■2020年01月08日(水)
あまねさん、何を失敗したのか
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微熱空間3巻, 蒼樹うめ 巻頭のカラーであまねさんが鍋で何かを作っており、巻末のカラーで小皿に何か汁物を取った様子のイラストがあって、あまねさんが明らかに何か失敗した顔をしています。味見したところ失敗していた風情ですが、いったい何を作って何を失敗したのか。まず味噌汁ではありえないでしょう。確かにまずい味噌汁を作ることはできますが、こんな表情になるほどひどい味にすることはむしろ難しいと思います。強いて言えば味噌を入れすぎた場合と煮込みすぎた場合ですが、どちらも調整は可能です。片手の中型鍋で作る料理でこのやってしまった表情は、ルーを使うシチューで塩か隠し味の醤油あたりを入れすぎた場合しか考え付きません。最後の味の調整で塩を入れすぎてしまうと、調整はなかなか困難です。 なお、味噌汁で他にひとつだけ、最終段階ではなく最初の段階でこうなる可能性があります。粉末出汁を入れすぎた場合です。出汁を溶かした段階で味見をして調整すればよいのですが、最終段階でこのミスに気付いた場合、いささか難しい状態になるでしょう。時間はかかるものの、昆布やシイタケの戻し汁を出汁として使う場合は、そういう失敗は起こりません。また出し殻を取り除く必要があるため、そもそも出汁をちゃんと取るくらい気合が入っている場合を除き、カツオ節(や鯖節など魚系の乾物)や煮干しの出汁はお勧めできません。もっとも、失敗したところで苦みや臭みが出るとか食感が悪くなる程度で、粉末出汁を入れすぎた場合のような破滅的な味にはならないので、失敗したくなければ出汁はちゃんと取る方が良いと思います。もっとも、毎日翌日分の出汁を用意しておくなどという面倒は避けたいという気持ちはよくわかります。とはいえ、保存と管理さえよければ作り置きして一週間は持つので、カツオの一番出汁をすぐ使いたいなどというのでなければ、印象ほど面倒ではないのですけどね。 | | |