日記

■2020年06月30日(火)  そのうち慣れるのでしょうか
総務省の「マイナポイント」の名前を聞くようになりましたが、そのたびに「マイナスポイント」と間違ってしまいます。誰も気づかなかったとは思いたくないのですが、これって私だけなのでしょうかね?そのうち慣れるのでしょうか?

■2020年06月30日(火)  頑張れ役人
なぜこうなった!? 改めて「Rakuten Mini」の周波数“無断”変更問題を知る
というか、楽天にとっては「なぜ無断変更などと言われないといけないのか?というかそもそもなぜ届など必要なのか?(規制緩和すべきだ!)」という認識ではないでしょうか。
NTT DocomoにしろKDDIにしろ民営化前からの事業者ですし、Softbankも母体がVodafonであり、通信事業という規制が前提の分野での事業に十分習熟しています。一方楽天はショッピングモール事業からの参入である上、ハードウェア自体は外注での製造です。ネットショッピングモールはそもそも規制自体がないところからスタートした事業であり、楽天がこの手のコンプライアンスを不得手としていることには何の不思議もありません。例えばAmazon.co.jpのUIが前日とガラッと変わっていても驚いてはいけないのが常識の人に、計画!届け出!事前調整!などと言っても理解できないのが普通です。
もっとも、少なくとも法律で定める参入条件を満たしている事業者に「規制業種での経験がないからダメ」などとは言えないのが法律であり、この程度の粗相なら、しばらくは繰り返しても辛抱強く指導することが総務省の役人の仕事のひとつです。普通は10年くらい仕事を続ければ慣れてくるものですし、その間に手酷い問題を起こせば免許取り上げということになるでしょう。規制の是非も含めて役所も相当大変な思いをすることになると思いますが、まあ、仕事なので頑張ってください。
総務省、楽天モバイルにまた行政指導 不適切な端末値引きで
教育のコツは辛抱強い繰り返しですよ?切れずに頑張ってください>総務省の通信行政担当の皆さん。

■2020年06月29日(月)  動画ってそんなに重視されてますか?
さようならオリンパス、夢をありがとう
あ、さようならされてる。ちなみに小寺氏は、確かPEN-Fを修理していた気がします。
とはいえ、この評はどうなのでしょうかね。一眼レフを動画撮影機能で選んでいる人というのはどれだけいるのでしょうか。小寺氏の趣味嗜好からして動画撮影機能にこだわること自体は理解できるのですが、一般のユーザーがそれを選択の基準にしているとは思えません。そもそも動画撮影というのは、撮って出しができるスチルカメラと違って、ホビーとして成立していません。カメラをテレビ会議用に使うとでも言うなら別ですが、撮ったままの動画というのはまず使い物になりません。素人が撮っているならなおさらです。使える部分を取り出し、解説音声や字幕、効果を入れて、関連する部分をつなぎ合わせて尺に合わせて、それでようやく人に見せられるものになります。つまり編集機材が必須、スマホで1分くらいの映像を撮ってSNSに出すだけならともかく、撮影機材に凝っても結果はついてこないのです。スチルカメラは現像と引き伸ばしという工程を切り捨てて真に大衆向けのホビーとなりましたが(もっともそのころにはスマホにお株を奪われていましたけど)、動画はいまだに8mmフィルムの時代と同じく後工程に時間と技術をつぎ込める人だけの、選ばれた人のためのホビーです。企画までやる広告カメラマンならともかく、スチルカメラを選ぶ際に動画撮影機能を基準とすることなど、正直あり得ないと思います。
むしろ、ライカ、ニコン、キャノンというブランドで選んでいる人の方が多いのではないかという気がします。つまり、普通の人がOLYMPUSやPanasonic、SONYあたりのカメラを持っていても自慢できないのです。その意味で、この方向での敗因を言うなら、ブランドが確立できていない(特に中国あたりで)のにブランドに頼った売り方しかできなかったことにあるでしょう(この点で「オールドファンは喜ぶでしょうが、コンセプトを継承、というのも無理があるのでは…という気がしたものです。」という評は的確です)。日本国内でPEN-Fをアピールすること自体は間違った戦略ではないわけですが、そのPEN-FがNikon FやPentax SPに追われ、後継のOMがニッチ製品としてしか評価されなかったのは厳然たる事実です。ましてやボリュームでは日本市場よりも中国市場の方がよほど大きいわけで、そこの人たちはOLYMPUSを内視鏡と顕微鏡のメーカーとしてしか知りません。昔みたいにOLYMPUSの内視鏡にはOLYMPUSのカメラボディーなどと言って売っていられたなら違っていたかもしれませんが、素子やソフトウェアはともかく、光学・機械部分は共通しないというかそもそも撮像素子を内蔵するのが普通でカメラボディなど必要ないわけですから、シナージーもありません。カメラメーカーとしてのオリンパスは20世紀で死んでおり、むしろニコンとキャノンというブランドをひっくり返す新進ブランドでないといけなかったと思います。銀塩カメラ技術を生かすにしても、PENやPEN-Fという暖簾に頼るにしてもその前提があってこそで、M4/3のミラーレスをデジタル時代のレンズ交換式スチルカメラの本命として打ち出し、ホールドしやすい範囲でコンパクトで洒落たデザインに十分本格的な性能を詰め込む、それがPanasonicだと大丈夫かいなと思えてしまいますが、OLYMPUSならまあ大丈夫そうだと思える、PENだってそういうものだったよねと納得できる、少なくとも私はそう思ったのですけどね。それがE-PLで小型化はしたものの本格派のレンズとは全く似合わないデザインになってしまい(まあ、E-P1もVoigtlanderと組み合わせたら周りからは変だと言われてしまいましたが)、一方でOM-Dでは悪い意味で一眼レフに日和ったデザインに走ってしまったわけで、PEN-Fでの再チャレンジが結果的に失敗してしまったことは残念でなりません。PEN-Fのイメージに頼るしか訴求の方法を見出せなかった時点で企画として問題がありますし、そこからOM-Dが出た時点で先行きは明るくなかったでしょう(EVFの功罪は別の問題ですが)。
撤退の原因としては、もうひとつ、フルサイズに追いつかれたことがあるでしょう。先年ニコンがZを出したときは、これでM4/3終わったかもしれないとも思いました。小型化と実用化を先行させた判断自体は間違っていないと思います。実際フルサイズミラーレスには先行しているわけですし、ニコンやキャノンなど一眼レフというシステムを変えられないままAPS-Cなどという妥協したフォーマットに走るという失策をやっています。APS-Cが悪いというのではなく、35mm判用の一眼レフレックス式レンズ交換システムをそのままに、製造コストの問題で撮像素子だけ縮小した判断がおかしいのです(感光素子の集積回路の製造技術はこの30年でずいぶんと向上しましたが、レンズ交換式ミラーレスカメラ自体は部品の調達費用を除けば1990年代後半の技術でも製造可能でした: むしろ2008年ごろまで製品登場がずれ込んだことの方が驚きですが、ああいうシステムものは技術以外の摺り合わせが多いためでしょう)。一眼レフレックスというシステム自体がデジタルカメラとしては重くて場所塞ぎであり、まして35mm判と共通するシステムでは、大きさも重さもフルサイズと変わらないのに撮像素子だけ小さい、なんか損した気分になるものにしかなりません。Mのつかない4/3もこの同類で、全く興味を惹かれない製品でした。だからAPS-Cであっても、Pentax-Qのようにミラーレスなら評価できます。レンズ交換式カメラがデジタルカメラとして成立するためには、クイックリターンミラーとペンタプリズムは捨てるしかなかった、ライブビューこそが本命だと、私は思います(まあ、EVFの方が見やすいこと自体は事実ですが、だからといってペンタプリズムに似せた突起をつける必要はないでしょう)。その部分で先行したうえで共通規格化によってエコシステムを広げる判断自体は、間違っていなかったと思います。しかし、APS-Cすら駆逐できないでいるうちに単独で巨大なエコシステムを提示できるフルサイズに追いつかれてしまった以上、別市場でも開拓できないと勝ち目がありません。フルサイズミラーレスの未来が明るいかどうかは別として(高くて重い割に性能が中途半端だし)、オリンパスには手に負えなくなったのだろうとは思えてしまいます。
とはいえ、M4/3自体については終わったとは言えないと思っています。まず、スチルカメラがスマホのカメラ機能に対抗して生き残るには、レンズ交換式の高級機以外の路線はあり得ません。スマホ派の人はスマホの方がと言いますが、そもそも携帯性を重視し、カメラというのはあくまでも包含される一機能でしかないスマホに、レンズ切り替えなどという機能をつけても仕方がありません。今は冗談で済んでいますが、レンズ切り替え式はそう遠くない将来に消滅するでしょう。ポケットに入る寸法に収める以上、高倍率ズーム一本で済むならその方が良いに決まっています。そしてコンパクトカメラではスマホにかないません。むしろコンパクトカメラの究極の形がスマホの内蔵カメラです。リコーのDRのような、突き詰めることでニッチな価値を作り出す製品ならまた別ですが、あれはすさまじく使う人を選ぶわけで、形から入る場合でも相当修行をしないとまともな写真(普通に写っている写真ではなく)は撮れません。趣味的なこだわりなく便利に使うのであれば、スマホの内蔵カメラ以外の選択肢はありません(まあ、落として壊しても困らないとか水に沈めたいとか言うなら単体のカメラの方が安心ですかね)。ただしスマホというのはあくまでも使い捨て機材です。レンズをとっかえひっかえして楽しむ趣味性やニッチなシステムを作り上げる嗜好とは無縁です。レンズ交換式カメラがまさにそうした趣味性や嗜好を前提にしているのとは対照的です。この趣味性や嗜好の地平において、M4/3は理屈では十分競争力があるはずです。分が悪いのは、35mmフルサイズに比べてブランドが確立していないためで、ちょっと積み増す程度で済むならニコンかキャノンがいいと思われてしまうために選んでもらえないのです。まあ、そこが致命的である可能性は高いのですけど。
その意味では、リコー(PENTAXブランド)やフジに負けたかあと思わないではありません。Panasonicや日本産業パートナーズに期待できる部分があるとしたらまさにその売り方の部分で、オリンパスよりは上手な売り方ができるのではないかと期待しています。まあ、まっとうな性能と幅広いデザインのボディを作ってオープンにしていれば、付加価値の部分はレンズメーカーが用意してくれるので(この部分ではPENTAXやFUJIFILMに対して有利なはずです)、オリンパスのカメラ部門ではなくM4/3というエコシステムとして生き残りの道を探って欲しいと思います。

■2020年06月29日(月)  こう言われてうれしいですか?
コロナ直撃の東海道新幹線 消毒、換気に続くJR東海の対策は「薬師如来」
まあ、インパクトは狙っているでしょうし、JR東海の場合やることはやったうえで神頼みのポーズをしているわけなので、文句を言う筋合いでもないのですが、これを対策と言われて褒められていると思えるかどうかは悩ましいところです。本当は個室化ないしはコンパートメント化すべきであるわけですが、それは車両に大幅に手を加えることになるため、一朝一夕には不可能です。換気はそもそも従来から十分にしているわけで、後は客が気をつければそうそう問題は起きないでしょう(ええ、マスクをして黙って乗っていればよいのです)。そのあたりが「神頼み」的ではあるわけですが。
どちらかというと、コロナウイルスよりもリニア新幹線の方が神頼みしたい感じですけどね。

■2020年06月28日(日)  そりゃまあ、ネジなら緩むでしょうけど
Zuiko Auto-Zoom 50-90mmのフォーカスリングが緩みました。なんかすかすかと回る割に像が変わらないなと思ったら、リングが緩んで、リングを回しても内部の前玉繰り出し機構が動かない状態になっていました。何とか固定ネジを締めなおして緩みを止めましたけど、いくらマニュアルフォーカスが前提とはいえ、フォーカスリングの距離指標と合焦位置のマーカーがずれたらまずいと思うのですが。まあ、無限遠の位置まで前玉を繰り出したうえでリングの無限遠マークを合焦位置のマーカーに合わせればよいのですけどね。
というか、もう2番くらい細いマイナスドライバーがないと辛いです。

■2020年06月28日(日)09:19  やらないよりはまし
手書きの遺言で「争族」減へ 7月から法務局で保管可能
第三者が責任を持って管理するという意味では、やらないよりよほどましだと思います。
とはいえ、遺言という制度自体が無理を重ねたものになっているのではないかという懸念はあります。なにしろ本人が死んでいるために意思の確認すらできない(公正証書でもその時点の意思でしかない)上に無効にする要因が山ほどあるわけで、保管制度にしても、これはおそらく、直接の関係者が気づかないと遺言状自体が発見されない点は変わりません。
死亡届の事務を所管しているのは市町村の担当部署のはずで、遺言状をここで統一して管理し、死亡届が出た時点で自動的に出てくるようにしておくくらいはした方が良いのではないかと思わないでもありません。もちろん、転居の際に忘れていたとか、状況が変わったのに無効化を届け出ていなかったといった事態はそれでもあり得るのですが。

■2020年06月28日(日)  わかるようなわからないような
リモート出演、健全な姿ではない 柳澤秀夫が抱く違和感
違和感というのはわかる気がします。少なくとも今のテレカンに違和感が全くないとしたら、それは相当テレカン慣れした人だけでしょう。
ただ、「健全」と表現されるとそちらに違和感を感じます。出演者としてテレカン収録を健全でないと感じるというのはあり得るでしょうが、では収録とか放送というのは不自然・不健全ではないのでしょうか。

■2020年06月27日(土)  あれは貸す方が悪い
難航するリニア「JRのツケ」 3兆円融資の政権に誤算
誤算て、そもそも東海は自前資金でやると言っていたのを無理矢理貸し込んで工事を急がせたんでしょうが。数年遅れたところで経済効果には問題ありませんよ。
まあ、静岡の機嫌を損ねたのは東海ではあるでしょうが、尻馬に乗った以上文句を言うくらいなら静岡に圧力くらいかけるべきです。地元の議員が仲介に入るだけでも違うと思うのですけどね。それが事業の扱いとして正しいかどうかは別の問題ですけど。
平行線のリニア会談「早く着工を」 沿線首長らが危機感
でもって、こういう苦情を言うくらいなら、愛知県民で山梨側にでも迂回する費用を負担してあげたらいかがでしょうか。金は出さない、アイデアも出さない、でも口は出すでは、静岡はもちろん、東海だって困ると思うのですが。
リニア準備工事、静岡知事に国交次官が直談判へ
乗り出してくるのは良いのですが、環境省にも話を通すべきではないでしょうか。がっちり根回しをして、落とし込めるだけの準備をしたうえで出てくるのであれば全く問題ないのですが、どうもそう見えません。これで県側が「検討して…」などと言ったら、国交省はいい笑いものです。

2020年06月26日(金) 
SNSの名誉毀損 国が手続き簡素化案、有識者ら懸念
手続の簡素化の前にSNS運営者の責任を重くするのが先という気がします。SNSということはモデレーターがいるわけであり、他人の名誉を毀損している可能性のある投稿を通したら、それはモデレーターの責任でもあるでしょう。記事を相互参照することを前提に設計を行っている以上、相互に参照すべきでない記事に対する検閲は、たとえ恣意的であってもする方が当然です。ましてやネットというのはマスメディアと出版のように一部の特権的な著者のみが優遇される場ではなく、投稿サービスを立ち上げて他人を招くくらいのことは誰でもできるのです。つまり、SNSから排除されたからといって発言できなくなるわけでは全くありません。サーバー屋や回線業者ならまだしも、サービス屋が中立性を理由に予防を怠ればむしろその方が問題です。

■2020年06月26日(金)  ほんとに原作者が監修したのか?
『幼女戦記 魔導師斯く戦えり』ゲーム画面やキャライラストを公開!
いや、これは違うでしょう。あの作品は、ターニャちゃんがブラック労働を嘆きつつブラックに部下を性能向上させていくという趣旨なので、「プレイヤーはあらゆる武器を駆使するキャラクターを操作し、ほかのプレイヤーの魔道師と協力しながら帝国軍の敵と戦う。」のでは換骨奪胎が過ぎるように思います。原作者がまじめに監修していたらさすがにそうはならないと思うのですが、まあ、コンセプトががっちり決められた状態でルールとキャラクター設定だけ監修したのでしょうかね。原作の趣旨を生かすとしたらむしろゼートゥーアさんを演ずるロールプレイになると思うのですが、さすがにそんな高度なプレイは一般受けしないのでしょう。なお、マニアックな方向に行くと上司が東部に出向中のウーガ中佐を演じることになるかと思います。ソ連に対抗して威信を高めつつも核戦争は起こしてはならないというゲーム並みの板挟み状況、実にカルロ・ゼン好みでしょう。そういえば、勝利条件が結構厳しいのに慎重策をとると目標未達で首が飛ぶというゲームがあった気がしますが、最近はそういうマゾプレイは流行りではないのでしょうか。
ともあれ、同人作品ではないのですから、キャラクターだけ借りてきて受けが良いように仕立てるような行為には抑制的であってほしいものです。正直、著作者の人格権を尊重する意欲が失せます。

■2020年06月26日(金)  なぜコンビニ経営者が労働者と判断されかねないのかはちゃんと議論すべきでしょうね
コロナ後の働き方? 「ジョブ型雇用」に潜む“コスト削減”の思惑
この記事については、予想も含めて全面的に同意しないわけにはいきません。
まあ、コスト削減が悪いかどうかは異論があるとは思いますが、とにかく雇用者側、投資家側の義務を削減することに主眼が置かれていること自体は否定しようがないのです。もちろん投資家がコストの削減を要求することはある意味当然です。歩留まりが良いに越したことはないのですから。また、最低基準を下げたがることも当然です。拘束が少ないのに越したことはありません。
とはいえ、事業を行うというのは投資とは本来異なる行為です。自営業者がしている限り区別はつきにくいですが、債券を買うのが投資、自分で起業するのが事業経営と考えれば違いは明白です。来年から税金が上がるからと優遇措置の適用を受けて進出した土地から撤退したら地元の大顰蹙を買う、評判が落ちる、そういうリスクを抱えてやるのが事業経営です。売ってしまえば値下がり損失だけで撤退できる投資とは違うのです。
現代的なフランチャイズなど、この意味で投資に寄りすぎた面があるわけで、すべて自己資本でロボット化店舗だけ展開するとでも言うならともかく、店主を一方的に契約で縛り上げるなら自由な契約とはみなせないと言われるのは仕方ありません。「労働規制」と言ってしまうと労働契約特有の問題という認識になってしまい、偽装請負や一人親方の問題が起きた経緯に目が向かなくなってしまう、その結果請負契約ならいくら縛っても規制には引っ掛からない、保護されないなどという変な理解になってしまうのではないかと思います。
それを労働規制という枠で処理していくか、下請け規制なども含めて制度を組み上げるかは選択の問題ですが、過労死するのは本人が悪いなどということになってしまえば、それはさすがにアナーキズムやリバタリアニズムを勘違いしていると言わざるを得ません。ジョブ型雇用にしても、本来は雇われる側の自由を増進し、雇用条件を合理化することが目的なのです。逆に言えば、ジョブ型雇用を採用するのであれば雇用者側にはジョブを妥当な水準で定義する非常に厳格な義務が課されなければならないのです。それを棚に上げてしまったら、それは「ただ単に、企業が雇用義務を放棄できる方向に向かっているにすぎません。」と言われてしまっても仕方ないのです。
もっとも、そういうことを言う投資家や経営者と真面目に付き合わないといけないというわけでもないとは言えます。投資家や経営者よりもちゃんと仕事を知っている、仕事ができるのであれば、コスト削減とノルマ強化しか方法を知らない人よりはよほどコストパフォーマンスの高い経営ができるはずです。本来IT革命にしろ知価革命にしろそういうニュアンスなので、本来の仕事ができる人にちゃんと資源が渡るようにできるのであれば、雇用という形態にこだわる必要はないとは言えると思います。
人身売買報告で日本格下げ 米国、技能実習生など問題視
でまあ、そのアメリカから格下げ通告されたわけですが…正直君らに言われたくないのですけど。不備があることは認めますが、もっとろくでもないことをしているでしょうが、そちらの国は。
とはいえ、非難された内容自体は正当そうなんですよね。

■2020年06月25日(木)  felicalib - とりあえず動いた
仕様把握に少々手間取りましたが(だってヘッダにリファレンスがないんだもの)、ネット上のドキュメントのおかげで無事動きました。というか、プログラム内でDLLを探すフォルダを指定する方法を用意して欲しいです。まあ、実行ファイルと同じフォルダに置けば済むのですが、面倒くさい。

■2020年06月24日(水)  felicalib - vs2019でビルド可
felicalibをビルドしてみました。
felicalib.slnのハンドラーにVS2019を指定、MFCを追加インストールした状態で、ソリューションをインポート後、普通にビルドできました。

■2020年06月24日(水)  いまさらiOSアプリのIntel CPUへの移植に不便などない
アップル、CPU変更はiPhoneユーザー層をMacに誘う戦略か
この評論はないでしょう。こんなことをAppleがもし考えているのだとしたら、MacOSは立ち枯れ必須です。iPadの母艦がIntel CPUのUbuntuになるだけです。
そもそも私はiOSとMacOSを同じものだと思えたことがありません。それは特にファイルの扱いの部分に大きな違いがあるからです。またMacOSのユーザーの一定部分はBSDファンであり(研究系は基本的にそうでしょう)、BSD向けのソースコードをコンパイルしてフリーソフトウェアを動かすために、MacOSをコマンドラインから使っています。それをiOS的なストアシステムに囲い込んだら、そちらのユーザーは確実にLinuxに移行してしまいます。
また、少なくともアプリケーションのレベルでは、Intel CPUとARM系の違いよりもデバイスの性質やファイルシステムの違いの方が移植に問題を起こします。バイナリの互換性はともかく、少なくともiOSアプリやGUI系のMacOSアプリケーションでCPU依存のコードを書くことなどほとんどないはずで(つまりMacOS用のツールキットに切り替えてコンパイルしなおせば済んでしまう)、逆に言えばCPUを揃えたくらいではiOSのアプリベンダーはMacOSに参入できません(ツールキットが非互換な部分を直すところに手間がかかる: これはCPUの違いの問題ではない)。オフィスアプリとネットのサービスしか使わないとそういう勘違いをするのかもしれませんが、iOSを使っている人がMacOSに違和感なく移行できるわけではありませんし、MacOSがiOSと同じになったらユーザーの相当部分が*Macから*離れます(iOS系ではないですよ)。そのあたりは、まさにMicrosoftがWindows 8とWindows Phoneでやった失敗そのものです。
携帯電話評論はともかく、PCまで含めた評論をするのなら、それこそXCodeでサンプルを一通り、MacOS向けとiOS向けのどちらの設定についてもコンパイルし、必要なら動くレベルまで移植をしてみてからにしていただきたいものです。それで同じことを言うようなら、まあ、Appleがそこまで頑張ったと言うしかないでしょう。
もちろん、システムのベースがARMになるというのは大きな変化です。Appleとしてはコードベースを揃えられるわけなので楽にする見通しを立てているでしょうが、むしろMacOS側にCPU依存のコードが多いわけですから、ベンダーやハードウェア系の開発者はいろいろ大変でしょう。とはいえそれは切り捨てる方の戦略であり、成長の戦略ではありません。
それと、Macのセルラー対応ですが、そうなるというよりはもしかするとそうしたいがためにARMにする方ならあるかもしれません。Macはi*よりは容積や重量、バッテリー容量の制約が緩いので、やろうと思えば今までもできたはずです。ただしそのためには外部のセルラー回路ベンダーに頼る必要があり、その決断を下せなかった。そしてiPhoneで回路の自製化に十分な成果が上がり、そのためMacにもARMを載せることにした。そういう流れならあるでしょう。この点で、ハードウェア的には一層Appleに閉じたシステムになっていく可能性が高いですし、自社製品に最適化された開発エコシステムの構築という点で納得もできます。しかし、ソフトウェアの部分では、MacOSとiOSはアプリケーションの設計のところから違うものです。
AppleがArmベースのSoCをMacに採用する背景
こちらの解釈の方が、私には納得しやすいです。まあ、正直ARMが汎用のハイエンドコンピューティング向きかという点については疑問を持っているわけですが、とにかく並列化すればパフォーマンスを稼げるという方向でよいなら、ARMでよいわけです。個人的には32bitFPだけでなく256bitFPでの並列演算のようなものも欲しいですが、ARMにそれを求めても仕方ない。32bitFPでコア数を増やした方が良いという考え方は当然ありなのです。
Apple Silicon MacはBoot Campをサポートしない
ブートキャンプは元々ハードウェアの仕様が当時のPCとかなり違っていた初期のIntel Mac向けのもので、それでも正直なんでMacでWindowsをブートさせないといけないのか疑問に思ったものです。まあ、どうしてもMacのハードウェアが良くて、PCは使いたくない、でもWindowsのソフトウェアを使う必要があるという人には便利だったのでしょう。とはいえそれなら、仮想化で同時に動くのであればそれでよいわけです(まあ、ゴリゴリにハードウェアを制御している場合に互換性があるかは別ですが、それはブートキャンプでもあまり変わらないでしょうし)。
それはともかく、とりあえずAppleはMacをiに寄せていくなどという謬説をApple本体が打ち消しにかかっているのは良いことだと思います。MetroしかないWindowsを使う気になれないのと同じで、iなMacはもはやMacではありません。まあ、X以降のあれもやっぱりMacではないとは思いますけど。私にとってMacintoshとは、9以前のあれなのです。

■2020年06月24日(水)  経営戦略もお家の安全も重要性では似たようなもの
ITベンダー丸投げ=経営戦略の丸投げ、「ITが苦手な経営者」の率いる企業が市場から消える日
この視点自体はよいのですが、疑問に思えることが一つ。なぜ経営戦略の丸投げは問題視されるのにホームセキュリティの丸投げは問題視されないのでしょうか。
そもそも経営戦略がIT製品やベンダーの提案に絡まってしまっているのが問題なのであって、本来は特定のIT製品やサービスからある程度離れた形で経営戦略を議論できないといけないはずです。もちろんどのプラットフォームに乗るかという部分で密接に絡んでくることは否定しようがないですが、どこのプラットフォームに乗っても問題ない経営戦略というのもあって当然で、むしろ経営戦略の側からプラットフォームを審査できないといけないと思うのですけどね。IT音痴はまずい、苦手はまずいというならその方向からであって、ベンダーの技術オタク談議に経営者まで巻き込まれるのはおかしいのです。
それはホームセキュリティも同じで、本来実現すべき要件があって、その上でプラットフォームや製品を選ぶべきなのですが、今や得体の知れないクラウドベースのプラットフォーム商売ばかりになって、情報もその製品評価ばかりになっています。まあ、サービスで長く金を搾り取りたい提供側の思惑は理解しないでもないですが。

■2020年06月24日(水)  見放したんだか手に負えなくなったんだか
オリンパス、映像事業を分社・譲渡
あ、オリンパスがカメラ関連を見限った。
まあ、仕方ない部分があるとは思います。オリンパス自体けして余裕がある経営状況ではないでしょうし、成長するかと言われれば厳しいというしかないでしょう。なにしろこの2年でフルサイズミラーレスが出揃ってしまったので、性能と重量で機動性の高い高級機としてM4/3をアピールするのが難しくなってしまいました(それでも相当軽いはずですが)。
譲渡先は日本産業パートナーズとのことで、事業再建の実績は十分あるので(最近の案件ではVAIOでしょうか)、何がどこまで残るかはともかく徹底的なリストラ(雇用の話よりも製品や部品調達ルート、事業体制あたり)をすれば見込みはあると判断されているのだと思います。ZUIKOがしょぼくなって安っぽくなってしまう可能性はありますが、さすがにこの段階で単体カメラ事業を廃止することは考えていないでしょうし、そうであればサードパーティーのあるM4/3自体はしばらくは死にはしないでしょう。
切り出される事業部はうまくいけば数年程度でどこかに転売されるはずですが、オリンパスが買い戻すのか、フォーマットつながりでパナソニックや他のM4/3協賛企業が買い取るのか、まあ、オリンパス自体が外資に身売りという線もあり得ますけどね。
どうなるオリンパスのカメラ事業 「PEN」「OM-D」の技術と強み
荻窪さんの分析は私に近いようです。
というか、実際堕落した自覚はあります。まあ、ライブビューじゃないとデジカメじゃないという時点で堕落しまくっていますが、それ以前に、たぶんTokinaのReflex 300mmで手持ち撮影ができているのはE-P1だからです。また、おそらくフルサイズ用だと今と同程度の機材を持ち歩けません。ボディもそうですが、とにかくレンズが軽いので、持ち歩きに抵抗がないわけです。ボディを複数持ち歩くのは時間が命の職業写真家くらいのものですが、レンズは高倍率ズーム1本というわけにはいかないというか、それではレンズ交換式の意味がありません。そして600mmや1000mmの、フルサイズ用の前玉のでかいレンズを持ち歩けるかと言われると…自信ないです。写真だって体力勝負、重くて安定する三脚を含む重い機材(しかも山岳写真にでもなればテント泊用の縦走装備も合わせて)を携行する筋力と、それで長時間歩ける持久力が必要です(撮っている最中は結局歩いてなんぼです)。その負担を軽減してくれるM4/3は大変ありがたいのです。
まあ、手振れ補正や埃落としはともかくレンズの重さはオリンパスである必要はなく、パナソニックでもよいわけですが、ともあれまだ死ぬ理由はないと思うので、日本産業パートナーズさんには頑張って欲しいものです。シングルフォーカスレンズの値段が今の倍になってもいいですから(でもそれだとレンズ交換式を売るメリットを殺しているようなものではあるのですけど: もっとも、性能面のメリットをつければ、シングルフォーカスレンズを買う人というのは覚悟が決まっているはずなので、買ってくれるとは思うんですよね)。

オリンパスが950人の退職者を募集 成長のため「社外転進支援制度」を実施
事業再建に向けて従業員の削減は必要なのでしょうし、退職一時金で色を付けるとか、もしかするとコンサルティングあたりも会社持ちでやってくれるのであればありではあるでしょう。
「変革を推進する人材の採用などを進める必要がある」
これは「会社」としてどうかという気がします。もちろん事業に即した従業員の入れ替え自体は、原理的にはあってよいのですが、会社が事業を行うための仕組みでしかないという意味でも、経営・企画を含めた高度技能職を社内で賄うという元々の日本企業の筋から見ても、退職勧奨と合わせてこれを表明するのはおかしいと思います。従業員の入れ替えを行うというならそもそも事業自体が大きく変わるということで、その変化を進める従業員を外部に頼るというならば、旧事業を売却して新しく事業を組織するのが筋です。また事業組織として人事の方針を徹底的に変えるというならば、本来は会社を一旦清算するべきでしょう。

■2020年06月24日(水)  いつまで宴会政治をやってるんだという気もしますが
マスク外した知事らが大宴会 高知県民に「手本」示す
県知事という立場で宴会をすることに異論はありますが、とはいえ宴会というのが生活の一環であること、そしてそれを行政当局が音頭を取って規制した以上、緩和に際して行政当局がなにがしかの基準なり模範なりを示すべきだという考え方は理解できます。まあ、カイワレ大根と同じで、やらないよりはましじゃないかと。ケチのつけようはほかにもいろいろありますが、個人のパフォーマンスになってしまうのは知事という制度上仕方ないですし、後付けで得失を考えていくしかないでしょう。ばかばかしいと一蹴することはできないと思います。

■2020年06月23日(火)  順当だと思いますが嬉しいかどうかは別ですね
政府がマイナンバーカードと免許証の一体化を検討。国家資格証のデジタル化も視野に
まあ、順当だと思います。というか「検討」じゃないですよね?検討はもう済んでますよね?後はパブリックコメントと国会審議くらいではないでしょうか。
とはいえ、うれしいかどうかは別ではあります。そもそも自動車運転免許証や国家資格の証明書だと、カードを見ればどの資格を持っているか一目瞭然だったわけです。それがデジタル化によって見えなくなってしまうわけで、変なトラブルの元にならないか危惧されます。発注の際に有資格者の証明書コピーを添付するようなことだってあるわけで、デジタル化するとコピーでは済まなくなるわけですから、資格証明の発行なり、それこそ電子契約において資格証明の参照手順を整備するなりの方策が必要になるのではないでしょうか。少なくとも卒業証明のように、どこかで証明できなくなってしまう(ので証明書をコピーして提出する羽目になる)ようなことがないようにして欲しいものです。
もちろん、ごまかして偽名の資格証を得るといった場合も問題は出そうですが、そこは政府が対応すべきことではないでしょう。とはいえ無効化手順の整備は必要かもしれません。こうした多機能身分証明を迂闊に無効化できてしまうと管理側でミスを犯したときに大問題になるので、無効化に際して必ず本人に照会するとか、無効化した後で間違いが見つかった場合の復旧手続の整備なども問題になりそうです。ついでに、たぶんネットや政府のデータベースが止まると確認すらできなくなるわけですが(だからといってカードに資格証明データ自体を保管させるというのも問題はあるわけで)、まあ、そこは自信があるのでしょう。もちろん、証明させる方やしてもらう方としては対策をしておく必要はあります。

■2020年06月20日(土)  何を論じるのかが楽しみです
赤城耕一の「アカギカメラ」プロローグ:人間とカメラ、建前と本音
何か面白そうな連載が始まりました。
私はスマホの内蔵カメラと単独製品のカメラに違いがないとまでは思いませんけど、整った写真を撮るということならたぶん違いはないと言われればその通りです。この方の言い分にはそういう点で説得力を感じていて、日常的にチェックするメディアで連載が始まったことを、素直に喜んでいます。
いやだって、フルサイズだとボケがどうこうとかって、ボケなんかフィルターでいくらでも都合できるわけです。ぼけた写真をシャープにするのは大変ですけど、じつはそのあたりはスマホの方が進んでるし。今時のモバイル用CPUは、リアルタイムでギガピクセルの被写界深度の計算をやってのけますからね。
写真業界は冬という話もそうで、確かにモノは売れなくなってるかもしれない。そりゃそうです。買わなくても手に入るんだもの。PEN-Fがディスコンってことはないと思いますけど、まあ、後継機は出なくなっちゃってますし、OM-Dみたいな一眼レフじみた形にこだわる人を狙っていく方が儲けは出やすいのでしょう(私はたぶん買わない、というかOM-Dを買うくらいならNikon Zにする)。それでも売れない。赤城氏の書いている話に説得力を感じるわけです。私がスマホは携行したくないなどという話は措いておいて、じゃあなぜわざわざ専用のカメラを携行するか。実際こだわりだとしか言いようがない。いやまあ、例えば顕微鏡につけるとかだとFマウントあたりが便利だったりしますけど、もうカメラ内蔵というか、カメラで撮った映像をリアルタイムで加工する方が主流ですしね。でも、写真を撮って何かするという機会は非常に増えている。
だから、写真関係で何かを論じる場合、カメラや写真というフィールドだけでなく、映像技術という方向で考えていく方向性が一つ。ただ、これはほかの人がやってます。そして、なぜわざわざカメラで撮って写真として見るのか、提示するのかを論じる方向性。赤城氏の連載はこれについて何か話してくれるかもしれないというのが、個人的な期待です。これはフィロゾフィカルな話なので、やればやっただけ答えが出てくるでしょう。それこそ、そう撮ると決めている場合はファインダーの像からそうなっていて欲しい、だから6x6判のカメラを使うというのもそういう話でしょう。なのでM4/3のカメラで撮って、その方がよさそうだとクリッピングしてしまってもそれはそれでいい。それこそ古い方のPen-Fのイメージを作りたいからと、オールドレンズで撮ってクリッピングしてみたって良いはずです。まあ、レンズの真ん中だけ使って同じイメージになるのかは知りませんけど。明らかに間違っているアプローチというのはあるでしょうが、正しいアプローチというのはないと思います。だからこそ、この人の文章なら読んでいて面白いだろうと思えることが大事です。
というか、連載をまとめて本になったら買うんじゃないかな。たぶん何度も読んでも古びない話でしょうから。

■2020年06月20日(土)  もう三日速くニュースにできなかったですか
Windows 7に最新の「Edge」がWindows Update経由で配信
これ、昨日帰宅したらPCがリブートしてて驚いたのですが、今時Windows 7を使っているなんてという批判は甘んじて受けますが、そもそもブラウザは起動しないようにして、ローカルのコンテンツプレイヤーにしているので、Edgeに更新してもらってもメリットがありません。
というか、速報性が売りのメディアで配信されてからニュースになっているというのはいかがなものでしょうか。ライターさんは、MSに抗議された方が良いと思います。

■2020年06月20日(土)  自宅にコンテンツデリバリーシステムでも備えれば不時着でしょうけど
宅内LANの不時着
いや、それで不時着とか言われても…有線LANシステムのメーカーが聞いたら怒りますよ?あんなアロハネットやダムハブの末裔みたいなのと一緒にするなって。
むしろアクセス回線でのダウンロードにキャッシュが効かないことによる帯域の無駄の方が問題なのではないかと思います。5Gでも、アクセス回線に使った場合同じ基地局経由で複数の端末が同じ大型コンテンツをダウンロードしてしまい、パケット代がかさんでしまう可能性がありますし(というかWindows Updateなんか確実にそうでしょう)。CDSを導入しようにも数人程度の規模ではボリュームライセンスはペイしないことがありますし、そもそもクライアント側でのキャッシュの便宜が図られていないサービスがほとんどでしょう。
もちろん、通信コストは無視でき、通信帯域は無限大だというのがサービス実装側の前提ではあるのですが、使う側としてはそうもいきません。コンテンツサプライヤーと協調しての実装が難しい以上、コンテンツのキャッシュはハード屋もソフト屋も遊びで海賊的な実装をしてみるくらいしかできないわけで、むしろ批評家の果たす役割は大きいのではないでしょうか。

■2020年06月20日(土)  別に老舗でなくとも救ったっていいと思いますけど
新型コロナで消えゆく老舗
結局のところ経営体力の不足ともしかすると恒常的な経営悪化が問題なのではありますが、文化財保護の在り方とも合わせて悩ましい話ではあります。運営団体に問題が起こると文化財の保護に支障が出るのでは、保護の目的を果たすことができません。
とはいえ、たかが明治の高級役人の家を、文化財と言うのかという話はあります。もちろんなんだって文化ではあるのですが(それこそ粗製乱造された郊外住宅団地の安普請だって文化の一面ではあるわけです)、それを「文化財等は有形無形にかかわらず先人の血と汗の積み重ねの上に成り立っているものであり、文化や文化財等の喪失は歴史の断絶にも繋がり兼ねず、先人の知恵の損失にもなりかねない。」と言われると、むしろ、コストパフォーマンスも考えろ、そもそも先人の知恵とやらを塗り替えて改めてきたのが歴史だろうとは言いたくなります。建築物そのものとして何らかの文化的価値(例えばその後の建築物に一定の影響を与えたとか)が認められるというならともかく、著名人が住んだ、過去の記憶をたどる縁という程度の話なら、それこそ旅館の客寄せの範疇であって、宿泊施設として経営が成り立たないのなら事業と一緒に土に返ってくれてもかまわないわけですし。
一方で、この段階で事業継続をあきらめられてしまうというのはどうなのかという問題もあります。事業において想定していた形態の先行きがそもそも暗く、数年程度のスパンでは回復の見込みがないというなら、現時点の事業を手仕舞って清算するのはむしろ当然ですが、突発事態における赤字を度外視すれば事業自体は黒字で継続していけるような場合、コロナ騒動で開店していてもコストがかさむだけだからという理由で終わられてしまうと再建の手掛かりを失いかねません。著者の言うような過去の事例であれば、一度維持コストの少ない形で事業を休止し、再建のめどがついたところで業態の変更も含めて復活させた例も多いわけで、どうすれば事業体の離散や設備の消滅を防げるかという議論はした方が良いと思います。

■2020年06月19日(金)  だからあの法律は役立たずだと
鶏の死骸14万羽放置疑い、「紀州うめどり」組合を捜索
そりゃまあ、資金繰りに行き詰った状態なら飼育費や死骸の処理なんかにお金は回せません。そのあたりの処理ができるのは、自主的に破産できる間に限られるでしょう。仕事だから仕方ありませんけど、経緯を調べると書かれてもばかばかしく思えるだけです。

■2020年06月19日(金)  インターフェースがすぐ古くなるからでしょうに
合体スマホは永遠に! 紫外線殺菌モジュールを装着できるスマホが登場
合体は中二心をくすぐるギミックではあります。とりあえずモジュールが紫外線ランプというのも、時宜を得ているようでいて本当に意味があるのかどうか信じがたいところがよいですね。とはいえ。
「大手メーカーに負けじとスマートフォンを展開していく中で、時代の要求に沿った機能をモジュールで提供するアイディアは優れているのではないでしょうか? 他のメーカーもぜひ追従してほしいと思います。」
いや、山根さん、わかって書いてますよね?
設計時点で無難な価格で実現できるインターフェースにしたら2年で陳腐化どころか時代遅れになるのでモジュールを展開するより全部突っ込んでしまった方が速いわけで、後付けで合体させたいならUSBコネクタからぶら下げるしかないのです。大手メーカーですらモジュールの展開ができないのに、財務状態がよりしょぼい新進メーカーがそんなギミックを展開できるわけがないではないですか。もはや大手メーカーしか生き残っていないカメラのマウントとは違うんですから。サードパーティーだってついてきませんよ。
そういえば、PCI-Eは今のところ上手に互換性を確保していますが、大昔、長くなったISAバスというのがありました。長くなる方法にEISAとVLがあったわけですが、正直私、PCI-Eはそのうちx48とかx64とかでてきてスロットが長くなるに違いないと思っていました。フルATの基板横一杯を占領するPCI-Eスロットとそれをフルに使うためハードディスクベイと干渉する高性能拡張カードというのもなんだか見てみたいのですが、そもそもx16すらCPUのポートを食いつぶすような状況では、ないものねだりですね。基板上に実装されてしまうデバイスや他のインターフェースの接続が多すぎて、拡張カードをたくさんつけようなどという贅沢をさせてくれません。x16のスロットが8本あって全部フルスペックで使えるようなマザーボードなんてないだろうなあ。いや、GPGPUのアレイを組むような用途だとあるのか?

■2020年06月19日(金)  頑張って盗んでもらえる作品を提供してください
作品を許可なく持ち帰りできる展覧会「盗めるアート展」なぜ開催? 主催者に聞いてみた
盗むというといささか穏やかでない語感ですが、趣旨は理解できます。現代アートとしてはありだと思います。
ただし現代アートの場合、そもそも趣味が合わな過ぎて持ち帰る気になれないとか、家のどこに置いたものやら困るとか、そもそも運搬に困難があるといったこともありそうで、まずは持ち帰ってもらえそうな、しかしアヴァンギャルドな作品を提供してもらうことが大事かと思います。

■2020年06月19日(金)  コア数とクロックレートのカタログ値だけで選べるわけはないんであって
「CPUは何でもいい。」は本当か? Intel製CPU進化史と基礎知識
タイアップ記事ですが、結構よいイントロダクションになっていると思います。まあ、インテルの歴史なんてほぼメモリとCPUの歴史なわけで、まともにたどったらちゃんとした記事になるのが当たり前ではあります。
「(5)CPUとメモリの階層――演算以外でもPCを高速化しているCPU」
カタログスペックではあまり目立たないのですが、気を付けると玄人っぽいのがこの話です。大昔のUNIX USERの連載記事をまとめた本で、コンピューターの購入を検討する時にまずバスの仕様を見るという話を知りまして、感心したのは懐かしい思い出ですが、実際その当時のコンピューターというのは、演算回路のクロックは数十MHzなのにバスクロックが数MHzということが多く(まあ、DRAMの動作クロックがそうなんだから仕方ないのですが)、これでは演算回路のデータ待ちが発生します。当時のワークステーション用の高価なCPUは演算クロックはパソコン用と似たり寄ったりでもより高速なバスを使っていることが多く、そのあたりが性能差につながっていると言われて(というか本の著者はミニコンユーザーで、ワークステーションに比べてミニコンのバスはまともだと主張しているわけですが)、納得したわけです。実際相当後でも、パソコン用のCPUでは演算クロックが数百MHzなのにFSBが100MHz近辺でうろうろしていたわけですしね。
そこをいかにして安い部品で高速に効率よく計算を行うか、あるいは高価な部品を要求するが高いトータルスループットを叩き出すかというのがみそであるわけで、コア数だの同時実行スレッド数だのというよりわかりやすい基準が出てきたのはさらに後です。

■2020年06月18日(木)  なんかデフォルトで部屋から電波漏れしないセキュリティがついていそうな
5Gの次「6G」見据え、300GHz帯で動作する超小型アンテナを開発──ソフトバンクなど
技術開発自体は素晴らしいと思います。やはり現状のスマホ筐体に入るくらいでないと困るわけですから。
しかし、テラヘルツですか。いや、まさか、今時の安建材でも壁で減衰してしまって部屋ごとに基地局設置なんてことにならないだろうな…と。たしかにセキュリティは大事ですが、無線LANならまだしも、公衆移動体通信なんて電波が届いてなんぼなわけで、そこが今、やっぱりきついですという状態ですよね?基地局一台ワンコインにでもならない限り、エリアじゃなくてアイランドだろうというオチが容易に予想できてしまうのですが、そのあたりいかがなのでしょうか。

■2020年06月18日(木)  教授、シャッターを切ると破裂でもするのでしょうか?
チェキフィルムを使う手動式インスタントカメラ「escura」を衝動買い
まあ、実用性はどうせ皆無なので買うことはあり得ないわけですが。というか、今更インスタントカメラなんぞ何に使うんでしょうか、という疑問に答えてくれた人は今のところいません。ああ、フラッシュの取り付け方というか構え方は楽しそうですけど。できれば再使用可能なフラッシュではなく、使い捨てのバルブキューブにして欲しかったです。やはり馬鹿は徹底的にやらないと。それはいいとして。
「バブル撮影」…もしかして、文脈からすると「バルブ撮影」でしょうか。フラッシュがどうとか書いてあるし。バブルシャッターなんて言葉も出てくるし、一瞬何か泡的なものを期待してしまったのですが、たぶんただのtypoか変換ミスでしょう。というか、ソフトウェアのレビューばっかりしてきたライターならともかくこの人ハード屋というかガジェット屋でしょう。それもMediaworks系ならともかくASCII系の媒体ですよ?なんでそれがこんな阿呆なtypoをそのままで出すんですか。一瞬粉砕バットで有名な田中一郎君のパロディか何かかと思いましたよ。編集者はちゃんと仕事をしていただきたい。

■2020年06月18日(木)  何にこだわって同人誌の作成に及んだのかわからない
家カレー読本
普通に料理本の市販のルーを使ったカレーの作り方の基礎部分だけ抜き出したような本です。ルーを時々ミックスしているらしい点はあまり普通ではないかもしれませんが、昨今の尖った料理本を考えれば、奇異とまでは言えないでしょう。
もちろん、ごくまっとうに、カレーを作る時の参考書として使えます。というか、調味の部分がルーという形でくくりだされているため、段階ごとに何をすればよいのかをシステマティックに理解する助けになるかもしれません。ワンコインで買えるので、普通の料理本やレシピ集が漱石さん一枚以上になっていることを考えれば、お手頃と言えます。
しかし、この本を同人誌と呼ぶことには抵抗を覚えます。もちろん、出版社が発行しているわけではなく、つまり書籍の通常の流通ルートに乗っていないという点では立派に同人誌です。しかし、この本の場合、こだわりが、テーマや内容ではなく、同人誌を作るという部分にあるように見受けられます。まあ、喫茶店っぽい飲食を家でするというテーマとか、おそらくこだわりのある内容をあえて避けるという方針にこだわりはあるわけですが、喫茶店料理にしばしばみられるこだわり、例えばスパイスの調製からするとかルーにこだわるとか具にこだわるとか油にこだわるとか、あるいはまず調味用の野菜と肉を細切れにして炒めて煮込んでから具を入れるといった類の手順上の独自性の部分は、「こういうこともできるよ」とオプション扱いで(しかも市販の便利製品を投入する形で)あっさり流されています。カレーの料理本というので、カレー粉にバターと小麦粉を混ぜてルーを作るあたりからと思って読んで肩透かしされたからそう言うのではありませんが、独身者が休日にちょっと凝ったことをしようというレベルで料理をする(つまり普段は米を炊いてレトルトカレーを温めてぶっかけているがたまには野菜を切って煮込んでみようかというレベル)のにちょうど良い内容です。ふつう系ライフスタイル雑誌の連載講座の記事とでもいうのでしょうか。このため、凝ろうと思えば応用の効く内容に仕上がっています。まあ、ルーの作り方は書いていないので、うっかりスパイスを混ぜるという理解だけでルーを置き換えてしまうとカレー味のスパイス煮になってしまいそうな点は強いて言えば問題かもしれません。とはいえルーの作り方を書いた本などいくらでもありますしね。
重めのブログ記事を思わせる本で、印刷して製本して同人誌即売会で売った動機を理解しかねるのですが(本を作る楽しみというのもあるとは思いますけど)、まあ、ノウハウ系同人誌というのも懐が深いと言うべきでしょう。頭の固い人からは怒られそうな作りですけど。気楽に読めて実用性もある本ですが、できれば500円ワンコインではなく、電子書籍版だけでも100円ワンコインにして欲しかった。他人に薦める際のハードルが下がりますから。
ところで、喫茶店料理の定番メニューというと、ナポリタンとミートソースではないかと思うのですが、このシリーズにはスパゲッティがないようです(トーストとサンドイッチはある)。そのうち出てくるのでしょうか。
そういえば、カレーライスというと日本では喫茶店の定番メニューではあるのですが、カレーというのは分類的にはイギリス料理なんですよね。原形はインド各地の煮込み料理ですが、たしか小麦粉を大量に突っ込んでとろみをつける発想はイギリス由来(たぶん牛肉だの豚肉だのを入れるのも)、さらに炊飯器で炊いたご飯に会うように魔改造したのが日本という流れだったかと思います。でもって、イギリスは紅茶文化圏であり、コーヒー文化の本場であるフランスやドイツ、イタリアではカレーというのはどちらかというとマイナーなエスニック料理のはずです(まあ、焼きソーセージにカレー粉やカレーソースを合わせる食べ方はドイツにあるらしいですが)。このシリーズのテーマにもなっている通り、日本の喫茶店というのは出てくる飲み物から見るとむしろコーヒーハウスです(むしろドイツ風のカフェでしょうか)。カレーの後で飲んでもうるさくないコーヒーであればありそうな気はしますが、コーヒーと合うカレーというのはどうも想像が難しい気がします。もちろん喫茶店はある意味軽食屋として発達してきたわけで(これは国を問わない)、そこに煮込み料理があること自体はおかしくありません。しかし、カレーに合うというなら、むしろセイロンのストレートではないかなと。いやまあ、これはティーパーティーの偏見かもしれませんが。

■2020年06月17日(水)  外国人だけ特定の職業に縛り付けるというのは
「特定技能にコンビニ追加を」 自民、外国人在留で提言
まあ、理屈はわかるのですよ。結局のところ賃金を上げたくない経営者と既得権益のある職種を開放したくない国内労働団体、出稼ぎを進めたい余剰労働力のある国の妥協みたいな法律なので、屁理屈でも合意が成立すれば特定技能という形での労働市場開放はできるわけです。
とはいえ、コンビニって…いや、コンビニが良いとか悪いとか言うつもりはないのですが、少なくともコンビニのフランチャイザーって店舗がらみでは問題が出ている状況ですよね?店舗経営者との間のリスク・権限分配が均衡を逸しているとか最低時給で高度の柔軟性を持つ労働力をこき使っているとか、それこそフランチャイズ契約という形で労働条件規制を迂回しているとか、正直保証人として外国人労働者を受け入れる資格があるのかがまず問われなければならないと思うのですが。フランチャイザーが外国で人を買ってきて店長に売りつけ(あるいは貸し付け)、代わりにフランチャイザーの方針への服従を迫る仕組みになりかねないと思うのですけど、そのあたりはちゃんと考えているのでしょうか。
それと、滞在の条件として外国人を特定の職業、特定の職場に縛り付けるというのもどうなのか。もちろん入国したところで無職になられては困るとか、なにがしかの保証の下で滞在して欲しい、あるいは入国した後は自由に転職できるようでは困るといった事情はあるでしょうが、それって人間を扱うやり方でしょうか。最低限受け入れ側の事業者について十分な吟味と監督を行うことが必要でしょうし、問題が発覚した場合の措置についても強制送還や不法滞在などという事態ができるだけ起きないようになっているべきでしょう(問題が出るということは、問題を起こすような受け入れ先を排除できなかった監督側の責任で、それで受け入れ先がなくなるから帰れ、不法滞在だというのは人道的な扱いとは思えません)。本来就労を認めるなら職業選択の自由も認めるべきですし、半人前扱いも六カ月が限度というのが法律なのですから、外国人の就労もそうであるべきです。そして、賃労働を義務として滞在を許可するというのであれば、正規従業員としての処遇を役所の方で保証しないといけないと思います。労働需要の変動に対応できる雇用などという枠にしたら、外国人は使い捨てにしてよい、首にしたら帰国させるから後腐れもないと言っているようなものです。紛争時の保護や交渉の斡旋、滞在中の受け入れ先切り替えの制度的保証、滞在中本人に特段の問題がなく本人が希望する場合の滞在資格更新の保証もあってしかるべきです。

■2020年06月17日(水)  停電中
blackdown-20200617.jpg 1234×737 159K20時ごろから停電しています。東北電力にも停電発生中、復旧に努めている旨アナウンスが出ています。10分程度断続的に落ちたのち完全に落ちましたが、現時点で原因のレポートはありません。
翌日時点で、原因について、樹木・鳥獣等の接触とのアナウンスが出ていました。

■2020年06月17日(水)  番組終了したりして
米デモ動画、NHK放送総局長が「問題意識欠けていた」
まあ、あの番組は正直ずいぶん危ない印象だったので、こういう騒ぎが起きること自体は不思議でもなんでもないのですが。検証の結果制作に問題ありとされて番組自体終了したりして。

■2020年06月16日(火)  「声」が運営を肩代わりすればよいでしょうに
「最北の秘境駅」存続願う声・声・声 どうする稚内市
その負担をなぜJR北海道や稚内市が受け入れなければならないのかがわかりませんが。国鉄時代ならまだしも、今時駅の運営など鉄道事業者である必要も地元自治体である必要もありません。請願の市民運動などしている暇があったら、事業主体を立ち上げて駅を買い取るべきです。土地建物の代金分鉄道事業者なり地元自治体なりが潤いますし、維持費を持ってもらえる分年間コストも楽になりますから、最悪駅側から補助でも出せば、一日一往復の普通列車の停車くらいはしてもらえるでしょう。存続を願うというなら駅事業自体で儲けが出る必要はないわけで、赤字垂れ流しでも問題ないはずです。

築100年「最北の秘境駅」が廃止危機 全国からメール
だから、駅舎があってもJR北海道としては列車を停車させたくないというのが問題なわけですよね?駅の維持費が自己負担とかいうのはどうでもよくて、それこそいくら払えばJR北海道は一日二往復くらい列車を止めてくれるのか、あるいは宗谷線の定期列車を維持してくれるのかという話です。維持コストを含めて列車を走らせてちゃんと利益が出るならJR北海道だって止めるとは言わないわけですし、それこそ線路を沿線自治体で召し上げて第三セクターを立ち上げたって良いわけです。本来民営化したなら地域の足どうこうという話からは距離を置けるはずで、市当局もそれを踏まえたバス転換の提案だと思います。まあ、住民の納得する規模でないのは問題で、高頻度の定期運航ではなくスクールバスや乗り合いタクシーを提案している時点で切り捨てる気満々だと言われても仕方ないのですが、住民側も、変に情に頼った陳情ではなく、住民主体で公共交通を確保するから免許寄こせくらい言えないもんですかねえ。

駅ノートに「祝・廃止撤回!」 宗谷線の駅、一転存続へ
うーん、結論の先延ばしかなあ…まあ、駅を維持する際の負担を軽減する目途が立ったのだと思うのですが…いや、この後列車種別で快速と特急が増えるんじゃないかという気がするんですよね。で、普通、つまり各駅停車が減る。無人駅だって、止まらなければ客扱いは必要ないわけですから、ワンマンでも問題ないですしね。
JR北海道が破綻する前に方向が決まるとよいのですけどね。

■2020年06月16日(火)  リモートにすればいいってもんじゃないんだが
大平元首相の直系議員 「コロナ禍こそ田園都市構想を」
スローガンには好意的にならないでもないのですが、中身を見るとがっくりしますね、これは。
いや、サービスをリモートで享受するというのは、二つの面があって、ひとつは供給者がどこにいてもサービスを供給できるということ、もうひとつは消費者がどこにいてもサービスを消費できるということです。このふたつは、ドライブする方向が全く違います。基本的には、供給側は需要が見込まれるので都市に集まる、消費者側は供給が見込まれるので都市に集まるという相乗効果になるわけですが、供給側が特定品目の需要のボリュームだけを問題にするのに対して、需要側はバスケットとして問題を考えます(もちろん供給側も一面では需要側でもあるわけで、その場合バスケットでものを考えます)。つまり医療であれば、たとえリモート診断で十分な品質を確保できるにしても、町に1台しかないCTが常に半日待ちなどという状況だと、需要に応えたことにならないのです。
薬くらいはまあ、通信販売で何とかなるでしょうが、何でもかんでもITや通信で解決するわけではないのです。
労働市場の問題もあります。リモートワークとはいえ内部のコミュニケーションを通信に置き換えただけなので、事業組織自体がバーチャルになったわけでもなければ生産自体がデータ主体になるわけでもありません。帯広の自宅から東京の事業(といってもそんなことができるようになれば所在地というのは登記の場所という意味しかなくなるでしょうが)で働くというわけにはなかなかいきません。というか、できるところはとっくにやっています。つまり、労働需要のあるところに移動しないと労働機会がないわけで、これでは田園都市など絵に描いた餅でしょう。

■2020年06月16日(火)  そりゃまあ、ハンコの方がまだましってこともね: ていうか、電子署名なんてハンコみたいなものでしょうに
アフターコロナがどうなるか、マジシャンがシカケなしで予測した
アフターコロナでもハンコは必要? デジタル化が進まない理由
こういう書いてみたかった系の論説というのは、やはり軽快な筆致が肝だろうと思います。その意味で、この著者は読んでいて気持ちよい系統ではないでしょうか。
まあ、契約文書の認証についてはそういうものなので、そもそもハードルを高くしておくことによって安易な利用を許さないという側面もありますから(その割には供給側から費用負担まで強要されることが多いですが)、面倒なのは仕方ないと思います。
楽しそうなので、少し私も予言というのをやってみようと思います。
著者が記しているように、リスクに対する考え方が重く見る方向に変わる可能性は高いと思います。一方で、ここ百年ほどの経済制度がリスクを軽減することで効率を高めてきた点は否定できません。つまり、ここでリスクを重く評価する方向にシフトしてしまうと、経済活動の効率が下がり、つまるところDXは進まない、景気は良くならないということになってしまうかもしれません。一方で、決済はここ百年でどんどん帳簿化、デジタル化してきました。今や現金といったときに貨幣に加えて要求払い預金を含めるのは常識です。もう一つ進んだのが、リスクの貨幣への転換です。保険が典型的ですが、「いざというとき」に必要なものが貨幣で手に入るようになり、リスクが顕在化しても支払い手段さえあればなんとかなるようになり、その支払い手段を入手するための市場が発達しました。対処すべきリスクが決済不能だけになり、かつそのリスクさえも売買によって移転できるようになったわけです。まあ、世の中、貧乏だから医者にかかれないどころか、そもそも行動圏内に医者がいないというリスクもまだあるのですけどね。
このような状況下で唯一進むDXは、電子決済だと思います。
決済事業者というのは、ユーザーが増えるほど貨幣準備なり現金準備なりが少なくて済みます。なにしろユーザー間であれば帳簿の操作だけで、実際に貨幣が動くわけではないのですから、正味で必要な貨幣は少なくなるのです。当然、融資が焦げ付いても実質的な負担がなくなることすらあるので、融資における実体的なリスクも減ります(そのかわり決済事業者が支払い不能になると残高ごと吹っ飛んでえらいことになりますが)。実は経済学者が「銀行」と言っている場合、こういうものをまとめてそう呼んでいることがしばしばあります。電子決済はこの延長線上にあり、つまりは効率化とリスク軽減の効用があるわけです。決済事業者間の決済システムをうまく整備することができれば(規制緩和は絶対その手段ではありませんけど)、民間主体でもまあ、何とかなるでしょう(独占にでもしない限り、決済事業者間の決済手段は絶対必要です)。

■2020年06月16日(火)  ご自身が不安のあまりおねーちゃんにちやほやされたいだけでは?
なぜ日本人は「ネガティブ思考」なのか 新型コロナと水商売の関係
いささか牽強付会気味と評価してきたシリーズ記事ではありますが、どうも今回はそれが過ぎるように思われます。
ネガティブ思考が「平常運転」である点は、全く同意します。これが経済再開の足枷となっている面は、否定しがたいでしょう。この点については主張はまっとうです。
しかし、そこで「政治不信」、「マスコミの「あおり」」、「水商売の自粛」が「ただでさえ悲観的な我々から希望を根こそぎ奪うような要素」というのは、どうにも牽強付会ではないかと思います。まず「政治不信」と「マスコミの「あおり」」はまさに平常運転の範囲内であり、視聴者の不安に寄り添い過剰な表現でそれを増幅する(そして多分健康関連製品の消費に殺到させる)医療番組や、極端な歪曲で政治セクターの一面だけを強調する政治ワイドショーは、不愉快ではありますが以前から日常的に見られたものです。政治不信にしても、ごく一時的な高揚期を除き、政界に対して陰謀論にも通じる不信が持たれているのは珍しい事態ではありません。今の状況においてそれらが事態を悪化させていることまでは否定しませんが、そもそも政治にしろマスコミにしろなかった信頼が難局において自動的にもたらされるものでもなく、難局だからと言って行動が改まるものでもないでしょう。まさに平常運転です。そして「水商売の自粛」ですが、筆者の議論に沿うなら、そもそも飲食業のうちバー・キャバレー・ナイトクラブ2兆5000億円は10%にしかなりません。もちろん2兆5000億円というのは規模としてちょっとしたものですが、20兆円以上ある飲食産業に比べての一部でしかないのです。著者の本意は「その理屈を踏まえれば、キャバクラやスナックのようないわゆる「接待を伴う飲食店」もインフラである。」、「良い、悪いという話ではなく、日本を人間、経済活動を血管に例えると、水商売というのは血を全身にめぐらせるためには、かなり重要な臓器なのだ。」という部分にあり、経済規模の議論はこれを持ち出す呼び水でしかないのだと思います。もっとも、その本意の例示はどうにも牽強付会な代物なのですが。「つまり、「夜の街」は我々日本人にとって精神安定剤のようなものなのだ。」という部分はもしかして当たっているかもしれないと思わせる部分がないでもありませんが(妙な自覚のある方も少なくないでしょうし)、ならば精神安定剤自体を使えばよいというのが個人的な意見です。なんでまた感染リスクのある状態で夜の街のおねーちゃんやおにーちゃんに慰めてもらって精神を安定させないといけないのか。いやまあ、個人的にはあれはかえってうっとおしいサービスではあるのですが、それは自動販売機こそ究極の接客だと思うような偏った人間の見解だとして、そもそも我々は夜の街で精神を安定させるようなやり方をやましいものだとみなしているのではないでしょうか。人間そういうものだという主張には納得できる面がありますが、擦れたナイーブな文学者の人間観のような見方から経済や景気マインドを論じられても、それでは結局疚しさを抱えつつ疚しいものに依存したギルディッドエイジにしかならないだろうと言いたくなってしまいます。それでネガティブマインドがどうにかなるのかと思いますし、サービス化経済論に立つにしても、もう少しましな議論があるのではないでしょうか。
ディベートとしては「コロナからの復興を前向きに進めるためにも、政府や自治体が率先して水商売をサポートする空気をつくりだすべきではないのか。」という結論に導く議論の組み立ての一例にはなるかもしれませんが、ためにする議論ではさすがにないだろうとは思いますけれども、どうにも変な臭いのする論説ではあると思います。
まあ、精神改造で国民揃ってマッチョハイというのは、それはそれで不気味かもしれませんけど。

■2020年06月14日(日)  チャーチルなら
チャーチル像に「人種差別主義者」の落書き 囲いで対処
まあ、自分のものでもない置物に落書きをするのはどうかと思いますけどね。
とはいえ、像や写真など、この手の落書きの対象になることはわかりきっているわけで、チャーチルであれば「落書きなどしつけがなっておらん!」と怒ったかもしれませんが、書かれたことには「So what?」とでも言ったのではないでしょうか。たぶん彼にも、教科書の肖像への落書きあたりにはなにがしか心当たりがありそうな気がするのですよね。「チャーチルの像は、ファシズムと人種差別の暴政からこの国と欧州全体を救った彼の功績を永続的に思い出させるものだ。」などという価値観の押し付けこそ「今日の私たちにとって受け入れ難い意見」だと思います。

■2020年06月14日(日)  役を務められない役人って
経産省幹部「給付金配れと言われても」 頼れるのは電通
これこそ明治の先達が呆れ果てる話でしょう。「大規模な業務を「仕切る」ノウハウがある電通と経産省の相互依存が浮き彫りになっている。」?そもそも大規模な業務を仕切るのが正規の役人の仕事でしょうが。業務の見当もつかないのに発注なんてできるわけがないでしょう。給付なんて未知の業務でもなんでもないのですから、わかるまで調べてください。

■2020年06月14日(日)  なぜにチアリーダー?
チアリーダー姿のマネキンが密を防ぐ 銀座の居酒屋
プラクティスとしてはありだと思いますが、品はないと思います。もちろん状況の中で色々応援するためにチアリーダーなのは意味が通じるとして、チアリーダーなどという非常に微妙なアイコンを使った点は問題視されてしかるべきです。どうせ居酒屋ですし、ガチムチマッチョの学ラン団長がボックス席でテーブルを囲んでいたって良いではありませんか。いや、これだって問題はありますが、せめて店長あたりの写真を貼ったカオナシマネキンあたりにならなかったのか。さすがに今時「そんな解釈があるとは思いませんでした」では通らないでしょう。

■2020年06月14日(日)  賃労働者は使い捨てだということはいい加減理解されるべき
簡単に使い捨て「ハケンって何?」 声上げた売り場通訳
そうですか、納得いかないですか。
とはいえ、せめて一度は雇う側(の気持ち)になってみるべきだと思います。賃労働者を使い捨てにしないと傾くような事業、経営をしているわけです。これは例えば家事使用人やサービスを使う場合も同じで、現に給与収入が途絶えた人から「保育を実施しないなら保育料は払えない」などという話が出てきているわけですよね。賃労働だけが特別扱いされる理由は全くないと思います。
もちろん、人間を使い捨てるのは道義的に問題がありますし、職場のメンバーということならなおさらでしょう。使い捨てる決断をした人は、忸怩たる思いをしているか、そんなことは気にならないかでしょうが、少なくとも残った人たちは、使い捨てた側にいることを自覚するべきです。それでよいのだ、使い捨ててよいのだという考え方自体は差し支えないとまでは言わないまでもありうるとは思いますが、たとえそうだとしても何が悪いのかと開き直るべきで、ナチュラルにスーパーの豚肉パックみたいに扱うのは少なくともやめるべきです。
とはいえ、賃労働というのは所詮取り換え可能な他人をお金で使うこと、そのように使われることです。契約してしまったら理由もなく仕事を選ぶ権利が賃労働者にないのと同じで、事業を傾けてまで賃労働者を保護する責任は、経営者にはないのです。というかそんな責任を負わせたりしたら経営者が気の毒です。そのかわり、雇っている間に発生した給料はちゃんと払わないといけませんし、雇っていることで発生する経費も負担しないといけません。正直失業保険というのも問題で、あれは賃労働者が失業したときの保険だと思われていますけれども、本来は雇用に基づく給与という収入に寄りかかった社会において雇用を消滅させた場合に発生するコストを雇い主が前払いで払っておくという意味の保険だと思います。つまり、現状であれば全額雇用主負担が当然だと思います。その上で、「ごめんなさい、あなたの仕事はもうありません、また仕事が出来たら雇わせてください」というのは(これは優先呼び戻し権付一時解雇になります)雇い主の権利です。もちろん、オファーが来たときに別の仕事があるからと(まあ、あなたのところで仕事はしたくないでもいいですが)断るのはオファーを受けた側の権利です。そこまで徹底して初めて、賃労働者の生活の保障とか社会通念上認められない理由での不当解雇(例えば年功賃金制度になっているのに雇用期間が長いと賃金が高くなるから解雇して新しい人を雇うなどというのはナンセンスです)といった話になってくるわけで、雇用の「保障」などというどうやっても履行しきれない責務を経営者に負わせることは不当です。なお、無能だからと言って解雇するというのは、そういうことを言うのなら本来雇用する時に業務を遂行する能力があることを確認しなければならないわけで、最低限雇用者側の判断ミスと都合で解雇するペナルティは負わないといけません。つまり、基本的には不当解雇の一類型だと思います。

■2020年06月14日(日)  世襲を排しても意味がないと思う
サムスンに捜査のメス 問われる世襲、財閥は変われるか
うーん、創業者一族の失策があって海外事業でのスピンアウトが相次いでいるとでもいうのなら別ですが、ここで財閥を解体して益があるのでしょうか。もちろん、解体によって生まれる企業に市場から十分な投資が行われ、イノベーションが継続していくというなら解体で構わないのですが、単に世襲は不公正だという理由だけで解体した場合、それこそ半導体事業のような無駄とも思える投資を継続的に行っていく必要がある事業で投資不足に陥ってしまう恐れがあります。もしくは、資本の効率的な運用についての制約が少ない途上国大資本による吸収でしょうか。インドか中国か、アラブのどこかかは知りませんが。
もちろん世襲から職業経営者による経営に変わる線はありますが、この場合不公正である点は全く変わりません。企業トップが公正に、合理的に選ばれているなどということは全くありません。その場合、株主資本を職業経営者が恣意的に運用することになるわけで、別の形で問題を引き起こす可能性が大きいと思います。自分の息子でなければいいなどというのはただの幻想です。
もっとも、どれだけ能力があっても、余計な茶々が入ってしまう隙を作り出している時点で経営者は当分やめておいた方がいいとは思いますが。

■2020年06月14日(日)  アップルケーキかアプフェルクーヘンでは?
アップルクーヘン
お菓子自体は良いのです。リンゴが芯に入ったバウムクーヘンです。
ドイツ語を菓子名に使うこともまあ、いいでしょう。クーヘンはバウムクーヘンの略ではないですが、ケーキであることは変わりありません。
しかし、英語とドイツ語の重箱読みのアップルクーヘンはないと思います。もちろん、アップルケーキやアプフェルクーヘンではリンゴのケーキになってしまうことは理解します。スポンジの間にリンゴの砂糖煮を挟んでクリームをかけたケーキあたりと区別がつかなくなってしまうかもしれません。ですがならば、アプフェルバウムでよいのではないでしょうか。それじゃリンゴの木だろうと言われるかもしれませんが、どうせ商標ですし、日本の当局はドイツ語で普通の言葉だからと言って登録を拒否するようなことはしないでしょう。ドイツに持って行ってなんだかわからなくなるかもしれませんが、ごく普通の言葉を象徴的に用いて商標とすることは問題はないと思います。この場合アップルツリーはなしです。バウムクーヘンの意味がなくなってしまいますからね。まあ、ジャーマンロックあたりにこの手の用語法があるかもしれませんが、だったらもっとロックな雰囲気を漂わせるべきです。なんならメタルでもテクノでも構いません。まあ、ポップスでもあるかもしれませんが、その場合妙にひねった歌詞になっていそうです。曲調はペンシルバニア系のカントリーがモチーフでしょうか。
ちなみに、なかなかおいしかったです。

■2020年06月14日(日)  これは中華系高価格携帯ではないのか?
お値段40万円。サファイアガラスを使った高級ケータイ「FORMA」登場
ええと、バンクーバーの会社なんですよね?なんでベトナムなんでしょうか。というか、このデザインのケバさは中華系では?まあ、バンクーバーは華人系が多いはずですが。
まあ、趣味をどうこう言うのが野暮であることはわかっているのですが、携帯電話のボディを316Lで作るのはともかく(いや、でもアルミ合金に比べると重いですけどね)、サファイアガラスのキートップは理由がわかりません。いえ、強度が高いのはわかるのです。しかし、キートップを傷に強くして意味があるのでしょうか?素材というならダイヤモンドでも使った方が高級感があると思うのですが。実際には、アモルファスでキートップをコーティングするくらいであればそんなに高くないですし。
正直携帯電話など持ち歩くのはスノッブ系の成り上がり丸出しでみっともないと思うのですが(本物のセレブなら執事がどこからともなく出現してイリジウム端末を差し出すはずですし、そこまで構わないヒッピー系やビジネスマンならサファイアガラスやダイヤモンド、わに革などという大阪のおばちゃんみたいな素材は選ばないでしょう)、世の中、端末には40万円かけられるが、執事の人件費年間3000万円は払えないなんちゃってセレブが多いのでしょうかね。

■2020年06月14日(日)  パッケージにすればよいというものでもない気がしますが
手が届きそうなのに届かないITの新しい当たり前のもどかしさ
エトレネット(Ethrenet)ではなくイーサネット(Ethernet)ですよね?というのはよいとして。
ユーザー側から見るとパッケージで利用したい機能がベンダーや規格の事情で要素ごとに個別に変化していき、パッケージにならないというのは、まあ、仕方ない面はあると思います。というのも、要素というのは任意に分割されているわけでは必ずしもないからで、無線LAN機器のベンダー、インターネットゲートウェイを提供するISP、インターネットゲートウェイまでの通信回線を提供する公衆通信事業者はそれぞれ全く別の業界に属しています。垂直統合しようとする動きもありますが、現状優勢にはなっていません。歴史的事情でしかないので、垂直統合してもおかしくはないのですけどね。
とはいえそれこそNTT東西にはルーターの接続を嫌がっていたなどの前科があり(そういえばケーブルテレビ系の事業者もそうだった気がする)、そこにIPゲートウェイサービスまで握らせる気にはあまりなりません。また、とにかく下層が光回線だろうがメタル回線だろうが移動体通信網であろうがケーブルテレビ回線であろうがイエローケーブルだろうがハブ型イーサネットだろうが無線LANだろうが気にしないというのが歴史的に成立したIPの性質であり、わかってさえいれば要素ごとに分かれていた方が楽な面があります。
とはいえPOEかPLCは、配線の取りまわしも含めると(なにしろ無線LAN機器は高いところに設置した方が良いのにコンセントは一般に低いところにありますから)便利ではあるかもしれません。電話機も電源ケーブルをつなぐのが普通になったので違和感自体は少ないと思いますが、配線作業の手間を省くためにPOEはそれなりに普及しているわけで、Eの部分にちゃんと電源が供給できるのであれば、技術的な問題は少ないでしょう。ただし、UTPが短距離用光ファイバーに変わった瞬間にこの技術が成り立たなくなるので(電源も光で供給できれば別ですが)、どこまで意味があるかは疑問ではあります。

■2020年06月12日(金)  安全性の順位ではないような気もしますが
新型コロナウイルスに世界で最も安全な国はスイス、日本は5位
まあ、メリケンより下になることがなかったのはよいことですが。
とはいえ、あくまでも比較級であって、安全性を担保するものではないという気がします。2〜4位のドイツ、イスラエル、シンガポールは日頃の努力という気がしないでもありませんが、1位のスイスは、さて、どんなものやら。観光も含めたサービス産業主体の地域というのは、どうも不安があるような気がします。

■2020年06月12日(金)  さて、何が原因なのやら
京成線青砥駅で列車が脱線 乗客にけが人なし
青砥駅構内の脱線復旧作業に伴う運転見合わせについて
「2020/06/12 17:23更新
【運行情報】京成線での脱線事故の影響で全線の上下線の一部電車に遅れ。 次の路線にて振替輸送実施中です。 JR線、東急線、相鉄線、横浜市営地下鉄線、りんかい線、東京モノレール、都営地下鉄浅草線、横浜シーサイドライン  【運休】一部空港線系統列車【行先変更】一部快特列車。各社局に振替輸送実施中。」
動画ニュースで見る限り、京成電鉄の車両のようです。8両編成羽田空港行とかいうから京急あたりの車両かと思ったのですが。
怪我人が出なかったといっても、今時怪我人が出るような脱線事故を起こす要因は減っているはずですし、京成のような大手私鉄ならなおさらです。そうでないと秒単位の高頻度運転などできません。責任問題とは別に、原因の究明が望まれます。
こういう事故では直通運行をしている他社線にも影響が出るので(なにしろ来るはずだった車両が来ず、事故発生地点の先に行くはずだった列車が折り返し運転になるわけですから)、復旧に努めるとともに、他のホームや線路を転用するなどの対策も望まれるかと思います。なかなかそうは簡単に行かないのが鉄道システムの宿命とは思いますが、一定の冗長性は確保して欲しいというのが正直なところです。
京成・青砥駅脱線事故、電車の台車に複数の亀裂
少々不穏ですね。
台車の緊急点検実施について
このアナウンスが6/19に出て以降、続報がありません。さすがに台車に亀裂というのは話が深刻なので、真面目に原因究明に取り組んでいるとは思うのですが、まだ事実が出尽くしたという状況ではないと思いますし、事故調(7/11現在でのステータスは調査中)の報告を待たずとも出せる話がありそうに思います。まあ、来年の今頃までにはなにがしか、事故調から出てくるでしょうけど。

京成線青砥駅の脱線事故「台車の亀裂が原因」、運輸安全委が報告書
運輸安全委員会の報告によると、どうも整備不良ということになるようです。亀裂が開講しておらず目視検査で発見できなかった可能性はともかく、「側ばりの磁粉探傷検査箇所が詳細に示されていなかった」可能性が指摘されているということは、運輸安全委員会としては適切に磁粉探傷検査をしていれば亀裂を発見できていたはずと考えているのでしょう。逆に、発見できていたが事態を隠匿したとまでは言っていないようです。

■2020年06月12日(金)  ダンピング品と一緒にするなと
“Maxperformer”でサクサク動作の「レッツノートLV9」を試す
「ただし、気になるのは個人向けモデルの価格の高さだ。実際に同等スペックのモバイルノートPCのなかには半額程度で購入できる製品が存在していることを考えると、CF-LV9KDNQRの35万円近い価格はさすがに高すぎると感じる。もともとレッツノートシリーズは法人向けをターゲットとしているとはいえ、個人ユーザーにもファンは多く、価格についてももう少しがんばってもらいたいように思う。」
ダンピング品と一緒にするなと。まともなものをまともに作ればこの値段になるというだけでしょう。それに運用可能期間で割れば年間のコストはほぼ同じになるはずです。まあ、パソコン評論家に長期運用性を評価しろというのが無理かもしれませんが、法人向けに好感されている理由の一つは、リース期間中ちゃんともつからだと思いますよ。逆に言えば、一年少しで使えなくなるようではレッツノートではないのです。まったく誰ですか、このライターにレビューを発注したのは。
とはいえ、ブランドイメージを除くと、レッツノートシリーズのアピールポイントが大きく減ることも事実ではあります。ベンチマークテストの成績も含めたスペック面では割と平凡なのですよね。個人ではほぼ使い道のないものでもよいので、何か売りになる、そして高くなっても仕方がないよなと思える特徴的な機能を搭載するとよいかもしれません。例えばスイッチメーカーと組んで売る前提で10GB Ethernetの光ポートを搭載するとか。法人向けで仕様を設定してしまえば、個人向けはその外観リファインでも、レッツノートのユーザーはついてくるように思います。なにしろ一時期はいろいろと妙なポートもついていたわけで、3年くらいで廃止になるとしてもその場合そのころには使い道がなくなっているので、問題ないはずです。一方で、動作時間と取り外し可能なバッテリーは譲れないスペックでしょう。正直バッテリーチャージャーも復活して欲しいくらいです。
せっかく、仕様の設定方針は実用一辺倒、しかし持っていることがステータスになるブランドに育ったレッツノートですから、そこはうまく活かしてほしいものです。

■2020年06月12日(金)  なぜ「不快感」?
市長が日本郵便に不快感 布マスク回収箱への撤去指示
まあ、自身の政策が否定されるのは愉快なことではないと思います。
とはいえ、強制する権限もないのに、監督権のある人(法人)が監督されている郵便局に出した指示について不快感を表明するというのは、もしかしてこの市長さんは日本郵政が市の一部であるとか公的機関として無条件に市の指示に従うべきであると考えているのでしょうか。市が国の配布するマスクを回収するというのは、可能ではあるでしょうが、回収にしろ回収への協力にしろ強制できる類のことではありません。あくまでも任意で、マスクを提出したり、提出用の回収箱を設置したりしているわけです。一方で、郵便局は業務の実施において日本郵政の指示監督に従う必要があります。つまりこの市長は権限外のことについて私法人の正当な行動に八つ当たりで不快感を表明しているわけです。むしろ市長がどうこう言う筋合いの方がありませんし、どうにも言動が幼いと言わざるを得ません。
政府がどのような時に万能になることが可能かというのは時局に即した法律問題ではありますが、通常時には政府は政策実施にも意見表明にも抑制的であるべきだ(するなと言っているのではなく、するにあたってことさら配慮が必要ということ)というのは、常識でしょう。正直市長が市の組織や市の威信を利用して実施に際しての強制力に疑問のある政策を貫徹しようとすることに問題を感じますが、それ以上に市長が私人の言動にむやみに意見表明をすることの方が問題です。市長という市の機関としての言動と市長を務めている私人としての言動の間で対立が起こる可能性もあるわけですが、それは市長をやっている人が個人として解決すべきです。「市長を務めている人物にも私人の部分はある」というよりは「市長を務めている限り私人としての部分は市長の責務に制約される」というべきでしょう。

■2020年06月09日(火)  ばかげてます
マイナンバーと銀行口座の紐付け、1人1口座を義務化──高市総務相
マイナンバーに1人1口座の登録義務化方針 高市総務相
確かにマイナンバー制度の所管は総務省ですが、これは余りに馬鹿げています。せめて財務省と国税庁、金融監督関係にも相談すべきではないでしょうか。
なぜ総務省マターのナンバーに銀行口座など紐付けないといけないのか。それに銀行口座などというものは状況によって切り替えていくもので、一生ものなどというのは噴飯物の言説でしかありません。それともこれは、総務省による地方銀行いじめでしょうか?確かにゆうちょ銀行は総務省の色も強いでしょうけど。
まずマイナンバーに口座を紐付けるとしたらそれは納税口座であって、管轄は国税庁と地方自治体の徴税部署です。仮に健康保険や国民年金が絡むとしても、総務省では全くありません。「行政からの緊急の給付に限る」など、笑止千万です。行政事務の効率性というのを何だと思っているのやら。
次にキャッシュレス決済の導入が叫ばれている状況で銀行口座を前提にする理由が不明です。役所がやりたいのは出金にしろ入金にしろ決済であって、すでにいろいろと不備が指摘され、クレジットカードの紐付けやキャッシュレス決済との連携が試行錯誤されている、しかも直接的には低金利政策によって要求払い口座の維持に疑問すら出てきている銀行口座というシステムであるべき理由がありません。
さらにあえて「一生ものの口座」の法律による登録義務化であるなら、それを民間銀行が管理する理由がありません。それこそ出生によって日本銀行に口座を設定すれば済むことですし、その方が便利でしょう。使うかどうかわからないパスワードなど忘れてしまうというのは今回はっきり分かったはずで、一時の都合で開いた口座をあるかどうかわからない受給の機会に備えて登録しても、解約したのに変更届を忘れたとかいつの間にか放置口座になったというオチになることは明らかです。
誰が振り付けをしたのか知りませんが、こんなことをしゃべる羽目になった大臣こそ気の毒というべきで、担当の官僚は退職金を全額返上して辞職していただきたい。あるいは大臣ご本人の意見だとしても会見前に止められなかったのであれば大臣官房は同罪です(事務方に指示したと言っているのですから聞いてはいるわけです)。そのために給料をもらっているのだから、ちゃんと考えていただきたいものです。考えてこれだというならそもそも公務員試験での選別に問題があったことになるので、人事院は当該時期の合格者について試験不備により任用資格剥奪を検討すべきかもしれません。もちろんそうなれば人事院首脳部にも責任を取っていただく必要があります。縦割りや縄張り、上層部への忖度など官僚の仕事について斟酌すべき事情はありますが、根本から馬鹿げているというのはひどすぎます。監視がどうとかいう以前に、実効性のない点が問題です。フィクションが必要なら駆使してでも実効性を確保し、政治家のあほな発言すらも実行可能にするのが官僚の仕事なので、実行したところで破綻するような提案など断じて容認できません。フィクションであるのに勘違いをして蜃気楼の上に楼閣を築こうとするなど、間抜けというのもおこがましいレベルです。端的に言って、「高校生からやり直せ」。
事務方に言う前に会見で言い放ったというなら、まだ救いようがあるのですけどね。
首相「給付用ならいい」 口座登録義務化浮上の舞台裏
うーん、いいとか悪いとか言う前に、そもそも口座の「登録」などというものが実効性を持つと思ったのでしょうか?
これが、例えば金融機関口座の開設・改廃に当たってマイナンバーの提示が必須となり、金融機関から行政機関に自動的に情報が行くというなら、まあわかります。金融機関はマイナンバーを提示させるわけですから本人確認も行っていることになりますし、行政機関はどの口座が誰の名義で形式的に有効であるのかを把握できることになります。転居して本人も忘れた口座というのがないわけではありませんし、マイナンバー自体は公告されてしまうものなので、他人のナンバーを提示することができないわけではありませんが、一応、マイナンバーを提示できることが口座に正当なアクセス権を持つ証明だというフィクションは成立するでしょう。
しかし口座側から見て任意の登録では、それこそ相続人が遺品から通帳を発見して故人のマイナンバーを添えて照会を行ったらすでに廃止された口座だったなどということになりかねません。これは照会者が行政機関でも同じです。そしてマイナンバーを持っている人の側に登録した口座を維持する動機もありません。極端な話、義務付けされても、適当な金融機関で最低限の預け入れをして口座を作り、登録したうえでそれを廃止してしまえば、行政機関は紐付けられた口座がないこと自体把握できなくなります。これを防ぐには、紐付けに金融機関を介在させ、紐付けられた口座が改廃された場合に行政機関に情報が提供されるようにするしかないのですが、この場合、口座の紐つけが任意であれば、誰かがマイナンバーと口座が紐付けられているかどうかという確認をする羽目になります(そして紐付けられていた場合に行政機関への連絡を行うわけです)。もしかして銀行が負担するなら問題ないとでも思っているのかもしれませんが、そういうシステムの維持コストは口座の維持費に算入されるわけで、金融機関からマイナンバー関連事務費の請求が来たりしたら登録のモチベーションは駄々下がりすると思いますよ?
口座を登録させて、役所とのお金のやり取りは全部その口座経由にする、役所に現金は持ってこさせないというなら、まあ、ありかもしれません。その場合、役所の側は払ってもらうべきお金をとりっぱぐれる可能性がありますし、市民は登録口座のメンテナンスを怠っていると給付金を貰い損ねたり料金未収でトラブルが起きたりする可能性が出てきますが、対応方法を整備しておけばフィクションとしては受け入れられる範囲ではあるでしょう(もちろん、そもそも銀行口座など持っていないという人はどうするのかという問題はありますが、まあ、今のところ日本の金融機関は口座の開設に寛容ですからね)。いくら行政手続などたいして縁がないといっても、証明書を取るくらいは数年に一回程度は発生するわけですから、問題があればそこで発覚するでしょう。数百円のやり取りに金融機関が辟易しないか、手数料はどうするのだという問題はありますが(300円の証明書発行手数料の引き落としの手数料が100円だったら、笑いごとでしょう: 少額決済のキャッシュレス化というのはそのあたりをいかに低コストで済ますかという話でもあるわけです)、まあ、総体としてはそれなりの額になるでしょうし、ボリュームディスカウントでもしてもらうのでしょう。もっとも、それこそ博多市役所が青森銀行の口座を登録されたら困惑するだろうとは思いますが。
強調しておきますが、紐付けをする場合、データの登録よりも、そのデータをメンテナンスするトリガーを上手に仕込んでおくことの方が大事です。一度登録して以後一切変更の発生しないデータなど存在しません。日本の住民登録制度は比較的緻密な方だと思いますが、それでも登録済みの住所を届け出なしに引き払ってしまうことは可能です。それをやると色々不都合が出るし、住民登録以外にも居住地を届け出る機会があり、そこでこういった宙づり状態が発覚することもあるでしょう。しかし、発生しうるということは必ず発生します(というか、発生していますよね: 下宿学生の住民登録が実家にあることは普通にありますし、この前も特別給付金を受け取るために住民登録のある市町村に行こうとしてキセル乗車で捕まった人がいましたし)。「いざというとき」、「一生もの」などと言っていたら、そのいざという時が来たときに大きな手間が発生するのです。それが特別給付金騒動だったわけで、振込先口座を登録しておけばよいなどという安易な発想では何も解決しません。
10万円給付、「世帯主の口座に」で見えたもの
まあ、銀行口座への直接振り込みなどというもの自体がこの手の給付には向かないとは思いますが。市中銀行の日銀準備口座に振り込むのとは意味が違うのです。現金書留で送れというわけではないですが、最終的に「お金」が口座に落ち着くのだとしても、つまり口座の残高という形で決済に使用されていくのだとしても、より簡便な送金の仕方はいくらでもあったろうと思うのです。
とはいえ、世帯主とか世帯という括りが有効であるかどうかは、常に問い返さないといけない制度に関する議論だと思います。もちろん世帯単位の住民登録や戸籍の有効性を確保すべきだ、それに協力しないなら不利益もやむを得ないという主張もあり得ますが、個人単位で扱うことが実務上不可能であるというならともかく、今時ヒューリスティックなコンファーメーション以外はコンピューター様がやってくれます。世帯ではなく、未成年者についての保護者の登録、税務申告時の被扶養者届といったものに置き換えても、たいした手間になるとは思えません。もちろん、企業の総務担当者に被扶養者届なんてものを取りまとめさせるのはかわいそうなわけで、徹底的に処理を自動化したうえで税務署が直接受け付けるべきですが。だいたいそのための住民基本台帳番号でしょうに。

■2020年06月08日(月)  どっちもどっちだ
新型コロナウイルス対策に便乗した安倍政権のショックドクトリン政策
紐付けできていればもっと簡便に対応できたなどという話が馬鹿げているのはその通りですが(そもそもナンバーと銀行口座が一対一対応するわけでもないでしょうに)、リベラルが銀行口座とマイナンバーの紐付けを批判するのも筋違いでしょう。政府からの自由を主張するのもリベラルではありますが、マイナンバーのそもそもの目的が徴税強化である以上、源泉徴収制度で確定申告では払い戻しが出るような賃金労働者や消費税をまともに払っていてごまかしようのない自営業ではなく、複数の名義や銀行口座を活用して税額をごまかそうとする金持ちがメインターゲットです。この点で銀行口座の名義人を明確にするマイナンバー制度は、所得の再分配を主張するリベラルの有力なツールであるはずです。そして政府による活動の追跡の抑止も、そもそも普通に銀行口座など使っている時点で意味がありません。譲渡性預金のような一般人の生活や市民団体の活動には縁のない口座ならともかく、数百万円の全資産を入れた普通預金口座など、その気になれば政府から丸見えです。むしろ現金の方が匿名性が高いでしょう。その意味では本人確認にうるさいクレカとペイこそが活動追跡抑止の敵です。まあ、市民運動家として政府による活動状況把握への危機感が本能と化してしまっているというのは、わからないでもないのですが。
全体的にショックドクトリンによる政策の貫徹を目論んでいるという観測自体は否定のしようがありませんが、アベのやることに何でも反対というのは、それこそリベラルとして恥ずかしくありませんかね。方法論を批判するとしても、引き合いに出す政策は精査すべきです。でないと、テクノ系極右リバタリアンになってしまいますよ?

■2020年06月07日(日)  リングボケをまともに使えた
跳プレビューやカメラ側の表示だとよくわかりませんでしたが、一応望んだ形でリングボケと水の透明感を取り込めたようです。
トキナーのReflex 300mm F6.3ですが、レフレックスレンズのリングボケは意図して使うのがどうも難しく、うるさい感じになるか間の抜けた感じになるか、そもそもリングボケに見えないかばかりだったのですが、これは手前側のシャープなボケも、おそらく奥側の滲んだボケもきれいで、高速シャッターの沸き返った水の透明感も合わせて、ちゃんと絵になっていると思います。

■2020年06月06日(土)  まあ、教授の言うことではないかな
「10万円でスキャナーを」 学生ら憤慨、教授が謝罪
レポートが判読困難であることとスキャナー付きプリンターの関連がさっぱりわかりませんが、明らかに言い方は悪いとして、手書きレポートが読みにくいのだとしたら(小学校教師になろうとするのであればせめてきれいな字くらい書けというのはともかく)自宅にプリンターを持ってくれという気持ちはわからないでもありません。スキャナーも、検討する素材を手元に置くためにスキャンする必要があるのであれば、こういう状況では持っているに越したことはないでしょう。大学に出てこれれば大学の機材が使えたのにそれができなくなって、それを学生側で解決しろというのは教授としてどうかとは思いますけども、データを手元で十分検討していないレポート、読みにくいレポートは困るというのはまあ、わかります。とはいえ、正直この状況で、素材くらい大学側で電子化して配布すべきだと思いますし、電子提出を認めることはむしろ当然だと思いますけどね。
A4インクジェットでよいなら複合機なんて1台2万円しないくらいですし、全員に貸し出しても億の桁には到底届かないでしょう。紙代とインク代を学生負担にすることを考えれば、どうしても履修に必要だというならまず貸出制度を設けるべきです。まとめ買いしてくれる前提であれば、キャノンは知りませんが、エプソンやHPは相談に乗ってくれると思いますよ。

■2020年06月06日(土)  少なくともそういう認識なのでしょうけど
「ずっと自宅にいる」しんどさ 引きこもりへ理解進むか
いや、このタイトルは…非常に挑発的ではないでしょうか。何気に「外に出たいのは当然ですよね?」と言ってますよね。引き籠った人の側からもそうですが、コロナで出歩けなかった人の側からも、一緒にするなという気がします。

■2020年06月06日(土)  面の皮が厚いにもほどがある?
「図書館並みに静か」 大和ハウスなど「在宅勤務にぴったり」の住宅で攻勢
それって、今まで安普請の粗悪品を売りつけてきたことを認めるという認識でよいですかね?ニーズと言ってしまえば前向きですが、そもそも選択肢自体が提示されていなかったわけで、外との隔離なんて住宅の基本機能でしょう。どの部屋であってもピアノを弾いても廊下にすら音漏れしないのがむしろ当然なのです。それを「新たなニーズ」とは、鉄面皮という以外に表現を知りません。

コロナ対策の住宅、続々 テレワーク部屋 玄関に手洗い場
玄関に手洗い場はともかくとして、テレワーク部屋って、住宅メーカーが新築住宅に提案するものですか?しかも三畳?共用部屋以外が防音なのは当然ですし、ウナギの寝床みたいな書斎は集合住宅向けで勘弁していただきたい。
むしろ、防音でない住宅を供給してきたメーカーや施工者は、責任を取って無償で既存住宅の防音工事を実施すべきです。

■2020年06月06日(土)  場所は認証の要素でありうるか
そのサービスを独り占めでいいのか
もちろん、一定の場所にいることがあるメンバーシップの一員であることを示す状況というのはあります。
とはいえ、それはコンピューター界隈でのメンバーシップの概念と適合するものでしょうか。コンピューター界隈におけるメンバーシップの概念は、場所を超越することを前提に発達してきた面があるように思います。日本にいようがサンフランシスコにいようがu-tokyo.ac.jpのメールアドレスを持っている人は東京大学のメールサーバーに届いたそのメールアドレス宛てのメールを読めます(とはいえ、昨今は特定のネットワークに属する端末を使っていなければアクセスできないことがありますが: そしてその条件で場所を超越するための仕組みがVPNでしょう)。一方たとえ東京大学のキャンパスにいようが、アカウントを持っていない人からのアクセスは拒否されます。
また、今のところ現在地を示す十分な情報を設定することは容易ではありません。経度緯度情報や標高のデータは精度が不十分ですし、そもそもユーザーがそんなもので自宅を特定しているわけでもありません。もっとも確度が高いのはそれこそ同じネットワークに属するかどうかですが、そもそもISPの公衆接続網経由のインターネットアクセスでは、ネットワークを示すIPアドレスは(IPv6でも)不定です。これは、ノードに付くIPアドレスが、通常の割り当て手続で個人や組織に割り当てられたものではないからです。つまり、例えば特定のルーターなりAlexaなりのIPアドレスを認証鍵とした場合、それがアカウントオーナーの意図しないところで変更されてしまう可能性を否定できません。
また少なくともコンテンツについては、場所ベースのメンバーシップはコンテンツホルダーとユーザーの間の摩擦を再燃させる可能性があります。本というのは、ユーザーにとってはそれを持っていれば記録されたコンテンツにアクセスできるものですが、コンテンツホルダーにとってはメディアにつき一つのアクセス権を担保する仕組みでした。家から離れてしまえば家にある本を見ることはできません。しかし、家にいる人なら全員がその本にアクセスできます。家を離れた人がそのコンテンツにアクセスしたければ、持ち歩き用の本をもう一冊買わないといけないわけです。ユーザーはそのように認識しているわけではないにせよ、そこがコンテンツホルダーとユーザーをすり合わせていた大前提だったということが、不法コピー論争を通して明らかになってきました。そもそも必要に応じてサーバーからコピーされることが前提の電子書籍への移行に当たって、コンテンツホルダーは買った本は買った本人しかアクセスできないというのを前提にしたがっているように見えます(というか、できればデバイスを買い替えたらライセンスも有償で更新して欲しいのではないでしょうか: ソフトウェアで、特定の人、インストールした特定のデバイスに限り有効というライセンスもありましたし)。家族であっても、事業所と同じで(ええ、BSAがキャンペーンをやってますよね?)、見たい人は個別にライセンスを買ってほしい。それがコンテンツホルダーの本音ではないでしょうか。もちろんそのあたりは力関係で決まる問題でしかなく、コンテンツホルダー側がKindle Storeでライセンスを売ることに大きな価値を見出しているなら、Amazonが望むライセンスを強要できそうなものではあります。とはいえ、その強要できるという部分で綱引きが行われているのが、プラットフォーマー論争でしょう。実際これまでの問題でも、例えば楽天の送料紛争は、ユーザーとしては見通しの良い価格構造になって送料の期待値が減るのであればありがたいわけで、プラットフォーマー側の主張は買い手にうれしい内容でした(まあ、買い手ユーザーを拡大したくて主張していたわけですから当然ですよね)。場所ベースでAmazonのユーザーアカウントを共用するという話になった場合、コンテンツホルダーが不利益を主張する可能性は高いですし、さらに言えばAmazonという巨大プラットフォームはその主張に拘束されてしまう可能性があります。
「セミパブリック」という概念は、ライセンス付与の単位としては極めて不安定と言わざるを得ません。正直法律上の世帯の概念すらいろいろ齟齬を来しているように見えますし(例えば税法における被扶養者概念など)、持ち主の家族であれば本が読めたというのは結果であって前提ではないと言えば言えてしまいます。ボリュームライセンスですら問題が出ている状況です(そのあたり、ボリュームライセンス制度を持てるような大手の学術出版社や、大学図書館の担当者を取材すべきでしょう)。利害関係者の間での摺合せが必要です。
まあ、個人的にはみんなで見るという思想自体時代遅れと切り捨てたいくらいですけどね。家族であってもあなたと私は別の人間だというのが望ましいと思います。中に引きこもって家族でいることが増えたのも事実ですが、そもそも外で一定空間を共有することが否定されてそうなったわけで、家族であってもデバイスを共有すべきでないというのが、正しいコロナ後の在り方ではないでしょうか。

■2020年06月05日(金)  そりゃ、本人確認なんかしてたら面倒でしょうよ
オンライン給付申請「使い物にならない」総社市長が苦言
マイナンバーとパスワードを使ったシステムはこの組み合わせて本人確認をしたものとみなすと理解していたのですが、違うのでしょうか?
まあ、何かあったときに口座を連絡してその都度個人情報を消去などとやるから面倒という部分もあって、オンライン申請についてはとにかく情報の確認などをしないで済むように設計するしかない気がします。そのためには銀行口座を登録などということをしていてはダメなわけで(なにしろ登録された情報がアップツーデイトかどうかを気にしだしたらきりがないですから)、受取人指定の小切手でも郵送して、最寄りの金融機関窓口で割引してもらうあたりでしょうか。今回の場合金融機関の窓口に行かせるのは筋違いですが、それならそれでやりようはあります。もちろん、なんとしても本人というか世帯主の元に払い込まれる形にしたいという場合でも、日頃から金融機関を抱き込んでおけばやりようはあります。口座を持っている銀行への本人証明を嫌うということはないわけで、窓口にしろネットバンキングにしろ本人確認をするようにしておけばすみます。ペイだって、その都度抱き込んで、手続上は認可事業者が小切手を買い取った形にすればいいだけでしょう。
むしろ、窓口に行かなくて済むはずのオンライン申請で窓口に問い合わせる状況が生じたことの方が問題です。行政手続なんてそう頻繁にするものではないのですから、個別にパスワードなんか設定させていたら忘れるのは当たり前ですし、困ったら窓口へなんてことをしたら必ず窓口に問い合わせが来ます。少なくとも窓口の負担軽減、コスト削減を目指すなら、そこをしっかり考えないといけなかったのです。
「殺すぞ」電話越しの怒声 10万円申請、自治体の苦悩
ひょっとして、「本人確認」ではなく「口座確認」だったのでしょうか。
まあ、ペアで確認してミスを防ぐというのは当たり前の手法ですし、コストにせよ動員可能な人手にせよ限界というのはあるでしょう。登録済みの口座情報などというものはないですし、そもそもあったとしてそこに振り込んでいいのかも不明ですから、こうなることはわかりきっていたわけです。そこも含めて落としどころを見極めておくべきでしたし、クレーム殺到というのは給付の実施自体がtoo lateだったということもあるでしょう(クレームを入れる側がどこまで切羽詰まっているのかは別の問題だとしても)。一律給付などという事態を考えてこなかった、当然の結果ですし、担当者には気の毒ですが、とにかく頑張って作業を済ませ、やり過ごすしかないでしょう。もちろん大変だった担当者には、充分な慰労と休養、報酬は必要でしょうけど。辻褄合わせの犠牲にしたんだから、その分はちゃんと手当てしないとだめですよ?メンタルケアもちゃんとすべきです。
正直、現金給付よりも、請求を止めて一時的に経済というか物流を国家管理した方が揉める部分は少なかったのではないかとは思いますが、今の段階ではその当否は判断できません。意外に、そもそも体力のない不効率な事業者が市場から退出し、業務責任者と電話番の胃に穴が開く程度で済んでよかったということになるかもしれません(ノイローゼで自殺者でも出たらやり切れませんが)。とはいえ色々と想定に不備があったことが明白である以上(オンライン申請や口座振り込みではかえって手間が増えたことも含めて)、たとえ泥仕合になっても反省の機会というのは必要だと思います。

■2020年06月04日(木)  インストール時のようなポップアップを出すのは止めてほしい
Windows Updateで今更スマホとの連携とかOffice365の購入案内とかが出てきました。
これ自体はまあ、PCを買ったときによく出るので見慣れているわけですが、逆に言えばその時くらいしか見ていないので、一瞬Updateで環境を吹っ飛ばされてまっさらになったかと思いました。心臓に悪いので、できればやらないで欲しいものです。スタートメニューの通知を有効にしている場合に広告が出るくらいはまあ…許しがたいから通知やニュースを無効にしたんですけどね。
というか、これ、KB4497165の内容ではないと思うのですけど、まさか今後再起動するたびに出るのでしょうか?うれしくないなあ…後に回さずに全部拒否したけど、まさかようこそ画面で当分出るのかなあ?

■2020年06月04日(木)  理屈では使い分けしない
カタカナは研究中…か!
歴史的には平仮名とカタカナは交換可能なもので、何を書くときにどちらを使うという使い分けではないんですよね。仮名文字が成立した平安時代だと漢字の混じらない文章がひらがな、漢字の代わりに使うのがカタカナだと思いますが、「音を書くときにカタカナを使う」というのは、カタカナが本来漢文の訓読の補助記号で、そこからおそらく漢文のフリガナに使われていたのではないかという気がします。読みですから読み上げるときの音ということで。それが一般に普及したのは、おそらく明治以降。平仮名は江戸時代の初めまでには普及しています。公文書の漢字仮名交じり文が漢字カタカナ交じりで書かれ、またこれは活字が作りやすかったからではないかと思いますが、印刷物も漢字カタカナ交じりが先行していたのではないかと思います。庶民は漢字はあまり読めませんし、江戸時代は庶民向けの教育機関ではひらがなを中心に教えていたはずなので、庶民を想定した出版物は基本的にひらがなでした。そこに外来語が入ってきたわけですが、江戸時代は外来語を外来語として使うのは漢文の読める知識人だけで、そういう人たちは中国と同じで漢字を音で当てていたわけです。庶民に下りていくのはその漢字かひらがな書きしたもの、もしくは訳語。明治になるとそれでは済まなくなり、生の外来語が庶民に普及していくわけですが、それをどう書くかが問題になるわけです。じっさい明治の半ばくらいまでは、漢字やひらがなで外来語を書いているのが普通です。そこで誰かが、平仮名の文章の中の外来語やオノマトペーをカタカナで書くことで外来語とわかるようにしたのではないかと思います。この意味で、日本語の書法というのは、明治の言文一致と漢字仮名交じり文の採用以降、漢字の問題だけでなく確定していないのだと思います。

■2020年06月04日(木)  窓にはめ込めば5Gの基地局になるところまで行かないかな
AGC、窓を5G基地局化する透明アンテナ量産開始 ドコモが活用
やればできるじゃないですか。オフィスビルはやたらとガラスを使いたがるので、こういうものは重宝するでしょうね。正直窓などいらないし、最近のオフィスの窓は開きませんから、窓ガラスの代わりに窓枠にはめ込むと太陽光充電のバッテリー電源と無線LANで簡易基地局になるような機材があると、オフィスビルに普及…したりはしないんだろうな。外が見えるだけでも気分が違うらしいし。でも、廊下や踊り場の窓だけでもそうすると、かえってメリハリがついていいんじゃないかな。声の届く場所で休むのではなく、とにかくちゃんと休憩し、まっとうな場所でタバコでも吸うために、必死になって仕事をしそうですから。

■2020年06月04日(木)  スマートロックの導入を考えるときは注意しないと
自宅に着いたら手ぶらで自動解錠、「セサミ mini」を買ったらもうスマートロックなしの生活に戻れない
スマートロックというので見てみましたが、これってメーカーにカギを握られる奴じゃないですか。確かに物理鍵も開錠操作もなしで開錠できるのは便利でしょうが、設置が楽だからってメーカーのサーバー経由で操作というのは気持ち悪くないですかね。たしかにスマホに追加のハードウェアなし(いわゆるICカード機能は全ての製品に搭載されているわけではないですから)でこの手の機能をつけようとするとそういう実装になるのは仕方ありませんが、使うかどうかは別の話です。
 物理鍵は、それこそ複数の人が出入りする場合に物理的に同じ形状の鍵を持たせなければならず、しかも不要になった鍵を無効化することも面倒という欠点があるので、スマホが鍵に使えるドアロックシステムには興味があるわけですが、それでコントロールを失ってしまうのは本末転倒なわけで、その手の設備を導入するようなときは気をつけないといけませんね。

■2020年06月04日(木)  まあ、つながらなくなるならいっそ潔いかも
もしアップルがLightningを廃止したら
正直今のiPadでは、ポートがLightningだろうがUSB-Cだろうがどうでもいいんですよね。物をつなごうという気が起こりませんから。私にとってiOS系は、ネットからダウンロードしたコンテンツを見るためのコンテンツビューアーであって、オールインワンでもなければコントローラーでもないのです。GPSは便利でしたが、あれは内蔵されましたし、入力端末としても、コントローラーをネットにつないで入力をネット経由で投げればよいわけで、キーボードが必要な入力をすることはまずありません(検索もあそこまで不便だとする気が失せます)。またiOSデバイスをデータの一次保存先とすることは、クラウドストレージに上げるしかデータの取り出しようがなくなってしまうリスクがあります。とにかくパスでフォルダを指定してファイルに突っ込んでおけばいくらでもやりようがあるMacOSのほうが楽なのです。

■2020年06月04日(木)  まあ、基本的には同じものだからねえ
「ピーマン」と「パプリカ」は同じもの? 違うもの?
「パプリカは何回も植えていますが、いつも緑色のうちに、家族に「大きなピーマン」と思われて採られてしまい、きれいに色がついたパプリカを収穫できたことがありません。」
まあ、同じものですからね。唐辛子と一緒に植えておくと取られないというわけでもないでしょう。というか、ヨーロッパで育種された生食用・香辛料用の大型の実がなる唐辛子の名前がパプリカじゃないですかね。だからたぶん、辛いパプリカもありますよ。ああ、うっかり唐辛子の近くで栽培してしまうと辛くなるかもしれませんね。

■2020年06月04日(木)  京都観光にファミリア―なホスピタリティは必要か
コロナで京都のゲストハウス「絶滅」危機――“古都にふさわしくない”宿は駆逐されるのか
宿に区別をつけたいとはあまり思わないですが、こうした議論を見ると宿屋に要求すべきサービスとは何なのかという気がしてきます。
もちろん、親密な交流を旨とする宿というのはありだと思います。しかし、元来宿における親密な交流というのは、クオリティに制約があった結果生まれてきたものでもあります。親密性を売りにする形態の多くが安宿を起源にしているのは、そもそも設備やスタッフが不十分であるために客同士もスタッフも顔を突き合わせるしかなかったからです。
 それこそ大学や図書館あたりの近辺であれば、大学の設備や蔵書を利用するゲスト向けの安価な宿泊施設は必須です。一方同様の研究向け資料の所蔵機関でも、美術館や博物館は恒常的に多数の利用者があるわけではありません(「観覧」に来る人は別の話です)。ゲストハウスが付設されていれば十分でしょう。この点は大人数で使用する、例えば運動競技施設でも重要でしょう。競技会の会場へのアクセスが良い宿泊施設がすべて高給宿というのでは、参加者が困ってしまいます。まあ、安宿を使うような参加者はお断りという競技会もありではあるでしょうけど。
 ビジネス街でも安宿の需要は大きいでしょう。サラリーマンの社用旅行のイメージがありますが、そもそもコストの回収すらおぼつかない案件で呼び出されることもあるくらいです。とはいえビジネスだけに機密性の高い情報を扱うこともあり、安全性にコストをかける必要はあります。
 一方で、旅行シーンの少なくない部分を占めるに至った観光・レクリエーションでは、旅行者は目的とコストを自主的に勘案して宿を選ぶことになります。確かに貧乏旅行では行けない目的地があるというのは寂しい話ですが、観光であればそこに行くことをモチベーションに仕事をするという考え方もあるわけです。「見聞を広める」というなら、観光客としてふらっと見に行くのではなく、伝手をたどって紹介を受けてゲストハウスに泊まればよいわけで、行く条件を整えることも楽しみとしての旅行の醍醐味です。遊びに来るのであれば宿代をちゃんと払って地域経済に貢献して欲しいというのは、過大な要求とは言えないでしょう。一方でスタッフや同宿の客との親密な交流を欲するのであればそれができる場所を選べばよいわけです。
この記事で扱っている京都であれば、現時点では観光地としての威信は大きく、むしろ日本に行くときに安易に最初の行き先にされてしまうため、色々と問題が出ているという状況です。手ごろな宿での親密な交流がしたければ他所に行ってくれというのは、ありではないかと思うのですけどね。どうしても安く上げて地元の雰囲気を味わいたいのであれば、ウィークリーマンションでも団体で借りればよいわけですし。地元の雰囲気というなら、地元の慣習を調べてそれに倣うことも経験でしょう。

■2020年06月01日(月)  だから編集は金取ってる分の仕事をしろと
性能/消費電力比が優秀なGoogle TPU AIプロセッサーの昨今
本文に「Bach normalization」とありますが、引用されているスライドにある「Batch normalization」が正しいようです。
著者校正で見落としたのも問題ですが、typoのない文章にする責任は基本的に出版側にあります。これが本文だけに出てくる、著者と同レベルで業界に通じていないと検出できないというならまだしも、引用しているスライドやリンク先と食い違っているわけで、見つけて著者に問い合わせをすることが編集者の責任でしょう。企画を立てて原稿を取ってくるだけで精いっぱいというなら、それこそASCII-MediaworksさんならAIにでもまかせてはいかがでしょうか。人間を使い捨てにするよりもAIを仕上げて売った方が商売になるかもしれませんよ?

■2020年06月01日(月)  もう少し建設的な貢献をするサービスにならないかと
“株式市場”のように商品を売買するECサイト「StockX」日本上陸 スニーカーやアパレルに特化
ロジックはわかりますが、今更鞘取り支援サービスなんぞ立ち上げないでも、もっと生産にも流通にも消費にも建設的な貢献をするサービスのデザインというのが可能なんじゃないかなと思わないでもありません。例えばクラウドファンディングは事業者とカジュアルに有意義と思える形でお金を使いたい人を結び付ける部分が新しいわけで、金融というのが余っているお金を必要な人に融通するものである以上(けして金を余らせている人が金利を取って儲けるためのものではありません)、その新しい回路を作った部分が貢献だと思います。では商品流通の課題はというと、価格形成ではなく、品揃えや商品の露出の面では従来の課題を解決した形の(なにしろ部数の少ない本とか洋書は、経済全体レベルでは相応に需要があっても都市の小売店が成り立つレベルではなく、他の商品もそれに近い課題があったわけですから)大規模通販モールですが、その結果発生した地域経済圏の一層の衰退や運送コストだろうと思います(ちなみに同じ書籍でも、初版では当座売り切れる程度の部数しか出ず、かつ出版コストが高いためにニッチなコンテンツが排除され、いずれにせよ初版で絶版品切れになるという問題の方は、最終的には電子書籍によって解決するものと思っています)。つまり、以前は小売店が選んだ商品を一定以上の量まとめて輸送することで輸送コストを下げる一方小売店に特権的な利潤をもたらしつつニッチな製品は入手や市場開拓のコストが高いという状況だったのが、大規模通販サイトによって低コストでニッチな製品にアクセスできるようになった一方小規模小売店はそもそも品揃えに問題を来して事業の続行が不可能になり戸別配送で運送業者の負担が大きくなっている、それを解決するべきであって、高いボラティリティを利用したダイナミックな価格形成という問題意識は下手をすると百年古いのではないかと思えます。いやまあ、小売りを含む中間業者が中抜きしていると思っているならそういう問題意識でよいわけなんですけどね。正直中抜きをしっかりしていたらコロナ騒動で経営危機なんて事態にはならなかったのではないかなあと、思えるのですけどね。

■2020年06月01日(月)  確かにインスタは似合わない雑誌だったかもしれない
現存する日本最古のカメラ雑誌「アサヒカメラ」が休刊に
広告費の減少はともかくとして、部数低迷というのはどういう事情だったのでしょうね。一時期の低迷はあったにせよ、80年代の創刊ブームを経て、デジタルへの移行はあったものの、写真関連のメディアは21世紀に入ってから安定していた印象があります。アサヒカメラは趣味系の中では比較的クラシカルな路線だった印象ですが(言い換えればくそまじめで面白みがない?)、昨今の写真界隈は相当カジュアルな印象があるので、乗り遅れたということでしょうか。もう6年頑張れなかったかなという気はしますが、一般紙としては役目を終えたということでしょう。

カメラ雑誌「日本カメラ」が休刊。会社清算のため
「日本カメラ」休刊 会社も解散、73年の歴史に幕
ほぼ一年後にこちらも休刊です。まあ、アサヒカメラが休刊になるならこっちもなるよねという感じですが。総合写真批評誌の二大巨頭が休刊になって、カジュアルなデジタル系と専門誌が残った感じでしょうか。コンテストサイトやネットの写真サークルが活発になった反面雑誌のニーズが減った面もあるかもしれません。

■2020年06月01日(月)  「紛らわしい語」を増やすのは止めましょうよ
Intelが世界最高密度の3D NANDフラッシュを試作
半導体メモリの実装密度の向上も記憶密度の向上もよいことだと思います。製造方法からして陳腐化すると値段が下がるので、色々期待が持てます。
しかし、5値記憶セルをPenta Level Cellを略してPLCと呼ぶのは止めてほしいものです。QLCだって信号のエンコード方法なんだか違うのだかわからないわけですが、PLCという場合Programmable Ladder ControlerもしくはProgrammable Logic Controlerの略語として通用しているわけで、昔みたいに他業界のジャーゴンがわからないなんてことはなく、グーグル先生に聞けばだいたいわかるはず、そもそもIntelの人がPLCという制御機器業界のジャーゴンを知らないはずもありません。それに、音節数だってそう変わらないでしょう。Pro-gram-mable Lo-gic Con-t-ro-lerの9音節をピーエルシーの3ないし4音節にできれば楽でしょうが、Pen-ta Le-vel Ce-llではどう頑張っても6音節、たぶんPent Le-vel Celで4音節で、それが3音節になっても大してうれしくありません。日本人の省略癖も悪名高いですが、この頭字語の作り方やひねりも何も全くない名称を頭字語で商標にしようなどという発想はさらに悪質です。せめてIntel-PLCとして欲しいものですが、これをするとPLCだけ読む人が出るんだろうな。

■2020年06月01日(月)  対戦校の陣容くらい調べると思うのですが
ガルパン最終章2
うーん、ルノーB1の砲塔がソミュアと似ているのは確かですが、ルノーB1bisの参戦は夏の全国大会第3回戦からなので、大洗が使っていること自体は周知だと思うのですけどね。それで事前に確認のポイントを調整していないというのは、相当間抜けだと思うのですが。もちろんあの手の誤認やそれを誘発することを意図した偽装は、戦争映画でのダミーの制作を含めてよくあるのですが、よくあるからこそ対策は当然取っているはずなのです。
菱形戦車は今回からの参戦なので予想外であっても仕方ないのですが(というかまともに相手をすれば怖い相手では全くない)、秋山さんのようなことをしなくとも、直近の公式大会での陣容くらいは判明しそうなものです。公式大会のログは戦車道連盟から刊行されていると思われます。まあ、日本の組織なので、翌年7月くらいにようやく刊行されるということもありそうですが、レギュレーションチェックの関係で試合直前には試合に参加する戦車の概要が特定できているはずであり(なにしろレオポルドにはリストが表示されます)、戦車道新聞の内容からするに最低でも隔月刊程度の頻度の刊行である以上、少なくともチーム編成まで掲載された速報記事掲載号が大会後二カ月以内に出版されそうですし、結果や経過も入っていておかしくありません(高校戦車道の公式戦はフラッグ戦なので、結果や経過は速報時点では省かれることがあり得ますが)。連盟加入校であれば新聞は購読しているでしょうから、最終章の作品時点では夏の全国大会各戦に参加校がどんな戦車を投入したかは、連盟加入校であれば知っていて当然です。ポルシェティーガーの電動機交換あたりはわからないにしても、ルノーB1bisがあるとか、四号戦車がD型からF2型仕様に改造されたとかは当然掲載されているはずと思います。購入・戦力化が全国大会直前で、全国大会でも一回戦には出てこなかったアンツィオのP40の情報がなかったのとは話が違うのです。また大洗女子の戦車数がそもそも大会の定数に足りていないという情報も出回っているはずで、菱形戦車ならむしろ投入しても仕方ないと思われかねませんが、ルノーB1bisであれば必ず投入してくると予想すべきでしょう。敵の弱みを突くのは正しい発想ですし、笑えるおバカな失敗もお話としてはありです(アンツィオのマカロニ作戦の失敗はそのレベルでしょう: アンチョビも「あれほど説明したのに」と愚痴っていますし)。とはいえ設定からしてあまりにもひどいレベルの失策というのは興覚めです(大洗女子が単独で忍び込んできたソミュアS35をルノーB1bisと見間違えるというならありそうですが)。内輪揉め以前に、そのあたりをアズミさんあたりから説教させるべきでした。強いて流れを考えるとしたら、安藤さんあたりが可能性を指摘したものの押田さんがまぜっかえしてうやむやになったとかでしょうか。真面目な方のマリー隊長ならちゃんと裁定しそうですが、頭がお茶会モードの時には聞き流しそうです。
秋山さんの潜入活動は絵になりますが、本来インテリジェンスというのはそうした公式情報の分析から始まるものです。全国大会時、みほが試合の作戦を立てる際にも、そうした連盟刊行物も含めた資料を参考にしているはずです。まあ、大洗女子は長期間公式大会には参加していなかったので、休止期間中の資料があるかどうかはわからないですし、みほとしても確実に資料を持っているだろう実家は頼りにくかったでしょうが、公式戦参加申請と同時に戦車道新聞は届くようになったでしょうし、生徒会にしても直近の公式刊行物の購入代金くらいは喜んで支出したでしょう(もっとも、日本の学術研究業界ではこの資料代を出し渋る傾向が昨今強くみられるのですが)。模擬戦時点でセントグロリアーナの陣容をある程度承知していたのも、そうした下調べの成果のはずです。その上で、各校の内部刊行物や主要選手の経歴の調査をして、可能なら他校の内部資料(校内模擬戦のログ、練習メニュー、独自の評価文書など)の入手や、遠征中の通信の傍受、校内への潜入、内部通報者の確保などを進めつつ、対外模擬戦を行うなどしてフレッシュな情報を得るわけです。大洗女子はまだしも、BC自由学園にはこうした活動を行う余裕が十分あったはずなのですけどね(というか、全国大会時、ノンナさんがこの手の活動を取りまとめてカチューシャに報告していたらしい流れがあります: カチューシャはダージリンに言われるまで聞き流していたようですが)。
というか、スタッフの趣味だというのはわかっていますが、正直大洗女子の戦車については購入当時の選定担当者に問いただしたいものです。四号D型や三突、三式、M3リー、ルノーB1bisは無難な線でしょうし、ポルシェティーガーもあくが強く継戦能力に欠けるということを除けば悪くはありません。八九式や38Tも使いようではあります(三号戦車やクルセーダー、M3スチュアートであるに越したことはないでしょうけど)。しかし、菱形戦車は一体何のために買ったのか。性能が低いとか機構が洗練されていないという以前に、あれは歩兵のこもる塹壕を火砲の制圧射撃に邪魔されることなく突破するという思想にのっとって設計されており、集団での対装甲運動戦を想定した戦間期以降の戦車運用とは全くかみ合いません。せいぜい対人制圧に使えるくらいで、歩兵随伴の対装甲・対陣地火砲及び簡易陣地、つまり歩兵戦車としてすら不十分なのです。西住家が二号戦車を個人所有していることからして、誰かのコレクションが寄贈ないしは放置されたものでしょうか。最終章第1話の付録でWoTの人がMarkIV登場と言われて「ルノーFTの相手くらいならできるかもしれませんが…」と苦笑いしていましたが、私ならルノーFTとMarkIVのどちらを運用するかと言われた場合、指揮官用であってもルノーFTを取ります。

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