(木)  わかるけどそんな無理を言われても
「ワイヤレスイヤフォンを線路内に落とさないで」 JR東日本が11月からキャンペーン
JR東日本の立場はよくわかるのですけど(確かにあんなものを線路に落して探したり報告されたりしたら非常に迷惑でしょう)、無理は言わないで欲しいと思います。ワイヤレスイヤフォンです。耳の穴との摩擦や、モデルによっては耳に引っかけるフックで保持しているわけです。滑り落ちた場合の保険になるケーブルはないのです。それで落とすなと言われましても、そもそも使わない、駅に入る時に外すくらいしか対応策がありません。まあ、テーブル付きの席のある車内ならともかく駅や通勤列車で無線機材を(も)使って何かをするというのは周囲への迷惑行為ではありそうなので、乗るなら聴くな、聴くなら乗るなというキャンペーンはあり得るのでしょうけど。でもスマホにワイヤレスのヘッドフォンをつないで音楽を聴きつつ電話くらいしたいよね。
いっそ、「落とした場合でも探しません!拾えません!」キャンペーンでもしたらどうでしょうか。それで線路に入って探されたら困るでしょうが、メーカーとタイアップして、SUICAにオプションでワイヤレスイヤフォン紛失保険でもつけてキャンペーンをすれば(でもって駅の売店あたりで紛失を受け付ければ)あきらめてくれるかもしれません。

■2020年10月15日(木)  でも日本語未対応
Google、PDFや音声など膨大なデータを即座に解析できるジャーナリスト向けツール群
というわけで、日頃デジタルだクラウドだとおっしゃっているライターの皆さんには速やかにこれを使いこなしていただきたいと思います。
と思ったのですが。「Pinpointの対応言語は、英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、ポーランド語、ポルトガル語、スペイン語」だそうな。イタリア語やポーランド語のようなマイナーな言語が含まれているのにロシア語、中国語普通話あたりが含まれていないのは解せませんし、日本語未対応では日本のライターさんでは使える方が限られるわけで、もっぱら海外のソースが中心になる後藤さんとか大原さんあたりでないと使う意味がないかもしれないですね。

■2020年10月14日(水)  でもみみっちいような
世界を考える研究者は去っていく 米国第一が壊したもの
「5年間で総額70万ユーロ(約8700万円)の助成金をもらえる」
いや、これ…せめて倍になりませんかね?単純計算で年間1700万円だと、単独では年数回の調査が精一杯です。もちろん提案側としては必要な回数を確保しているはずですし、相乗り調査という手もありますが、下手すると給料より少ないですよ?おそらくこの規模のファンドをいくつか掛け持ちしないと研究室を維持できないはずで、お金が出てうれしいかどうかは正直微妙ではないでしょうか。
とはいえそもそもお金が出てこないというのは、NSFは何をやっているのかという話になります。

■2020年10月14日(水)  だったら大量消費できるようにして欲しい
アップルが「5G」を頑張るとキャリアが儲かる理由──iPhone 12で全モデル対応
だいたい同意できるのですが…
「キャリアにとってみればiPhoneユーザーはデータを大量に消費してくれる優良顧客」
これだけはないでしょう。だって設備のスペックが不足してるもん。端末を持て余してるもん。いや、回線使用料は良いのです。しかし、4Gですら僻地で速度が落ちるような容量設計をしているわけで、5G向けコンテンツというか光向けコンテンツをばんばん消費されるというのは、キャリアにとってはある意味恐怖ではないでしょうか。まあ、数年すれば設備が整ってまた違ってくるかもしれませんが、その代わり、下手をするとSIMを複数挿して基地局を使い倒すようなルーター系の機材が登場してこないとは言えません。ラストワンマイルを携帯電話網で提供するとなればそういうことです。収入が増えはするでしょうが、その代わり設備コストもかかるわけですから、適度な範囲で使って欲しいというのがキャリアの本音ではないかと思います。

■2020年10月14日(水)  なんで重くなる?
ニコン、フルサイズZの第二世代モデル「Z 7II」「Z 6II」
いや、スペックアップはいいんですけど…ただでさえニコンのカメラって重いのですよ。Z7/6初代で600g弱です。ガラスブロックのペンタプリズムとミラーが入っているF3と廉価版のFM10の間です。ガラスブロックもミラーもなくなって、確かにセンサーと液晶が2枚ついてバッテリーも大容量になっているわけですけど、なんで重くならないといけないのか。それが30gとはいえさらに重くなっています。スペックアップしてボディの剛性はそのままに軽くなるのが、部品の進歩から見てあるべき姿でしょうに。いやまあ、デジタル一眼レフに比べれば相当軽くはあるんですけどね。できればボディのみで550gを切って欲しかったなあ…というか、400g台にならないかなあ…バッテリー付きで500g台なら許容範囲なんですけど。
とはいえ、連写速度の向上にしろメディアの二枚挿しにしろ欲しい人は欲しかった性能・機能ですし、USB給電も使う人は使うでしょう。自分が使わないからと言って無駄な機能呼ばわりする気はないです。それこそ撮って出し対応や動画撮影機能よりはよほど意味があります。連写速度の向上はどうも力業ではないのかという気がしますが、多分もう2年もすればIC 1個でできるようになるのでしょう。バッテリーチャージャーもあるので、テント泊で縦走でもしない限り電源の心配も普通はありません(バッテリーとチャージャーを複数個買って夜のホテルで並べて充電、バッテリーを交換しながら撮影するのは常識です: ええ、常識なんです)。5000万画素もすばらしい。等倍で表示するには8kモニタが必須ですけど、RAWのデータサイズが最悪50MBになりますけど、自分では使いこなせないハイスペックですけど、懐が深い分には良いのです。とはいえ、MFレンズを作っているレンズメーカーさんは泣くかもしれませんね。その分フォーカスがシビアになるはずなので、オートフォーカスかフォーカスアシストがないと等倍にしたらぼけていた写真ばかりになってしまいます。
もちろん、背面にボタンを並べるよりはファインダー内でメニュー操作で設定できるように、また最低限の操作はフロントかトップで人差し指と中指のみでできるようにして欲しいとは思いますが、そこはぜいたくを言っても仕方がありません。そういうぜいたくは、操作系をこうしたのを作ったらいくらかかる?とニコンに乗り込んで訊ける人の特権です。

ニコン Z 5に「24-200レンズキット」が登場。10月30日発売
これ、買った人を、私は馬鹿にします。売るのは良いのです。売れると思ったからそういうのを出すのでしょうし、変にこだわらずに売れる形で売るのは、商売人として正しいことです。しかし、このなんでニコンのZでないといけないのか怪しいキットを買うというのは、その人がニコンのZにふさわしくないという証明です。ボディが悪いとは言いませんし(あまりいいとも思えないけど)、レンズだって悪くありません。2本目に買う常用レンズとしては悪くないとさえ言えます。しかし、キットで買うというのは、とりあえず撮れればいいやと、FXのセンサーにニコンのレンズがついていてつけっぱなしで使えればいいと、思っていると判断するしかないのです。もっともZシリーズのレンズキットはあまり感心しないものばかりで、とりあえず使えればよいというキットとして納得できるのは「Z 50 16-50 VR レンズキット」なのですが。どうせキットにするなら、FX機とf/1.8シリーズのキットも出してくださいよ(無難なのは35mmかな)。ベースのボディがZ 5であっても、本気で取り組みたいユーザーの入門機材として最適だと思います。

■2020年10月14日(水)  どう考えても設定だけが原因ではないと思いますけど
大使館、時間外はメールも受け付けず 河野行革相が指摘
というか、今時訪問予約の受付がメールって…そっちが問題でしょう?
何のために予約させるかというと、係員が確実に対応できるようにするためですよね。だからこそ、係員が予約自体に対応できるように受付時間内のみ受信にしたのではないでしょうか。まあ、それでも、翌営業日の営業時間に希望の時間に予約できるかどうかを返信するのでもよいはずですが、今時メールを出したら予約ができたものと思い込んで、返信と行き違いで来てしまう人もいますからね。
だからこそ、訪問予約受付システムというのは、訪問を受ける側のスケジュール管理と一体になっていることが多いわけです。利便性の向上の要求に応えることは大事ですが、まずもって何が実現されるべきかを設計段階で詰めるのが当然ですし、コストとの兼ね合いで自動返信で対応することに決めたとしても、いい加減なテンプレートを使うと変な解釈をされて苦情が出ることだってあるわけです。しかも出てきた苦情にその場凌ぎの回答をしたようで、「同省は「メールシステムの設定が原因の可能性がある。早急に改善するよう指示した」と説明」で納得してしまうこともすごいですが、迅速に的確な回答ができるようになっていないようであることは大変残念です。

■2020年10月14日(水)  ベースアップ要求の前にやることがあるでしょうが
連合、春闘「ベア2%程度」維持で調整 格差是正目指す
ベースアップ要求自体はおかしくはないのですが、それしか報道が流れてこないというのは、連合が正規従業員のベースアップしか考えていないのか、報道側がテンプレでそういう記事を作っているのか、どちらなのでしょうかね。ただでさえ、業界全体でベースアップなんて今時通るものかと雇用側から馬鹿にされているわけですし、労働組合が取り組まないといけない問題は賃金水準だけではないのです。

■2020年10月13日(火)  期待を語るのはライターとして当然ではあるのですが
アップル幹部、A14 Bionicや独自開発チップの設計を語る。5nmプロセスによりニューラルエンジン強化
ええとね、このあたりは、進歩の反面その技術情報を握っている(開発者なので当然ですね)Appleのアプリ市場での優位性にもつながります。もちろんスマホというのは少ないチップに機能を詰め込みつつトータルチューニングを行うことが前提のデバイスなので、とにかく通信回線経由でクラウドにぶん投げる(そして電池とギガが吹っ飛ぶ)実装よりはクローズドになりやすいでしょう。それを分かったうえで、オープンとか自由とか言うのか、ライターとしてそれでよいのかという話です。

■2020年10月13日(火)  これ、どの国も馬鹿役人ばっかりかという気が
米司法省、独禁法訴訟でGoogleからChrome分離を検討しているとの噂
というか、AlphabetからGoogleを切り離すんでしょうかね。
なんというか、Chrome広まったと言いますけど、未だにIEのみ対応のサイトも多いのです。ブラウザのシェアマジョリティが後に尾を引くが短期的にはあまり関係なくなってしまったいい例ではないでしょうか。
おそらくChrome、Android、Google Apps、Google Cloudsあたりは相当緊密に結びついているため、単純に分離しただけでは機能せず、分割を前提にAlphabetに事業を整理させるしかないと思います。
いや、Microsoftの例でもそうですけど、事業部ごとの独立性が強かった1970年代までの巨大企業と違い、パソコン・インターネット系のコングロマリットは少なくともコンピューター・通信系事業は緊密に結びついています。どう分割するかについてブループリントくらいは作っておかないと、ごたごたしているうちに状況が変わるか、のらりくらりと逃げ切られてしまいます。逆に言えば、事業部の独立性を強めた場合、それはその事業を売却・公開するつもりだと見るべきでしょう。独占禁止当局は、そのあたりの道づくりや誘導の手管を上手に使うことが求められます。

■2020年10月13日(火)  なるといいですね
携帯料金値下げ「格安無制限」は実現するか
「そろそろ「割引適用前の料金を大きく表示する」などのルール作りが必要ではないでしょうか。」
この点は全面的に同意します。というか、現在のマーケットの歪みからして、一社につきプランはひとつのみ、サブブランドだの割引だの付加サービスなどはさせないとした方が良いくらいでしょう。
「MVNOへの移行が進まない背景には、利用者間にリテラシーや情報の格差があることは以前から指摘されています。」
というか、そもそも認知が低いですね。知り合いに、「なんだか聞いたことのない会社だって言ってたけど、ドコモの携帯じゃない」と言われたことがありまして、確かにドコモ網のMVNOではあるのですが。MNOがエンドユーザーとの契約もしていて、MVNOもあるという形は、やはり理解しにくいのだと思います。回線の卸と通信サービスの小売りで役割を分けてくれれば説明しやすいのですけどね。
MNPだって、電話番号を事業者ごとに割り当ててそれを会社が契約に割り当てるなんてことをしているからわかりにくいのであって、形式として総務省から直接エンドユーザーに渡せばよいのです。間の部分は仕入れでもなんでも契約技術的にどうとでもなるのであって、とにかくSIMに電話番号を書き込むのはSIMを渡すときというルールを作り、それに合わせた番号管理システムを整備してしまえばよいのです。その上で、SIMの再発行手数料と番号の割り当て手数料を取る。電話番号は回線契約の識別子だというルールなのでそこは矛盾してしまうわけですが、それを言うなら契約を変える時に電話番号を持ち出せるという考え方自体が矛盾です。識別子が回線契約についているのであれSIMについているのであれ技術的にはさほどの差はなく、どちらにも簡単に合わせられるのですから、根回しして技術提案をして規格にしてしまえばよいのです。
それで、格安無制限ですが、理想ではあります。インフラとしてはとりあえずそうなっていくのが正しいでしょう。とはいえ、それが統一NTTならできる類のことかというと、少々問題で、日本電信電話株式会社の株主構成は、財務大臣が33%でトップではあるにしても、機関投資家が過半数のうち20%近くを占めます(厳密には自己所有株式を除いた過半数)。当然残りの半分も機関投資家と個人投資家でしょう。それでドコモの回線料金をドラスティックに下げるようなことができるかというと、容易とは言えないのではないか。予定ではTOBで株主構成は変わらない見込みですが、万が一株式交換を行うような事態になった場合(資料8ページ但し書き)、配当や株価を重視する株主の比率が増える可能性があります。逆に言えば、過半数の株主さえ納得すればどの会社でもできるわけで、上位株主が機関投資家ばかりのKDDI(ソフトバンクの筆頭株主であるSBGJはこの場合機関投資家とは言えないでしょう)を除き、やればできるわけですけどね。

■2020年10月13日(火)  愚民向けモデルを褒められても
新MacBook Airにも迫る処理能力「iPad第8世代」レビュー
いや、処理能力じゃなくてオーバーラップトウインドウとか多階層のファイルシステムといった使い勝手の方が問題なのですよ。確かに、ほとんどの人はファインダーなんて使わないだろうし、せいぜい二つのアプリをスプリットで使えればよいのでしょうけど。率直に言って、iPadとMacBookを一緒にすんなと。

アップル新型「iPad Air」完璧に近いコンピュータ
だから一緒にすんなと。まともに拡張すらできないものが「完璧なコンピュータ」なわけがないでしょうが。そういうのは(汎用機の)端末というのです。DOSエクステンダーのL&Fをグラフィカルにすればいいって話じゃありません。

■2020年10月13日(火)  もうちょっとこの路線に行けないかな
オリンパス「E-M10 Mark IV」でレンズを変えて雰囲気の違う猫写真を撮る
そりゃ、赤城さんじゃないけど、今時の普通のレンズ交換式カメラで写真を普通に撮れない機種なんてないわけで、そうなると表現の一環としてレンズの選択が入ってきます。というか、本来そのためのレンズ交換式です。昔は、ズームレンズなんてものは作れないかコストパフォーマンスが悪すぎて、かと言ってレンズ付きのボディを何台ももつわけにも持って歩くわけにもいかないので、仕方ないからレンズを交換していたわけですけど、1980年代以降はそんなことはないわけで、特に21世紀になってからはレンズを選ぶためにレンズ交換式を使うようになっています。むしろ、レンズ交換式を売るために格安の標準ズームをつけて高価なボディを売ってきたわけで、キットレンズとの組で性能を評価なんてのは論外と言ってよいのです。それもあって私は同じズームレンズをつけっぱなしでレンズ交換式カメラを使っている人を馬鹿にするわけですが(そのレンズがいいのだという人はもちろんいますけど、そのあたりは雰囲気でわかりますし)。
そういうわけで、普及記事として、レンズを変えてみるとこうなるのだという話は望ましいと思います。よほどのことがなければボディを変えるよりもレンズを変えた方が効果は大きいので、撮影テクニック系やカタログ系の定期刊行物ではそこを継続的に訴えた上で、撮り方の入門書なりテクニック本なりに誘導して欲しいと思います。
とはいえ、「デジタル一眼ならAFを一点AF(それもAF枠が一番小さいやつ)にしてやれば大丈夫。」というのは少し眉唾かもしれません。まあ、拡大以外のアシストなしでマニュアルフォーカスをするよりは扱いやすいとは思うのですが、フォーカスを合わせたいところにAF枠を置いてフォーカシングをするというのは慣れないと手間がかかりますし、瞳検出も肝心な時に外れそうです。いやね、AE/フォーカスロックの操作を覚えるのが前提ですし、レンズを振り回している間に被写体に逃げられそうでね。最初の内はなかなか思ったような写真を撮れないかもしれません。

■2020年10月13日(火)  権利処理は事業実施の上での義務でしょうが
著作権の許諾、手続き緩和へ 番組の同時配信を後押し
こうやって大手ばかり優遇されていくんですかね。過去の番組の配信ならともかく、「同時配信の権利処理が放送までに間に合わず、配信できない例がある」というのは、ただの番組制作サイドの準備不足、ありていに言って怠慢でしょう。そのあたりをちゃんとするために大きな組織を作るわけで、それができないなら番組編成自体を外部に移し、コンテンツ事業者が放送局から放送枠を買って広告も含めて配信する形にするべきです。つまりスタジオの廃止です。

■2020年10月13日(火)  再建する必要などない気がする
堂島取引所、コメから「総合」へ SBIが再建を主導
民間企業でしかないので、好きにすればよいとは思いますが、正直「取引所」は必要ですか?商品が流通していく回路として機能しているのならともかく、投機の場でしかないなら無用でしょう。経済学的な意味での「市場」は、「取引所」の外に、流通チャンネルとしてすでに成立していると思います。いっそ余計なコストが生じる前に手仕舞ってしまうのもありだと思いますけどね。

■2020年10月13日(火)  終身化以前に民営化した方が良い
役割を奪われてきた学術会議 「終身制」で権威高めては
終身制の諮問機関なら学士院があるでしょうに。むしろ学士院が権威にまみれた守旧派の牙城と見做されて学術会議に役割を奪われてきた結果殿堂化しているわけで、ここで終身制(というか実質は任命機会を制約し解任を難しくすることで政権寄りのメンバーだけにならないようにすること)にするなら、学術会議の事務を移管したうえで学士院を仕立て直す方がましです。もちろん学士院にあわない事業もあるでしょうが、それなら学術振興会あたりを改組して引き受ければよいのです。それこそ大規模プロジェクトならば、学士院の会員も含まれる形で学術振興会の支援するプロジェクトがいくつも走っているわけですし、国内の学際的な研究のセンターとしてのアカデミーの役割は学士院-学術会議と学術振興会で分担できます。
本来であれば、学術振興会が民営化された1948年以降に学術会議の振興事業、研究支援事業を学術振興会に移すべきでした。やるべきでなかったのが1967年の学術振興会の特殊法人化です。アメリカ国立科学財団あたりをモデルにしたのでしょうが、研究者の国家資金依存を招いただけで、内実は伴わなかったと言うべきでしょう。むしろ研究資金の分配を行う凖官庁として、文部官僚の制圧を招いたと言うべきです。
さらに、伝統的なアカデミーの役割も、学士院の衰退により、東京大学が担っている状況です。まあ、大学だけに手足があるので、学術会議や学術振興会がやるよりは手っ取り早かったということでしょうが、そもそも専門家としての連携を欠いた戦後学術界の失策と言うべきでしょう。
そのあたりへの対処もなしに学術会議会員まで終身制にしたところで、役所にぶら下がった下請けボス猿の合議体になるだけです。まず学士院、学術会議、学術振興会を政府から極力切り離し、学術政策を行う上で政府とこれら三団体を統括する経営体が協議せざるを得ない状況を作り出す、その上で、研究者がこうしたアカデミーをちゃんと盛り立てるのが、日本の現状に合った対策です。もちろん、最悪迂回路ができて大型学術研究自体が政権の下請けになりますし、そうでなくても政策実施の主導権を政権に確保しようという動きは出てきますが、それを自力でいなして独立した自由な学術研究を振興するセンターとなることこそ、国民の学術行政に対する付託という奴でしょう。
あ、まさかとは思いますが、民営化といっても株式会社は止めてくださいね?相当数の学会から資金を出して財団法人を作り、そこに補助金や寄付行為とは別枠の寄付を集めることで運営する形にしてくださいね?もちろん、わけのわからない独立行政法人とかもなしですよ?

■2020年10月12日(月)  なんとなくコスト削減の暗黒面のような気が
米刑務所のオンライン面会システム、通話内容がウェブに公開された状態だったと判明
いやまあ、ひどい話ですね。
もちろんあってはならないレベルの話なのですが、一方でド素人が設定するとこの手のミスが起こりやすいのも事実で、発注者やサポート担当者のチェックは必須です。嫌な気分になるのは、もしかするとコスト削減のために作業の確認を怠ったのではないかとも思えるからです。確かに手順を守るだけならたいした技術はいらないですし、手順通り行われていればこんなことはあり得ないわけですが、手順通りされたかどうかをチェックするのは大前提です。作業員にチェックシートを渡してセルフチェックさせただけなんてことだったらどんな失敗が起きていても不思議はないわけで…自動チェック機能である程度対応すべきでしょうし、そもそも契約適格性さえ疑われます。

■2020年10月12日(月)  民主主義者よりなお悪いな
95歳の料理家、辰巳芳子の警告「日本はすごく貧しい」
「自分も食べ物も、自然の一環であるというのを忘れてはいけない。自然とかけ離れて食べれば、体の養いにはならないのよ。
 自然の中にいて、季節ごとにできるものをみれば、何を食べればいいかは、自然に分かってしまう。それを食べるよりほかないんだから。
 そして、地球の在り方とあわせて食べていくこと。地球を宇宙の中にすえて考えていかないと、私たちは食べ損なっちゃうと思う。」
こういう言説はどうにも吐き気を禁じえません。18世紀の懐古主義者でなければどこのナチストでしょうか。
自然の一環というなら、自然科学は自然の一環でない技術を開発したことなどただの一度としてありません。むしろ人文学や古典哲学の方が、よほどnaturalでないものを提示してきています。フルオロカーボンを圧縮・伸長すれば熱の出入りが起こるのは自然の法則ですし、中性子過多の重核種に中性子を当てればバランスが崩れて核分裂が起こるのも自然の定めです。確かに天然環境に存在しない条件を整えてやる必要があることが多いですが、栽培や飼育の方も同程度に不自然でしょう。
もちろん趣味としての懐古や自然主義は否定しません。家の建材は木が好みだ、閉鎖した室内でエアコンを使うよりは開放した空間にいる方が好きだというなら、それは趣味の問題です。逆方向ではありますが、私自身の窓などない方が良いというのも、趣味として中道から相当外れている自覚はあります。竪穴式住居に住んで森で採集生活をしたいというなら、財産権と税金の問題以外はそれも認められてしかるべき趣味であり、その点では私も全面的にその主張を擁護します。
しかし、一般論として食だ生活だと批判するというなら、まず「自然」や「地球」、「宇宙」などという粗雑な言葉を使うのをやめてください。そちらの都合のよい思い込みを取り込んだこうした言葉を使われるのは、わかっていない人がわかったような気がするだけに非常に迷惑ですし、思い込みだけに捉えどころがなく、まともな議論になりません。
都市の妙にこねくり回した料理や見栄ばかり先走った好みはむしろ貧しい感性と言うべきだというならそれはわかります。また、年がら年中豚肉と玉ねぎの味噌炒めだけ食べていたらおかしい、そんな貧しい食生活でよいのかと言うなら、それもまあ、納得は行きます。季節に鈍感なのは文化的に貧しいと言われれば、たしかに温帯に住んでいて季節を等閑に付すのも色々損をしているだろうとは思います。とはいえ、夏と冬しかないところや雨の降り方くらいしか区別がないところ、そもそも魚と哺乳動物くらいしか食べるものがないところだってあるわけで、それを貧しいとかおかしいとか言うのだって変でしょう。
natureとか自然(じねん)とかいうのは歴史的に含みを与えられてきた言葉で、人間を取り巻いている在り様といった意味もあれば性質や本質といった意味もあります。そこをごちゃまぜにして文化論をすれば、それは論を立てるのは楽でしょうし、対立する論者からの検証要求の排斥もしやすいでしょう。そういうやり方をしてきたのが19世紀の哲学者たちなので、その影響下にある趣味人、ディレッタントを一概には非難できませんが、せめてその歪みに自覚的であって欲しいですし、コメントを求められてさらっとそういう言葉を出してしまうのもできるだけ改めようとして欲しいものです。

■2020年10月11日(日)  移動の自由は努力を前提とすると思う
愛には英語が必要、努力示せ? 豪州が永住資格要件変更
いやまあ、市民としては必要でしょうね。オーストラリアがやると白豪主義という批判が出るのでしょうけど、語学の要件であればオーストラリア英語さえ話せればどこの出身でも構わないわけで、むしろ英語も話せない人を配偶者として連れてきて住む方に問題があると言えます。愛がどうこうと言うなら意思疎通はできているわけで、相手の出身地に住んでもよいのです。愛ゆえに相手を保護するというのは高貴ではあっても市民として無責任です。
とはいえ想定する英語能力のレベル次第では、そもそもオーストラリア出身者ですらそのレベルに達しないということになりかねないので、義務教育修了時に期待されるレベルと同程度というのが妥当なところではないかと思います。そのレベルでは行政において問題が出るというなら、行政文書の方を噛み砕くべきですし、また義務教育の水準が不適切だということですから、その改善がまず求められます。移民だけどうこう言うのはアンフェアです。

■2020年10月11日(日)  むしろ観光客が減ったせい…ということはないと思いますが
外国人客99%減だけど… 世界一魅力的な都市、京都に
めでたいことです。色々落ち着いた後の展望が持てますね。
4〜6月の調査ということでそれ以前の印象が元になっているのだと思いますが、今年の調査というと、まさか観光客で混みあっていないから好印象になったなどということはないだろうなというのが気になります。京都は特に観光客による混雑が問題になってきた都市のひとつで、宿泊施設の制約から景観保護論争まで起きていますし、いわゆる民泊の是非についても議論の中心のひとつです。程度問題ではありますし、そもそも観光客が文句を言う筋合いではないのですが、あまりに観光客でごったがえしているところというのは印象が悪くなります。

■2020年10月11日(日)  「間違った」とか言う可能性があるなら個人保証してくれませんかね
行政の支払い全てで「オンライン化目指す」 河野行革相
望ましい方向だとは思うのですが、この人、現代的な金融基盤の上での決済や徴収したお金の管理というのをちゃんとわかってるのかな?まあ、ちゃんと手数料を払って使うのなら、銀行からたかっているのよりはよいとは思うのです。とはいえオンライン決済事業者が集めたお金の取り扱いについて相当部分を銀行に頼っていることは注意した方が良いと思います。銀行と揉めた挙句に政府口座間の送金に支障を来したりしたら馬鹿みたいですからね。
それに、もちろん拙速を否定はしませんし、間違ったら間違ったで出直せばよいとは思いますが、根本的な方針のところで間違った場合それこそ国費の無駄遣いになりかねません。本来それを納得して受け入れるための手続が国会審議なのですが、あまり真面目にやってませんよね?それならそれで、担当閣僚が損失について連帯保証でもしてくれないと、それこそ税金使って遊んでいるということになるのですけど?

■2020年10月10日(土)  NTTも株式会社であることには変わりがない
完全子会社化で変わる前提 ドコモが“大容量プランの値下げ”に踏み切ると考える理由
どうでしょうか。一事業部にしても株主の利益を損なうような経営を行うには、経営者側がマジョリティを取っていることが必要条件だと思いますし、日本電信電話株式会社についてそれが成り立っているかというと、難しいところだと思います。せいぜい、優良な子会社を事業部にして資源の効率的な利用と経営の改善を目指すくらいが関の山、という可能性もあります。
日本電信電話株式会社の株主構成は、財務大臣が33%でトップではあるにしても、機関投資家が過半数のうち20%近くを占めます(厳密には自己所有株式を除いた過半数)。当然残りの半分も機関投資家と個人投資家でしょう。それでドコモの回線料金をドラスティックに下げるようなことができるかというと、容易とは言えないのではないか。予定ではTOBで株主構成は変わらない見込みですが、万が一株式交換を行うような事態になった場合(資料8ページ但し書き)、配当や株価を重視する株主の比率が増える可能性があります。逆に言えば、過半数の株主さえ納得すればどの会社でもできるわけで、上位株主が機関投資家ばかりのKDDI(ソフトバンクの筆頭株主であるSBGJはこの場合機関投資家とは言えないでしょう)を除き、やればできるわけですけどね。

■2020年10月10日(土)  自由主義というよりは形を変えた重商主義に見えますね
自由市場をあきらめた米国 ピケティの盟友からの警告
意図的にあきらめるのならそれもありだと思いますが、あれが自由市場だと思っているところは始末に負えないと思います。ああいうのは「私的独占」と言うのです。分割だけでは効果が限定されるというのは証明済み、西海岸ベンチャー出身の皆さんの言うように適切なオリエンテーションさえあればよいなどということもないのであって(それは20世紀前半のドイツの独占資本あたりの論理です)、自由市場を維持したいなら、適切な規制を敷いた上で規模拡大による効率化を新規参入や競争による効率が上回るように規制の制度を調節していく必要があります。

■2020年10月10日(土)  売り買いで事業は効率的になったのか
ドコモ完全子会社で揺れるモバイル業界、英国とフランスのキャリアの歴史を見る
金融市場でのビジネスはともかく、こうした会社の売買が金と時間の無駄遣いではなかったのかというのが気になります。少なくとも60年代コングロマリットの功罪については、80年代以降検証が行われており、かなり厳しく無駄と断定されている事例もあります。市場での取引価格と事業の効率性は、証券取引業界が主張するほど単純に結びついているわけではありません。むしろ買い手の評価によって結びつくというべきです。したがって、買い手が購入価格と釣り合う程度に効率を向上させられたかどうかは、検証されてしかるべきです。

■2020年10月10日(土)  玄人受けはしないでしょうね
ロゼワインが「子どもっぽい」とされる理不尽 日本でのビジネスチャンスは?
ロゼが悪いとは言いません。
ただし、「どんな料理にも合わせやすく、価格もボトルで1000〜3000円と比較的リーズナブルなものが多い」というのは玄人受けはしないと思いますし、好きなワインを飲むのではなく評論家の評価を味わうような状況では、玄人受けしないというのは大きな欠点だと思います。
ビジネスチャンスがあるかどうかは、ワイン消費が日本でどれだけ当たり前のものとなったかによるでしょう。ビールが高い税率にもかかわらず課税制度をかいくぐる努力を当然とするほどに普及したことを思えば、可能性はないとは言えません。また白はともかく、評価の高い赤よりはロゼの方が日本市場向けだとは思います。例えば子供っぽいという批判があることは同じですがリースリングのような甘口の白ワインは市民権を得ていると思います。とはいえ、居酒屋や食堂はともかくそれなりの料理が出るレストランでロゼが受け入れられるのは難しいでしょう。それこそオーナーも料理人も客も、個性の強い赤をメインに据えるのが当然と思っている場だからです。気軽にスーパーマーケットで買うというなら、チリ産の白を見る限り、スーパーマーケットチェーンとそれなりの調達チャンネルを持つ商社が組んで地道にセールの目玉として扱い続ければ市民権を得る可能性はあります(その場合競合はむしろビールや焼酎になります)。とはいえそれではレストランのテーブルで認められる可能性は低いでしょう。
まあ、ITMediaの読者はヒップなスノッブが多いと思うので、リーチの対象としては悪くないと思います。とはいえ玄人に「舌がおこちゃま」などと言われてしまったときに耐えられる人はあまり多くないとも思います。
というか、ロゼもそうですけど、ドイツ産の白やチリ産だけでなく、イタリアやスペインあたりのテーブルワインももっと入ってきて欲しいのですけどね。

■2020年10月10日(土)  14インチかあ
在宅勤務で「モバイルディスプレイ」のススメ、ThinkVision M14レビュー
あいかわらずエンターテイメントなレビューですが、「その道の先駆者ともなれば、まだモバイルディスプレイという商品が世の中に登場する以前から、スーツケースに普通のPCディスプレイを詰め込んでラスベガスまで持ち込んだ猛者もいらっしゃるほど、我々ライターにとっては必須の商品とも言えます。」というのはもしかしてYさんのことですかね。出張中に運搬しているモニタが壊れてしまったことのある。
でもって、「接続はUSB-TypeCケーブル1本です。したがって電源は必然的にパソコン側から取ることになりますが、思いのほかバッテリーがみるみる減っていきます。」というのはおかしいですよね。「必然」ではないです。この後に、USBパススルーポートでPCを充電する話が出てくるわけで、メーカーはちゃんと、電源のことも考えているわけです。もちろん出先のカフェに客が使える電源があるかどうかは別ですし、新幹線や高速バスのようにUSB-PD電源などつないだら車掌に怒られかねない状況もあるわけですが、ホテルの部屋なら確実に電源はありますし(USB-PD対応電源ならまず確実にユニバーサル電源でしょうから、コンセントのアダプタさえ持っていれば変圧器をつなぐ必要はありません)、レンタル個室オフィスはもちろん、客がパソコンを持ち込んで長時間粘ることを前提にしているカフェやレストランもあるので、高速バスや長距離旅客機の中で仕事をしようなどと思わない限り(ビジネスクラスでもないとスペースの関係で無理だと思うのですが、ビジネスクラスだとまともな電源がありそうにも思います)、問題ないでしょう。
問題は14インチで十分かということで、それこそタブレットよりは大きい程度の画面になります。今時普通は19インチワイド以上ですから、持ち運びのしやすさ、取り回しのしやすさとのトレードオフですが、24インチモニタを持って行ってホテルの部屋で作業するのとどちらが良いかという選択でしょうね。というか、ハードタイプのアタッシェケースの内側にある程度大きなモバイルディスプレイを仕込むわけにはいかないでしょうかね。普通の3ピンケーブルだと硬くて取り回しが悪いですが、USB-PDならケースを開いて内側から引っ張り出せるような気がします。もちろん、ノートパソコンも運ぶ際は入れておけばよいのですし。とはいえマーケットは大きくないかもしれませんね。

ゼロハリバートン、ブランド初のパソコンケース
そして何か出たわけですが。というか、まずタイトルに苦情を。「ブランド初の」ポリカ製13インチノートパソコン用「パソコンケース」ですよね?アルミ製とかなら既に製品があるわけですから。
13インチかあ。そして箱だけかあ。ちょっとソレジャナイ感があり、Geo Aluminum 3.0 Attache Small Computer Case(2020/10/15時点で在庫なし)あたりのほうがそれっぽいのですが、自重が3kgほどありまして、パソコンを入れると5kgくらいでしょうか。モバイルディスプレイを入れると6kgになりかねないわけで、普通の人にはつらそうです。もちろんショルダーベルトは付属しています。しかし、ゼロハリのアタッシェをショルダーはスタイルが許さない人も多そうです。中身を入れて4kgくらいで済むならポリカの方が良いかもしれません。13インチだとMacBookAirあたりですかね。Let's Note SVも入ります。
というか、この商品(アルミ製でなくポリカ製パソコンケースの方)ゼロハリの通販サイト(記事でリンクが張られているところ)で見当たらないのですが、メディア向け発表が先行したのでしょうか。というかゼロハリで1万円というのも何か信じるのが難しい価格で、あそこはスペック志向で10万円くらいするのが普通です(形から入るビジネスマンがその必要もないのによく持っています)。まさか価格の桁が一桁間違ってるんじゃないでしょうね?

■2020年10月10日(土)  何で格闘技が事実婚なんだろうと思ってしまいました
結婚より「サンボ」!スウェーデンの付き合い習慣
趣旨は分かるけどサンボって何?何がどこから出てきた単語?と思ったのですが。
「スウェーデンでよく耳にする「Sambo(サンボ)」という言葉は、「Sammanboende(サンマン ボーエンデ)」(「一緒に住む」の意)を短縮した言い方です。」だそうです。スウェーデン語の動詞ってoで終わるんでしたっけ?元の語はeで終わってますけど。
法律というのは結構謎なものがありますが、トラブルが生じたときの事後的な認定と伝統的な事前の届け出に基づく処理が並立しているというのは、問題が生じたんだけど全部事後認定にするほどの合意がなくて事実婚の認定基準を法律化したんですかね。届け出に基づく認定というのは何かあったときに関係者(特に事実認定をする役人)が楽をするためのものなので、法的な婚姻関係を形成する当事者能力をどのような主体に認めるか(一人づつの男性と女性というならいわゆる一夫一婦制ですし、二人であれば組み合わせは問題としないというなら核家族制、理論的には二次元三次元に関わらず物を主体として認めてもよい: まあ、物に法人格はないわけですが、最近はペットに認める考え方だってありますから)とは別の問題です。あるいは、「結婚」の方をいじってしまうとキリスト教会と対立しかねないのでそれを避けたのかもしれません。
個人的には結婚のような一括してややこしい関係を生じさせるような制度は止めてしまって、財産の管理や出生と養育権など個別に届け出をするシステムにした方が良いと思うのですけどね。民間企業が法的に成立した婚姻だからという理由である立場を認めるかどうかは、それこそ民間に(つまり個別の契約に)任せたらよいと思います。そうでなければ、婚姻によって生じる全ての義務について、個別に窓口で宣誓させるべきでしょう(もちろん婚姻の結果出生した子に対する養育や安全確保などの義務は入っていてしかるべきです)。

■2020年10月10日(土)  伝家の宝刀も抜かなければ馬鹿にされますよ
武田総務相 携帯料金引き下げ「一日も早く努力を」
「私が目標を申すべきではない」
いや、そこはちゃんと言いましょうよ。10月末日までに納得のいく案を提出できないようであれば免許停止の手続を開始する、それによって発生した損害は各社の負担とする、納得がいかない限りいかなる届け出も却下する、それでいいじゃないですか。行政機関の間の通信はとりあえず県警と陸上自衛隊でも活用すれば維持できるでしょうし、NTTだって親会社の子会社がいじめられたからと言って専用線や公衆通信ネットワークを止めるほどの根性はないでしょう。

■2020年10月10日(土)  さすがにコピーガードがかかっていればキャプチャできないのでしょうけど
約1000円の激安HDMIキャプチャーデバイスは使い物になるのか?2製品で比較してみました
これって法的に問題ないのでしょうか?まあ、コピーガードがかかっていればまともにとれない(というか再生デバイス側のチェックに引っかかって再生されない)レベルの製品ではあるのでしょうけど…
まあ、カメラのHDMIポートは存在意義が謎ではありました。ポラやチェキじゃあるまいし、カメラで撮影した画像を再生するなど、8mmビデオカメラまでで廃れた風習であると思っていました。写真というのは現像や引き延ばしの処理をしてから見るものですし、そもそも普通は撮ったその場に背面液晶とEVF以外の表示デバイスなどありません。パーティーで撮ったその場でみんなで絵を見て喜ぶなら背面液晶で十分です。まあ、撮って出しするプロは撮影現場にカラーマッチング済みの大型テレビでも用意しておいてその場でクライアントに確認を取るのかもしれませんが…
そんなHDMIポートに活用方法ができたのであれば、まあ、要りもしないのについてくることですし、良いことではあると思います。個人的には廃止してコストダウンして欲しいと思いますけど。ついでに余計な画像処理エンジンも廃止して欲しいというか、そんなところに金をかけるくらいなら背面液晶の解像度を上げてくれと言いたいですが(だってパソコン側のRAW現像ソフトでできることと同じなんだし)、JPEG撮って出しにはそれなりに需要があるし、ソフトウェアに重量はないので(機能を削ってコンパクト化したところでIC1個では重量はさほど変わらないしあまり小さくしてしまうと実装が面倒になる)、確実に数グラム軽くなるHDMIポートの方が廃止希望の優先度は高いのです。とりあえず買っておけばWebカメラの代わりになるというのであれば、自宅勤務の経費として税務署に控除を申告する理由にはなるでしょう。
いやだって、使ったことないんだもん。ミニプラグ付きのケーブルを買ったことがないからではあるけどさ。個人的には、カメラをテレビにつなぐよりもUSBケーブルでパソコンにつなぐ方が最初からよほど自然なんだから。

■2020年10月10日(土)  リツィートみたいな記事だね
伊豆諸島の三宅村と御蔵島村に大雨特別警報
ネタかと思ったら報知記事のようです。まあ、やって悪いわけではないのでしょうが、ねとラボ「しか」見ていない人っているのでしょうか?まあ、やってみた系のネタかもしれないですけど。

三宅島などの大雨特別警報は解除 なお警戒呼びかけ
ちなみにこっちが一般的な形です。

■2020年10月10日(土)  移籍したくなるほど評価されてないのが悪い
2020年10月9日
「Jリーグファンの身としては、期待の若手選手が安い移籍金でかっさらわれていくのは少々歯痒いところです。」
安い移籍金でも引き抜きに応じるのは、選手の方に得るものがある(期待できる)からでしょう。本場でプレイしたい、日本でプレイしていても評価されない、理由はどうでもよいですが、歯がゆい思いなどしている暇があったら、チームのひとつも買い取って海外メディアから招待試合を申し込まれるほど高度なプレイをさせればよいのです。日本だって本場だと認知されれば、そもそも海外出身のプレイヤーが日本でのプレイを希望してくるでしょうし、若手プレーヤーが他所に本場を求めることも減ります。それもできずにファンを自称などと、おこがましいことこの上ありません。

■2020年10月10日(土)  いやそれガスバーナーじゃん
スイッチオンで4千度のプラズマの刃が伸びる、ほぼ本物のライトセイバー
タイトルを見て何事かと思ったわけですが…ただのガスバーナーじゃん。

ディズニー、伸縮するリアル ライトセーバーを開発。スター・ウォーズ宇宙客船ホテルで披露
純正品はこうなのだそうです。

■2020年10月10日(土)  正直クラウド教科書にして欲しい
教科書のなんちゃってデジタル化を阻止せよ
いやまあ、拡大を止めて久しいタブレット市場を拡大させるためには教科書のデジタル化は良い獲物なのでしょうけど。リフロー式の電子教科書に慣れていれば、電子書籍に馴染みもでき、むしろ紙の本の方が、研究者やその卵が必要があって読むものになるかもしれませんけどね。
教科書を教室に持参して授業中に参照し、あるいは音読させているようではだめなのです。そもそも授業中、教科書など見ていませんし、教科書を見ているような生徒がいたら教師は内職をしていると見て注意した方が良いでしょう。私も学校時代、授業は無視して内職として教科書の先の部分を読んでいたものです。
解説書としての教科書というのは授業に先立って熟読し、練習問題があればすべて解いてくるべきものであり、授業(講義)では教科書に書いていないことを教えるべきです。もちろん、関連する問題のストックがあるのであればその場で解かせるのも良いでしょう。ミニテストをしたってかまいません。まあ、教師としては堕落だと思いますが、そもそも本が高価で貧乏人には読む習慣すらついていない、口頭で教授するしかなかった19世紀まではともかく、今時先生の説明を聞くよりも本を読んだ方が、知識を得るには手っ取り早いのです。授業というのは先生が教科書を読むモチベーションを押し付け、到達度を評価する場でしかありません。
そもそも授業というのは、教科書の内容を教え込む場ではなく、教科書を素材として何かを解説する場だったはずです。四書五経の素読だって、原本なく再生できるほどに暗記する手段であって、そこまで読み込めば上っ面の内容くらい理解できる、その上でどう解釈するか、どう解釈されてきたかを解説するのが授業だったのです。だからこそ、貴重な本を教材として教師が読み上げた上で解説し、それをひたすらノートに取るという授業形態が成立するのです。あるいは真似るためのお手本です。そうだというのに、その形が残っているのは国語と英語の読解と書道(仮名や漢字の手書きの練習を含む)くらいで、残りはただの公認解説書です。解説書について解説されている内容を解説するなど、そもそも解説されている内容を理解する上での基本的な前提が失われた状況でするならともかく(例えば漢代の技術解説書や事典を読んでも常識が違うために何を説明しているのかわからないため、ここではこういう前提に基づいてこういうことを解説しているのだと解説してもらわないといけません)、普通は馬鹿げています。
そうであれば、解説書を学校で学校の機材で読むなどという前提はおかしいのであって、自宅で好みの機材で読む、機材がないのであれば学校から貸し出すということになります。学校で使うタブレットは、素材を加工するための機材であることが自然です。当然この機材で読むなどという前提があってはいけないので、プリインストールではなく、クラウドから端末に引き出してくるのが適切です。まあ、出版社は嫌がるかもしれませんが、学校が規模相応の数のライセンスを購入し、生徒は自由にそれをコピーし、書き込みを含めて加工するわけです。それに比べれば、リフローがどうのというのは実に些末な難癖に過ぎません。
もちろん低解像度の小さな液晶でものを見るというのはある意味苦行ではあるため(もっとも高解像度でも小さな液晶に表示されたものを見るのは苦行である点については、山田氏のみならず少なからぬライターさんが証言しています)、それを緩和する手段としてのリフローは、版組デザイナーのこだわりを放擲して実現する程度の価値があります。図版であれば、拡大縮小機能も必須でしょう。とはいえ、機材が供給できないから小手先でごまかすというのは「なんちゃって」と同レベルなのであって、教科書とは何か、授業とは何かという本質を見据えて意見を述べてほしいものです。

■2020年10月10日(土)  気にしないよりはまし
河野行革相の担当職員、気付けば「ブラック化」で反省
まあ、よくあることなんで、ちゃんと話題になった、話題にしたというのは良いことではあると思います。もちろん、しても問題のない雰囲気だからなのでしょうし、そうすることが政治的得点になるからでもあるでしょうけど。
事業所でも実施に際して人事や総務がブラック労働になった挙句に従業員全員でブラック労働隠しに走ったなどという事例がありますので、ジョークにしてもブラックと言うにはみじめすぎる話ですから、打てる手はあらかじめ打った方が良いです。これまでのように役所は言うだけだからいいよななどと言われないようにして欲しいですね。
もっとも、汎用の賃労働を用いて事業を実施するというシステムが限界にきているような気もします。継続すべき事業を即応できる組織で行うと全部近代軍隊になりますからね。しかも適正な下請けではなく無責任な賃労働などという形式で組織規模だけ大きくすることを、まず疑った方がいいのではないでしょうか。無責任でよいのなら、機械で十分です。

■2020年10月10日(土)  貴族気取りの使用人の頭をはたいたのが問題か
「政治家が学問の原則に反発」ネイチャーが日本など懸念
まあ、慣例に反する上に大人げない行為ではあるのですが。
「学問の原則」などと言いますが、そんなに大事ですか?給料と補助金が稼げる学問。もちろん自由は大事で、それこそ講演会で高級軍人が西洋の憲法ではなく聖徳太子の憲法を研究すればどうかなどと言うようなことはあってはいけないのです。当然、まっとうに講義もゼミもやっている大学教員に対してこういう研究をやったからクビなどというのは論外です。当然、公務員だから政権に反対すべきでないなどというのはおかしく、公務員という立場を外して反対する分には構わないはずです。
ただし、そのあたりが日本(だけではないような気もしますが)は怪しく、公務員としての立場をかさにきてすべきでない発言をする方が結構います。何を話すにしても、経歴の紹介以上にどこの組織に所属しているか、所属していたかが重視されているように思えます。肩書を名乗る以上は、その肩書を与えている組織の方針に即した言動をすることは当然です。名札をつけるというのはそういうことです。また名札をつけさせるというのもそういうことです。
これが圧力をかけて学会連合の事務局人事に口を出したというなら学問の自由に対する挑戦ですが、学士院にしろ学術会議にしろ、経緯はともかく国のお手盛りの権威です。その権威をかさにきる形であれこれ言ったら嫌われるのは当然ですし、人事への介入くらいは普通にあるでしょう。学術会議名義ではなく有志の名義にするくらいの小細工はして当然ですし、むしろ学術会議自体さっさと廃止し、国の機関だから権威を持つのではなく、その道の権威が自身の権威にかけて発言するからこそ権威があるという形にしないといけなかったと思います。
また、学問の自由の名の下に身内で公金を公金として分配する慣習も良くありません。そもそも探求としての学問は公的な事柄ではないのですから、公的な事業として行う方がおかしいのです。単位の決定でも兵器の開発でも野生生物の保護でも社会的な仕組みの創設でもよいですが、学術研究自体が目的なのではなく、こういうことを実現したいという公的機関の側の都合があって、それは公的な事業ですが、そのためにわからないことがある、それがわからないと目的を達成できない、だから研究に必要な費用を専門家の方から請求するわけです。独立している税理士の事務機を顧客の資産として処理するなど聞いたこともありません。公金を公金として研究者に処理させているというのはそういうことです。そこを疑問に思わずに嬉々として公金を貰い、その上で自由を主張しているほうがおかしいでしょう。もちろんそこをはき違えて、公金を出すのだから公的事業だなどと言ってきた方もよくありません。
税が財源だからどうこうと言うなら、そもそも金を出す以上口を出し、自分の望む事業を選択するのは当然です。そこに独立性はありません。ただし文化事業の趣旨からして、一度渡した以上は、適切な監査以上の詮索はすべきではありません。補助金で買ったから国のものなどというへ理屈をこねるべきではなく、まして役所が上位下達で事務を遂行するようなことや購買のような負債の履行を期待するべきでもありません。その上で、貰った側は、公金だから無駄遣いできないなどと言いつつ経費を値切るのではなく、人件費でも物件費でも事情を説明できるように使うのが筋です。そして貰いたいなら、専門家にしかわからないなどと言わず、権限のある人が納得できるようにプレゼンすべきです。そこで権限のある人が公益に即して適切な判断をしたかどうかについては、選挙と歴史が判断することです。
人事の専横ではあるにしても、それができる形を受け入れてしまい、それができる形を改めてこなかったのは、学術会議にいる皆さんの責任であり、公的機関というのは国が設置・運営するものだなどという謬見を株式会社に自由があるなどという思い込みと一緒に流布してきたたかり文化人の過ちです。国の機関という形を一度否定したうえで、やって欲しけりゃしがらみなしで10億寄こせとちゃんと言っていただきたいものです。
増幅する「学者への反発」 フジ解説委員や議員ら誤情報
でもってこれも、もちろん軽薄な文化人や政治家が調子に乗ってやっている部分は当然ありますが(大学教授のポストなんか実力ではとてももらえないと思う人にとってはうらやましいのでしょうし)、学者が自分のありがたみを国策だの国家事業だのに関わって公金の配分に与するところに求めてきたからこうなるわけで、わけのわからないことを税金でやってわけのわからないことばかり言ってお国からもらった権威の墨付きをひけらかして超然としていれば嫉まれるのが当然です。人民に寄生する貴族だなどと誹謗されたら人民の方からした人に石が飛んでくるくらいの立場は自力で確保して欲しいものです。

学術会議前会長「民主主義の大きな危機、賢明な政治を」
同職団体の内輪の互選で政策提言を行うらしい機関のメンバーを選出するのが民主主義ですか?そもそも有権者や被選挙権者がどういう資格で選出に関与しているのか、まだしも内閣の指名の方が、民主的な根拠がある気がします。学会の事務局を選出しているわけではないのです。最高裁判所判事の任命手順は、有識者から互選も含めて推薦、選任しているから民主的なのではなく(そっちは職務上専門家を当てるための保障です)、国会や内閣という有権者の支持を背景にした国家機関が手続に従って任命しているから民主的なのです。
その前に、学術会議というのは何を実施するための機関なのかとは思います。もちろん、ナショナルアカデミーであることが会員資格である国際学術団体があり、その加盟事務局として活動するというのは大事なことです。その上で、国際学術団体の方針と日本政府の政策が(それこそ予算面も含めて)対立する可能性もあります。とはいえ国の機関である以上、最終的には政権の政策、もしくは国会の決定に従属するのが筋です。
民主主義とか「菅総理には賢明な政治、政権運営をお願いしたい」などと言うのであれば、まず国のお手盛りではなく、独立した機関であるのが筋だと思います。ましてや行政のおまけの分際で、きかれもしないのに提言など、何様のつもりでしょうか。経団連の提言の方が、私人の私的団体のものであるだけまだしも筋が通った意見表明です。

静岡知事に「学歴差別だ」 学術会議めぐる発言に批判
まあ、あの発言自体は同レベルというか、お互いルサンチマンを持ってる同士のけなしあいに近い気がしますけど。批判は、正直有識者としては気にしてはいけない、それこそ学歴のない人の妬み嫉みと見下ろしていればよいことですが、政治家やその事務部門としてはそうもいかないのでしょうね
同業者、自覚的準拠集団の一員としてありていに言ってまっとうな発言を差別と言うのはそれこそ教養の程度が知れるのであって、高卒、大卒が博士を妬んでいると言うしかありません。
とはいえ、それならば、ただの学者が政治、行政に余計な口出しをするなというのも筋なのであって、現代政治における学者や学術団体はせいぜいが有識者、あるいは一定の利益集団でしかなく、制度に基づいて国政全般について国民の負託を受けているわけではないのです。当然学術政策も、少なくとも国会での予算審議という回路を経なくては公のものとはなりません。その回路を握っているのは国会議員と内閣です。その前提の下で、行政機関としての学術会議と内閣の在り方が問われているのであって、学者の自治という観点から反論するなら、集権的な統治の観点からの再反論も認めないといけません。

墓穴を掘り始めた菅政権、学術会議人事介入への責任回避のために弄した言い訳が裏目に
これまでの政府の説明の通りなら任命権者として懈怠があるというのはその通りで、学術会議からの推薦には異議があるので差し戻す、暫定的な措置として異議のある6人を除いて任命したとでも言っていればよかったとは思います。さすがに何が何でも推薦通りに全員任命しなければならないということはあり得ないわけで、それを言うとしたら推薦する前の調整が暗黙の前提になっており、調整もせずに推薦リストを出した学術会議側にも怠慢があったということになります。
とはいえ、「自民党政権が推し進めてきたF35戦闘機105機1兆2000億円、イージス・アショア2基4500億円などといったアメリカ兵器の「爆買い」には一切触れず、2400億円(5年工事)の沖縄辺野古基地埋立が2兆5000億円(13年工事)に膨張したことも棚に上げ、その一方で「涙金」のような学術会議の運営費10億円(職員人件費を含む)を殊更に取り上げ、あたかも無駄遣いしているようなニセ情報を振りまいたのである。予算不足の中で交通費さえ自弁で賄うことも多い学術会議会員たちがこれらの発言を知って、この政権が学問研究の意味や存在意義が分からない「たたき上げ内閣」であることを痛感したことは言うまでもない。」というのはそれもおかしいのであって、「学問研究の意味や存在意義が分からない」とすればそれもまた政治ではあります(というか、省庁や学振のプロジェクト研究でよいというのが政権の立場でしょう)。交通費を自弁するというのは公的な職務の実施において適切な交通費さえ請求できない側が悪いのであって、そんな割の合わない仕事ならしない、必要な事業にはした金しか寄こさないなら自前でやるというのが自由や自律を主張する際の筋でしょう。する必要のない事業を実施している、あるいは予算不足が理由であっても事業が期待される効果を上げていないならそれは無駄遣いであって、意図はともかくとして議論はあってよく、無駄でないならそう言うべきで、自分が勝手に無駄だと思う使途を挙げて比較するというのはたとえ議論を持ち出した意図に問題があるとしてもアンフェアです。
けち臭い手管を非難するなら自分がその土俵に降りてはいけないのであって、形式上適正な手続を経て成立した政権の正統性に難癖をつけるのは市民を称するならやってはいけないことです。政権打倒というのは手段であって目的ではありません。

歴史学者ら「任命拒否の撤回を」 14万人分の署名提出
いやだから、なんでそう喧嘩腰になるかね。何万人署名しようが、ここまで大事にして正面から撤回を迫ったら面子の問題になるでしょうが。そんなのだから、安心して行政を分掌させられないのです。最初に下手を打ったのは官邸ではあるにせよ、ナイーブな文学や自然科学の研究者ならともかく、歴史学者なら権威主義な他人の面子を潰すとだいたい事態が悪化することくらいわかっているでしょうに。相手を叩き潰す力があって、先に手を出させるために挑発行動を取るというなら別ですが、弱者が強者に向かって恐れ入るとか反省して原状を回復するとか思っているとしたら、どこのお花畑の住人かと言わざるを得ません。
それに、任命手続における不備など、中国か北朝鮮が弾道ミサイルの一発も打てば吹っ飛ぶと思いますよ。

公安警察官僚が差配する菅政権、学術会議会員推薦者6人はこうして排除された
警察官僚だからどうとか思想警察だからどうというのがおかしいにしても、それ自体はよくある思想的偏向なので言っていればよいわけですが、大事なのは松宮教授のコメントの「任命しないのならその理由を問われる」という部分と思います。その後に「言うことができないだろう」と続きはしますが、本質的に疑義があるなら人事手続を差し戻したって良いのです。「学術は政治から独立して学問的観点で自由にやらなければいけない」というのは理念であって、尊重すべきではあっても状況の制約を受けるものです。個々の研究者や団体が自由に行うのは大前提ですが、国の行う事業となればまず予算、次いで人事が制約を受けるものです。人事において「その分野の学問的な業績、そして学者としての力がある」ことを要件に会員の推薦が行われる制度であっても、任命権者としては個々の推薦や推薦の取りまとめの過程に疑義があれば差し戻しができるべきです。もちろん差し戻す以上はこういう問題があるので差し戻すとは言わないといけない。そのあたりの政治的な決断を行うことがまさに政務官の役割であり権限であって、それこそ日本国憲法における天皇のような権威付けの仕組みと一緒にするのがおかしいのです。
推薦をしてしまった側として、推薦は正当だと主張するのは当然であり、任命を拒否されたからといってはいそうですかとは言いにくいわけですが、状況としては拒否されて拒否の正当性が問題になってしまった時点で術中にはまってしまっているわけで、「ガクモンのジユーのシンガイであり拒否はミトメラレナイ」などと言っても、通らないばかりか有権者の共感も得られず、裁判官からは袖にされると思います。どうしても闘うというなら、現在の会員は全員が辞任、新規に任命される候補者も全員が任命を辞退し、学術会議自体を停止してしまうくらいしかないのではないでしょうか。

「政治主導」だからこそ、説明と対話を 学術会議問題
説明はともかく(政治責任というのはまずもって説明責任です)、誰と対話するのかが問題だと思いますけど。
そもそも学者コミュニティーを云々するなら、カリキュラムひとつ自分たちで決められない、入試制度についても満足な勧告を出せない、学位の認定も役所に持って行かれた学者コミュニティーが公的なものだという方がおかしいのです。もちろん学者というのは教授ばかりではないわけですが、学者がコミュニティーとして社会に責任を負っているとすればそれはまずもって知の普及、教育であって、研究はせいぜい個別の学者が誰かから請け負っているにすぎません。学者コミュニティーとしてその教育に責任を負えない状況で、学術がどうとかそのための学者コミュニティーの社会的意義云々と言われても、収入と名誉が欲しいだけだよねと言われるのが関の山です。
任命拒否と言ったって結局政権批判をするような人と話をするのはありがたくないという、まあ子供じみてはいますが納得できないでもない話です。もちろんそれで学術政策において学問の自由を保障する部分、つまり個々の学者が自らの関心に基づいて研究を進め、総体としての知を拡充できるような仕組みを整えるという部分に支障が出るというなら問題ですが(まあ、一方的に政権寄りの文化人ばかり指名されるのを懸念するというのはそれですしね)、それはむしろ、誰が任命されようとその部分については学者コミュニティーの中で合意が取れているというレベルで実現されるべきであり、学位を認められていて、学者コミュニティーの中で一定の権威を認められている人なら、だれが任命されようと、学者コミュニティーとしては信頼できてしかるべきなのです。学位も研究の経歴もないどこぞの会社経営者が任命されたというなら話は別ですが(それにつながりかねないと懸念していることは理解するにしても)、推薦名簿の一部について拒否されて抗議するというのは面子を傷つけられてわめき散らしているようにしか見えません。正直、一万人くらいの推薦名簿を出してこの中から誰でも必要な数選んでくださいとするべきではなかったかと思います。

首相「説明できることとできないことある」学術会議問題
学者コミュニティー側の反応はともかく、これはさすがにないわけなので、もちろん国益に反するという言い方はできるわけですが、学術会議への不満や人事のどこに機微に触れる可能性があるのか。どうみても説明してしまうと自分に不利になるから説明したくないと言っているしか思えない、「自己に不利益な供述」を回避しているとしか見えません。行政機関で首狩りをするのが悪いとは言いませんが、一貫性もなければ説明もない、それこそ政権批判をしたから任命を拒否したというような逆の意味での忖度、憶測を許していることは問題です。
もちろんこういった炎上目的の煽りをやる状況というのはあって、何か隠したいことがあって、そこに目を向けられると困る場合がそうです。

■2020年10月09日(金)  急に言われても困るというのはわかりますが
「ハンコ廃止」と言わないで 日本一の産地の知事が訴え
政策で急停止されたら生産者が困るというのはわかりますが、法行為における当事者承認の適切性の認定において印鑑を用いないということと、印章を生産、販売する事業者の扱いとはある程度別の問題です。まして物として実態を持った印章を電子的な認証手段において使うような、現状においてかなり無理のある技術の開発促進や普及は、事業者団体の施策としてならともかく公的機関の産業政策とは筋が良くありません。
その意味で、印影のデザイナーや流通業者はともかく、素材販売や加工業者は転業の促進以外の緩和策は取りようがないと思います。

■2020年10月09日(金)  電話もなかった18世紀末じゃないのだから
バス300台でデモ阻止 韓国、感染防止か集会の自由か
内心の自由はともかく、それ以外の自由権は絶対ではありません。「無許可のデモは「反社会的な犯罪」とまで言い切り、「『集会の自由』や『表現の自由』と言って、擁護してはならない」」という見解には全面的に賛意を表します。とりあえずは感染阻止の方が優先度は高いでしょう。ネットどころか電話もなかった20世紀初めくらいまでならともかく(電話の普及は第二次大戦後)、今時集会が制約されたところで困ることはたいしてありません(もちろん集まった人に物を売る人たちや集まる手段を提供する人たちは困りますけど)。むしろ集会などされると関係なくそのあたりを通る人が迷惑します。まあ、関係ないというのは意識が低いという話はあるのでしょうが…それはそれで押し付けがましいと思いますけどね。

■2020年10月07日(水)  ビジネスマンの泣き言は聞くに堪えない
Facebook幹部、広告ビジネスがiOS 14のプライバシー保護により「攻撃を受けている」と主張
攻撃を受けて困るようなビジネスならやらなければよいだけであって、他人の製品にフリーライドしておいて「起業家やビジネスが依存しているツールが今まさに脅かされている」はないと思います。起業家なら所与の環境において適切な戦略を取るべきでしょうし、環境の変化をとらえきれずに失敗したらそれは本人の責任です。ビジネスにしても、伝統的なマスコミも含めて、広告収入に依存しているようなサービスは縮退しても仕方ないと思います。また広告主にしても、むしろ広告にかけているコストを原資に価格を下げてほしいものです。
そして「それらを支払えない客層との共存共栄をはかるパーソナライズド広告」、支払えない客層がAppleの顧客でなく、Facebookとしてはその層をターゲットとしているというなら、iOSから撤退し、AndroidでGoogleと組んで顧客情報を集めて売ったらよいでしょう。もっとも、売血業者が「血を買うことで貧乏人に収入の道を与えている」と主張するのと同じに見えますけどね。

■2020年10月07日(水)  貸しビルに補助金出すよりはまし
役場貸します 年10.6万円で町長気分、副町長は半額
記事のタイトルはどうかと思いますが、建築基準法などの法律上の問題がないのであれば、自治体の資産活用法としてはありだと思います。少なくとも借り叩かれる方が買い叩かれるよりはましでしょう。また再開発促進策として補助金を出して貸しビルを立てさせるよりはましだと思います。まあ、それがメインの収入になってしまったりすると情けないですが…でも地方自治体の収入源なんて地代まがいが多いですしね。

■2020年10月07日(水)  そもそも証券会社自体いらないよね?
デジタル化で「支店・ATM不要に」 SBI北尾社長
支店窓口でやるような煩雑な手続の簡略化という点では、間違っていないのでしょう。問題はなぜそんな煩雑な手続が要求されているのかということで、ヒューリスティックな確認とストッパーの整備が法の求めるところだということです。そもそも英米の株式仲買人というのは風儀が悪いことで有名で、日本でも株屋というと品性は低くみられる傾向があります。そういった場から一般市民を遠ざける目的で規制が設けられているわけで、普通にストアで取引アプリを配布してデジタル化で効率化をうたうというのはどうかという気がします。
「東証に株取引の9割ほどが集中する状態をつくり出したことが問題として、私設取引システム(PTS)などの代替市場をつくる必要性を訴えた。」
これも、証券会社というのが本来証券取引の仲介、つまりローカルな市場の役目を果たしていた点からすれば不思議ではない話です。とはいえ、一方で風儀の悪さゆえに規制され隔離されてきた歴史があるわけで、そもそも証券会社や証券取引所のような仲介・代理業自体が歴史的な使命を終えたという可能性もあります。東京外国為替市場のような形態だってかまわないでしょう。

■2020年10月07日(水)  仕事をするならちゃんとしましょうよ
米下院司法賞委員会、GAFAの分割を提案する報告書を公開。アップル等は強く反発
だからtypoはちゃんとチェックしろと。普通に用語のデータベースがあれば、下院司法賞委員会ではなく下院司法小委員会であることくらいは簡単にチェックできるはずです。
それはともかく、「独占の事実と独占力の証拠を発見」というのは、それはまあ、古典的な市場独占のモデルに照らせば色々埃は出てくるだろうと思います。問題は、インフラと流通やアプリケーションが同じ私人の統制下にあるということ、そして統制権を持っている私人がそうでなければ安全を確保できないと主張していることです。つまり、例えて言えば道路と運送業の受付窓口と道路の治安維持が特定の私人によって行われ、かつ正当な受付業務の実施と道路の治安維持のためには独占が必要だと主張されています。これ自体は私的独占の規制が始まった時代に標的にされた事業者が良く行った主張ですが、私的独占を云々する以上に、この主張に対しての対案が求められているわけで、事業分割だけ云々しても仕方がありません。その結果生じるであろう無法地帯にどう対処するかも含めて議論しなければならないのです。グラス・スティーガル法を引き合いに出していますが、あれは商業銀行と投資顧問・金融商品販売事業を分離することで野放図な金融商品販売やリスキーな銀行運営を規制することを狙ったもので、競争促進のための法律ではありません。

■2020年10月07日(水)  携帯電話網が何が何でも発展しなければならないという考えの方がおかしい
ドコモ値下げはデメリットへの覚悟が求められる
正直NTTグループの事業は無駄だらけだと思うので、料金値下げがサービスのデグレードに直結するとは思いません。アプリケーション方面やコンサルティング方面の余計な事業を廃止し、営業に対するバックヤードサービスを中心として管理部門を縮小すれば、短期的には利益などすぐに出ます。とはいえNTTグループとしてはそういった事業は将来の展開への布石として行っているわけで、効率化して土管屋になれと言われてもなかなか難しいと思いますし、石川氏が主張しているように顧客サービスや管理された販売ネットワークの縮小に走ってしまう可能性は大きいと思います。
まあ、総務省というかエコノミストサイドとしては、ショップで売る必然性は全くなく、量販店あたりで売ればよいとは思っているでしょう。丁寧なケアではなく、馬鹿でも使える単純な端末と単純な回線契約を廉価に売るべきだと思っているのではないでしょうか。今時、メンタルに問題があって電話がかけられないのはともかく、そもそも電話機で電話をかける/受けることもできないほど通信機器へのリテラシーが低い人はいないと思われますし、こうすれば安い的なトリビアルなノウハウが意味をなさないほどに端末価格や回線使用料が安くなってしまえば単純な回線契約で問題ない、なんとかプランが山ほどあって選ばないといけない状況こそがおかしいと言えば言えます。とはいえ、そう思うならもっとしっかり介入すべきであって、マーケットメカニズムがどうとか御託をこねて介入に及び腰になっているのはいただけないのですが。
石川氏の主張する品質も、どこでもつながる、いつでもつながるというレベルであり、少なくとも音声品質的により高度であるべきというものではなく、むしろ回線品質としてはデータ通信を重視しているのだと理解しています。つまり、基地局にしろショップにしろ身近にあることが大事で、次いでそのリソースを分け隔てなく分配できることが課題とされていると考えます。その意味では5G基地局において多数の端末を収容できることは大事ではあるわけですが、極論すれば、議論においてデータ通信の品質というのは後回しでよい、音声通信を十分に広い範囲で多数収容できることが大事で、データ通信を使ったアプリケーションはユビキタスでなくてもよいとも言えます。自分では使いもしないデータ通信を使ったアプリケーションのために回線使用料を負担せよと言われれば、ユーザーは反発します。周回遅れになるのがまずいのであれば、発展型のアプリケーションを必要とするユーザーがその費用を負担すべきだというのは筋が通っています。
リソースの効率的な使用というのは大事ではありますが、音声通信ネットワークへのただ乗りではなく、ネットワークの整備や通信技術の開発も含めて十分なコストを負担したうえでなおかつ携帯電話網がアプリケーションの実現において適切だというのであれば、そうすればよいのではないでしょうか。

■2020年10月07日(水)  こういうのをコスト感覚がないというのではないか
イートでの「錬金術師」問題 野党が改善要求
GoToイートの錬金術 西村経済再生相が対応協議
下らないというか近視眼的というか、なんでまたこんなバカげたことを野党が国会でわざわざ時間を取って質問するのか、理解が追い付きません。
ポイントを詐取するのが問題というのはまあ、わかりますが、そもそもポイントの状態で持っていたところで何かを買わないと役に立ちません。つまり、なにがしか、それもポイントの性質上基本的には消費財の購入に使われるのは自明です。しかもそのポイントを得るためには食堂などに行かないといけないわけで、店に客を誘導するという目的は十分達しています。ポイント還元策などという馬鹿げた策を取ったこと自体への追及はともかく、応急策として始めてしまった以上後はできるだけサービスコストを抑えて終わらせてしまうべきで、改善だの対応だのというコストアップの要因を持ち込む方がよほど問題です。終わってからトータルの収支を踏まえて設計ミスで投入した予算に見合った効果が出なかった責任を問えばよいだけのことで(穴なんて悪用されなければそれでよいのですから)、そんなところで時間を潰しているよりも、なぜ半年程度の休業すら実施できない余裕のない事業者、薄氷を踏むような事業環境ばかりになってしまっているのかの追及の方がよほど大事です。

「せこい金もうけ、やめたら」GoToイートで松井市長
タイトルからはGoToイート自体がせこい金もうけと読めるのはともかくとして、たしかにせこい話ですけど、そのせこい話に税金が財源だからとせせこましく監査を入れるのだってせこい話です。やるような人は止めろと言ってもやるわけで、そんなことを質問する記者も記者ですが、無意味なことを口にするきかれた人もどうかと思います。せこい話をするなら、それこそ大カトーが大スキピオを収賄疑惑で失脚させた故事にでも倣って、公金私消を論って安倍さんなり菅さんなりの首を飛ばすくらいしたらよいのです。

GoToトラベル、予約サイト割引枠に異変 予算が壁?
ではこれはいいのかというと、やはり情けない話ではあるわけで、せっかく予算を使い切るところまで成功したのですから(予想以上に旅行客が出たわけで、事業の目的からすれば成功と言えます)、こういうネタなら勢いを止めないためにも追加で予算をつけましょうよ。もちろん旅行代理店がかぶるのはおかしいわけで、国土交通省がちゃんと手当てしないといけません。それで、短縮して11月一杯くらいで打ち切りはまあ、ありですけど、堂々とならともかく、こっそりルールを変えるというのは利用者を馬鹿にした話で、電突やDoS攻撃くらい食らっても仕方ありません。

加藤氏「観光庁において対応を検討」 GoTo割引縮小
GoTo予算、旅行サイト枠追加 割引額を戻すよう要請
でまあ、割引終了問題はこうなったわけですが…つまりこれはこういうことでしょうか。業態別、業者別に予算枠を設定していたが、一部の業者に想定以上に顧客が集中し、枠が不足したと。
まあ、意図も結果もわかりはします。そもそも旅行代理店自体が補助の対象であり、大手のネット予約サイトと、おそらく大手の店舗型旅行代理店と地場の旅行代理店を分ける形で予算枠を設定した、にもかかわらず、顧客はネット予約サイトに集中した。
まあ、結果は当然と言えば当然で、今時旅行代理店なんて、少なくとも個人の国内旅行については店舗は使いません。使うのはせいぜい一部の社用旅行と団体旅行だと思います。目安としては、バスをチャーターするかどうかあたりでしょうか。でもって国内の団体旅行自体が旅行企画業者のツアーと修学旅行くらいしかなくなってきているというのはここ30年ほどのトレンドです。嗜好として団体よりも個人や気の合った少人数のグループでの旅行に移行してきて、しかも代理店など飛ばして自分で手配するわけです。旅行サイトもその流れと歩調を合わせています。傾向自体は統計に歴然と現れているわけで、ではその流れに逆らって店舗に予算枠を重点配分したら、それは蓋を開けたら大手が途中で失速するでしょうね。もっともあとひと月くらい放置すれば、店舗だったらまだ枠があるという情報が広まって、とりあえず店舗に顧客が移行したかもしれませんけど。
「国民に混乱を生じさせ、いらぬ心配をおかけした。本事業の適切な運営につとめたい」というのは織り込み済みというところでしょうか。とはいえ、とりあえずやってみるだと事前の周知や予想された混乱が発生したときの忍耐が足りないし、政策としては効果を欲張りすぎて整理ができていなかったと思います。

迷走するGoToトラベル 「不公平」噴出で予算枠追加
心配してるんだかけなしてるんだかわからない記事です。
分配のスキームがさっぱり見えてこないのは、おそらくちゃんと調べていないので仕方ないのですが、「販売状況も加味し、時期を数回に分けて配分していく方針だった。」というなら業者向けの目論見書にその旨が書いてあるはずですし、その場合業者も、売れ行きを考慮して販売条件を設定したはずです。それが予算が尽きてきたから割引率を下げたなどという話が出てきているということは、観光庁あたりの説明に不備があったか、事業者の見通しが甘かったか、記者が、想定されたシナリオに基づいて行った対応を応急のものと偽って書いているかです。こんな状況なので事業者の見通しが消極的になるのは仕方ないですが、事態の流動性が高まっているという認識は全員にあるはずで、その中でこんな「予想外」が出てくるとすればあまりに無能です。官庁側は、迅速に枠を増やすという対応ができたことからしても、予備費あたりの準備を含めてある程度想定されていたと見るのが妥当です。事業者の、割引率を減らすという対応はいささか不可解ですが、枠の範囲で割引率を含めて自由に設定してよいとしてあったのは事実なのでしょうし、注意書きを記者が見落としたか無視したあたりではないかと思われます(もちろん顧客は注意書きなど見ない)。
とりあえず問題は年末のシーズンがどうなるかですが、そろそろ事業者の方ではある程度の予測が立つ時期です。3月まで持てば後は次年度予算、予算編成自体1月の通常国会での審議が前提なので、継続の是非を含めて議論はされているはずです。

■2020年10月05日(月)  出来上がりの画像を確認できないデジタルカメラって相当マゾヒスティックだと思う
X-Pro2を使い続ける理由
「だからカメラの背面にはモニターが必須です。」
わかるけど、ファインダーで確認したってよいと思うのですけど。まあ、ファインダーはあくまでこれから撮る像について情報を得るデバイスであって、撮った画像の確認は背面モニターでする習慣がついているというなら、それはそれでありですけどね。
ともあれ、フィルムが現像から上がってくるまでの不安感というのはよくわかりますし、プロならなおさらだろうとは思います。写真趣味の場合そこまでのプレッシャーはないわけですが、今度はフィルムや現像のコストというのがありまして、失敗するかもしれないから余分に撮っとけなどということはしにくいものです。ましてや「何にせよ基本的にはフィルムでもデジタルでも写真は一期一会の気合いを持って撮影するわけですよ、ホントは。」、連続撮影やったからといって同じ写真は撮れないわけです。それでも、とにかく今撮った絵が確認できるというのは実際精神衛生上非常に良いです。あえてそれができない機種というのが最近いくつか出てきていますし、フィルムカメラ趣味なんかポラ以外はそんなことはできないわけですが、個人的にはああいうマゾヒスティックなものには関わりたくありません。
なお「もっとも撮影画像を確認すれば撮影が成功か否かはすぐにわかりますからね。」というのは、現状のしょぼい再生用モニターでは構図とか後処理で何とかなりそうかといった目安程度にしかならないのであって、PCで表示してみたら微妙に失敗している、ピントの位置がずれているとかぶれているということはよくあります。特に被写界深度重視で絞り優先AEにしたり、感度自動設定にしたりした場合、シャッター速度が低すぎるとか感度を上げすぎて絵が荒れたなんてことは普通にあります。
また「スペックとか写りとかは関係ないところにカネをかけたカメラが好きなわけ。」というのはわかりますし、カメラメーカーさんもそういうところをないがしろにしているわけではないと思いますが、「これって、耐久とか硬度自慢よりも、ボディを心地よくシリコンクロスで磨くために採用したんじゃねえのかな。」ときて「そろそろカメラもスペック以外にもこういう見直しが必要だと思うんだけどねえ。どうなんですか? 売れませんか? ダメか。」というのは、鏡面の外装を磨くことに多くのユーザーが価値を見出すと思うかどうかだと思います。とにかくボディもレンズも薄く軽くできていることに価値を見出すと思うか、つや消しブラックにステータスを感じると思うか、顔が写り込むようなメタリックな外装に魅力を感じると思うかがマーケティング上の判断ということになるのです。それこそスペックだけならスマホに画像処理で十分なんですし。
所詮は量産される耐久消費財であって、機能の組み合わせを選べるわけでも同じモデルをいつまでも使い続けられるわけでもないのですが、新機種が何となく気に入らないということはよくあります。そこのところのもどかしさが、なんとかならないかとは思うのですけどね。

■2020年10月04日(日)  インフラ事業を運営している自覚はどこに?
ドコモのシステム復旧 機種変更など約7時間できず
いやこれ、報道が表面的な事実のみなのはそれでよいと思うのですが、肝心のNTT Docomoのアナウンスがこれでよいのでしょうか。特にこれ、
「3.原因
 顧客システムの機器故障」
この会社は内容を報告するまでもない機器故障で7時間もシステムが止まるのかと言うね。これでは再発の恐れがあるのかすら判断できないでしょう。まあ、所詮民間会社の顧客システムなんで、動いていないこともあり得る、文句を言うなというレベルではあるんですけど。とはいえ、顧客システムも含めてインフラではあるので(手続に行ってみたら定休日でもないのに窓口が止まっていて出直しなんて、迷惑にもほどがあります)、どういう対応を取ってどのレベルで直ったのかくらい、別紙でよいので公示すべきです。それとも総務省はこの程度の問題では報告はさせないのでしょうか。

■2020年10月04日(日)  ハンバーグって
手軽に作れることから料理ネタやグルメネタでよく出てくるハンバーグですが。
20世紀半ばまでは、保存の悪い安い肉を徹底的に叩きのめして塩と香辛料(金持ちはコショウやシナモンを、貧乏人はそのへんに生えてるハーブを使う)でごまかして食べる手段でした。そう考えるとハンブルグというのも、貿易港で遠くからの輸入品(コショウを含む)が入りやすかったハンブルグで香辛料で味を調えたミンチ(市民向けの食堂でブロック肉は高級品)が名物になったのではないかと思えてしまいます。一時期のアメリカ軍基地食堂を代表する料理なのも、材料費が安く、取り扱いがマニュアルベースで習得でき、大量調理に向くからです。20世紀半ばからは冷蔵設備が普及したため過剰な味付けをせずともよくなるのですが、やはり安い肉を使うことは変わらず、同様にミンチを使うソーセージなど、ドイツでは政治の代名詞になる有様です。もっともそのドイツでは魔改造の果てにメットという生のミンチ料理が登場、半生の調理法であるタルタルステーキも欧州北部一般にカフェ料理としてよく見かけますね。

■2020年10月04日(日)  号泣するとしたらEPSの件じゃないかな
ポルシェ博士号泣
まあ、号泣するでしょうね。
しかし、テレビシリーズではポルシェティーガーはどうにもポンコツのままでした。丘の上まで他の車両に牽引されるまでは重戦車として仕方ないものの(というかエレファントよく登ったな)、その後橋の始末を終えて市街地に向けて逃走中、エンジントラブルないしはモータートラブルを起こし、発煙したものの乗員の応急処置にて炎上は免れ、行動を継続しています。まあ、最後は弁慶の立ち往生の後黒森峰の車両に乗り越えられる活躍ぶりを見せたわけですが。
しかし、劇場版ではEPSなるシステムにて驚異の高加速を披露、サスペンションも伝達系も壊れず、なんと電動機もしくは電力変換器炎上で行動不能となるという快挙を成し遂げ(そりゃあの当時の熱設計のままであれだけ負荷をかければ、少なくとも電動機は燃えるでしょうよ: その前にギアが吹っ飛びサスペンションがいかれると思うけどね)、最終章では時間制限をつけてARL-44をちぎっています。こちらの方が、技術屋であるポルシェ博士の号泣に値するのではないでしょうか。この電動機と制御系、動力伝達部品があればあんなことにはと泣くこと必須です。フォルクスワーゲンテュープアインス以外は変なものばかり作っていた印象がありますが、ちゃんと動くものをデザインしていたからこそヒトラーの目に留まったのですから。

■2020年10月04日(日)  ブルースとヒルビリーからジャズを経てロックへという定型でよいのか
「はじめてのアメリカ音楽史」里中, バーダマン. 筑摩書房, 2018.
人物を通して一応の流れは追えるわけですが。
レコードとルーツを通して追う形になっているためか、音楽シーン、つまり酒場でBGMとして流れていたのか、酒場のショーとして演じられていたのか、パレードで演じられていたのか、ダンスホールで流れていたのか、街頭で演じられていたのか、音楽ホールや音楽イベントで演じられていたのか、ラジオで流れていたのか、酒場のジュークボックスでかかっていたのか、テレビの音楽番組で演じられていたのか、ディスコで流れていたのか、ダンスクラブで流れていたのかといったルーツを修飾していくトポス的な要素が切りつめられている印象です。ジャズまでとヒップホップは比較的場の話題があるのですが(音楽の解釈において切り離せないということだと思います)、ロックではどうにも乏しい感を拭えません。特定のイベントではなく、どういう場に集い、どういう姿勢で音楽に接する人を対象にしていたのかということなんですけどね。このため、1960年代以降のダンスミュージックがヒップホップを除いてばっさり切り捨てられ、ステージ音楽とレコードの紹介だけになっています。また白人民謡系の大衆音楽、つまりクリスマスソングあたりもさっぱり出てこないというか、軍歌からIrving Berlinとティン・パン・アレーに一括されています(リパブリック賛歌あたりの話です)。旧支配者のキャロル(嘘です: キャロルオブザベルズです)はまあ、おいておくとして。もちろんある程度意図的なものと思うのですが。
このため、ルーツが非常に明確になっているわけですが、一方で音楽商品を中継し拡散する場であった北東部の大都市の位置付けが非常に不明瞭になっています。南部ルイジアナとフロリダがアメリカのルーツと言われると少々違和感がありますが(まだ北部ルイジアナと言われる方が納得できる)、「田舎」だと言われればまあわかるかなという印象です。本来はそんなところにルーツはないにもかかわらず、都市と対比しうるがゆえに故郷とされたあれです。著者の一人、バーダマン氏が後書きで披露しているエピソードが典型ではないでしょうか。北東部の大都市に移入された南部由来の音楽が都市の商品となっていく様子、若者文化と結びついた音楽産業を語るうえで、南部にルーツを持つとされるブラックミュージックやヒルビリーからジャズやロックが生まれ、ヒップホップ、あるいは本書ではロックに一括されてしまっていますがパンクやテクノが生まれていくという図式は非常に便利なものですが、文化人類学者や民俗学者の語りの類には違いありません。ディキシーランドジャズというのがすでに音楽産業が生み出したイデオロギーなのです。
著者が自覚的に用いているこうしたイデオロギーに対して意識的に読まないといけない(そういう意味では中央公論社の物語歴史シリーズに近い読み物だと思わないといけない)という点では、「はじめての」と銘打っていますが、初心者向けとは言えません。大衆音楽史の読み物がロック帝国主義であるのはいつものことで(実際に現代の音楽シーンに、クラシック系前衛音楽に対してすら大きな影響を与えていますし)、むしろ本書はジャズやフォークにページを割いている方ではあるのですが、個人的には、マイケル・ジャクソンを扱うならなぜジョン・ウィリアムズを扱わないのかと思います。あれはひょっとしてクラシック音楽扱いなのでしょうか?プレイヤー中心の叙述においては扱いにくいことは事実ですが、オーケストラ系の映画音楽だって立派な大衆音楽だと思います。
それと、オーケストラ音楽がジャズに入るという図式(巻末の表)はおかしいと思います。アメリカ大衆音楽は擦弦楽器というとフィドル一辺倒で、ヴァイオリンは受け付けませんでした。むしろウインドバンド、つまり軍隊や救世軍の楽隊、ラッパバンドやフランスやドイツのパレード吹奏楽(でもって、こうした楽団では低音の管楽器が開発されていなかったためにコントラバス=ウッドベースが入っていた)やピアノ協奏曲と言うべきで、弦楽合奏に管楽器と打楽器が導入された形の古典派オーケストラではないのです。もちろん特にビッグバンドジャズの楽曲やオケ伴奏の歌謡曲(日本のあれではないですが)の作曲家には古典派の管弦楽構成法を身に着けた人が多かったわけですが、それならガーシュインに加えてルロイ・アンダーソンが出てこないとおかしいのです。

■2020年10月03日(土)  プラットフォーマーによるプリインストールを規制すれば状況が改善するのか
EU、iPhoneに「アップル純正アプリだけプリインストール」を禁じる規制を検討中か
まあ、独占的な地位を持つプレイヤーを規制するという点では間違ってはいないのですが…
正直、独占規制それ自体が目的化している観を拭えません。もちろんフェアな条件での事業者の競争というのは大事なのですが、そもそも熟慮しない、熟慮できるだけの情報や基準を持たないコンシューマーを相手にする商売で競争上のフェアネスだけ追及しても、コンシューマーは困惑するだけではないかと思います。仮にフェアネスに意味があるとするならそもそもプリインストール自体が問題で、コンシューマーにどのストアを導入するかから自分で選ばせるということになるのですが、むしろ選ぶのが面倒くさいからプリインストールされたアプリに頼る、プリインストールされるアプリの選定権を掌握したものが有利だという話になっているわけでしょう。だとしたら、それこそ末端の端末販売業者にプリインストールアプリの選定権を握らせるくらいでないと、そして端末販売業者の資本的な支配を認めないようにしないと(極論としては個人の自営業オンリー、少なくとも公開株式会社は不可で、回線事業者やプラットフォームサプライヤー、アプリ開発事業者、広告事業者の関わりも禁止、なにがしかの代理契約でもしている場合はその旨を明示)、フェアとは言えません。ではそうしたときに、端末販売業者に今プラットフォーマーが自らに課している程度の安全や個人情報保護に対する意識を期待できるのか。
規制するならするで、どのような状態が理想なのか、何を実現するために規制を行うのかを、担当者は自覚しているべきです。規制当局というのは基本エリート集団なのですし、半分チンピラみたいなものだった領主の役人よりは知的なところを見せてしかるべきでしょう。ニーズ側からそっぽを向かれた競争政策に意味などないのですから。

■2020年10月03日(土)  跨がるならやはり長袖長ズボン
ホンダ・CBR250RRを買ったはいいけど乗っていく服がない!
まあ、サンフランシスコかパレルモよろしく短パンにTシャツでバイクに乗っている人もいるわけですが。
とはいえ、伝統的にも跨って乗るものはサポート入りの長袖長ズボンにヘルメット、グローブ、サポート付きのしっかりした履物を身に着けるべきと言えるでしょう。半袖のよれよれした服で乗るのはロバあたりなんであって、農民ではなく金持ちの大人のライダーはある程度しっかりした装備で立派な馬の類に乗るのでないと箔がつかないのです。まあ、ローマの騎馬兵はスカートに下着なしでサポート付きとはいえサンダル履きで馬に乗っていたらしいですが。それでも騎馬部隊の主力は長ズボンの蛮族だったわけで、そうした人たちの服は、要所がクッションや補強のため地厚になっていたかと思われます。
その意味でひじやひざなどにプロテクターの入った服というのは非常に理に適っていると思います。とはいえ、今のスタイルはなんかイギリスかドイツの偵察兵か飛行機の整備士みたいなんで、タタールスタイルのバイクウェアとか出ないものですかねえ。
ところで、小遣いで装備も買えない貧乏人が中型バイクに乗るというのはどんなものかと思うのですが(50年前と違い、原付でもなければ自動二輪車というのは趣味の機材ですから)、車重120kgを超えたらキロ百万円くらい税金をかけられませんかね。CBR250Rの場合161kgで41kg超過になるので税金だけで4100万円ということになりますが、税金だけに分割納付はきかないとして、これをポンと出せる人であれば数十万円程度の装備は即買えるはずです。また自損事故を起こして怪我をした場合でも、全額自費診療に対応できるはずですし、他人を巻き込んだ場合でも自賠責保険などなくても賠償ができるでしょう。車重が基準なのは、もちろん120cm3を超えたら10cm3につき百万円でもよいのですが、それだと昨今の事情で電気自動二輪車で税金逃れをする人が出るでしょう。電気駆動であっても重くてでかいものは危ないのです。十分に経済的に余裕のある人以外は使うべきではありません。そして出力を基準にすると、小型低速で重量物を運ぶ設計の自動二輪車を規制してしまいかねません。レシプロエンジンでも電動機でも、体積・重量当たり出力の向上は立派な技術開発目標です。

■2020年10月03日(土)  便所の落書きならともかくねえ
Twitter、トランプ大統領の新型コロナ陽性で大量発生「死ねばいいのに」ツイートは削除すると警告
削除を含めた規制は当然だと思います。つぶやきとはいえ、他人を貶めるような言動やそれへの共感を許容できる場では、もはやないのです。そういうのが出発点だったことは否定しないが、もうそういうのは別の場所でやってくれと、経営陣は思っていることでしょう。
まあ、そういうろくでもない言動も含めて公共だ自由だというのがコンピューター業界に少なくない左派リバタリアンの思想ではあるのですが、それに殉じるにはTwitterは大きくなりすぎました。「便所の落書きだ」などと批判される時点で無視できないものになっていますし、それを単一の事業体が取りまとめている以上、叩かれるし、致命的なところを叩かれれば潰れかねません。左派リバタリアンの皆様には、より分散的で無責任な場を作り出していただきたいと思います。

Twitter、トランプ大統領の新型コロナ陽性につき死を願うツイートを削除すると警告
「他の人にも平等に適用を」
でまあ、こう言われてしまうのは仕方ないわけです。とはいえ、なかなか理想通りにはいかないのだろうなあとは思います。それこそAIでも使って全つぶやきをフィルターする話になるわけですが、それをやると「言論の自由の侵害!」などと叫ぶ輩が出るでしょう。トランプ大統領に絡む話なら、あんな狂犬に絡まれたら迷惑極まりないことくらい、左派リバタリアンも理解してくれるよねと日和ったとしても、理解はできます。今まさにタイトロープの上を渡っている状態なので、個人的には失敗して潰れてしまえと思ってはいますが、強者に阿っているとまでは言わないでおきたいと思います。
さすがに回線会社がデータの中身で検閲を始めたら問題だと思いますが、不穏当な言動をするなら自前でサーバーくらい立てるべきで、パブリックカンパニーのアプリケーションサービスの上で個人に死ねだの呪われろだの言いたてるのは、検閲されても仕方ないでしょう。逆に言えば、インターネットの自由というのは、サーバーを立ててなにがしかを発信することは妨害されないというレベルで保障されるべきだと思います。その意味で、固定IP、IPv6という話で、また他人のネットワークを許可なくのぞき込んだり、他人のサーバーを踏み台にして迷惑行為をする輩は許されるべきではありません。寄生インテリが職場や学校の箱庭コンピューターを荒らして悦に入っていた時代は終わっているのです。

■2020年10月03日(土)  椅子はもしかすると今年の代表ネタではなかろうか
2020年10月2日
やる気スイッチを入れてくれるオカムラのチェア「フィノラ」
通勤時の運動というのは確かに馬鹿にならないのですが、同時に家にいると動かないというのもあると思います。事務所にいると、座ってばかりというわけにはなかなかいきません。でもまあ、筋肉痛で済んでいるうちは鍛えなおせばなんとかなるということではないでしょうか。
そして今年の隠れたメイントピックであろう椅子ネタ。やはり大事です。パソコンはデスクトップが硬かろうが文句を言いませんが、人体は違いますしね。
とはいえ、ジウジアーロとかイタルデザインというと、80年代にニコンのカメラで変なデザインをした人とか、妙なエスプレッソメーカーをデザインした人という印象しかなく、あまり評価は高くありません。もともとカーデザイナーというかボディのデザインから出てきた人(カロッツェリア、つまり車台に乗せるボディの制作や車の艤装を専門にするメーカーがキャリアの初め)なので、空力特性やその方向からの格好良さはともかく手に馴染みかつ見栄えの良いデザインというイメージがないのです。

■2020年10月01日(木)  誰か怒られるんでしょうか
文科省の“子供1人にPC1台”施策、タイムリミットまで半年 現在の納品状況は2%
この話ね、正直計画を立てた人は馬鹿だろうと思うのです。今年の第二四半期に前倒しなんて、生産リソースの関係で増産が間に合わないことくらい、ちょっと考えればわかります。その計画を立てたり裁可したりした人が譴責されるのなら自業自得ですが、現場の購買担当者や納期を押し付けられたディーラーが怒られるようなことがあると痛ましいと思います。
とにかく買ってくれば手に入る的な安易な発想がはびこっているようで、マーケティングの発想を学ぶ以前に生産の基本を学んでいただきたいものです。工場は一週間では立ち上がらないのです。というか、さすがの古典派経済学者も、需要に供給が「即応」するなどというとんでもない発想を聞いたら呆れ果てるのではないでしょうか。

■2020年10月01日(木)  いまどきBootCampはないでしょう
Arm版Win10、まもなく64ビット版アプリのエミュレーションに対応。テストは11月プレビュー版より
それはよいことです。さすがにここまで64bitアプリケーションへの移行を進めておいて、エミュレーションでは32bitしか動きませんでは、Windows CEあたりの二の舞になりかねません。
しかし
「これはひいては、同じくArmベースであるApple Silicon採用Mac向けBoot Campの将来(記事執筆時点ではアップルもMSも言及せず)にとって明るい材料になる可能性があります。そもそもArm版Windows 10がOEMライセンスではなく単品でユーザーに提供されるかどうかも未知数ですが、もし実現した場合は、Apple Silicon Macでもx64アプリがこれまで通り利用できるようになるのかもしれません。」
いや、その前に64bitの仮想マシンがリリースされるのでは?そもそもBootCamp自体意味不明の代物で、使ったことはありますが、どうしてAppleのハードウェアの上でWindows環境を動かさないといけないのか、理解できませんでした。これがMacOS上でWindowsアプリケーションがシームレスに動くというならわかります。互換性があるのだかどうだか怪しいMS-OfficeのMac版を使わなくてもMacOS上で普通にWindows版MS-Officeが動く、カットアンドペーストも含めて普通に使えるというのなら朗報です。しかしそうではなく、MacOSとWindowsが排他になるのです。どうしてもPCを買いたくないとかMacが欲しいけどお付き合いでPCまでそろえるお金の余裕がないというならうれしいのかもしれませんが、普通に考えれば、ハイエンドモデルのMacを買ってPCエミュレーター上でWindowsを動かすか、安いPCを買ってMacからリモートデスクトップ接続でもすればよいのです。2005年ごろのMacであればPCエミュレーターを動かすと辛かったでしょうが、今時のハイエンド機種なら問題ないはずですし、PCだってゲームでもするのでなければ10万円もあれば十分なものが買えます。Arm MacでわざわざPC用のゲームをする理由って…あるのでしょうか?
どうもこの人、とにかくどんな機材の上でもすべてのものが動かないといけないというおかしな信念に取りつかれているのではないかと思えます。おかしいですよ。だって、PCでMacOSが動かないといけないなんて言う人はもういませんよね?RadeonでCUDAがちゃんと動かないなどと文句を言う人もいないでしょう(TeslaのOpen-CLサポートが悪いという文句はあるかもしれませんが)。フルタワー筐体が寝室に居座るとなると邪魔でしょうが、今時のPCもMacも場所塞ぎでないモデルはいくらでもあります。
いいかげん、Appleのハードウェア上でWindowsをブートするとかWindows上でLinuxを動かすといった変態行為は適当なところで止めておいて欲しいものです。いやまあ、Windows上でLinuxを動かすのはまだしもわからないでもありませんけどね。コマンドラインでパイプでつないだフィルタを使いたい人はそれなりにいるわけだし、Windowsはその面では落第ですから。しかし、Macで排他でWindowsが動くのを一緒にされても困ります。

■2020年10月01日(木)  人的監視で大丈夫ですかね?
東証など4取引所、全銘柄の売買を停止 システム障害
東証の取引は兆単位 停止「日本の将来に関わる問題」
「根本原因、判明していない」 東証社長ら会見で謝罪
東証の障害、原因は「機器故障とバックアップへの切り替え失敗」
東証、システム障害で謝罪 詳細な経緯説明、当面は「人的監視」で対応
止まってしまったこと自体は仕方ないとは思います。インフラとは言いますが、所詮金融システムであり、ライフラインや一般向けの通信ネットワークではありません。困ったねで済みます。そもそも機械的なトラブル以外でも市場を止めることはあり得るわけですし。ただし、
「通常であれば1号機に異常が発生しても2号機に自動的に切り替わる設定になっているはずだったが、何らかの理由で切り替わらなかったとしている。」
これは問題です。故障が起きてもとりあえず動くための二重化、フェイルオーバーなのに、それが働かなかったとなると、無停止システムの前提が崩れてしまいます。今回は実質的に取引開始前だったので取引できないで済みましたが、稼働中にこれが起きた場合、トランザクションのデータに異常が発生しかねません。取引が完了しなかったのならまだしもですが、変な状態で取引が完了したことになってしまった場合、後始末が大変です。
また発生時点で、その直前のログに異常が残っていたといった事情があるのなら、同じような状況では手動で切り替えを行う、安全策として取引を止めるといった対応ができますが、特に異常が出ていなかったメモリがいきなり故障したのだったりすると、監視していても対応できるとは限りません。本来であれば、この手のシステムは各部分について相当きっちり異常監視の仕組みを張り巡らせているはずで、何か問題があれば故障する前に発覚するものなのです。もちろんものなんて壊れるものではあるのですが、まずもって、なんかおかしな挙動をしたらその部品は取り換えるというのが重要なシステムを運用する上での常識です。東証の取引システムにその手の仕組みがないはずがないわけで、それでいきなり故障、バックアップも動作せずというのは、それですぐに再稼働させて良いのかと疑うに足りる状況だと思います。

東証、正常に取引始まる 金融庁は報告徴求命令を予定
東証再開、109円高の2万3294円で始まる
動かしちゃうんだ…いやまあ、動く可能性の方が高いことは確かでしょうけど。
「1日朝の故障時には、本来作動するはずのバックアップ装置への切り替えが正常に行われなかった。以前のテスト時にはうまく切り替わっており、東証はこの動作不良の原因も調べている。」
こういうことで、つまりはいつ止まるか分かったもんじゃないしその際正常にバックアップ系に切り替わるかどうかもわからないのです。まあ、所詮金融ではあるわけで、人が死ぬわけでも物流が止まるわけでもありません。動くのであれば動かしながら原因を調べてもよいとは思います。とはいえ、次止まったらどう見ても取引所の責任ですからね?

東証、バックアップ弱さ浮き彫り 8年前の障害に類似
弱さというか…これだけから見ると、手動でバックアップ系を立ち上げるというのは想定外に近い事態に見えます。自動で副系統に切り替わらなかった原因次第ですかね。

東証、障害の原因を特定 設定値に不備、切り替え失敗
東証のシステム障害で調査委設置 日本取引所グループ
運用面から見れば、なんでまたその不備な設定値が設定されてしまったのかというのが問題のはずで、「稼働前のテストでは、1号機と2号機間の死活監視を途絶えさせて、速やかに自動的に切り替えできることは確認済み」などとぼけた弁解をしている状況ではないはずです。ケチってログがないのでいつそんな値が設定されたのか調べられないとか言ったら馬鹿にしますからね。

自動バックアップ、5年間オフのまま 東証システム障害、富士通のマニュアルに不備
東証システム障害はマニュアルの不備 富士通「確認が不十分だった」 関係役員の処分を検討
予想以上にひどかったな、これ。
稼働前のテストでは確認済みと言っておいて機材更新時、出荷時設定が主因とはいえ「実は確認していませんでした、マニュアルに書いてあったのでそうなると思いました。」はないでしょう。納品時に確認しなかった東証も東証ですし、仕様変更をチェックできていなかった富士通も「製品マニュアルに不備があったとして謝罪した」ではすみません。ミッションクリティカルなシステムなのですから、問題が起きたときにどのように動作するかというのは、工場出荷時、納品時の両方で実働試験の実施が必要なはずです。また事情によっては発注時の仕様を満たさないということにもなりかねません。少なくとも私なら、納品時に「部品供給元側の仕様変更により発注仕様を満たせません」なんてことを言ってきたら金は払いません。
とりあえずミスということで公表したわけですが、どうもそれでは済まないのではないかという気がします。

金融庁、東証に立ち入り検査 システム障害の経緯を調査
東証システム障害、金融庁が立ち入り検査 改善命令なら8年ぶり
というか、立ち入り検査を受けるような事業者が証券取引市場を運営していてよいのかという気がしますが、潰す気はないんでしょうねえ。選択肢がないので信用できないから他の市場に行くというわけにもいきませんし。まあ、ちゃんと調査して欲しいと思いますし、下手をするといろいろとまずい経緯が出てくるような気がします。

「想定外のシステム障害」は必ず起こる――東証の対応から、企業が今のうちに学べること
応急対応としては、止めるという措置が最善だったという点については全面的に同意します。止まっちゃいけない代表例である飛行機や原子炉だって、異常が起きたらとにかく緊急着陸する、停止手順を実施するという形で、異常が拡大しないうちに止める手を打つわけですし。
ただ、その故障の事情を見るとどうにも情けないわけで…リスクマネジメントとか言う以前に、やるべきことをやっていなかったという話ですしね。それを「予想外」、「想定外」の範疇で語られると、違和感がないわけではありません。まあ、マニュアルをちゃんと整備していたのに守られなかったなんてことはよくあるので、「大丈夫」が外れた事態でどうするかがテーマではあるんですけど。

東証システム障害、親会社「責任痛感」 11月にも処分
それは責任はあるでしょう。機材の受け入れ手順に不備があり、停止してしまうような状態での納品を許し、発現した結果市場を一日止める状況になった責任は経営者が取るべきです。状況を受けて市場を止めたことではなく、市場を止めざるを得ないような状況を招いた責任です。ただし、経営者が責任を取ってそれで終わりというのはいただけません。少なくとも再発防止はしなければなりませんし、金融庁にしろ調査委員会にしろそこまで見届けるべきです。

東証、宮原社長の辞任発表 10月のシステム障害で引責
本来防止できたはずの取引停止を発生させてしまった以上、代表取締役の引責辞任は当然です。しかし、これで幕引きになっては困ります。経歴を見ると1988年採用、2009年常務執行役なので、原因になった機材の調達過程に責任がある可能性はありますが、そもそも基幹システムの調達が上級管理職一人で決められるものでもありません。取締役会の決議は当然として、仕様の決定や検収の認定も含めて、数名以上の経営責任者が関わっているはずです。実務責任者の数も十数名、ことによると数十名に及ぶでしょう。富士通が仕様を結果としてごまかしてしまったのだとしても、動かしてみればわかるはずの検査をせず、問題を発見できなかったのは、責任がどうこう言う以前に業務フローの欠陥です。新自由主義においては監視機関によるルールベースの規制が求められますし、明文のルールと善管義務を守ることは自明ですが、こんな欠陥があるようではルールベースの規制も善管義務も裸足で逃げ出します。まだ検査結果の報告が証券取引等監視委員会からは出ていないようですが、基盤となるような仕組みを運営する事業者として非常に間の抜けた情けない事例ですので、なんならデジタル庁も関わって、最終的にコンピューターを用いた取引基盤における機材調達についての指針でも出す勢いで、きっちり調べてほしいものです。

売買停止に金融庁「責任の明確化を」 社長辞任の東証
金融庁、東証に業務改善命令 システム障害、社長は辞任
責任を明確化すればよいというものではないと思いますが、それよりも「調査委は設定ミスについて「富士通の責任が大きい」と指摘」というのはいささかユーザーに甘い判定ではないでしょうか。もちろん納品されたマニュアルが間違っているなどというのは大問題ですが、間違っていては困るような話ならそもそも検収で動作を確認するべきであり、マニュアルに書いてあるからそれで良しなどということをしてしまったのがいざ問題が起きたら副系統に切り替わらないなどということが起きた原因です。再発防止を言うなら、少なくとも運用の確保に関わるような部分については、仕様通りに動作することを納品時に十分確認するようルール化、とうぜん納品までに、納品時にどんなテストをするかしっかり決め、決済も取り、その上でテスト結果を精査して検収を認定するのが筋です。まあ、納品後支払いまで半年以上かかるかもしれませんが、その程度のリードタイムに耐えきれない事業者から機材を買う方がおかしいでしょう。もちろん付帯的なコストも増えますが、高可用性無停止システムであれば当然の支出です。
後はまあ、時々実際に落して復旧してみるべきなのですが、そこまでのコストをかけられるかどうかは何とも言えないですね。休日は市場を開いていないとはいえ、簡単にできる訓練でもないですし。

■2020年10月01日(木)  いつまでもヒーターをバイメタルで制御していた炊飯器の感覚でいられても
アップデート
「えっ、その不具合って欠陥じゃないの?」だから対応してるじゃないですか、アップデートで。
「「少々の不具合はアップデートで」の思想に命や財産を預けるのは怖い。「車のブレーキ不具合を改善しました」。そんなお知らせは勘弁願う。」というのはもっともですが、正直この思想自体は昔からあったものだと思います。在庫管理との絡みで、まず数千台作って販売店に流して様子を見る、問題があれば次の生産の時に軽微な設計変更をして対応、クレームが来た場合は交換で対応する。製品によっては一回の生産でモデルチェンジするのでその際に不具合を修正する。マイコン家電になって精密な制御を製品に仕込めるようになったため、機械的、電気的な制御では安全側にふっていた部分をより追い詰めた設定にしているということはありますし、機能自体が電子的な制御と汎用のインターフェースで実現されているために、それこそ車のデザイン並みのファッションになってしまっている部分もあります。長期間かけて大きな改善を行うよりは、step by stepで頻繁なモデルチェンジごとに小さな改善を入れていく発想も今の流行りです。それがネット経由のアップデートになり、購入済みの製品にも手を入れられるようになっているだけのことです。
そして、「数度のアップデートで、やっとカタログ通りの商品に。と思ったら新モデル。気に入った物を長く大事に安心して使いたいのに。」というのは不可能になりつつあります。というのも、メーカーとしても、購入している部品のモデルチェンジが頻繁にあるため、同じ仕様で製品を作れないからです。制御回路が壊れたら、ストックがあればともかく、直そうにもマイコンもセンサーのコントローラーも、下手をするとセンサー自体も手に入りません。同じ仕様を実現するにしても設計のやり直しになるため、モデルチェンジしてしまう方が楽なのです。SoCに代表されるパッケージ部品は製品の小型化、軽量化、多機能化に貢献していますが、一方で直しにくい製品を作ることにもなっています。
そもそも大量生産自体がそういう形で進化してきたわけで、在庫管理技術と相まって価格低下につながっているわけですから、苦情を言うのは筋違いでしょう。そういう意味では、あれはモノではなく、サービスなのです。
とはいえ、ネットワークにつないで何をしているかと思えばメーカーのサーバーにアクセスして益体もない情報をやり取りしているだけというのに腹が立つのは事実です。なぜ自宅に自前のサーバーを置いてコントロールできないのか。デジタルなのにそれができないことに、問題を感じます。

■2020年10月01日(木)  ジャーゴンに勝手な意味をつけないで欲しい
コロナ感染者表示の優劣
メディアスクラム?メディアスクラムのことを書いているとも思えないのですが…
おそらくラグビーにおいて味方同士で組み合ってボールを確保する様子を比喩的に用いた俗語である「スクラムを組む」を使って(実際はあれは対戦相手も含めてボールを奪い合ってごちゃごちゃに取っ組み合っているのですが)感染状況を示す表を適切な様式に統一して欲しいと言っているのだと思いますが、この使い方だと各社が厚生労働省の担当者あたりにスクラムをかけて取材し、もみくちゃにして業務を妨害しろと言っているように読めます。
独自の表現を否定しようとは思いませんが、平易であるべき論説において、一般的な意味と全く逆の形でジャーゴンを使うというのはどうなのでしょうか。「スクラムを組む」で使う場合も、「後の各紙は「朝日」と話してスクラムを組んで報道に当たって欲しい。」でよいはずです。
ブログの論説記事にこまごまとあまりうるさいことを言うのは筋が違うとは思うのですが、こちらのサイトは「私たちは護憲・軍縮・共生を掲げてネット上に市民メディア、リベラル21を創った。」と標榜しているわけであり、そうであれば記事の作法において通常の公的なメディアと同程度の規範にのっとって書き、チェックも行うのが筋でしょう。

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