■2019年02月09日(土)
Ohne euch gesund und reich
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深めに焙煎した大麦を粉にして濃い目に入れ、ミルクと砂糖を入れた、麦茶ラテとでもいうのがふさわしいもの え…これって、かの世界一の科学力を誇る大ドイツ帝国とか、わざわざジャワ島を攻めに行ったのに石油と一緒に輸入が途絶えた大日本帝国が生み出した「代用コーヒー」の一種じゃないの?(例えば、藤原辰史, カブラの冬, 2011, 人文書院; 伸井太一, ニセドイツ2, 2009, 社会批評社; 臼井隆一郎, コーヒーが廻り世界史が廻る, 1992, 中央公論社) と、思ったら…こんなものが 麦のカフェ CEBADA(セバダ)ができるまで コーヒーとお茶のあいだに“新しい飲み物”を 「麦のコーヒー」は定着するか ITMediaの記事の方に「現地では砂糖やミルクを入れることが多いが」とあり、これは先の飲み物そのもののようですが…いや、情報が早い方ではないことは自覚していますが、もちろん20世紀前半に代用コーヒーとして飲まれていたものが最近健康食品としてリバイバルしているのは知っていましたが、この飲み物をこの宣伝はないんじゃないですかね。デカフェだって私は趣味が悪いと思いますが(カフェインが欲しくないならコーヒーや茶なんかそもそも飲まなければいいのであって)、ネット民に限らず何かを焦がしたものを煮た液体を代用コーヒーと呼んだことを知っている人はいるのであって、「コーヒーの製法を、そのまま麦で」とか「コーヒーに負けない味わい」なんて言ったら嫌でも代用だけど負けないと言い張った歴史を思い出すでしょう。コーヒーをうかがわせない売り方であればその筋の人たちがうわさにする「健康に良く香味豊かな麦茶風飲料」で済んだかもしれませんが。逆にあえてネタに走るならもっとあざとくいかないとだめですよ。「大麦には、きっと何かある!」ではなくて、「歴史が証明した確かな味を、スペインに根付いた方法を元に洗練しました」とか(ちゃんと規格も作られているので、嘘ではない: 臼井前掲書)。「代用コーヒーだと思ったら意外とおいしかった」、「麦茶のバリエーションならこれはあり」ならポジティブですけど、「コーヒーに負けない味わいって、飲んでみたらやっぱりコーヒーではない!」ではイメージが悪くなると思うなあ。まだ売ってるかな? | | |