日記

■2020年07月31日(金)  ショップの方がはるかに便利ですが?
なぜiOS版Kindleアプリ内で電子書籍が買えなくなったのか?ジョブズらのメールから明らかに
まあ、Experienceですし、少なくとも決済という基幹部分についてはそうなるかとは思います。そもそもAmazonにそういう姿勢を非難する筋合いはありませんね。統一された買い物エクスペリエンスが特徴なのですから。
とはいえ、Kindleアプリ内から本を買いたいですか?正直あの読後の広告に、魅力を感じたことがないのですが。Webサイトに移動するので何の不便もありませんし、とにかく後でまとめて買うことにしておけば衝動買いの防止にもなりますし。ストア部分にしても、PCの方がはるかに画面が広いですから、買い物をしていて気持ちがいいですし、書籍情報を参照する場合も、Amazonの商品ページのどうにもチープな情報を出版社サイトなどで補足できます。
もちろんiBooksがよいかというとそんなことはないわけで、ビューアーとしてはともかく売る仕組みとしてはあまり評価できませんけどね。
とはいえ、アプリ内で買う仕組みが普及しなかったことは、むしろ良かったことだと思います。

■2020年07月31日(金)  スーパーの販売促進策じゃないんだし、一貫性は大事ですね
総務省がMNP手数料撤廃と頭金の名称変更に着手――なぜ、継続利用者がMNP手数料を負担しないといけないのか
「 これまで総務省が手がけてきた競争政策が全く機能していない焦りがあるのかもしれないが、もう少し一貫性のある政策を期待したい。」
これはその通りだと思います。正直MNP手数料などというものを取る必要があるのかの方が疑問ですが、場当たり的な対策で表面的なところばかりいじっていないでちゃんと競争せざるを得ない、MVNOみたいななんちゃって参入ではなくローカルでもよいから自前のネットワークを持ったオペレーターが参入できるような制度設計をすべきでしょう。またDocomoが邪魔なら潰したらよろしい。電電公社とKDDの眷属なんだから、理由はいくらでもあります。素性から言って潰しにくいのはSoftbankでしょう。とはいえあれも叩けば埃はいくらでも出ます。いやまあ、これは石川さんとはむしろ反対の主張ですけどね。
それと、競争さえすれば料金が安くなる、ネットワークが拡大するといった思い込みはそろそろやめた方が良いかと思います。競争というのは本来効率化を促進する手段であり、まともに競争したとしても、効率化が進む結果どのような事態を招くかについては偶発性が強いものです。特に通信業界のような寡占体質でかつ設備投資コストが高く事業への制約が強い状況の場合は、表面的なごまかしで客を引き付けつつ端末のブランドや下手をすると実感のしようがない回線品質などをアピールする競争になりがちです。基幹部分やネットワーク間接続の公営化で通信料金と設備コストを分離してしまうか(つまり投資の回収や受益者負担は最初から考えない)、IXPのようなネットワーク相互接続事業者と各地域の基地局ネットワークのオペレーターとを分けるくらいしないと、ただの広告競争になってしまいかねません。

■2020年07月29日(水)19:48  違いがないから問題なんですよね?
海賊版許しません ハローキティが「著作権広報大使」に
「萩生田氏は報道陣に「キティちゃんに本物の素晴らしさをしっかり国民の皆さんに伝えていただきたい」と話した。」
あれ?そもそも、特にデジタル著作物については、本物と偽物の間にユーザーが感じるほどの違いがないから本物の保護が主張されているんですよね?いわゆるバッタもんのような本物をまねした偽物ではなく、本物を正規ルート以外で売っているから問題なのでしょう?それが「本物の素晴らしさ」って、何か問題を間違えてませんか?
ついでに言えば、個人的には重たい本物よりもタブレットに取り込める偽物の方が助かるのですが、そこを何とかしたうえで、コストやリスクが小さくなる分の値下げができませんかねえ。紙がいいんだ、本がいいんだをそう思わない人に押し付けるのではなく、その方がいいとしたらプレミアムを払ってもらえませんか?

■2020年07月29日(水)  フィンランドを羨んでいるだけでは何も変わらない
なぜフィンランド人は夏に1カ月休んで、1日数杯のコーヒーを飲むのか
休暇と定時勤務の哲学は良いのですが、それよりも、なぜ日本の雇用者は労働時間いっぱいに業務を詰め込むのかの方が問題でしょう。詰め込んでしまうからちょっとしたトラブルで残業や休日出勤が発生するのです。人員の割り当てを増やせばとも言われますが、割り当てた結果現場で仕事の量が増えてしまうこともあるので、単価の安い仕事を大量に取って労働時間一杯に詰め込む発想の方が問題だと思います。
また休憩時間も、そもそも集中できるのは一時間かそこらが限界という話で、日本だって非公式ながら煙草休憩や作業間休憩なんてものがあるわけです。もちろん休憩時間の見積もりが少ないから回数を減らしてもとにかく一回の休憩時間を十分な長さにするような発想になるという話はありますが(ええ、昼休みと休憩時間の合算の話です)、何か理由があって相当の集中が持続しているならともかく、3時間も集中して作業することを前提にした計画を止めればよいだけでしょう。
労働力を時間一杯ゴリゴリに使おうなどという発想がけち臭い、19世紀の紡績工場みたいな発想だと、評論家の皆さんはとにかく「改善」なども含めて工場労働を否定することから始めてはいかがでしょうか。

■2020年07月29日(水)  いっそ出張自体原則禁止したら?
国家公務員の“Go To出張”はダメ! 政府が各省などに通知
わかるけど笑えてしまうというか、一時期問題になった雇い主によるマイル吸い上げと航空各社の反発を思い起こしました。
まあ、実質的に省庁予算が増えてしまうマジックになるのでなんか変なイメージがわくのはわかるのですが、別に出張だろうが観光旅行だろうが旅客輸送事業者に落ちるお金に変わりはないので、その分を見積もって召し上げた上でGoToの原資にでもすればよいと思うのですけどね。そこで笑えてしまうご禁制を出すくらいなら、いっそリモートワークの一環として出張の原則禁止でも打ちだしたらどうでしょうか。まして正規運賃の正当性自体に疑問を持たせてくれる航空運賃の割引制度など、本来公明正大を旨とすべき公務員が業務で利用すべきものではないはずです。それをやるなら、そもそも正規運賃自体を下げさせるべきでしょう。運賃の算定基準の制定くらい、国交省にもできるはずです。マイルだって、それこそ経済学者から半ば嘲笑されているようなありさまであるわけで、不公正な取引習慣であり是正すべきくらい言ったらよいのです。
個人的には、ホワイトカラーエグゼンプションを導入するなら研修などに関わる業務出張の弾力化も必須だと思います。つまり、高度専門職を傭兵扱いとし、業務と研修や成果発表を分離、そちらは個人がその支出でもって行い、組織の名前で行う参加については組織名の使用の許可を取得し、休暇扱いで行くものとするのです。この場合、これまで経費扱いされていた出張旅費や研修費の相当部分が給与に移行することを前提に経費扱いされなくなるでしょう。そのかわり、個人の所得から、研修やイベント参加の費用が経費として控除されるべきです。もちろん、自前で出かける旅費をどう節約しようがマイルをどれだけ貯めようが雇い主とは無関係です。研究開発業務の成果は専門誌への論文投稿やイベントでの講演ではなく、報告書や製品、特許といった形で出てくることになります。当然勤務の制約も緩和されないといけません。会議も作業もなければ出勤しなくてよいのが理想です。もちろん業務実施の関係から予定の連絡は必要ですが、年間150日も出勤していれば後は拘束しないくらいでないと、そもそもホワイトカラーエグゼンプションが前提する裁量が発揮できません。もちろん雇用主の拠点や設備を使って何かするなら拠点に出てくることになりますが、何であっても雇用主の拠点や設備で行うことを前提にされるようでは高度専門職とは言えません。その上で、まあ、職場の厚生設備でも機材でも充実して、出てきたくなる、そこに勤めて機材が使えると色々成果が上がるようにするなら、そこは雇用主の自由だと思いますけど。

■2020年07月27日(月)  どっちもどっちだ
なにやら料理警察とやらについての論戦に、ネット民だけでなくマスコミまで参戦しているようなのですが、
“料理警察”のアホさ加減
まあ、このあたりが落としどころかと思います。というか、ラディカルには料理なんて食えるものならよいわけで、惣菜だろうがコンビニ弁当だろうが外食だろうが問題はないはずです。その上で自分で作るという選択肢があるのが現在です。確かに私はカツオ節や昆布やシイタケや鳥ガラの出汁は自分で取りますが、それは市販の出汁が味の好みに合わないからで、市販の出汁の素でよいならそっちを使えばよいのです。実際私も、ブイヨンの顆粒やキューブは愛用しています。ポテトサラダを素材から調理するならマヨネーズはどうか(材料的にはスーパーで売っているもので間に合います)、ドレッシングはどうか(安定剤や保存料を入れないのならやはりスーパーで売っているもので作れます)。パンだって強力粉とイーストの入手さえ確保すればグリルやフライパンで焼けます。パンが作れるならピザも作れます。蕎麦もうどんも手打ちパスタも打とうと思えば打てるはずです(乾麺は特殊な工程があるのでお勧めしませんが)。こだわりたい人がこだわればよいのです。もっとも、こだわりは人生を豊かにすることも多いですけどね。だから、こだわるのならこだわる人が作ればいいというのが落としどころでしょう。嫁が惣菜に走るって、いやまあ、料理にこだわりのない伴侶を選んだのはあなたですよね?こだわりが理解されないのは寂しいことですが、自分のこだわりを強要するのはハラスメントの第一歩です。
料理警察的な話は元々料理にこだわりのある文化人あたりから始まっているものです。料理教室を主宰している人や和食出身の教育者が目立ちますね。和食をユネスコ無形文化遺産にする運動をしていた人たちもこの類ですが、当然マスコミもこの手の動きに関係しているわけで、本来なら、マナーは大切だが主婦であれば手作りのポテトサラダくらい常備菜として用意しておくものだくらい言ってもおかしくないのです。これで少しは自分たちが何をしてきたのか、まあありていに言ってパワハラ紛いの行為だろうということがわかってくれるとよいのですが。もちろんその手の文化人の書くエッセイには諧謔に富んだ名文も多いのですが、オカルト番組あたりと同じで、特に選択のグラニュラリティが大きいものは、程度を考えないと軽度のカルトを作りかねない点は、特にコンテンツを編纂し流通させる立場の方に注意していただきたいものです。
とはいえ、ポテサラおじいさんはともかく、どうも同居人がうるさいという話が目立ちます。変な精神論や文化論を振りかざしているパターンが多いのでうるさいと思うのに理由がないとまでは言いませんし、その手の人がまず身近な人を標的にすることは容易に想像できますが、本来そこも踏まえて同居しているはずでしょう。それを愚痴るくらいなら、同居を解消した方が良いのではないでしょうか。もちろん「家庭」を重視するのもあの手の文化人によくあるパターンですが、料理道の妄言と同じでそんな世迷言を聞く必要はないのです(妄言や世迷言ですが、上手に取り入れると生き方が広がります)。パートナーシップというのは、どこか一点でも我慢できないところがあれば解消してよいのです。解消できないと…まあ、会社や学校がないと同居に耐えられなくなったり、帰宅拒否が出たりするわけです。

■2020年07月26日(日)  お金のマナーというか
裸のお金
まあ、TPOの違いではあるのですよね。ただまあ、確かに直接手から手へお金を渡すかというと、あまりしない。そして、お金以外でも考えてみれば裸で手渡しというのは原則しないかもしれません。多分、一回どこかに置く。包装する。台などにおいてそれごと押してよこす。もちろん保護の意味もあるわけですが、もしかすると手から手に渡すことを畏れ多いという感覚はあるかもしれません。また差し上げる場合でも下げ渡す場合でも、露わにしないことを良しとする感覚はありそうです。この場合、中身を確認するというのは、特に下げ渡す場合許可なくその場ではやらない。差し上げる場合でも、たぶん目録を渡して、中身の確認というのはしない。お金ののし袋でも中袋に金額を書きますしね。いきなり取り出して数えるというのはマナー違反でしょう。ただまあ、支払いで相手が渡された現金を数えてこちらがお釣りを確認するのにきまりの悪さを覚えるのは、個人的な感覚かもしれません。

■2020年07月25日(土)  他人のハードウェアに便乗しておいてとは言いたいだろうな
アップルとGoogleの「ストア支配」にもの申す。『フォートナイト』のEpic CEOが批判
言いたいことは非常にわかるのですが、税金ということで理解してもらえませんかね?いや、Appleに払う税金ではなくて、マイナーなアプリの提供者がAppleの査読を経てアプリを公開できるようにしておくための。もちろん、そのために、Appleにストアの査読基準をオープンにしろというのはありだと思いますけど。
もちろんAppleやGoogleがインストールや起動の際のセキュリティチェックを入れているために、ストアを外れてしまうとインストールしにくいという点は、できれば将来解消すべきだと思います。それこそ電子証明書や署名のチェックを厳密にすることを条件に、団体ベースやプロセスベースで認証しろでもいいかもしれません。とはいえ、何のチェックもなしに野良アプリを入れた場合の危険性はおそらくEpic Gamesも認識している通りです。うちは大丈夫と言いたいでしょうが、それで通らないのがセキュリティです。またコンテンツごとに課金するというか野良課金システム禁止の動きについては、やはりコンテンツのダウンロードの際チェックをかけることとアプリに動的コンテンツを実行する仕組みがないことを条件に除外を申し立ててもよいかもしれません。しかしデバイスのセキュリティチェックをサードパーティーに開放することが相当のリスクを伴う以上、現時点で独占に妥当性がないとは主張できません。もちろんAppleが問題のあるソフトウェア(アプリに限らずシステム側でも)を配布する可能性もあり、Appleなら大丈夫、他所を審査する資格があるなどと言うつもりはありませんが、差し当たってOSベンダーの審査以上の策がないのです。サードパーティーのストアシステムを許容すると言っても、そもそもそのストアシステムの信頼性を誰が検査するのでしょうか。ユーザーに任せるではすみません。もちろんOSのチェックシステム自体も、査読システムと一体になって初めて効果を発揮するわけで、そこにサードパーティーのストアシステムなどというある意味抜け穴を設けた場合、最悪チェックの甘さを突かれることになります。
同じ審査をして同じシステムを利用している以上同じ率でチャージを適用するというのは理に適っており、ダウンロード数が多いものは割り引けとか古参の大手だから割り引けというのはやってもよいですが当然とは言えません。というか、税金なら普通は逆、つまりダウンロード数が多いものについて税率を上げます。
税率が高いというのも、もちろん30%は高いですし、Appleの競合アプリと比べて不利だというのはわかるのですが、それならiOS版についてはチャージ分を上乗せすればよいだけのことでしょう。さすがに例えばWindows版の価格をiOS版と同じにしろとは言わないと思いますし、言ったら蹴ってよいと思います。それでユーザーがiPhoneで使うならよし、どうしても安い値段で遊びたくてPCを買うならそれもよしでしょう。もちろんストアから排除した場合も、場合によっては裁判沙汰でしょう。まあ、値段を上げると売れにくくなるという話はあるでしょうが、本来それでも選ばれるサードパーティー製品でなければならないはずです。規模に物を言わせて競合製品をリリース、あるいは競合をプッシュしてくるケースはあるでしょうが、それはもうお気の毒様というしかありません。というか、例えAppleであっても、確かにシステムビルトインの競合排除はクレームに値しますが、別に他社製品の競合を独自開発して悪い理由はありません。ゲームの場合似てしまうと著作権がらみの問題になりますが、そこはちゃんと争ったらよいと思います。値段を下げられるというのは重要ですが、この場合のポイントはそこではありません。現時点で、自社ハードウェアの上でチェックなしにサードパーティーのソフトウェアを動かしてセキュリティ関連の問題が起きたら責任はだれが取るのか、判断する力のないユーザーを前提にどのようにすればリスクを軽減できるのかということです。大手を例外にする筋合いはありません。
また、どうしてもAppleやGoogleの審査が嫌なら、HUAWAYみたいに自社製ハードウェアの上で独自のストアを動かせばよいのです。それでユーザーが買ってくれるかどうかはわかりませんが、本来そこまでやって初めて独占を云々できるので、プラットフォームに乗っておいて仕組みに苦情を言うことにはあまり感心できません。こうなったということは、Appleとしては嫌なら出て行ってくださって構いませんよというつもりなのでしょうし。
ついでに、サイドローディングで味噌をつけたのは、あくまでもストア外での配布を貫けなかったEpic Gamesの問題であって、例えFUDであってもGoogleには野良アプリについて警告を発する権限があります。その上で、ユーザーがEpic Gamesを信頼するなら手順を理解してインストールすればよいわけで、ストア頼みのカジュアルユーザーへのアクセスが厳しいから不満を言うというのも感心できません。
アップルは「アプリ市場を公平にした」とApp Store責任者。独禁法に関するクック氏の議会証言前日
「一見して頷きかける論理ではありますが、手数料の妥当さに関しては他のアプリストアが高額を徴収し、物理パッケージが主流を占めていた10年以上も昔のこと。そしてストアポリシーを緩めた例としてあげられたゲームはアップル自身が手薄なところであり、他社と熾烈な競争を繰り広げるジャンルではありません。

アップルが独禁法違反として苦情を申し立てられているのは、Apple Musicと真正面から競合するSpotifyや、iOS 13以降の核心の1つであるペアレンタルコントロールと機能がかぶるKaspersky等であり、シラー氏はそれらには言及せず。クックCEOも米下院での証言では、アプリストアを変革したApp Storeの立ち位置が、今や先行者による独占に変容してしまっていると批判を受けるのかもしれません。」
そうですかね。確かに汎用コンピューターの上で儲かるサービスを取り込んでいくというのはあまり褒められたものではない気もしますが、そもそも「競合」はWindowsなりMacOSなりに寄生しているだけでしょう。まずリバースエンジニアリングでも何でもして、少なくともハードウェア部分の特許をちゃんと迂回して、互換ハードウェアとOSを作って売ってから言って欲しいものです。AppleがOSの仕様を全面変更してアプリの互換性を放棄したら、「競合」は横暴だ、元に戻せとでも主張するのでしょうか。
もちろん評論家としての立ち位置に関して、ユーザーとしてサードパーティー製アプリの供給は重要だ、広く使われているサービスのベンダーを排除するようなことはするなと主張することは可能だと思います。とはいえ、ユーザーにとって重要なのは機能でありベンダーではありません。Appleがその機能を提供できるなら、別に既存ベンダーからの供給にこだわる必要はないのです。そして、競争というのは競争相手の情けに縋ってやるものではありません。

■2020年07月25日(土)  et cetera
宮島や尾道めぐる新観光列車エトセトラ、10月から運行
色々かけたのはわかりますが、これを認めるセンスは持ちたくありません。「etSETOra」
これ、本来はエト・ケーテラで「(いろいろ並べてその上で)その他」という意味ですが(ケーテラ: ceteraが「その他のものについては」)、まさか広島市を見てからその他を訪れるための列車(Hiroshima, et cetera)なんて意味じゃないですよね?むしろa la carteじゃないでしょうか。いや、これだと「せと」とかかりませんけどね。
一瞬menu(品書きではなく定食)だろかとも思いましたが、停車時間は短いようなので、気に入ったところで降りる方でしょう。その割には一日一往復かいという話もないではありませんが、カフェの軽食メニューと同じで気に入ったものを一品、パンとワインとコーヒーを添えてじっくりとというところで。
いや、それはともかく、どうも考えたらしい割には脱力するような列車名です。高校を出て大学に行ったヨーロッパの人が聞いたら微妙な顔をしそうです(大学進学課程でないと多分ラテン語はやらない)。

■2020年07月25日(土)  だって決済手段が現金しかなかったんだもの
「キャッシュレス・ポイント還元事業」が終了。 なぜか日本ではキャッシュレスが進まない
「紙からデータへというのは、先進国はどこでもやっていることであり、このままでは、ますます、国際的な潮流から遅れをとりそうだ。」
いやまあ、先進国がどこでもやっているからといって追随しないといけないわけではないのですが。というか、一部の後進国の方が普及率が高いのでは?
それはさておき、まあ、キャッシュレスによる口座と決済(取引や購買行動)の紐付け、現物貨幣発行コストの削減、小銭を持ち歩かなくてもよい便利さ(さすがに大口は札束の入ったスーツケースとかいう以前にもっとまっとうな方法で決済ができる相手を選ぶでしょう)といったメリットはあるわけで、口座紐付きの電子決済推進の動きにはそれなりの理由があります。ユーザーサイドの利便性が少ない気もしますが、一応財布が口座に直結しているのであれば便利な人には便利だと思います。
ではなぜ利用が進まないか。
店側についてみれば、指摘の通りコストに比べてメリットが小さいからでしょう。というか、現状支払いが締め日払いというデメリットまであります。せめて操作時に送金が完了するようでないとそもそもクレジットカード払いに対応しているような店以外では使い勝手が悪いですし、店側に特殊な機器が必要という点も問題です(いや、簡易化はしているんですよ?それはわかってます)。さらに、現金払いは残るという点も導入を遅らせてはいるでしょう。どのみち現金への対応はしなければならないわけで、それならわざわざキャッシュレスにする必要もないというのは自然です。これが、現金払いお断りでも誰も不思議に思わないような状況なら別ですけどね。いやまあ、今日、買い物に行ってキャッシュレス対応の店でわざわざPASMOで払ったら困惑されたっていう…そりゃSUICAならともかくPASMOなんて見ませんよね。というかあれ、キャッシュレス決済自体少ない感じでしたけど。
ユーザー側については、まずもって事業者がみな怪しすぎます。その割に口座連携ないしはクレジットカード連携必須だったりして、取引記録ごと個人情報駄々洩れですし。個人的には、強制でないなら無記名ICカードまでです。さらに、そもそもクレジットカードが使えない人、銀行口座を持っていない人はどうするのかという話があります。そんな人いるのかって、小学生がクレカや銀行口座持っていることなどあまりありませんよね?今時はお年玉を銀行口座に突っ込んでおくのかもしれませんけど、それにしても一人でのこのこ出かけて行って口座を作りたいで作らせてもらえるわけでもありません。また例えばフランスあたりの田舎者がやってきて日本語と英語しかない決済アプリをスマホにインストールしなければならないがまずもってデータローミングの設定の仕方がわからないなんて事態が起きたらどうするのでしょうか。というか、さすがに英語もわからない人が旅行してくる可能性は低いと思いますが、中国の若い人が中国国内の決済サービスが使えなくて困ったとか、スウェーデンに行ったら現金が通じなくて困ったとかいう話はあるわけです(というか日本のつもりでバスに飛び乗ったら清算はできない、そもそも切符なしで乗ったら罰金でえらい目にあったレベルの話ならいくらでもあります)。上陸地でプリペイド買わせてカード返せば残額とデポジット戻ってくることを知らずに持ち帰って大炎上とかやりたいのなら別ですが、キャッシュレスといっても無から出てくるわけじゃないので、現金に代わる仕組みと言ったって大変なんですよ?号令一下で移行できるようなものではないのです。
というか、個人的には現金が不便な国ほど移行が速いように思えるのですが、気のせいですかね?たぶん自販機の現金取り扱いとATMを廃止(禁止、つまり現金の収受を必ず人がするように決める)したら割とあっさり移行するんじゃないかな。いや、アメリカもヨーロッパも、100ドル紙幣や100ユーロ紙幣は疑われるし、自販機は壊れているし、特定の硬貨か札しか受け付けないしで、こりゃクレカが便利なわけだと思いましたもの。

■2020年07月25日(土)  楽しんでいるようにちゃんと見える記事です
「GPD WIN Max」にGeForce GTX 1080をつなげてみた
劉さん、こういう記事だけ書いてた方がいいのじゃないですか?
非常に正しい馬鹿げたネタ記事であり、よく書けています。旧式のノートPCや小型ベアボーンに外付けGPUをつないで表示だけでもFull HDにするといった使い方がGPUボックスの本来の用途だと思うのですが、それをあえて最新のポータブルPCにつないでしまう、しかもどうせひも付きになるから任天堂Switchと同じ扱いでもいいはずなのにわざわざ出力先を内蔵モニタにするというロマン溢れる記事です。
「よって、WIN Maxのポータビリティを活かしたゲームの楽しみ方を期待するユーザーが、4万円前後のThunderbolt 3 GPUボックスと3〜4万円のGPUをさらに追加投資すべきか? と言われたらノーと言わざるを得ない。」
まあ、誰もすべきだなんて言わないと思いますが。というか、素直にグラボ内蔵のデスクトップを買えよと。いやまあ、出先でGPD WIN Maxでしているゲームを帰宅してからも続けたいがせめて家にいる時くらいはいい画面でというならありかもしれませんけど。
「 ノートPCのThunderbolt 3による外付けGPUは、いわばロマンの域なのだが、8型のWIN Maxとの組み合わせは、まさにロマンを極めたものだと言っていいだろう。」
極めてますね、確かに。なんか数字的には使えますが、ちょっと考えると実用性皆無なところとか。
まあ、人生、一回くらいはこの手のおバカなことをやってみたくなるものです。それが、20万円くらいでできるならそれもありかもしれません。いや、楽しいですよ?おバカ。5LDKの建売住宅のリビングに500万円以上する一枚板のテーブル置いてみるとか。Pentium Proマシンをジャンクで500台くらい集めてクラスタを組んでみるとか。

■2020年07月25日(土)  でもオフィス専用機だけはいらないかな
ASUSのROG PCが示すゲーム専用機の魅惑
結論に異論はありません。物欲を惹起する手段として、デザインも含めた「専用」のコーディネート(でも中身は3σに入るくらいで汎用機)という方向性は支持できます。というか、特殊用途では割と普通の話で、例えばTesla 5枚挿しのXeon PCなんか、別にOfficeだろうとブラウザだろうと動くという意味では普通のPCで、OSもWindowsだったりしますけど(まあ、ソフトウェアをよほど選ばないとUbuntuの方がいいということになりますが)、計算の専用機というコーディネートではあるわけです。あるいはCADマシンなどももうそうでしょう。昔はSGIのIRISあたりがCADやレイトレの専用機でしたが、今ではQuadroの入った普通のPCです。お大尽にお金を出してもらって一千万の世界ではないですが、ゲーミングPCくらいの値段、まあ50万円前後でしょうか。そのくらいなら趣味のゲーマーでも手の届く範囲です(いや、ブレーカーが落ちて床がへこむかもしれませんが)。近所のスーパーに行くのにユーノスロードスター使ってないか疑惑がある某ライターさんなんかもいるわけですし。PRIMEHPC FX700シャーシに2台のA64FXブレード(合計4コンピューティングノード)とログインノードのブレード(たぶんSSH仮想ターミナルの入ったただのPC)を積んで富士通と富岳のロゴステッカーでも貼ったら、気分はアゲアゲです(お値段が一千万を超えますし、A64FX使ってないじゃんという突っ込みはありますが)。
まあ、記事に少し気になるところがないではありません。例えばゲーミングPCである以上リフレッシュレートが落ちないようにメモリやバスの規格も高いレベルで合わせてあり、瞬間的な性能は高いが時々かくっと止まるなどということのないようにチューニングされているはずだとか、カメラがないのはプレイ中継にしろ画像付きのチャットにしろ(そんな無駄なことに使うマシンパワーはないという話はともかく)画面も入る位置に自前でいいカメラを取り付けろという話ではないのかとか、トレンディ…とか、ハードにスペックを求めてユーザーが邁進できるゲームって結局戦闘だよねとか(いやまあ、動作にベクトル演算器が必要な開発シミュレーションや量子演算デバイスや3D表示デバイスが必要なデーティングシムだって作れますけどね)、まあ、そんな話です。
とはいえ
「 車の世界のみならず、ママチャリからロードレーサー、マウンテンバイクと専用機が台頭する自転車の世界のような状況が、PCの世界でも生まれる可能性はある。ROGがその世界を目指しているのかどうかはわからないが、そこに見え隠れしている強い提案には、この先に起こるかもしれない変革の意志が感じられる。」
という結論は完全に同意できます。というか、汎用機ベースの特定用途専用機はロマンです。そもそも誰が開発するんだというレベルの完全独自仕様の専用機ほど手の届かないものではなく(もっともそれすら汎用プラットフォームベースで作れてしまいそうな世の中ですが)、夏のボーナス突っ込めばとか年収突っ込めばとか退職金突っ込めばとか一作当てればとか宝くじ当たればというレベルの、手の届くロマンです。これが、正義でないはずはありません。悪魔の誘惑だろうという突っ込みは聞かない方向で。
ただし、起動するとオフィスの機能選択ダイアログがいきなり開くのはいりません。

■2020年07月25日(土)  別に現金だから丁寧に扱うわけじゃない
新札がない時の工夫…?
これ、現金だから丁寧に扱うわけじゃなくて、あげるものだから丁寧に扱うんですけどね?例えばお隣に古着をあげる場合でも、最低限洗濯して丁寧に畳むべきですし、ほころびなどがあれば直しておくとよいかもしれません。もちろんぴんとした状態で着ることが前提の服であれば糊付けでもアイロンがけでもすべきです。無造作に段ボールに入れて渡すと、最悪顰蹙を買います。逆に、ゴミに出すとき、貨幣であれば支払いに使うときは、あまり気にしなくてもよいのです。まあ、支払いの場合あげるのと同等の配慮が必要なこともないことはないですが…むしろ、リサイクルに使うからきれいにしないといけないという方がなかなか浸透しにくいかもしれません。まして、これは捨ててはいけないものなので、とにかく何を犠牲にしてでもリサイクルするなどと言うと、そんなものを持ち込むなと怒ったりします。そうです。包装用プラスチックです。
とはいえ、現金をあげてもよい、敬意を欠いたことにはならないという文化ではあるわけです。まあ、もしかすると硬貨や紙幣はおかみの下されもの、文化の地からもたらされた御物であり、尊いものだという意識でも出てくるのかもしれませんね。
クレカは決済の都合上融資扱いになりますが、掛買いして〆払いしているだけなので買いすぎだけ気をつければいいのですが、まあ、買うときに決済口座の残高が確認できるわけでもありませんし、借金だと言われると気持ちが悪いですよね。デビットやプリペイドの安心感はそこにあると思います。ただ、例えば携帯電話を使うたびに借金を作って料金の支払いで返済してるのはどうなのかと言われると、微妙だったりします。
IDチップの埋め込みは…微妙ですよね。個人的には便利でもあまり使いたくはありません。ただ、それがないと例えばバスにも乗れない、公共の建物にも入れないとなると、入れざるを得ないでしょう。埋め込むことによる体への影響はまだわからない部分がありますが、扱い方についてはある程度技術が確立しています。とはいえ、あれって結局決済のための技術ということになるわけで、例えばゲートを通過したときにIDを読み取って決済が行われて、そこで口座の残高不足で警報が鳴って通過を止められたりしたら、非常に気まずいのではないでしょうか。
政府には、COVID-19の蔓延について一定の責任があるので、何ができるかちゃんと検討して実施して欲しいものです。その上で、限度を超えた不便をかけた場合は回復措置を講じるべきでしょう。というか、その手の保険的な機能というのが、政府の役割のひとつだと思うのですけどね。でもって、市井の民としては、とにかく人と距離を取ることを気に病まない、家から出ないことを気に病まないというのが、まずできることではないかと思います。

■2020年07月24日(金)  病院看護師のコロナ勤務手当算定システムについて
病院看護師が、COVID-19患者病棟で勤務した場合の自宅待機により、払底もそうだが、看護師自身が休暇扱いとなり、収入減となってしまっている。COVID-19患者病棟勤務を行った看護師について特別手当を支給することを考える。
COVID-19患者病棟勤務の把握
自宅待機期間
看護師の人件費単価
手当額の計算
支給

・制約
現場の作業負担を増やしてはならない。

・ハードウェアスペック
計算自体はせいぜい数万件のレベルであり、式も複雑ではないので、一括償却できるレベルの価格のパソコンで差し支えない。
勤務情報を収集するために、ネットワーク接続が必要である。
勤務情報の収集に際して、何らかのハードウェアが必要になるかもしれない。また勤務管理システムにフックをかける必要があるかもしれない。

■2020年07月24日(金)  ダウニングストリートより声明です。トイレはまだ開いていません。外出時はご注意ください。
英国でトイレ危機 草むらで続出、女王の居城までも被害
知ったことかという話ではあるのですが…催した場合にそうそう家まで帰れますかいな。ヒッピーに公共マナーを要求する方が問題がある気がしますし(いやまあ、田舎の大邸宅や山中の庵ではなく都市部でやるから問題なんですけどね)。
なお、バルモラル城のスタッフのツィートが振るっています。「小便をする必要がある時は湖や小川から少なくとも30メートルは離れて」「大便は建物や水路から極力離れ、排泄(はいせつ)物は浅く掘って埋めて」だそうな。

■2020年07月24日(金)  半端なガジェット死すべし
自分専用の付箋紙をスマホで印刷できる「ネモニック」を衝動買い
いやまあ、衝動買い話だからこれでよいのだと思いますよ?富士山麓の土地だろうが付箋プリンターだろうが衝動買いは衝動買いなんだし。
ただ、一応IT系のガジェット屋として悲しくなりませんか?マーキングなら、RFIDチップを接着剤で固定してARグラスでIDを読み取って対応する付箋が見えるようにするくらいになりませんか?いや、ARグラスの時点で現状御倉入り確定なんですけどね。
しかしデザインした付箋紙を作って、それにペンで書きこんで貼り付けるというのは、情けない&エコでないにもほどがあります。ネタだ、悔いはない、反省もしていないというならそれでいいのですが、自虐芸としてもいささか高度です(え?自虐芸ですよね?こんなバカなもの買っちゃいました、えへ?という)。

■2020年07月24日(金)  程度問題です
ICT総研が国内外の通信料金と品質を比較したデータを公開――日本の料金は高いわけではなく、むしろ品質は最高レベル
そりゃ勘違いでしょう。
たしかに品質面での不安はよく聞きますが、そもそもSoftbankで何とかなっているレベルなら接続可能性は欧州都市部とさほど変わりません。アメリカだってそりゃ大都市の中心部や住宅地であれば品質はずいぶんと良いでしょうが、インターステートを走っていると切れるレベルのはずです。
つまり欧州キャリアレベルまで品質を落としても、ほとんどのユーザーにとって不便はありません。もちろんスマホで動画を流すようなユーザーにとっては使うに堪えないかもしれませんが、ラインには不便はありません。都心から高崎まで行く途中に接続が切れるかもしれませんが、倉賀野あたりで復帰するとかそういうレベルです。「 今の3キャリアは、いずれもネットワーク品質は世界的に比べて、相当、高い。今後「ネットワーク品質はいいけど、それなりの通信料金」というキャリアと「ネットワーク品質はイマイチだけど、結構安い通信料金」というキャリアが出てくると面白い。」というのはその通りだと思います。ただし現状の、シェア争いのために高品質系のキャリアがFUDを連発し、まともな比較のできない消費者が気分で品質を懸念してしまうような状況ではおそらく競争になりません。品質と価格を落として事業が成り立つのはボリュームが相当にあるからで、そこを高品質系のキャリアにまず握られているようではスタートでこけます。そこを知らんぷりして「 日本のユーザーは「安くても高品質」を求めるだけに、フランスやイギリスのように安くても、他社よりもレベルの低いネットワーク品質のキャリアに需要はないのではないだろうか。」などと言うのは高品質キャリアの提灯持ちと呼ばれるに値します(もちろんご本人は誇りをもってそう名乗るべきです: 後述のように現状高品質に越したことはないのですから)。
もちろん、ユーザーの利便を拡大していくためには品質の向上が必須です。維持ではなく向上です。動画やテレビ会議を全ユーザーがフルに使うなら5Gだって不十分です(基地局はついてくるかもしれませんがネットワークの帯域が不足するでしょう)。その上で料金も安くならないと、使うモチベーションにつながりません。
品質を論じるならまず要求する絶対的な基準を提示し(ちなみに個人的には、1GByte per Secが平均的に出ないのは品質として落第レベル)、それに対して高い低いと言わないと、官邸の各国相対比較で高い安いというのと同レベルの無意味な話にしかなりません。相対比較をするなら、価格であれば、とにかく郊外住宅団地レベルでちゃんとつながる、普通に通話とメールができるレベルでそろえて高い安いを示し、その上で品質を見てウェイトをかけ、かつプロセスを明示するのでないとやはり意味がありません。コメントであっても、むしろ安易なコメントはミスリーディングと言わざるを得ません。識者ならその程度して当然ですし、そもそも調査レポートを基礎にしているのにレポートへのリンクがなく、関連記事にもリンクがありません。これでは、万が一有料のレポートだったり会員向けのレポートだったりすると、読者が主張を検証できません。
不可。

■2020年07月24日(金)  さすがにトラック改造型は普通免許では無理だと思う
予約件数は3月比1500%! 新型コロナ時代に「キャンピングカー」がブームの兆し
うんうん、来ますよね。さすがに通年需要があるとも思えないのでレンタカーはどうかと思っていたのですが、考えてみれば相場なんてないも同然だと思えば一週間単位でかなり高い料金を吹っかけてもわからないかもしれません。まあ、個人で借りられる程度の料金である必要はあると思いますけど、一週間の宿泊費程度であれば交通費分も加味して選んでもらえそうです。
本当はマイカーでリモートワークなどという層にもお勧めしたいのですが、さすがに常用するには高価で趣味性が高いのと、都市部で停めておく場所がないので(下手なところで停めると駐車料金をぼったくられるか駐禁で切符を切られる)、東京なら多摩まで移動して仕事ができるような人にしか勧められません。
「ちなみに日本では、主流であるモーターホームは普通免許があれば運転可能だ。」
いや、さすがにクラスAともしかしたらCの一部は大型ないし中型免許が必要ではないでしょうか。1t程度ならよいでしょうが、おそらくまともなCなら4tクラス、Aだと8tを超えるはずです。

キャンピングカーに乗る富裕層 1千万円でも「完売」
どこまでが富裕層なのかはあいまいではありますが…正直1000万円の遊び道具を一括払い程度では、富裕層とまでは言えないでしょう。億単位のヨットを即金で買うのが富裕層だと思います。
というか、500万円くらいまでの自動車を汎用機材としてローンで買うのは貧民の範疇です。そもそも近代信用制度のごまかしがなければローンすら組めない奴です。

■2020年07月24日(金)  テレワークによって事業者ごとのオフィスの数自体は増えるかもしれない
オフィス半減や通勤定期代廃止など、さらに新しい働き方を検討開始するレノボ
一瞬オフィスの数を半減させるのかと思いましたが、「レノボ・ジャパン執行役員 人事本部長の上南順生氏は、「オフィススペース削減などは、まだ決定したものではない」としながらも、前向きに検討を開始したことに言及。」と書いてあることからすると、おそらく面積の半減ですね。これならわかりますが、「オフィス半減」と「オフィスの床面積半減」は似ているようで意味は全然違います。著者と編集者には気を付けてほしいものです。
テレワークをやった場合に問題になるのが、環境と設備です。何をいくら頑張ったところで、少なくとも事業者のレベルでは従業員の自宅の環境と設備を改善することなどできません。せいぜい寮と社宅に十分な設備を設けるくらいでしょうが…さすがに寮か社宅に入居必須というのは問題があるでしょう。部署毎でないサテライトオフィスを置いて太い回線で結ぶというのが、ひとつの落としどころではないかと思っています。この場合、中枢拠点の床面積は最大の会議の規模と個数に合わせて縮小することになりますが、その代わり小規模なオフィスの数が増えることになります(まあ、機密取り扱いの問題がないのであればシェアでもいいのですが)。
合宿は、まあ、多くの場合必要でしょう。ただし本社である必要はなく、それこそ記事にあるように北海道で(ホテルでも借り切って)もよいわけです。またこれも全従業員である必要はなく、企画系や幹部管理職は参加必須でしょうが、それ以外は事前登録して任意参加でよいはずです。もちろん参加資格を制限するのは良くありません。経費補助は強制する場合以外は考えどころでしょうが、経費自己負担であればバイトだろうが定期契約のフリーランスだろうが参加できるべきだと思います。派遣や出向、請負は難しいところですが、セッションレベルで制約をかければ参加してもらうことには意義があると思います。事業実施レベルでの社団性が下級従業員まで下りてきている現代では(いやまあ、中世都市商人のところの丁稚だってメンバーではあったわけですが)、事業組織に求心力を感じている従業員を取り込んでいく取り組みはあるに越したことはありません。
マイカーにPC持参、転居も…さまよう会社員、解決策は
でもってこういう記事も出ているわけですが。
まあ、需要がなかったんだからあるはずがないよなというのと、カラオケボックスでもビジネスホテルでも行けばという話があります。とはいえ少なくとも自宅でというのは制約が大きいわけで(というか自宅の居間で大学のオンライン講義を聞かれるというのも大変ですね)、携帯電話で何とかならない部分については会社側が手当てをする必要があります。自宅でどうぞというのは言ってはいけない言葉で、もちろん諸々の都合で自宅で作業することもあるでしょうが、それが望ましくない場合にどうするかは、これからでもよいので考えないといけません。
もちろん、そもそも安普請の住宅を供給してきた建築業界、住宅販売業界、不動産業界は、学校の体育館でも借りて複数の会社で合同のオープンオフィス実験でもやり、どの程度の措置でコロナ対応や自宅テレワークが可能かを確認し、今後の物件に反映させるべきです。

■2020年07月24日(金)  銀行の普及時期の違いかなあと
現金が使われていない社会
まあ、何をもってして現金というかですが…日本の庶民感覚では要求払い預金は現金ではないですが、経済統計においては現金扱いです。また一般の慣習では当座預金と区別される普通預金も、要求払い預金扱いです(まあ、窓口に行って引き出すと言えば引き出せるわけですから、定期預金なんかとの比較では要求払いですよね)。
日本はこの時点で紙幣と硬貨という意味での現金での決済が多い国ですが、一方でやたらと銀行が多く、銀行口座が普及するのが早かった国でもあると思います。ここでいう銀行には郵便局(現在のゆうちょ銀行が管轄している貯金業務)や信用組合や協同組合の金融部門を含みます。そして、銀行間送金が非常に発達しています。おそらく一度でも銀行間で国際送金をやったことのある人なら、海外の銀行に送金するのがどうにも厄介であることを知っていると思います。
銀行の送金というのは、それこそ金融だけでなく経済概論や電子通貨の解説本にもよく書いてありますが、帳簿の操作です。つまり、銀行には口座に対応する帳簿があり、ある口座の帳簿に出金の記録を、別の(つまり送金先の)帳簿に入金の記録をつけるとそれが送金になります。当然ながら、帳簿というのは支店ごとに管理されていたため、支店内でなければ手元の帳簿を書き換えるだけではすまず、別の支店の口座であればその支店とお互いに確認を取りながら帳簿を操作しないといけません。まあ、基本的には一度送金口座の帳簿と送金元口座のある支店の帳簿との間で送金処理を行い(この時点で送金を依頼した人の方の口座の残高が減る)、送金先の口座のある支店にそちらの支店の帳簿から送金先口座にこれこれの額を送金して欲しいと依頼する形であったでしょう。支店間の決済は、おそらく日次なり月次なりでまとめられて本店にある支店口座間で決済されたでしょう。そして、口座への現金預け入れなどによって備蓄された現金の輸送は滅多なことでは行われませんでした。いわゆる手形や為替もこの類で、あれは手形・為替を作った支店からの各支店に対する依頼書であるわけです(昨今手形や為替を扱ったことのない人も多いと思いますが、為替であれば金融機関の窓口で、現金払いで作成することができます: ええっと、まあ、最近はそもそも為替を作ったという記録をするための設備がないために、サービスをサポートしない支店もありますが、郵便局なら確実に郵便為替を作れますし、銀行でも都市のメインの支店であればサポートしていると思います)。口座間送金との違いは、送金先への依頼が支店間の連絡手段ではなく手形・為替の振出人によって運ばれることです。当然、手形・為替を作成した(振り出した)人と違う人が手形・為替を換金に持ち込んでくることもあります。つまり、通貨価値の流通手段になるわけです。いわゆるチェックはこのような背景に基づいた決済手段で、銀行が認証した用紙に金額を書いて支払先に渡すと、支払先がそれを銀行に持ち込み、銀行は用紙の名義人の口座からその金額を差し引きます。ちなみにこの場合、チェックを受け取る側には口座が必要ない点も重要です。つまり、銀行口座など持てない貧乏人でも貰ったチェックを換金することはできたわけです。またそもそも銀行の窓口すらないような集落では紙幣や硬貨も流通せず、収穫期などに流通業者が最寄りの銀行のチェックで買取を行い、支払いを受けた人はそれを商店や居酒屋などの外部との取引が頻繁にあるところに預け、預かった側はそれを使って卸に支払いを行うなどして換金し、預けた側は店の管理する残高から決済を行う(行商人などへの支払いも店を経由して行う、つまり行商人が引き渡した品物の価格を店に請求する)ような形があったと思われます。機能的には銀行そのものですが、消耗品や機材を扱う店、あるいは仕事上がりに一杯やる店のような日常的にある程度の付き合いがありお金のやり取りを相当規模で頻繁に行う業種が提供したサービスということになります。今の日本で言えばコンビニATMでしょうか。まあ、あれは裏にちゃんと銀行がありますけどね。
口座間決済が支店間で実用的になるのは、郵便と電信の普及がきっかけです。支店間の連絡手段が限られていた時代、支店間の口座間送金というのは非常にコストのかかるものでした。当然、為替のようなとりあえずその場で処理が済んでしまう仕組みが重宝されます。しかしまず最終的に郵便に結実する定期広域連絡手段によって指示がそれなりに頻繁にかつ確実に目的の支店に届くようになり、自前の連絡手段を用意できない店でも相当の広域で支店間の送金が可能になります。電信が採用されると、文字通り一瞬で伝達できるわけで、帳簿の〆を考えても一晩で送金処理が完了することになります。日本における商業的な送金処理はこの段階で現代に通じる形が確立されました。このため、多数の事業者と取引を持つ事業者、つまり商社や役所などは、複数の銀行に口座を持っており、相手方の口座に到達可能な口座を用いて送金を行います。とはいえこの段階では事業者であっても銀行口座など持っていない場合が多く、銀行や郵便局の口座宛送金は送り主が口座を持っていなくても使えますし(つまり現金払い)、小規模事業者の間では全国的な窓口ネットワークを僻地まで確立した(何しろ初期には電信設備も郵便局が拠点だった)郵便貯金が標準になったわけです。
銀行間の口座間送金は、銀行連合の成立によって実用化されました。元々為替の交換で銀行間の連携が出来上がっていきます。つまり、為替というのは発行した銀行の店でないと換金できないわけですが、特に地域に根差した小規模銀行の場合送金したい先に支店がないということが起こります。つまり、発行した為替を送り先で引き取ってもらえないのです。では支店網の充実した大銀行はというと、現代でも同じですが主要都市にしか支店がありません。こういった事情で、銀行同士がお互い相手の為替を引き取る約束をするようになり(当然為替は最終的に銀行間で換金されるのですが、その場合もできるだけ持ち寄った為替の交換だけで済ますようにし、差額が出る場合も相互に持ち合った口座の調整で済ませます)、さらにお互いの口座の間で送金ができるようにするわけです。何しろ為替を作って送るよりも頻繁に連絡を取り合っている提携銀行間(当然お互いをつなぐ電信設備も敷設されていたでしょう)で連絡してもらった方が速いわけです。日本の送金の常識はほぼこの段階に対応します。この段階で銀行連合内で口座情報のフォーマットを含む銀行間決済処理のプロトコルが成立し、全銀協手順やSWIFTへと発展していきます。とはいえSWIFTなどずいぶんと緩い仕組みで(その分見通しも悪く)、海外業務をしている銀行で提携銀行の口座に送金する方がよほど便利なのですが。なお銀行のネットワークから疎外された郵便貯金の送金機能が不便になってしまったのはこの段階で、口座残高の制約もあり事業者間決済は銀行口座を用いたものに移行していきますが、歴史的経緯で郵便局のネットワークを利用してきた官公署と異なり、郵便貯金口座を持たない事業者は郵便貯金口座に簡便に払い込みをすることができませんでした(なにしろ宛先ごとに送金申し込みを書いて郵便局で手続をしないといけないので)。手続が電子化されるにつれてこの不便が大きくなり、結局一定以上の規模の事業者の場合給与振り込みのため従業員に事業者と取引のある銀行支店に銀行口座の開設を求めるという事態になります。
そして、銀行が免許事業となり、さらに中央銀行との取引が義務付けられることにより、中央銀行を介した銀行間送金が可能となります。日本での銀行間送金も、決済については相当部分はこの日銀を介した仕組みを利用しますし、EUにおけるTARGETを軸とした決済システムもこの類です。つまり、銀行ならみんな各国中央銀行に口座を持っているので(ちなみにユーロ参加国の中央銀行は欧州中央銀行ECBに口座を持っている)、お金のやり取りはこの口座の残高の増減として記録してしまえば基本的には提携関係にない銀行の間でも紙幣や硬貨をやり取りする必要がありません。
一方、通貨圏をまたぐ決済については私営の決済事業者(VISAや新しいものであればPaypal)やプライベートな銀行連合(例えばSWIFT)、銀行間提携などが中心となり、やはり電信送金システムを基盤にしていわゆるデジタル化していきます。
また銀行内の処理も、電子帳簿が大々的に採用されていきます。そもそもは計算だけを計算機がやっていたわけですが、外部記憶装置(「ディスク」やSSDの類ですね)の容量が大きくなり、外部記憶装置以外の場所からの入力が相対的にコスト高になるにつれて(一日に数十万件に及ぶ取引をいちいち帳簿から手入力して結果を書き戻してなどいられないのです)、帳簿自体をコンピューター側に持つようになります。この操作端末を外に出して利用者が自ら操作するようにし、硬貨や紙幣の取り扱い機能を持たせたのがCash Dispenser (CD)やAutomatic Teller Machine (ATM)であり、CDやATMで扱えるように口座番号などを機械読み取り可能にした(人が読めるのとは別の形で書かれていることも多い: キャッシュカードに印字とICや磁気テープの両方で記録されているように)のがATM用の通帳やキャッシュカードで、一時期は銀行窓口でもともと持っていた口座に暗証番号を設定するよう求められる風景がありました。つまり、通帳自体は機械読み取り可能なので窓口では機械処理をしていたわけですが、CDやATMでの本人確認のために暗証番号が必要になったわけです。そのころ、機械処理可能な身分証明書などありませんでしたしね。Swishはこのあたりの時期の発想でしょう。ヨーロッパはわかりませんが、アメリカだとそもそも通帳などという仕組みがなく、窓口で口座番号と顔や身分証により本人確認をして処理をすることが多かったようで(もっとも複数の口座を一つの銀行に持っているケースは少なかったはずで、名前と住所を言えば口座が見つかったでしょう)、機械にカードと暗証番号を示して本人確認をするというシステムはそのあたりがネタ元でしょう。ちなみにキャッシュカードには帳簿の内容そのものは記載されていません。あれは、機械向けの身分証明書兼口座番号書類なのです。また日本の通帳でも、あれは銀行にある帳簿の謄本、つまり複製であり、正本は銀行にあるものです。さらに銀行内の通信設備を用いて支店ごとに置いていたのではコストに合わない計算機設備をデータセンターに集約することも行われました。もっとも、この時点の銀行の通信システムの基盤は公衆電話回線、つまり固定電話であることもあり、これだとデータセンターの通信用番号に電話をかけることで部外者でもデータセンターのコンピューターにアクセスできてしまいます(もっとも今でもインターネット経由で通信を行っている場合データセンター側のコンピューターのIPアドレスがわかっていると同じ事になりますが)。で、これを利用したクラッキングなどという話がありました。日本でもハッカー小説の初期にこの話が出てきますが、おそらくアメリカあたりが元ネタだと思います(というか、アメリカのWar Gameという小説では米国空軍本土防空司令部の指揮コンピューターが公衆電話回線につながっていまして、どこまで実情に即しているのかわかりませんが、おおらかでけち臭い時代もあったものです: 普通は自前か通信会社の専用線でつなぎますから普通の電話からつなぐことなどできません)。全銀協手順のハードウェア部分が(おそらく大口顧客との接続のためとはいえ)ISDNを前提にしているようなので、一定の根拠はあることになります。というか、低速とはいえ専用線が高かったのでしょうね。
そして、移動体通信が普及し、端末に独自のアプリを仕込めるようになると、移動体通信端末(つまりケータイやスマホ)を操作端末の代わりにして、送金機能を持たせようという考えが出てくることになります。Swishやペイがここで登場します。Swishの場合銀行連合の提供なのでそもそも銀行口座に紐ついていますが、ペイのほとんどは決済事業者の運営、つまり汎用プリペイドカードの系譜です。ただしペイの口座をクレジットカードや銀行口座に紐付けることによって事前入金を簡便化できます。仕組みとしては電子帳簿を用いた口座間送金そのもので、端末からの操作により二つの電子口座の間で出納の記帳がなされます。この場合、移動体通信端末に記録された口座情報によって送金元口座を、手入力(Swishがそう)、非接触ICやバーコードによって送金先口座を指定しているわけです。Swishの場合もう一つ、国民総背番号制の普及があり(日本など国民総背番号制の普及というか、番号はついているわけなのでその利用の普及のために電子決済の普及を喧伝しているわけですが)、口座を背番号(Bank ID)から特定できるため(口座開設の際に背番号: 法人の場合は法人用の番号を銀行に通知する)、銀行をまたぐ形で送金処理ができるわけです(まあ、日本風に銀行名、支店名、口座種別番号でもよいのですが)。Swishの運営体がデータベースを持っており、端末からのBank IDの入力で送金先口座がピックアップされるのでしょう。当然、複数の口座が見つかった場合の選択機能もあると思われます。
でまあ、日本の場合郵便貯金もあって比較的早く金融機関で現金を引き出して使う形に慣れ、為替や小切手(この一類型がチェック)が廃れてしまったわけですが、今ペイが爆発的に普及している通貨圏というのは、そもそも銀行で手続をするために一日がかりで外出という地域ではないかと思います。つまり銀行を介した少額取引が普及していない地域ではそもそも銀行口座に頻繁にアクセスする需要がなく(商取引だけなら掛買いだって良いのですし)、アクセス用の自動端末もないため、それこそコインくらいしか持ち歩かず、紙幣を使うような取引をする人はチェックやクレジットカードを使ったわけです(契約者ごとに課金する公共インフラが普及した時点で、銀行口座自体はそれなりに普及したはずですが: 集金人が巡回するよりチェックを郵送で送ってもらった方が速い、小切手なり銀行引き落としなりがあれば預金者が直接アクセスする必要はないのです)。それが少額電子決済によりコインレベルの取引まで口座を介して行えるようになり、口座さえあれば決済端末はどちらも移動体通信端末で済む(つまり対称的でコストが安い)ために店側での導入も容易なこと、裏側の複雑さとは裏腹に見通しが良いこともあって普及したのではないでしょうか。
逆に、日本では硬貨や紙幣とプリペイドカードで不便がなかったわけです(というか、日本の現金収受機器は大変高度です: 自動販売機を含めて)。また、銀行や決済業者が店に厳しい信用調査を課した上高い端末使用料やサービスチャージを取ったこともあるでしょう。なにしろ日本の銀行は、当座預金口座すら与信調査を要求し(為替はその場で払うので難しいことは言わないのですが)、セキュリティ上問題があると称して個人商店レベルでは店にオペレーション端末を貸してくれず、貸してくれても独自仕様のため相当高額のリース料を請求しました。つまり預金者が店で口座にアクセスすることができず(これができるようになったのはクレジットカード以降です: というかクレジットカード自体は与信調査付無担保融資の仕組みで、口座へのアクセスは必要ならカードのブランドを管理している決済会社を経由してライセンスを受けた決済会社が行いますので、引き落としの時にまとめてアクセスが発生します: つまり口座へのアクセスが取引時に発生するのはデビットとプリペイドのみです)、とうぜん取引を自動化しようとしても社内会計システムへの統合などもできません。銀行と提携したベンダーから高額の決済端末や会計システムを導入するか、店舗窓口まで行って手続をするしかなかったのです(今でも小規模事業者の会計担当がATMで送金作業を行っているのに出くわします)。これでは、店側は現金を扱う方がコスト的にましだと判断しますし(大口の取引なら他にいくらでも手があります)、店が対応しなければ個人も使う理由がありません。そして日本でこれが可能になったのは、おそらくコンビニなどのチェーンストアネットワークのPOSレジの普及とクレジットカード決済の普及で、これによって移動体通信端末をベースとした決済システムを実装する基盤ができたのだと思います。これに銀行はまともに噛みこんでこなかったために(クレジットカードの口座連携程度ですが、これもごく一部を除きデフォルトで自動引き落としが設定されたブランドカードレベルで終始しました: つまり店の組織をしたのは流通系の決済事業者側(クレディセゾンなど)なのです)、そもそも少額決済や簡易な端末を用いたオペレーションのノウハウがなく、その結果出遅れたと思います。電子決済自体はスマホ決済を待つまでもなく、それこそネットワーク化が進展していた事業者では交通系ICカードを用いて実装され、さほど普及こそしなかったもののプリペイド式の決済手段も導入されています(これが現在の決済事業者乱立の原因になっているのは皮肉な話ですが)。
文化がどうこう以前に現金の利便性が高かった社会とそもそも現金の入手(つまり金融機関へのアクセス)に難があった社会の違いが(それもまた文化ではありますが)、銀行口座の帳簿へのアクセスを預金者の手元に引き寄せたと言ってよい少額電子決済の利便性すなわち普及に影響していたのだと思います。

■2020年07月23日(木)  変な英語っぽいものを出すくらいなら日本語にすれば?
GoToトラベルは文法ミス?「日本語の一員といえる」
まあ、さすがに一種に通った人で変なことに気づかない人はいないでしょうね。とはいえ、正直言いたいことのわかるキャッチコピーではあると思います。「旅に出よう」だと、確か前に使ってましたし、新しい標語にしたかったんですよね。
とはいえ、正直恥ずかしいので、変に外国語を使うのは止めてほしいと思います。サザンの桑田さんじゃないんだから。正しければよいというのではなく、どうせセンスのなさが垣間見えるだけなので、外国語を止めましょう。役所のキャッチフレーズは日本語のみ。まあ、外国人を親切に案内しようキャンペーンでもするなら、「プリーズフォローミー!」や「メイアイヘルプユー?」なんてキャッチフレーズはありだと思いますが、別に外国語である必要もないのに印象重視で外国語を使う必要はないはずです。
もっとも、日本語にすると川柳の出来損ないか交通安全標語みたいになってしまいそうです。民間では日本語でも随分洒落たキャッチコピーがあるので(もちろん駄作も多い)、これは選ぶ側のセンスの問題でしょう。

■2020年07月23日(木)  夜の街が悪者でない理由もない
なぜ「夜の街」ばかり悪者に 政治家の責任逃れに好都合
夜の街だけを非難するのは確かにおかしいと思います。机の距離が近いオフィスも問題でしょうし、人と対面する商売は大半が問題があるでしょう。
とはいえ、少なくとも日本では、「夜の街」に該当する商売の相当部分では、客の間近に侍るサービスや客との会話が中心です。問題がないとは言えないと思います。
また従事者の経済状況はコロナ対策自体には関係ないと思います。苦境に耐えてお金を稼いでいるから三密で商売してよいなどという話はありません。少なくとも経営者には、事業を続けるなら三密を避けてサービスを提供する工夫が求められます。
もちろん、従事者や事業者を経済的苦境に追い込むことになる以上、経済的補償なり支援なりは不可欠です。とはいえ、寿司屋に「このお金で苦境を乗り切って営業を再開してください」と言うことは問題にならないでしょうが、スナックにそう言った場合社会的批判は浴びると思います。居酒屋やショットバーくらいならともかく、接客担当者による密着した接待が前提のお店については、そもそもここで閉店してもらった方がという声だってあっておかしくありませんし、下手に支援すれば行政はああいう商売を公認するのかという話になるでしょう。もちろん賭博紛いの事業も同じです。
まあ、ある意味開き直って、職に貴賎なしというのは手でしょうが、なんというか、小池さんでないとできないでしょうね。例えば吉村さんとかがやったら、馴染みのママにおねだりされたなどと言われかねません。

「死んでいい人間」政治が示す怖さ 差別規制しない日本
個人的には「人間は死んでもいい」なら気にしませんけどね。
ともあれ、カテゴライズして「この人間は死んでいい」というのは問題のある発想です。ただし問題があるからダメとまでは言えないように思います。言説レベルの差別を規制するかどうかは、考えどころだと思います(デモンストレーションや集会は言説レベルとは思いません)。
実施段階での根拠のない差別はいけませんが(例えば朝鮮学校だからマスクを支給しないとか: 感染拡大の防止のためにマスクを支給するのであって、朝鮮学校だって人が集まるところには違いないのだから除外したら意味がありません)、政策立案段階での休業補償における性風俗産業除外や一律給付における国民限定の議論は不当とまでは言えないと思います。まあ、議論した挙句に採用したら相当失望はしますけどね。そもそもなんでそういうことをやるのかという前提をはき違えているので。困窮を救済するのではなく経済を活性化したいわけでしょう。救済というなら一律十万円などというのがナンセンスですし、一時凌ぎならもっとましなやり方はいくらでもあります。あるいは、人的接触を回避したいから店を閉めてもらうわけで、それで性風俗産業を除外したら意味がありません。とりあえず当面の休業分は保障するから、店を閉めてください、そして今後どうするか考えてくださいと、そういう政策でしょうに。
ディスクリミネーションを悪と認識したうえで、行いうる規模がクライテリアの設定を要求するということなら、恣意的なカットオフもまた可能な政策です。金銭的にはそんな制約はないんだよというのが例えば財政出動論やMMTの公共事業論(というか仕事保証論か?)であって、生産設備や動員可能な労働力に限界があれば、例えば薬が行き届かない人が出るのは仕方がないし、トリアージをせざるを得ません。それが国籍や事業内容であって悪いということはないのです。
もちろん、そういう分け方をしないで済むのが理想だ、そういう分け方は好ましくないというのが前提ですけどね。武漢が感染拡大の起点だというなら国籍がなんだろうが(日本だろうが)武漢にいた人を全員排除すると言うべきで、変に国籍に絡めた言い方はすべきでないし、出自を議論するなど最低の言説です。とはいえ、それこそ「あんた最低だ」とちゃんと言えれば、それが主流の考え方になっていればそれでよいわけで、具体的な規制はなじまない気がします。そのあたりは、法務省的な行動規制の発想と文科省的な思想統制の発想とは分けるべきだと思います。

■2020年07月23日(木)  なつかしい
Slack、MicrosoftをEUに提訴 「TeamsのOffice 365バンドルは独禁法違反」
IEバンドル騒ぎ、懐かしいですね。
IEには今も悩まされていますが、それにしても「このサービスの本当のコストを顧客から隠しているという。」ですか。さすがにバンドリング販売自体が不当だとは言わないのでしょうかね。まあ、言ったら言ったでじゃあアップルはどうだ、グーグルはどうだということになってしまいますが。
正直TEAMSに問題があるなら、まともなコラボレーションを考えている職場は導入しないと思います。バンドリングで引っかかるのは、そもそもコラボレーションにおけるニーズを把握していない購買が一括導入するケースか(そして後日現場が勝手に導入したコラボツールが蔓延る)、それで間に合ってしまうケースです。とにかくシェアが欲しいレベルの話なら別ですが、必要な顧客にはちゃんと届くと思います。まあ、IEみたいにかぶさるアプリケーションの標準になってしまうと、とにかくIEでアクセスしないとどうにもならないみたいなことになってしまうのですが。Slackはそこまで広範なプラットフォームなのだったか…

■2020年07月22日(水)  とにかく移動は考え直した方が良い
リモートワーク普及で迫りくる「通勤定期券」が終わる日
「いや、定期券廃止の道すら開かれるかもしれない。」
まあ、今や定期券の存在意義なんて割引しかないですもんね。昔は定期券や回数券を使わない限り券売所で切符を買わなければならなかったし、発行のためのコストも大きかったため、一括して長期間分を発行できる定期券にはコスト削減という意味もあったでしょうが、いまやそちらの用途はICカードとICカードエミュレーション搭載のスマホで済みます。利用履歴もカードはともかく事業者側のデータとしてICカードのIDと合わせて残るため、フリークエントユーザー向けの優遇策もデータに基づいて簡便に実施できます。
正直定期券の廃止や現金払いの廃止で路線・本数維持の費用が出せるものなら、その方が良いと思います。また混雑路線については、座席廃止の上別料金の着席車両を導入する方向も進めてもよいでしょう。通勤・通学需要を「満たす」ことは公的企業としての義務ですが、さすがにここに及んで公共交通機関を使った長距離の通勤・通学を「促進する」ような施策はしても仕方がないでしょう。
一方で、JR東日本の経営方針は、先見の明というよりは、あの時点での東京の近郊区間の輸送需要の深刻さを見る限り当然と言えます。新幹線は、東日本は東北・上越・北陸・長野なのでむしろ需要を喚起すべき立場ですが、東海など飽和を懸念して新路線を自己リスクですら手掛けようとしたくらいです。まあ、それで事業の主体を鉄道から移すとか私鉄のような総合ディベロッパーになるというのはいただけませんし、少なくとも安全設備や運行設備への資金投入はちゃんとやって欲しいですが、例えば通信や流体配送あたりを副業に営むくらいは線路設備というでかいインフラのオーナーとしてありだと思いますし(というか、儲かるようなら貨物の副業にでもしてあげて欲しいのですが)、その結果路線末端の駅周辺でリモートワークのインフラが整うならそれもありだと思います。
「今後、都心ターミナル周辺は、渋々と通勤電車で行く「仕事に便利な街」から、ビジネスの刺激を得るために出掛けたくなる「仕事も楽しい街」への転換が図られるはず。詳報が楽しみだ。」
まあ、「行く」ところかどうかはともかく(都市というのは本来職住近接ですし)、前向きに行くセンターとしての都心というのは、少なくとも田舎の通年イベントよりはずいぶんとましな発想だと思います。住人が多いとイベント公害やイベント混雑の苦情が出てきますが、都心なら逆に影響が少なそうなので、住民にとってNIMBYなイベントの開催にはむしろ適しているでしょうし。ウィークデイに朝夕通勤ラッシュでは、乗車時間の調整もしにくいですし、意気も下がるというものですが、休日の都心へのお出かけなら、需要も分散されるでしょうし、うまくすれば休日の分散も見込めます(その代わりリモートワークではなく自律作業が必要になりますが)。
ついでに
ロングシートなんて大嫌い? 乗り鉄がこだわる「座席」のお話
「回転クロスシートのほとんどはリクライニング機構が付いています。快適です。回転クロスシートなのにリクライニング機構がない車両には、ひとこと文句を書きたくなります。」
ゆるっすゎあん!リクライニングなど邪道、論外です。固定背もたれのボックスシートこそ正義です。リクライニングが許されるのは、並列二人用のコンパートメントのみです。クロスシートで前席がリクライニングされた時の残念さは余りあります。まあ、シートピッチが狭い飛行機ほどひどくはないのですが。
というか、JRも新幹線くらい、コンパートメント車両を装備して欲しいものです。のぞみなんて贅沢は言いません(というかあれは高級列車ではなく主要都市を直結する速達ビジネス列車だと思う: 安全の問題がなく、15分くらいで最終目的地に着くのであれば通勤電車扱いでもよいくらいでしょう)。こだまかひかりのグリーン車で結構です。100万円くらい出せば豪華コンパートメント車両に乗れますし、一応寝台電車もコンパートメント仕様(というか個室仕様)ではあるのですが、関ヶ原で長時間臨時停車した挙句に新大阪で新幹線への乗り換えというか代行輸送が案内される寝台電車を常用はできません(いえ、好きですけどね、あの列車)。今のグリーン車はシートの幅が心持ち広いくらいで追加料金を取る割に残念仕様ですが、4席のコンパートメントにしてくれるなら、一人で4人分買い占めてでも京都駅までコンパートメントに乗りたいものです。もちろん片側が4席、通路を挟んで反対側が2席のコンパートメントの場合は、窓の景観の問題がなければ2席の方を買うでしょうけど。

■2020年07月22日(水)  「国賓」が前時代的ではないかと
中國・習主席の国賓訪日は実現すべきだ
国家ないし政府の代表者の接遇を土壇場で拒否というのは外交的に良くないという点は同意します。
しかし、「国賓」とか「接遇」という言葉に時代のかった田舎者的センスを感じます。もちろんトップレベルの外交官としての会談の設定や訪問の手配などはすべきですし、その意味で「国賓」というなら実務的な意味がありますが、例えば天皇が形式的に歓待するようなやり方や訪問地で人を集めて歓迎の意を示すというのは、この際なので無駄遣いは嫌だからお互い止めますということにしてはいかがでしょうか。こと中国や韓国の場合、指導者と天皇が会って公式に融和を示すことには象徴的な意味がありますが、一方で天皇には他国の外交官と実務的な話をする権限は全くないはずです。財政再建が叫ばれる時節柄、皇居のお庭でうな重でも一緒に食べてもらって終わりにしたいくらい言えないものかと思います。もちろん外交チャンネルで相手の了解を取り付け、他の首脳についても方針を一貫させる必要がありますが、習主席は若いころには囲碁と有機合成を嗜まれた由、中国の指導者であれば文芸や作庭にも見識があるでしょう。シンボリックな会見にしても、外交プロトコルを換骨奪胎した演出は意外に似合いそうな気がします。まあ、警備やら移動手段の手配やらで安くは済まないのですが、この状況で三密を気にしながら恒例の大宴会をやるよりは聞こえが良いでしょう。
もっとも、遠征先で大々的に歓待されるのも中華皇帝の威信なので、貧相に見えると嫌がられるかもしれませんけど。

■2020年07月22日(水)  古典に戻ればよいだけでは
簡素化に聖域なし 競技多すぎる IOCへの忖度やめよ
いや、オリンピックと言ったらトラック競技とレスリングと戦車競走と詩吟ですよね?まあ、現代オリンピックであれば自転車耐久走と射撃は入れてもよいかもしれませんが(車両の発達と火砲の発達が近代個人戦闘における特徴ですから: センシングの発達も著しいのですが、競技にならなさそうです)、ファランクスで対峙する競技があったとも聞きませんし、団体競技は陸上個人戦闘のスポーツ化というギリシャ古典運動競技の趣旨にそぐわないと思います。

■2020年07月22日(水)  まあ、ダイエットの機会だという気がしますが
「GoTo東京除外」でハシゴ外されたJAL、ANA 大手の破綻相次ぐ航空業界の悲鳴
正直、あの国際便のエコノミー運賃の割引料金を見ていてどういう計算をしているのだか疑問に思っていただけに(いや、安くなるのはいいのですけどね)、経営破綻に違和感がないのですが、まあ、割と急転直下ではありましたね。リーン経営の見本ではないでしょうか。
もっとも移動の頻度を減らせばなんとかなってしまう(というかレンタカーと根性で移動できてしまう)中距離便や近距離便の需要と違って、長距離便は手頃な値段であれば確実に需要があります。いまさら客船や大陸横断鉄道には戻れませんし、VRで見たからといって生で見る欲求が消滅するわけでは必ずしもありません。現代的公共交通機関が出揃ってかれこれ50年ほどでしょうか、利点も欠点も見えてきた観があるので、国有化でも何でもして、株主と債権者と従業員に損を被ってもらって、経営のコアとなる路線を確立しておけば、そう遠くないうちにある程度復活してくるとは思います。
というか、アリタリアはともかくルフトハンザ、エールフランス、KLMはちゃんと金融機関に泣いてもらうべきです。プロ経営者の放漫経営のツケを税金で救済していると、右翼がまた出てきますよ?

■2020年07月21日(火)  日本国民でない方は滞在120年でも市民モドキではあるのですが
練馬在住32年でも「二流市民」か 再入国拒否の絶望
これはいささかひどいですね。もちろん趣旨は分かりますが、再入国が認められる在留資格を持っている人なら、隔離2週間でよいはずです。
首相、外国人の再入国制限の緩和を表明 対象は9万人か
まあ、普通の検疫がらみの手続に沿うとこういう形になるんですかね。危険な伝染病にり患している可能性のある人は、日本国民なら隔離、外国人なら入国拒否をするという。日本国民なら保護せざるを得ないが外国人なら保護の責任は国籍のある国にあるということだと思います。とはいえ、日本に生活の基盤のある人にそれはおかしな部分があるわけで、永住者などの明らかに日本国内に居住の実態がある人については、検査にしても日本で隔離して行ってもいいはずです。そういう制度がなく、居住の実態があるかどうかわからないというなら話が別ですが、査証なりにちゃんとわかるように書いてあるのですから、後はせいぜい入国管理事務での対策、つまり永住者などではないにもかかわらずごねる入国希望者の扱いくらいです。
もっとも、国籍というのは厄介な問題でもあります。特に日本のように日本国籍を排他的に持つことを求めている国については、その国に唯一の生活基盤を持つ外国人が一定数発生します。ずっといるなら帰化してしまえばよさそうなものですが、まずもって日本の国籍取得制度の運用では取得のハードルが高いですし、国籍には居住とは別になにがしかのこだわりを持つ人もいます。日本国籍を取れるものなら取りたい、あるいは生活拠点として日本という国は気に入っているが、今の国籍を捨てることにはためらいがあるという人もいるでしょう。属する主権的社団の籍という以上の意味を国籍に与えている人もいるわけで、基準が推移することを前提に、丁寧に議論を積み重ねていくしかないのだと思います。
日本の外国人再入国拒否継続は非人道的
でまあ、こんなことを言われてしまったわけですが。
正直外務省のネゴ不足だと思うんですよね。恥をさらして、すみません、できないんです、もうしばらく待ってくださいと言えば、人道問題にはならないと思うのですよ。もちろん国境を越えた移動ができないことが非常に不便な人は多いわけですが、ビジネスにしろ親の介護にしろ、あえて優先順位をつけるなら感染症の防護よりは下です。公衆衛生は国の責任と言っておいて半年やそこら移動ができない程度で騒ぎ立てるなど、不見識にもほどがあります。まあ、時間がかかりすぎとかまじめにやってるのかとかPCR検査の体制が整わないのにGo To事業などには金を出すのかという批判はもっともだと思うのですが。人権問題ではありますし、PCR検査以前に滞在国出国前の検査に基づいて日本入国時に結果を提出させればよいだけのことで、一律の入国拒否まではどうかとは思いますが(検査結果が陽性と出た人、検査結果を持参できない人についての入国拒否までは問題視しにくいでしょう: というか検査結果陽性の場合飛行機に乗せてもらえないような気がする)、裁量の範囲内であり、人道問題扱いだけは当たらないと思います。
もちろん、相互主義で日本人の入国を拒否されるのは順当ということで、ちゃんと仕事ができていない外交官・日本在外公館の責任です。上層部がどれだけ混乱していようが、この程度の言いつくろいはできて当然なのが日本の現場主義です。

■2020年07月21日(火)  そう言われてみれば一貫していないわけで
ポストコロナの国民負担「議論避けられない」吉川洋さん
この主張自体はごく普通の主張です。つまり、基本的には健全財政に努めるべきだが、非常事態においては財政出動をためらうべきではないということです。
とはいえ、平時にたとえば健全財政で黒字をため込んでおけたとして、非常時に財政出動して財務的に赤字になったらどうするか。まあ、必要なだけ赤字を続けることになるかと思います。これはつまり、健全財政自体はTPOに基づいて選択されるべきオプショナルな方針でしかないということです。つまり「原則」ではありえません。状況に応じて方針を切り替えること自体はおかしなことではありませんが、その状況の判断基準自体は自明なものではありません。GDPがマイナス成長しようが感染症が一部地域で蔓延しようが平時だとは言えるのです。
また、国民経済上メリットのある価格体系を維持するために常時介入が必要なケースもあります。これは所得移転の一類型になるかと思いますが、そもそも期待される価格体系を実現できていないという非常事態と考えるか(この場合所得補償された側の効率改善が期待されます)、平常時の産業保護(まあ、産業保護自体非常事態でなければやってはいけないというのがある見方では理想だったりはするのですが)なのかは判断が難しいでしょう。
結局、財政均衡、赤字側の不均衡、黒字側の不均衡を切り替える基準がはっきりしていないわけで、そんなものはできないと言ってしまったMMTが明快な点はそこでしょう。所詮債務なんてのはしかるべき時に額面の貨幣を支払うという約束でしかないのだから、国債償還のために無理をして税金を集めるよりは、とにかく通貨を発行して償還分を払ってしまい、実質的に借り換えるか税金などで集めるかは別途考えよう、理屈で言えば貨幣だって支払いのために政府が発行し税金を償還するために政府に渡す債務証書だしという方が一貫性があります。
国民負担という場合、貨幣ではなく、生産力のアレンジ、つまり何をもって国民に貨幣価値を生み出してもらうか(この生み出すという言葉も好きではないのですが、当面仕方ないのです)、現状コロナ禍で退蔵されてしまっている生産力を貨幣価値を生み出すようにしていくか、その貨幣価値がどの程度の効率で生み出せるか、あるいは需給の齟齬を来さないかという部分で、例えば接客業の生産効率が落ちるとか、摩擦的失業が起きるとか、労働供給が実際にひっ迫している(投資や効率向上で済んでしまうレベルではない)分野に労働を分配するためにテコ入れが必要とか、他分野の生産効率を向上させて労働余剰を生み出す必要があるとか、そういう話になるのが適切だと思います。つまり、この分労働需要が増えるから、労働供給や生産効率の向上をよろしくお願いしますという負担です。増税はその手段のひとつでしかありません。

■2020年07月20日(月)  アップデートすらできないよりはましなんですが
急速充電器でスマホを焼く脆弱性「BadPower」報告。ファームウェア改変し高電圧印加
おっかないですねえ…
というかアップデート機能を悪用してのクラッキングはかれこれ20年を超える歴史があるわけで、プロトコルを設計する時にもう少し考えるべきではないのでしょうかね。

■2020年07月20日(月)  アメリカの民間医療はそもそも崩壊している
トランプ政権、最後の1年(18)
「感染者順位で特に際立っている米国は、経済力が世界一の先進国、医療水準、医療体制も整っているはずなのになぜなのか。」
一応突っ込んでおきますが、整ってませんからね、50年は前から。トランプ氏だけの問題ではありません。もちろんクリントン氏やオバマ氏が事態の是正に意を用いた点は見過ごされてはなりませんし、それを現状トランプ氏がひっくり返している点は問題ですが、そもそもイギリスやドイツ、フランス(あるいはカナダやオーストラリア、ニュージーランド)から信じられないと言われるほど医療体制に不備があるのがアメリカ合衆国です。高度医療の拠点は数多くありますが、そもそも庶民が高度医療機関にかかることが難しいのがこの国です。そこを捻じ曲げないでいただきたい。

■2020年07月20日(月)  医薬分業って何だったんだろう
オンラインで診療して薬をドローン配送、日本初の試みを見てきました
頒布もJIT、Delivery On Demandですか。もちろん処方が稀な薬や有効期限が短い薬が緊急に必要になることはあるのですが、540mって自転車で数分じゃないですか。ドローンで配達していて間に合うとは思えない、もしくはわざわざドローンを使うような状況に思えないのです。まともに使うとしたら、名寄の患者に旭川の拠点薬局から処方箋薬を配送するような話になると思うのですが、これはつまり、僻地(名寄が僻地かどうかはともかく)ではかかりつけ薬局自体がそもそも消滅すると言っていることになります。もちろん実施側はそれなりの理由があってこういうことをやっているわけで(まさか予算が取れるからなんて理由だけではないと思うのですが)、これ、かかりつけ薬局制度自体の正当性を突き崩すような話だと思います。医療の高度化により病院がユニバーサルサービスを放棄して久しいですが(診療所の維持の問題はさらに前の時代からの引継ぎ事項です)、専門職団体としての薬剤師会は、そもそも薬局も薬店もない市や町の中枢集落が出ることをどう考えているのでしょう。事業の独占が崩れてチェーンのドラッグストアやネット販売が出てきた以上ユニバーサルサービスなどどうでもいい、自分の商圏さえ守り抜ければよいと思っているのでしょうか。厚生労働省は、選択の自由の方が大事だ、その結果アクセス自体が悪くなっても仕方がないと言いたいわけでしょうか。
ただでさえ、門前薬局でないとその筋の専門医にとって一般的なものすら薬の在庫がないなどという診療の標準化が聞いて呆れるような事態が起きているわけで、院内薬局の方がましだったなどということになれば、処方箋薬局の存在意義自体を問われかねません(だいたい医師の処方箋をチェックしてパッケージされた指定の薬を用意するだけなどという専門家の育成にいくらお金をかけているのか)。コスト削減に汲々としているとだいたいどこかで自分の首が飛びますから、気を付けた方が良いと思いますよ。

■2020年07月20日(月)  だからAIでもなんでもいいから校正をちゃんとしろと
Chrome 86では個人情報の保護強化、HTTPSサイトからの平文フォーム送信阻止をテスト中
「これを有効にすればページ本体はHTTP配信だがフォームはHTTPにより平文で送信するサイトにて自動入力が無効となります。」
「ページ本体はHTTPS配信だがフォームはHTTPにより平文で送信するサイト」でしょうかね。まあ、該当するサイト自体は非常に怪しげではあるわけで、単なる運用側の過失(よくある)であっても警告くらい出て当然であるわけですが、そんな中途半端な対応が残ってしまう程度にHTTPS対応が面倒であることも問題ではあります(HTTPSを一部であれ使えている時点で、電子証明書の用意などの最低限の準備はできているはずで、後は運営側のスキル次第です)。
それはいいのですが、問題はEngadget Japanがこの脱字を見逃したまま記事を掲載したことです。記事の内容から推測は可能であるにしても、この記事の場合HTTPSがHTTPと書かれてしまうと意味が通らなくなります。そもそも読者が推測可能ということは編集部での校正も可能だったということになるわけで、普通の活字媒体なら次号に訂正と謝罪が出るような話です。つまり編集部はちゃんと仕事しろと。まさかライターのリクルートと広告集めしかしていないんじゃなかろうな?

■2020年07月20日(月)  マスター音源の音質ってすごいんだな
コロナ禍で音楽制作もリモートワーク 遠隔で「立ち会い編集・ミキシング作業」は可能か?
こういう極端な状況での事例はあまり普通の会議の参考にすべきではないのですが、一方で興味深いものでもあります。とはいえ、なんでまた有線LANでぶちぶち切れて聞こえるようなモードをサービスインしているのだか。まさか、10GbEあたりが前提なのでしょうか。あるいは光デジタル通信でモデムにPC直結でしょうか?
「とりあえず集合すれば仕事は進むのだから余計なことは避ける」では済まなかったのがここしばらくの状況で、効率が下がったとはいえ様々な事例が蓄積できたはずです。会わなくても済む仕事の進め方からリモートワークまで、それこそ「働き方改革」あたりの観点から、きっちり総括することが望ましいでしょう。

■2020年07月20日(月)  Lマウントならともかく
勝手にアカギカメラグランプリ2020(レンズ編)
ほうら来た。
「風景を開放絞りで撮る奴がいるか! と昔のカメラ雑誌や撮影指南書には書いてあったけど、それは昔の話だよなあと感じさせる切れ込み。」
そうなんですよね。レンズの性能も使い方も変わりました。というかアポクロマート設計って確か天体望遠鏡では常識なのですが、F値が段違いであるにせよ(カメラ用レンズの方が明るく、設計が難しい)、カラーフィルムになっているのにアクロマートだったら一色滲むんじゃないかと思うのですが、それこそ絞って回避するのでしょうか。とはいえ絞ると今度は回折で像がにじんだりするわけで、そのあたりのバランスを光路計算でゴリゴリッと合わせていくニーズが実はコンピューターの生まれのひとつだったりします。理論も手法もツールも進歩しています。なんとなく、風景写真だからといってF16まで絞るのは止めた方が良いような気がしています。
「発表されたばかりのライカM10-Rの4,000万画素センサーに、コシナのアポランター50mm F2を通した光を浴びせかけたらどうなるんだろうなあ。VMマウント仕様を作ってくれねえかなあと、こればかりが目下の私の一番の関心ごとであり妄想なわけですが、こんなことを書くとまた嫌われちゃうんだろうなあ。」
頑張れ、コシナさん。といってもレンジファインダー対応が結構大変そうです。マウントアダプターで距離計を使わずに目視で焦点を合わせるので良いなら、試作品程度は多機能切削加工機だけでできるでしょうが、メーカー品となるとそうもいきません(と言いつつNoktonは無接点なのですが)。高精度金属加工のできる知り合いにマウントを交換してもらった方が早いかもしれません。

■2020年07月18日(土)  撮って出しにこだわることに意味はあるのか?
「撮って出し」元は放送業界の言葉だそうで、収録した素材をそのまま番組として流すことだとか。
写真業界では、カメラが出力したJPEGデータをそのまま使うことです(というかJPEGも普及したもんだ: TIFFなんかカメラ側でサポートしていやしない)。スマホを含むコンパクトデジタルカメラはともかくレンズ交換式にこのJPEG出力機能が搭載されている理由が謎だったのですが(どうせパソコンに転送して保管するのに)、どうもセンサーから読み取ったデータそのままなのがRAW、画像処理エンジンで仕上げ処理までしたうえでJPEGにエンコードするらしいです。つまり、RAWを付属の画像管理ソフトで扱っていた私は、どうもカメラ側の画像処理エンジンを使っていなかったようです(いやまあ、機能的にライブビューあたりにもかんでいるとは思いますが)。道理で画像処理エンジンの解説を見るたび違和感があると思った。
カメラからFlickrとかInstagramに上げる人が撮って出しにこだわるのはわかります。スナップ撮影で瞬間を切り取っているわけで、撮った時点の撮れ具合が全てです。
しかし、写真というのは本来そういうものではないのですよ。フィルム時代にはインスタントカメラを除き現像と引き伸ばしという工程が不可欠であり、下手をすると現像作業の担当者によって出来上がりが変わったりしたわけです。というかデジタルだって、表示デバイスや印刷デバイスのカラーチューニング次第で絵がガラッと変わってしまうので、こうだと思ってインスタに撮って出しを出しても、その通りに表示されているかどうかは分かったものじゃない。もちろん撮って出しにこだわるような人はそこまでわかったうえであえてこだわっているわけですが、画像処理エンジンの違いによる質感の違いなど、表示デバイスの違いで判らなくなってしまうように思います。もちろん、撮影時の悪条件に強い画像処理エンジンというのもあり得ますし、これであればゴーストやにじみのない、充分な諧調表現のある画像をコンスタントに得られるという意味で撮って出し向きかもしれません。ただし、本来はそんな悪条件にならないように工夫すべき話ですし、悪条件で撮ってしまった場合、RAW現像で絵を調整することも技術のうちです。
私には案件をその場で打ち切る以上の意味を撮って出しに見いだせないわけですが、そこであえて撮って出しにこだわり、それに即していると判断する機材を選ぶことも、趣味としての写真ではあるだろうと思います。ただし素人はマネしないように。他人のこだわりなんて、私のこだわりも含めて、一度徹底的に否定すべきものです。

■2020年07月18日(土)  コースの中間という位置付けでは変わりようがない
高校普通科の再編案提示 「必要性わかりにくい」指摘も
現状に問題がないとは言いませんが、「高校」という枠の中でいじったところで意味がないと思います。もちろん中高一貫にするのもおかしいので、学生本意に形式的な対処でお茶を濁すなら、せめてパッケージ方式のカリキュラムを全廃するあたりでしょうか。大学入学資格を含めて「認定を得た資格取得コース」を期間三ヶ月くらいで色々用意しておき、義務教育修了資格を取ったら後は個別に資格を取っていく形です(もちろんわけのわからない名目だけの資格ではなく、国家資格制度や専門職団体の認定制度と連携するべきです)。まあ、保護者の経済的負担が大変そうですが。それでも、例えば大学の有機化学の講座に登録するためには大学入学資格と乙種危険物の全種が必要とか、経済学の講座に進むには大学入学資格と簿記三級と認定政論サークルの推薦状が必要とか、この大学ならアラカルトでどの講座もスポーツクラブの推薦で登録ができるとか、今よりは合理性が確保できるような気がします。
ありていに言って学校教育、それも普通科に内容本意の期待をしている人というのはあまりいなくて、とにかく邪魔な青年層をまとめて隔離したうえで一定のラベルを貼って管理し、教養的な内容で忙しくさせておくとか、青年団的な隔離施設の中で人格的な研鑽や人的つながりの涵養を期待するといったものであるかと思います。つまり適度な範囲の経済的負担で家から追い出し、世間体の悪くない形で何かしていてくれればいいというのが高校の位置付けです(もちろんそうでない人もそれなりにいますが、こと普通科であればせいぜい大学受験の予備校というところでしょう)。学生も、学校なんて、先のことを考えていない人が行くものです。たまたま今の制度では学校に行っておけば後々潰しが効くのに過ぎません。学校制度ができたころは、蔵書なり教員なりの希少性という面もあったわけですが、今や大学以外は蔵書は活用などされておらず、公立図書館と一緒で地域の読書クラブの風情ですし、教員にしても、アマゾンでちゃんとした解説書を買って読む方が講義を聞くよりよほどまし、教科書の指導書を垂れ流すスピーカーといった体で、希少性どころか価値さえ失っています。「生徒の教養的修養のための学校」などというお題目は60年前にはすでに消え去っており、毎日一定の場所に行って意味が分からないながらも規律に従って何か指示されたことをする修練を積むための場所でしかありません。それが問題だと言うなら、まずは青年自身にちゃんと考える機会を与えることです。学校という時間的にはところてん処理のモラトリアムパッケージの一括選択ではなく、自動二輪車運転免許を取るには機械工学基礎と内燃機関基礎、交通法規の履修が必要というレベルで、それも十分な時間的余裕を与えた上での考慮によって、選択させるべきです。現在の体系的カリキュラムはそれなりに考え抜かれた精度の高いものですが、中学や高校の範囲では全体を俯瞰することができず(例えば高校数学は理学部や工学部、経済学部あたりに進学するか、会計を身に着けた上で数理マーケティングや金融工学に進まないと意味不明です)、しかも俯瞰できない状態では個別の内容を身に着ける理由がわからないという、高度な体系に共通する問題を抱えています。学びだの課題だのという実践重視の話に走るのであれば、まずは体系的な知識を身に着けるモチベーションを喚起するために見通しを良くするのが筋でしょう。

■2020年07月17日(金)  定型作業こそが労働の本質
どうしてこうなるニッポン!〜日本の労働報酬制度編〜
まあ、気持ちはわかります。第三次産業化、知識労働重視などと言いつつ、そんな方向性は全く見えませんし、労働団体も経営者も、もちろん役所も、そういった本質に踏み込む意思は全く見せていません。
とはいえ、機械化工場での定型作業の常識(例えば科学的管理法のあれ)をソフトウェア産業に適用することに無理があるように、ソフトウェア産業の発想というかどうしてもそうなってしまう有様を賃労働という形態に吸収しようとする方がそもそも問題があるのではないかと思います。労働と言ってしまうとなんでも同じに見えてしまいますが、工場で物を作るのと顧客の要望を受けて提案をまとめるのと物を売って歩くのとはそれぞれ異なる行為です。物を売るのでも、客が陳列棚から持ってきた商品について決済処理をするのと客に商品を勧めるのとは全く異なる行為です。それを、人を雇って一定の行為をさせるという労働の類型に押し込めることにそもそも無理があり、賃労働という形態にこだわるのであれば定型作業ベースの報酬制度も含めてその枠に従うべきだし(作業の内容を客観的に定義するのは本来労働管理の初歩です: 日本ではほとんどできていませんけど)、客観的な定義に収まらない従事者の裁量がどうしても必要なら、その従事者は労働者ではなくパートナーであるべきです。こうすればだれでもアウトプットが出てくるというのが近代的労働なのであって(もちろん効率の違いはありますが: ついでにこうすれば売れる的な魔術的なノウハウは含めてはいけませんが)、出てくるアウトプット自体に属人性があるというのは前近代の職人仕事か自営業であるのが自然です。社長がこれを売って来いというから売りに行って顧客に売る気があるのか疑問を持たれて終わるような、近代事業組織が産んだ馬鹿げた分業形態の方がおかしいのです。
作業員と親方や上級の職人は区別されてしかるべきです。「職人を雇う」などというのはナンセンスです。逆に言えば、雇われた作業員向けの仕事である限り、何らかの形で客観的に数量化できていなければなりません。つまり、時間に比例して予測できる形で成果が出る形です。そこに創造性や裁量などがあってはいけません。

■2020年07月17日(金)  頑張れリコー
PENTAXはこれからも光学ファインダーに注力していく
リコーがいまさら光学ファインダーを語ることに不思議を感じないでもないですが、マイナー勢力にとって方針であれ何であれメジャー勢力との違いを際立たせることは重要です。そのPENTAXが中判デジタルカメラ勢力(しかもコンパクトボディモデル)の一角を占めていることに少々不安を感じないでもありませんが、この場合Phase OneやFUJIとの差異を主張したいのかもしれません。小型カメラもそうですが、中判を軽量化して普及させる際にはミラーレス化が本道だと思うのですけどね。レンズは軽くなりようがない(むしろスペックを稼ぐためにはガラスが増えて重くなる)以上、ボディーを軽くしないといけないはずです。とはいえ、ニコンとキャノンが一眼レフシステムの延長にミラーレスを据えてきた以上、光学ファインダーにこだわるのは一つの選択肢です。まあ、クイックリターンミラーとペンタプリズムよりもレンジファインダーの方がいいような気がするのですが。とはいえ撮影用レンズから見える像を見ることができるシステムというのは、今のところウエストレベルを含む一眼レフレックスとライブビューを含む電子ファインダーしかないはずです。
もちろん、高橋氏の主張する通り、ちゃんと作ってある光学ファインダーというのは非常に見やすいものです(逆に作りが悪いと見にくい)。映像の遅延もないですし。電子ファインダーであれば表示用の液晶をおごってやれば撮像素子相応の画像が見えますが、光学ファインダーでは丁寧に加工したミラーや光学ガラスの塊のような手間のかかる部品を必要とします。
とはいえ、せっかくデジタルイメージングデバイスで簡易に使えるようになった高感度撮影の際は、それこそ光源でも撮るのでなければ光学ファインダーは役に立ちません(もっとも天体のような光源を取る場合などは、ファインダーが悪いと像がぼけて焦点合わせに苦労し、さらにレンズの距離マーカーなどあまりあてにならなかったりします)。この、暗所で像を見ることができるという点は、デバイスの感度を変更して強引に見えるようにしてしまうことのできる電子ファインダーのメリットでしょう。
そして、スマホやライブビューに慣れたユーザーは、ファインダーを覗き込むという発想に至らなかったりします(目の前にいたことがあるので間違いありません)。こういう手合いは相手にしないというのは一つの見識でしょうが、カメラという製品でそういうユーザーを絞るような方針が適切であるかどうかは、何とも言えません。もちろん写真教室に出てくるようなユーザーはちゃんと理解してくれるでしょうが、さすがに今更写真道などと言っていては製品が売れなくなるのではないかという点は、懸念材料です。もちろん、そこで開き直ってしまうのも悪くはないのですが、PENTAXというブランドにおいてわかる人がわかればいいなどという方針を貫き通せるかどうか。ロゴマークがついていれば買ってくれる、買った後わからないことがあれば勉強してくれる人がいるメーカーではもはやない気がします。PENTAXの小型デジタル一眼レフは熱心なファンがついていますが、あくまでもマイノリティーです。下手をすると同じPENTAXブランドでも50年前の製品の方が知られているかもしれません(ええ、Mマウントのあれです)。子供の写真を撮る際に格好をつけたいお父さんや同僚や友人に自慢したい独身貴族が手に取ってくれるかどうか(もちろんこんな話は写真道からすれば邪道なのですが)。
まあ、頑張ってプロや投稿系ハイアマに使ってもらえるようにするということなのでしょう。目指すあの人が使っているからこのカメラ、このメーカーを選ぶという人が出てくれば、マニアックな路線でも生き残れるかもしれません。
いや、製品自体はいいと思うのですよ。正直セカンドカメラであれば、お財布に余裕があれば手を出してみたいカメラのひとつではありますし、それが中判であればなおさらです。分不相応にでかくて重そうで手を出す気になれないキャノン製品あたりに比べれば、魅力的ではあると思います。とはいえ、素人の相談において勧められるかは別です。「無難」で10万円以上の製品を勧められるニコンやキャノンとは違うのです(まあ、ニコンと違ってキャノンは次々と製品というかマウント規格をディスコンにすることで有名ですが)。

■2020年07月16日(木)  こうやって食い合いに進んでいくのだなあ
「民泊」の訪日客頼みは変わるか エアビーがみる新潮流
いや、「頼み」って、民泊はもともと宿泊需要のキャパ溢れ対策ですよね?民宿ほどの基礎もないのですけど?
もちろん、宿泊費なんて安いに越したことはないわけですし、宿の夕食よりも地元の総菜や食堂がいいという嗜好もあるとは思います。とはいえ、そういう方向性にはもともとウィークリーマンション(あるいは安くなくてもよいならビジネスホテル)あたりがあるわけで、パート労働者やフリーランスと同じで、民泊という制度に需要の増減に対する安全弁以上の意味はありません。
もっとも、事業主としては始めてしまった以上なかなか止めにくいのも確かで、「新潮流」があるものならすがりたいという考えはあると思います。とはいえそこに踏み出すかどうかは、慎重に判断すべきでしょう。そもそも出処進退が簡便なのが制度が簡便な民泊の特徴のはずなので、需要を見込んで建物でも建ててしまったというのでもなければ、事業変更を考えた方が良いと思います。ブームにうっかり踊って引きどころを見失ってしまった場合は、まあ、自業自得でしょう。規制緩和とはそういうことです。
その上で、制度としては、需要がなくなれば民泊事業者を切り捨てるという既定路線を進むか、本筋の宿泊施設運営事業者との食い合いをさせるかという話が出てきます。値段の面では民泊事業者に分があるでしょうが(その分ボリュームゾーンのニーズに対して既存の宿泊サービスが品質過剰だったということになりますが、まあ、治安や衛生、つまり旧内務省の管轄分野についての管理機能という側面もありますからね)、価格競争で上部の事業者が市場から退出してしまった場合の問題も考えないといけません。どのみち民泊事業者がかつての民宿のように副業から本業へと移行していく場合、あるいは他の事業者との競争に参入する場合、付加価値をつけるために品質を改善し、価格を上昇させることになると思います。正直、今のうちならまだ切り捨てられる、むしろ需要が増えた場合に参入が容易になるように(その分退出や休止も容易にする)制度の整備を進めた方が良いという気がするのですが、どうでしょうかね。
まあ、民泊と言いつつ、余った部屋の活用以上のことをしようとすると落とし穴があるというのは、仕方ない話です。

■2020年07月16日(木)  土管の太さで上限が決まってしまう以上定額は可能
格安SIMでかけ放題どう実現? 通話定額にこだわる理由は──日本通信・福田社長インタビュー
「音声通話しながら、YouTubeは見ないですから(笑)。」
正しくは「見られない」だと思いますけどね。YouTubeをパソコンで見ながら通話をしている人は結構いそうな気がします。
それはそれとして、時間と土管の太さで上限が決まる以上定額は可能だという主張は十分説得力があります。データ通信のように使おうと思えばいくらでも使えるものだと別ですが、音声通信の場合要求される品質から導かれる上限もあります(本来動画配信もそのはずなんですが、サービサーがどんどんデータ量を増やすんですよね: まあ、絵の部分が飽和するまではまだまだかかるでしょう)。
音声通信でないと品質がきついというのは、実際あると思います。回線のスペックがちゃんと出れば十分な音質になると思うのですが(1GbpsあればCDレベルの音声データをストレスなく伝送できるわけですから: もちろん遅延は別の問題ですが)、混んでいると途端に品質が落ちてしまうのは問題です。音声で聞き落としたらまずい話をする方に問題があるとはいえ、ニーズがある以上対応できるに越したことはないでしょう。
データ通信の「おかわり」という考え方は、言葉通りであれば面白いと思います。というか、プリペイド式の支払いが定着している地域では、そちらが普通です(つまり支払い済みの枠を使い切ってまだ必要ならその都度支払いを追加する)。月単位で契約を変更しないと上限枠を増減できないという方がおかしいのです。もちろん使い切って当分これ以上必要ないやとか今は節約と思えば、追加をしなければよいだけのことです。

■2020年07月16日(木)  ずらせますかね?
「リアルタイムの混雑情報」提供サービスを拡大 JR東日本、東海道線や横須賀線など
どうしてこう微妙なサービスに逃げるかね。
いや、終電間際なのに混雑情報とか流されても、他のに乗る選択肢なんかないわけです。出勤時だって似たようなものです。首都圏の列車を平日全席指定にでもする方がまだしも効果があるのじゃないでしょうか。「指定が取れなかったので今日は自宅勤務にします〜」とか。通勤者向けの住宅地をやたらと作っておいてラッシュの緩和にご協力をなんて、どういうマッチポンプか。いやまあ、主犯は私鉄各社と不動産屋ですけどね。

■2020年07月15日(水)  ソフトウェアの宿命ではありますけどね
Suica復旧のお知らせ「モバイルSuica」アプリ、不具合で一時停止 15日18時に復旧予定
モバイルSuicaでシステム不具合 復旧見込みは18時ごろ【復旧】
モバイルSuicaに障害、チャージなど一時停止
どうも決済用ICカードとしての機能ではなく、チャージなどを行うアプリ側、それもアプリ自体ではなくサーバー側の問題だったようですね。
まあ、トラブルが出てしまうのはソフトウェアの宿命ではあるのですが、みっともないよなあ。ちゃんとレポートが出るでしょうか。それとも復旧したのでいいですよねでしょうか。

■2020年07月15日(水)  アイコン化しててもダメなんだ
電子書籍ビューアーを起動した状態で別のウインドウのスクリーンショットを撮ろうとしたところ、キャンセルされました。もちろん、ビューアーがコンテンツを画面に表示している状態で全画面のスクリーンショットを撮った場合いろいろと問題があるわけですが、まさかアイコン化した状態で別のウインドウについて操作した場合でもキャンセルされるとは思いませんでした。まあ、フックが状態をチェックせずにとにかくコピーのオペレーションをキャンセルしているだけなのですが、少なくともこのビューアーで資料を表示するのは絶対嫌だと思いました。

■2020年07月15日(水)19:35  でも財務指標って所詮表面的な数字でしかないですよね
「トヨタVSテスラ」の構図は本当か? 「時価総額」という数字のマジックにだまされるな
まあ、時価総額が株式市場の期待の総和でしかないことはその通りだと思います。実質的には株式時価と等しいわけですが、これが「ファンダメンタルズ」と比べて割高か割安かという見方をするにしても、時価総額なり株式時価なりが等しいからと言って経営状態が同じだということにはなりませんし、そもそも直接的に経営状態を示す数字でもありません。時価総額を重視する投資対象の評価というのがばかばかしいというのは、まあ、正しいでしょう。
とはいえ、その「ファンダメンタルズ」、つまりPERやROIなどにしても、ただの数字でしかないことには変わりがない気がします。結局のところ、ある期のパフォーマンスというのは偶発的な要因に左右されるものでしょう。ベンチマークを決めてある程度の期間についてみるならば事業の状態や経営能力を示すものとして見ることも可能でしょうが、だからといってそれが来期のパフォーマンスを示すわけでもありません。
また、こうしたインデックスによる評価というのも、本質的には投資とは関係がないものです。市場で株式を買うというのは支配か投機を動機とするものであって、創立時の出資や、百歩譲って増資の際のような、投資とは異なります。というか、出資や増資への応募であっても、相当長期間の配当(一応利益分配が配当であるとして)なり百歩譲って精算時の資産分配なりに期待するのではなく、ある時点で持ち分を売り払う、もしくは時価の増大を期待するような形であれば、それは投資ではなく投機です。投資というのは手持ちの資産なり生産財なりをどう使うか、どんな事業に投じるかという決定の意味であって、そこから利子なり売り払い価格なりが生じるかどうかは本質ではないのです。極論すれば、市場で売って精算できてしまうような資産は投資の対象ではありません。というか、そもそも出資の時点ではこの手のインデックスというのは一切不明です。数字があるとしてもただの見込みでしかありません。
あるいは、ある株式が上場廃止になった場合でも、投資は終了していないとも言えます。終了するのは精算されるか100%減資された場合です。上場廃止の時点でその株式はほぼ売り払い不可能となってしまいますが、会社や債権者団体が無価値ないしは事業の終結を宣言しない限り(つまり厳密な意味での破産です: 出資分が吹っ飛ぶというのはこの話です)、少なくとも事業に対する支配権、ないしは事業が再建された場合の分配請求権という内実は残ります。
とはいえ、他人の評価をどうこう言わず受け入れて短期的な投機を行う場合、株式時価(の推移)や時価総額はそれなりに意味のある指標となりえます。少なくとも増資のない状態で時価総額が短期的に増えている株式の方が、そうでない株式よりも後で高く売れることが期待できるでしょう。もちろん、株式時価総額が増えているからと言ってその会社の社債を買い入れるのはおかしいのですけどね。

■2020年07月15日(水)  端末価格は大事だけど
「安い5Gスマホを増やしていく」ドコモ吉澤社長インタビュー
まあ、端末の店頭価格が2万円くらいでないと買いにくくはありますよね。2万円なんていう反射神経と第一印象で選ぶような買い方をする値段でよいのかとか、表示価格が1円や0円というのはどうかと思いますけど、桁数に驚かれてそもそも買ってもらえないのでは良くないですし。

■2020年07月14日(火)  「わかる人間がもう社内にいない」って怖くないですか?
名機PC-98いまだ現役 在庫1000台専門店に迫る
まあ、どこぞの10万円パソコンと違って、そうそう壊れたりはしないのです。多分、DOS/V初期の頑丈なAT互換機やハイエンドの旧式Macintoshも現役のものがあると思います。そのシステムを使い慣れた人にとっては、別にWindowsやOS Xでなくてもかまわないのです。
とはいえ、そういった旧システムが動いているというかそれを動かさざるを得ないというのは、そもそもその企業がシステムの更新を怠ってきたということでもあります。本来たいしたことをやっているわけではないはずで、ハードウェアを含めても遅くとも2000年くらいには完全にPC-98を置き換えられる状況が整っていたはずです(タイミングの取り方がシビアなものは話が別ですが、それはむしろFPGAでボードレベルの制御に置き換えられたはずです)。それができていないというのは、動いているからいいや、中身がわからないからいじれないで放置されていたということです。ゆりかもめの件にしても、なぜ2020年になってやっと置き換えになったのかには疑問があります。もちろん公共交通機関ですから安易な置き換えは禁物ですが、それでも今回お役御免となったPC-98自体は、もしかするとノートになる前のバージョンから引き継いだかもしれませんが、せいぜい数年程度の開発期間で現場に投入されているはずです。それを2020年まで使っていたということは、後継システムの開発がなかなか進まなかったか、そもそも置き換えを考えるようになったのが2010年以降ということです。遅すぎます。
自分で作ったシステムで何をやっているかはよくわかっている、あえて新しいシステムに移行する理由がないというならまだしも、中身がなんだかわからないシステムが動いているようなところに物を発注したいとは、私は思いません。まあ、製品がちゃんとできていればよいのではありますが、プロセスの問題を放置してあるようなところは意識に問題がある、プロセスをちゃんと把握・制御できていないというのが普通の評価です。もちろん今時工作機械の中身など作業員は把握していないものではありますが、呼べばメーカーのエンジニアが駆けつけてくるならまだしも、ジャンクショップでパーツを漁らないと動かないのにそもそも漁る知識がないなどというのは、発注先として問題がある、怖い話だと思います。

25年ぶりに里帰り! ゆりかもめで使われていたPC-9801がNEC PC米沢事業所へ
いい話っぽいですが、メインシステムの更新まで動けばいいやと生産終了したモデルを使い続けてきたことは変わりませんからね?これがデスクトップでインターフェースボードのところでハードウェアの互換性がないというなら苦労するでしょうが、PC-9801Nなんてさほど特殊な拡張インターフェースは用意されていません。2006年のシステム更新の際にせめてDOS/Vに移植する程度は可能だったはずです(とはいえ、この時点でDOS/Vも事実上ディスコンなんですが)。まあ、もしかしたらATOにはフロッピーディスクドライブがついており、直近のログがそこに書き込まれるが、それがPC-9801仕様だったというだけかもしれませんけどね。で、適当なタイミングで引っこ抜いてPC-9801で読む。記事を見る限り1台だけではなく、共食い整備状態の機材が数台動いていたのだと思われます。個人的にもWindowsでやりにくくなったハードウェア制御を何で代替しようかと模索していた時期なので、代わりになるものを見出しがたかった事情は分かりますが、2006年ころならまだあったはずの2HD-98対応3モードドライブの導入も含めて、リスク管理に問題があると思います。
「今回、ゆりかもめさんが使われていたPC-9801を引き取ったことで、『うちにも古いPC-9801があります』というご連絡も頂きました。が、残念ながら、パソコンの引き取りは基本的には行ないません」
でまあ、これは当然ですね。「ゆりかもめ」で使われていたから展示という話になったわけで、匹敵するくらいの武勇伝を持つものでないと引き取ってはもらえないでしょう。とはいえ、歴史に残るような用途に使われた98系コントローラーはまだ残っているはずで、理系学部の学生さんや精密加工系の工場にお勤めの方は実験室や作業場の棚卸でもしてみると良いかもしれません。

■2020年07月14日(火)  聞いたことがないって何ですか
陸上イージス「ブースター問題優先、本末転倒」前統幕長
こういう話が出てくること自体は健全だと思います。ブースターが落ちて民間人を傷つけかねないから中止するでミサイル迎撃自体に代替案がないのでは(いやまあ、イージス艦をもう4隻も作ればいいだけという話はありますが)、ミサイル防衛を立案した側としては言いたいことは出てくるでしょう。
とはいえ、「ブースター落下が配備の支障になるなど在任中に聞いたことがなかった。」というのはどうもひどいと思います。もちろん撃ち落とす方が主眼なのは当然ですが、ブースターを切り離す以上それはどこかに落ちるわけです。うっかり演習弾や撃ち殻を演習場の外に落して問題になっているのは制服組でしょう。河野さんは海自だからあまりイメージがわかないのかもしれませんが(海自は実弾演習しにハワイまで行ってますし)、防衛省の前に陸自出身の幕僚が気づくのが自然です。仮に本番でそんなことを気にしていられるか、政府が補償金でも出せという話になったにせよ、立案部門(統合幕僚会議というのは指揮部門ではなく立案部門です)のトップが知らないでは済まないと思います。

■2020年07月14日(火)  1年や2年CPUの性能で先行したところで変わらないと思いますが
元Mac開発トップ、インテルもArmプロセッサ開発を余儀なくされると予測
どうでしょうね。アーキテクチャレベルでx86がARMに追い抜かれたのかどうかでしょう。単に製造技術や最適化技術の問題なら、Intelがx86で追い付いてくる可能性は十分にあります。
一方で、スマホやAndroidタブの製造も手掛けているメーカーにとって、ARMへの移行コストは下がっている点も事実です。ARM向けの製品ではApple(とGoogle)に完全に後れを取っているMicrosoftですが、x86エミュレーションをしてもオフィスを動かす分には性能があり余るようなCPUが出てくれば事情は変わるかもしれません。Appleが互換機を許すことは考えにくいですし、Androidがデスクトップでまともに使えるようになることも考えにくいですから(そりゃ、根性を入れれば移行できなくもないですけどね)、ARM版Windowsがx86用アプリケーションも含めてどこまで快適に動作させられるようになるかだと思います。

■2020年07月14日(火)  在庫をため込むより違約金を払う方が安かったと
アップル、サムスンに1000億円の違約金支払いの噂。iPhone販売不振のためか
売れなかったことは問題ですが、買わなかったということは在庫は増えていないわけで、在庫保管や在庫処分によって発生する損失よりも違約金支払いの方がましだったということでしょう。中小企業の博打と一緒にしてはいけません。Appleはお金を支払うだけで新しいモデルの販売に注力でき、サムスンは発注が期待ほど来なかった分を違約金で補える。これも一種のWin-Winではないでしょうか。

■2020年07月14日(火)  そういう結論ですか
テレワークの「リバウンド」はなぜ起きる? 「意識が低い」で片付けられない構造的な問題
まあ、分析は理解できますし、妥当だとも思います。加えて言えば、中小企業ほど零細な取引先を足で回る商売をしていることが多いでしょう。そこをすっ飛ばして内勤だけテレワークにしたところで、そもそも事務部門の規模が小さい中小企業ではあまり意味がないとも言えそうです。これは、国を問わず同じと思います。テレワークへの対応は、中小企業よりもむしろ自営業や個人事業の方が速いかもしれません。人件費負担が低く設備費や役務費に資金を投入しやすい面があるからです。
とはいえ、中小企業を整理して規模を大きくすればよいという結論には肯けません。資本規模はともかく、人員規模の大きい企業というのはそもそも不効率だからですが、そもそも中小企業がテレワークを導入しないのが導入コストが高い(おそらく人員規模が大きいほど効率が良いというか、人数が増えてもさほど費用が増えない)からだとすれば、導入できるほどコストを下げることこそ商機だからです。テレワークというのは事務所に出なければよいというのではなく(事務員であればそういう話ですが)、そもそも移動を最小限にしようという話です。30kmも電車に乗って都心の事務所に出勤するとか、直径50kmのエリアをルートセールスするといった話は止めて、おしゃべりで済むなら通信回線上で済ませましょう(おしゃべりが定型文書のやり取りになればなおいい)という発想です。一方で、距離を超越してシーズとニーズを結び付けよう、集積を都市以外の場に移そうという発想でもあります。この発想の下では、とにかく地場の需要への対応を前提とする中小企業は不利になりますが(書籍通販やコンビニチェーンの発達を直接の契機として地場の本屋が衰退したように)、ニッチなニーズのセグメントが距離を超えて成立するということでもあります(電子ゲームですらまともに成立しなかったデータ販売がインターネットと巨大ネット流通インフラによって個人レベルで可能となったように)。大資本のニッチマーケティングがだいたいにおいて失敗している一方で、ニッチを足場に大企業に成長する企業もあるわけです(まあ、だいたいは大量の資本を集めて一気に大規模展開するところの方が有利なのですが、こっちは保護する必要はないです)。中小企業を淘汰するのであれば、大企業に吸収整理するのではなく、その人員が元の企業(と経営者)という殻を捨てて、それこそ地理的所在に関わらないコネクションとニッチに基づいた新しい中小企業を起こす方向で考えるべきでしょう。その時に、テレワークにおいても基盤となるリモートコミュニケーションツールが大企業向けの、つまり最小構成100ライセンスからなどというものしかなかったらどうなるか。中小企業はセキュリティに問題があるから取引しない、リモートコミュニケーションの規格を満たさないから取引しないなどという事態が起こりかねません。結果は、良くても中小企業の東京一極集中、つまり対面のコネに依存したビジネスで生き残る中小企業と電気通信網を活用してグローバル展開する大企業への分化です。ついでに言えば、テレワークの実施比率が大企業で高いのは、そもそも生産設備を持たない管理とソフトウェアだけの事業であるため従業員が設備のあるところに集まる必要がないということもあると思います。店舗や工場といったリアルに集まらないと意味がない設備は、とくにアメリカにおいて中小企業に偏っているはずです(まあ、大工場が高賃金と労働運動を嫌った経営陣によって海外移転したためもありますが)。
テレワークというよりも在宅勤務がリバウンドすることは避けようがありません。それはむしろ、「テレワーク」という発想が間違っているからです。リモートワークの普及は、不正規雇用のために東京に行かなくて済むというあたりにあるように思います。

■2020年07月13日(月)  どこが新しいのだかわからない…
3D印刷中の失敗を自動発見しその場で修復する技術をNASAが支援。月面基地建設など応用可能
いやまあ、確かに終わってみたら失敗していたというのはショックがデカいと思いますが…でも3Dプリンタの原理からして、一層終わったらカメラかレーザースキャンで形状を精査して対応する断面と照らし合わせればいいだけですよね?高速でできるかどうかは問題ではあるでしょうが…修復だって、欠陥が出た部分についてもう一度吹付をすればよいだけでは?まあ、何らかの理由で定着が悪くて、どうしても失敗する状況はあり得ますけど。まあ、吹付が終わった後の定着段階で欠陥が出ることはあり得るのか。とはいえその場合修復するよりはやり直した方がはやそうですが。
塗料を現地で作り出すよりは(というか玄武岩を溶かしたといってもノズルに詰まりそうだし)ガラス板でも作ってテントの要領で構造物を作るとか、ガラスブロックを作って削り出しで成型する方が手堅い気がするのですけど、ノズルを動かすだけで構造物が作れる方がうれしいのでしょうかね?

■2020年07月13日(月)  手形?
日本でお金の預かい!
確かに日本の取引習慣では現金取引が根強いのですが…手形?つまり小切手?か為替?
いわゆる英語のcheckだと思うのですが、さすがに手形は扱えなかったような気がするのですが…もしかして郵便局の振込とか、あるいは紙ベースではないけれど銀行振り込みでしょうか?あれは、checkではなくてinvoiceだと思いますが。たしかに、あの手書き前提の用紙が郵便局のATMで処理される様子は、印象的かもしれません。コンビニでも、紙の請求書をPOSレジで処理して現金で払いますしね。現金以上に、とりあえず紙で実装してしまう文化というのも言われてみればすごいかもしれません。携帯電話のカメラでQRコードを読み取って支払いというのも、ある意味こだわりですし。やってることは、バーコードの類であまり高度ではないのですけどね。裏側は、スウェーデンとたぶん同じで決済会社がある程度まとめた上での銀行間送金(ただし個人口座ではなく料金の支払いを受けた窓口店やコンビニフランチャイザーの口座と請求者の口座間での送金)です。
というか、非英語圏の人ってもしかして英語の商業用語をかなり間違って覚えていませんか?個人的にも、以前receiptを寄こせと言ってinvoiceは出すと言われて悩んだことがありますが(そして支出証明書類としてそのinvoiceを提出して首を傾げられた: そりゃそうだ)、基本的にはinvoiceを受けてcheckを振り出し、receiptを貰うという流れのはずです。日本語で言うと、請求書を受け取って小切手ないしは為替を振り出し、それを請求者に渡すことによって領収書を貰うわけですね。厳密にはcheckを振り出すことによって支払い義務を金融機関に移転するわけですが(つまりcheckを貰った請求者が金融機関にそれを提示することによって支払いを受ける)、現代の通貨理論においては現金も中央銀行や税務署に「借り入れや税金の残高をこれで帳消しにしてくれろ」と言うためのcheck扱いなので(ただし無記名単位額面ですが)、エンドユーザーレベルであまり気にすることでもないでしょう。とはいえ、さすがにinvoiceやreceiptをcheckと間違えると恥ずかしいと思うので、スウェーデン政府には英語教育の改善を期待したいところです。

■2020年07月13日(月)  他人の振る舞いというのは変に見えるもので
はーい皆さん、強行突破はやめて〜 ベトナム・ハノイの踏切は「柵」だった
日本の通勤ラッシュもこんな風に見られているのでしょう。
というか、踏切に無理矢理突っ込んでいく人は昔の日本にもいましたし、そんな人がいる状況で無人化すると危険ではあります。日本同様に、踏切解消策、つまり道路のトンネル化や線路の高架化への移行が図られるのではないでしょうか。さすがに、駅自体を都市の外に出してしまってバスにすることはないと思うのですが…

■2020年07月13日(月)  アップデート来ませんね
もうすぐ準備が整いますと出るようになってすでに一か月以上経つと思うのですが、Windows 10のアップデートがなかなか降りてきません。新しいモデルだとさっさとアップデートがかかっているのでしょうか。
0717
着たようです。

■2020年07月11日(土)  うしろめたいことはうしろめたいままにしておいてほしい
ぼくらの昭和オカルト大百科 70年代オカルトブーム再考 (大空ポケット文庫)
まあ、怪しげで後ろめたい部分も含めて懐かしいという感覚は理解できます。その意味で、下世話なものを含めてフィクションや通俗ノンフィクションのような娯楽を排除したいとは思っていません。
とはいえ、1980年代以前とは時代が違うと思うのですよね。あのあたりまでは、そもそも紙媒体・電波媒体の商業出版・放送に乗る以外には、うわさなりサークル機関紙なりという制御可能な流通範囲が極めて狭い形態でしかそういったものを提供できなかったわけです。だからそういうものを世に問いたいと思えば商業出版や商業放送に乗せる以外なかった。「見世物」と「報道メディア」が両立したのはその状況でのことです。今は、商業出版にしろ放送にしろ、権威の面を表に出しています。娯楽では「下らないおもちゃで無用のもの」、「色々保護されるに値しない」と言われかねないからです。今やネットという廉価なメディアを得た通俗娯楽、日陰の言説に対して出版は文化だ、放送は文化だと言うなら、通俗娯楽や日陰の言説に権威を付与するような振る舞いは慎んで欲しいものです。
それでもやっぱりその手の娯楽読み物や怪しげなネタを掲載する。だって売れるから。例えば文学賞のような権威に乗っかってそういう作品を売る。だって儲かるから。売れるとか儲かるとかが悪いとは言いませんが、それで文化だの良識だの言われても困りますし、子供がターゲットだからと学習教材と変に粉飾した怪しげな娯楽読み物を併売されても困ります。ええ、お宅のことです。小学館さんと学習研究社さん。そして新聞各社さん。もちろん放送各社さんもそうです。お宅もですよ、日本放送協会さん。あの内容が「公共」放送にふさわしい番組だとは全く思えませんから。もちろん、大学で英語の教材に都市伝説本を使ったあの先生にも含むところはあるのですが、よりによって授業で不愉快な内容を読まされたというレベルなので後回しにします。問題は、例えば授業に役立つと言った口を拭いもせずに宮崎駿や手塚治虫のようなオカルティストを誉めそやすことです。もちろん彼らは素晴らしい作家です。少なくとも少女趣味のオカルティストだったからと言ってアーサー・コナン・ドイルの作家としてのすばらしさを否定する人はいないでしょう。ついでに言えば、わたしだって奈須きのこや古いけど平井和正なんかは好きです。突っ込みどころはたくさんありますけど、娯楽としては、魔法だろうが呪術だろうが、ナチズムだろうがスターリニズムだろうがいいじゃないですか(いや、奈須さん、ナチズム秘かに好きですよね: オカルティックな部分であるにしろ)。しかし、例えばアーサー王伝説を事実と見做すような言説を権威をもって公認してはおかしいでしょう。ならば、馬鹿の一徹でトロイア遺跡群を掘り当てたシュリーマンやヨーロッパ文明優位に凝り固まった挙句に印欧語族やアーリアン学説を提唱するに至ったジョーンズを褒めるのも同じことですし、宮崎や手塚の作品がオカルティックな、あるいはミリタリーな妄想に満ちている点を等閑に付すのも同じことでしょう。妖怪趣味は構いませんが、生活科の授業で妖怪を分類させるような行為は、たとえそれが文化の尊重であっても慎むべきです。
文学部出身の人たちには申し訳ありませんが、たとえシェークスピアや小川未明であっても、小学生に文学は良くないと思います。これは小学六年生のころに教室の本棚に置かれていた古事記の現代語訳をうっかり読んでしまった感想です。ああいうものは、親に隠れてこっそり布団の中や押し入れの中で読むのが良いのです。放送でもせいぜいが深夜枠で流れるべきものであって、夕方に流れるべきものではありません。文学趣味の親と宮崎駿の作品論を語るのは、せいぜい酒が飲めるようになってから、彼のロリコン趣味を直視した上でにすべきです。この点で日本放送協会の子供向け番組も同じで、正直クレヨンしんちゃんの劇場版の方が「あんなものに一万円も出せるか!」と子供を連れていくのを断れるだけましです。個人としてはガルパンの劇場版も見に行きますが、あれに子供を連れて行く人がいたら正気を疑います。大洗に行くなら、家族でアンコウ鍋を堪能したうえで、子供は奥さんに押し付けて鹿島スタジアムにでも行かせたうえで、こっそり立て看板を鑑賞するのが筋です。文芸系の文化趣味というのは、そういう後ろ暗いものなのです。けして天下の言論の公器などで堂々と流通するようなものではありません。ノーベル文学賞作品だろうが、ネットの小説サイトで閲覧されるのが似合いです。

■2020年07月11日(土)  やってることは筋が通ってるはずなんだけど妙に胡散臭い
マンション内のVDSL配線を光配線へ、無料でタイプ変更工事〜NTT東日本
いやまあ、戸別契約なのに光なのはマンションのEPSまでで各戸への引き込みはVDSLやEthernetというのがそもそも胡散臭いので(やっぱり胡散臭いけど、最近流行っているらしいネット付きアパートの方がまだしもまし)、それが自分のスペースまで光ファイバーで来るのも、光配線用の配管などは所有者側が負担するというのも筋は通っているのですが(本当は光配線自体所有者負担で配線するのが筋だけど、それで不適合なものを使われたらたまったもんじゃないのでしょう)、胡散臭く感じるのだろうとは思います。IPの理屈で言うなら、アクセス用の光回線の接続口から各戸への配線までは共有部分で、その両端にルーターなりブリッジなりがあるはずではあるのでしょう。アクセス用光回線がつながるのは共有のルーターかハブということになるはずです。まあ、NTTの理屈としては物理層を含めたアクセス回線部分は(各戸への光配線も含めて)NTTの商売に関わる部分で、ユーザーの都合でその上をIPを通しているにすぎないということになるかとは思います。個人的には欲しいのはIPの通る高速データ通信回線で、NTTの商売に関わる部分はどうでもよく、むしろそこを押さえているNTTにさすがは元は公的独占事業だよなあなどと思わざるを得ませんし、そのあたりも胡散臭さを感じてしまう一因ではあるのでしょう。

■2020年07月11日(土)  いやでもそれ会議じゃないよね?
人はなぜリアルタイムで会議をしたがるのか
「可能性があるとしたらAIの介在だろうか。自分が言いそうなこと、反応しそうなことを徹底的に学習させた自分のクローンをAIで実現できるのなら、そのAIを会議に出席させて議事に参加、あとで都合のいい時間に議論の結果だけを参照すればいい。その是非はともかく、将来的にはそんなこともできるようになるかもしれない。」
座談会やブレーンストーミングあたりなら別ですが、会議というのは議論を尽くしたうえで何らかの結論を出すものですよね?結論に影響を与えると思うから議論に意味を見出すわけですし、会議に参加した以上結論に異議はないはずだと言えるからこそ「委任状」などというものが意味を持つわけです。それをAIに任せて後で経過と結論を参照などした場合、「うちのAIが何を言ったかはともかく、そんな結論に同意してはいない」などと言う余地が生まれてしまいます。これでは会議になりません。もちろんAIであれ参加した以上は拘束を受けるというのもルールとしてはありですが、きっちり根回しの済んだ顔合わせならともかく、迂闊に委任などしたら何を決められるかわからないから顔を出すわけで、そこにAIを出して手際よく議事妨害にでも及ぼうものなら、相当なしこりが残ります。
会場に閉じ込められて一定のコンテンツに注意を向けさせられることによるマジカルな効果もあります。顔色を読みあう以上に、場を同じくしている、注目しているという意識がコンテンツの受領や解釈にも影響を与えるわけです。効果的に演出に用いたのがリヒャルト・ワグナーだなどと言うとトンデモ系トリビアになりますが…まあ、イベントにおける群集効果というのは割とポピュラーな心理学ネタではあります。こちらは仮想化できますけどね。
その意味では、なぜリアルタイムでないといけないのかなどと言ってしまうと色々みもふたもないことになってしまいます。コロナ禍があぶりだしているわけではありません。それこそ、なぜMMO系ネットゲームなどするのかという話です。
個人的に嫌っているという点はともかく、する側もされる側もそれがわかっているからこそあえてリアルタイムの形に持ち込むのであり、したがって参加者がリアルタイムに参加する(もしかすると感覚的な時間加速くらいはするかもしれませんが)点は変わらないだろうと思います。もちろん、そんなのは嫌だという人が多数派になればなにがしか変わるかもしれませんが、どちらかというとそういう人は世捨て人でしょう。

■2020年07月11日(土)  DIYの総合通販サイトが欲しい
工具や材料というのは、それこそステンレスの六角頭全ねじボルトだけで材料や寸法の違いでカタログが分厚いのが一冊できてしまうほど多様です。ホームセンターなどはその中からよく使われそうなものを選んで在庫していますし、工務店などは自分たちが使うものを決めて在庫しています。
このため、自宅の補修をしようと思ったらホームセンターに材料がないというのはしばしば起こることです。よくあるのは、ネジ、パイプ、飾り板あたりでしょうか。種類が多く目に触れる部分にも使うため、材質が違っていたり、異径の継ぎ手などは微妙にサイズが合わなかったりします。工務店と違って頻繁に使うわけではないため、箱単位で買うわけにもいきませんし、まして小売りや卸を説得して欲しい品を注文するのも一苦労です。
それが通販とクレカ決済によって大きく変わったわけです。なにしろ所詮材料ですから、近所のホームセンターでは年に一回出るかどうかでも日本全国では日々数百個が取引されます。店に陳列するとなるとことですが、倉庫に在庫しておく分にはあまり問題がありません。買う方も、さすがに500個箱だと買うのに躊躇しますが、50個箱くらいなら買ってもよいのです。
しかしここで問題になるのが、通販の場合専門性が高いということです。それこそ卸レベルまで、金属管専門といった感じで、例えばティーと異径アダプタとホースとホースバンドを買うといった感じにはなかなかなりません。なるところに行くと、ホームセンターと同じで在庫しているものが限られます(それでもリアル店舗より種類が豊富なことが多いですが)。せめて水道配管とかエアコン配管とかいう括りで網羅性の高いところがあると、便利なのですが…やはりモノタロウですかねえ?あそこやミスミは少し敷居が高いのですが。

■2020年07月10日(金)  とりあえず現代建築にはならないらしい
ノートルダム大聖堂、尖塔は元の姿に 仏大統領が再建案承認
いやまあ、ある意味当然というか、少なくとも直近のと変えちゃったら世界遺産指定を解除されかねませんよね。
現代的なデザインを取り入れたいならエリゼ宮を改築して総ガラス張り、外から丸見えにでもすればよいわけで、今さらナポレオン三世を気取っても仕方ないと思います。

■2020年07月10日(金)  今更Webサイト?
文章を『読みやすいレイアウト』に変換するWEBサイト、DNPが公開
いや、Webサイトではなくウィジェットとして公開してくださいよ。こういうものはスマホだから、タブだからでは済まない、できればプログラマーからは同じ操作で扱え、ウィジェット側でデバイスに合わせてレイアウトを調節してくれるのがありがたいのですから。

■2020年07月10日(金)  だからパソコン屋はって言われるんじゃないかな
医師、看護師の6割超「現状の電子カルテシステムに課題感」 医療システムへのニーズ調査
遅いのは老朽化のせいって、そもそもパソコンのシステムが老朽化するなんて普通の人は思いませんし、ほぼ確実に処理速度低下はソフトウェアの設計が悪いせいだと思いますよ。長期間運用していけばデータは増えますし、インデックスだって時々メンテナンスしないと効率は低下します。電子カルテシステムで、定期メンテナンス制度を設けている病院がどれだけあるか。もしかすると専任のSEがいない病院というのも案外多いかもしれません。むしろ受注側がそういった条件で性能が低下せず(ないしはスケーラブルであるようにし)、あるいはホットメンテナンスが可能なように設計しないといけなかったのです。10年前というと2010年ですから、大型機や計算機アレイで無停止システムやミッションクリティカルなシステムの経験は十分あったはずで、そもそも受注側の認識が甘かったと考えざるを得ません。まあ、ワークステーションやパソコン出身の開発者ばかりたくさんいてミッションクリティカルなシステムを知っている技術者が少なかった可能性はありますが、それでも業務を分析する際にそもそもカルテシステムが止まったら診療も止まるという認識くらいは持てたはずです。またそれこそパソコンUNIXやWindows Serverベースでも、ノード単位でホットメンテナンスを可能にするシステムは2010年以前から存在しています。
それこそそのあたりからクラウドが流行りということでサーバー屋さんの層も厚くなってきたかと思っていたのですが、厚くなったのはフィールドエンジニアで、アプリケーションエンジニアはクライアントサイドのWebアプリとExcelマクロから進歩していないのではないかと、少々絶望しかけました。

■2020年07月10日(金)  そもそもデスクトップサーバーじゃないのでは?
Huaweiのサーバー向け7nm Armプロセッサ「Kunpeng 920」の実力
いや、これはちょっと…ベンチマークのスコアがしょぼかったのはお気の毒様として、使えるパッケージがないというのはそもそも入れようとしたパッケージが不適当だったのではないかと思えてなりません。httpdやdbmsだったらちゃんと動くものがそれなりにあったのではないでしょうか。もちろん、デスクトップサーバー、つまりデスクトップアプリケーションを動かすための機材であればそれではまずいわけですが、スペックを見る限りそうは思えず、むしろバックエンド向けのソフトウェアを動かすためのものではないかと思います。まあ、それでRadeon RX 550なんぞ搭載していたのは謎と言えば謎ですが、これもスペックから見るにハイエンドというよりは申し訳程度のグラボでしょう。つまりデスクトップでワークステーションとして使うためのものではなく、トラブルシューティングなどの際のための非常用画面出力ではないでしょうか。
「最後に二斤自制さんは、「2016年以来、(中国)国産CPUと国産OSが叫ばれているが、ようやく0から1になった。しかし1から10、10から100になるには、さまざまな問題があり、1つの企業やグループだけではなし得ない。Appleのようにスムーズにx86からArmへ転換が行なえるわけではない」とまとめている。」
というのは、いささか厳しい評価であるように思えます。

■2020年07月10日(金)  いい加減ハイエンド機はチラー装備の方が良いのでは
10コア超えCPUはこうして冷やせ! 簡易水冷の基礎知識
まあ、これは簡易水冷の話なので筋違いとは言えます。
とはいえ、水冷の話が出てからかれこれ20年にはなるでしょうか。もう少し短いかもしれませんが、その間ずっと、ラジエーターを空冷するという航空機エンジンや自動車エンジンの液冷か空冷かみたいなレベルの話に留まっているのは、据え置き機材としてはどうなのかと思うわけです。空冷ではICから発生する熱を熱伝導グリースや金属を用いてラジエーターに伝達しているわけですが、水冷・液冷ではここに冷却液が入ります。つまり、金属の熱伝導では不足する熱移動速度を冷却液自体を移動させることで補うというのが水冷の発想です。
しかしながら、据え置き機器本来の水冷の意味合いは異なります。水冷式の据え置き機器の場合、ほぼ確実にチラー、つまり冷却液をヒートポンプによって冷却する機材が含まれます。ヒートポンプによって外気温に対して20℃以上冷却された冷却液が絶大な冷却効果を発揮することは言うまでもありません(冷却液の温度調節機能がある場合を除き、比較的気温の低い状況では不凍液を使うことが推奨されます)。その代わり相当な電気を食います(まあ、仕組み自体は冷蔵庫やクーラーなのでね)。メリットとしては、冷却速度の向上のほかに、ラジエーターや外気温による動作の制約が減り、機内の要求スペースが小さくなることでしょう。なにしろでかいラジエーターにファンをぶん回して空気を当てる仕組みを筐体周辺に置いていたのが、エアコンみたいに室外機と分離できてしまうわけです。またチラー側のラジエーターではヒートポンプが冷却液から強制的に奪い取った熱を放出するためラジエーターの温度が高くなり、結果として熱輸送効率が高くなります(その分ラジエーターの前にいると熱風をかぶることになります)。つまり、放熱フィンからの自然放熱に頼っているよりよく冷えます。
もちろんそれなりに大きな付帯設備や電力が要求されるため、ミドルクラス以下のコンピューターに適用できるものではありませんし、冷却液漏れ事故を考えるとあまり大規模な設備に使用した場合常にどこかは冷却液漏れで使用不可になっているということになりかねません。つまり、空気を強力なエアコンでガンガンに冷やし、それをダクトで直接熱源にブチ当てて空冷する方が効率的です。しかし、ハイエンドのパソコン数台くらいであれば、チラーでまとめて強制水冷というのは効果的ではないでしょうか。
いや、そのうちやってみたいとは思っているのですが、パソコン如きをそこまで冷やさないといけない状況になったことがないもので…分析装置などではチラーの運用経験があるのですけどね。

■2020年07月10日(金)  デスマ20巻
おめでとうございます。
なんかナナちゃんがエロヴァルキュリー化してます。そのうちビキニアーマーとか着せられるのではないかと気が気でないのですが…ありましたかね?
飯シーンはカレーライスだけでした。次巻に期待です。しかし、プログラマーというと馬鹿みたいに辛いカレー(や本場風四川料理)を好む人が結構いるのですが、サトゥーはどうだったのでしょう。ボルエナンではちゃんと調整していたようなので、唐辛子とコショウと山椒が満載とかいうことにはなっていないと思います。
竜神アコンカグア様、復活準備でしょうか。初セリフが「犬小屋を作るのじゃ」って、どこぞの猫神様か何かみたいでいささか気の毒ですが、まあ、サトゥーのリターンポイントですしね。とはいえ、サトゥーのいた世界ではないわけですが。
ヒカルのブートキャンプ、そういえば、安全な状況で猛訓練をさせるというネタはどこから出てきたのでしょうか。猛訓練自体は軍隊ネタで必須の古典ですが、死なないから大丈夫というのは、やはりコンピューターRPG以降でしょうかね。多分、デスペナ食らってもそれ以上に経験値を稼げていれば大丈夫的な話だと思うのですが。

■2020年07月09日(木)  タクシー相乗りだって三密には違いないでしょう
KDDI、タクシーでの相乗り通勤実験を開始――満員電車などの「3密」回避
えーと、同じ職場の人間となら安心できるとでも言いたいのでしょうか。
まあ、従業員を安全に帰宅させるところまでは雇用者の責任でもあるので、Door-To-Doorのチャーターバスとまではいかなくてもタクシーの相乗りを提供するというのは悪い考えではないと思います。もっとも、退勤中まで雇用者に拘束されたいかというのは難しい問題です。一度帰宅してしまえば、買い物に出る気など失せますしね。
しかし、本来は徒歩圏内に住宅を斡旋するのが筋かと思います。

■2020年07月09日(木)  個人宅への設置は難しいんだろうなあ
コクヨ、1人用個室「WORK POD」。Web会議や集中作業に
これはいいんです。この機会に、コミュニケーションが取りやすいからオープンやパーティションなどといった愚劣なオフィスシステムが消滅してくれれば、日本企業のコンプライアンス意識や生産性も向上することでしょう。作業スペースとしてはこの4倍は欲しいところですが、そんなものを日本の都市のオフィスに導入することは当分不可能でしょう。鶏のケージみたいなブースでも、音漏れしないだけましです。また、ガラス部分が側面であることもよくできています。ガラスであるためおおっぴらにさぼっているとばれますが、側面であるため作業用パソコンのモニタは外からは見えません。つまり、隣の人や後ろを通っていく人に見られるとまずい資料も堂々と開けるということです。よくある背面に(ガラス)扉のあるタイプだと、背面に向いているモニタが見えてしまうため、顧客の機密情報を不用意に曝すことになりかねません。この手のユニット型オフィス設備というのは、模様替えを頻繁に迅速に行う必要のある賃貸オフィスでは大変便利です。パーティションに代わって、こうしたブースがオフィス設備のデフォルトになってくれることを期待します。
とはいえ、リモートワークにおける現在の課題は、自宅で防音の環境が実現できないことです。置くスペースに問題があるとはいえ、8畳のリビングが2畳半相当になってもこの手のブースを2台導入したい共働き家庭はあるはずです。また単独世帯でも、隣室への音漏れが気になってリモートワークどころではないところは少なくありません。寝室かワンルームの片隅なりに置くことができればうれしい単身テレワーカー垂涎の装備であるはずです。ぜひとも1台10万円くらい(椅子別)で家庭への展開を進めてほしいと思います。

■2020年07月09日(木)  青年労働活動(国土建設奉仕事業)にでも倣いますか
名物鉄橋が流失、全車浸水も 募る「災害で廃線」の不安
橋が流れるくらいは予想のうちではありますが、その橋に依存している人は困りますよね。本来はそうなった場合の臨時の代替措置を講じておき、その上で速やかに復旧の手配をするのが集落レベルの政治の役割のひとつなのですが、地方自治体の広域化の弊害でもあるのか、それとも中央主導の開発政策の後遺症か、あるいはそもそも自力で橋を架け道路を造成した経験に乏しいのか、ハコモノは市や県、国、あるいは鉄道会社や道路会社が作ってくれるものだと思われています。まあ、あまり低規格の道路や橋が乱立しても問題はあるわけで、大重量の車両による長期間の頻繁通行に耐える道路システムを作ってきたという点では、日本の道路行政はなかなかのものです。とはいえその反面、施工費用の高騰や施工技術を持った建築事業者が限られることにより、一度壊れるとなかなか直らないという状況になってしまったわけで、住民にとってもなんか工事をやってて不便だなと思っていたら高規格の道路が出来上がり、車で便利に使っていたら壊れて見積もりが出てきてなんでこんなに高いんだと驚く、もしくはなぜ直さないと激高する住民に役所の担当者が予算が足りないと弁解する構図になっているようです。作るのは補助金でできてもメンテナンスをする予算がなくなったなんて話も出てきています。
正直感染症蔓延の余韻も消え去らない状況でこういう話は気が向きませんが、もしかすると1920〜1950年代のあれに倣う状況かもしれません。あれ、つまり若者の労働力を(強制的に)無償徴発し、インフラを整備するあれです。社会主義国の例が目立っていますが、アメリカ合衆国もニューディールの一環として似たようなことをやっています。当然ながら、給料は出さなくてもよいとしても、衣食住や安全衛生は確保しないといけません。つまりただではすみません。また十分とは言えない監督の下で下手をすると体が育ち切っていない素人が施工しても何とかなる程度の低規格設備になるため、現代の基準ではあくまでも一時しのぎです。幸いにこれから夏休みシーズンですし、ゼネコンの現場屋を含む建設事業の技術者にボランティアで監督をしてもらって、とにかく土を糊で固めるのでもよいのでトラックなり軽量のディーゼル車が通れる程度のものを作ってしまう。それで、とにかく本格復旧にはどの程度の費用や期間が必要かを検討する時間は稼げます。もちろん、少なくとも同程度の災害において交通遮断のような致命的な状況を引き起こさないようにする検討も含みます。調査や工法の検討で、どうしても半年やそこらはかかります。その上で政治的な手続の問題になるので、それまでにとにかく住民が税金を払える程度に経済を戻しておかないと、事態が悪化します。いえ、費用くらいなら覚悟を決めれば何とでもなるんですけどね。覚悟を決めるまでに大揉めしますから。
懸念としては、もちろん即席事業だけに行き届かない部分が出て、労働管理上の問題などが出てくるのではないかという話もありますが、それ以上にとりあえず復旧してしまうとそれでいいじゃないかということになってしまう可能性があります。本来は本格復旧までの一時しのぎで素人仕事をやるわけで、本当は十分な技術を持った施工者がじっくりしっかり施工することが望ましいのです。その時間を作るための一時しのぎなので、とりあえず間に合ってるしなどと言っていると再発どころかより深刻な災害を発生させるかもしれません。また本来土木的なインフラ整備だけでは足りず、どうせ必ず壊れるのですから、壊れにくいようにどうメンテナンスしていくか、壊れたときに一時しのぎをどうするか、復旧はどうするか、それともそこまで手間がかかるならいっそ集落を放棄するかといった話をしていかないといけないのです。正直県レベルだと、とにかく住民を着の身着のままで脱出させてしまい、適当に値切った補償だけ金銭的にして、行政サポートを打ち切った方が楽なんて話も出ている可能性があります。

■2020年07月08日(水)  好きでラッシュ時間帯に移動してるわけじゃないんだけどな
JR東日本社長、時間帯別運賃を検討 ラッシュ時間帯は値上がりも
わかるけど評価はできません。もちろん民営化から30年以上経ち、民間企業として将来を展望していくことを、希望しているのかもしれません。時間帯料金制の導入も、ある意味首都圏のラッシュ対策とも言えます。しかし、国鉄の遺産の上に成立している事業が先行きを見誤った程度で運賃値上げ、しかも国策として進められた首都圏への労働人口集中を否定し、その手段として通勤者から追加料金を徴収するというのは、どういうつもりなのでしょうか。例えばサービスレベルを下げるというならわかります。京浜東北線、上野東京ラインなどの東京駅乗り入れや、湘南新宿ラインの高崎線乗り入れ、総武・中央線直通を廃止すれば、新宿や東京駅周辺のオフィス需要が上野駅周辺などにシフトする可能性があります。一時的には乗り換えで山手線沿線に大混乱が起こるでしょうが、どうせ近郊住宅地などこれから住み替え期であるわけで、オフィスが山手線沿線に分散し、勤め先への通勤が便利な地域に住民が移動することが期待できます。新幹線については、正直東京駅を廃止し、八王子あたりを起点にすべきだと思います(北方面と西方面の乗り換えを駅内で行える点については維持すべきです: 東京に用がある人と、東京を通過していく人で、利用駅を分けてしまうわけです - 東京に用がある人は、品川なり上野なりで山手線に乗り換えればよいのです)。新幹線を降りたら丸の内でないというのは不便ではありますが、むしろ無用の移動を抑制し、通信を利用したより迅速なビジネスに移行する立場から言えば、朝一の新幹線で名古屋を出て9時から丸の内で会議、22時の新幹線で東京を発って直帰などという出張が日常化している方がおかしい、品川から東京までの移動で支障が出るような出張など止めてしまえということになります。東北・上越新幹線の東京駅直通というのは、東海道新幹線との乗り換え客が東京・上野間の在来線を使うから迷惑だったのを改善したわけで、別に新幹線の乗換駅が八王子で困ることなどありません。JR東日本が裁量で実施できるラッシュ緩和策というのはこのあたりを言うのであって、始発に乗っても勤め先の最寄り駅に着くのは8時過ぎという通勤客からラッシュタイムチャージを巻き上げることではないと思います。

■2020年07月07日(火)  セキュリティも検証してくださいよ
買って置くだけで誰でもメッシュWi-Fi! アイ・オー・データ「WN-DX1167GREX」で全部屋を強電波化
鍵探しも含めたペネトレーションへの耐性が評価されていません。効率や簡便性の評価はもちろん必要ですが、無線LANにおいてはセキュリティもホットトピックのはずです。まずこの手の評価記事から、セキュリティ評価を必ず入れるようにすることこそ、セキュリティ関連記事(製品紹介やPR記事を含む)も掲載するメディアの責任の取り方であるはずです。少なくともそこらでダウンロードできてしまうクラッキングツールで塀の外からクラックされてしまうようではまずいわけですよね。有線なら外壁に口を設けるのでもなければそんなクラックはされませんが、無線LANの場合、隣の家や集合住宅の隣接区画や上階、下階のネットワークが見えてしまいます。もちろんWAN側からの攻撃への耐性の評価も必要です。

■2020年07月07日(火)  ここのネタにするならもう少し凝りませんか?
メダカの学校は、家の中。アクアリウムはじめました
あ、ここに残虐行為に走った人がいる。愛玩用動物の飼育なんて、どれだけ大事にしてもその人のエゴ、動物を閉じ込める残虐行為ですからね。眺めて和まなくてもよいような強靭な心を身に着けるべきです。コンパニオンアニマルを買うくらいなら、まず精神科に行くべきでしょう。
それはともかくとして、ascii.jpの記事ならもう少しギミックに凝ってもよいのではないでしょうか。光らせるかどうかは動物の虐待に当たらないかどうかの検討が必要でしょうが、せめて水替えは自動化すべきです。設置に失敗して洪水になるのは、ネタと考えましょう。また水合わせもIT化すべきでしょう。繁殖対策もすべきではないでしょうか。いや、増やす方ではなく増えすぎないようにする方ですけどね。餌と合わせて、定期的な繁殖抑制物質の投入が適切でしょう。もちろんこれも、自動化の対象です。マルチチャンネルの温度ロガー(もちろんセンサーは熱電対ではなく白金抵抗かダイオード、もしくは熱電対なら基準温度槽付き)や溶存物質モニターと合わせて10万円くらいかかるかもしれませんが、それがASCIIクオリティではないでしょうか。

■2020年07月07日(火)  ファストフードショップというのは食育では日陰なんですかね
「タイミングを伺っていたら5分ぐらいたってしまった」 松屋で「ごちそうさまでした」が言えない漫画に共感の声
これ、わかるのですが、ファストフードショップってそういう場じゃないよねと思ってしまった私は、人の心がないんでしょうかね?
いや、だってテイクアウトする時ってそれこそ言いようがないじゃないですか。もしかして消費税10%だと言わないといけないのでしょうか?一膳めし屋や立ち食い蕎麦屋、ラーメン屋はとにかく一言かけるならそれでよし、何も言わなくてもそれで良し、タイミングなど気にして席を占有する方が問題というルールのはずですが、もしかしてしばらく前から流行りの挨拶運動の弊害か何かでしょうか。まあ、この手のファストフードショップって、そういう保守的な運動をする人の受けは悪そうですもんね。案外、そんなそそくさとした食べ方が前提になる空間自体悪だなどと思っているかもしれません。むしろマリネッティあたりを引いて、現代のより軽やかで敏捷な国民にとって、挨拶などという頑迷固陋な習慣は無用、効率を阻害する点で有害ですらあると主張するべきかもしれません。リストランテでコース料理をじっくり味わっているなら別ですが(むしろ給仕や料理人との会話まで楽しむべきです)、大勢が並んでいる配食カウンターで挨拶などしてはいけない、TPOだ、と教室で教えないといけないのでしょう。あ、道徳のネタが一つ出た。そもそも、子供が初めて外食を経験するのは、この手のせわしない場の可能性の方が高いはずで、そこでまごつかないようにする方が大事のような気がします。
まあ、せわしない場での声掛けについては共感はできます。格安料金で乗ったエコノミークラスでアテンダントにどう声をかけるかといった話もありますし。

■2020年07月07日(火)  数台かすめ取って横流しされた程度で相場が下がるわけはないと思いますが
「故障品の破壊動画を送って新品交換」 過激なメーカーサポートが生まれて消えるまで
記事全体の趣旨は分かります。確かに、返品交換自体コストは高いでしょうし(正直あんな捨て値でさばいている品、さっさとあきらめて買い替えてほしいのでしょうし)、送料や廃棄コストまでかかるとなればなおさらでしょう。もっとも、ユーザーとしては製品の廃棄コストは、ここまで面倒になるとメーカーに責任を持ってもらいたいのですが。メーカーごとに分別して箱詰めする手間と送料くらいは負担しますから。
とはいえ
「故障を装って入手した新品をオークションサイトやフリマサイトで横流しされれば、手の施しようがない。不当に安い値段で横流しされて相場が下がれば、売り上げにも影響が出るのは確実で、メーカーはたまったものではない。」
これはちょっと被害妄想入ってませんかね?名前入りの限定1000台とかならともかく、万の単位で売ることが前提の商品でしょう。悪質な転売ヤーが一人当たり数台かすめ取って横流ししたところで、売れ行きや相場に響くとも思えません。それこそメジャーなオークションサイトやセコハンサイトに出品についてはシリアルナンバーを確認するように要請しておき、交換で発送した品が頻繁に出品された場合に出品者を特定して対処する手続を取れば抑止策としては十分でしょう。むしろオークションや転売サイトでの価格を元に小売りに買い叩かれかねないような平凡な品を売り出す方が問題だと思います。

■2020年07月07日(火)  まあ、誰もなんで35mmがフルサイズなのかなんて考えてないでしょうね
第1回:勝手にアカギカメラグランプリ2020(カメラ編)
「私のカメラグランプリの投票は今回でおしまいかもしれないけれど」
いや、このタイトル、レンズ編とアクセサリー編で後最低2回くらいつなぐつもりでしょう?実はお盆明けまでの原稿できてますね?
「高画素機でたくさん撮影して、ほとんど変化のないコマが並ぶ中で最良のコマを選ぶなんて、すごく時間かかりません? それにデフォルトでもデカいファイルにレイヤーかけてまた重ねて、なんてつまらない写真で作業しても効率悪いし。 」
いやまあ、アサヒカメラや日本カメラならともかく、Impress Watchでこれはちょっとないでしょう。1億画素が100億画素でもTesla 3枚挿しとXeon 2個挿しでごりごりやって効率よく作業できます、いい写真はAIが選んでくれますっていう方向性の媒体ですし。その代わり編集用のコンピューターが1台1000万円くらいするかもしれないですけど。というか、この手の連載やるんだったら、編集部のおすすめの上あたりに編集部の突込み欄でも入れた方が面白いのではないでしょうか。狙って煽ってるのだと思うのですけど。山田祥平氏には心置きなく突っ込んでいるわけですから、赤城耕一氏でも大丈夫ですよ。
「昨今のフルサイズのミラーレス機とかをみると、お前さ、オスカー・バルナックがなぜライカを作ったのか知らねえで、こういうカメラ作ったのかよ。と責めたくなる機種が散見されますね。」
これですよ、これ。まあ、言ってること自体は一眼レフの最盛期のころから設計者には耳が痛い類でしょうが。デジカメになってからそうなったわけではありません。とはいえ、なんで35mmでないといけないのかという話はあると思いますし、APS-Cみたいに仕方がない感ありありのフォーマットはともかく、M4/3の時にはそういう視座が出てきたと思ったのですが、なぜかいつの間にか「フルサイズ」なんて呼び名がついてしまいました。そりゃまあ、ニコンやキャノンのAPS-Cに対しては「フルサイズ」でしょうけどね。フィルムみたいに規格を決めておかないとメディアが装填できないような話ならともかく、今時イメージセンサーのサイズなんてレンズの設計にしか効かないのです(もちろんマウント径をはじめとしたボディのサイズには効いてきますが、性能面や機能面では実効イメージサークルの径がイメージセンサーのサイズより大きくないといけないという話でしかありません)。ユーザー側ではイメージセンサーのサイズによって同じ焦点距離表記でも画角が変わるというのは不便かもしれませんが、それはここ百年ほど35mm判ばかり使ってきたからで、角度ベースの指標にしてしまえば問題なし。まあ被写界深度の問題はありますが、それを言うならセンサーの画素サイズでも影響が変わります(もちろんでかく印刷するとボケもでかく見えますが、普通は画素のドットが目立たないレベルで止めておきますし)。だいたい撮影時の像のサイズの話なら、11"x14"あたりを「フルサイズ」とするべきです。これだったらベタ焼きでもそれなりのサイズになるので、マクロの倍率の話も分かりやすいですし。もっともこれだと下手をするとウェーハのサイズを上回ってしまうので、イメージセンサーを供給している半導体メーカーは嫌がるかもしれません。
もちろんFマウントレンズを使う場合想定されているイメージサークルは35mm判相当であり、設計者はそのイメージサークル全体で適正な性能が得られるように設計しているはずです。しかしそれは製造側の都合の話であり、売り手が「フルサイズ」などともてはやしたり、評論家がしたり顔で肯定するようなものではありません。歩留まりの面では小型センサーの方がよほど高性能なものを安価に製造できます。浅い被写界深度が欲しいなら、F0.5でもF0.1でも作ればよいのです。まあ、あの25mmF0.95の被写界深度の浅さを見るに、良好な像が得られたとしても実用は厳しいと思いますけど。

SIGMA fpについては論評するつもりはありません。今更ライカLマウントに行く理由がないからです。とはいえ、
「フルサイズミラーレスカメラで世界最小・最軽量。これは間違いなく正義ですね。」
これはわかります。一方で
「しかし、ここまで凝ったデザインするなら距離指標入れてくださいよー。MF時には画像拡大とか、距離スケールとかの画面表示あるんだけどさ、距離スケールなんかチューリップと山のマークしかないわけ。頼むよ、役に立ちませんね。」
これは、わかるけどどうせライカLマウントなんだし気に入ったデザインのレンズを使えばよいでしょう。これがSONY Eマウントあたりだとだいぶ選択肢が限られてしまいますし、フジXやPENTAXあたりだと純正品以外ないわけですが、SAマウントならともかくLマウントなんですから、距離指標という操作感を制約しかねないギミックを強硬に主張するほどのことはないでしょうに。いやまあ、それがあったら買いなのにというのはわかりますけどね。まあでも、そのうちシグマさんが、ボディの上に合焦距離の表示窓でもつけてくれるかもしれません。MFで目測距離を基準にレンズを操作する人もいるのだということを主張しておくこと自体は、良いことだと思います。
ええ、なんでもかんでもオートフォーカス前提じゃないんだよ。

■2020年07月07日(火)  水栓直った
二週間ほど前にチェーンのリンクが切れた風呂の排水栓ですが、今日チェーンの替えが届いて直りました。直せるのはありがたいのですが、風呂桶や栓へのチェーンの固定方法はもう少しなんとかならないものかなと思います。工具をちゃんと使えばきれいになるのかもしれませんが、なんとなく工場で固定金具まで取り付けて、リング部分だけ現場で加工しているような気がします。
それはよいのですが、運送業者がヤマト運輸というのを見て受け取りを考えないといけないかと思ったのですが、ヤマト運輸の方ではすでに配達済みになっています。ネコポスってまだあったんですね。いや、いかにも封筒で来そうなブツなので、JPかと思ったらヤマト運輸だったという…

■2020年07月06日(月)  接待で契約が取れるのなら安いものではあるのですが
連夜のカラオケ、マッサージ…接待のツケは技能実習生に
ツケって、第三次産業での賃労働ってそんなものですよね?販促のビラ撒きとかは接客アルバイトでも普通にやらされますし。少なくとも日本風のメンバーシップ雇用ってそういうものですよ。それで顧客がついて事業が廻っていくならそれで構わないというのが日本風です。まあ、それでやっているのが人売りだというのに引っかかる部分はありますが、人を売る商売というのは奴隷制度を除いても非常に歴史のあるものでもありますし、事が見ただけでは判別がつかない労働力という商品の売り買い、仲介というサービスの売り買いである以上、仲介役と顧客が身内意識でつながるというのはそれなりに大事です。そこまで行かないと、決定につながるような本音は聞けなかったりしますし。それがそれこそ紹介した実習生の実質ピンハネや低待遇につながっているとしても、企業努力として間違っているとは言えません。
ただし、それは公明正大にやっていればということでもあります。少なくともばれると資格取り消しになるような行為をこそこそとやるというのであれば、非難も制裁も受けて当然です。理屈倒れという批判はあって当然ですが、それであっても、顧客側は国内では妥当なコストで調達できない員数を国外から調達する、信頼できる調達先を選ぶのは当然だ、そもそもわけのわからない客観的指標なんて不気味で使えたものじゃないくらいは言えてしかるべきです。また紹介業者にしても、本来相当の手続を個別にしてようやく許可される就労滞在の手続をバイパスするという優遇措置を受けているわけですから、情実による決定や紹介を引き受ける時点での追加料金請求くらいならまだしも、裏で追加の天引きをするようなばれると弁解できないようなことをすべきではありません。それではリスクやコストに見合った利益が上がらないというなら堂々と請求すべきですし、実習生側にまともに請求したら人を集められないというのであれば本来は儲からない商売などすべきでないのです。
とはいえ、「接待のツケ」などというかまととぶったタイトルは新聞にしてもいかがなものかと思いますけど。

■2020年07月05日(日)  自業自得ではあるけれど
7千万円のオルガンは不要家具か? ハコモノ行政の果て
まあ、こう書かれるのは自業自得ではあります。というか、パイプオルガンて七千万円で買えたんだ。
音楽関係者が怒るのはわかりますが、とはいえ自治体にも同情すべき点はあるように思います。ここまで短期間でというと珍しいかもしれませんが、教会施設や音楽ホールなどの廃絶に伴いパイプオルガンが維持できなくなる事態は本場でも起こっています。今公的団体の援助なくして音楽業界自体が(特にクラシック方面で)立ちいかなくなっている状況を踏まえた上で、怒るくらいなら業界関係者は引き取って自分で運営しろと言いたいです。原価でというと無理があるかもしれませんが、施設ごとただで引き取り(本来パイプオルガンというのは設置されたホールとセットの楽器です)、税金も一切かからないという条件なら、ポップスでの活用も含めて、何とか運営可能ではないでしょうか。維持費のかかる機材なのでしばらくは持ち出しになるかもしれませんが、その分手をかけておけば長持ちする楽器でもあるはずです。それこそ相当額の使用料を払わないと録音に使うことすらできない楽器を格安で使えるとなれば、使ってみたいと思う作曲家や演奏家は少なくないのではないでしょうか。バンド曲のオーケストラアレンジなどというものが普通に見られるようなご時世ですし、電子オルガンやホール音響に通暁したアーティストも増え、使いこなせる層は決して薄くないと思います。
もちろん、伊丹市には「損切」は覚悟してもらう必要があります。とにかく税金だけでもとか、原価くらいは回収して財政の足しにしたいといったみみっちいことは言わず、あげますから活用してください、市民に対する責任は関係した市長、市議会議員、職員全員が退職金を返上して辞職して取りますとでも言って欲しいものです。もちろん、怪しげな音楽関係者が我が物顔で地域に出入りし、騒音を響かせることについても、市が責任をもって地元住民を説得するべきです。
なんなら、向谷実さんあたりに泣きついてみてはいかがでしょうか。

7千万円のパイプオルガン、ベトナムへ 関係者が奔走、ようやく決着
記事を見る限り決着してませんが。譲渡先の資金調達失敗によってとん挫する可能性があります。
ともあれちゃんと続報が出たこと自体は評価に値します。
とはいえ、「血税」を無駄遣いした挙句に「文化」をもないがしろにした当局者と伊丹市民、そして各段階の政策決定の経緯の追及はこれからではないかという気がしますが。文化までないがしろにしている点で、アベノマスクよりもよほど悪質です。処理に奔走したから許されるというものではありませんし、そもそも処理に窮していた時点でパブリックサーバントとしての資格に欠けている気がします。

■2020年07月05日(日)  パルメザンチーズ
よく見かけますが…どこがパルメザンなのかが気になって仕方ありません。
基本的には「パルマ風の」ということになります。パルマ産のハードチーズと言えばパルミジャーノですね。ただしこれは、20世紀に製法や生産地域が整理されていますので、パルメザンチーズと同じところもあれば違うところもあるはずです。当然ながら、パルマと近郊地域で生産されたという点は合致のしようがありません。また一見して違うのは、熟成期間でしょう。これが見た目や食感に大きな違いを与えています。色もそうですし、ゴリゴリした食感も違います。パルミジャーノの場合生産に使う牛乳や生産の手順について制約があるわけですが(なにしろ当日朝とれた牛乳のみを使って一日一回しか仕込めない)、パルメザンでこのあたりを気にしているということはないでしょう。パルミジャーノに類似のチーズでもう少し製法の縛りが緩いものに、グラナ・パダーノというチーズがあります。ポー平原風のぽろぽろしたチーズといった意味になります。これも含めてグラナと一括されるらしいのですが、このグラナ系チーズというのがパルメザンに最も近いのではないかと思います。

■2020年07月04日(土)  脱米はまだしも入亜はあり得ない
今こそ脱米入亜へ
こういうことを安易に言うのはおかしいと思います。
言葉としての脱亜入欧は、西洋的価値観をあるべきものと認め、西洋的政治制度や社会システムを普遍的なものと認め、その一方で当時の清を始めとするアジア諸国の価値観や政治制度、社会システムを遅れたもの、時代に合わないものとして、そのようなアジアに交わらず、西洋と交わり価値観を共有するという趣旨でしょう。そして現在でも、日本を含めてアジアの国は、少なくとも価値観の面で欧米には遅れています。並び立つべき異なる価値観とか西洋的価値観へのアンチテーゼとかいう話ではなく、ただ単純に、人を幸福にしうるものになっていないという点で遅れています。友好善隣外交にしても、西洋的価値観の枠内で、相互にそれを適用する形として結ぶものであり、言葉の意味としての脱米入亜はナンセンスです。相変わらず越権側近政治の弊風の残る日本はもちろん、小原氏がコミットしている韓国にしても中央エリートが民衆を扇動する宮廷クーデター政治の延長から抜け出られないでいます。これではトランプ大統領を選ぶ米国民を笑えません。またアジア自体、米国市場に強く依存しており、中国ですら向こう数十年でも米国より魅力的な市場になるとは思えません。確かに経済のボリュームは増えますが、売れるのは低価格品が中心で、成熟した経済や社会が作り出す多様な高級品の需要は不十分です。むしろ日本がアジアからそういった商品を引き受け、消費しないといけないのですが、それができるわけでもないでしょう。
大日本帝国政府の指導で帝国臣民がやった悪行について、日本を含む関係諸国のなかで納得できる整合した見解を作り上げ、共通の歴史として位置づけなおす、そして補償や賠償も含めて人権侵害だの債務不履行だの、あるいは盗人猛々しいのあんなの当り前だのという過激な意見を排除するだけの基盤が作れるまでに整理する政策はともかくとして、アジアは全面的に遅れており、共に入りて和しても特権階級の野合になるだけです。

■2020年07月04日(土)  トラッキングする自由というのは…あまりありがたくないな
アップルと広告業界、iOS 14の「トラッキングに許可を要求」をめぐり対立
いやまあ、トラッキングをするようなアプリを使わなければ済むことではあるのですが、堂々と「規制に従ってトラッキングする自由」を主張されると違和感はあります。それこそ、数十段階の煩瑣な許可を乗り越えてでも使いたくなるような機能を提供すればよいだけではないのでしょうか。むしろ、うっかりGDPR対応の許可を出して、個人情報が駄々洩れになってびっくりなどという事態を招かないために、ハードルは高い方が良いかもしれませんよ?
まあ、ここまでニッチになったうえに広告だらけになるとは思わなかったですけどね。

■2020年07月04日(土)  いや、そんな目的でDSDSを語られてもね
ついに登場、5GデュアルSIMスマホの実機を検証。Wi-Fiいらずの快適性(山根博士)
まあ、5Gという移動体通信規格は良いのです。高速、低遅延、高い収容数、基地局あたりのエリアが狭くなることを考えても活用したいところです。
しかし、なんでまた、ユーザー側で複数のSIMを契約してまで維持しないといけないのか。日本というのは移動体通信事業者にユニバーサルサービスの義務があったのではないでしょうか。人が住んでいて電波が届かないところがあったら、日本であれば苦情を言ってよいのです。何が5G元年だ、嘘つき!という批判は正当なものです。まあ、とはいえ費用や手間を考えると開業を急いだ状況でエリアが限られるのは無理もないとも思えてくるわけで、香港やシンガポールあたりならともかく、日本を一緒にするなと言いたくなる気持ちもわかります。ただし、DSDSはそれとは別問題です。そんな適応を勧められても困ります。キャリア間でエリアがずれるなら、むしろキャリア間で基地局を融通して欲しいものです。これがほぼ設備の敷設が終わってしまった状況になると意義が薄れますが、今ならまだできるでしょう。DSDSはむしろ、例えば通話に有利な契約とデータ通信に有利な契約を同時に使うといった目的で使いたいものです。もちろん移動体通信の契約というのはドメスティックなものなので、事業エリアをまたいで使うといった目的もあるでしょう。これは、そもそも日本国内を差別なく事業エリアとする義務が課されている状況とは意味が異なります。三つ以上またぐならTSTSや、仮想SIMを利用していくつもの契約のハンドオーバー(まあ、本気でやるならデータ通信でないと無理でしょうけど、通話だってIPフォンを使えばよいのです)をするというのも手です。個人的には新幹線に乗って東京で通話を始めたときにはDocomoの回線だったのが大阪に着いたら大阪ガスに変わっていたというのも悪くないと思っているのですが(技術的には今でも十分可能です)、それはさすがに総務省の面子が潰れるでしょう。もちろん、ソフトバンクの格安定額契約とDocomoの従量プランを組み合わせるというのもありだと思います。なぜDocomoが非常回線扱いなのかは…
まあ、端末の紹介記事なのであまり苦情を言っても仕方ありませんが、移動体通信というのは高品質の回線をどこででも安く使えることが望ましい、SIMの切り替えやバックアップ回線の確保といったことをユーザーに求めるのは筋違いだという点は、ぶれないで欲しいものです。いえ、個人的には、東京都区内から出るとローミング料金で遅く、高くなるが、そのエリアでは安いキャリアと、いくつかの大都市でのみ使える(それ以外では高くて遅い)キャリアと、日本全国どこでも安定した品質・料金で使えるキャリアが併存していてもよいと思うのですよ。全国を飛び回る人と決まった都市だけを行き来する人、生活圏から外に出ることはほぼない人というのでは、ニーズが違って当然ですから。それこそ契約さえ簡便に行えるのであれば、東京と青森で回線を変えたってかまわないはずですし、間の新幹線で電話を受けられなくても差し支えないはずです(どうしても受けたいなら東北新幹線内をサポートする回線をJR東日本が提供したって良いのですし)。ただし、日本の通信政策の理想はそうではないのですし、MSMSというギミックを紹介する際に変な使い方を理想化するのは慎んで欲しいと思います。

■2020年07月04日(土)  変換キーなどというものがおかしい
今こそすべての日本国民に問うIMEのオンとオフ
正直、未だに「半角/全角 漢字キー」でIMEトグルという操作には違和感があります。最初にパソコンに触ったときはどうだったかというと、Ctrl+スペースバーだったのです。それがPC-9800が廃れてIBM式の日本語キーボードになり、ごちゃごちゃとキーが増えたわけです。当然、変換キーや無変換キー、文字種切り替えキーなど不要、その分スペースバーを伸ばせと思っています。そんなキーボードに慣れてしまったら別の人のパソコンが使えなくなるので、設定変更までやろうとは思いませんけどね。
まあ、ここまで多様な文字種の混在する書き言葉というのが異例ではあるかもしれません。漢字を文字種と言ってよいかどうかは議論があるでしょうが、少なくとも本来の表音文字のほかにアルファベットを書いてよいという正書法は少数派だと思います。アルファベット文化圏でも、ある音をどう書くかの対立はあっても、外国語の文字を正書法として認めるというのは不思議がられると思います。英語式のローマンアルファベットで言えば、HujisanなりHuzisanなりと書くかFujisanと書くかといった対立はあっても、平仮名でふじさんと書いたらほぼ確実に正書法から外れます。日本語を頻繁に扱う人ならともかく、そんな文章を自分で書く羽目になると思っている人はあまりいないでしょう。必要があってもフォントピッカーから選んでペーストし、必要ならコピーすればよいと思っているはずです。私などは英語も書けばプログラムも組むのでIMEのオンオフは必要不可欠ですが(もっとも英語やプログラムを書いているときに不意に日本語変換がオンになって慌てることはある)、ワープロやメールだけ、日本語以外は使わない人は、日本語変換が常にオンであってもかまわないと思います。もっと意識的に、面倒な方法で(つまりマウスでタスクバーのボタンをクリックしてメニューを呼び出し、日本語変換を選択するとか)切り替えてもよいかもしれません(つまり「ともあれ、IMEのオンとオフは、PCでの作業効率を左右すると言ってもいいくらいに頻繁にする作業だ。」というのがそもそもおかしいということです)。カタカナはまだしもアルファベットやハングルの混じったものは正書された日本語書き言葉ではないのだというのは、ひとつの見識だと思います。昔みたいに、メモリの制約や変換処理が重いために英数字を含む半角文字を混在させざるを得ないという状況でもないのですし。テキスト中に複数の文字種を混在させる機構は必要ですが、文字種を自在に切り替えられなければならないかどうかは疑問です(ドイツ語やフランス語、ロシア語、ギリシャ語を入力したくなることだってある)。まあ、いわゆるアラビア数字、算用数字はどうするのかという問題はありますが(原稿用紙などに縦書きする時に困りますよね?困りますよね?)、手書きするならともかく、パソコンで入力する分には、縦書きの処理というのはもはや問題になりません。横書きならなおさら楽なものです。表示で、日本語は縦書き、英語は横書きで混在できないとだめなどと言い出さない限りは(そういうのは入力ではなくレイアウトの段階で考えることです)、ソフトウェアがよろしくやってくれますし、処理時間もたかが知れています。

■2020年07月04日(土)  避難やら退去拒否やら面倒なことで
国安法違反で初の起訴 バイクに「香港を取り戻せ」の旗
中共に好意的でない住民というのはいてもおかしくないわけですが。
とはいえ、中華人民共和国政府としては、せっかく頑張って取り戻した(という建前の: そもそも香港地区の租借を認めたのは清朝で、国際的に租借の継続を認めたのは中華民国、つまり中華人民共和国が香港地区の占有を主張する正当性も租借を尊重する必要もないのですが)領土に非好意的な住民がいて、ことさら挑発的な行動をするというのは面白くないですよね。
正直、そこに住む権利というのは賞味期限切れではないかと思います。そういうものを前提にしない方が、色々物事がうまくいくのではないかという気がします。もちろんただ追い出してよいとは思いませんが、せいぜいが、新しく住むところを確保し、移転費用も10年分の生活費付きで面倒を見ますというところまででしょう。
もちろん、人文地理的な香港も含めて確保したいというのであれば、住民が納得できる処遇をする必要があります。気に入らないから財産を全部持って出て行く、他所で繁栄するから追わないでくれと言われたくなければ、苦情くらいは聞いてあげるべきでしょうね。トランプ大統領も、せっかくなので、グアム島を中共から分離する香港住民に譲渡する、軍事的な保護も提供するからそこで民主的な自治を築いてくれとでも言ってみてはいかがでしょうか。

■2020年07月04日(土)  無地フェリカ
遊び用に発注していた無地フェリカが届きました。
手持ちのPaSoRiで問題なくIDを読み取ることができました。まあ、当たり前ではあるのですが。この手の遊びは前からやりたかったのですが、他にやることが多くて手を付けられないでいたのです。PASMOを読み取ったところで終わりになっていたわけです。自営業でもあるまいし、手持ちのICカードから使用履歴を読み取れたところで面白くもない、家計簿に凝るような趣味もないという状況だったのですが、工作には使いたかったのですよね。

■2020年07月04日(土)  レジ袋規制対応
先にも書いたように、2020年7月1日から、買い物の際に店が配布する使い捨てプラスチックバッグの規制が強化されます。具体的には、バッグを配布する場合有償とすることが義務付けられます。
趣旨としてはプラスチックごみの排出量の抑止ということで、レジ袋に限らず使い捨てのプラスチックの袋・容器は使わないことが望ましいことになります。
このために用意したものを、挙げておきます。
1.買い物用バッグ
規制導入時からいくつか試し、現在九電産業のノベルティの布製バッグ(結構大きくて使いやすい)とThermosの保温防水バッグ(小さくたため、生ものを入れても安心)を使っています。なかなかちょうどよいサイズや素材のものが売っていないのですよね。
2.高温用コンテナ
スーパーマーケットの場合、通常、一定量で使い捨てプラスチックトレイなどでパックされているわけですが、量り売りの場合ポリエチレンバッグとレジ袋の二重包装になることがあります。これを防ぐため、140℃耐熱のプラスチックコンテナ(まあ、タッパですね: この温度に耐えてくれると、オートクレーブができます)を導入、持ち出し時は前日に圧力なべで20分加熱殺菌しています。量り売りだと、ポリエチレンバッグで包装することで細菌の付着や温度の上昇を防いでいるわけで、これが防げる程度の密閉コンテナを用意し、充分殺菌した状態で持参することで、自信をもって店側にコンテナに詰めてくれるよう要求できます。密閉性は少々良くないようで、水が漏れるので、魚を買った場合に鮮度保持のため水を入れるといった場合はラップでくるみます。
まあ、本来は普通サイズのイワシでオイルサーディンを作る目的で買ったのですが(これも油と一緒に容器に入れた上で容器ごと蒸すので、耐熱容器でないと変形したり密閉できなくなったりします)、使い道が増えるならよいと思います。というか、これでできるオイルサーディンは開封後の短期間で消費するためには多すぎます。やはり子イワシをジャム瓶かエノキの水煮瓶あたりに詰めるのが良い感じです。
3.大型コンテナ
近所の豆腐屋の一丁のサイズが大きいため、入るサイズの密閉コンテナを用意しました。九電産業の買い物用バッグには入るサイズです。さすがに殺菌するにはそれなりの大型のオートクレーブ機材が必要になるため、帰宅後すぐに切り分けて殺菌済み容器に詰め替えることになります。もちろん持ち出し前の洗浄は必須です。
高さが少し(5cmほどでしょうか)足りず、豆腐は入ったのですが保冷用の氷と崩れ防止用の段ボールを入れると蓋が閉まりませんでした。正直射出成型機でもあれば材料コストとしては1個せいぜい数十円で作れるものですが(ただしおそらく材料を数千円から数万円単位で買う羽目になる)、既製品は種類が多いですし、なかなか適合した寸法というのもありません。L12cmXW12cmXH15cmというところでしょうか。

これ、買い物に出るとなると大荷物で、とても仕事の帰りに思いついてというわけにはいきません(毎週金曜にコストコの巨大保温ショッピングバッグを持って出勤していた人が言っても説得力がない気がしますが)。また何を買うのか、ある程度予想も必要です(例えばさんまを買おうと思って容器密閉用のラップを持参したのに売り切れていたりするとショックが大きい)。
プラスチックトレイや牛乳パックの回収もそうですが、キャンペーンを立案する際にはもっとちゃんと考えていただきたい。買い物にこだわりのある人ばかりではないのです。使い捨て容器によって日々の買い物が手軽になったという事情をないがしろにしていませんか?分別は簡易にできるように、回収は負担にならないように、実施側でちゃんと整備して欲しいものです。

■2020年07月03日(金)  まず国民年金の拡充が必要では?
「厚生年金に入りたい…」 フリーランス、貧弱な安全網
カッコ内はともかくとして、後半はおかしいと思うのですが。
もちろん、個人の問題意識としてはそれでも良いのです。それで雇用にしがみつくか、自力でセーフティを確立するか、それとも互助団体でも組織するかは選択の問題です。
しかし、報道記事としては「ありえない」と思います。まずもって国民年金の整備が放置され続けていなければそんな問題は起きなかったはずですし、厚生年金自体が二階部分を囲い込むエゴイスティックな仕組みです。さらに言うなら、厚生年金という実質的な私設年金制度をむしろ誉めそやしてきたのは報道界でしょう。
もちろん、年金制度の歴史的な経緯を踏まえれば、当初国民年金と厚生年金の二階建て構成にしたこと自体は、妥協ではあっても合理的だったと言えます。制度の理想から言えば、厚生年金制度を骨抜きにし、国民年金制度に統合していかなければならなかったのです。あるいは二階建てを維持するのであれば、厚生年金の運用主体を雇用者から距離を置いた互助団体(産別労働組合や専門職団体)に変えていく必要があったのです(それでも「主婦の年金」といった問題は残りますが)。そういう議論をしてこなかったことを棚に上げてセーフティネットがどうこうという視点を取るのは、悪い意味で技術官僚的な行為です。もちろん一般論として自営業向けのセーフティネットが貧弱であることは明白ですし、そこに実質的な賃労働者を追い込むような雇用者側の行為には問題がありますが、一方で企業による雇用が景気変動のバッファになった時代は終わっていることも否定はできません。そして自営業であることがむしろ普通の業界については、専門職団体を中心に互助組織が成立してきた歴史的な経過があります。報道を標榜するのであれば、その程度は踏まえてタイトルをつけるくらいはできて当然だと思います。

■2020年07月03日(金)  銀行だってボランティアじゃないんですし
メガバンク、金庫番役を次々撤退 自治体「えげつない」
まあ、銀行は公器の役割を返上したということでよいのではないでしょうか。決済も含めて、全銀協の解体まで見込んで、日銀主体に改める時期だということでしょう。幹事に売ってもらう債券の売り方も、変える時かもしれません。
それにしても、「えげつない」というのは正直認識がずれていると思います。銀行の方でも説明を怠ってきたというのはあるでしょうが、口座の管理や入出金処理が事務作業であることを認識していれば、ただでできるわけがないことは明らかです。そういう意味で、先日の登録口座の話も不可思議であるわけですが、仕事をする以上TANSTAAFLくらいはわきまえていてしかるべきです。その上で、銀行送金を維持する必要があるのであれば、必要なら送金システムを肩代わりするくらいのことを常日頃から考えておかないと、不勉強を疑われますよ?

■2020年07月02日(木)  カメラでテレカンをする方が間違っているはず
「赤裸々な姿でテレワーク」も……読者が答えたテレワークの服装、マナーにまつわる“みんなの常識”とは
さあ、アバターでVR会議だ。それこそ本流だ。
ということでいかがでしょうかね。

■2020年07月02日(木)  歩道とベンチの整備を!
歩きスマホ禁止、全国初の条例施行 罰則規定なし
もちろん歩きスマホにはいろいろ問題があるわけで、規制が悪いとは言いません。とはいえ、電話だけに、着信拒否ばかりしているわけにはいきません。せめて着信に気づいたら「何時に折り返す〜」のショートメールだけでもしておくことが望まれます。ではその時に、腰を掛ける場所が全く見当たらなかったらどうするか?
したがって、歩きスマホを規制する場合、充分な幅(5m以上)の歩道の整備と歩道へのベンチの設置が望まれます。10m間隔程度が望ましいでしょう。もちろん、ブースを設置できるのであればそれに越したことはありません。それができないのであれば、周辺へのアンテナ設置を禁止する(つまり携帯がそもそも使えない状況にする)のでないと、利用者の方が板挟みになって困ってしまいます。
歩きスマホは危ないがアンテナはあって欲しいというなら、車両の通行禁止も積極的に取り入れるべきでしょう。自転車(やキックボードなど)も含めて規制してしまえば、何かあっても程度はたかが知れたものになります。もっともこれでは不便ではあるわけで、例えば商品搬入などについては、業務用駐車場からのアクセスを良くする、台車の通行を前提にしたデザインにするといった工夫をし、自動車やバイクに頼らない運搬に理解のある事業者にのみ出店してもらうべきです(つまり、4tトラックで搬入口に乗り付けて荷下ろしをするような業者は排除する)。もしかするとその地域の配送について、宅配運送業者から特別料金を取られるかもしれませんが、人通りの多いところで事業を営むなら当然の出費だとは主張できるはずです。

■2020年07月02日(木)  ポリエチレン袋でも何でも買えばいいと思うのですが
脱レジ袋生活の奥義、達人に聞いた 有料化でも安心
有料化というか、有料なのが本来の姿なんですよ?コストはかかってるんだから。それを、庭に生えてくる雑草みたいにコストなしで使う方がおかしいのです。別に漏れない高性能品などを買う必要はなく、スーパーの特売でまとめ買いすればよいだけのことです。
とはいえ、問題がないわけではありません。例えば細菌の繁殖を防ぐような衛生管理や汚染管理は、ほぼ全て使い捨ての紙および樹脂製品の活用を前提にしています。家庭のように手を洗えば済むというわけにはいかないので、捨てるなと言われても困ってしまいます。また、リフィルも普及しているとは言えません。というか、リフィルが前提になったら買い物の際に容器を忘れないように気をつけないといけないわけで、エコバッグもそうですが買い物のハードルが上がりそうです。まあ、毎日買い物などというろくでもない習慣がなくなるのであればそれもよしでしょうけど。
とりあえず昨日は肉屋に、煮沸消毒したタッパーウェアを持って行き(最近は高温対応の製品が出て便利になりました)、そちらに量りとった商品を入れてもらいました。とはいえ近所の巨大豆腐に合う密閉容器はなかなかないので、さてどうしたものかと悩んでいます。

■2020年07月01日(水)  せめてコスト構造の分析くらいしませんか?
菅官房長官「携帯料金は大幅な引き下げの余地がある」、総務省の見解は?
「高市早苗総務大臣は6月30日の記者会見で、内外価格差調査の結果について「シェア1位の携帯電話事業者のスマートフォンの通信料金を見ると、東京の料金水準は昨年(2019年)に比べて低廉化してきているが、諸外国と比べれば依然として高い水準となっている」」
単純な国際比較で最終的な数字だけを比較するのは、そろそろやめた方が良いのではないでしょうか。ショップの店頭でユーザーがクレームをつけるというならともかく、総務省という所轄官庁であれば何がどうなって現在の数字になっているかくらいは調べられるはずです。ICTを活用した社会を展望する時に、通信コストは低いに越したことはないのは確かです。現在の物価で言うなら、光回線を含めた世帯の総通信コストは容量無制限プランでの月額で2000円程度までは下げるべきでしょう。でないと、収入が途絶えたときに通信回線というインフラが維持できなくなる可能性があります。ですから、料金を下げろと言うこと自体は否定しません。しかし、そうなるためにはどうしたらよいのか、モデルケースを提示し、通信事業が持続可能であることを示すことは、総務省の責任でしょう。それなしに、ただこの国と比べて高い、何とかしろと言っても、少なくともサービスレベルを下げることにはつながりにくいでしょうし、ユーザーだって問題が起きればメインキャリアならそんなことは起きないと言うに決まっています。採算が疑われるとなれば誰も参入してこないことは、信書便の時に明らかになった通りです。なんならサービスレベルに上限をつけてでも採算性を確保しないと、特に設備投資をしなかった場合のリスクが高い状況では、コストは下がらないと思います。
「日本の携帯料金は高い」調査は実態に即していない? ドコモ吉澤社長が主張
言いたくなる気持ちはよくわかります。しかし、インフラというのはいいものだから高い金を払えというわけにはいかないことも理解していただきたいものです。ましてアヤシゲな割引プランとやらを使えば安くなるなどというのは言語道断で、景品表示法違反ではないかと言いたくなってきます。アホな調査にモノ言いたくなるのはわかりますが、まず小学生が小遣いで賄える程度に標準の料金を下げていただきたい。

■2020年07月01日(水)  中絶をそう言ってよいのかどうか
古い法律と手術法 世界から取り残される日本の中絶
「子どもを産むか産まないか。本来は自分で選択できる権利のはずですが」
うーん、これは…少々肯定には抵抗感があります。
もちろん、子供を作るか作らないかはカップルが決めるべきことですし、リジッドに考えていけば妊娠した女性の選択と言うことはできると思います。少なくとも、母体と胎児では母体が優先されてしかるべきですし、女性本人が産みたくないと言っているのに出産を強要するのは問題があるでしょう。「モノ」性という観点では、女性が議論の余地なくヒトであるのに対し、胎児はモノであると考える方が妥当です。
とはいえ、妊娠してから産みたくないと言って通るのかどうかは微妙な問題だと思います。徹底的に手を尽くして、それでも産みたくないのに妊娠してしまった場合に、中絶は最後の選択肢です。私などは妊娠・出産は本質的に将来に対する負債であって、不可逆であってもよほどの覚悟がない限り避けるべきだと思うので、産みたくないなら相応の手立てを講じるべきだと思うのですが、「今は」産みたくないというのも一つの考え方ではあるでしょうし、そうなると取りうる避妊法にも限界が出てくるので、望まない妊娠という事態が発生することは避けられず、その救済の手立てはあってしかるべきです。とはいえ、妊娠・出産を原則としては肯定的にとらえる立場から中絶するかどうかは本人の選択の問題と言ってしまうことは、妊娠という相当に手遅れの状況での判断を安易に認めてしまうことにつながらないでしょうか。法律上の夫婦として完全に適法な形で出産をしておきながら扶養や養育にあたって問題を起こすことは、本来社会的仕組みとして避けるようになっているべきことではないでしょうか。そして妊娠に際して中絶を主張することも、同じではないでしょうか。その意味で、当事者の希望に関わらず中絶を実施する権限を、第三者も持っているのが筋だと思います。

■2020年07月01日(水)  保守派の見識
米最高裁、中絶規制の州法認めず 保守派長官も「違憲」
「ロバーツ氏は意見で「以前の判決が間違っていると現在も信じているが、問題はその判決の正しさではなく、先例とするかどうかだ」と述べた。」
これ、5:4の僅差で先例をひっくり返すことは危険であり、僅差にしかならないのなら先例を踏襲すべきだということなのでしょうね。議長を除いて可否同数の場合の扱いというのは難しい部分がありますが、この判断は、「保守派」の見識と言える気がします。ただ、そこまで穏健懐疑主義に凝り固まった判断というのは、それはそれで受け入れられにくいようにも思えます。もちろん、先例尊重というのはプラグマティズムにおいては重要な基準でしょうし、法律家の場合それをことさらに意識する場面が少なからずあるのでしょうけどね。

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