■2024年12月08日(日)
大日本帝国が滅びに踏み出しためでたい日
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ほぼ八十五年前の本日未明、大日本帝国は西太平洋方面とインドシナ半島での戦争を開始・拡大し、めでたく1945年に滅びました。形式的には天皇が、実質的には官軍の要職が支配する独裁国家は天皇と軍が責任を引き受け、前者が実権を形式的にも奪われ、後者に至っては組織を解体されるという形で崩壊しました。不十分ではあるにせよ、君主や軍のような不合理な前近代的権力が退出し、近代的官僚合理主義による文民の支配が貫徹したことは、寿ぐべきでしょう。 もう一つ、対独戦と並んで米軍の近代化に果たした役割は、あまりめでたくはありませんが、見過ごすべきではないでしょう。第一次世界大戦にもかかわらず南北戦争の戦争観からあまり進歩していなかった米軍が現在の機械化機動軍に進歩したのはこの両面戦争がきっかけと言っても過言ではありません。第一次大戦で培った兵站重視の発想とともに、背伸びしなければ強い米軍を作っています。またインドシナ半島というあまりに遠い戦地での兵站確保の努力は、事実上失敗したとはいえ今日の国際運輸システムの基盤を築きました。そこまで背伸びするきっかけを作ったという点でも、対独戦と対日戦、特に事実上米軍、それも米海軍単独で行う羽目になった対日戦は重視されるべきです。対日戦で陸軍と言えば航空隊、つまり後の米空軍ばかり出てきていたわけですし。 | | |